以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。
<第1実施形態>
図1に示すように、パチンコ遊技機100の前面枠111に取り付けられた裏機構盤120の裏側には、遊技制御回路を有し、遊技を制御する主制御手段としての遊技制御装置(主制御装置)30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置40などの他、発射装置(図示省略)の制御、及び、遊技球の排出制御等を行う発射許可制御手段としての払出制御装置50、電源回路を有し各制御装置30,40,50などに電源供給を行う電源供給装置70などが設けられている。
図2に示すように、遊技制御装置30は、CPU30a、RWM(Read Write Memory)
30b、ROM30c等を備えるとともに、遊技制御装置30の外部に接続する機器との情報の入出力に使用するI/Oポート31等により構成されている。
CPU30aは、制御部、演算部を備え、所定の遊技(例えば、特図変動表示ゲーム)を実行するための遊技プログラムに基づいて遊技制御を行う遊技制御手段として機能する他、所定の遊技(例えば、特図変動表示ゲーム)の結果態様を決定するための大当たり乱数値などの各種乱数値などを生成し、大当たり乱数値を所定周期ごとに更新する乱数更新手段として機能する。また、CPU30aは、電源供給装置70が備えるRWM初期化SW70cによる初期化指令信号の入力に基づき、RWM30bに記憶された大当り乱数を初期化する乱数初期化手段として機能する他、特図変動表示ゲームを実行するための遊技制御の開始を遅延させる遊技遅延手段として機能する。
RWM30bは、普通変動入賞装置に設けられた始動口SW7dの始動入賞信号(オン信号)などを記憶する記憶領域や、CPU30aの作業領域等を備えている。また、RWM30bは、CPU30aによって更新された大当り乱数値等の各種乱数値を記憶する乱数記憶手段としての記憶領域を備えている。ROM30cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための、特図変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値が記憶されている。また、ROM30cには、RWM30bに記憶された大当り乱数が初期化されてから特図変動表示ゲームの遊技制御が開始されるまでの期間を設定するための複数の第1遅延期間の各々に、第1遅延乱数が対応付けられた第1遅延期間記憶手段としての第1インターバル設定テーブル30c1が記憶されている。
また、遊技制御装置30は、I/Oポート31を介して、電源供給装置70、始動口SW7d、入賞口SW12a,12a,…、普図ゲートSW4a、カウントSW10c、ガラス枠開放SW146、内枠開放SW121、球切れSW122、払出制御装置50などが接続されている。なお、ガラス枠開放SW146は、クリア部材保持枠が開放されていることを検出するものであり、内枠開放SW121は、前面枠が開放されていることを検出するものである。また、球切れSW122は、島設備から供給された遊技球を排出装置に誘導するシュートに設けられ、シュート内の遊技球がなくなったことを検出するものである。
また、CPU30aから出力される各種の制御信号は、I/Oポート31を介して、普通図柄表示器5、特別図柄表示器9、普図始動記憶表示器6、特図始動記憶表示器8、普電SOL7b、大入賞口SOL10b、外部情報端子15、演出制御装置40、払出制御装置50などに出力される。
電源供給装置70は、遊技制御装置30や払出制御装置50等で使用する電源を生成するための電源SW70a、電源遮断時に遊技制御装置30のRWM30bや払出制御装置50のRWM50bの記憶内容を保持するための電力を供給するバックアップ電源70b、遊技制御装置30及び払出制御装置50に対して、遊技制御装置30のRWM30bや払出制御装置50のRWM50bを初期化する初期化指令信号としてのRWM初期化信号を出力するためのRWM初期化SW(初期化指令手段)70c、遊技制御装置30及び払出制御装置50に対する電源遮断を検出するための停電検出回路70d等を備えている。この停電検出回路70dは、遊技制御装置30及び払出制御装置50に供給される電源の電圧値が所定値以下に降下したことを検出した場合に、停電検出信号を遊技制御装置30及び払出制御装置50に対して出力するようになっている。
払出制御装置50は、CPU50a、メモリとして機能するRWM(Read Write Memory)50b、ROM50c等を備えるとともに、払出制御装置50の外部に接続する機器との情報の入出力に使用するI/Oポート51等により構成されている。
また、払出制御装置50は、I/Oポート51を介して、遊技制御装置30、電源供給装置70、払出球検出SW101、エラー解除SW102、シュート球切れSW103、オーバーフローSW104、払出モータ105、遊技機外部の管理装置などと接続する外部端子板106、エラーナンバー表示LED107、払出制御装置50から遊技球の発射を許可する発射許可信号が入力されることに基づき、発射装置による遊技球の発射制御を実行する発射制御手段としての発射制御基板60等に接続されている。すなわち、当該払出制御装置50は、遊技制御装置30から発射装置による遊技球の発射許可を示す指令を受けることに基づき、該発射装置による遊技球の発射を許可する発射許可制御手段として機能する。
次に、遊技制御装置30における遊技の制御について説明する。この遊技の制御は、主にメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。図3,4に示すように、このメイン処理は、プログラム開始時の処理と、停電発生時の状態へ復帰するための処理と、メインループの処理と、停電発生時の処理とがある。
メイン処理においては、まず、プログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理は初めに初期設定として、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行い、割込みベクタをセットする処理(ステップS2)を行う。さらにスタックポインタをセットする処理(ステップS3)を行い、割込みモードを設定する処理(ステップS4)を行う。その後、RWM30bへのアクセスを許可する処理(ステップS5)を行い、全出力ポートをOFFにする処理(ステップS6)を行う。
次に、RWM初期化SW70cのチェックを行う。遊技制御装置30のRWM30bは、電源供給装置70のバックアップ電源70bによって、その記憶内容がバックアップされるようになっているが、電源投入時にRWM初期化SW70cがONである場合には、RWM30bの初期化を行う。このRWM初期化SW70cのチェックとして、RWM初期化SW70cがONであるか否かの判定(ステップS7)を行う。
RWM初期化SW70cがONであるか否かの判定(ステップS7)においてRWM初期化SW70cがONでない場合(ステップS7;N)は、停電復旧の判定を行う。この停電復旧の判定としては、まず、停電検査領域をチェックする処理(ステップS8)を行い、停電復旧であるか否かの判定(ステップS9)を行う。
停電検査領域には、後述するように停電によりパチンコ遊技機100の電源が遮断された場合に、停電復旧検査領域チェックデータが設定される(ステップS32)ようになっており、通常時は停電復旧検査領域チェックデータが記憶されていない。よって、この停電復旧検査領域チェックデータの有無を判定することで、停電復旧であるか否かを判定することができる。
停電復旧であるか否かの判定(ステップS9)において、停電復旧でない場合(ステップS9;N)は、使用するRWM30bをクリアする処理(ステップS18)を行う。また、停電復旧であるか否かの判定(ステップS9)において、停電復旧である場合(ステップS9;Y)は、チェックサムは正常であるか否かの判定(ステップS10)を行う。
チェックサムは正常であるか否かの判定(ステップS10)においては、バックアップされたRWM30bのデータとチェックデータを比較し、両者が一致すれば正常と判定し、一致しなければ異常と判定する。これにより、RWM30bに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを判断することができる。
このチェックサムは正常であるか否かの判定(ステップS10)において、チェックサムが正常でない場合(ステップS10;N)は、使用するRWM30bをクリアする処理(ステップS18)を行う。なお、このようにRWM30bのデータと各チェックデータが一致しない場合としては、例えば、落雷の異常電流等によってデータが破壊された場合の他、パチンコ遊技機100をはじめて設置した場合や、電源の遮断時間がバックアップ可能な時間を超過した場合が考えられる。また、何らかの理由で電源供給装置70と遊技制御装置30との接続が遮断され、バックアップ電源が供給されなくなったためRWM30bが初期化された場合が考えられる。さらに不正な遊技制御装置30は、RWM30bがバックアップされていないことが多いので、不正な遊技制御装置30が取り付けられたことも考えられる。
また、チェックサムは正常であるか否かの判定(ステップS10)において、チェックサムが正常である場合(ステップS10;Y)は、停電発生時の状態へ復帰するための処理を行う。
この停電発生時の状態へ復帰するための処理としては、まず、RWM30bに停電復旧時の初期値を設定する処理(ステップS11)を行う。さらに、遊技枠(前面枠、クリア部材保持枠)の状態にかかる領域をクリアする処理(ステップS12)を行った後、遊技状態表示LED1,2をクリアする処理(ステップS13)を行い、停電復旧コマンドを送信する処理(ステップS14)を行う。なお、遊技状態表示LED1,2は、セグメントLEDの一部を構成するものであり、前面枠やクリア部材保持枠の開放状態を報知する
ものである。
そして、特図ゲームモードを判定する処理(ステップS15)を行い、特図変動表示ゲームの抽選確率が通常状態より高い高確率時であるか否かの判定(ステップS16)を行うことで、現在設定されている遊技状態の判定を行う。ここで、遊技状態は、特図変動表示ゲームの結果に基づき、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも始動入賞装置が開放状態となりやすい時短遊技状態(時短)と、通常遊技状態よりも始動入賞装置が開放状態となりやすいとともに、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される確率が高い高確率遊技状態(高確率状態、確変状態)と、の何れかの遊技状態が選択されるようになっている。
