JP2012223018A - 永久磁石モータ駆動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】回転子に設けられた永久磁石の磁極を判別でき、実用性に適した永久磁石モータ駆動システムを提供することにある。
【解決手段】回転子にコイルとダイオードが直列に接続された磁束変化抑制回路が組み込まれた永久磁石モータ1を駆動するための電力を供給するインバータ2を制御して、永久磁石モータ1を駆動制御する永久磁石モータ駆動システム10において、制御装置5は、コイルに鎖交する軸方向に磁束変化させる界磁電圧を発生させ、インバータ2の電流応答Iuvwを検出して、回転子の永久磁石をNS極判別し、NS極判別結果を用いてインバータ2を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、永久磁石モータを駆動するシステムに関する。
永久磁石同期電動機(PMモータ)を正しく制御するためには、回転子に設けられた磁石の極性を正しく判定して、磁石磁束の方向を決定する必要がある。一般に、PMモータのセンサレス制御において、停止又は低回転での運転領域では、回転位相角推定方法の原理上、推定された位相角は、0度又は180度のあいまいさを持っている。よって、磁石の位置θm(+0度又は+180度のどちらかの可能性を持った回転位相角)を決定することはできるが、磁石の極性(決定された回転位相角が+0度か+180度か)を判定することはできない。
このため、通常の回転位相角推定法に加え、磁気飽和による磁極判別法を別途に実施することで、磁極を判定することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
磁気飽和による磁極判別法は、予め推定された磁石位置θm(d軸、但し方向未定)の位置に+と−の大きな直流d軸電流を印加する。ここで、d軸は、回転子突方向、q軸は、回転子突方向と直角方向である。この電流の作る磁束と磁石の磁束が同じ方向の場合は、モータの固定子(ステータ)に磁気飽和が発生して、コイルのインダクタンスが低下する。一方、逆方向の場合は、磁束が互いに打ち消しあうため、磁気飽和が発生せず、インダクタンスがほぼ変化しない。磁気飽和による磁極判別法では、この現象を利用して、磁極を判別する。
インダクタンスの低下又は不変を検知するためには、直流電流を印加するのと同時に、d軸方向に高周波電圧を印加する。この高周波電圧に対して流れた高周波電流の関係を用いて、インダクタンス(相当値)を得る。磁極判別法では、このインダクタンスが、直流電流を+又は−のどちらに流した時に低下したかを判定する。これにより、磁気飽和の発生する方向を検知して、磁石磁束即ちd軸の方向を決定する。
しかし、大きな直流d軸電流は、d軸方向の推定誤差などにより、トルク変動を招くことがある。このため、運転開始後では、トルクを印加しない状態でなければ、このような磁気飽和による磁極判別法を行うことができない。従って、このような磁気飽和による磁極判別法は、制御始動時にのみ行うのが一般的である。
また、この他の磁極判別法としては、ダイオードで単相短絡された界磁巻線を、電動機の回転子に挿入して行う方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2001−339999号公報
阿部貴志、外2名,"半波整流ブラシなし同期電動機の位置センサレス始動位置検出法","電気学会論文誌D",社団法人電気学会,2004年,第124巻,第6号,p589−598
しかしながら、インバータ再起動(回転位相角をリセット後、制御始動する場合)や脱調を検知した後に、回転位相角の推定をやり直す場合には、運転開始後であっても、磁極判別を行う必要がある。この場合、上述の磁気飽和による磁極判別法では、トルク変動を招く恐れがあるため、磁極判別中は、トルクを印加できない。このため、再起動等を行った場合、トルク印加までに数百ミリ秒の時間を要する。
また、非特許文献1に記載されている磁極判別法は、磁極判別そのものに重点が置かれたものである。従って、この磁極判別法を実用化するには、機器のコストなど、種々の課題がある。
そこで、本発明の目的は、回転子に設けられた永久磁石の磁極を判別でき、実用性に適した永久磁石モータ駆動システムを提供することにある。
本発明の観点に従った永久磁石モータ駆動システムは、回転子に設けられた永久磁石による磁石磁束と固定子に励磁される回転磁界により回転トルクを発生する永久磁石モータと、前記永久磁石モータの前記回転子に設けられ、コイルとダイオードが直列に接続された前記永久磁石の磁極を判別するための磁極判別用回路と、前記永久磁石モータを駆動するための電力を供給するインバータと、前記磁極判別用回路の前記コイルに鎖交する軸方向に磁束変化させる界磁電圧を発生させるための界磁電圧指令を生成する界磁電圧指令生成手段と、前記インバータの出力電流を検出する電流検出手段と、前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令に基づいて印加される界磁電圧及び前記電流検出手段により検出される出力電流に基づいて、前記永久磁石の磁極を判別する磁極判別手段と、前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令及び前記磁極判別手段により判別される前記永久磁石の磁極に基づいて、前記インバータを制御する制御手段と
を備えている。
