JP2012222047A - プリント配線板およびそのプリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板およびそのプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラインドビア径のばらつきが小さいプリント配線板およびプリント配線板の製造方法を提供することにある。
【解決手段】プリント配線板の製造方法は次の通りである。絶縁層20に導電基板10に達する貫通孔41を形成する。絶縁層20上の貫通孔41を含む領域に導電性粒子を含む導電性インクを塗布し、導電粒子層31を形成する。さらに、電気めっきにより導電粒子層31の上に電気めっき層33を形成する。そして、ブラインドビア40の周囲の導電粒子層31および電気めっき層33を除去する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ブラインドビアを有するプリント配線板およびプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板のブラインドビアとして特許文献1の技術が知られている。
図6に示すように、絶縁層に形成されている第1導電パターン110と第2導電パターン120は、絶縁層130を貫通するブラインドビア140を介して互いに接続されている。このブラインドビア140は、絶縁層に形成された貫通孔141に導電ペースト143を充填することにより形成されている。
特開2008−181915号公報
近年、プリント配線板の高密度配線化の要求にともないブラインドビア140の更なる小径化が要求されている。ブラインドビア140の小径化のためには貫通孔141の内径を小さくし、かつ、この貫通孔141に導電ペースト143を十分に充填するために導電ペースト143の粘度を低下させることが必要となる。しかし、粘度の低い導電ペースト143を用いた場合、導電ペースト143の熱硬化のときの流動に起因してブラインドビア径BDがばらつく。ブラインドビア径BDがランドパターン142以上に拡大したときは、導電パターン同士の短絡するおそれが生じる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブラインドビア径のばらつきが小さいプリント配線板およびプリント配線板の製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成されている第1導電層と、前記絶縁層の他方の面に形成されかつブラインドビアを通じて前記第1導電層に接続されている第2導電層とを備えているプリント配線板の製造方法において、前記絶縁層に前記第1導電層に達する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記貫通孔を含む領域に導電性粒子を含む導電性インクを塗布して導電粒子層を形成する第1層形成工程と、電気めっきにより前記導電粒子層の上に電気めっき層を形成する第2層形成工程と、前記貫通孔周囲の前記導電粒子層および前記電気めっき層を除去し、前記導電粒子層と前記電気めっき層とを含む前記第2導電層を形成するパターン層形成工程とを含み、前記第2導電層を前記導電粒子層と前記電気めっき層を含む層として形成することを要旨とする。
この発明によれば、ブラインドビアの形成後に導電粒子層を除去する工程を含むため、導電粒子層の形成のために粘度の低い導電性インクを用いることができ、かつ導電性インクの粘度が低いことに起因してブラインドビア径のばらつきが大きくなることを抑制することができる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法において、前記ブラインドビアを形成した後、前記ブラインドビアに対して通電加熱することを要旨とする。
第1の発明によればブラインドビアは導電粒子層を含む。そして、導電粒子層の抵抗値は、導電性粒子同士の接触部すなわち接触抵抗に大きく左右される。本発明では、ブラインドビアに通電加熱することにより、導電性粒子同士の接触部分を溶融または焼結させる。これにより、導電性粒子同士の接触抵抗を小さくすることができる。この結果、ブラインドビアの抵抗値を低くすることができる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方法において、前記第1層形成工程は、前記導電性インクを塗布する工程と、前記導電性インクの溶媒を蒸発させて前記導電粒子層を形成する工程と、前記導電粒子層に対して無電解めっき層を形成する工程とを含むことを要旨とする。
この発明によれば、導電粒子層に対して無電解めっき層を形成し、導電粒子層の導電性粒子間の隙間にめっき材を充填するため、これにより導電粒子層を緻密にすることができる。この結果、ブラインドビアの抵抗値を小さくすることができる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法において、前記第1層形成工程は、前記導電性インクを塗布する工程と、前記導電性インクの溶媒を蒸発させて前記導電粒子層を形成する工程と、前記第1導電層の表面の酸化物を除去する酸化物除去剤を前記導電粒子層の上に塗布する工程と、前記酸化物除去剤の塗布後に前記導電粒子層に対して無電解めっき層を形成する工程とを含むことを要旨とする。