高確率時であるか否かの判定(ステップS16)において、高確率時でない場合(ステップS16;N)は、割込みタイマを起動する処理(ステップS22)を行う。また、高確率時であるか否かの判定(ステップS16)において、高確率時である場合(ステップS16;Y)は、遊技状態表示LED4をセットする処理(ステップS17)を行う。そして、割込みタイマを起動する処理(ステップS22)を行う。
なお、遊技状態表示LED4は、セグメントLEDの一部であって、高確率時であることを報知するものであり、遊技状態表示LED4をセットする処理(ステップS22)において、遊技状態表示LED4を点灯させるためのコマンドをセットするようになっている。また、遊技状態表示LED4をセットする処理は電源投入時以外には行われることはない。
また、RWM初期化SW70cがONであるか否かの判定(ステップS7)においてRWM初期化SW70cがONである場合(ステップS7;Y)は、メインループの処理として電源投入時の初期化処理を行う。
この電源投入時の初期化処理としては、まず、使用するRWMをクリアする処理(ステップS18)を行う。すなわち、RWM30bに記憶された大当り乱数を初期化する乱数初期化手段をなす。そして、RWM30bに電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップS19)を行う。さらに、機種指定コマンドを送信する処理(ステップS20)を行った後、電源投入コマンドを送信する処理(ステップS21)を行う。そして、割込みタイマを起動する処理(ステップS22)を行う。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、割込みタイマを起動する処理(ステップS22)を行って、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。そして、第1インターバルを設定する処理(ステップS23)を行う。すなわち、特図変動表示ゲームの遊技制御の開始を遅延させる遊技開始遅延手段をなす。なお、第1インターバル設定処理の詳細については後述する。次に、割込みを禁止する処理(ステップS24)を行い、初期値乱数更新処理により初期値乱数を更新する処理(ステップS25)を行い、割込みを許可する処理(ステップS26)を行う。
そして、RWM30bの停電検査領域をチェックする処理(ステップS27)を行い、停電が発生したか否かの判定(ステップS27)を行う。停電検査領域には、後述するように停電によりパチンコ遊技機100の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定される(ステップS32)ようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。
停電が発生したか否かの判定(ステップS28)において、停電が発生していない場合(ステップS28;N)は、上述の割込みを禁止する処理(ステップS24)に戻り、以降、電源の遮断がなければ割込みを禁止する処理(ステップS24)から停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を繰り返し行う。
停電が発生したか否かの判定(ステップS28)において停電が発生した場合は、停電発生時の処理を行う。なお、停電発生の直後は、バックアップ電源70bにより以下の停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
この停電発生時の処理では、まず、割り込みを禁止する処理(ステップS29)を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理(ステップS30)を行い、停電検査領域をクリアする処理(ステップS31)を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS32)を行った後、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS33)を行い、RWM30bへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってパチンコ遊技機100の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWM30bに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
次に、上述のメイン処理における第1インターバル設定処理(ステップS23)の詳細について説明する。図5に示すように、この第1インターバル設定処理においては、まず、CPU30aは、ROM30cに記憶された第1遅延期間記憶手段としての第1インターバル設定テーブル30c1から、第1インターバル乱数を抽出する処理(ステップS23a)を行う。
次に、ステップS23aにおいて抽出された第1インターバル乱数値に対応付けられた第1インターバル時間を決定する処理(ステップS23b)を行う。具体的には、図6に示すように、第1インターバル設定テーブル30c1には、複数の第1遅延期間としての第1インターバル時間の各々に、第1遅延乱数としての第1インターバル乱数が対応付けられており、例えば、第1インターバルT1(0.5s)には、第1インターバル乱数「0」〜「4」、第1インターバルT2(1.0s)には、第1インターバル乱数「5」〜「9」、第1インターバルT3(1.5s)には、第1インターバル乱数「10」〜「14」、第1インターバルT4(2.0s)には、第1インターバル乱数「15」〜「19」、第1インターバルT5(2.5s)には、第1インターバル乱数「20」〜「24」が対応付けられて記憶されており、ステップS23aにおいて抽出された第1インターバル乱数値が「3」の場合、第1インターバル時間「0.5s」が決定される。
次に、ステップS23bにおいて決定された第1インターバル時間に基づいて第1インターバルタイマ(Tn)を設定する処理(ステップS23c)を行って、本処理を終了し、所定のメイン処理へ戻る。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7に示すように、このタイマ割込み処理においては、まず、レジスタのデータを待避する処理(ステップTa)を行う。次に、各種センサ(始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10c、ガラス枠開放SW146、内枠開放SW121、球切れSW122など)からの入力を処理する入力処理を行い、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL10b、普電SOL7b)等のアクチュエータの駆動制御を行う出力処理を行う(ステップTb)。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを各種制御装置に出力するコマンド送信処理(ステップTc)を行う。そして、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定するための大当たり乱数、特図変動表示ゲームの大当たり図柄を判定するための大当たり図柄乱数、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定するための当り乱数、第1インターバル乱数を更新する乱数更新処理1(ステップTd)を行う。すなわち、特図変動表示ゲームの結果態様を決定するための大当り乱数を生成し、該大当り乱数を所定周期ごとに更新する乱数更新手段をなす。次に、乱数の初期値を更新し、乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップTe)を行う。すなわち、RWM30bに記憶された大当り乱数を初期化する乱数初期化手段をなす。なお、このとき、第1インターバル乱数については、初期化されないように設定されている。
次に、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定する乱数である、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、変動パターン乱数3を更新するための乱数更新処理2(ステップTf)を行う。次に、始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10cから信号の入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)を監視する入賞口SW監視処理(ステップTg)を行う。
そして、各信号とエラーの監視を行うエラー監視処理(ステップTh)を行い、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップTi)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップTj)を行う。
次に、遊技盤に設けられ、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDに関する処理を行うセグメントLED編集処理(ステップTk)を行う。そして、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理を行う外部情報編集処理(ステップTl)を行う。次に、割込み終了宣言をする処理(ステップTm)を行い、待避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップTn)を行った後、割込みを許可する処理(ステップTo)を行い、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップTi)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口SW7dの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。図8に示すように、特図ゲーム処理では、まず、第1インターバルタイマが「0」になったか否かの判定(ステップTi1)を行う。
第1インターバルタイマが「0」になったか否かの判定(ステップTi1)において、第1インターバルタイマが「0」になっていない場合(ステップTi1;N)は、払出制御装置50が発射制御基板60に発射許可信号を送信しないようにするため、発射禁止情報をセットする処理(ステップTi2)を行って、特図ゲーム処理を終了する。
