JP2012215309A - 冷却装置及び冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な構造で液ハンマー現象などによる機器の損傷を防ぎ、信頼性の高い冷却装置を得る。
【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機1と、冷媒を凝縮させる凝縮器2と、冷媒の流路の開放又は閉塞により冷媒の流れを制御する電磁弁3と、冷媒の流量を制御して圧力調整をする膨張弁4と、冷媒を冷却する冷却器5とを配管接続して冷媒循環回路を構成する冷凍・冷蔵システムであって、電磁弁3の開閉部分と膨張弁4の流量調整部分との間の冷媒流路38における空間容積が0以上500mm3 以下とする。
【選択図】図1
【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機1と、冷媒を凝縮させる凝縮器2と、冷媒の流路の開放又は閉塞により冷媒の流れを制御する電磁弁3と、冷媒の流量を制御して圧力調整をする膨張弁4と、冷媒を冷却する冷却器5とを配管接続して冷媒循環回路を構成する冷凍・冷蔵システムであって、電磁弁3の開閉部分と膨張弁4の流量調整部分との間の冷媒流路38における空間容積が0以上500mm3 以下とする。
【選択図】図1
Description
この発明は冷却装置に関するものである。例えば業務用の冷凍、冷蔵等を行う冷却装置等において、膨張弁(絞り装置)、電磁弁(開閉装置)等を保護するための構造等に関するものである。
例えば、冷凍サイクルを利用した冷凍サイクル装置では、基本的に、圧縮機、凝縮器(熱交換器)、膨張弁(絞り装置)及び蒸発器(熱交換器)が配管接続され、冷媒を循環させる冷媒回路を構成している。そして、冷媒が、蒸発、凝縮時に、熱交換対象となる空気から吸熱、放熱することを利用し、管内の圧力等を変化させながら冷却動作などを行っている。
このような冷凍サイクル装置において、冷凍・冷蔵庫(室)(以下、冷蔵室という)内に配置されるユニットクーラ、ショーケース等の冷却装置と、冷凍機とを配管接続して構成する冷凍・冷蔵システムがある。例えば冷凍機は圧縮機、凝縮器を有し、冷却装置は膨張弁、蒸発器を有して冷媒回路を構成している。そして、例えば、冷凍・冷蔵システムでは、冷蔵室内の温度が所定温度以下になると圧縮機の駆動を停止する等して運転を停止する。そして、冷蔵室内の温度が上昇すると運転を再開する。運転を停止する場合に、冷媒回路内の冷媒の流れを停止するために、膨張弁と分離・独立した電磁弁(開閉装置)を、さらに冷媒回路に設けている。
例えば、冷蔵室内の温度が上昇し、制御装置等から運転開始指令の信号が出力されると、電磁弁は閉じていた弁を開いて冷媒が流れるようにする。ここで、電磁弁でせきとめられていた冷媒は冷蔵室内の低温空気により冷却され、過冷却がついた状態である。このような冷媒が膨張弁に勢いよく流入すると液ハンマー現象が生じ、膨張弁を損傷する可能性がある。
例えば、電磁弁3が閉開弁する回数は1時間に4〜6回あり、製品の寿命期間とされる10年間では35万回〜53万回にも達する。このような高い衝撃圧を繰り返し加えられることにより、膨張弁は大きな損傷をうけ、最終的には機器が正常に動作せず、冷媒サイクルにおける膨張工程が正常に動作せずに冷蔵室の温度上昇を引き起こす可能性がある。これにより、収容物の冷却が維持できずに品質低下を招く恐れがある。また、液ハンマー現象によって非常に大きな衝撃圧が加わることで、非常に大きな異常音および異常振動が発生することにもなる。
そこで、液ハンマー現象を防止するために、使用する膨張弁を電子制御式膨張弁とし、電子膨張弁の下流側に電磁弁を配置することで改善しようとする冷却装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、液ハンマー現象は液状の冷媒(液冷媒)の密度に関係しており、液密度が高くなればなるほど衝撃圧も高くなる。そこで、衝撃圧を低下させるため液密度を低下させる制御を冷凍装置に組み込む方法が提案されている。具体的には、液冷媒の過冷却を抑制するように制御することができる冷凍装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、液密度を小さくするために、電磁弁の上流側の配管にヒータを巻きつけ加熱できるようにし、加熱により液冷媒の温度を上昇させることで、液冷媒における液密度を低下させるようにする冷凍装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
