JP2012211949A - リソグラフィ用リンス液及びパターン形成方法 - Google Patents

リソグラフィ用リンス液及びパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン表面に残留または再付着する異物の除去、パターン倒れ防止、及び、パターンラフネスの改善をすることができるリソグラフィ用リンス液を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、一般式(a):
Rf−Y (a)
(式中、Rfは、炭素原子−炭素原子間に酸素原子が挿入された、炭素数4〜50の直鎖又は分岐の含フッ素アルキル基である。Yは、−COOM、−SOM、−COM、−F、−Cl、−Br、−I、又は、−Hであり、Mは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、NH又は1価のアルカリ金属である。)で表される化合物(A)、並びに、水溶性有機溶媒及び水からなる群より選択される少なくとも1種の媒体(B)からなることを特徴とするリソグラフィ用リンス液である。
【選択図】なし

Description

本発明は、リソグラフィ用リンス液に関する。さらに詳細には半導体デバイス、フラットパネルディスプレー(FPD)、カラーフィルター、回路素子等の製造に用いられる微細パターンの形成に好適なリソグラフィ用リンス液に関する。また、微細パターンを形成するのに好適なパターン形成方法にも関する。
LSIなどの半導体集積回路や、FPDの表示面の製造、カラーフィルター、サーマルヘッドなどの回路基板の製造等を初めとする幅広い分野において、微細素子の形成或いは微細加工を行うために、従来からフォトリソグラフィ技術が利用されている。
近年、LSIの高集積化と高速度化によりパターン形成の微細化が進む一方で、パターン表面に残留する異物、パターン倒れ、パターンラフネスなどの問題が顕在化してきている。そのような問題に対する改良方法が検討されており、例えば、レジスト組成物の改良などが検討されている。
また、パターン倒れは、現像後に純水でパターンを洗浄する際に、純水の表面張力によってパターン間に負圧が生じることに起因すると考えられている。このような問題点の解決のために、特定の非イオン性界面活性剤を含むリソグラフィ用リンス液を洗浄に用いることが提案されている(特許文献1および2参照)。
しかしながら、上述の方法では、パターン表面に残留する異物、パターン倒れ、パターンラフネスなどの問題を同時に解決することができなかった。
特開2004−184648号公報 特開2003−107744号公報
上記のような状況に鑑み、本発明は、パターン表面に残留または再付着する異物の除去、パターン倒れ防止、及び、パターンラフネスの改善をすることができるリソグラフィ用リンス液を提供することを目的とするものである。
本発明は、一般式(a):
Rf−Y (a)
(式中、Rfは、炭素原子−炭素原子間に酸素原子が挿入された、炭素数4〜50の直鎖又は分岐の含フッ素アルキル基である。Yは、−COOM、−SOM、−COM、−F、−Cl、−Br、−I、又は、−Hであり、Mは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、NH又は1価のアルカリ金属である。)で表される化合物(A)、並びに、
水溶性有機溶媒及び水からなる群より選択される少なくとも1種の媒体(B)
からなることを特徴とするリソグラフィ用リンス液である。
本発明はまた、基板に感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂組成物層を形成する工程(1)、感光性樹脂組成物層を露光する工程(2)、露光後の基板を現像液により現像する工程(3)、及び、現像後の基板を、上記リソグラフィ用リンス液で処理する工程(4)、を含むことを特徴とするパターン形成方法でもある。
本発明のリソグラフィ用リンス液は、パターン表面に残留または再付着する異物の除去、パターン倒れ防止、及び、パターンラフネスの改善をすることができる。本発明のパターン形成方法は、パターン表面に残留または再付着する異物の除去、パターン倒れ防止、及び、パターンラフネスを改善することができる。
本発明のリソグラフィ用リンス液は、化合物(A)、及び、媒体(B)からなる。本発明のリソグラフィ用リンス液は、パターン表面に残留または再付着する異物の除去、パターン倒れ防止、及び、パターンラフネスの改善をすることができるものであり、レジストパターンの現像後に用いるためのリンス液として好適に用いられる。本発明のリンス液は、また、レジストパターンの膨潤防止にも有効である。
化合物(A)は、一般式(a):