また、第1インターバルタイマが「0」になったか否かの判定(ステップTi1)において、第1インターバルタイマが「0」になった場合(ステップTi1;Y)は、発射禁止情報をクリアする処理(ステップTi3)を行って、始動入賞があるか否かの判定(ステップTi4)を行う。
この始動入賞があるか否かの判定(ステップTi4)では、始動口SW7dから出力される遊技球の始動入賞信号の有無により判定を行う。始動入賞があるか否かの判定(ステップTi4)において、始動入賞がない場合(ステップTi4;N)は、特図ゲーム処理番号を取得する処理(ステップTi11)を行う。また、始動入賞があるか否かの判定(ステップTi4)において、始動入賞がある場合(ステップTi4;Y)は、特図保留数を取得する処理(ステップTi5)を行い、特図保留数が4以上であるか否かの判定(ステップTi6)を行う。
特図保留数が4以上であるか否かの判定(ステップTi6)において、特図保留数が4以上である場合(ステップTi6;Y)すなわち、保留数の上限値を超えている場合は、特図ゲーム処理番号を取得する処理(ステップTi11)を行う。また、特図保留数が4以上であるか否かの判定(ステップTi6)において、特図保留数が4以上でない場合(ステップTi6;N)は、特図保留数を1インクリメントする処理(ステップTi7)を行う。
その後、更新した特図保留数に対応する大当り乱数セーブ領域に、大当り乱数を記憶する処理(ステップTi8)、大当り図柄乱数を記憶する処理(ステップTi9)を行う。さらに、飾り特図保留数のコマンドを設定する処理(ステップTi10)を行って、表示部(図示省略)における特図保留数の表示設定を行う。そして、特図ゲーム処理番号を取得する処理(ステップTi11)を行う。
特図ゲーム処理番号を取得する処理(ステップTi11)を行った後、取得した特図ゲーム処理番号に基づき特図ゲーム分岐処理(ステップTi12)を行う。その後、特図変動制御処理(ステップTi13)を行って特図ゲーム処理を終了する。
次に、払出制御装置50における払出制御について説明する。この払出制御は、主に払出制御メイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われるタイマ割込み処理と、遊技制御装置30から送信されるコマンド情報(例えば、発射禁止情報等)を受信する通信割込み処理とからなる。
〔払出制御メイン処理〕
図9に示すように、払出制御メイン処理においては、まず、RWM50bを初期化する処理(ステップS101)を行うとともに、割り込みタイマの設定を行う。このRWM50bを初期化する処理では、具体的には、遊技制御装置30から送信された賞球数データや発射禁止情報等の初期化を行う。
次に、発射制御基板60に発射許可信号を出力するか否かを所定の処理に基づき判定する発射制御判定処理(ステップS102)を行う。
次に、払出過剰エラー(過剰に遊技球を払い出すエラー)を監視する処理(ステップS103)を行う。具体的には、払出過剰エラーの発生と解除を行い、エラーが発生した場合は、新たに払い出し動作を行わず、エラー解除SW102の入力があった場合に、エラーを解除する。
次に、賞球払い出し動作の開始条件に関する賞球制御開始判定処理(ステップS104)を行う。具体的には、賞球払い出し動作の開始条件として、例えば、記憶領域の獲得遊技球数の残数の判定、シュート球切れSW103に基づくシュート球切れエラーの判定、オーバーフローSW104に基づくオーバーフローエラーの判定、払出球検出SW101異常の判定等を行う。
次に、球貸払い出し動作の開始条件に関する球貸制御開始判定処理(ステップS105)を行う。具体的には、球貸払い出し動作の開始条件として、例えば、貸出ユニット制御基板側から球貸動作開始信号(BRDY信号の立下り)、球貸要求信号(BRQ信号の立下り)を受信するか判定を行う。
次に、球貸制御処理(ステップS106)を行う。具体的には、例えば、球貸準備信号
(EXS信号の立下り)の出力データの設定、球貸指令信号(BRQ信号の立上り)を受けて球貸払い出しの開始の設定、球貸完了信号(EXS信号の立上り)の出力データの設定、球貸動作終了信号(BRDY信号の立上り)を受けて球貸制御の終結の設定などを行う。
次に、賞球制御処理(ステップS107)を行う。具体的には、賞球払出数の設定、払出不足数のリトライ動作の制御、賞球制御終結の設定などを行う。
次に、払出制御処理(ステップS108)を行う。具体的には、払出モータ105を制御して貸球又は賞球を払い出す。
次に、シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、払出球検出スイッチ異常エラー、払出不足エラー、払出過剰エラー、通信コネクタ未接続エラー、CRユニット未接続エラー、貸球価値不適合エラー等のエラー信号に基づくエラー報知編集処理(ステップS109)を行う。そして、ステップS102に戻り、ステップS102以降の処理を繰り返す。
次に、上述の払出制御メイン処理における発射制御判定処理(ステップS102)の詳細について説明する。図10に示すように、この発射制御判定処理においては、まず、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されているか否かの判定(ステップS102a)を行う。
この払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されているか否かの判定(ステップS102a)において、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されている場合(ステップS102a;Y)は、遊技制御装置30から発射禁止情報を受信したか否かの判定(ステップS102b)を行う。
この発射禁止情報を受信したか否かの判定(ステップS102b)において、遊技制御装置30から発射禁止情報を受信していない場合(ステップS102b;N)は、発射許可信号を「オン」にセットする処理(ステップS102c)を行い、本処理を終了する。
一方、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されているか否かの判定(ステップS102a)において、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されていない場合(ステップS102a;N)は、発射許可信号を「オフ」にセットする処理(ステップS102d)を行い、本処理を終了する。
また、発射禁止情報を受信したか否かの判定(ステップS102b)において、遊技制御装置30から発射禁止情報を受信した場合(ステップS102b;Y)は、発射許可信号を「オフ」にセットする処理(ステップS102c)を行い、本処理を終了する。
次に、払出制御装置50によるタイマ割込処理について説明する。なお、払出制御装置50によるタイマ割込処理は、パチンコ遊技機100に電源が投入されたときに開始され、以後所定時間ごとに繰り返し実行されるものである。
図11に示すように、払出制御装置50によるタイマ割込処理においては、まず、入出力処理(ステップT1)を行う。具体的には、各種処理でセットされた出力データをI/Oポート51に出力したり、I/Oポート51の読込の制御を行い、各種SWからの入力信号のチャタリング除去等の処理を行う。
次に、タイマ更新処理(ステップT2)を行う。なお、タイマは、払出制御装置50と貸出ユニット制御基板(図示省略)の間で送受信される払出制御信号(BRQ信号やEXS信号)の送受信時間をカウントしてエラー判定に供するためのものである。
次に、遊技球の払い出し要求の監視処理(ステップT3)を行い、そして、通信コネクタ接続状態、払出球検出SW101の出力等に基づき入力監視処理(ステップT4)を行う。
次に、払出ユニット出力編集処理(ステップT5)を行う。具体的には、払出モータ105の出力データの設定を行う。
次に、外部情報出力編集処理(ステップT6)を行う。具体的には、例えば、ホールコンピュータ(中央管理装置)へ出力する賞球信号を設定する。そして、タイマ割込み処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における入力監視処理(ステップT4)の詳細について説明する。図12に示すように、この入力監視処理においては、まず、払出制御装置50が遊技制御装置30に接続されているか否かの通信コネクタ未接続監視処理(ステップT41)を行う。
次に、払出球検出SW101における入力監視処理(ステップT42)を行い、また、払出球検出SW101における異常検知信号の監視処理(ステップT43)を行う。そして、遊技制御装置30における第1インターバル時間が経過したか否かを監視するインターバル監視処理(ステップT44)を行い、本処理を終了する。なお、第1インターバル時間が経過したか否かについては、遊技制御装置30から発射禁止情報を受信したか否かにより判定を行う。
次に、上述の入力監視処理(ステップT4)におけるインターバル監視処理(ステップT44)の詳細について説明する。図13に示すように、このインターバル監視処理においては、まず、遊技制御装置30から、入賞口(図示省略)に入賞があった際の入賞信号の有無の判定(ステップT44a)を行う。すなわち、第1インターバル期間中に、特定入賞部への入賞を示す入力信号の検出を監視する入賞監視手段をなす。
この入賞信号の有無の判定(ステップT44a)において、入賞信号が有る場合(ステップT44a)は、遊技制御装置30から発射禁止情報を受信しているか否かの判定(ステップT44b)を行う。
この発射禁止情報を受信しているか否かの判定(ステップT44b)において、発射禁止情報を受信している場合(ステップT44b;Y)は、エラーフラグをセットする処理(ステップT44c)を行う。すなわち、異常発生の報知を行う異常報知手段をなす。そして、本処理を終了する。なお、エラーフラグがセットされると、遊技制御装置30にエラー信号が送信され、このエラー信号を受信した遊技制御装置30はエラー報知を行う。また、遊技制御装置30による当該エラー信号の受信の有無の判定は、タイマ割込み処理におけるエラー監視処理(ステップTh)で行われ、エラー報知は、セグメントLED編集処理(ステップTk)でエラー報知に対応するLEDの発光を制御することによって行われる。
〔通信割込み処理〕
次に、払出制御装置50による通信割込み処理について説明する。図14に示すように、この通信割込み処理においては、まず、レジスタのデータを待避する処理(ステップS111)を行う。次に、I/Oポート51を介して、遊技制御装置30からの所定のデータaの入力処理(ステップS112)を行う。