本発明によれば、回転子に設けられた永久磁石の磁極を判別でき、実用性に適した永久磁石モータ駆動システムを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システムの構成を示す構成図。 第1の実施形態に係るPMモータの構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る磁束変化抑制回路の等価回路を示す電気回路図。 第1の実施形態に係る磁束変化抑制回路のdq軸座標モデルを示す概念図。 第1の実施形態に係る界磁発生部によりPMモータに印加される界磁電圧指令を示す波形図。 第1の実施形態に係る反転検知部により検出される非反転時のd軸電流応答を示す波形図。 第1の実施形態に係る反転検知部により検出される反転時のd軸電流応答を示す波形図。 本発明の第2の実施形態に係る磁束変化抑制回路の等価回路を示す電気回路図。 第2の実施形態に係る反転検知部の構成を示す構成図。 本発明の第3の実施形態に係る磁束変化抑制回路の等価回路を示す電気回路図。 第3の実施形態に係る反転検知部の構成を示す構成図。 本発明の第4の実施形態に係るPMモータの一部の構成を示す構成図。 本発明の第5の実施形態に係るPMモータの一部の構成を示す構成図。 本発明の第6の実施形態に係るPMモータの回転子の構成を示す構成図。 第6の実施形態に係る磁束変化抑制回路のdq軸座標モデルを示す概念図。 本発明の第7の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システムの構成を示す構成図。 第7の実施形態に係る界磁電圧指令を示す波形図。 第7の実施形態に係る回転子のNS極が反転していないときのdq軸座標モデルを示す概念図。 第7の実施形態に係る回転子のNS極が反転しているときのdq軸座標モデルを示す概念図。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10の構成を示す構成図である。なお、以降の図における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。以降の実施形態も同様にして重複する説明を省略する。
永久磁石モータ駆動システム10は、PMモータ1と、インバータ2と、直流電源3と、交流電流検出器4と、制御装置5とを備えている。
PMモータ1は、回転子に永久磁石が埋め込まれた同期電動機である。PMモータ1は、インバータ2から供給される交流電力により駆動する。
インバータ2の直流側は、直流電源3が接続されている。インバータ2の交流側は、PMモータ1が接続されている。インバータ2は、制御装置5から入力されるゲート信号GSに応じて、電力変換部を構成するスイッチング素子がオン又はオフされる。これにより、インバータ2は、直流電源3から供給される直流電圧を三相交流電圧に変換する。インバータ2は、変換した三相交流電力をPMモータ1に供給する。
交流電流検出器4は、インバータ2の交流側に設けられている。交流電流検出器4は、制御装置5の制御によりインバータ4から出力される三相電流応答Iuvwを相毎に検出する。交流電流検出器4は、検出した三相電流応答Iuvwを制御装置5に送信する。
制御装置5には、上位制御系から送信されたトルク指令Tref及び交流電流検出器4により検出された三相電流応答Iuvwが入力される。トルク指令Trefは、PMモータ1のトルクを制御するための基準となる値である。制御装置5は、トルク指令Tref及び三相電流応答Iuvwに基づいて、ゲート信号GSを生成する。制御装置5は、生成したゲート信号GSをインバータ2に出力する。制御装置5は、ゲート信号GSにより、インバータ2の出力電力を制御する。制御装置5は、インバータ2を制御することにより、PMモータ1の駆動を制御する。
図2は、本実施形態に係るPMモータ1の構成を示す構成図である。図3は、本実施形態に係る磁束変化抑制回路14の等価回路を示す電気回路図である。
PMモータ1は、固定子11と、回転子12とを備えている。
回転子12には、4つの永久磁石13及び4つの磁束変化抑制回路14が組み込まれている。4つの磁束変化抑制回路14は、4つの永久磁石13にそれぞれ対応して設けられている。磁束変化抑制回路14は、永久磁石13の磁束の軸方向(d軸方向)と、コイルCLに鎖交する磁束の軸方向(d軸方向)が一致するように配置されている。
磁束変化抑制回路14は、ダイオードDIとコイルCLが直列に接続された閉回路である。磁束変化抑制回路14は、回転子12の中で閉じられた回路である。即ち、磁束変化抑制回路14は、ブラシやスリップリングなどで、固定子側に回路を引き出すような機構は備えていない。ダイオードDIは、コイルCL(ダイオードDIの順方向)に電流が流れると、永久磁石13の磁束と同一方向にコイルCLから磁束が発生する向きに取り付けられている。
制御装置5は、電流指令生成部51と、電流制御部52と、界磁発生部53と、PWM処理部54と、回転位相角推定部55と、反転検知部56と、加算器57とを備えている。
電流指令生成部51は、入力されたトルク指令Trefに基づいて、dq軸電流指令Irefを生成する。dq軸電流指令Irefは、PMモータ1のdq軸のそれぞれに流す電流を制御するための基準となる値である。電流指令生成部51は、生成したdq軸電流指令Irefを電流制御部52に出力する。電流指令生成部51は、次式を用いて、dq軸電流指令Irefを生成する。ここで、「Idref」はd軸電流指令、「Iqref」はq軸電流指令、「k」は定数、「θi」はdq軸座標系におけるd軸を基準とした電流位相角である。
Figure 2012223018
回転位相角推定部55は、交流電流検出器4により検出された三相電流応答Iuvw及びPWM処理部54から出力されるゲート信号GSに基づいて、重畳させた高周波電圧に対応する成分を、三相電流応答Iuvwに含まれる高周波電流応答から検出する。回転位相角推定部55は、検出した高周波電流応答の成分及びゲート信号GSに基づいて、PMモータ1の回転位相角θestを推定する。回転位相角推定部55は、推定した回転位相角θestを電流制御部52に出力する。
界磁発生部53は、dq軸座標系のd軸方向に界磁を発生させるための制御部である。即ち、界磁発生部53は、磁束変化抑制回路14(コイルCL)の磁束鎖交方向の軸方向に界磁を発生させる。界磁発生部53は、回転子12に組み込まれた磁束変化抑制回路14に磁束が鎖交する方向の軸方向に固定子界磁を発生させるための界磁電圧指令Vmrefを、三相交流電圧に換算して演算する。界磁発生部53は、演算した界磁電圧指令Vmrefを反転検知部56及び加算器57に出力する。
反転検知部56は、界磁発生部53により演算された界磁電圧指令Vmref及び交流電流検出器4により検出された三相電流応答Iuvwに基づいて、永久磁石13のN極及びS極の位置(磁極位置)の反転又は非反転を検知する(NS極判別)。反転検知部56は、判別結果をNS極判別結果信号DTとして、電流制御部52に出力する。