近年、省エネルギー、オゾン層破壊防止、地球温暖化防止などの目的から、R410A、R404A、R32、CO2 等のような高密度化された冷媒が用いられていく傾向がある。上述のように液ハンマー現象は液冷媒の密度が高くなるほど衝撃圧力も大きくなる。例えば、R410Aの衝撃圧はR404Aに対して約1.4倍の衝撃圧になる。したがって、高密度冷媒になればなるほど液ハンマー現象が顕著になる傾向がある。また、例えば、電磁弁が閉開弁する回数は1時間に4〜6回あり、製品の寿命期間である10年間では35万回〜53万回にも達する。
このため、このような高い衝撃圧を繰り返し加えられることにより、膨張弁が損傷するおそれがある。膨張弁が損傷し作動しなくなることで冷媒回路中において膨張行程を正常に行うことができず、これにより、冷蔵室の温度上昇を引き起こし、収容物の品質低下を招くおそれがある。また、液ハンマーによる衝撃により、冷媒が衝突する際に非常に大きな異常音および異常振動が発生することにもなる。
また、その衝撃圧が膨張弁だけでなく、接続配管に伝達し、接続配管の疲労限界を超えることにより接続配管の折損を引き起こす可能性もある。接続配管が折損すると冷媒回路内の冷媒がガスとして冷蔵室内に放出される。このため、冷媒回路内の冷媒ガスが希薄な状態となり冷蔵室の温度上昇により収容物の品質低下を招く。また、冷蔵室は外気の侵入を防止するため比較的密閉性が高く設計されており、配管折損により冷媒配管内の冷媒が冷蔵室内に流れ込むと、冷蔵室内の酸素濃度が低下する。例えば、冷蔵庫内で作業している作業員がいれば酸欠状態となり人命にかかわる事故に繋がるおそれもある。また冷媒回路内の冷媒が大気中に放出されると地球温暖化を促進してしまい、地球環境保護の観点からも非常に大きな影響がある。
また、電子式膨張弁を用いて制御する場合には制御基板が必要となる。膨張弁が配置される空間の温度が制御基板の許容温度より低い場合(例えば−25℃等)には、制御基板を冷凍室内に配置することができない。このため、専用の制御基板用ボックス(収納箱)を電子式膨張弁近隣に配置する必要がある。専用ボックスを配置することにより、ボックス配置作業の増大、コストの増大を招く。
また、過冷却を抑制する場合、制御を搭載する方法で衝撃圧を改善しようとしている。システムの消費電力を抑え、冷凍能力を増大させるためには液冷媒を十分に過冷却しておくことが望ましい。しかし、液ハンマー現象を抑制するために過冷却を抑制する制御を行うことで、消費電力低減および能力増大を犠牲にすることとなる。例えば冷蔵室内の冷却負荷が増えた場合に能力を犠牲にした運転を実施していると、室内温度の上昇を引き起こし、冷却物の品質低下を招くことになる。また、消費電力量低減を犠牲にすることにより省エネルギーに反する運転を行うことになる。
そして、ヒータで加熱することで過冷却を抑制する場合においても、液冷媒の過冷却をヒータにより失うことになるため、消費電力の増大および冷却能力の低下を招き、ひいては室内温度の上昇を引き起こし冷却物の品質低下を招くことになる。また、ヒータを加熱するための電力が無駄になるばかりか、ヒータそのものの設置等にコストがかかり、またそのヒータを取り付ける作業性の悪化も発生する。
そこで、簡便な構造等を実現しつつ、液ハンマー現象などによる機器の損傷を防ぎ、信頼性の高い冷却装置を得ることを目的とする。
この発明に係る冷却装置は、上記のような課題を解決するためになされたもので、冷媒の流路を開放又は閉塞して冷媒の流れを制御する開閉装置と、冷媒の流量を制御して冷媒の圧力を調整し、冷却対象を冷却する冷却器に流入させる絞り装置とを有する冷却装置であって、開閉装置の開閉部分と絞り装置の流量調整部分との間の冷媒流路における空間容積が0以上500mm3 以下とする。