次に、ストローブ信号のチェックを行う(ステップS113)。このストローブ信号は、ステップS112で入力処理が行われた所定のデータaを読み取って良いか否かを判定するための信号である。
ストローブ信号が「オフ」であるか否かの判定(ステップS113)において、ストローブ信号が「オフ」でない場合(ステップS113;N)は、入力データaの判定を行う。この入力データaの判定としては、まず、入力データaを反転させた値とコマンドビットデータとの論理積Aを求める(ステップS114)。
次に、監視タイマをセット(例えば、70μs)する処理(ステップS115)を行い、再び、I/Oポート51を介して、遊技制御装置30からの所定のデータbの入力処理(ステップS116)を行う。そして、ストローブ信号が「オフ」であるか否かの判定(ステップS117)を行い、ストローブ信号が「オフ」でない場合(ステップS117;N)は、ステップS115においてセットされた監視タイマが「0」になったか否かの判定を行う(ステップS118)。
この監視タイマが「0」になったか否かの判定(ステップS118)において、監視タイマが「0」になった場合(ステップS118;Y)、入力データbを反転させた値とコマンドビットデータとの論理積Bを求める(ステップS119)。
また、ストローブ信号が「オフ」であるか否かの判定(ステップS117)において、ストローブ信号が「オフ」の場合(ステップS117;Y)は、入力データbを反転させた値とコマンドビットデータとの論理積Bを求める(ステップS119)。
一方、監視タイマが「0」になったか否かの判定(ステップS118)において、監視タイマが「0」でない場合(ステップS118;N)、ステップS116へ戻り、ステップS116以降の処理を繰り返す。
次に、ステップS114において求めた論理積AとステップS119において求めた論理積Bとが一致するか否かの判定(ステップS120)を行う。
この論理積Aと論理積Bとが一致するか否かの判定(ステップS120)において、論理積Aと論理積Bとが一致する場合(ステップS120;Y)、論理積Bをバッファへ格納する処理(ステップS121)を行い、割込み終了宣言処理(ステップS122)を行う。
また、ストローブ信号が「オフ」であるか否かの判定(ステップS113)において、ストローブ信号が「オフ」の場合(ステップS113;Y)は、割込み終了宣言処理(ステップS122)を行う。
また、この論理積Aと論理積Bとが一致するか否かの判定(ステップS120)において、論理積Aと論理積Bとが一致しない場合(ステップS120;N)は、割込み終了宣言処理(ステップS122)を行う。
次に、ステップS111において退避されたレジスタのデータを復帰する処理(ステップS123)を行い、そして、割込みを許可する処理(ステップS124)を行い、通信割込み処理を終了する。
このように、第1実施形態におけるパチンコ遊技機100によれば、遊技制御装置30は、CPU30aによって、所定の遊技を実行するための遊技プログラムに基づいて遊技制御を行うことができ、当該遊技制御の開始を遅延させることができる。具体的には、CPU30aは、RWM30bに記憶された大当り乱数が初期化されてからCPU30aによる特図変動表示ゲームの遊技制御が開始されるまでの期間を遅延させ、CPU30aは、当該遅延の期間も、該大当り乱数の更新を継続することができる。
よって、かかる遅延の期間が経過するまで、CPU30aによる特図変動表示ゲームの遊技制御が開始されず、この間にCPU30aによる大当り乱数更新は継続して行われているため、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことを好適に防止することができる。
従って、不正行為が行われることを未然に防止することができ、不正行為に対する信頼性の高い遊技機とすることができる。
また、ROM30cには、RWM30bに記憶された大当り乱数が初期化されてからCPU30aによる特図変動表示ゲームの遊技制御が開始されるまでの期間を設定するための複数の第1インターバル時間の各々に、第1インターバル乱数が対応付けられた第1インターバル設定テーブル30c1が記憶され、CPU30aによって、第1インターバル設定テーブル30c1から第1インターバル乱数を抽出し、該抽出した第1インターバル乱数の値に基づいて一の第1インターバル時間を設定することができる。
よって、第1インターバル設定テーブル30c1から第1インターバル乱数を抽出し、該抽出した第1インターバル乱数の値に基づいて一の第1インターバル時間を設定するので、設定される遅延期間がランダムになり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙いづらくなり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことをより好適に防止することができる。
また、払出制御装置50のCPU50aによって、設定された第1インターバル期間中に、特定入賞部への入賞を示す入力信号の検出を監視することができ、当該第1インターバル期間中に入力信号を検出することに基づき、異常発生の報知を行うことができる。
よって、第1インターバル期間中において特定入賞部への入賞が発生した場合は、不正行為と看做し、異常報知を行うことができるので、万が一、不正行為が行われたとしても早急に不正行為が行われた遊技機を発見することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態におけるパチンコ遊技機200について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
〔払出制御メイン処理〕
図15に示すように、払出制御メイン処理においては、まず、RWM50bを初期化する処理(ステップS201)を行うとともに、割り込みタイマの設定を行う。このRWM50bを初期化する処理では、具体的には、遊技制御装置30から送信された賞球数データや発射禁止情報等の初期化を行う。
次に、第2インターバルを設定する処理(ステップS202)を行う。すなわち、発射許可判定のタイミングを遅延させる発射許可判定遅延手段をなす。なお、第2インターバル設定処理の詳細については後述する。
次に、発射制御基板60に発射許可信号を出力するか否かを所定の処理に基づき判定する発射制御判定処理(ステップS203)を行う。すなわち、発射許可判定手段をなす。
次に、払出過剰エラー(過剰に遊技球を払い出すエラー)を監視する処理(ステップS204)を行う。具体的には、払出過剰エラーの発生と解除を行い、エラーが発生した場合は、新たに払い出し動作を行わず、エラー解除SW102の入力があった場合に、エラーを解除する。
次に、賞球払い出し動作の開始条件に関する賞球制御開始判定処理(ステップS205)を行う。具体的には、賞球払い出し動作の開始条件として、例えば、記憶領域の獲得遊技球数の残数の判定、シュート球切れSW103に基づくシュート球切れエラーの判定、オーバーフローSW104に基づくオーバーフローエラーの判定、払出球検出SW101異常の判定等を行う。
次に、球貸払い出し動作の開始条件に関する球貸制御開始判定処理(ステップS206)を行う。具体的には、球貸払い出し動作の開始条件として、例えば、貸出ユニット制御基板側から球貸動作開始信号(BRDY信号の立下り)、球貸要求信号(BRQ信号の立下り)を受信するか判定を行う。
次に、球貸制御処理(ステップS207)を行う。具体的には、例えば、球貸準備信号(EXS信号の立下り)の出力データの設定、球貸指令信号(BRQ信号の立上り)を受けて球貸払い出しの開始の設定、球貸完了信号(EXS信号の立上り)の出力データの設定、球貸動作終了信号(BRDY信号の立上り)を受けて球貸制御の終結の設定などを行う。
次に、賞球制御処理(ステップS208)を行う。具体的には、賞球払出数の設定、払出不足数のリトライ動作の制御、賞球制御終結の設定などを行う。
次に、払出制御処理(ステップS209)を行う。具体的には、払出モータ105を制御して貸球又は賞球を払い出す。
次に、シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、払出球検出スイッチ異常エラー、払出不足エラー、払出過剰エラー、通信コネクタ未接続エラー、CRユニット未接続エラー、貸球価値不適合エラー等のエラー信号に基づくエラー報知編集処理(ステップS210)を行う。そして、ステップS203に戻り、ステップS203以降の処理を繰り返す。
次に、上述の払出制御メイン処理における第2インターバル設定処理(ステップS202)の詳細について説明する。図16に示すように、この第2インターバル設定処理においては、まず、CPU50aは、ROM50cに記憶された第2遅延期間記憶手段としての第2インターバル設定テーブル50c1から、第2インターバル乱数を抽出する処理(ステップS202a)を行う。
次に、ステップS202aにおいて抽出された第2インターバル乱数値に対応付けられた第2インターバル時間を決定する処理(ステップS202b)を行う。具体的には、図17に示すように、第2インターバル設定テーブル50c1には、複数の第2遅延期間としての第2インターバル時間の各々に、第2遅延乱数としての第2インターバル乱数が対応付けられており、例えば、第2インターバルt1(0.3s)には、第2インターバル乱数「0」〜「4」、第2インターバルt2(0.8s)には、第2インターバル乱数「5」〜「9」、第2インターバルt3(1.3s)には、第2インターバル乱数「10」〜「14」、第2インターバルt4(1.8s)には、第2インターバル乱数「15」〜「19」、第2インターバルt5(2.3s)には、第2インターバル乱数「20」〜「24」が対応付けられて記憶されており、ステップS202aにおいて抽出された第2インターバル乱数値が「6」の場合、第2インターバル時間「0.8s」が決定される。
次に、第2インターバルタイマ(tn)を設定する処理(ステップS202c)を行って、本処理を終了し、所定のメイン処理へ戻る。
次に、上述の払出制御メイン処理における発射制御判定処理(ステップS203)の詳細について説明する。図18に示すように、この発射制御判定処理においては、まず、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されているか否かの判定(ステップS203a)を行う。
この払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されているか否かの判定(ステップS203a)において、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されている場合(ステップS203a;Y)は、発射禁止情報を受信したか否かの判定(ステップS203b)を行う。
