JP2012220554A - 偏光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリビニルアルコール系フィルム偏光子と液晶層との密着性を高め、透明保護フィルムを介さずに偏光子と液晶層とが積層された偏光素子を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系フィルム偏光子1上に、液晶性化合物の配向が固定された液晶層4を備える偏光素子20において、液晶層4は液晶性化合物および界面活性剤を含有し、液晶層4の偏光子1側の表面には、シランカップリング剤を用いて得られる有機ケイ素化合物層14が形成されており、偏光子1と液晶層4表面の有機ケイ素化合物層14とが第1接着剤層12を介して貼り合わせられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子の一方の面に液晶性化合物の配向が固定された液晶層を有する偏光素子およびその製造方法に関する。
液晶表示装置等の画像表示装置におけるコントラスト向上や視野角の拡大を実現する部材として、複屈折を有する光学フィルムが用いられている。このような光学フィルムの一例として、液晶性化合物の配向が固定された液晶層が基材上に形成されたものが用いられている。液晶性化合物は配向性を有しているため、例えば、延伸フィルムや配向膜等の基材表面に塗布すれば、その配向規制力に従って分子が配向し、塗布膜は複屈折特性を示す(例えば、特許文献1参照)。
液晶性化合物の配向が固定された液晶層は大きな複屈折を有し、高分子フィルムの延伸フィルムと比較して小さい厚みで同等の位相差を得られることから、液晶表示装置の薄型化、軽量化等の潮流に伴い注目されている。また、マスクパターン等を用いて液晶性化合物の配向を固定することによって、微小領域ごとに配向状態が異なる層を形成し得ることから、このような液晶層を有する偏光素子を、ピクセルごとに右目用画像と左目用画像を現出させる空間分割型方式の3次元ディスプレイへ適用することも可能である。
このような液晶層は、一般に、基材上に形成された後、偏光板等の光学部材上に貼合あるいは転写され、液晶層付きの偏光素子として液晶表示装置等に組み込まれる。このような液晶層付きの偏光素子21は、例えば、図4に示すような積層構成を有している。図4では、偏光子1の両面にそれぞれ接着剤層12,13を介して透明保護フィルム2,3が貼り合わされた偏光板の一方の透明保護フィルム2上に液晶層4が形成されている。液晶層付きの偏光素子としては、図4に示す形態以外の積層構成を有するものも存在するが、一般には、偏光子1には透明保護フィルム2が貼り合わされ、その上に液晶層4が形成されている。
一方、複屈折層を備える偏光素子を薄型化する観点において、透明保護フィルムを介さずに偏光子と複屈折層としての非晶質ポリマー層とを貼り合わせることが提案されている(例えば特許文献2参照)。これと同様に、液晶層付きの偏光素子においても、透明保護フィルムを介さずに偏光子と液晶層とを貼り合わせれば、偏光素子の薄型化やコストダウンに寄与し得る。しかしながら、液晶層と偏光子とを接着剤層を介して直接貼り合わせた場合は、液晶層と接着剤層との界面における密着性が十分ではなく、高温高湿下で使用した場合に液晶層と偏光子との間で剥離が生じる場合がある。また、欠陥を含む偏光素子を液晶セルのガラス基板から剥離する際に、液晶層と偏光子との界面で剥離が生じ易く、リワーク性に劣る傾向がある。
特許第2631015号 特開2003−344657号公報
上記に鑑み、本発明は、偏光子と液晶層との密着性を高め、透明保護フィルムを介さずに偏光子と液晶層とが積層された偏光素子を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討の結果、液晶層の表面をシランカップリング剤により処理して有機ケイ素化合物層を形成することにより、偏光子との密着性が高められることを見出し、本発明に至った。
本発明は、ポリビニルアルコール系フィルム偏光子上に、液晶性化合物の配向が固定された液晶層を備える偏光素子に関する。前記液晶層は液晶性化合物および界面活性剤を含有しており、液晶層の偏光子側の表面には、シランカップリング剤を用いて得られる有機ケイ素化合物層が形成されている。本発明の偏光素子は、前記偏光子と液晶層表面の有機ケイ素化合物層とが第1接着剤層を介して貼り合わせられている。
偏光子の他方の面には、第2接着剤層を介して透明保護フィルムが貼り合わせられていてもよい。有機ケイ素化合物層の厚みは、30nm以下であることが好ましい。
前記液晶層に含まれる界面活性剤は、シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤であることが好ましい。
さらに、本発明は、前記偏光素子の製造方法に関する。本発明の製造方法は、液晶性化合物および界面活性剤を含有し液晶性化合物の配向が固定された液晶層を準備する工程、液晶層の表面をシランカップリング剤溶液で処理して有機ケイ素化合物層を形成する工程、およびポリビニルアルコール系フィルム偏光子上の一方の面に、第1接着剤層を介して、液晶層の有機ケイ素化合物層形成面を貼り合わせる工程、を有する。
本発明によれば、液晶層の表面がシランカップリング剤により処理されて、有機ケイ素化合物層が形成され、この有機ケイ素化合物層形成面が接着剤層を介して偏光子と貼り合わされる。当該構成によれば、透明保護フィルムを介さずに偏光子と液晶層とを貼り合わせた場合でも、液晶層と偏光子との密着性が高い偏光素子が得られるため、薄型化やコストダウンに寄与し得るとともに、リワーク性にも優れる。
本発明の一実施形態による偏光素子の概略断面図である。 本発明の一実施形態による偏光素子の概略断面図である。 本発明の一実施形態による偏光素子の概略断面図である。 従来技術による偏光素子の一形態の概略断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。図1に示すように、本発明の偏光素子20は、偏光子1の一方の面に液晶層4を有し、偏光子1と液晶層4との間には、偏光子1側から第1接着剤層12および有機ケイ素化合物層14を有している。すなわち、液晶層4の表面には有機ケイ素化合物層14が形成されており、これが第1接着剤層12を介して偏光子1上に貼り合わされている。偏光子1の他方の面の構成は特に限定されない。図1では、第2接着剤層13を介して透明保護フィルム3が貼り合わされた形態が示されている。
[偏光子]