この発明による冷却装置では、開閉装置の開閉部分と絞り装置の流量調整部分との間の冷媒流路における空間容積が0以上500mm3 以下とするようにしたので、開閉装置を開き、絞り装置に流れ込んでくる冷媒が勢いづく前に流量調整部分を通過するようにすることで、衝撃圧を緩和することができ、絞り装置の損傷を防止することができる。このため、冷凍システムの運転を安定的に行うことができ、例えば冷蔵室内の冷却対象物の温度を適切に維持して、品質低下を招くことのない信頼性の高い冷却装置を提供することができる。また冷媒が衝突する際に発生する非常に大きな異常音および異常振動を防止することができる。
また、衝撃圧を緩和できることにより、システム全体としても接続配管の疲労限界を超え接続配管の折損を引き起こすことを防止することが可能となる。このため、折損によって冷媒回路内の冷媒(フロンガス等)が冷蔵室内に放出されるのを防止することができる。したがって、冷蔵室の温度上昇により収容物の品質低下を防止できる。また、冷蔵庫内の酸素濃度の低下を防止することができるので、冷蔵室内で作業している作業員が安全に作業できる空間を提供することができる。また、冷媒回路内の冷媒を大気中に放出するのを防ぐことができるので、地球温暖化を防止することにもつながる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における冷凍・冷蔵システム(冷凍サイクル装置)の構成を表す図である。ここで、以下で説明する温度、圧力の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、装置等における状態、動作等において相対的に定まる関係に基づいて表記しているものとする。
図1はこの発明の実施の形態1における冷凍・冷蔵システム(冷凍サイクル装置)の構成を表す図である。ここで、以下で説明する温度、圧力の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、装置等における状態、動作等において相対的に定まる関係に基づいて表記しているものとする。
図1におけるシステムは、圧縮機1、凝縮器2、電磁弁3、膨張弁4及び冷却器5を順次冷媒配管で接続し、冷媒回路(冷媒循環回路)を構成している。そして、冷媒として、フロン冷媒(R404A、R410Aなど)、自然冷媒(CO2 、NH3 など)などが冷媒回路を循環する。ここで、図1に示すように、例えば冷蔵室100外に設置される冷凍機10が圧縮機1及び凝縮器2を有しているものとする。また、冷蔵室100内に設置される冷却装置20が電磁弁3、膨張弁4及び冷却器5を有しているものとする。
図2は冷蔵室100の内部と冷却装置20との関係を示した図である。本実施の形態では、冷却対象空間となる冷蔵室100内に、冷却器5並びに膨張弁4及び電磁弁3を一体の筐体内に収容した冷却装置20を配置する。そして、膨張弁4で低温低圧となった冷媒を冷却器5にて冷蔵室100内の空気と熱交換することにより冷蔵室100内の空気を冷却して、低温状態とする。
図1に示す圧縮機1は、冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。ここで、圧縮機1については、例えばインバータ回路等の回転数制御により、冷媒の吐出量を調整できるタイプの圧縮機で構成していることが望ましい。凝縮器2は、冷蔵室100外の空気(外気)と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮液化させる熱交換器である。
また、開閉装置となる電磁弁3は、システムが運転を停止したときに、冷却器5に冷媒を流入させず、冷媒が冷媒回路を循環しないように流路を閉止するための弁である。例えば、後述するように、膨張弁4が感温式膨張弁のような場合には感温筒(図示せず)が検知する温度により開度を変化させるため、流路の開閉を確実に行う装置として電磁弁3を用いる。そして、絞り装置となる膨張弁4は、冷媒を減圧して膨張させるものである。本実施の形態では、例えば制御装置(制御基板)などを膨張弁4の近傍に設けることなく、冷媒流量などの調整を行うことができる感温式膨張弁で構成するものとする。ここで、膨張弁4を通過して気液二相状態となった冷媒が電磁弁3を通過するようにすると、圧力損失が大きくなる。そこで、冷媒回路における電磁弁3と膨張弁4との位置関係については、冷媒の流れに対して膨張弁4が電磁弁3よりも下流側となる(電磁弁3が凝縮器2側となり膨張弁4が冷却器5側となる)ようにする。電磁弁3及び膨張弁4の詳細な構成などについては後述する。