この発明によれば、酸化物除去剤により、第1導電層の表面の酸化物を除去することができるため、第1導電層と導電粒子層との接着強度を大きくすることができ、この結果、第1導電層と導電粒子層との間の剥離が抑制される。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法において、前記第1層形成工程は、前記導電性インクを塗布する工程と、前記導電性インクの溶媒を蒸発させて前記導電粒子層を形成する工程と、前記第1導電層の表面の酸化物を除去する酸化物除去剤を前記導電粒子層の上に塗布する工程と、前記酸化物除去剤の塗布後に不活性雰囲気で加熱処理する工程と、前記導電粒子層に対して無電解めっき層を形成する工程とを含むことを要旨とする。
この発明によれば、酸化物除去剤を導電粒子層の上に塗布した後に不活性雰囲気で加熱処理をするため、空気中で加熱処理する場合と比べて、酸化物除去剤が空気中の酸素と反応することが抑制されるため、酸化物除去剤と第1導電層の酸化物との反応を促進することができる。これにより、空気中で加熱処理する場合と比べて、第1導電層と導電粒子層との間の剥離の抑制効果を大きくすることができる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載のプリント配線板の製造方法において、前記酸化物除去剤は前記酸化物を還元する還元剤および前記酸化物を溶解する溶解物質の少なくとも一方を含むことを要旨とする。
還元剤は酸化物を還元することにより酸化物を分解する。また溶解物質は酸化物を溶解することにより酸化物を分解する。すなわち、この発明によれば、第1導電層の酸化物を分解することができるため、これにより、第1導電層と導電粒子層との間の接着力を増大させることができる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法において、前記導電性インクは前記第1導電層の表面の酸化物を還元する還元剤および前記酸化物を溶解する溶解物質の少なくとも一方を含むことを要旨とする。
導電性インクは還元剤および溶解物質の少なくとも一方を含むため、導電性インクを塗布することにより、還元剤および溶解物質の少なくとも一方と第1導電層の酸化物とを接触させることができ、これにより第1導電層の酸化物を分解することができる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法において、前記第1導電層はステンレス基板であることを要旨とする。
この発明によれば、第1導電層を銅材により形成する場合と比べて、プリント配線板を高い弾性を有する部材とすることができる。ステンレスの表面に回路が形成された部材は、振動の緩衝が必要な部品、例えばハードディスク等のヘッドサスペンション用の回路基板として用いることができる。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のプリント配線板の製造方法において、前記ステンレス基板上で前記絶縁層が積層される側の面にニッケル層が形成されていることを要旨とする。
ステンレスの表面は酸化しやすいため、ステンレスとブラインドビアの接続部分の強度が低下することがある。この点、上記発明によれば、ステンレスの表面にニッケル層が形成されているため、ステンレスの表面の酸化を抑制することができ、ブラインドビアの接続部分の強度が低下することを抑制することができる。
(10)請求項10に記載の発明は、絶縁層と、前記絶縁層の一方の面に形成されている第1導電層と、前記絶縁層の他方の面に形成されかつブラインドビアを通じて前記第1導電層に接続されている第2導電層とを備えているプリント配線板において、前記第2導電層は、前記絶縁層の上に形成されている導電粒子層と、この導電粒子層に積層されている無電解めっき層と、前記無電解めっき層に積層されている電気めっき層とを備え、前記ブラインドビアは、前記ブラインドビアの貫通孔の表面に形成されている導電粒子層と、この導電粒子層に積層されている無電解めっき層と、前記無電解めっき層に積層されている電気めっき層とを備え、かつ前記貫通孔の底面で前記第1導電層に接続されていることを要旨とする。
例えば、ブラインドビアの構造を絶縁層と無電解めっきと電気めっき層とを順に積層した構造とすることもできる。しかし、この構造の場合、絶縁層と無電解めっきとの間の接着強度が弱いため剥離するおそれがある。この点、上記発明よれば、電気めっき層は導電粒子層および無電解めっき層を介して第1導電層に接続される。導電粒子層と絶縁層との接着力は、無電解めっきと絶縁層との接着強度よりも大きいため、絶縁層の導電粒子層との間の剥離を抑制することができる。
(11)請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のプリント配線板において、前記導電性粒子同士は互いに接触する部分で溶融接続または焼結接続され、かつ前記導電性粒子と前記第1導電層とは互いに接触する部分で溶融接続または焼結接続されていることを要旨とする。
この発明によれば、導電性粒子同士が溶融接続または焼結接続され、かつ導電性粒子と第1導電層とが溶融接続または焼結接続されているため、ブラインドビアにおける導通経路の電流密度を増大することができる。この結果、ブラインドビアの抵抗値を小さくすることができる。