次に、反転検知部56によるNS極判別方法について説明する。なお、界磁電圧及び電流応答などの電気量は、主にdq軸座標系で説明する。以降の実施形態においても同様である。
図4は、本実施形態に係る磁束変化抑制回路14のdq軸座標モデルを示す概念図である。図5は、本実施形態に係る界磁発生部53によりPMモータ1に印加される界磁電圧指令Vmrefを示す波形図である。図6は、本実施形態に係る反転検知部56により検出される非反転時のd軸電流応答を示す波形図である。図7は、本実施形態に係る反転検知部56により検出される反転時のd軸電流応答を示す波形図である。なお、図4から図7に示した波形は、NS極判別方法を説明するためのイメージ図である。また、図5に示す界磁電圧指令Vmrefは、界磁電圧に置き換えてもよい。
磁束変化抑制回路14の鎖交磁束方向Φcは、図4に示すように、d軸−方向である。鎖交磁束方向Φcは、ダイオードDIの順方向に電流が流れた場合に発生するコイル磁束の方向である。
まず、界磁発生部53は、図5に示す界磁電圧指令Vmrefによる界磁電圧をPMモータ1のd軸の+方向に印加する。界磁発生部53は、図5に示すように、方形波状に界磁電圧(界磁電圧指令Vmref)を発生させる。d軸+方向に印加された界磁電圧により、d軸+方向に固定子磁束が増加する。
反転検知部56は、界磁電圧指令Vmrefに基づいて、NS極判別する基準となる比較量THを演算する。
反転検知部56は、検出された三相電流応答Iuvwに基づいて、d軸電流応答Idを検出する。d軸電流応答Idは、後述する電流制御部52での三相電流応答Iuvwをdq軸電流応答Id,Iqに変換する演算方法で求まる。図6及び図7に示すように、方形波状に界磁電圧が印加されると、d軸電流応答Idは、徐々に増加する。
永久磁石13のNS極が反転していない場合(N極がd軸+方向を向いている場合)、磁束変化抑制回路14には、界磁電圧により発生した磁束を打ち消すように、ダイオードDIの順方向に電流が流れる。磁束変化抑制回路14に流れる電流により、d軸電流応答Idは増加する。この結果、図6に示すように、d軸電流応答Idは、比較量THを超える。
永久磁石13のNS極が反転している場合(N極がd軸−方向を向いている場合)、磁束変化抑制回路14には、界磁電圧により発生した磁束を打ち消すように電流が流れようとする。しかし、この電流の向きは、ダイオードDIと逆方向に流れる向きであるため、磁束変化抑制回路14には、電流が流れない。従って、d軸電流応答は増加しない。この結果、図7に示すように、d軸電流応答Idは、比較量THを下回る。
従って、反転検知部56は、d軸電流応答Idが比較量THを超えた場合は、NS極を非反転と判断する。反転検知部56は、d軸電流応答Idが比較量THを下回った場合は、NS極を反転と判断する。
電流制御部52は、電流指令生成部51から入力されたdq軸電流指令Iref、交流電流検出器4により検出された三相電流応答Iuvw、回転位相角推定部55により推定された回転位相角θest、及び反転検知部56により検知されたNS極判別結果信号DTに基づいて、PMモータ1の固定子11に流す電流を制御する。
具体的には、電流制御部52は、次のような制御処理を行う。電流制御部52は、三相電流応答Iuvwをdq軸座標のdq軸電流応答Id,Iqに変換する。電流制御部52は、比例積分制御(PI: proportional-plus-integral control)により、dq軸電流指令Irefとdq軸電流応答Id,Iqとの偏差が減少するように、dq軸電圧を調整する演算をする。電流制御部52は、演算したdq軸電圧を、回転位相角θest及びNS極判別結果信号DTを用いて、三相電圧に変換する。電流制御部52は、演算した三相電圧を三相電圧指令Virefとして、加算器57に出力する。三相電圧指令Virefは、インバータ2の出力電圧を制御するための基準となる。
次に、電流制御部52による演算で用いる数式について説明する。
PMモータ1のdq軸電圧とdq軸電流の関係は、次式のようになる。ここで、「Vd」はd軸電圧、「Vq」はq軸電圧、「Id」はd軸電流、「Iq」はq軸電流、「R」は抵抗、「Ld」はd軸インダクタンス、「Lq」はq軸インダクタンス、「Φ」は永久磁石磁束、「ω」は回転速度、「p」は微分演算子である。
Figure 2012223018
電流制御部52は、次式を用いて、三相電流応答Iuvwをdq軸電流応答Id,Iqに変換する。ここで、「Iu」はU相電流応答、「Iv」はV相電流応答、「Iw」はW相電流応答、「Id」はd軸電流応答、「Iq」はq軸電流応答である。
Figure 2012223018
なお、電流制御部52は、三相のうち二相のみの電流応答を検出して制御することもできる。この場合は、次式を用いて、dq軸電流応答Id,Iqに変換する。ここでは、U相とW相の電流応答をdq軸電流応答Id,Iqに変換する場合を示す。
Figure 2012223018
電流制御部52は、次式を用いて、dq軸電流指令Iref及びdq軸電流応答Id,Iqから三相電圧指令Virefに相当するdq軸座標系の電圧指令を演算する。ここで、「Vdref」はd軸電圧指令、「Vqref」はq軸電圧指令、「Kp」は比例ゲイン、「Ki」は積分ゲイン、「s」はラプラス演算子である。
Figure 2012223018
電流制御部52は、次式を用いて、dq軸座標系の電圧指令を三相電圧指令Virefに変換する。ここで、「Vuref」はU相電圧指令、「Vvref」はV相電圧指令、「Vwref」はW相電圧指令である。
Figure 2012223018
加算器57には、電流制御部52により演算された三相電圧指令Viref及び界磁発生部53により演算された界磁電圧指令Vmrefが入力される。加算器57は、三相電圧指令Virefと界磁電圧指令Vmrefを加算した電圧指令Vrefを演算する。電圧指令Vrefは、インバータ2から出力させる電圧を制御するための基準となる。加算器57は、演算した電圧指令VrefをPWM処理部54に出力する。