偏光子1はポリビニルアルコール系フィルムからなる。このような偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸することによって得られる。中でも、高い偏光度を有するという観点、および液晶層との接着性の観点から、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光子が好適に用いられる。偏光子に適用されるポリビニルアルコール系フィルムの材料には、ポリビニルアルコール又はその誘導体が用いられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等が挙げられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸や、そのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。ポリビニルアルコールの重合度は、1000〜10000程度、ケン化度は80〜100モル%程度のものが一般に用いられる。
ポリビニルアルコール系フィルム中には可塑剤等の添加剤を含有することもできる。可塑剤としては、ポリオール及びその縮合物等が挙げられ、たとえばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。可塑剤の使用量は、特に制限されないがポリビニルアルコール系フィルム中20重量%以下とするのが好適である。
ポリビニルアルコール系フィルム(未延伸フィルム)は、常法に従って、一軸延伸処理、および染色処理が少なくとも施される。さらには、ホウ酸処理やヨウ素イオン処理等を施すこともできる。これらの処理が施されたポリビニルアルコール系フィルム(延伸フィルム)は、常法に従って乾燥されて偏光子となる。
一軸延伸処理における延伸方法は特に制限されず、湿潤延伸法と乾式延伸法のいずれも採用できる。乾式延伸法の延伸手段としては、たとえば、ロール間延伸方法、加熱ロール延伸方法、圧縮延伸方法等が挙げられる。延伸は多段で行うこともできる。前記延伸手段において、未延伸フィルムは、通常、加熱状態とされる。通常、未延伸フィルムは30〜150μm程度のものが用いられる。延伸フィルムの延伸倍率は目的に応じて適宜に設定できるが、延伸倍率(総延伸倍率)は2〜8倍程度、好ましくは3〜6.5倍、さらに好ましくは3.5〜6倍とするのが望ましい。延伸フィルムの厚みは5〜40μm程度が好適である。
染色処理としてヨウ素染色を行う場合、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素及びヨウ化カリウムを含有するヨウ素溶液に浸漬することにより染色処理が行われる。ヨウ素溶液は、通常、ヨウ素水溶液であり、ヨウ素及び溶解助剤としてヨウ化カリウムを含有する。ヨウ素濃度は0.01〜1重量%程度、好ましくは0.02〜0.5重量%であり、ヨウ化カリウム濃度は0.01〜10重量%程度、さらには0.02〜8重量%で用いるのが好ましい。
ヨウ素染色処理にあたり、ヨウ素溶液の温度は、通常20〜50℃程度、好ましくは25〜40℃である。浸漬時間は通常10〜300秒間程度、好ましくは20〜240秒間の範囲である。ヨウ素染色処理にあたっては、ヨウ素溶液の濃度、ポリビニルアルコール系フィルムのヨウ素溶液への浸漬温度、浸漬時間等の条件を調整することによりポリビニルアルコール系フィルムにおけるヨウ素含有量及びカリウム含有量が前記範囲になるように調整する。ヨウ素染色処理は、一軸延伸処理の前、一軸延伸処理中、一軸延伸処理の後の何れの段階で行ってもよい。
ホウ酸処理は、ホウ酸水溶液へポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行う。ホウ酸水溶液中のホウ酸濃度は、2〜15重量%程度、好ましくは3〜10重量%である。ホウ酸水溶液中には、ヨウ化カリウムによりカリウムイオン及びヨウ素イオンを含有させることができる。ホウ酸水溶液中のヨウ化カリウム濃度は0.5〜10重量%程度、さらには1〜8重量%とするのが好ましい。ヨウ化カリウムを含有するホウ酸水溶液に浸漬することで、着色の少ない偏光子、即ち可視光のほぼ全波長域に亘って吸光度がほぼ一定のいわゆるニュートラルグレーの偏光子を得ることができる。
ヨウ素イオン処理には、たとえば、ヨウ化カリウム等によりヨウ素イオンを含有させた水溶液を用いる。ヨウ化カリウム濃度は0.5〜10重量%程度、さらには1〜8重量%とするのが好ましい。ヨウ素イオン含浸処理にあたり、その水溶液の温度は、通常15〜60℃程度、好ましくは25〜40℃である。浸漬時間は通常1〜120秒程度、好ましくは3〜90秒間の範囲である。ヨウ素イオン処理は、乾燥工程前であれば特に制限なくどの段階で行ってもよく、後述の水洗浄後に行うこともできる。
前記処理の施されたポリビニルアルコール系フィルム(延伸フィルム)は、常法に従って、水洗浄工程、乾燥工程に供することができる。水洗浄工程は、通常、純水にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行う。水洗浄温度は、通常、5〜50℃、好ましくは10〜45℃、さらに好ましくは15〜40℃の範囲である。浸漬時間は、通常、10〜300秒間、好ましくは20〜240秒間程度である。
[液晶層]
液晶層4は、液晶性化合物の配向が固定された層である。液晶層の形成に用いられる液晶性化合物としては、負の屈折率異方性を有するもの、正の屈折率異方性を有するもののいずれも用いることができる。負の屈折率異方性を有する液晶性化合物としては、ディスコティック液晶化合物が挙げられる。ディスコティック液晶化合物とは、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されている、ベンゼン誘導体や、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクル等が挙げられ、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射状に置換された構造であり、液晶性を示し、一般的にディスコティック液晶と呼ばれるものが含まれる。ただし、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限定されるものではない。また、本発明において、ディスコティック液晶化合物は、熱、光等で硬化反応する重合性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる)を有するものが通常用いられる。
一方、正の屈折率異方性を有する液晶性化合物としては、棒状のネマティック液晶性化合物が挙げられる。「棒状液晶化合物」とは、分子構造中にメソゲン基を有し、該メソゲン基の長軸方向の屈折率が、短軸方向に比べて大きいものであり、加熱、冷却等の温度変化によるか、又はある量の溶媒の作用により、液晶相を示す化合物をいう。捧状液晶化合物としては、任意の適切なものを選択し得るが、室温では結晶又はガラス状態を示し、高温にするとネマティック液晶相を発現するものを好適に用いることができる。上記棒状液晶化合物は、成膜前は液晶相を示すが、成膜後は、例えば、架橋反応によって網目構造を形成し、液晶相を示さなくなるものであってもよい。上記のような性質の棒状液晶化合物を用いることで、例えば、液晶相を示す状態で、ハイブリッド配列を形成した後に、冷却ないし架橋することによって、その配列状態を固定することができる。