(12)請求項12に記載の発明は、請求項10または11に記載のプリント配線板において、前記貫通孔の直径が10μm以上であり、かつ前記導電粒子層の層厚が0.5μm以下であることを要旨とする。
仮に、貫通孔全体が導電粒子層となる場合、導電粒子層が多数の隙間のある構造であることから、ブラインドビアの強度が低下する。この点、上記発明によれば、貫通孔の底面および側面に形成された導電粒子層の上に、無電解めっきおよび電気めっきが積層された構造としているため、貫通孔全体を導電粒子層とする場合と比べて、ブラインドビアの強度を高くすることができる。
本発明によれば、ブラインドビア径のばらつきが小さいプリント配線板およびプリント配線板の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態のプリント配線板について、その断面構造を示す断面図。 同実施形態のプリント配線板について、ブラインドビアの断面構造を示す断面図。 同実施形態のプリント配線板について、各製造工程の断面構造を示す断面図。 同実施形態のプリント配線板について、各製造工程の断面構造を示す断面図。 同実施形態のプリント配線板について、製造条件とブラインドビアの抵抗値との関係を示すテーブル。 従来のプリント配線板について、その断面構造を示す断面図。
図1および図2を参照して、本発明のプリント配線板の一実施形態について説明する。以下に示すプリント配線板は、ハードディスクドライブにおける磁気ヘッドを搭載するためのヘッドサスペンション用の回路基板の一例である。
プリント配線板1は、導電基板10(第1導電層)と、この導電基板10の一面に積層されている絶縁層20と、絶縁層20の上面に形成されている導電パターン30(第2導電層)とを備えている。
導電基板10として、例えば、厚さ10μm〜500μmのステンレス基板が用いられる。この他、導電基板10として、アルミニウム板、鉄板、銅板、または導電性金属の合板または各種導電性合金を用いることができる。なお、導電基板10の厚みは用途により設定される。また、導電基板10として、表面にニッケル層が形成されたステンレス基板を用いることもできる。この場合は、ニッケル層が保護膜となるため、ステンレスの酸化が抑制される。
絶縁層20は、プリント配線板1の振動に対応し変形するように伸縮性のある絶縁性樹脂により形成されている。例えば、絶縁層20はポリイミドフィルムにより形成される。
導電パターン30は、金属粒子により構成されている導電粒子層31と、導電粒子層31の上に形成されている無電解めっき層32と、無電解めっき層32の上に形成されている電気めっき層33とにより構成されている。なお、以降の説明においては、導電粒子層31と無電解めっき層32とを合わせた層が第1層とし、電気めっき層33を第2層とする。
導電粒子層31は平均粒径が数十nmである導電性粒子31Aが積層されたものである。平均粒径とは、粒径の積算分布における積算値50%の値(D50)を示す。積算分布は、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した500個の粒子の画像解析により測定した円半径の値を体積換算して求めた値に基づいて作成される。なお、導電粒子層31の層厚は0.5μm以下とされる。
導電性粒子31Aは銅(Cu)により形成されている。導電性粒子31Aとして、Cu以外に、例えば、Ag、Au、Pt、Pd、Ru、Sn、Ni、Fe、Co、Ti、Inの群から選択される少なくとも一種を含む粒子が用いられる。また、これら導電性粒子31Aの混合物により導電粒子層31が形成される。なお、導電性粒子31Aの粒子径は30nm〜100nmに範囲とすることが好ましい。この場合、粒子径が30nm〜100nmよりも大きい範囲にばらつく導電性粒子31Aにより導電粒子層31を形成した場合と比べて、導電粒子層31の表面を平滑になる。
導電性粒子31A同士は互いに接触する部分で焼結または溶融により接続されている。また、導電性粒子31Aと導電基板10とは互いに接触する部分で焼結または溶融により接続されている。
無電解めっき層32は、銅、銀、ニッケル等の金属(以下、「無電解めっき金属」)の無電解めっきにより形成された層である。導電性粒子31Aが銅粒子の場合、当該銅粒子との密着性の観点から銅またはニッケルが好ましい。無電解めっき層32は、導電粒子層31と同じ層に形成されている下層と、この下層の上に積層されている上層とにより構成されている。下層は導電性粒子31A同士の隙間に無電解めっき金属が充填することにより形成された層である。上層は無電解めっき金属が主成分となっている層である。無電解めっき層32の層厚は0.1μm〜0.5μmとされている。
電気めっき層33は、銅またはニッケル等の金属の電気めっきにより形成された層である。電気めっき層33の層厚は5〜30μmとされている。電気めっき層33の層厚は無電解めっき層32の層厚さよりも大きい。電気めっき層33の層厚は、プリント配線板1の用途に応じて適宜設定される。
ブラインドビア40は、導電基板10に達する絶縁層20の貫通孔41の上に、導電粒子層31および無電解めっき層32および電気めっき層33を順に積層することにより形成される。すなわち、ブラインドビア40と導電パターン30とは同一構造を有する。
図3および図4を参照して、プリント配線板1の製造方法について説明する。