PWM処理部54は、三角波比較PWM(Pulse Width Modulation)により、インバータ2のスイッチング素子をオン・オフするゲート信号GSを生成する。具体的には、PWM処理部54は、加算器57から入力された電圧指令Vrefと三角波キャリアを比較して、ゲート信号GSを生成する。PWM処理部54は、ゲート信号GSをインバータ2に出力する。これにより、制御装置5は、インバータ2の出力電圧を制御する。
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
固定子11側からの磁束が磁束変化抑制回路14のコイルCLに鎖交すると、コイルCLに電流が誘起される。コイルCLと直列に接続されたダイオードDIの整流作用により、ダイオードDIの順方向と逆方向で、磁束変化抑制回路14の回路定数が変わる。この回路定数の変化の影響を受けて、固定子11側の電流挙動が変化する。この時、制御軸からみて極性(N極、S極)が反転している場合、順方向回路定数と逆方向回路定数が反転する。界磁電圧Vmrefに対応して固定子11に流れる電流は、コイルCLに流れる電流の影響を受ける。このため、固定子11に流れる電流は、順方向回路定数と逆方向回路定数が反転している影響を受け、極性が反転していない場合に比較して、異なる電流値となる。
従って、磁束が磁束変化抑制回路14に鎖交する軸方向に界磁電圧Vmrefを供給した時に固定子11に流れる電流の挙動を観測することにより、磁石の極性の反転/非反転を検知することができる。この原理を利用して、反転検知部56は、NS極判別をする。これにより、磁気飽和を用いた判定方法のように、大きな直流電流を流す必要がない。このため、PMモータ1は、NS極判別によるトルクの乱れが発生しない。よって、制御装置5は、PMモータ1の運転時にも頻繁にNS極判別を行うことができる。これにより、永久磁石モータ駆動システム10は、制御の安定性と信頼性を向上させることができる。
さらに、低速センサレス制御で一般的な高周波電圧重畳法で印加する高周波電圧に界磁電圧をかねることが可能である。この場合、回転位相角を推定しながらNS極判別も同時に実施することができる。
また、磁束変化抑制回路14は、鎖交磁束方向Φcが磁石磁束と同じ方向になる向きになるようにダイオードDIを入れている。これにより、磁束変化抑制回路14から発生するコイル磁束は、磁石磁束を補助して、総磁束としてより大きな磁束を得ることができる。これにより、PMモータ1は、より大きなトルクを得ることができる。
一方、磁束変化抑制回路14の鎖交磁束方向Φcが磁石磁束と反対向きになるようにダイオードDIを入れることで、高速回転域での磁石磁束による逆起電圧を打ち消すことができる。これにより、弱め磁束による制御が必要なくなるため、この制御による損失を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る磁束変化抑制回路14Aの等価回路を示す電気回路図である。図9は、本実施形態に係る反転検知部56Aの構成を示す構成図である。
本実施形態に係る永久磁石モータ駆動システムは、第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10において、PMモータ1に実装されている磁束変化抑制回路14を、磁束変化抑制回路14Aに代え、制御装置5の反転検知部56を反転検知部56Aに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10と同様である。
磁束変化抑制回路14Aは、第1の実施形態に係る磁束変化抑制回路14において、ダイオードDIと直列に抵抗Rdを追加した構成である。
ダイオードDIの順方向に電流が流れた場合、回路抵抗は、抵抗Rdによる抵抗値となる。ダイオードDIの逆方向に電流が流れた場合、回路抵抗は、ほぼ∞の抵抗値となる。
反転検知部56Aは、反転判断部561Aと、インピーダンス演算部562Aとを備えている。
インピーダンス演算部562Aは、界磁発生部53により演算された界磁電圧指令Vmref及び交流電流検出器4により検出された三相電流応答Iuvwに基づいて、磁束変化抑制回路14Aのインピーダンス(回路抵抗)を演算する。インピーダンス演算部562Aは、演算したインピーダンスを反転判断部561Aに出力する。
反転判断部561Aは、インピーダンス演算部562Aにより演算されたインピーダンスに基づいて、NS極判別を行う。反転判断部561Aは、インピーダンスが抵抗Rdの抵抗値に近い値であれば、NS極は反転していない(ダイオードDIの順方向に電流が流れた)と判断する。反転判断部561Aは、インピーダンスがほぼ∞であれば、NS極は反転している(ダイオードDIの逆方向に電流が流れた)と判断する。反転判断部561Aは、判断した結果をNS極判別結果信号DTとして、電流制御部52に出力する。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
磁束変化抑制回路14Aは、抵抗RdがダイオードDIと直列に挿入されていることで、NS極判別に、インダクタンスだけでなく抵抗も用いることができる。即ち、反転検知部56Aは、インピーダンスによるNS極判別をすることができる。従って、反転検知部56Aは、磁束変化抑制回路14のダイオードDIの順方向インピーダンスと逆方向インピーダンスを明確に区別することができる。これにより、反転検知部56Aは、NS極判別の検出精度を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態に係る磁束変化抑制回路14Bの等価回路を示す電気回路図である。図11は、本実施形態に係る反転検知部56Bの構成を示す構成図である。
本実施形態に係る永久磁石モータ駆動システムは、第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10において、PMモータ1に実装されている磁束変化抑制回路14を、磁束変化抑制回路14Bに代え、制御装置5の反転検知部56を反転検知部56Bに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10と同様である。
