JP2012221597A - Cvケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】地絡容量30kA以上のワイヤーシールド層6を有するCVケーブルにおいて、地絡時に地絡電流がワイヤーシールド層を構成する全銅線にほぼ均等に流れるようにして、地絡時のケーブル損傷を防止する
【解決手段】ワイヤーシールド層6の上に、当該ワイヤーシールド層に接して銅細線編みテープのギャップ巻き層9を設けた。ワイヤーシールド層6を構成する各銅線間の電気抵抗を小さくできるので、ワイヤーシールド層6に流れる地絡電流の片寄りを防止して、地絡時のケーブル損傷を防止することができる。銅細線編みテープは伸縮性があり、しかもギャップ巻きされているため、温度変化に基づくケーブルコアの膨張収縮に対応するワイヤーシールド層の弛み締まりの移動を妨げることがなく、ケーブルコアの膨張収縮を阻害しない。
【選択図】図1
【解決手段】ワイヤーシールド層6の上に、当該ワイヤーシールド層に接して銅細線編みテープのギャップ巻き層9を設けた。ワイヤーシールド層6を構成する各銅線間の電気抵抗を小さくできるので、ワイヤーシールド層6に流れる地絡電流の片寄りを防止して、地絡時のケーブル損傷を防止することができる。銅細線編みテープは伸縮性があり、しかもギャップ巻きされているため、温度変化に基づくケーブルコアの膨張収縮に対応するワイヤーシールド層の弛み締まりの移動を妨げることがなく、ケーブルコアの膨張収縮を阻害しない。
【選択図】図1
Description
本発明は、ワイヤーシールド層を有するCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル)に関するものである。
超高圧(275kV以上)の地中送電線路は直接接地系であるため、地絡が発生した場合はシールド層に大きな地絡電流(40kA〜60kA程度)が流れる。このため超高圧CVケーブルには、要求される地絡電流を流すことができるアルミシース又はワイヤーシールド層を設けている。アルミシースの場合は厚さ約2〜3mmのコルゲートパイプであり、ワイヤーシールド層の場合は直径2mmの銅線を均等間隔で約80本巻き付ける構造が一般的である。
従来のワイヤーシールド層を設けたCVケーブル(アルミシースは設けられていない)の一例を図3に示す。図において、1は導体、2は内部半導電層、3は架橋ポリエチレン絶縁体、4は外部半導電層、5は半導電クッション層、6はワイヤーシールド層、7は半導電テープによる押さえ巻き層、8はPVC(ポリ塩化ビニル)シースである。
特許文献1には、ワイヤーシールド層を有するCVケーブルの地絡容量を向上させるため、ワイヤーシールド層を構成する線材として断面星形の銅線に導電性ゴム・プラスチックを被覆したものを用いることが提案されている。
また特許文献2には、温度上昇によるケーブルの捩れを防止するため、クッション層とワイヤーシールド層の間にステンレステープ等の変形抑え用テープ巻き層を設けて、絶縁体の膨張を吸収することが提案されている。
従来のワイヤーシールド層を設けたCVケーブルは、ワイヤーシールド層の銅線合計断面積(例えば直径2mm×80本)が地絡容量(例えば40kA×0.2秒)を満足しているにもかかわらず、実際に地絡した場合、ケーブル円周上の一部分が大きく損傷してしまう場合もあることが判明した。その原因は次のように考えられる。ワイヤーシールド層をもつCVケーブルは、ワイヤーシールド層の下と上が半導電層(半導電ゴム引き綿テープ等)であるため、電気抵抗が銅よりも大きく、1本1本の銅線間の電気抵抗が大きくなってしまう。計算上はワイヤーシールド層の各銅線に地絡電流が均等に流れることが想定されているが、実際には瞬時に流れる地絡電流がワイヤーシールド層の全銅線に瞬時には分担されず、短時間ではあるが片寄って流れるため、ケーブル円周上の一部が部分的に損傷してしまう。
特許文献1には、ワイヤーシールド層の地絡容量を向上させるため、ワイヤーシールド層に特殊な線材を用いることが開示されているが、特殊な線材を用いただけでは地絡電流の片寄りを防止することはできず、地絡時のケーブル損傷を防止することはできない。
また特許文献2には、クッション層とワイヤーシールド層の間にステンレステープ等の変形抑え用テープ巻き層を設けることが開示されているが、ステンレステープ等の変形抑え用テープ巻き層は電気抵抗が銅よりも非常に大きいため、やはり地絡電流の片寄りを防止することは難しく、地絡時のケーブル損傷を防止することはできない。
本発明の目的は、地絡電流がワイヤーシールド層を構成する全銅線にほぼ均等に流れるようにして、地絡時のケーブル損傷を防止したCVケーブルを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、地絡容量30kA以上のワイヤーシールド層を有するCVケーブルにおいて、前記ワイヤーシールド層の上に、当該ワイヤーシールド層に接して導電性金属細線編みテープのギャップ巻き層を設けたことを特徴とするものである。
本発明はまた、地絡容量30kA以上のワイヤーシールド層を有するCVケーブルにおいて、前記ワイヤーシールド層に接して導電性金属テープのラップ巻き層を設けたことを特徴とするものであってもよい。
前記導電性金属としては、銅が好適である。
前記導電性金属としては、銅が好適である。
本発明によれば、ワイヤーシールド層の上に、当該ワイヤーシールド層に接して導電性金属細線編みテープのギャップ巻き層を設けたことにより、又はワイヤーシールド層に接して導電性金属テープのラップ巻き層を設けたことにより、ワイヤーシールド層を構成する各銅線間の電気抵抗を小さくできるので、ワイヤーシールド層に流れる地絡電流の片寄りを防止して、地絡時のケーブル損傷を防止することができる。
また、ワイヤーシールド層の上に導電性金属細線編みテープを設ける構成の場合は、導電性金属細線編みテープは伸縮性があり、しかもギャップ巻きされているため、温度変化に基づくケーブルコアの膨張収縮に起因するワイヤーシールド層の締まり弛みに伴い銅線の位置が移動するとき、この銅線の移動を妨げることがないので、ケーブルコアの膨張収縮を阻害しない。