図3(A)に示すように、厚さ10μm〜500μmの導電基板10の上に溶液状のポリイミド前駆体樹脂を塗布した後、300℃以上で加熱し、ポリイミド前駆体樹脂を硬化させる。これにより、導電基板10上に厚さ10μm〜200μmの絶縁層20を形成する。
図3(B)に示すように、絶縁層20においてブラインドビア40に対応する部分に、直径が10μm〜200μmの貫通孔41をレーザ法またはエッチング法により形成する(貫通孔形成工程)。貫通孔41の底面は導電基板10に達するように形成する。貫通孔41の孔径は10μm〜200μmとされる。貫通孔41の形成した後、レーザまたはエッチングにより生じた樹脂バリ、樹脂の粉等を除去するデスミア処理を行う。
図3(C)に示すように、絶縁層20の表面処理した後、基板全体に対して導電性インクを塗布し、これを乾燥する(第1層形成工程)。導電性インクの乾燥後、導電性粒子31Aの表面および導電基板10の表面に形成されている酸化物を除去する酸化物除去剤を塗布し、その後乾燥する。さらに、導電性粒子31Aの焼結のため加熱処理する。以下、各工程の詳細を説明する。
上記絶縁層20の表面処理の方法としては、プラズマ処理、アルカリ溶液で表面を親水化するアルカリ処理、コロナ放電により対象物の表面を改質するコロナ処理、紫外線により対象物の表面を改質するUV処理等が挙げられる。これにより、絶縁層20の表面を粗化または絶縁層20の表面に親水基を導入して、導電性インクと絶縁層20との間の表面張力を低下させる。
導電性インクは、所定の溶媒に粒子分散剤により導電性粒子31Aを分散させたものである。溶媒として例えば水が用いられている。導電性インクの粘度は水と略同じである。このため、貫通孔41の直径が10μmと小さい場合であっても当該案通孔に導電性インクを容易に充填することができる。溶媒としては、水以外にも、エタノール等の揮発性溶媒または水と揮発性溶媒の混合液を用いることができる。導電性粒子31Aとしては、平均粒径が数十nmの粒子が用いられる。
粒子分散剤としては、例えば、分子量が2000〜10万の高分子分散剤が用いられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン等のアミン系の高分子分散剤、またポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等の分子中にカルボン酸基を有する炭化水素系の高分子分散剤等が粒子分散剤として用いられる。
導電性インクの塗布はローラを用いて行う。導電性インクの厚さは、乾燥後に0.1μmとなる厚さに調整される。なお、導電性インクの塗布は、ローラ法に代えて、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ダイコート法、スリットコート法、ディップコート法等の方法を用いることができる。
導電性インクの乾燥では、空気雰囲気下で80℃において所定時間維持し、導電性インクに含まれる水を蒸発させる。これにより、絶縁層20の表面上に導電性粒子31Aの薄層を形成する。
導電性インクを乾燥させた後は、上記したように酸化物除去剤を塗布する。酸化物除去剤は所定の溶媒に酸化物除去物質を溶解させたものである。溶媒としては水が用いられる。水以外にも、エタノール等の揮発性溶媒または水と揮発性溶媒の混合液を用いることができる。
酸化物除去剤に塗布後、不活性ガス雰囲気にて、50℃〜450℃、より好ましくは100℃〜400℃にて加熱する。加熱処理時間は、1分〜200分、より好ましくは、10分〜60分である。この加熱処理により、導電性粒子31Aの表面および導電基板10の表面の酸化層と酸化物除去物質とが反応し、これにより酸化物を分解される。
酸化物除去物質としては2種類に区分される。
第1種別の酸化物除去物質は、酸化物を還元する還元性物質である。還元性物質として、次亜リン酸、亜リン酸、アスコルビン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、アルコール、ヒドラジン、ホルムアルデヒド等が挙げられる。
第2種別の酸化物除去物質は、酸化物を溶解させる酸性またはアルカリ性の物質である。この種の物質として、アリルアミン、蟻酸、グルタミン酸、脂肪酸、乳酸、フタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、ホウ酸、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、塩化メチル、クロロホルム、酢酸ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、トリクロロエチレン、硫化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸アルミニウム、ヘキサクロロエタン、等が挙げられる。特に、アリルアミン、蟻酸、グルタミン酸、脂肪酸、乳酸、フタル酸、マレイン酸、リンゴ酸は、酸化物除去剤の乾燥後に残留しても、イオン性元素が残留しないため、好適である。
酸化物除去剤は、溶媒中に、上記第1種別の酸化物除去物質および第2種別の酸化物除去物質のいずれか一方または両方を溶解して用いられる。また、溶媒中に、酸化物除去物質の分散剤、または溶液のpHを調整するpH調整剤等を添加してもよい。