この発射禁止情報を受信したか否かの判定(ステップS203b)において、発射禁止情報を受信していない場合(ステップS203b;N)は、第2インターバルタイマが「0」になったか否かの判定(ステップS203c)を行う。
この第2インターバルタイマが「0」になったか否かの判定(ステップS203c)において、第2インターバルタイマが「0」になった場合(ステップS203c;Y)は、発射許可信号を「オン」にセットする処理(ステップS203d)を行い、本処理を終了する。
一方、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されているか否かの判定(ステップS203a)において、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されていない場合(ステップS203a;N)は、発射許可信号を「オフ」にセットする処理(ステップS203e)を行い、本処理を終了する。
また、発射禁止情報を受信したか否かの判定(ステップS203b)において、発射禁止情報を受信した場合(ステップS203b;Y)は、発射許可信号を「オフ」にセットする処理(ステップS203e)を行い、本処理を終了する。
また、第2インターバルタイマが「0」になったか否かの判定(ステップS203c)において、第2インターバルタイマが「0」になっていない場合(ステップS203c;N)は、発射許可信号を「オフ」にセットする処理(ステップS203e)を行い、本処理を終了する。
このように、第2実施形態におけるパチンコ遊技機200によれば、遊技制御装置30は、CPU30aによって、所定の遊技を実行するための遊技プログラムに基づいて遊技制御を行うことができ、当該遊技制御の開始を遅延させることができる。具体的には、CPU30aは、RWM30bに記憶された大当り乱数が初期化されてからCPU30aによる特図変動表示ゲームの遊技制御が開始されるまでの期間を遅延させ、CPU30aは、当該遅延の期間も、該大当り乱数の更新を継続することができる。
よって、かかる遅延の期間が経過するまで、CPU30aによる特図変動表示ゲームの遊技制御が開始されず、この間にCPU30aによる大当り乱数更新は継続して行われているため、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことを好適に防止することができる。
従って、不正行為が行われることを未然に防止することができ、不正行為に対する信頼性の高い遊技機とすることができる。
また、ROM30cには、RWM30bに記憶された大当り乱数が初期化されてからCPU30aによる特図変動表示ゲームの遊技制御が開始されるまでの期間を設定するための複数の第1インターバル時間の各々に、第1インターバル乱数が対応付けられた第1インターバル設定テーブル30c1が記憶され、CPU30aによって、第1インターバル設定テーブル30c1から第1インターバル乱数を抽出し、該抽出した第1インターバル
乱数の値に基づいて一の第1インターバル時間を設定することができる。
よって、第1インターバル設定テーブル30c1から第1インターバル乱数を抽出し、該抽出した第1インターバル乱数の値に基づいて一の第1インターバル時間を設定するので、設定される遅延期間がランダムになり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙いづらくなり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことをより好適に防止することができる。
また、払出制御装置50のCPU50aによって、設定された第1インターバル期間中に、特定入賞部への入賞を示す入力信号の検出を監視することができ、当該第1インターバル期間中に入力信号を検出することに基づき、異常発生の報知を行うことができる。
よって、遅延期間中において特定入賞部への入賞が発生した場合は、不正行為と看做し、異常報知を行うことができるので、万が一、不正行為が行われたとしても早急に不正行為が行われた遊技機を発見することができる。
また、遊技球を発射する発射装置(図示省略)と、遊技制御装置30から発射装置による遊技球の発射許可を示す指令を受けることに基づき、該発射装置による遊技球の発射を許可する払出制御装置50と、払出制御装置50から遊技球の発射を許可する発射許可信号が入力されることに基づき、発射装置による遊技球の発射制御を実行する発射制御基板60と、を備え、電源供給装置70は、遊技制御装置30に対して初期化指令信号を出力するとともに、払出制御装置50に対しても初期化指令信号を出力して、払出制御装置50に設けられたRWM50bの内容を初期化するように構成し、払出制御装置50は、CPU50aによって、発射制御基板60に発射許可信号を出力するか否かを所定の処理に基づき判定することができるとともに、当該判定の判定タイミングを遅延させることができる。具体的には、電源供給装置70によってRWM50bの内容が初期化されてから発射許可の判定が行われるまでの期間を設定するための複数の第2インターバル時間の各々に、第2インターバル乱数が対応付けられて記憶された第2インターバル設定テーブル50c1を備え、第2インターバル設定テーブル50c1から第2インターバル乱数を抽出し、該抽出した第2インターバル乱数の値に基づいて一の第2インターバル時間を設定し、該設定した第2インターバル時間の経過後に、CPU50aによって、発射許可の判定を実行可能とした。
よって、第1インターバル設定テーブル30c1から第1インターバル乱数を抽出し、該抽出した第1インターバル乱数の値に基づいて一の第1インターバル時間を設定するとともに、第2インターバル設定テーブル50c1から第2インターバル乱数を抽出し、該抽出した第2インターバル乱数の値に基づいて一の第2インターバル時間を設定するので、第2インターバル時間がランダムとなることとなって、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙いづらくなり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことを、より一層確実に防止することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態におけるパチンコ遊技機300について説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
〔メイン処理〕
メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。図19,20に示すように、このメイン処理は、プログラム開始時の処理と、停電発生時の状態へ復帰するための処理と、メインループの処理と、停電発生時の処理とがある。
メイン処理においては、まず、プログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理は初めに初期設定として、割込みを禁止する処理(ステップS301)を行い、割込みベクタをセットする処理(ステップS302)を行う。さらにスタックポインタをセットする処理(ステップS303)を行い、割込みモードを設定する処理(ステップS304)を行う。その後、RWM30bへのアクセスを許可する処理(ステップS305)を行い、全出力ポートをOFFにする処理(ステップS306)を行う。
次に、RWM初期化SW70cのチェックを行う。遊技制御装置30のRWM30bは、電源供給装置70のバックアップ電源70bによって、その記憶内容がバックアップされるようになっているが、電源投入時にRWM初期化SW70cがONである場合には、RWM30bの初期化を行う。このRWM初期化SW70cのチェックとして、RWM初期化SW70cがONであるか否かの判定(ステップS307)を行う。
RWM初期化SW70cがONであるか否かの判定(ステップS307)においてRWM初期化SW70cがONでない場合(ステップS307;N)は、停電復旧の判定を行う。この停電復旧の判定としては、まず、停電検査領域をチェックする処理(ステップS308)を行い、停電復旧であるか否かの判定(ステップS309)を行う。
停電検査領域には、後述するように停電によりパチンコ遊技機300の電源が遮断された場合に、停電復旧検査領域チェックデータが設定される(ステップS332)ようになっており、通常時は停電復旧検査領域チェックデータが記憶されていない。よって、この停電復旧検査領域チェックデータの有無を判定することで、停電復旧であるか否かを判定することができる。
停電復旧であるか否かの判定(ステップS309)において、停電復旧でない場合(ステップS309;N)は、使用するRWM30bをクリアする処理(ステップS318)を行う。また、停電復旧であるか否かの判定(ステップS309)において、停電復旧である場合(ステップS309;Y)は、チェックサムは正常であるか否かの判定(ステップS310)を行う。
チェックサムは正常であるか否かの判定(ステップS310)においては、バックアップされたRWM30bのデータとチェックデータを比較し、両者が一致すれば正常と判定し、一致しなければ異常と判定する。これにより、RWM30bに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを判断することができる。
このチェックサムは正常であるか否かの判定(ステップS310)において、チェックサムが正常でない場合(ステップS310;N)は、使用するRWM30bをクリアする処理(ステップS318)を行う。なお、このようにRWM30bのデータと各チェックデータが一致しない場合としては、例えば、落雷の異常電流等によってデータが破壊された場合の他、パチンコ遊技機300をはじめて設置した場合や、電源の遮断時間がバックアップ可能な時間を超過した場合が考えられる。また、何らかの理由で電源供給装置70と遊技制御装置30との接続が遮断され、バックアップ電源が供給されなくなったためRWM30bが初期化された場合が考えられる。さらに不正な遊技制御装置30は、RWM30bがバックアップされていないことが多いので、不正な遊技制御装置30が取り付けられたことも考えられる。
また、チェックサムは正常であるか否かの判定(ステップS310)において、チェックサムが正常である場合(ステップS310;Y)は、停電発生時の状態へ復帰するための処理を行う。