Rf−Y (a)
(式中、Rfは、炭素原子−炭素原子間に酸素原子が挿入された、炭素数4〜50の直鎖又は分岐の含フッ素アルキル基である。Yは、−COOM、−SOM、−COM、−F、−Cl、−Br、−I、又は、−Hであり、Mは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−NH又は1価のアルカリ金属である。)で表されるものである。
Rfの炭素数は、4〜20が好ましく、4〜10がより好ましい。本明細書中で、含フッ素アルキル基は、炭素原子に結合する少なくとも1個の水素がフッ素で置換されたアルキル基であり、Rfは、この含フッ素アルキル基を構成する炭素原子−炭素原子間に酸素原子が挿入されたものである。
Yとしては、−COOM、又は、−SOMが好ましく、より好ましくは、−COOMである。Mとしては、−H、−NH又は1価のアルカリ金属が好ましく、より好ましくは、−H又は−NHである。
1価のアルカリ金属としては、例えば、−Na、−K等が好ましく例示される。
化合物(A)は、炭素原子−炭素原子間に挿入された酸素原子を有する。例えば、下記式:
−Rf−O−
(Rfは、炭素数1〜5の直鎖又は分岐の含フッ素アルキレン基である。)で表される構造単位(b)を有することが好ましい。Rfの炭素数は、1〜3が好ましい。また、Rfは、パーフルオロアルキレン基であることがより好ましい。
上記化合物(A)が構造単位(b)を2個以上有することも好ましい形態の一つである。化合物(A)が構造単位(b)を2個以上有する場合、各構造単位(b)は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
化合物(A)としては、一般式(i−1):
(CF−O{−CX−(CF−O}−CX−(CF−Y (i−1)
(式中、X、X、X、X及びXは、同一又は異なって、H、F又はCFを表し、Yは、−COOM、−SOM、−COM、−F、−Cl、−Br、−I、又は、−Hであり、Mは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、NH又は1価のアルカリ金属である。sは1、2又は3であり、tは0又は1であり、uは0〜12の整数であり、vは0又は1である。)で表される化合物が好ましい。
一般式(i−1)で表される化合物(A)としては、例えば、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COONH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COF、CFOCF(CF)CFOCF(CF)H、CFOCF(CF)CFOCF(CF)CFOCF(CF)COF、CFCFCFOCF(CF)COOH、CFCFCFOCF(CF)COF、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COF、CFOCF(CF)CFOCF(CF)H、CFCFCFOCHFCFOCHCOONH、CFOCFOCFOCFOCFCOONH、CFOCHCFCFOCFCFCOOH、HCFCFCFCFCFOCFCOOH、CFCFCFOCHFCFOCHCFCOOH、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−トリフルオロメトキシプロポキシ)プロポキシ]−プロパン酸、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)−プロパン酸アンモニウム、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]プロパン酸アンモニウム、CFCFCFOCF(CF)COONH、CFCFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COONH(nは8〜12の整数である。)、CFCFOCFCFOCFCOONH等が挙げられる。
上記化合物(A)としては、表面張力と水溶性、更に毒性が低い観点から、上記一般式(i−1)であって、Xは−Fであり、X及びXは−Fであり、X及びXは−CFであり、sは1であり、tは1であり、uは0、1又は2であり、vは0である化合物が好ましい。
上記一般式(i−1)で表される化合物(A)としては、また、一般式(i−2):
(CF−O−CX−(CF−O−CX−(CF−Y (i−2)
(式中、X、X、X、X及びXは、同一又は異なって、H、F又はCFを表し、Yは、−COOM、−SOM、−COM、−F、−Cl、−Br、−I、又は、−Hであり、Mは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、NH又は1価のアルカリ金属である。pは1又は2を表し、qは1又は2を表し、rは0又は1を表す。)で表されるフルオロエーテルカルボン酸が挙げられる。