上記メソゲン基は、液晶相を形成するための構造部分であり、通常、環構造単位を含む。上記メソゲン基の具体例としては、ビフェニル基、フェニルベンゾエート基、フェニルシクロヘキサン基、アゾキシベンゼン基、アゾメチン基、アゾベンゼン基、フェニルピリミジン基,ジフェニルアセチレン基、ジフェニルベンゾエート基、ビシクロヘキサン基、シクロヘキシルベンゼン基、ターフェニル基等が挙げられる。なお、これらの環構造単位の末端は、例えば、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。中でも、メソゲン基として、ビフェニル基、フェニルベンゾエート基を有するものが好ましく用いられる。
なお、本発明において、最終的な液晶層中の液晶性化合物は、前記の液晶性化合物と同一である必要はなく、重合性不飽和基の反応等により液晶性を失ったものも含まれる。また、液晶性化合物としては、所望とする光学特性等に応じて、液晶性ポリマー、液晶性プレポリマー、液晶性モノマーのいずれをも用い得る。例えば、液晶性化合物が基材面と平行方向に配向、すなわちホモジニアス配向した所謂Aプレートを作製する場合には、ホモジニアス配向性のネマティック液晶性化合物を用いることが好ましい。また、液晶性化合物のチルト角が、液晶層の厚み方向に沿って連続的に変化しているネマティックハイブリッド配向した所謂Oプレートを作製する場合には、ホメオトロピック配向性の液晶性化合物を単独で、あるいは、前記したホモジニアス配向性の液晶性化合物と併用して用いることが好ましい。その他、液晶性化合物の配向方向が、液晶層の厚み方向に連続的に捩れている、捩れネマティック配向(コレステリック配向とも称される)性の光学フィルムを得る場合には、前記のホモジニアス配向性の液晶性化合物とカイラル剤を併用して用いることもできる。
液晶性化合物を含有する塗布液としては、液晶性化合物を溶媒に溶解したものが好適に用いられる。塗布液を形成する溶媒としては、前記液晶性化合物や、重合開始剤やその他の添加剤等の溶解性に優れ、塗布液を基材上に塗布する際に、液晶性化合物の配向性の低下を生じさせないものであれば特に制限はない。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、n−ブタノールや2−ブタノール、シクロヘキサノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、メチルセロソルブ、酢酸メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル類等を用いることができる。その他、塩化メチレン、二硫化炭素、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等も前記溶媒の例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記塗布液は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、シリコーン系、フッ素系、ポリエーテル系、アクリル系、チタネート系等の種々の化合物を用いることができる。特に、本発明においては、液晶層の表面張力を低下させて、液晶層表面に形成される有機ケイ素化合物層との密着性を高める観点から、シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が好適に用いられる。
シリコーン系界面活性剤としては、親水性基を有する有機変性ポリシロキサンを含有するものが挙げられる。親水性基としては、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、アクリル基、エステル基、エーテル基、−(CHCHO)−R(nは5〜30の整数、Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基)、−(CHCHOHCH−H(nは5〜30の整数)等が挙げられる。このようなシロキサン化合物を含む界面活性剤としては、例えばポリジメチルシロキサンのポリエーテル変性物等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤としては、BYK−Chemie社製の「BYK」シリーズ、東レ・ダウコーニング社の商品名「トーレシリコーン」シリーズ、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名「TSF」シリーズ、信越シリコーン社製の「KP」シリーズ、「KF」シリーズ等が市販されている。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換アルキル基及び親水性基を有するフッ素系化合物を含有するものが挙げられる。フッ素置換アルキル基は、直鎖または分岐のアルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたものである。フッ素置換アルキル基の炭素原子数は3乃至30であることが好ましい。フッ素置換アルキル基は、アルキル基に含まれる水素原子の50%以上が置換されていることが好ましく、60%以上が置換されていることがより好ましく、80%以上が置換されていることがさらに好ましく、90%以上が置換されていることがさらにまた好ましく、100%置換されていることが最も好ましい。親水性基としては、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、アクリル基、エステル基、エーテル基、−(CHCHO)R(nは5〜30の整数、Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基)、−(CHCHOHCH−H(nは5〜30の整数)等が挙げられる。このようなフッ素系化合物としては、パーフルオロアルキルスルホン酸(CF(CFSOH)、パーフルオロアルキルカルボン酸(CF(CFCOOH)、フッ素テロマーアルコール(F(CFCHCHOH)、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物((CF(CF−(CHCHO)H等が挙げられる(m、およびnは整数)。中でも、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物が最も好適に用いられる。フッ素系界面活性剤としては、DIC社製の「メガファック」シリーズ、スリーエム社製の「フルオラッド」シリーズ、インペリアル・ケミカル・インダストリー社製の「モンフロール」シリーズ、デュポン社製の「ゾニルス」シリーズ等が市販されている。