磁束変化抑制回路14Bは、第1の実施形態に係る磁束変化抑制回路14において、2つの抵抗Rd,Raを追加した構成である。抵抗Rdは、ダイオードDIと直列に接続されている。抵抗Raは、抵抗RdとダイオードDIとが直列に接続された回路と並列に接続されている。即ち、抵抗Raは、ダイオードDIを介さない閉回路を形成している。
ダイオードDIの順方向に電流Ifが流れた場合、抵抗Rdの抵抗値をrd、抵抗Raの抵抗値をraとすると、回路抵抗は、rd×ra/(rd+ra)となる。ダイオードDIの逆方向に電流Irが流れた場合、回路抵抗は、抵抗Raの抵抗値raとなる。
反転検知部56Bは、反転判断部561Bと、順方向インピーダンス演算部562Bと、逆方向インピーダンス演算部563Bとを備えている。
順方向インピーダンス演算部562Bは、界磁発生部53により演算された界磁電圧指令Vmref及び交流電流検出器4により検出された三相電流応答Iuvwに基づいて、ダイオードDIの順方向に電流が流れたと仮定した場合の磁束変化抑制回路14Bの順方向インピーダンスを演算する。順方向インピーダンス演算部562Bは、演算した順方向インピーダンスを反転判断部561Bに出力する。
逆方向インピーダンス演算部563Bは、界磁発生部53により演算された界磁電圧指令Vmref及び交流電流検出器4により検出された三相電流応答Iuvwに基づいて、ダイオードDIの逆方向に電流が流れたと仮定した場合の磁束変化抑制回路14Bの逆方向インピーダンスを演算する。逆方向インピーダンス演算部563Bは、演算した逆方向インピーダンスを反転判断部561Bに出力する。
反転判断部561Bは、順方向インピーダンス演算部562Bにより演算された順方向インピーダンスと逆方向インピーダンス演算部563Bにより演算された逆方向インピーダンスとの差異により、NS極が反転しているか否かを判断する。反転判断部561Bは、判断した結果をNS極判別結果信号DTとして、電流制御部52に出力する。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
磁束変化抑制回路14Bは、抵抗RaがダイオードDIと並列に接続されていることで、変化抑制回路14のダイオードDIの逆方向抵抗を∞でない値にすることができる。これにより、磁束変化抑制回路14Bの順方向インピーダンスと逆方向インピーダンスを明確に区別することができる。
また、反転検知部56Bは、界磁電圧指令Vmrefと三相電流応答Iuvwに基づいて、順方向に流れたと仮定した場合の順方向インピーダンスと、逆方向に流れたと仮定した場合の逆方向インピーダンスとを演算する。反転検知部56Bは、演算した順方向インピーダンスと逆方向インピーダンスとを比較することで、NS極判別の検出精度を向上させることができる。
(第4の実施形態)
図12は、本発明の第4の実施形態に係るPMモータ1Dの一部の構成を示す構成図である。
PMモータ1Dは、第1の実施形態に係るPMモータ1において、磁束変化抑制回路14を磁束変化抑制回路14Dに代えた構成である。その他の点は、第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10と同様である。
磁束変化抑制回路14Dは、回転子12Dにおいて、永久磁石13よりも固定子11側で、高周波磁束が減衰せずに鎖交する固定子11の表面に近い領域D1に配置されている。その他の点は、第1の実施形態に係る磁束変化抑制回路14と同様である。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
磁束変化抑制回路14Dは、埋め込み磁石型であるPMモータ1Dの回転子12Dにおいて、高周波磁束が減衰せずに鎖交する領域D1に配置されている。このため、磁束変化抑制回路14Dに流れる電流は、直流成分ではなく高周波成分となる。従って、固定子11のコイルと磁束変化抑制回路14Dを近づけることで、磁気結合を高めることができる。これにより、磁束変化抑制回路14Dに流れる電流の影響が固定子電流に現れやすくなるため、NS極判別の検出精度を向上させることができる。
(第5の実施形態)
図13は、本発明の第5の実施形態に係るPMモータ1Eの一部の構成を示す構成図である。
本実施形態に係る永久磁石モータ駆動システムは、第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10において、PMモータ1をPMモータ1Eに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10と同様である。
PMモータ1Eは、永久磁石13Eが回転子12Eの表面に配置された表面磁石型モータである。磁束変化抑制回路14Eは、回転子12Eにおいて、高周波磁束が減衰せずに鎖交する固定子11の表面に近い、永久磁石13Eの内側に配置されている。その他の点は、第1の実施形態に係るPMモータ1と同様である。
本実施形態によれば、表面磁石型モータであるPMモータ1Eを用いても、第4の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第6の実施形態)
図14は、本発明の第6の実施形態に係るPMモータの回転子12Fの構成を示す構成図である。図15は、本実施形態に係る磁束変化抑制回路14Fのdq軸座標モデルを示す概念図である。
本実施形態に係るPMモータは、第1の実施形態に係るPMモータ1の回転子12に配置されている磁束変化抑制回路14の配置の位置を変えたものである。その他の点は、第1の実施形態に係るPMモータ1と同様である。
磁束変化抑制回路14Fの鎖交磁束方向Φcは、q軸+方向である。永久磁石13の磁石磁束の方向は、d軸+方向である。即ち、磁束変化抑制回路14Fは、鎖交磁束方向Φcの軸方向が永久磁石13の磁石磁束の軸方向と電気的に90度の位相角をなすように、回転子12Fに配置されている。
本実施形態によれば、磁束変化抑制回路14Fは、鎖交磁束方向Φc(q軸)に永久磁石13の磁石磁束が通らないように配置されている。これにより、制御装置5は、NS極判別における磁石磁束の影響を受け難くすることができる。例えば、永久磁石磁束による磁気飽和が発生することで、NS極判別の検出精度が低下することを防止することができる。