一般式(i−2)で表されるフルオロエーテルカルボン酸としては、例えば、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COONH、CFCFOCFCFOCFCOONH、CFOCFCFCFOCHFCFCOONH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)−SOH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COF、CFOCF(CF)CFOCF(CF)H等が挙げられる。
上記化合物(A)としては、上記一般式(i−1)で表される化合物の他、一般式(ii):
X−(CF−O−(CF(CF)CFO)−CF(CF)−Y (ii)
で表される化合物であってもよい。式中、XはH、F、またはClであり、Yは上記と同じである。mは1〜10の整数、例えば5であり、そしてnは0〜5の整数、例えば1である。
一般式(ii)で表される化合物としては、例えば、CFOCF(CF)COOH、CF−O−CF(CF)CFO−CF(CF)COOH等が好ましい化合物として例示される。
上記化合物(A)としては、一般式(iii):
X−(CF−O−(CF(CF)CFO)−CHFCF−Y(iii)
で表される化合物であってもよい。式中、X、Y、m及びnは上記と同じである。
上記化合物(A)としては、一般式(iv):
X−(CF−O−(CF(CF)CFO)−CHCF−Y (iv)
で表される化合物であってもよい。式中、X、Y、m及びnは上記と同じである。
上記化合物(A)としては、一般式(v)
RfOCFCFO(CF−Y (v)
(式中、Rfは部分または全部フッ素置換されたアルキル基を表し、Yは上記と同じである。pは1又は2を表す。)で表されるフルオロエーテルカルボン酸が挙げられる。Rfは、炭素数が1〜3のアルキル基であることが好ましい。一般式(v)で表されるフルオロエーテルカルボン酸としては、例えば、CFCFOCFCFOCFCOONH、CFCFOCFCFOCFCOOH等が挙げられる。
上記化合物(A)としては、一般式(vi)
RfOCHFCF−Y (vi)
(式中、Rfは部分または全部フッ素置換された、直鎖の脂肪族基又は1以上の酸素原子が挿入された直鎖の脂肪族基、Yは上記と同じである。)で表されるフルオロエーテルカルボン酸が挙げられる。Rfは、炭素数が1〜3の脂肪族基であることが好ましい。一般式(vi)で表されるフルオロエーテルカルボン酸としては、例えば、CFOCFCFCFOCHFCFCOONH、CFOCFCFCFOCHFCFCOOH等が挙げられる。
上記リソグラフィ用リンス液は、化合物(A)が0.01〜50重量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜20重量%であり、更に好ましくは0.2〜20重量%であり、特に好ましくは0.5〜20重量%であり、最も好ましくは1.0〜10重量%である。
上記水としては、蒸留、イオン交換処理、フィルター処理、各種吸着処理等により、有機不純物、金属イオン等が除去されたものが好ましく、特に純水が好ましい。
水溶性有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、アルキルセロソルブアセテート、プロピレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、ブチルカルビトール、カルビトールアセテート、テトラヒドロフラン等が挙げられる。水溶性有機溶媒を用いる場合、水溶性有機溶媒は、水100重量部に対し10重量部以下であることが好ましい。
本発明のリソグラフィ用リンス液は、更に、防食剤からなるものであってもよい。防食剤としては、芳香族ヒドロキシ化合物、アセチレンアルコール、カルボキシル基含有有機化合物及びその無水物、トリアゾール化合物、糖類等が挙げられる。芳香族ヒドロキシ化合物としては、具体的にフェノール、クレゾール、キシレノール、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、サリチルアルコール、p−ヒドロキシベンジルアルコール、o−ヒドロキシベンジルアルコール、p−ヒドロキシフェネチルアルコール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、ジアミノフェノール、アミノレゾルシノール、p−ヒドロキシ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸等を挙げることができる。