塗布液中の界面活性剤の含有量は、上記の液晶性化合物100重量部に対して、0.001重量部〜0.2重量部であることが好ましく、0.005重量部〜0.15重量部であることがより好ましく、0.01重量部〜0.1重量部であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有量が過度に少ないと、液晶層の表面張力を低下させる効果が十分得られず、液晶層と偏光子との密着性を十分に確保できない場合がある。また、界面活性剤の量が過度に多いと、塗布層中で界面活性剤が偏在し、液晶層の膜厚の均一性が低下する場合がある。
液晶性化合物として液晶性プレポリマーや液晶性モノマーを用いる場合には、重合反応を進行させる観点において、前記塗布液に重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤としては、特に制限はなく、単一の化合物からなる光重合開始剤であっても良いし、2種類以上の異なる重合開始剤を混合したものであっても良い。重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン系化合物等を挙げることができる。また、例えば、チバ・ガイギー製の商品名「イルガキュア651」、「イルガキュア184」、「ダロキュアー1173」、「イルガキュア500」、「イルガキュア2959」、「イルガキュア907」、「イルガキュア369」、「イルガキュア819」、「イルガキュア784」等の光重合開始剤を用いても良い。さらには、メルク製の商品名「ダロキュアー953」、「ダロキュアー1116」や、日本化薬製の商品名「カヤキュアーMBP」、「カヤキュアーCTX」、「カヤキュアーDITX」、「カヤキュアーCTX」、「カヤキュアーDETX」、「カヤキュアーRTX」等を用いることも可能である。
前記塗布液には、液晶性化合物、界面活性剤、重合開始剤、溶媒以外の成分を含んでいてもよい。例えば、液晶性化合物が傾斜配向した液晶層を形成する場合には、ホメオトロピック配向性の液晶化合物を含んでいることが好ましい。ホメオトロピック配向性の液晶ポリマーとしては特に制限されないが、正の屈折率異方性を有する液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユニットと、非液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユニットとを含有する側鎖型液晶ポリマーを用いることが好ましい。このような液晶化合物としては、例えば特開2003−149441号公報に記載のものを用いることができる。また、コレステリック配向の液晶層を得る場合には、カイラル剤を添加することが好ましい。
塗布液を塗布する基材104としては、液晶性化合物を所定方向に配向させるような配向規制力を有するものであることが好ましい。このような基材としては、例えば、延伸処理した延伸フィルムや、基材上に配向膜を有するものが好適に用いられる。配向膜としては、ポリイミドやポリビニルアルコール等からなる薄膜をラビング処理したもの、酸化ケイ素を斜方蒸着したもの等が挙げられる。このような基材を用いることで、液晶性化合物を所定方向に均一性高く配向させることが可能となる。
基材104は、表面に塗布した液晶性化合物を配向し得るものであれば、その材質は特に制限されず、プラスチックフィルムや、可撓性を有する金属板(金属箔)やガラス板等を用いることができる。基材は透明性を有しているものであってもよく、不透明のものであってもよい。
液晶性化合物を含有する塗布液を基材104上に塗布する方法は特に制限されず、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、バーコーティング法、ロッドコーティング法、ロールコーティング法(順転ロールコーター、逆転ロールコーター、グラビアコーター)、ダイコーティング法(エクストルージョンコーター(スロットコーター)、スライドコーター、スリットダイコーター)等の従来公知の方法を適宜用いることができる。塗布厚みは、乾燥後の液晶層が所望の光学特性を有するように、適宜設計することができる。
このようにして、基材104上に形成された塗布層は、液晶性化合物の配向を固定することによって、光学異方性を示す液晶層4となる。液晶性化合物として、液晶性ポリマーを用いる場合、前記塗布液を基材表面に塗布した後、液晶相を示す温度領域(液晶相転移温度)以上となるまで加熱し、乾燥させる。その後、室温付近まで急冷することによって、液晶性化合物の配向が固定され、光学異方性を示す。液晶性プレポリマーや液晶性モノマーを用いる場合、塗布液を基材表面に塗布した後、液晶相を示す温度領域(液晶相転移温度)以上となるまで加熱し、乾燥させる。その後、室温付近まで急冷し、紫外線等の活性光線を照射することによって、液晶性化合物が重合(架橋)し、液晶性化合物の配向状態が固定され、光学異方性を示す。なお、液晶性化合物の所定方向への配向性を高める観点において、前記紫外線等の活性光線として、所定方向に偏光した光線を照射することもできる。
[シランカップリング剤処理および有機ケイ素化合物層]
上記の液晶層は、偏光子と貼り合わされて偏光素子が形成される。液晶層4と偏光子1とは接着剤層12を用いて貼り合わされるが、本発明においては、液晶層と偏光子との貼り合わせに先立って、液晶層4の表面をシランカップリング剤により処理して有機ケイ素化合物層14を形成する。この有機ケイ素化合物層14の形成面を偏光子1と貼り合わせることにより、両者の接着性を向上させることができる。
シランカップリング剤としては、有機ケイ素化合物を含むものが好ましく、このようなシランカップリング剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(I)において、R1、R2およびR3は、例えば、水素原子、アルコキシ基またはアルキル基を示し、これらの少なくとも1つは、アルコキシ基である。これらR1、R2およびR3は同一であってもよいし、異なっていてもよいが、全てがアルコキシ基であることが好ましい。nは、例えば、1から10の整数、好ましくは1から5の整数を示す。
Xは、例えば、ハロアルキル基、メルカプト基、アルキルスルファニル基、アミノ基、イソシアナト基、ウレイド基、下記一般式(a)で示される基または下記一般式(b)で示される基である。
前記一般式(a)において、Y1、Y2、Y3およびZ1は任意の置換基であり、前記一般式(b)において、Y4、Y5、Y6およびZ2は任意の置換基である。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。なお、R1、R2およびR3は、アルコキシ基の他に、例えば、加水分解反応によって水酸基となるものであってもよく、この場合、R1、R2およびR3の少なくとも1つ、または全部が加水分解反応によって水酸基となる基であってもよい。
