JP2012219482A - 可とう性ラック、及び、洗浄便座用ノズル機構 - Google Patents
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Abstract
本発明は、湾曲部を有するガイドに沿ってスムーズに摺動可能な可とう性ラックを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の可とう性ラックは、第一端部及び第二端部を有する軸部材と、上記軸部材上に形成されたラック歯とを有する可とう性ラックであって、上記軸部材は、上記第一端部を含んで上記第一端部側から上記第二端部側に向かって一定領域に渡って延在しており、上記ラック歯が形成されていない第一領域と、上記第一領域に隣接しており、上記ラック歯が形成されている第二領域とを有しており、上記第一領域の径は、上記第二領域の径よりも小さいことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、洗浄水を噴出する伸縮自在なノズルとノズルを伸縮させる伸縮機構とを有する洗浄便座用ノズル機構が開示されており、従来の可とう性ラックは、伸縮機構の構成部材として用いられている。
そのため、可とう性ラックに係合したピニオンを駆動機構で回転駆動させると、ガイドの湾曲部に沿って可とう性ラックが前後に摺動し、可とう性ラックの前後運動に伴って先端部に結合したノズルが所定の距離だけ伸縮する。
それゆえ、湾曲したガイドに沿って可とう性ラックを摺動させると、可とう性ラックの一方の端部近傍と湾曲部との摩擦抵抗が大きくなり、可とう性ラックがスムーズに摺動することができず、ノズルの伸縮動作に不具合をきたすという問題がある。
上記軸部材上に形成されたラック歯とを有する可とう性ラックであって、
上記軸部材は、
上記第一端部を含んで上記第一端部側から上記第二端部側に向かって一定領域に渡って延在しており、上記ラック歯が形成されていない第一領域と、
上記第一領域に隣接しており、上記ラック歯が形成されている第二領域とを有しており、
上記第一領域の径は、上記第二領域の径よりも小さいことを特徴とする。
図2は、図1(a)に示す可とう性ラックが湾曲部を有するガイドに挿入されていく状態を模式的に示す平面図である。
ここでは、第一領域の外観形状が、第一領域の後端側から第一端部側に向かって徐々に縮径したテーパー形状であって、その断面形状が、第一領域の後端側から第一端部側に向かって矩形状から円形状に徐々に変化している場合を例にして説明している。
しかしながら、第一領域の外観形状及び断面形状はこれらの形状に限定されない。
また、第二領域の外観形状が細長直方体状であって、その断面形状が矩形状である場合を例にして説明しているが、第二領域の外観形状及び断面形状はこれらの形状に限定されない。
図1(a)に示す本発明の可とう性ラック以外の実施形態については、後述する。
なお、本明細書において、第一領域の径とは、第一領域の長手方向に対して垂直な方向に沿って第一領域を任意の箇所で垂直に切断することにより得た第一領域の垂直断面において、該垂直断面の中心軸を通る径(線分)のうちで最も長い径(線分)のことをいうものとする。
例えば、図1(b)に示す第一領域のA−A線断面図では、該断面図の中心軸C1を通る径(線分)のうちで最も長い径D1(線分)が、第一領域Xの径である。
また、第二領域の径とは、第二領域の長手方向に対して垂直な方向に沿って第二領域を任意の箇所で垂直に切断することにより得た第二領域の垂直断面において、該垂直断面の中心軸を通る径(線分)のうちで最も長い径(線分)のことをいうものとする。
例えば、図1(c)に示す第二領域のB−B線断面図では、該断面図の中心軸C2を通る径(線分)のうちで最も長い径D2(線分)が、第二領域Yの径である。
なお、第一領域と第二領域との境界部分については、第一領域及び第二領域のいずれにも含めないものとする。
なお、図2では、可とう性ラック1が湾曲部6に挿入される方向を片矢印Mで示している。
従って、可とう性ラック1は、第一領域Xを中心として湾曲しやすく、湾曲部6に沿ってスムーズに摺動することができる。
上記ノズルを伸縮させる伸縮機構とを有する洗浄便座用ノズル機構であって、
上記伸縮機構は、
湾曲部を有するガイドと、
上記ノズルと結合しており、上記ガイドに沿って前後に摺動する可とう性ラックと、
上記可とう性ラックに係合しているピニオンと、
上記ピニオンを回転駆動させる駆動機構とからなり、
上記可とう性ラックは、本発明に係るいずれかの可とう性ラックであり、上記可とう性ラックの上記第一領域が上記湾曲部に沿って摺動するように構成されていることを特徴とする。
以下、本発明の可とう性ラック及び洗浄便座用ノズル機構の一実施形態である第一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の可とう性ラックは、上述した本発明の可とう性ラックと同様の構成を有しているため、以下の説明では、図1及び図2を参照しながら説明する。
なお、本発明の可とう性ラックに係る説明と重複する事項については、説明を省略することもある。
図1(a)及び図2に示す本実施形態の可とう性ラック1は、第一端部2a及び第二端部2bを有する軸部材2と、軸部材2上に形成されたラック歯3とから形成されている。
軸部材2は、第一端部2aを含んで第一端部2a側から第二端部2b側に向かって一定領域に渡って延在している第一領域Xと、第二端部2bを含んで第二端部2b側から第一端部2a側に向かって一定領域に渡って延在しており、第一領域Xに隣接している第二領域Yとから形成されている。
第一領域Xにはラック歯3が形成されておらず、第二領域Yにはラック歯3が形成されている。
また、第一領域Xの径は、第二領域Yの径よりも小さい。