本発明のリソグラフィ用リンス液は、その他の添加剤、例えば、化合物(A)以外の界面活性剤、酸、塩基等を更に含むことができる。
化合物(A)以外の界面活性剤としては、脂肪酸エーテルエステル型界面活性剤、アルキルアミドエーテル型界面活性剤、アルキルエーテル型界面活性剤、アルキルアリルエーテル型界面活性剤、ポリエーテル型界面活性剤、ポリオール型ポリエーテル界面活性剤などが挙げられる。
酸または塩基としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意に選択できるが、例えば化合物(A)以外のカルボン酸、アミン類、アンモニウム塩が挙げられる。これらには、脂肪酸、芳香族カルボン酸、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、アンモニウム化合物類が包含され、これらは任意の置換基により置換されていてもよい。より具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アコニット酸、グルタル酸、アジピン酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムなどが挙げられる。
本発明のリソグラフィ用リンス液は、表面張力値が70〜10mN/mであることが好ましい。より好ましくは、50〜10mN/mであり、更に好ましくは、30〜10mN/mである。リソグラフィ用リンス液の表面張力が上記範囲であることによって、レジストパターンの形成、特に微細パターンの形成において、異物の除去、パターン倒れ防止、及び、パターンラフネスの改善に対して、より効果を奏する。上記表面張力値は、リソグラフィ用リンス液によるリンス処理の際に維持されていることが好ましい。
上記表面張力値は、20℃、常圧、滴重法により測定した値である。
本発明のリソグラフィ用リンス液の用途としては、半導体デバイス、液晶表示素子などのフラットパネルディスプレー(FPD)、カラーフィルター等の製造に好適に用いられる。特に、線幅や孔径が100nm以下のレジストパターンを形成するような、微細パターンの形成に好適である。
次に、上記リソグラフィ用リンス液を用いたパターン形成方法について説明する。
本発明のパターン形成方法は、基板に感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂組成物層を形成する工程(1)、感光性樹脂組成物層を露光する工程(2)、露光後の基板を現像液により現像する工程(3)、及び、現像後の基板を、上記リソグラフィ用リンス液で処理する工程(4)、を含むものである。
工程(1)は、基板に感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂組成物層を形成する工程である。
基板としては、特に限定されないが、シリコン基板、ガラス基板、サファイヤ基板等が用いられる。例えば、酸化インジウム錫(ITO)膜等の透明導電膜や銅等の金属膜が設けられたガラス基板、銅、アルミ等の金属膜、SiN膜又はSiO膜が形成された、もしくはヘキサメチルジシラザン(HMDS)で処理されたシリコン基板が挙げられる。また、ガラス−エポキシ樹脂積層板等を使用することもできる。
本発明のパターン形成方法において、感光性樹脂組成物層を形成する工程は、一般的なレジストパターンを形成する方法を用いることができる。例えば、必要に応じて前処理された基板の表面に、感光性樹脂組成物をスピンコート法など従来から公知の塗布法により塗布して、感光性樹脂組成物層を形成することができる。感光性樹脂組成物の上層又は下層に反射防止膜を塗布形成していてもよい。
上記感光性樹脂組成物としては、従来公知のポジ型の感光性樹脂組成物又はネガ型の感光性樹脂組成物を用いることができる。上記リソグラフィ用リンス液は、公知のポジ型レジスト、ネガ型レジストのいずれにも適用することができる。
ポジ型の感光性樹脂組成物としては、例えば、キノンジアジド系感光剤とアルカリ可溶性樹脂とからなるポジ型感光性樹脂組成物、酸分解性置換基を持ったポリヒドロキシスチレンやポリメタクリル系の化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物やなどが挙げられる。ネガ型の感光性樹脂組成物としては、例えば、ポリケイ皮酸ビニル等の感光性基を有する高分子化合物からなる組成物や、芳香族アジド化合物からなる組成物、環化ゴムとビスアジド化合物からなる組成物等のアジド化合物からなる組成物、ジアゾ樹脂からなる組成物、付加重合性不飽和化合物を含む光重合性組成物、化学増幅型ネガ型感光性樹脂組成物等が挙げられる。