前記一般式(I)において、Xが前記一般式(a)である場合、Y1、Y2およびY3としては、例えば、水素原子、アルキル基およびアリール基等が挙げられ、これらは同一であってもよいし、異なっていてもよく、また、Z1としては、例えば、単結合、下記化学式(1a)、下記化学式(2a)および下記化学式(3a)等が挙げられる。
前記一般式(I)において、Xが前記一般式(b)である場合、Y4、Y5およびY6としては、例えば、水素原子、アルキル基およびアリール基等が挙げられ、これらは同一であってもよいし、異なっていてもよく、Z2として、例えば、単結合、前記化学式(1a)、前記化学式(2a)および前記化学式(3a)等が挙げられる。
前記一般式(I)において、前記アルキル基、ハロアルキル基およびアルキルスルファニル基等の「アルキル」部分は、例えば、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキルを示し、具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。中でも、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、メチルが特に好ましい。前記ハロアルキル基における「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、前記ハロアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、フルオロメチル基、ヨウ化メチル基、トリフルオロメチル基、クロロエチル基、フルオロエチル基、ヨウ化エチル基、クロロプロピル基等が挙げられる。前記アリール基としては、例えば、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられ、中でもフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が好ましい。
前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、中でもγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらは、1種類で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、前記シランカップリング剤は、不飽和炭化水素基を有することが好ましい。前記不飽和炭化水素基を有するシランカップリング剤としては、例えば、ビニル基を含むシランカップリング剤が挙げられ、具体例としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
液晶層4の表面をシランカップリング剤により処理することによって、液晶層の表面に有機ケイ素化合物層14が形成される。有機ケイ素化合物層の形成方法は特に限定されず、液晶層が形成された基材をシランカップリング剤の溶液に浸漬する方法や、液晶層上にシランカップリング剤溶液を塗布した後乾燥させる方法等が挙げられる。有機ケイ素化合物層の厚みを制御する観点等からは、液晶層上にシランカップリング剤溶液を塗布した後乾燥させる方法等が好ましい。シランカップリング剤溶液の塗布方法としては、例えば、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、バーコーティング法、ロッドコーティング法、ロールコーティング法、ダイコーティング法等の従来公知の方法を適宜用いることができる。
シランカップリング剤溶液の溶媒も特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、酸性の水やアルコール系溶媒が、シランカップリング剤の溶解度が高い等の理由から特に好ましい。また、前記シランカップリング剤溶液を乾燥させた後、さらに加熱することによって、液晶層と有機ケイ素化合物層との親和性をより高めることができる。加熱温度は特に限定されないが、液晶層としてサーモトロピック性の液晶性化合物が用いられている場合は、液晶の配向状態を変化させない範囲で加熱を行うことが好ましい。加熱温度は、例えば40〜150℃、好ましくは50〜130℃、より好ましくは、60〜120℃である。加熱時間も特に限定されないが、例えば、1分〜10分、好ましくは、2分〜6分である。
液晶層のシランカップリング剤処理は、基材104上に形成された状態の液晶層4に行うこともできるし、基材104から液晶層4を剥離した後に行うこともできる。また、液晶層4の形成時に用いた基材104とは別の基材上に液晶層を転写した上で、シランカップリング剤処理を行ってもよい。ハンドリング性等の観点からは、基材上に形成された状態の液晶層の露出面(基材と反対側の面)にシランカップリング剤処理を行うことが好ましい。また、液晶層4が基材104上に形成されたままの状態で液晶層表面にシランカップリング剤処理を行い、さらに液晶層を基材から剥離することなく有機ケイ素化合物層形成面側を偏光子と貼り合わせることにより、工程部材を削減することができる。さらには、図2に示すように、偏光素子の形成後には、当該基材104をそのまま液晶層4の保護フィルムとして用いることもできる。
シランカップリング剤を用いて得られる有機ケイ素化合物層14の厚みは、30nm以下であることが好ましく、25nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることがさらに好ましい。有機ケイ素化合物層の膜厚が過度に大きいと、リワーク等の剥離時に有機ケイ素化合物層14が凝集破壊を生じ、液晶層4と接着剤層12との間の密着性を高く保つことができない場合がある。有機ケイ素化合物層14の厚みの下限は特に限定されず、例えば1nm以上、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上である。
一般には、ポリビニルアルコール系偏光子上に接着剤層を介して液晶層を貼り合わせたものは密着性が低く、液晶層の接着剤層界面において剥離が生じ易かった。そのため、従来技術においては、図4に示すように、偏光子1の表面に接着剤層12を介してトリアセチルセルロース等の透明保護フィルム2を貼り合わせ、その上にあらかじめ形成された液晶層4を転写することが行われている。これに対して、本発明においては、液晶層4をシランカップリング剤により処理して、その表面に有機ケイ素化合物層14を形成し、液晶層4表面の有機ケイ素化合物層14と偏光子1とを第1接着剤層12を介して貼り合わせることによって、液晶層の密着性を高めることができる。