また、磁束変化抑制回路14Fは、鎖交磁束方向Φcがq軸+方向になるようにダイオードDIを入れている。これにより、力行時におけるコイル磁束によるトルクが加算されることで、PMモータは、より大きなトルクを得ることができる。例えば、電気自動車、エアーコンディショナーのコンプレッサー、又は産業用のファン・ポンプなどに用いるPMモータなどのように、力行トルクを大きくする場合にメリットがあるPMモータに適した構成とすることができる。
一方、磁束変化抑制回路14Fの鎖交磁束方向Φcがq軸−方向になるようにダイオードDIを入れることで、回生トルクを大きくすることができる。例えば、発電用途(永久磁石発電機)として用いるPMモータに適した構成とすることができる。
(第7の実施形態)
図16は、本発明の第7の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10Gの構成を示す構成図である。図17は、本実施形態に係る界磁電圧指令VmrefGを示す波形図である。
永久磁石モータ駆動システム10Gは、第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10の制御装置5において、界磁発生部53を界磁発生部53Gに代えたものである。界磁発生部53Gは、図17に示す界磁電圧指令VmrefGを出力する。その他の点は、第1の実施形態に係る永久磁石モータ駆動システム10と同様である。
界磁電圧指令VmrefGは、界磁電圧として矩形波交番電圧を印加するための指令である。これにより、PMモータ1には、正負の交互に同一の振幅で矩形波が現れる波形の界磁電圧が印加される。
図17に示す区間Tpでは、界磁電圧指令VmrefGは、d軸+方向に界磁電圧を発生させる。区間Tmでは、界磁電圧指令VmrefGは、d軸−方向に界磁電圧を発生させる。
図18は、本実施形態に係る回転子12のNS極が反転していないときのdq軸座標モデルを示す概念図である。図19は、本実施形態に係る回転子12のNS極が反転しているときのdq軸座標モデルを示す概念図である。
回転子12が図18に示す状態の位置にある場合、制御装置5Gは、図17に示す区間Tpでは、ダイオードDIの順方向のインピーダンスの影響を受けた電流応答Iuvwを受信する。また、制御装置5Gは、図17に示す区間Tmでは、ダイオードDIの逆方向のインピーダンスの影響を受けた電流応答Iuvwを受信する。
回転子12が図19に示す状態の位置にある場合、制御装置5Gは、図17に示す区間Tpでは、ダイオードDIの逆方向のインピーダンスの影響を受けた電流応答Iuvwを受信する。また、制御装置5Gは、図17に示す区間Tmでは、ダイオードDIの順方向のインピーダンスの影響を受けた電流応答Iuvwを受信する。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
界磁発生部53Gは、界磁電圧として矩形波交番電圧を印加することで、NS極判別による界磁電圧及び電流応答の平均値(直流分)をほぼ零にすることができる。モータ制御に用いるdq軸座標系の電圧及び電流は、直流量である。従って、界磁発生部53Gにより、界磁電圧として矩形波交番電圧を印加することで、モータ制御に用いる電気量への影響を抑制することができる。
なお、各実施形態において、コイルCLの巻数は、一巻以上であれば、何回巻かれていてもよい。また、磁束変化抑制回路14には、ダイオードDI又はその他の電気回路要素をいくつ設けてもよい。さらに、4極のPMモータ1に対して、極数と同数の4個の磁束変化抑制回路14を配置した構成を示したが、これに限らない。すべての磁束変化抑制回路14を構成するコイルCLを直列に接続し、1個のダイオードDIをこの直列に接続されたコイルCLの回路に挿入するだけでもかまわない。この場合、複数の磁束変化抑制回路14に相当する複数のコイルCL間に、渡り配線を設けるだけで、PMモータ1の全体の部品点数を削減することができる。これらのことは、他の実施形態においても同様である。
また、第2,3の実施形態において、磁束変化抑制回路14A,14Bに追加する素子を抵抗で説明したが、これに限らない。磁束変化抑制回路14には、抵抗の代わりに、コンデンサ、コイル、スイッチング素子、又はその他の電気回路要素を追加してもよい。これらの素子を用いても、磁束変化抑制回路14のインピーダンスを変えることができる。
さらに、第1の実施形態において、反転検知部56は、界磁発生部53により演算された界磁電圧指令Vmrefに基づいて、反転又は非反転を検知する構成としたが、これに限らない。界磁電圧指令Vmrefを受信する代わりに、PWM処理部54の出力であるゲート指令GSを検出してもよいし、PMモータ1の三相電力線に電圧センサを設置して線間電圧を直接計測してもよい。さらに、界磁発生部53により発生させる界磁電圧を制御量として一定値であると決めている場合、その一定値が入力されたものとして、界磁電圧に関する検出そのものを省略してもよい。この場合、反転検知部56に予め比較量THを設定しておくことで、比較量THの演算を省略することができる。即ち、印加する界磁電圧を把握できるのであれば、どのような構成でもよい。これらのことは、他の実施形態においても同様である。
また、第1の実施形態において、反転検知部56は、界磁電圧指令Vmrefと電流応答Iuvwに基づいて、どのように反転・非反転を検知してもよい。dq軸座標系において、印加した界磁電圧を積分することにより、反転・非反転を検知する場合、反転検知部56は、電流応答が到達した波高値を検出することで、反転・非反転を検知することができる。また、印加した界磁電圧を積分せずに、反転・非反転を検知する場合、反転検知部56は、電流応答の変化分を検出することで、反転・非反転を検知することができる。これらのことは、他の実施形態においても同様である。
さらに、各実施形態では、dq軸座標系で界磁電圧及び電流応答などを示して説明したが、制御装置5で行う演算処理では、dq軸座標系で演算せずに、三相交流として演算してもよい。dq軸座標系で界磁電圧等を演算し、この演算結果を三相電圧に変換する構成の方が、制御上理解し易い。また、dq軸座標系の値であれば、直流量で考えられるため、人とコンピュータのどちらにおいても扱い易い。但し、コンピュータで演算させる場合には、dq軸座標系から三相交流に変換するための演算量が増加する。このため、制御装置5は、三相電圧で界磁電圧等を直接求めることで、演算量を減らすことができる。