この停電発生時の状態へ復帰するための処理としては、まず、RWM30bに停電復旧時の初期値を設定する処理(ステップS311)を行う。さらに、遊技枠(前面枠、クリア部材保持枠)の状態にかかる領域をクリアする処理(ステップS312)を行った後、遊技状態表示LED1,2をクリアする処理(ステップS313)を行い、停電復旧コマンドを送信する処理(ステップS314)を行う。なお、遊技状態表示LED1,2は、セグメントLEDの一部を構成するものであり、前面枠やクリア部材保持枠の開放状態を報知するものである。
そして、特図ゲームモードを判定する処理(ステップS315)を行い、特図変動表示ゲームの抽選確率が通常状態より高い高確率時であるか否かの判定(ステップS316)を行うことで、現在設定されている遊技状態の判定を行う。ここで、遊技状態は、特図変動表示ゲームの結果に基づき、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも始動入賞装置が開放状態となりやすい時短遊技状態(時短)と、通常遊技状態よりも始動入賞装置が開放状態となりやすいとともに、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される確率が高い高確率遊技状態(高確率状態、確変状態)と、の何れかの遊技状態が選択されるようになっている。
高確率時であるか否かの判定(ステップS316)において、高確率時でない場合(ステップS316;N)は、割込みタイマを起動する処理(ステップS323)を行う。また、高確率時であるか否かの判定(ステップS316)において、高確率時である場合(ステップS316;Y)は、遊技状態表示LED4をセットする処理(ステップS317)を行う。そして、割込みタイマを起動する処理(ステップS323)を行う。
なお、遊技状態表示LED4は、セグメントLEDの一部であって、高確率時であることを報知するものであり、遊技状態表示LED4をセットする処理(ステップS317)において、遊技状態表示LED4を点灯させるためのコマンドをセットするようになっている。また、遊技状態表示LED4をセットする処理は電源投入時以外には行われることはない。
また、RWM初期化SW70cがONであるか否かの判定(ステップS307)においてRWM初期化SW70cがONである場合(ステップS307;Y)は、メインループの処理として電源投入時の初期化処理を行う。
この電源投入時の初期化処理としては、まず、使用するRWMをクリアする処理(ステップS318)を行い、メイン制御インターバル設定処理(ステップS319)を行う。そして、RWM30bに電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップS320)を行う。さらに、機種指定コマンドを送信する処理(ステップS321)を行った後、電源投入コマンドを送信する処理(ステップS322)を行う。そして、割込みタイマを起動する処理(ステップS323)を行う。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、割込みタイマを起動する処理(ステップS323)を行って、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。次に、割込みを禁止する処理(ステップS324)を行い、初期値乱数更新処理により初期値乱数を更新する処理(ステップS325)を行い、割込みを許可する処理(ステップS326)を行う。
そして、RWM30bの停電検査領域をチェックする処理(ステップS327)を行い、停電が発生したか否かの判定(ステップS328)を行う。停電検査領域には、後述するように停電によりパチンコ遊技機300の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定される(ステップS332)ようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。
停電が発生したか否かの判定(ステップS328)において、停電が発生していない場合(ステップS328;N)は、上述の割込みを禁止する処理(ステップS324)に戻り、以降、電源の遮断がなければ割込みを禁止する処理(ステップS324)から停電が発生したか否かの判定(ステップS328)を繰り返し行う。
停電が発生したか否かの判定(ステップS328)において停電が発生した場合は、停電発生時の処理を行う。なお、停電発生の直後は、バックアップ電源70bにより以下の停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
この停電発生時の処理では、まず、割り込みを禁止する処理(ステップS329)を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理(ステップS330)を行い、停電検査領域をクリアする処理(ステップS331)を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS332)を行った後、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS333)を行い、RWM30bへのアクセスを禁止する処理(ステップS334)を行ってパチンコ遊技機300の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWM30bに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
次に、上述のメイン処理におけるメイン制御インターバル設定処理(ステップS319)の詳細について説明する。図21に示すように、このメイン制御インターバル設定処理においては、まず、CPU30aは、ROM30cに記憶された主制御遅延期間記憶手段としてのメイン制御インターバル設定テーブル30c2から、メイン制御インターバル乱数を抽出する処理(ステップS319a)を行う。
次に、ステップS319aにおいて抽出されたメイン制御インターバル乱数値に対応付けられたメイン制御インターバル時間を決定する処理(ステップS319b)を行う。具体的には、図22に示すように、メイン制御インターバル設定テーブル30c2には、複数の主制御遅延期間としてのメイン制御インターバル時間の各々に、主制御遅延乱数としてのメイン制御インターバル乱数が対応付けられており、例えば、メイン制御インターバルT1(0.5s)には、メイン制御インターバル乱数「0」〜「4」、メイン制御インターバルT2(1.0s)には、メイン制御インターバル乱数「5」〜「9」、メイン制御インターバルT3(1.5s)には、メイン制御インターバル乱数「10」〜「14」、メイン制御インターバルT4(2.0s)には、メイン制御インターバル乱数「15」〜「19」、メイン制御インターバルT5(2.5s)には、メイン制御インターバル乱数「20」〜「24」が対応付けられて記憶されており、ステップS319aにおいて抽出されたメイン制御インターバル乱数値が「3」の場合、メイン制御インターバル時間「0.5s」が決定される。
次に、メイン制御インターバルタイマ(Tn)を設定する処理(ステップS319c)を行って、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過したか否かの判定(ステップS319d)を行う。
設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過したか否かの判定(ステップS319d)において、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過した場合(ステップS319d;Y)は、発射許可情報をセットする処理(ステップS319e)を行って、本処理を終了し、所定のメイン処理へ戻る。なお、発射許可情報をセットすることによって、払出制御装置50に発射許可情報が送信されることとなる。
一方、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過したか否かの判定(ステップS319d)において、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過していない場合(ステップS319d;N)は、ステップS319dの処理を繰り返す。
次に、上述の払出制御メイン処理における発射許可判定手段としての発射制御判定処理(ステップS102)の詳細について説明する。図23に示すように、この発射制御判定処理においては、まず、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されているか否かの判定(ステップS102e)を行う。
この払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されているか否かの判定(ステップS102e)において、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されている場合(ステップS102e;Y)は、遊技制御装置30から発射許可情報を受信したか否かの判定(ステップS102f)を行う。
この発射許可情報を受信したか否かの判定(ステップS102f)において、遊技制御装置30から発射許可情報を受信した場合(ステップS102f;Y)は、発射許可信号を「オン」にセットする処理(ステップS102g)を行い、本処理を終了する。
一方、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されているか否かの判定(ステップS102e)において、払出制御装置50がCRユニット(図示省略)に接続されていない場合(ステップS102e;N)は、発射許可信号を「オフ」にセットする処理(ステップS102h)を行い、本処理を終了する。
また、発射許可情報を受信したか否かの判定(ステップS102f)において、遊技制御装置から発射許可情報を受信していない場合(ステップS102f;N)は、発射許可信号を「オフ」にセットする処理(ステップS102h)を行い、本処理を終了する。
このように、第3実施形態におけるパチンコ遊技機300によれば、CPU30aによって、大当り乱数の初期化後、遊技制御装置30による制御の開始を遅延させることができ、また、大当り乱数の初期化後、遊技制御装置30による制御の開始までの期間を設定するための複数のメイン制御インターバル時間の各々に、メイン制御インターバル乱数が対応付けられたメイン制御インターバル設定テーブル30c2を備え、CPU30aによって、メイン制御インターバル設定テーブル30c2からメイン制御インターバル乱数を抽出し、該抽出したメイン制御インターバル乱数の値に基づいて、一のメイン制御インターバル時間を設定し、該設定したメイン制御インターバル時間の経過後に遊技制御装置30による制御の開始を許可することができる。