シランカップリング剤等の表面改質剤を用いた表面改質層は、相互になじみの悪い材質、例えばガラス等の無機材料と有機材料等の密着性を高めるために一般的に用いられている。しかしながら、これまで、液晶層の表面をシランカップリング剤で処理して有機ケイ素化合物層を形成することによって、ポリビニルアルコール系偏光子との密着性が高められるとの知見は存在していなかった。本発明はこのような新たな知見に基づいてなされたものであり、偏光子と液晶層との間に透明保護フィルムを介さずとも液晶層の密着性に優れた偏光素子が得られるため、偏光素子の薄型化が可能であるとともに、透明保護フィルムを不要とすることによるコストダウンを図ることもできる。
[第1接着剤層]
シランカップリング剤処理により表面に有機ケイ素化合物層14が形成された液晶層4は、第1接着剤層12を介して偏光子1と貼り合わされる。第1接着剤層12を形成する接着剤としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム系、合成ゴム等のゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、偏光子と液晶層表面に形成された有機ケイ素化合物層との接着性を高める観点からは、水性接着剤が好ましく用いられる。中でも、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とするものが用いられる。
かかる接着剤に用いるポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂や、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール樹脂は、反応性の高い官能基を有するポリビニルアルコール系接着剤であり、偏光板の耐久性が向上するため好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコール;その誘導体;更に酢酸ビニルと共重合性を有する単量体との共重合体のケン化物;ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコールが挙げられる。前記単量体としては、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸及びそのエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、(メタ)アリルスルホン酸(ソーダ)、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。これらポリビニルアルコール系樹脂は一種を単独で又は二種以上を併用することができる。
また、接着剤は架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレン基とアミノ基を2個有するアルキレンジアミン類;トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック物等のイソシアネート類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジ又はトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等のエポキシ類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド類;グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒド等のジアルデヒド類;メチロール尿素、メチロールメラミン、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロール化メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物等のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂、;更にナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル等の二価金属、又は三価金属の塩及びその酸化物が挙げられる。これらのなかでもアミノ−ホルムアルデヒド樹脂やジアルデヒド類が好ましい。アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としてはメチロール基を有する化合物が好ましく、ジアルデヒド類としてはグリオキザールが好適である。なかでもメチロール基を有する化合物である、メチロールメラミンが特に好適である。
接着剤の塗布は、偏光子、液晶層(有機ケイ素化合物層)のいずれに行ってもよく、両者に行ってもよい。貼り合わせ後には、乾燥工程を施し、塗布乾燥層からなる接着剤層を形成する。偏光子と液晶層との貼り合わせは、ロールラミネーター等により行うことができる。第1接着剤層12の厚さは、特に制限されないが、乾燥後厚みが10〜300nm程度であることが好ましい。均一な面内厚みを得ること、および十分な接着力を得る点から、第1接着剤層の厚みは10〜200nmであることがより好ましく、20〜150nmであることがさらに好ましい。液晶層4に形成された有機ケイ素化合物層14の表面および偏光子1の表面には、接着剤を付設する前に、接着性の向上等を目的として、親水化等の表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としてば、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、ケン化処理等が挙げられる。
[透明保護フィルム]
偏光子1の液晶層4を貼り合わせるのと反対側の面には、図1に示すように第2接着剤層13を介して透明保護フィルム3が貼り合わせられていてもよい。透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。
透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤等が挙げられる。
透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性等の観点から、1〜500μm程度であり、1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。
偏光子1と透明保護フィルム3とを貼り合わせるのに用いられる第2接着剤層13の材料等は特に限定されず、例えば第1接着剤層に関して前記したのと同様の接着剤を好適に用いることができる。なお、第1接着剤層12と第2接着剤層13とは同一の材料からなるものであってもよく、異なる材料からなるものであってもよい。
偏光子1と透明保護フィルム3との貼り合わせは、偏光子1と液晶層4との貼り合わせ前、貼り合わせの後のいずれに行ってもよい。また、偏光子1と透明保護フィルム3との貼り合わせと、偏光子1と液晶層4との貼り合わせとを同時に行うこともできる。