導電性インクの乾燥後の加熱処理では、導電性粒子31Aを焼結するとともに、導電性粒子31A以外の有機物(以下、「残留有機物」)を除去する。残留有機物としては、導電性インクに含まれる粒子分散剤、酸化物除去剤等が挙げられる。この加熱処理は、導電性粒子31Aの酸化を抑制する雰囲気下で行われる。例えば、窒素ガス雰囲気で、5℃/分の昇温速度にて350℃まで昇温させ、さらに350℃で30分維持し、導電性粒子31A同士を互いに焼結接続させる。これにより、導電粒子層31が形成される。なお、このように比較的低い温度で焼結可能である理由は、平均粒径が数十nmである導電性粒子31Aの表面エネルギが高いことに起因する。
次に、図3(D)に示すように、絶縁層20からの厚さが略0.2μmとなるように無電解めっき層32を形成する。具体的には、導電粒子層31および絶縁層20上にPd−Sn等の触媒金属を塗布した後、Snを溶解して、導電粒子層31にPdを付着させる。そして、銅めっき液に浸漬することにより、無電解めっき層32を形成する。導電性粒子31A同士の間の隙間、および導電性粒子31Aと導電基板10との間の隙間が無電解めっき金属により充填される。これにより、導電粒子層31の密度が高くなるとともに、導電粒子層31の表面に緻密な無電解めっき層32を形成することができる。
次に、セミアディティブ−パターン法により導電パターン30およびブラインドビア40を形成する。以下、具体的に各工程を説明する。
図4(A)に示すように、ブラインドビア40および導電パターン30に対応する部分以外の部分にレジスト50を形成する。レジスト50は、フォトレジストを基板にラミネートした上でフォトマスクを介して露光現像することにより形成される。
図4(B)に示すように、銅の電気めっきを行い、無電解めっき層32の上に電気めっき層33を形成する(第2層形成工程)。これにより、導電パターン30およびブラインドビア40が形成される。
図4(C)に示すように、レジスト50を剥離した後、シード層すなわち無電解めっき層32および導電粒子層31を過水硫酸により除去する。さらに、無電解めっきの際に絶縁層20に付着させたPdを除去する。以上の工程により、ブラインドビア40および導電パターン30が形成される(パターン層形成工程)。
ここで、本実施形態の製造方法と従来の製造方法とを比較する。
従来の製造方法では、絶縁層20に貫通孔41を形成した後、貫通孔41の周囲にランドパターンを形成し、次いで、貫通孔41の導電ペーストを充填することにより、ランドパターンと導電基板10とを接続していた。しかしこの方法の場合、貫通孔41の小径化に伴う導電ペーストの未充填の問題を解決するために導電ペーストの粘度を低下させる必要があったが、導電ペーストの粘度を低下させることにより、導電ペーストの硬化のときに広がり、ブラインドビア径のばらつきが生じるという新たな問題が生じていた。
この点、図4(A)〜図4(C)の各工程で示されるように、また、従来のブラインドビア40の製造方法と異なり、貫通孔41に導電材料を充填するという工程すなわち導電性インクの塗布が電気めっきの前にあるため、低粘度の導電性インクを使用することができる。更に、導電性インクの塗布後にシード層(無電解めっき層32および導電粒子層31)を除去する工程があるため、ブラインドビア40の寸法のばらつきが生じることも抑制することができる。すなわち、ブラインドビア40の寸法精度は、セミアディティブ−パターン法のパターン精度に略同じとすることができる。
ところで、本実施形態のプリント配線板1の製造方法では、上記ブラインドビア40および導電パターン30の形成に加えて、ブラインドビア40の抵抗値を低下させるために、ブラインドビア40の通電加熱処理を行う。以下、この処理について説明する。
図4(D)に示すように、定電流源60の高電位側のプローブ61をブラインドビア40の電気めっき層33に接触させるとともに、グランド側のプローブ62を導電基板10に接触させ、そして、ブラインドビア40に一定電流を流す。
導電粒子層31および無電解めっき層32の抵抗は、導電性粒子31Aの導電率、無電解めっきの導電率、導電性粒子31A同士の接触抵抗、導電性粒子31Aと導電基板10との間の接触抵抗、無電解めっきと導電性粒子31Aとの間の接触抵抗等により定まる。これら抵抗の大きさを決める要素のうち、導電性粒子31A同士の接触抵抗、および導電性粒子31Aと導電基板10との間の接触抵抗が比較的大きい。また、導電性粒子31Aの表面および導電基板10の表面に酸化層が形成されている場合は、導電粒子層31および無電解めっき層32の抵抗に対してこれら接触抵抗が寄与する割合が高くなる。そこで、これら接触抵抗を低減するために、ブラインドビア40にパルス電流し、導電性粒子31A同士の接触部分および導電性粒子31Aと導電基板10との接触部分を焼結または溶融等により接続させる。これにより、導電性粒子31A同士の接触抵抗および導電性粒子31Aと導電基板10との間の接触抵抗を小さくする。
次に、プリント配線板1の製造方法における酸化物除去剤の塗布の効果およびブラインドビア40に対する通電加熱の効果について、本実施形態にかかるプリント配線板1の実施例およびその比較例を参照して説明する。
図5は、実施例および比較例の結果を示す。
実施例1〜3は、酸化物除去剤を塗布し、かつ通電加熱を行った例である。比較例は、酸化物除去剤を塗布せず、通電加熱を行った例である。なお、いずれの例についても、通電加熱の前後におけるブラインドビア40の抵抗値を計測した。
<実施例1>
・絶縁層20が積層された導電基板10を母材として用いた。
・導電基板10は厚さ20μmのSUS304の基板である。