また近年、極端紫外光の実用化が進む中で感光性組成物に非晶性低分子化合物よりなる化学増幅型レジストも前記と同様に用いることができる。
キノンジアジド系感光剤とアルカリ可溶性樹脂とからなるポジ型感光性樹脂組成物において用いられるキノンジアジド系感光剤としては、例えば、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸、これらのスルホン酸のエステル或いはアミド等が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸等の共重合体が挙げられる。ノボラック樹脂としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール等のフェノール類の1種又は2種以上と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド類の1種以上から製造されるものが好ましいものとして挙げられる。
化学増幅型の感光性樹脂組成物は、ポジ型およびネガ型のいずれであっても本発明のパターン形成方法に用いることができる。化学増幅型レジストは、放射線照射により酸を発生させ、この酸の触媒作用による化学変化により放射線照射部分の現像液に対する溶解性を変化させてパターンを形成するもので、例えば、放射線照射により酸を発生させる光酸発生剤(PAG)と、酸の存在下に分解しアルカリ可溶性基が生成される酸感応性基含有樹脂、例えばフェノール性水酸基を有するポリヒドロキシスチレンやカルボキシル基を有するポリメタクリルからなるもの、アルカリ可溶樹脂と架橋剤、酸発生剤からなるものが挙げられる。
工程(2)は、感光性樹脂組成物層を露光する工程である。感光性樹脂組成物層は、通常、ホットプレート等でプリベークされて、溶剤を除去した後露光する。感光性樹脂組成物の厚さは、通常0.3〜2.5μmである。プリベーク温度は、感光性樹脂組成物により異なるが、通常20〜200℃であり、好ましくは50〜150℃である。
上記露光は、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、極端紫外光描画装置、電子線描画装置など公知の照射装置を用いて行うことができ、必要に応じマスクを介して露光を行う。化学増幅型の感光性樹脂の場合更に酸との反応を促進させる為に露光後ベーク(PEB)を行う。露光後に行うベークの温度は、パターンサイズや感光性樹脂組成物により異なるが60〜150℃、好ましくは80〜120℃である。
工程(3)は、露光後の基板を現像液により現像する工程である。露光後の基板は、必要に応じてベーキングを行った後、例えばパドル現像などの方法で現像を行う。上記現像は、通常アルカリ性現像液により行う。アルカリ性現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの水溶液或いは水性溶液が用いられる。
工程(4)は、上記リソグラフィ用リンス液で処理する工程である。リソグラフィ用リンス液は、一般式(a):
Rf−Y (a)
(式中、Rfは、炭素原子−炭素原子間に酸素原子が挿入された、炭素数4〜50の直鎖又は分岐の含フッ素アルキル基である。Yは、−COOM、−SOM、−COM、−F、−Cl、−Br、−I、又は、−Hであり、Mは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、NH又は1価のアルカリ金属である。)で表される化合物(A)、並びに、水溶性有機溶媒及び水からなる群より選択される少なくとも1種の媒体(B)からなるものである。化合物(A)及び媒体(B)の好ましい形態は上述したものと同じである。
上記リソグラフィ用リンス液で処理する工程は、基板を上記リソグラフィ用リンス液に浸漬する方法、回転している基板表面に上記リソグラフィ用を滴下、噴霧又は吹き付ける方法、パドル形成法等により行うことができる。
現像処理後、上記リンス液を用いてレジストパターンのリンス(洗浄)を行う。形成されたレジストパターンは、エッチング、メッキ、イオン拡散、染色処理などのレジストとして用いられ、その後必要に応じ剥離される。
本発明のパターン形成方法は、上記リンス液を用いてリンスを行うため、微細で、アスペクト比の高いレジストパターンに対して有効であり、パターン倒れ、パターン剥離を改善することができる。したがって、本発明によるパターン形成方法は、微細なレジストパターンが形成されるリソグラフィ工程に好適である。例えば、ライン・アンド・スペース・パターンにおける線幅、またはコンタクトホール・パターンにおける孔径が100nm以下のレジストパターンを形成する工程であることが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、現像する工程の後であって、上記リソグラフィ用リンス液で処理する工程の前又は後、若しくは、前後両方で、純水によりリンス処理を行う工程を含んでもよい。