透明保護フィルム3の偏光子1を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施してもよい。反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
[偏光素子の積層構成例]
液晶層4の偏光子1と貼り合わされるのと反対側の面は、図1に示すように、他のフィルム等が貼り合わせられずに液晶層4が露出した状態であってもよく、図2、3に示すように、他のフィルムが貼り合わせられた状態であってもよい。図2は、液晶層4を形成する際の基材104が剥離されずに、そのまま液晶層4と密着している形態を表している。当該構成において、基材104は、そのまま偏光素子の一部として液晶表示装置等に組み込むこともできる。また、偏光素子を実用に供するまでの間、液晶層4の表面に基材104が仮着された状態として、実用に供する際に基材104を剥離すれば、表面保護のために別途のセパレータ等を用いずとも、液晶層4の表面を保護することができる。
図3は、液晶層4の偏光子1と貼り合わされるのと反対側の面に、接着剤層112を介して透明保護フィルム102が貼り合わされた形態を表している。当該構成において、透明保護フィルム102は、液晶層4の表面を保護する目的で用いられるほか、例えば位相差フィルムとしての機能を有するものであってもよい。透明保護フィルム102と液晶層とを貼り合わせるための接着剤層112としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム系、合成ゴム等のゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。また、接着剤層112として粘着剤層を用いることもできる。このような粘着剤層を形成する粘着剤は特に制限されないが、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましい。
さらに、本発明の偏光素子は、少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された粘着剤層付きの偏光素子とすることもできる。粘着剤層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般的には、1〜500μmであり、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜40μm、さらに好ましくは5〜30μmが好ましく、特に好ましくは10〜25μmである。粘着剤層が1μmより薄いと耐久性が悪くなり、厚くなると発泡などによる浮きや剥がれが生じやすく外観不良となりやすい。
このような粘着剤層付きの偏光素子の粘着剤層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、粘着剤層の汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされることが好ましい。これにより、通例の取扱状態で粘着剤層に接触することを防止できる。セパレータとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な離型剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
[画像表示装置]
本発明の偏光素子は、液晶表示装置等の画像表示装置に好ましく用いることができる。このような画像表示装置は、本発明の偏光素子を用いること以外は、従来の画像表示装置と同様の構成とすることができる。
液晶表示装置は、例えば、液晶セル、本発明の偏光素子等の光学部材、および必要に応じて照明システム(バックライト等)等の各構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むこと等により製造できる。液晶表示装置の構成は液晶セルの片側又は両側に本発明の偏光素子が用いられていれば、その他の構成は特に制限されない。
一般には、液晶層4を光学補償として作用させるために、偏光素子20の液晶層4側が液晶セルと対向するように、液晶表示装置内に組み込まれるが、液晶層4と反対側の面(図1における透明保護フィルム3側の面)が液晶セルと対向するように組み込まれていてもよい。例えば、液晶層4が微小領域ごとに配向状態が異なる層である場合、液晶セルよりも視認側に配置される偏光素子を、液晶層4が偏光子1よりも視認側となるように配置することによって、ピクセルごとに右目用画像と左目用画像を現出させる空間分割型方式の3次元ディスプレイへ適用することも可能である。
上記液晶表示装置等の画像表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて更に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
(液晶層の作製)
重合性液晶性化合物(BSAF社製、商品名「Paliocolor LC242」)をシクロペンタノンに溶解して固形分濃度30重量%の溶液を調製した。この溶液に、フッ素系界面活性剤(DIC社製 商品名「メガファックRS−714」)および重合開始剤(チバ・ガイギー社製 商品名「イルガキュア369」を添加して、塗布液を調整した。界面活性剤および重合開始剤の添加量は、液晶性化合物100重量部に対して、それぞれ、0.01重量部、3重量部であった。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製 商品名「ルミラー RC06」、厚み75μm)を、レーヨンのラビング布を用いてラビング処理して配向基材とした。この配向基材のラビング処理表面に、ワイヤーバーを用いて前記塗布液を均一に塗布し(塗布ウェット厚み:約1.5μm)、塗布層を形成した。
このようにして基材上に形成された前記塗布層を、配向基材とともに90℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥させ、液晶性化合物が傾斜配向した固化層を形成した。得られた固化層の表面に、コンベア式紫外線照射装置を用いて、室温(25℃)にて波長365nmにおける積算照射光量が300mJ/cmとなるように空気雰囲気下で紫外線を照射し、液晶性化合物の傾斜配向が固定された液晶層を形成した。
(シランカップリング剤処理)
シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング社製 商品名「APZ−6661」)20重量部を80重量部のイソプロピルアルコールで希釈して、シランカップリング剤溶液を調製した。前記液晶層の表面をコロナ処理した後、ワイヤーバーを用いて前記シランカップリング剤溶液を塗布し、80℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥させ、液晶層の表面に有機ケイ素化合物層を形成した。
(偏光子の作製)