第一端部2a側にいくにつれて第一領域Xの柔軟性が徐々に高くなり、強度を確保しつつ、可とう性ラックを湾曲部に沿ってよりスムーズに摺動させることができるからである。
より具体的には、ラック歯3が形成されていない側面(図1(a)中の下面)の第一端部2aの角部に相当する部位がより大きく面取りされた形状となっており、ラック歯3が形成された側面(図1(a)中の上面)の第一端部2aの角部に相当する部位がより小さく面取りされた形状となっている。
各々のラック歯3の形状は、頂角が切除された略二等辺三角形を上面及び底面とする柱形状であり、各々のラック歯3の間には、V字状のピッチが形成されている。
ラック歯3の高さ及びピッチは、後述するピニオンと係合可能な範囲で任意に選択される。
ロープ4の径は、例えば、0.1〜1.0mmであってもよい。
第一領域X、第二領域Y及びラック歯3は、同一種類の合成樹脂から形成されていてもよいし、それぞれ異なる種類の合成樹脂から形成されていてもよい。
例えば、ラック歯3が耐摩耗性の高い各種エンプラから形成されており、第一領域及び第二領域が柔軟性の高いポリエチレン等の熱可塑性樹脂から形成されていてもよい。
また、必要に応じて第一領域を研磨することにより第一領域をテーパー形状としてもよく、第一端部を面取り加工することにより面取り形状としてもよい。
次に、洗浄便座用ノズル機構の構成について、図面を用いて以下に説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る洗浄便座用ノズル機構の収縮時の様子を模式的に示す断面図である。
また、可とう性ラック1の第一領域Xは、湾曲部32に沿って摺動するように構成されている。
ノズル20は、便座本体(図示せず)に固定される筒状の収納部21と、収納部21に内挿された第一シリンダ22と、第一シリンダ22に内挿された第二シリンダ23と、第二シリンダ23に内挿された第三シリンダ24とから形成されている。
噴出孔25には、洗浄便座用ノズル機構10の外部に接続された導水管26が取り付けられており、噴出孔25に洗浄水を供給することができるように構成されている。
ピニオン33は、図示しない駆動機構により回転駆動される。
そして、第三シリンダ24の後端外周に形成された外方突出部24aが、第二シリンダ23の先端内周に形成された内方突出部23bに当接することにより、第三シリンダ24の伸長が停止する。
同様に、第二シリンダ23の後端外周に形成された外方突出部23aが第一シリンダ22の先端内周に形成された内方突出部22bに当接することにより、第二シリンダ23の伸長が停止し、第一シリンダ22の後端外周に形成された外方突出部22aが、収納部21の先端内周に形成された内方突出部21bに当接することにより、第一シリンダ22の伸長が停止する。
この際、可とう性ラック1の第一領域Xは湾曲部32に沿って摺動し、湾曲した状態でガイド31にコンパクトに収容される。
従って、可とう性ラックは、第一領域を中心として湾曲しやすく、湾曲部に沿ってスムーズに摺動することができる。
本発明の可とう性ラックにおいて、第一領域の形状は第一端部側に向かって縮径したテーパー形状であることが望ましいが、第一領域の形状は第二領域の径よりも小さいものであればよく、例えば、第一領域と第二領域とがともに細長直方体状であり、第一領域の大きさが全体的に第二領域よりも小さい形状であってもよい。このような実施形態であっても、本発明の可とう性ラックの作用効果を好適に享受することができる。
なお、樹脂等の形成材料の強度が高く、第一領域及び第二領域の強度が充分に高いのであれば、第一領域及び第二領域の内部にはロープが埋め込まれていなくてもよい。
この場合には、第一端部を摩擦抵抗のより少ない材質で形成することが望ましい。
また、第一領域及び第三領域にはラック歯が形成されておらず、第二領域にはラック歯が形成されていてもよい。
この場合において、第三領域の径は、第二領域の径より小さくてもよい。
ラック歯が形成された第二領域の径よりもラック歯が形成されていない第三領域の径が小さいと、第三領域の柔軟性が第二領域よりも充分に高くなる。
そのため、係る構成を有する可とう性ラックは、両端部(第一端部及び第二端部)の柔軟性が高く、第一端部側から湾曲部に挿入する場合であっても、第二端部側から湾曲部に挿入する場合であっても、可とう性ラックが湾曲部に沿ってスムーズに摺動することができる。
2 軸部材
2a 第一端部
2b 第二端部
3 ラック歯
X 第一領域
Y 第二領域
D1 第一領域の径
D2 第二領域の径
Claims (4)
- 第一端部及び第二端部を有する軸部材と、
前記軸部材上に形成されたラック歯とを有する可とう性ラックであって、
前記軸部材は、
前記第一端部を含んで前記第一端部側から前記第二端部側に向かって一定領域に渡って延在しており、前記ラック歯が形成されていない第一領域と、
前記第一領域に隣接しており、前記ラック歯が形成されている第二領域とを有しており、
前記第一領域の径は、前記第二領域の径よりも小さいことを特徴とする可とう性ラック。 - 前記第一領域の形状は、前記第一端部側に向かって縮径したテーパー形状である請求項1に記載の可とう性ラック。
- 前記第一端部の形状は、面取り形状である請求項2に記載の可とう性ラック。
- 洗浄水を噴出する伸縮自在なノズルと、
前記ノズルを伸縮させる伸縮機構とを有する洗浄便座用ノズル機構であって、
前記伸縮機構は、
湾曲部を有するガイドと、
前記ノズルと結合しており、前記ガイドに沿って前後に摺動する可とう性ラックと、
前記可とう性ラックに係合しているピニオンと、
前記ピニオンを回転駆動させる駆動機構とからなり、
前記可とう性ラックは、請求項1〜3のいずれかに記載の可とう性ラックであり、前記可とう性ラックの前記第一領域が前記湾曲部に沿って摺動するように構成されていることを特徴とする洗浄便座用ノズル機構。
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