また、ワイヤーシールド層に接して導電性金属テープを設ける構成の場合は、導電性金属テープがラップ巻きされているため、ワイヤーシールド層と導電性金属テープ巻き層との摩擦が小さく、ワイヤーシールド層が導電性金属テープ巻き層に対して滑りやすくなるので、ケーブルコアの膨張収縮に無理なく対応することができる。
図1は本発明の一実施例を示す。このCVケーブルの特徴は、ワイヤーシールド層6の上に、当該ワイヤーシールド層6に接して銅細線編みテープのギャップ巻き層9を設けたことである。銅細線編みテープは銅細線を編んでテープ状にしたもので、平編銅線(日本電線工業会規格JCS第236号C(1992)に規定されている)又はシールドメッシュテープ(銅細線をメリヤス編みしてテープ状にしたもの)等が公知である。ギャップ巻きとはテープの両側縁間に間隔(ギャップ)をあけてらせん巻きすることである。ギャップの大きさはテープ幅20〜40mm程度の場合で2〜10mm程度とすることが製造上好ましい。上記以外の構成は、図3に示す従来のCVケーブルと同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図1のような構成にすると、ワイヤーシールド層6を構成する1本1本の銅線が銅細線編みテープを介して低電気抵抗で導通するため、瞬時に流れる地絡電流が全銅線に即座に分散しほぼ均等に流れるようになる。このため地絡電流の片寄りが発生せず、地絡時のケーブル損傷を防止することができる。この損傷防止には、ワイヤーシールド層6の上に銅細線編みテープのギャップ巻き層9を設けたことも寄与している。
また、銅細線編みテープは伸縮性があり、しかもギャップ巻きされているため、温度変化によるケーブルコアの膨張収縮に対応するワイヤーシールド層の弛み締まりの移動を妨げることがなく、ケーブルコアの膨張収縮に無理なく対応することができる。また、銅細線編みテープのギャップ巻き層9はワイヤーシールド層6の上に設けられているため、ケーブルコアが膨張収縮する際にワイヤーシールド層6の下のクッション層4を傷付けるおそれがない。
また、銅細線編みテープは伸縮性があり、しかもギャップ巻きされているため、温度変化によるケーブルコアの膨張収縮に対応するワイヤーシールド層の弛み締まりの移動を妨げることがなく、ケーブルコアの膨張収縮に無理なく対応することができる。また、銅細線編みテープのギャップ巻き層9はワイヤーシールド層6の上に設けられているため、ケーブルコアが膨張収縮する際にワイヤーシールド層6の下のクッション層4を傷付けるおそれがない。
図2は本発明の他の実施例を示す。このCVケーブルの特徴は、ワイヤーシールド層6の下に、当該ワイヤーシールド層6に接して銅テープのラップ巻き層10を設けたことである。ラップ巻きとはテープの両側縁部が重なる(ラップする)ようにらせん巻きすることである。ラップの大きさはテープ幅の2/3程度にすることが好ましい。上記以外の構成は、図3に示す従来のCVケーブルと同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図2のような構成にすると、ワイヤーシールド層6を構成する1本1本の銅線が銅テープを介して低電気抵抗で導通するため、瞬時に流れる地絡電流を全銅線にほぼ均等に流すことができる。このため地絡電流の片寄りが発生せず、地絡時のケーブル損傷を防止することができる。また、銅テープはラップ巻きされているため、ワイヤーシールド層6との摩擦が小さく、ワイヤーシールド層6が銅テープラップ巻き層10上で滑りやすくなるので、ケーブルコアの膨張収縮に無理なく対応することができる。また、ケーブルコアの膨張収縮によりワイヤーシールド層6が移動する際に、クッション層4を傷付けるおそれが少ない。
1:導体
2:内部半導電層
3:絶縁体
4:外部半導電層
5:クッション層
6:ワイヤーシールド層
7:押さえ巻き層
8:PVCシース
9:銅細線編みテープのギャップ巻き層
10:銅テープのラップ巻き層
2:内部半導電層
3:絶縁体
4:外部半導電層
5:クッション層
6:ワイヤーシールド層
7:押さえ巻き層
8:PVCシース
9:銅細線編みテープのギャップ巻き層
10:銅テープのラップ巻き層
Claims (2)
- 地絡容量30kA以上のワイヤーシールド層を有するCVケーブルにおいて、前記ワイヤーシールド層の上に、当該ワイヤーシールド層に接して導電性金属細線編みテープのギャップ巻き層を設けたことを特徴とするCVケーブル。
- 地絡容量30kA以上のワイヤーシールド層を有するCVケーブルにおいて、前記ワイヤーシールド層に接して導電性金属テープのラップ巻き層を設けたことを特徴とするCVケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011083148A JP2012221597A (ja) | 2011-04-04 | 2011-04-04 | Cvケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011083148A JP2012221597A (ja) | 2011-04-04 | 2011-04-04 | Cvケーブル |
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JP2011083148A Pending JP2012221597A (ja) | 2011-04-04 | 2011-04-04 | Cvケーブル |
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-
2011
- 2011-04-04 JP JP2011083148A patent/JP2012221597A/ja active Pending
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