蒸発器となる冷却器5は、熱交換により高温側冷媒を蒸発ガス化させる熱交換器である。上記したように、冷却器5における熱交換により冷却対象空間となる冷蔵室100内の空気を冷却する。これにより、例えば冷却対象空間内に収容された冷却対象物等の冷凍、冷蔵等を行う。また、コントローラ50は、本実施の形態においては、電磁弁3の開閉制御を行う。
図3はこの発明の実施の形態に係る電磁弁3及び膨張弁4の構造等を説明するための図である。図3では電磁弁3を閉弁して冷媒を流さない状態を表している。電磁弁3において、プランジャー31は、加わる力により、一体となったピストン32とともに変位する。ピストン32は、電磁弁3内において変位し、流入側通路36と冷媒流路38との間の部分(開閉部分)において、流路の開放又は閉塞を行う。プランジャーばね33は、プランジャー31に対して吸引子34の吸引する力とは反対方向に力を加える。このため、吸引子34による力が働いていない状態では、ピストン32(プランジャー31)は流入側通路36と冷媒流路38の間を閉塞することとなる。吸引子34は、電磁弁コイル35の励磁によってプランジャー31を引き寄せる。電磁弁コイル35は、コントローラ50からの信号により電流が供給されると吸引子34を励磁する。
流入側通路36は、凝縮器2からの冷媒が流入する流路である。ねじ込み継ぎ手部分にあるおねじ部37は、膨張弁4側のめねじ部43と組み合わせて電磁弁3と膨張弁4との間を一体的に固定する。冷媒流路38は電磁弁3のピストン32(開閉部分)と膨張弁4のオリフィス41との間における流路である。本実施の形態では、冷媒配管を介して電磁弁3と膨張弁4とを接続していないため、冷媒流路38は電磁弁3と膨張弁4とにより形成される。
一方、膨張弁4において、オリフィス41は、冷媒流路38と流出側通路44との間の部分(流量制御部分)において冷媒の流量を調整する。例えば、感温筒の温度に基づいて加わる圧力とばね42の弾性力とによって変位して流量制御部分における流路の開口面積を変化させて流量を調整する。ここで、冷媒による衝撃圧がばね42に直接加わらない構造とするため、本実施の形態では、冷媒流路38を通過する冷媒の流れる方向とオリフィス41が変位する方向とが直交するようにオリフィス41を配置する。
ばね42は、オリフィス41を変位させるための力を加える。ねじ込み継ぎ手部分にあるめねじ部43は、前述した電磁弁3側のおねじ部37と組み合わせる。ここでは、電磁弁3がおねじ部37を有し、膨張弁4がめねじ部43を有しているが、電磁弁3がめねじ部43を有し、膨張弁4がおねじ部37を有するようにしてもよい。流出側通路44は、冷媒が冷却器5側に流出する流路である。
次に図3などに示す電磁弁3と膨張弁4とにおける動作について説明する。例えばコントローラ50からの信号により電磁弁コイル35に電流が流れると吸引子34が励磁する。これにより、吸引子34は、プランジャーばね33によって押し付けられているプランジャー31を吸引子34側に引きつける。これにより、プランジャー31と一体となったピストン32も吸引子34側に引き寄せられる。ピストン32が吸引子34側に引き寄せられることで、電磁弁3内の流入側通路36と冷媒流路38とが連通し、冷媒が冷媒流路38を流れる。冷媒流路38を通過した冷媒はオリフィス41の間を通過し、さらに流出側通路44を通過して流出する。流出した冷媒は冷却器5に流れる。
ここで、ばね42は図示していない感温筒からの圧力に基づいて伸縮し、釣り合った位置で静止する。これにより、ばね42の一端と接続したオリフィス41の位置も感温筒が検知する温度により定まることになる。ここで、冷却器5の冷媒流出口側の過熱度(スーパーヒート)が設定値になる調整を行えるように、感温筒の温度とオリフィス41の位置との関係を定めている。そして、オリフィス41の位置が流出側通路44側に近い場合には、連通する部分の流路が狭くなり、高圧の冷媒は大きな圧力損失を受けて低圧へと膨張する。また、オリフィス41の位置がばね42側に近い場合には流路が広くなり、圧力損失が少ない状態で低圧へと膨張する。