よって、メイン制御インターバル時間が経過するまで、遊技制御装置30による遊技の制御が開始されず、当該メイン制御インターバル時間が経過すると、遊技制御装置30による遊技制御の開始が許可されるので、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことができなくなり、不正に大当りを発生させることを防止することができる。
従って、不正行為が行われることを未然に防止することができ、不正行為に対する信頼性の高い遊技機とすることができる。
また、メイン制御インターバル設定テーブル30c2からメイン制御インターバル乱数を抽出し、該抽出したメイン制御インターバル乱数の値に基づいて一のメイン制御インターバル時間を設定するので、設定されるメイン制御インターバル時間がランダムになり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙いづらくなり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことをより好適に防止することができる。
また、遊技制御装置30aによる制御の開始が許可されることに基づき、CPU30aによって、大当り乱数の更新を実行することができる。
よって、遊技制御装置30による制御の開始が許可されることに基づき、大当り乱数の更新を実行するので、不正行為者に大当り乱数の更新開始タイミングを隠すことができ、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことを好適に防止することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態におけるパチンコ遊技機400について説明する。なお、第1〜3実施形態と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
〔メイン制御インターバル設定処理〕
図24に示すように、このメイン制御インターバル設定処理では、まず、CPU30aは、ROM30cに記憶された主制御遅延期間記憶手段としてのメイン制御インターバル設定テーブル30c2から、メイン制御インターバル乱数を抽出する処理(ステップS319f)を行う。
次に、ステップS319fにおいて抽出されたメイン制御インターバル乱数値に対応付けられたメイン制御インターバル時間を決定する処理(ステップS319g)を行う。
次に、メイン制御インターバルタイマ(Tn)を設定する処理(ステップS319h)を行う。そして、このとき、始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10cからの入力信号の有無の判定(ステップS319i)を行う。すなわち、メイン制御インターバル期間中に、特定入賞部への入賞を示す入力信号の検出を監視する入賞監視手段をなす。
この入力信号の有無の判定(ステップS319i)において、入力信号があった場合(ステップS319i;Y)は、エラー報知処理(ステップS319j)を、リセット信号の入力があるまで、繰り返し行う。すなわち、メイン制御インターバル期間中に入力信号を検出することに基づき、異常発生の報知を行う異常報知手段をなす。
一方、入力信号の有無の判定(ステップS319i)において、入力信号がない場合(ステップS319i;N)は、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過したか否かの判定(ステップS319k)を行う。
設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過したか否かの判定(ステップS319k)において、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過した場合(ステップS319k;Y)は、発射許可情報をセットする処理(ステップS319l)を行って、本処理を終了し、所定のメイン処理へ戻る。なお、発射許可情報をセットすることによって、払出制御装置50に発射許可情報が送信されることとなる。
一方、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過したか否かの判定(ステップS319k)において、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過していない場合(ステップS319k;N)は、ステップS319iへ戻り、ステップS319i以降の処理を繰り返す。
このように、第4実施形態におけるパチンコ遊技機400によれば、CPU30aによって、大当り乱数の初期化後、遊技制御装置30による制御の開始を遅延させることができ、また、大当り乱数の初期化後、遊技制御装置30による制御の開始までの期間を設定するための複数のメイン制御インターバル時間の各々に、メイン制御インターバル乱数が対応付けられたメイン制御インターバル設定テーブル30c2を備え、CPU30aによって、メイン制御インターバル設定テーブル30c2からメイン制御インターバル乱数を抽出し、該抽出したメイン制御インターバル乱数の値に基づいて、一のメイン制御インターバル時間を設定し、該設定したメイン制御インターバル時間の経過後に遊技制御装置30による制御の開始を許可することができる。
よって、メイン制御インターバル時間が経過するまで、遊技制御装置30による遊技の制御が開始されず、当該メイン制御インターバル時間が経過すると、遊技制御装置30による遊技制御の開始が許可されるので、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことができなくなり、不正に大当りを発生させることを防止することができる。
従って、不正行為が行われることを未然に防止することができ、不正行為に対する信頼性の高い遊技機とすることができる。
また、メイン制御インターバル設定テーブル30c2からメイン制御インターバル乱数を抽出し、該抽出したメイン制御インターバル乱数の値に基づいて一のメイン制御インターバル時間を設定するので、設定されるメイン制御インターバル時間がランダムになり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙いづらくなり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことをより好適に防止することができる。
また、遊技制御装置30aによる制御の開始が許可されることに基づき、CPU30aによって、大当り乱数の更新を実行することができる。
よって、遊技制御装置30による制御の開始が許可されることに基づき、大当り乱数の更新を実行するので、不正行為者に大当り乱数の更新開始タイミングを隠すことができ、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことを好適に防止することができる。
また、遊技制御装置30のCPU30aによって、設定されたメイン制御インターバル期間中に、特定入賞部への入賞を示す入力信号の検出を監視することができ、当該メイン制御インターバル期間中に入力信号を検出することに基づき、異常発生の報知を行うことができる。
よって、メイン制御インターバル期間期間中において特定入賞部への入賞が発生した場合は、不正行為と看做し、異常報知を行うことができるので、万が一、不正行為が行われたとしても早急に不正行為が行われた遊技機を発見することができる。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態におけるパチンコ遊技機500について説明する。なお、第1〜4実施形態と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
〔メイン制御インターバル設定処理〕
図25に示すように、このメイン制御インターバル設定処理では、まず、CPU30aは、ROM30cに記憶された主制御遅延期間記憶手段としてのメイン制御インターバル設定テーブル30c2から、メイン制御インターバル乱数を抽出する処理(ステップS319m)を行う。
次に、ステップS319mにおいて抽出されたメイン制御インターバル乱数値に対応付けられたメイン制御インターバル時間を決定する処理(ステップS319n)を行う。
次に、メイン制御インターバルタイマを設定する処理(ステップS319o)を行う。そして、このとき、始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10cからの入力信号の有無の判定(ステップS319p)を行う。すなわち、メイン制御インターバル期間中に、特定入賞部への入賞を示す入力信号の検出を監視する入賞監視手段をなす。
この入力信号の有無の判定(ステップS319p)において、入力信号があった場合(ステップS319p;Y)は、当該入力信号に基づく入賞信号を払出制御装置50へ送信する処理(ステップS319q)を行う。
次に、払出制御装置50からエラー信号を受信したか否かの判定(ステップS319r)を行う。
払出制御装置50からエラー信号を受信したか否かの判定(ステップS319r)において、払出制御装置50からエラー信号を受信した場合(ステップS319r;Y)は、エラー報知処理(ステップS319j)を、リセット信号の入力があるまで、繰り返し行う。すなわち、メイン制御インターバル期間中に入力信号を検出することに基づき、異常発生の報知を行う異常報知手段をなす。
一方、払出制御装置50からエラー信号を受信したか否かの判定(ステップS319r)において、払出制御装置50からエラー信号を受信していない場合(ステップS319r;N)は、ステップS319rの処理を繰り返す。
また、入力信号の有無の判定(ステップS319p)において、入力信号がない場合(ステップS319p;N)は、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過したか否かの判定(ステップS319t)を行う。
設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過したか否かの判定(ステップS319t)において、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過した場合(ステップS319t;Y)は、発射許可情報をセットする処理(ステップS319u)を行う。
一方、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過したか否かの判定(ステップS319t)において、設定されたメイン制御インターバル時間(Tn)が経過していない場合(ステップS319t;N)は、ステップS319pへ戻り、ステップS319p以降の処理を繰り返す。