また、第1の実施形態では、磁束変化抑制回路14の鎖交磁束方向Φcをd軸+方向に一致させ、第6の実施形態では、磁束変化抑制回路14Fの鎖交磁束方向Φcをq軸+方向に一致させたが、鎖交磁束方向Φcがこれらと異なる方向であってもよい。例えば、鎖交磁束方向Φcをd軸方向から45度の軸方向になるように、磁束変化抑制回路14等を配置することで、d軸方向に一致させた場合の作用効果とq軸方向に一致させた場合の作用効果の中間の作用効果を得ることができる。従って、鎖交磁束方向Φcを任意の向きに設定することで、PMモータを使用する用途又は環境等に応じた構成とすることができる。
さらに、第7の実施形態では、界磁発生部53Gから出力する界磁電圧指令VmrefGを矩形波交番電圧としたが、これに限らない。界磁電圧指令VmrefGは、正負のそれぞれに少なくとも1回ずつ界磁電圧を印加させる指令であるならば、正又は負のどちらか一方のみの界磁電圧を印加させた場合よりも、NS極判別のための界磁電圧及び応答電流の平均値を小さくすることができる。これにより、直流量であるモータ制御に用いるdq軸座標系の電圧及び電流への影響を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…PMモータ、2…インバータ、3…直流電源、4…交流電流検出器、5…制御装置、10…永久磁石モータ駆動システム、51…電流指令生成部、52…電流制御部、53…界磁発生部、54…PWM処理部、55…回転位相角推定部、56…反転検知部、57…加算器。

Claims (23)

  1. 回転子に設けられた永久磁石による磁石磁束と固定子に励磁される回転磁界により回転トルクを発生する永久磁石モータと、
    前記永久磁石モータの前記回転子に設けられ、コイルとダイオードが直列に接続された前記永久磁石の磁極を判別するための磁極判別用回路と、
    前記永久磁石モータを駆動するための電力を供給するインバータと、
    前記磁極判別用回路の前記コイルに鎖交する軸方向に磁束変化させる界磁電圧を発生させるための界磁電圧指令を生成する界磁電圧指令生成手段と、
    前記インバータの出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令に基づいて印加される界磁電圧及び前記電流検出手段により検出される出力電流に基づいて、前記永久磁石の磁極を判別する磁極判別手段と、
    前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令及び前記磁極判別手段により判別される前記永久磁石の磁極に基づいて、前記インバータを制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする永久磁石モータ駆動システム。
  2. 前記磁極判別用回路は、前記コイルに鎖交する磁束の回転座標系における軸方向を前記磁石磁束の軸方向に設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の永久磁石モータ駆動システム。
  3. 前記磁極判別用回路は、前記コイルに鎖交する磁束の回転座標系における軸方向を前記磁石磁束の軸方向に対して90度に設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の永久磁石モータ駆動システム。
  4. 前記磁極判別用回路は、前記コイルに鎖交する磁束の回転座標系における軸方向を前記磁石磁束の軸方向に対して45度に設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の永久磁石モータ駆動システム。
  5. 前記磁極判別用回路は、前記回転子の高周波磁束が減衰せずに鎖交する領域に配置されたこと
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石モータ駆動システム。
  6. 前記磁極判別用回路は、前記ダイオードと直列に接続されたインピーダンスを有する素子を設けたこと
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の永久磁石モータ駆動システム。
  7. 前記磁極判別用回路は、前記ダイオードと並列に接続されたインピーダンスを有する素子を設けたこと
    を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石モータ駆動システム。
  8. 前記磁極判別手段は、前記電流検出手段により検出される出力電流と前記界磁電圧に基づく閾値とを比較して、前記永久磁石の磁極を判別すること
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の永久磁石モータ駆動システム。
  9. 前記磁極判別手段は、前記電流検出手段により検出される出力電流の変化分と前記界磁電圧に基づく閾値とを比較して、前記永久磁石の磁極を判別すること
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の永久磁石モータ駆動システム。
  10. 前記磁極判別手段は、
    前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令及び前記電流検出手段により検出される出力電流に基づいて、前記磁極判別用回路のインピーダンスを演算するインピーダンス演算手段と、
    前記インピーダンス演算手段により演算された前記インピーダンスに基づいて、前記永久磁石の磁極を判別する判別手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の永久磁石モータ駆動システム。
  11. 前記磁極判別手段は、
    前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令及び前記電流検出手段により検出される出力電流に基づいて、前記ダイオードの順方向に電流が流れた場合の前記磁極判別用回路のインピーダンスを演算する順方向インピーダンス演算手段と、