次にシステムによる冷却運転を含めた電磁弁3などの動作について説明する。冷蔵室100内が目標とされる温度になるように、コントローラ50が冷凍・冷蔵システムの運転を制御する。一般的な制御として冷蔵室100内の温度が目標としている温度を下回ると、冷媒が冷却器5に流れないようにするために、電磁弁3が閉となるような信号を送る。閉の信号が送られると、電磁弁3において、電磁弁コイル35が非通電となり、上記のとおりピストン32が冷媒流路38への流路を遮って冷媒の流れを遮断する。
その後、設定値以下の低圧圧力になることで、コントローラ50は圧縮機1に圧縮機停止信号を送り、冷却運転を停止させる。例えばアイスクリームなどの冷凍食品を冷やす倉庫を冷蔵室100とした場合、冷蔵室100内の温度は−25℃以下に保たれることが多い。また牛乳や乳製品を保管する場合には5℃前後に保つことが多い。以上のように、冷蔵室100の設定温度は冷やす品物によって変えられるものである。
冷媒が遮断され、圧縮機1が停止することで冷却運転が停止すると、冷蔵室100内の温度は少しずつ上昇していく。冷蔵室100の温度がある一定値以上上昇すると(例えば3K〜5Kに設定されることが多い)、コントローラ50は、電磁弁3が閉となるような信号を送る。開の信号により電磁弁コイル35に通電する。電磁弁コイル35に通電されることにより、上記のとおりピストン32が吸引子34側に引き寄せられる。吸引子34側にピストン32が引き寄せられることにより、遮断されていた冷媒が冷媒流路38側に一気に流れ込む。
冷媒が遮断されている間、電磁弁3の上流側の冷媒配管内に留まっている冷媒の一部は、冷蔵室100内部にあるため、場合によっては冷蔵室100内部の温度と同じ−25℃前後まで冷やされる可能性もある。電磁弁3の上流の冷媒は高圧冷媒であり、通常運転時は高圧圧力の飽和温度に対して5K分程度、過冷却された状態である。しかし、流路の遮断によって冷蔵室100内部に留まる高圧液冷媒は、高圧飽和温度が40℃とすると、過冷却度が65Kとなっている場合もある。例えばR410Aを冷媒とし、高圧圧力が2.3MPa(飽和温度が約40℃)の場合、温度が35℃の液冷媒の密度が1007kg/m3 であるのに対し、−25℃における密度は1269kg/m3 と35℃の状態に対して26%も高密度となる。
図4は電磁弁3と膨張弁4との間の空間容積と衝撃圧との関係を表す図である。そして、電磁弁3が開弁すると、高密度の冷媒は、電磁弁3側から膨張弁4側に一気に流れ込む。そして、膨張弁4のオリフィス41により堰き止められることで液ハンマー現象が発生する。空間容積がほどほど大きい場合、流れ込んだ冷媒の行き場がなくなり液圧縮状態となり非常に大きな衝撃圧が発生することになる。液ハンマー現象による衝撃圧ΔPは、次式(1)のように、液密度ρ、冷媒移動速度Vに比例する。Cは音速である。例えば空間容積が30000mm3 程度で発生する液ハンマー現象による衝撃圧は11MPaを超える。一般的に、膨張弁などの機器は7MPaを超える衝撃圧を繰り返し加えることで破損する可能性がある。
ΔP=ρ・V・C …(1)
ΔP=ρ・V・C …(1)
これに対し、本実施の形態における冷却装置においては、電磁弁3と膨張弁4との間に接続する冷媒配管を短くする、冷媒配管で接続せずに一体となるように接続するなどして、空間容積を0又は非常に小さくする。例えば、従来では、電磁弁3と膨張弁4との間を銅配管で溶接接続することが一般的である。このように溶接接続する場合には、最低でも電磁弁3と膨張弁4との間の流路における空間容積は5000mm3 以上必要となるため、液ハンマー現象が生じ、衝撃圧が非常に大きなものとなる。空間容積を0又は非常に小さくすることにより、電磁弁3により堰き止められた冷媒の流れが勢いづく前に膨張弁4に流入するようにし、損傷を受けやすいオリフィス41に対する衝撃圧を少なくする。また、電磁弁3を開弁しても膨張弁4に冷媒が一気に流れ込まないようにすることで、オリフィス41における隙間(流路)から流出側通路44(冷却器5)側へ流出することができる。このため、冷媒回路閉塞による液圧縮状態が発生せず、液ハンマー現象が発生しない。例えば、本実施の形態のように、電磁弁3の開閉部分と膨張弁4の流量調整部分との間である冷媒流路38における空間容積を、0から500mm3 以下にすることにより、発生する衝撃圧を4MPa程度まで低減させることができる。この衝撃圧まで低減することができると上記記載の膨張弁の破損限界である7MPa以下に抑えることができる。