・絶縁層20はポリイミド樹脂により形成し、厚さを10μmとした。
・ブラインドビア40の貫通孔41は、絶縁層20にYAGレーザを照射して形成し、直径60μmとした。
・導電性インクとしては、平均粒径が40nmの銅粒子を8質量%水に分散させた水溶液を用いた。
・導電性インクを上記母材に塗布した後、水を蒸発させるため80℃にて30秒程度の期間加熱し、導電基板10を乾燥した。
・導電性インクの乾燥後、酸化物除去剤(還元剤)としてのアスコルビン酸の1.0質量%水溶液を導電性インクの乾燥物の上に塗布した。この後、不活性ガス雰囲気下、90℃で、30分維持し、さらに5℃/分の昇温速度にて350℃まで昇温し、さらにこの温度350℃で30分加熱処理した。これにより導電粒子層31を形成した。
・導電粒子層31の上に、銅の無電解めっきを行い、その厚みを0.2μmとした。
・無電解めっきの上に、セミアディティブ−パターン法により導電パターン30およびブラインドビア40を形成した。
・電流5A、パルス幅100μsのパルス電流をブラインドビア40に通電した。
(結果)
・ブラインドビア40の通電前の抵抗値は1.4Ωであった。
・ブラインドビア40の通電後の抵抗値は0.11Ωであった。
<実施例2>
下記以外は、実施例1と同じ製造条件である。
・実施例1の酸化物除去剤としてのアスコルビン酸の水溶液の塗布に代えて、次の処理を行った。すなわち、本実施例では、導電性インクの乾燥後、酸化物除去剤(酸化物溶解剤)としてのグルタミン酸の1.0質量%水溶液を導電性インクの乾燥物の上に塗布した。
(結果)
・ブラインドビア40の通電前の抵抗値は1.2Ωであった。
・ブラインドビア40の通電後の抵抗値は0.09Ωであった。
<実施例3>
下記以外は、実施例1と同じ製造条件である。
・実施例1の酸化物除去剤としてのアスコルビン酸の水溶液の塗布に代えて、次の処理を行った。すなわち、本実施例では、導電性インクの乾燥後、酸化物除去剤(酸化物溶解剤)としてのマレイン酸の1.0質量%水溶液を導電性インクの乾燥物の上に塗布した。
(結果)
・ブラインドビア40の通電前の抵抗値は1.2Ωであった。
・ブラインドビア40の通電後の抵抗値は0.09Ωであった。
<比較例>
下記以外は、実施例1〜3と同じ製造条件である。
・実施例1〜3では酸化物除去剤の塗布を行ったが、本実施例では酸化物除去剤を塗布しなかった。
(結果)
・ブラインドビア40の通電前の抵抗値は1.8Ωであった。
・ブラインドビア40の通電後の抵抗値は0.14Ωであった。
<評価>
図5を参照して、実施例および比較例を比較する。
実施例および比較例のいずれについても、ブラインドビア40にパルス通電を行っている。パルス通電の効果はいずれ場合も同様である。すなわち、通電後の抵抗値は、通電前の抵抗値よりも小さい。これは、導電性粒子31A同士の接触部分および導電性粒子31Aと導電基板10との接触部分すなわち比較的高抵抗となっている部分がパルス通電により高温となり、一部溶融または焼結することに起因して、当該接触部分の抵抗値が低下したと考えられる。
一方、通電前のブラインドビア40の抵抗値を比較すると、実施例の抵抗値は、比較例の抵抗値よりも小さい。これは、実施例のいずれも酸化物除去剤を塗布したことにより、導電性粒子31Aの表面の酸化物および導電基板10の表面(ブラインドビア40の底面)の酸化物が除去されたと考えられる。
本実施形態によれば以下の作用効果を奏することができる。
(1)上記実施形態では、絶縁層20に導電性インクを塗布して導電粒子層31を形成し、電気めっきにより導電粒子層31の上にブラインドビア40を形成し、さらに、ブラインドビア40の周囲の導電粒子層31および電気めっき層33を除去する。
この発明によれば、ブラインドビア40の形成後に導電粒子層31を除去する工程を含むため、導電粒子層31の形成のために粘度の低い導電性インクを用いることができ、かつ導電性インクの粘度が低いことに起因してブラインドビア径のばらつきが大きくなることを抑制することができる。
(2)上記実施形態では、ブラインドビア40を形成した後、ブラインドビア40に対して通電加熱する。上記ブラインドビア40は導電粒子層31を含む。そして導電粒子層31の抵抗値は導電性粒子31A同士の接触部すなわち接触抵抗に大きく左右される。そこで、ブラインドビア40に通電加熱することにより、導電性粒子31A同士の接触部分を溶融または焼結させている。これにより、導電性粒子31A同士のち接触抵抗を低減することができる。この結果、ブラインドビア40の抵抗値を低くすることができる。
(3)上記実施形態では、導電性インクを塗布し、導電性インクの溶媒を蒸発させて導電粒子層31を形成し、導電粒子層31に対して無電解めっき層32を形成する。この構成によれば、導電粒子層31に対して無電解めっき層32を形成し、導電粒子層31の導電性粒子31A間の隙間にめっき材を充填するため、これにより導電粒子層31を緻密にすることができる。この結果、ブラインドビア40の抵抗値を小さくすることができる。
(4)上記実施形態では、導電粒子層31を形成した後、酸化物除去剤を導電粒子層31の上に塗布する。この構成によれば、酸化物除去剤により、導電基板10の表面の酸化物を除去することができるため、導電基板10と導電粒子層31との接着強度を大きくすることができ、この結果、導電基板10と導電粒子層31との間の剥離が抑制される。