    前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令及び前記電流検出手段により検出される出力電流に基づいて、前記ダイオードの逆方向に電流が流れた場合の前記磁極判別用回路のインピーダンスを演算する逆方向インピーダンス演算手段と、
    前記順方向インピーダンス演算手段により演算された前記順方向インピーダンスと前記逆方向インピーダンス演算手段により演算された前記逆方向インピーダンスとを比較して、前記永久磁石の磁極を判別する判別手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の永久磁石モータ駆動システム。
  12. インバータの出力電力により駆動を制御され、回転子に設けられた永久磁石による磁石磁束と固定子に励磁される回転磁界により回転トルクを発生する永久磁石モータであって、
    前記永久磁石モータの前記回転子に設けられ、コイルとダイオードが直列に接続され、界磁電圧により磁束を前記コイルに鎖交させ、前記インバータの出力電流を検出して、前記永久磁石の磁極を判別するための磁極判別用回路
    を備えたことを特徴とする永久磁石モータ。
  13. 前記磁極判別用回路は、前記コイルに鎖交する磁束の回転座標系における軸方向を前記磁石磁束の軸方向に設けたこと
    を特徴とする請求項12に記載の永久磁石モータ。
  14. 前記磁極判別用回路は、前記コイルに鎖交する磁束の回転座標系における軸方向を前記磁石磁束の軸方向に対して90度に設けたこと
    を特徴とする請求項12に記載の永久磁石モータ。
  15. 前記磁極判別用回路は、前記コイルに鎖交する磁束の回転座標系における軸方向を前記磁石磁束の軸方向に対して45度に設けたこと
    を特徴とする請求項12に記載の永久磁石モータ。
  16. 前記磁極判別用回路は、前記回転子の高周波磁束が減衰せずに鎖交する領域に配置されたこと
    を特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の永久磁石モータ。
  17. 前記磁極判別用回路は、前記ダイオードと直列に接続されたインピーダンスを有する素子を設けたこと
    を特徴とする請求項12から請求項16のいずれか1項に記載の永久磁石モータ。
  18. 前記磁極判別用回路は、前記ダイオードと並列に接続されたインピーダンスを有する素子を設けたこと
    を特徴とする請求項12から請求項17のいずれか1項に記載の永久磁石モータ。
  19. 回転子に設けられた永久磁石による磁石磁束と固定子に励磁される回転磁界により回転トルクを発生する永久磁石モータの前記回転子に、コイルとダイオードが直列に接続された前記永久磁石の磁極を判別するための磁極判別用回路が設けられ、前記永久磁石モータを駆動するための電力を供給するインバータを制御するインバータ制御装置であって、
    前記磁極判別用回路の前記コイルに鎖交する軸方向に磁束変化させる界磁電圧を発生させるための界磁電圧指令を生成する界磁電圧指令生成手段と、
    前記インバータの出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令に基づいて印加される界磁電圧及び前記電流検出手段により検出される出力電流に基づいて、前記永久磁石の磁極を判別する磁極判別手段と、
    前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令及び前記磁極判別手段により判別される前記永久磁石の磁極に基づいて、前記インバータを制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とするインバータ制御装置。
  20. 前記磁極判別手段は、前記電流検出手段により検出される出力電流と前記界磁電圧に基づく閾値とを比較して、前記永久磁石の磁極を判別すること
    を特徴とする請求項19に記載のインバータ制御装置。
  21. 前記磁極判別手段は、前記電流検出手段により検出される出力電流の変化分と前記界磁電圧に基づく閾値とを比較して、前記永久磁石の磁極を判別すること
    を特徴とする請求項19に記載のインバータ制御装置。
  22. 前記磁極判別手段は、
    前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令及び前記電流検出手段により検出される出力電流に基づいて、前記磁極判別用回路のインピーダンスを演算するインピーダンス演算手段と、
    前記インピーダンス演算手段により演算された前記インピーダンスに基づいて、前記永久磁石の磁極を判別する判別手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項19に記載のインバータ制御装置。
  23. 前記磁極判別手段は、
    前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令及び前記電流検出手段により検出される出力電流に基づいて、前記ダイオードの順方向に電流が流れた場合の前記磁極判別用回路のインピーダンスを演算する順方向インピーダンス演算手段と、
    前記界磁電圧指令生成手段により生成される前記界磁電圧指令及び前記電流検出手段により検出される出力電流に基づいて、前記ダイオードの逆方向に電流が流れた場合の前記磁極判別用回路のインピーダンスを演算する逆方向インピーダンス演算手段と、
    前記順方向インピーダンス演算手段により演算された前記順方向インピーダンスと前記逆方向インピーダンス演算手段により演算された前記逆方向インピーダンスとを比較して、前記永久磁石の磁極を判別する判別手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項19に記載のインバータ制御装置。
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