以上のように、実施の形態1の冷却装置によれば、電磁弁3と膨張弁4との間を接続する冷媒配管を短くする又はなくすことにより、電磁弁3の開閉部分と膨張弁4流量調整部分との間にある冷媒流路38の空間容積が0以上500mm3 以下となるようにしたので、例えばシステムの運転を再開する場合などにおいて、電磁弁3を開弁した場合に、電磁弁3の開閉部分において堰き止められていた冷媒が勢い付いた状態で一気に流入しないようにすることができ、液封状態の発生、液ハンマー現象の発生を防ぐことができる。このため、冷媒によって膨張弁4の流量調整部分に加わる衝撃圧を抑えることができ、損傷を防止することができる。このため、長期間正常な動作状態を維持させることができ、信頼性が高い冷却装置を得ることができる。このため、例えば冷却対象空間となる冷蔵室100内の温度上昇を引き起こさずにすみ、冷蔵室100の収容物(冷却対象物)の品質を低下させないようにすることができる。また、液ハンマー現象による非常に大きな衝撃が加わることにより発生する異常音、異常振動を防止することができる。
また、液密度を小さくするための過冷却運転の制限制御を行わずに液ハンマー現象を発生させないようにしたので、消費電力低減および能力増大をはかることができる。そして、電磁弁3の上流側配管をヒータなどにより加熱する必要がないので、ヒータ及びヒータの設置に係るコストが発生せず、また、消費電力の低減、冷却能力の維持をはかることができる。さらにヒータを加熱するために電力を必要としないので、省エネルギーをはかることができる。
そして、実施の形態1の冷却装置においては、冷媒流路38の空間容積を小さくするために、ねじ込み式により電磁弁3と膨張弁4とを直接接続して一体化するようにしたので、例えば、電磁弁3、膨張弁4のいずれかに不具合が生じた場合でも、交換を容易に行うことができる。このため、交換不要の部品まで交換する必要がなくなり省資源化をはかることができる。また、電磁弁3と膨張弁4をねじ込み式にすることにより非常に省スペースの機器を提供することが可能となる。
また、本実施の形態の冷却装置においては、冷媒の流れに対して、電磁弁3の下流側に膨張弁4を配置するようにしたので、気液二相となった冷媒が電磁弁3における口径の小さい流路を通過しなくてよいので、効率のよい運転を行うことができる。また、電磁弁3を小型化することができるため、小さい力で弁を開閉することができるため、コスト低減をはかることができる。また、冷却装置20内部に収容することができる。
また、膨張弁4を感温筒式で構成するようにしたので、電子式膨張弁を制御する際に用いる専用の制御基板用ボックスを電子式膨張弁近隣に配置する必要がない。このため、ボックス及びボックス配置作業の必要がなく、コスト低減をはかることができる。
また、電磁弁3からでた冷媒の流れる方向と膨張弁4のオリフィス41の移動方向とが直角となるように配置するようにしたので、衝撃圧がばね42に直接的に加わることを防止することができる。このため、非常に信頼性の高い冷却装置を提供することができる。
また、実施の形態の冷却装置では、冷媒の液密度に関係なく、膨張弁4に加わる衝撃圧を低減することができるため、電磁弁3及び膨張弁4を低温環境下の冷蔵室100内に配置することができる。このため、膨張弁4と冷却器5とを接続する冷媒配管を短くすることができ、膨張弁4と冷却器5との間の冷媒配管で熱交換してしまうことなく、気液二相冷媒が冷却器5に流入するので、冷却能力を損なうことなく、効率のよい運転を行うことができる。また、膨張弁4と冷却器5との間の冷媒配管における熱交換により、結露させてしまうことがなく、また結露水防止のための保温材の巻きつけなどの必要もなくコストダウンおよび作業性改善の機器を提供することが可能となる。また電磁弁3と膨張弁4とを冷却器5と同じ筐体に収容することができる。
実施の形態2.