上記リソグラフィ用リンス液で処理する工程の前に行う純水によるリンス処理は、レジストパターンに付着した現像液を洗浄するために行われるものであり、上記リソグラフィ用リンス液で処理する工程の後に行うリンス処理は、上記リソグラフィ用リンス液を洗浄するために行うものである。純水によるリンス処理は、任意の方法により行うことができる。例えば基板をリンス液に浸漬する方法、回転している基板表面に純水を滴下、噴霧又は吹き付ける方法が挙げられる。上記純水によるリンス処理は、いずれか一方で行ってもよいし、両方で行うこともできる。
つぎに本発明を実施例などに基づいて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、物性の評価に使用した装置および測定条件は以下のとおりである。
作製例1
ブリュワーサイエンス社製反射防止膜を東京エレクトロン社製スピンコーターACT−12により12インチシリコンウェハーに回転塗布し、190℃、90秒間ホットプレートにてベークを行い、500Åの膜が得られるように調製した。膜厚はプロメトリスク社製膜厚測定装置にて測定した。次に長瀬ケミカル製標準ArFレジスト(アダマンチルメタクリレートに由来する構造単位を含むポリメタクリレート、193nm露光用化学増幅型レジスト)を、得られた反射防止膜上に回転塗布し、110℃、60秒間ホットプレートにてベークを行い、0.4μmのレジスト膜が得られるように調製した。そしてニコン社製縮小投影露光装置NSR−S306C(波長193nm)にて露光した。露光後、ホットプレートにて100℃、60秒間ベークを行い、東京応化工業(株)製現像液(2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いパドル現像(23℃、1分間)して、サンプルAを得た。
作製例2
HMDSで処理した12インチシリコンウェハーに信越化学(株)製EUVレジスト(ポリメタクリレートを骨格とする13nm露光用化学増幅型レジスト)を、東京エレクトロン(株)製スピンコーターACT−12にて回転塗布し、110℃、60秒間ホットプレートにてベークを行い、60nmのレジスト膜が得られるように調製した。そしてキャノン社製レジスト評価用スモールフィールドEUV露光装置(NA0.3、σ0.3/0.7)にて露光した。露光後、ホットプレートにて100℃、60秒間ベークを行い、東京応化工業(株)製現像液(2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いパドル現像(23℃、1分間)して、サンプルBを得た。
比較例1
サンプルAに対して、純水でリンス処理を行い、スピン乾燥し、100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを有するレジスト基板を得た。
比較例2
サンプルBに対して、純水でリンス処理を行い、スピン乾燥し、28nmの1:1ラインアンドスペースパターンを有するレジスト基板を得た。
実施例1
2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)プロポキシ]−プロパン酸アンモニウム塩〔CFOCF(CF)CFOCF(CF)COONH〕を0.1重量%になるよう純水に溶解し、リソグラフィ用リンス液を調製した。
サンプルA及びBのそれぞれに対して、比較例1及び2と同様に純水によるリンス処理を行った後、純水リンスの乾燥処理をせずに、そのまま、上記リソグラフィ用リンス液に15秒間浸漬した後、さらに純水によりリンス処理を行って、100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを有するレジスト基板及び28nmの1:1ラインアンドスペースパターンを有するレジスト基板を得た。
実施例2〜4
2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)プロポキシ]−プロパン酸アンモニウム塩が、0.2重量%(実施例2)、0.5重量%(実施例3)、又は、1.0重量%(実施例4)であるリソグラフィ用リンス液を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で、100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを有するレジスト基板及び28nmの1:1ラインアンドスペースパターンを有するレジスト基板を得た。
以下に、レジスト基板の評価方法について示す。また、評価結果を表1に示す。