次に、払出制御装置50から遊技制御装置30がメイン処理に復帰するための復帰信号を受信したか否かの判定(ステップS319w)を行う。
この復帰信号を受信したか否かの判定(ステップS319w)において、復帰信号を受信した場合(ステップS319w;Y)は、本処理を終了し、所定のメイン処理へ戻る。
一方、復帰信号を受信したか否かの判定(ステップS319w)において、復帰信号を受信していない場合(ステップS319w;N)は、ステップS319wの処理を繰り返す。
〔払出制御メイン処理〕
図26に示すように、払出制御メイン処理においては、まず、RWM50bを初期化する処理(ステップS501)を行うとともに、割り込みタイマの設定を行う。このRWM50bを初期化する処理では、具体的には、遊技制御装置30から送信された賞球数データや発射許可情報等の初期化を行う。
次に、第2インターバルを設定する処理(ステップS502)を行う。すなわち、発射許可判定のタイミングを遅延させる発射許可判定遅延手段をなす。なお、第2インターバル設定処理の詳細については後述する。
次に、発射制御基板60に発射許可信号を出力するか否かを所定の処理に基づき判定する発射制御判定処理(ステップS503)を行う。すなわち、発射許可判定手段をなす。
次に、払出過剰エラー(過剰に遊技球を払い出すエラー)を監視する処理(ステップS504)を行う。具体的には、払出過剰エラーの発生と解除を行い、エラーが発生した場合は、新たに払い出し動作を行わず、エラー解除SW102の入力があった場合に、エラーを解除する。
次に、賞球払い出し動作の開始条件に関する賞球制御開始判定処理(ステップS505)を行う。具体的には、賞球払い出し動作の開始条件として、例えば、記憶領域の獲得遊技球数の残数の判定、シュート球切れSW103に基づくシュート球切れエラーの判定、オーバーフローSW104に基づくオーバーフローエラーの判定、払出球検出SW101異常の判定等を行う。
次に、球貸払い出し動作の開始条件に関する球貸制御開始判定処理(ステップS506)を行う。具体的には、球貸払い出し動作の開始条件として、例えば、貸出ユニット制御基板側から球貸動作開始信号(BRDY信号の立下り)、球貸要求信号(BRQ信号の立下り)を受信するか判定を行う。
次に、球貸制御処理(ステップS507)を行う。具体的には、例えば、球貸準備信号(EXS信号の立下り)の出力データの設定、球貸指令信号(BRQ信号の立上り)を受けて球貸払い出しの開始の設定、球貸完了信号(EXS信号の立上り)の出力データの設定、球貸動作終了信号(BRDY信号の立上り)を受けて球貸制御の終結の設定などを行う。
次に、賞球制御処理(ステップS508)を行う。具体的には、賞球払出数の設定、払出不足数のリトライ動作の制御、賞球制御終結の設定などを行う。
次に、払出制御処理(ステップS509)を行う。具体的には、払出モータ105を制御して貸球又は賞球を払い出す。
次に、シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、払出球検出スイッチ異常エラー、払出不足エラー、払出過剰エラー、通信コネクタ未接続エラー、CRユニット未接続エラー、貸球価値不適合エラー等のエラー信号に基づくエラー報知編集処理(ステップS510)を行う。そして、ステップS503に戻り、ステップS503以降の処理を繰り返す。
次に、上述の払出制御メイン処理における第2インターバル設定処理(ステップS502)の詳細について説明する。図27に示すように、この第2インターバル設定処理においては、まず、CPU50aは、ROM50cに記憶された第2インターバル設定テーブル50c1から、第2インターバル乱数を抽出する処理(ステップS502a)を行う。
次に、ステップS502aにおいて抽出された第2インターバル乱数値に対応付けられた第2インターバル時間を決定する処理(ステップS502b)を行う。
次に、第2インターバルタイマ(tn)を設定する処理(ステップS502c)を行う。そして、このとき、遊技制御装置30から入賞信号を受信したか否かの判定(ステップS502d)を行う。
この遊技制御装置30から入賞信号を受信したか否かの判定(ステップS502d)において、入賞信号を受信した場合(ステップS502d;Y)は、エラー信号を遊技制御装置30へ送信する処理(ステップS502e)を、リセット信号の入力があるまで、繰り返し行う。
一方、遊技制御装置30から入賞信号を受信したか否かの判定(ステップS502d)において、入賞信号を受信していない場合(ステップS502d;N)は、設定された第2インターバル時間(tn)が経過したか否かの判定(ステップS502f)を行う。
設定された第2インターバル時間(tn)が経過したか否かの判定(ステップS502f)において、設定された第2インターバル時間(tn)が経過した場合(ステップS502f;Y)は、復帰信号を遊技制御装置30へ送信する処理(ステップS502g)を行って、本処理を終了し、所定の払出制御メイン処理へ戻る。
一方、設定された第2インターバル時間(tn)が経過したか否かの判定(ステップS502f)において、設定された第2インターバル時間(tn)が経過していない場合(ステップS502f;N)は、ステップS502dへ戻り、ステップS502d以降の処理を繰り返す。
このように、第5実施形態におけるパチンコ遊技機500によれば、CPU30aによって、大当り乱数の初期化後、遊技制御装置30による制御の開始を遅延させることができ、また、大当り乱数の初期化後、遊技制御装置30による制御の開始までの期間を設定するための複数のメイン制御インターバル時間の各々に、メイン制御インターバル乱数が対応付けられたメイン制御インターバル設定テーブル30c2を備え、CPU30aによって、メイン制御インターバル設定テーブル30c2からメイン制御インターバル乱数を抽出し、該抽出したメイン制御インターバル乱数の値に基づいて、一のメイン制御インターバル時間を設定し、該設定したメイン制御インターバル時間の経過後に遊技制御装置30による制御の開始を許可することができる。
よって、メイン制御インターバル時間が経過するまで、遊技制御装置30による遊技の制御が開始されず、当該メイン制御インターバル時間が経過すると、遊技制御装置30による遊技制御の開始が許可されるので、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことができなくなり、不正に大当りを発生させることを防止することができる。
従って、不正行為が行われることを未然に防止することができ、不正行為に対する信頼性の高い遊技機とすることができる。
また、メイン制御インターバル設定テーブル30c2からメイン制御インターバル乱数を抽出し、該抽出したメイン制御インターバル乱数の値に基づいて一のメイン制御インターバル時間を設定するので、設定されるメイン制御インターバル時間がランダムになり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙いづらくなり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことをより好適に防止することができる。
また、遊技制御装置30aによる制御の開始が許可されることに基づき、CPU30aによって、大当り乱数の更新を実行することができる。
よって、遊技制御装置30による制御の開始が許可されることに基づき、大当り乱数の更新を実行するので、不正行為者に大当り乱数の更新開始タイミングを隠すことができ、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことを好適に防止することができる。
また、遊技制御装置30のCPU30aによって、設定されたメイン制御インターバル期間中に、特定入賞部への入賞を示す入力信号の検出を監視することができ、当該メイン制御インターバル期間中に入力信号を検出することに基づき、異常発生の報知を行うことができる。
よって、メイン制御インターバル期間期間中において特定入賞部への入賞が発生した場合は、不正行為と看做し、異常報知を行うことができるので、万が一、不正行為が行われたとしても早急に不正行為が行われた遊技機を発見することができる。
また、遊技球を発射する発射装置(図示省略)と、遊技制御装置30から発射装置による遊技球の発射許可を示す指令を受けることに基づき、該発射装置による遊技球の発射を許可する払出制御装置50と、払出制御装置50から遊技球の発射を許可する発射許可信号が入力されることに基づき、発射装置による遊技球の発射制御を実行する発射制御基板60と、を備え、電源供給装置70は、遊技制御装置30に対して初期化指令信号を出力するとともに、払出制御装置50に対しても初期化指令信号を出力して、払出制御装置50に設けられたRWM50bの内容を初期化するように構成し、払出制御装置50は、C
PU50aによって、発射制御基板60に発射許可信号を出力するか否かを所定の処理に基づき判定することができるとともに、当該判定の判定タイミングを遅延させることができる。具体的には、電源供給装置70によってRWM50bの内容が初期化されてから発射許可の判定が行われるまでの期間を設定するための複数の第2インターバル時間の各々に、第2インターバル乱数が対応付けられて記憶された第2インターバル設定テーブル50c1を備え、第2インターバル設定テーブル50c1から第2インターバル乱数を抽出し、該抽出した第2インターバル乱数の値に基づいて一の第2インターバル時間を設定し、該設定した第2インターバル時間の経過後に、CPU50aによって、発射許可の判定を実行可能とした。
よって、メイン制御インターバル設定テーブル30c2からメイン制御インターバル乱数を抽出し、該抽出したメイン制御インターバル乱数の値に基づいて一のメイン制御インターバル時間を設定するとともに、第2インターバル設定テーブル50c1から第2インターバル乱数を抽出し、該抽出した第2インターバル乱数の値に基づいて一の第2インターバル時間を設定するので、第2インターバル時間がランダムとなることとなって、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙いづらくなり、不正行為者が大当り乱数値のうち当り値を狙うことを、より一層確実に防止することができる。
なお、本発明の遊技機は、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、パチスロ遊技機など、全ての遊技機を用いることができる。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。