上述の実施の形態では、電磁弁3と膨張弁4とをねじ込み方式で一体的に接続するようにしたが、これに限らず、一体に製造するようにしてもよい(図としては、図3においておねじ部37、めねじ部43がなくなったものと同じようなものとなる)。一体に製造することで、電磁弁3のおねじ部37、膨張弁4のめねじ部43の加工コストを低減することができる。また、一体化することで、あらかじめ省スペース設計の機器を提供することができる。
上述の実施の形態では、電磁弁3と膨張弁4とをねじ込み方式で一体的に接続するようにしたが、これに限らず、一体に製造するようにしてもよい(図としては、図3においておねじ部37、めねじ部43がなくなったものと同じようなものとなる)。一体に製造することで、電磁弁3のおねじ部37、膨張弁4のめねじ部43の加工コストを低減することができる。また、一体化することで、あらかじめ省スペース設計の機器を提供することができる。
また、上述の実施の形態では、電磁弁3の開弁について特に規定しなかったが、例えば電磁弁3を複数段階に分けて開弁させるようにしても、液ハンマー現象を発生させないようにすることができる。
1 圧縮機、2 凝縮器、3 電磁弁、4 膨張弁、5 冷却器、10 冷凍機、20 冷却装置、31 プランジャー、32 ピストン、33 プランジャーばね、34 吸引子、35 電磁弁コイル、36 流入側通路、37 おねじ部、38 冷媒流路、41 オリフィス、42 ばね、43 めねじ部、44 流出側通路、50 コントローラ、100 冷蔵室。
Claims (10)
- 冷媒の流路を開放又は閉塞して冷媒の流れを制御する開閉装置と、前記冷媒の流量を制御して冷媒の圧力を調整し、冷却対象を冷却する冷却器に流入させる絞り装置とを有する冷却装置であって、
前記開閉装置の開閉部分と前記絞り装置の流量調整部分との間の冷媒流路における空間容積が0以上500mm3 以下とすることを特徴とする冷却装置。 - 前記開閉装置と前記絞り装置とを直接接続することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
- 前記開閉装置と前記絞り装置とは、それぞれの接続部分に、ねじ込み方式で接続するためのおねじ部又はめねじ部を有することを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
- 前記開閉装置と前記絞り装置とを一体形成することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
- 前記開閉装置の冷媒流出側における流路の方向と、前記絞り装置において冷媒の流量を制御するためのオリフィスが前記絞り装置内を移動する方向とが直交するように、前記開閉装置と前記絞り装置とを接続することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷却装置。
- 前記絞り装置が前記感温式膨張弁であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の冷却装置。
- R410A、CO2 、R404A又はR32を含む冷媒を通過させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の冷却装置。
- 前記開閉装置および前記絞り装置を同じ筐体内に配置することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の冷却装置。
- 前記冷却器をさらに前記筐体内に配置することを特徴とする請求項8に記載の冷却装置。
- 冷媒を圧縮する圧縮機及び前記冷媒を凝縮させる凝縮器を有する冷凍機と、
請求項1〜9のいずれかに記載の冷却装置と
を配管接続して冷媒循環回路を構成することを特徴とする冷凍サイクル装置。
Priority Applications (1)
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