(パターンラフネス)
比較例1及び2、並びに、実施例1〜4で得られたレジスト基板を日立製作所社製CD−SEMS−9380IIにより観察し、LER(Line Edge Roughness)を測定して、パターンラフネスを評価した。評価基準を以下に示す。
パターンラフネスの評価は、LERについて、
○:ArF(193nm) 比較例1に対して2nm以上改良された。
EUV(13.5nm) 比較例2に対して1nm以上改良された。
△:ArF(193nm) 比較例1に対して±2nm以内
EUV(13.5nm) 比較例2に対して±1nm以内
(パターン倒れ)
上記の各レジスト基板について、日立製作所社製CD−SEMS−9380IIにより観察し、ArFでは30mJ/cm、EUVでは10mJ/cm の露光量で露光したときのパターン倒れ状況を評価した。
〔ArF(193nm)露光により得られたレジスト基板〕
実施例1〜4で得られたレジスト基板の観測領域において、レジストパターンを観察し、未倒壊のラインパターン数を計測し、パターン倒れ状況を評価した。
なお、表1では、比較例1で得られたレジスト基板において、未倒壊のラインパターン数を同条件で計測し、このときの未倒壊のラインパターン数を100%とし、これに対する実施例1〜4で得られたレジスト基板の未倒壊のラインパターン数の割合を示している。
〔EUV(13.5nm)露光により得られたレジスト基板〕
実施例1〜4で得られたレジスト基板の観測領域において、レジストパターンを観察し、未倒壊のラインパターン数を計測した。
なお、表1では、比較例2で得られたレジスト基板において、未倒壊のラインパターン数を同条件で計測し、このときの未倒壊のラインパターン数を100%とし、これに対する実施例1〜4で得られたレジスト基板の未倒壊のラインパターン数の割合を示している。
(欠陥評価)
上記の各レジスト基板について、欠陥検査装置KLA2815(KLA−Tencor社製)により観察し、パターン表面に再付着した異物(欠陥)を評価した。
純水のみで洗浄処理した場合の欠陥発生数を100としたときに、これに対する各濃度のリンス液により処理した際の欠陥発生数の割合(%)を示した。
Figure 2012211949
本発明のリソグラフィ用リンス液は、ICやLSI等の半導体素子、液晶パネル素子作成の際に、レジストパターンを形成した後のリンス処理に用いるためのリンス液として好適である。

Claims (5)

  1. 一般式(a):
    Rf−Y (a)
    (式中、Rfは、炭素原子−炭素原子間に酸素原子が挿入された、炭素数4〜50の直鎖又は分岐の含フッ素アルキル基である。Yは、−COOM、−SOM、−COM、−F、−Cl、−Br、−I、又は、−Hであり、Mは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、NH又は1価のアルカリ金属である。)で表される化合物(A)、並びに、
    水溶性有機溶媒及び水からなる群より選択される少なくとも1種の媒体(B)
    からなることを特徴とするリソグラフィ用リンス液。
  2. 化合物(A)は、一般式(i−1):
    (CF−O{−CX−(CF−O}−CX−(CF−Y (i−1)
    (式中、X、X、X、X及びXは、同一又は異なって、H、F又はCFを表し、Yは、−COOM、−SOM、−COM、−F、−Cl、−Br、−I、又は、−Hであり、Mは、−H、−F、−Cl、−Br、−I、NH又は1価のアルカリ金属である。sは1、2又は3であり、tは0又は1であり、uは0〜12の整数であり、vは0又は1である。)で表される化合物である
    請求項1記載のリソグラフィ用リンス液。
  3. 化合物(A)は、一般式(i−1)で表される化合物であって、Xは−Fであり、X及びXは−Fであり、X及びXは−CFであり、sは1であり、tは1であり、uは0、1又は2であり、vは0である
    請求項2記載のリソグラフィ用リンス液。
  4. 化合物(A)が0.01〜50重量%である
    請求項1、2又は3記載のリソグラフィ用リンス液。
  5. 基板に感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂組成物層を形成する工程(1)、
    感光性樹脂組成物層を露光する工程(2)、
    露光後の基板を現像液により現像する工程(3)、及び、
    現像後の基板を、請求項1、2、3又は4に記載のリソグラフィ用リンス液で処理する工程(4)、を含む
    ことを特徴とするパターン形成方法。
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