(5)上記実施形態では、酸化物除去剤の塗布後に不活性雰囲気で加熱処理する。この構成によれば、空気中で加熱処理する場合と比べて、酸化物除去剤が空気中の酸素と反応することが抑制されるため、酸化物除去剤と導電基板10の酸化物との反応を促進することができ、これにより、導電基板10と導電粒子層31との間の剥離の抑制効果を大きくすることができる。
(6)上記実施形態では、酸化物除去剤として、酸化物を還元する還元剤および酸化物を溶解する溶解物質の少なくとも一方を用いる。還元剤は酸化物を還元することにより酸化物を分解する。また溶解物質は酸化物を溶解することにより酸化物を分解する。すなわち、上記構成によれば、導電基板10の酸化物を分解することができるため、これにより、導電基板10と導電粒子層31との間の接着力を増大することができる。
(7)上記実施形態では、導電基板10をステンレス基板により形成している。この構成によれば、導電基板10を銅材により形成する場合と比べて、プリント配線板1を高い弾性を有する部材とすることができる。
(8)上記実施形態では、導電粒子層31と無電解めっき層32と電気めっき層33とを備えたブラインドビア40とする。
ブラインドビア40を絶縁層20と無電解めっきと電気めっき層33とを順に積層した構造とすることができる。しかし、この構造の場合、絶縁層20と無電解めっきとの間の接着強度が弱いため剥離するおそれがある。この点、上記構成よれば、電気めっき層33は導電粒子層31および無電解めっき層32を介して導電基板10に接続される。導電粒子層31と絶縁層20との接着力は、無電解めっきと絶縁層20との接着強度よりも大きいため、絶縁層20の導電粒子層31との間の剥離を抑制することができる。
(9)上記実施形態では、導電性粒子31A同士は互いに接触する部分で溶融接続または焼結接続され、かつ導電性粒子31Aと導電基板10とは互いに接触する部分で溶融接続または焼結接続されている。この構成によれば、ブラインドビア40における導通経路の電流密度を増大することができる。この結果、ブラインドビア40の抵抗値を小さくすることができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記各実施例にて示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記各実施例についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態では、導電基板10としてステンレス基板を用いているが、このステンレス基板で絶縁層20が積層される側の面にニッケル層を形成してもよい。一般に、ステンレスの表面は酸化しやすいため、ステンレス基板とブラインドビア40の接続部分の強度が低下することがある。この点、上記構成によれば、ステンレスの表面にニッケル層が形成されているため、ステンレスの表面の酸化を抑制することができ、ブラインドビア40の接続部分の強度が低下することを抑制することができる。
・上記実施形態では、導電性インクの乾燥後に、導電粒子層31に酸化物除去剤を塗布しているが、これに代えて、酸化物除去剤を導電性インクに予め添加しておいてもよい。この構成によっても、導電性インク内の還元剤および溶解物質と導電基板10の酸化物とを接触させることができるため、これにより導電基板10の酸化物を分解することができる。なお、このような方法によれば、酸化物除去剤を塗布する工程および酸化物除去剤を含んだ溶液を乾燥する工程を行う必要がないため、製造工程を簡略化することができる。
・上記実施形態では、導電性インクの乾燥後に、酸化物除去剤を塗布し、さらに酸化物除去剤を乾燥させているが、この乾燥を、導電性粒子31Aの焼結と同じ工程で行ってもよい。例えば、酸化物除去剤を塗布したものを不活性雰囲気下で加熱する。この際、加熱保持温度を2段階とする。第1段階の温度は、酸化物除去剤の水分を蒸発させる温度すなわち50℃〜100℃の温度範囲として30分間維持する。その後、第2段階の温度すなわち350℃で30分維持する。
・上記実施形態では、導電パターン30およびブラインドビア40をセミアディティブ−パターン法により形成しているが、導電パターン30およびブラインドビア40をセミアディティブ−パネル法により形成することもできる。いずれの製造方法においても、導電パターン30の形成後、導電粒子層31および無電解めっき層32を除去するため、従来の製造方法に比べて、ブラインドビア40の寸法精度を高くすることができる。
・上記実施形態では、導電基板10と導電パターン30とを接続するブラインドビア40の製造方法について説明したが、本発明は、導電パターン30同士を接続するブラインドビア40にも適用することができる。このような構成においても、上記実施形態に準じた効果を奏する。
・上記実施形態では、ハードディスクドライブにおける磁気ヘッドを搭載するための磁気ヘッドサスペンション用のプリント配線板1について説明したが、本発明の適用範囲はこのような用途のプリント配線板1に限定されず、種々のプリント配線板1に適用することができる。
1…プリント配線板、10…導電基板(第1導電層)、20…絶縁層、30…導電パターン(第2導電層)、31…導電粒子層、31A…導電性粒子、32…無電解めっき層、33…電気めっき層、40…ブラインドビア、41…貫通孔、50…レジスト、60…定電流源、61,62…プローブ、110…第1導電パターン、120…第2導電パターン、130…絶縁層、140…ブラインドビア、141…貫通孔、142…ランドパターン、143…導電ペースト。