重合度2400、ケン化度99.9%、厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に浸漬し、膨潤させながら、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の2倍となるように自由端一軸延伸をおこなった。ついで、ヨウ素とヨウ化カリウムの混合物(重量比1:16)の濃度が0.3重量%の水溶液(染色浴)に浸漬し、ポリビニルアルコールフィルム長さがの元長の3倍となるように自由端一軸延伸しながらフィルムを染色した。その後、ホウ酸3重量%、ヨウ化カリウム3重量%の水溶液(架橋浴1)中に浸漬しながら、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の4倍となるように延伸した後、60℃のホウ酸4重量%、ヨウ化カリウム5重量%の水溶液(架橋浴2)中で、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の6倍となるように延伸した。その後、ヨウ化カリウム3重量%の水溶液(ヨウ素含浸浴)でヨウ素イオン含浸処理を行った後、60℃のオーブンで4分間乾燥し、偏光子を得た。得られた偏光子の厚みは28μmであった。
(接着剤の調製)
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール樹脂(平均重合度1200,ケン化度98.5モル%,アセトアセチル化度5モル%)100重量部に対し、メチロールメラミン32重量部を、30℃の温度条件下に、純水に溶解し、固形分濃度3.2重量%になるように接着剤水溶液を調製した。
(偏光素子の作製)
上記接着剤を用い、30℃の温度条件下で、偏光子の一方の面に液晶層を、他方の面に透明保護フィルムとして厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製 商品名「フジタック TD80UL」)を、ロール貼合機で貼り合わせた後、60℃で4分間乾燥させた。乾燥後に液晶層から基材フィルムを剥離して、図1に示すような積層構成を有する偏光素子を得た。得られた偏光子の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したところ、有機ケイ素化合物層の厚みは25nmであった。
[比較例1]
実施例1と同様に液晶層を形成した後、液晶層の表面にシランカップリング処理を行わず、コロナ処理のみを行った。この液晶層を用いて、実施例1と同様にして、偏光子の一方の面に液晶層、他方の面に透明保護フィルムを貼り合わせて、偏光素子を得た。
[比較例2]
前記比較例1と同様に、液晶層の表面にシランカップリング処理を行わず、コロナ処理に代えてプラズマ照射処理を行った。この液晶層を用いて、偏光子の一方の面に液晶層、他方の面に透明保護フィルムを貼り合わせて、偏光素子を得た。
[比較例3]
前記比較例1と同様に、液晶層の表面にシランカップリング処理を行わず、コロナ処理に代えてケン化処理を行った。この液晶層を用いて、偏光子の一方の面に液晶層、他方の面に透明保護フィルムを貼り合わせて、偏光素子を得た。
[比較例4]
実施例1と同様に液晶層を形成した後、液晶層の表面にコロナ処理を行い、ウレタン系下塗り剤層を形成した。この液晶層を用いて、偏光子の一方の面に液晶層、他方の面に透明保護フィルムを貼り合わせて、偏光素子を得た。
[参考例1]
実施例1において、偏光子の一方の面に液晶層を貼り合わせる代わりに、偏光子の両面に透明保護フィルムを貼り合わせて、偏光子の両面に透明保護フィルムが貼り合わされた偏光板を得た。
[参考例2]
実施例1のシランカップリング剤処理において、シランカップリング剤の塗布厚みを大きくした。それ以外は実施例1と同様にして、図1に示すような積層構成を有する偏光素子を得た。得られた偏光子の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したところ、有機ケイ素化合物層の厚みは40nmであった。
[評価]
実施例、比較例および参考例で得られた偏光素子の側面の偏光子と透明保護フィルムとの間にカッターナイフの刃を挿入し、偏光素子の端部において、偏光子と透明保護フィルムとを剥離した。当該剥離部において、偏光子および透明保護フィルムのそれぞれを掴み、反対方向に引張って剥離を試みた。
比較例1〜4の偏光素子では、偏光子と液晶層との間で完全に剥離し、偏光子と液晶層との密着性に乏しかった。一方、実施例1の偏光素子では、偏光子および/または透明保護フィルムが破断して剥離できなかった。また、参考例1の偏光板においても、偏光子および/または透明保護フィルムが破断して剥離できなかった。
このことから、実施例1の偏光素子は、比較例の偏光素子に比して偏光子と液晶層との密着性が高いことがわかる。一方、参考例2の偏光素子では、有機ケイ素化合物層にて凝集破壊を生じ、偏光子と液晶層との間で完全に剥離した。
1 偏光子
2,3 透明保護フィルム
102 透明保護フィルム
4 液晶層
5 粘着剤層
12,13 接着剤層
112 接着剤層
14 有機ケイ素化合物層
20 偏光素子
104 基材

Claims (6)

  1. ポリビニルアルコール系フィルム偏光子上に、液晶性化合物の配向が固定された液晶層を備える偏光素子であって、
    前記液晶層は液晶性化合物および界面活性剤を含有し、
    液晶層の偏光子側の表面には、シランカップリング剤を用いて得られる有機ケイ素化合物層が形成されており、
    前記偏光子と液晶層表面の有機ケイ素化合物層とが第1接着剤層を介して貼り合わせられている、偏光素子。
  2. 前記有機ケイ素化合物層の厚みが30nm以下である、請求項1に記載の偏光素子。
  3. 前記偏光子の他方の面には、第2接着剤層を介して透明保護フィルムが貼り合わせられている、請求項1または2に記載の偏光素子。
  4. 前記液晶層に含まれる界面活性剤が、シリコーン系界面化製剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光素子。
  5. 前記液晶層に含まれる界面活性剤が、フッ素系界面活性剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光素子を製造する方法であって、
    液晶性化合物および界面活性剤を含有し、液晶性化合物の配向が固定された液晶層を準備する工程、
    前記液晶層の表面をシランカップリング剤溶液で処理して有機ケイ素化合物層を形成する工程、および
    ポリビニルアルコール系フィルム偏光子上の一方の面に、第1接着剤層を介して、前記液晶層の有機ケイ素化合物層形成面を貼り合わせる工程、
    を有する、偏光素子の製造方法。
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