Claims (12)

  1. 絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成されている第1導電層と、前記絶縁層の他方の面に形成されかつブラインドビアを通じて前記第1導電層に接続されている第2導電層とを備えているプリント配線板の製造方法において、
    前記絶縁層に前記第1導電層に達する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔を含む領域に導電性粒子を含む導電性インクを塗布して導電粒子層を形成する第1層形成工程と、
    電気めっきにより前記導電粒子層の上に電気めっき層を形成する第2層形成工程と、
    前記貫通孔周囲の前記導電粒子層および前記電気めっき層を除去し、前記導電粒子層と前記電気めっき層とを含む前記第2導電層を形成するパターン層形成工程とを含み、
    前記第2導電層を前記導電粒子層と前記電気めっき層を含む層として形成する
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 請求項1に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記ブラインドビアを形成した後、前記ブラインドビアに対して通電加熱する
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記第1層形成工程は、前記導電性インクを塗布する工程と、前記導電性インクの溶媒を蒸発させて前記導電粒子層を形成する工程と、前記導電粒子層に対して無電解めっき層を形成する工程とを含む
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記第1層形成工程は、前記導電性インクを塗布する工程と、前記導電性インクの溶媒を蒸発させて前記導電粒子層を形成する工程と、前記第1導電層の表面の酸化物を除去する酸化物除去剤を前記導電粒子層の上に塗布する工程と、前記酸化物除去剤の塗布後に前記導電粒子層に対して無電解めっき層を形成する工程とを含む
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記第1層形成工程は、前記導電性インクを塗布する工程と、前記導電性インクの溶媒を蒸発させて前記導電粒子層を形成する工程と、前記第1導電層の表面の酸化物を除去する酸化物除去剤を前記導電粒子層の上に塗布する工程と、前記酸化物除去剤の塗布後に不活性雰囲気で加熱処理する工程と、前記導電粒子層に対して無電解めっき層を形成する工程とを含む
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記酸化物除去剤は前記酸化物を還元する還元剤および前記酸化物を溶解する溶解物質の少なくとも一方を含む
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記導電性インクは前記第1導電層の表面の酸化物を還元する還元剤および前記酸化物を溶解する溶解物質の少なくとも一方を含む
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記第1導電層はステンレス基板である
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  9. 請求項8に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記ステンレス基板上で前記絶縁層が積層される側の面にニッケル層が形成されている
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  10. 絶縁層と、前記絶縁層の一方の面に形成されている第1導電層と、前記絶縁層の他方の面に形成されかつブラインドビアを通じて前記第1導電層に接続されている第2導電層とを備えているプリント配線板において、
    前記第2導電層は、前記絶縁層の上に形成されかつ導電性粒子を含む導電粒子層と、この導電粒子層に積層されている無電解めっき層と、前記無電解めっき層に積層されている電気めっき層とを備え、
    前記ブラインドビアは、前記ブラインドビアの貫通孔の表面に形成されかつ前記導電性粒子を含む導電粒子層と、この導電粒子層に積層されている無電解めっき層と、前記無電解めっき層に積層されている電気めっき層とを備え、かつ前記貫通孔の底面で前記第1導電層に接続されている
    ことを特徴とするプリント配線板。
  11. 請求項10に記載のプリント配線板において、
    前記導電性粒子同士は互いに接触する部分で溶融接続または焼結接続され、かつ前記導電性粒子と前記第1導電層とは互いに接触する部分で溶融接続または焼結接続されている
    ことを特徴とするプリント配線板。
  12. 請求項10または11に記載のプリント配線板において、
    前記貫通孔の直径が10μm以上であり、かつ前記導電粒子層の層厚が0.5μm以下である
    ことを特徴とするプリント配線板。
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