JP2012210093A - 碍子昇降具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】靴に対して着脱自在に取り付けられる碍子昇降具であって、靴の靴底に上面で接する靴底支持部材と2、靴底支持部材の上面に靴底を接した靴を靴底支持部材に対して着脱自在に固定する締結部材10と、靴底支持部材の底面によって一端部を支持され他端部を靴底支持部材の内側縁から内側へ突出させた係止部材20と、を備えている。
【選択図】図1
Description
特許文献2(特開平09−239684号公報)には、碍子チャッキング装置、及びこれを用いた碍子清掃装置が開示されているが、装置構成が大がかりであり、設置、移動、撤去に手数がかかるばかりでなく、高コストである。
また、特許文献1、2に開示された装置は何れも鉄塔上の絶縁碍子の保守、点検、清掃には不向きである。
特許文献3(特開2006−288370公報)には、枝打ちに際して使用する木登り器が開示されているが、傘状の部材を連接した構造の絶縁碍子にこの木登り器を適用して昇降することはできない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、作業員が大型の絶縁碍子に抱きついた状態で昇降する際に、絶縁碍子の傘状部分の間に差し込んで身体を安定させ易く、しかも着脱操作性、取扱い性が良好で安全性の高い碍子昇降具を提供するものである。
この碍子昇降具を作業靴に対して着脱することにより、碍子の凹凸形状を利用して作業靴を確実に碍子に係止することができ、安全に昇降することが可能となる。軽量、低コスト、取扱性、可搬性に優れる点も特徴である。
請求項2の発明は、前記係止部材は、板状の基材と、絶縁碍子の傘状部材と接する該基材の部位に被覆された高摩擦膜と、を備えていることを特徴とする。
碍子と接触する係止部材の適所に高摩擦部材を被覆することにより碍子との間で滑ることを防止できる。高摩擦部材を緩衝材料から構成すれば、碍子を損傷することもなくなる。
係止部材の先端(第3の部分)を、碍子を構成する傘状部材間の凹所内に差し込んで作業員の体重をかけることにより、第3の部分の上面と、第1の部分の下面が傘状部分と接触するので、作業員の姿勢を安定させることができる。しかも、この状態で靴から作業員の体重がかかることにより第1の部分の姿勢が略水平になるので、作業員の姿勢が安定して作業が容易となる。
請求項4の発明は、前記靴底支持部材の底面に対して、前記係止部材は前記内側への突出長を調整可能に構成されていることを特徴とする。
絶縁碍子の形状、サイズ等の変更に追従して、係止部材の突出長を変更することにより、最適の条件で昇降したり、作業員の体勢を保持することが可能となる。
請求項5の発明は、前記靴底支持部材の後部には、上下、及び前後位置を変更可能に背板が支持されていることを特徴とする。
背板の位置、角度を変更することにより、装着する靴のサイズの違いに対応することが可能となる。
図1(a)乃至(e)は本発明の一実施形態に係る碍子昇降具の構成を示す斜視図、正面図、左側面図、平面図、及び底面図であり、図2(a)乃至(e)は碍子昇降具を作業靴に装着して絶縁碍子を昇降する状態を示す説明図である。
碍子昇降具1は、左右の作業靴50の外面に対して着脱自在に装着できる構成を備えた昇降具本体Aと、各昇降具本体Aの底面に一部を固定され他の部位を昇降具本体の内側縁から突出させた係止部材20と、を概略備えている。
碍子昇降具1は、作業靴50の靴底51に上面で接する靴底支持部材(底板)2と、作業靴の背面を支持する背板5と、靴底支持部材2の上面に靴底51を接した作業靴50を靴底支持部材2に対して着脱自在に固定する締結部材10と、靴底支持部材2の底面によって一端部を支持され他端部を靴底支持部材の内側縁から内側へ突出させた係止部材20と、を概略備えている。
靴底支持部材2は、その底面(下面)で係止部材20を支持するため、十分な強度を備えた絶縁性の樹脂材料、カーボングラファイト、カーボンファイバー、グラスファイバー、各種の繊維強化プラスチック等から構成する。或いは、金属ベースの外面に絶縁樹脂等を被覆した構成であってもよい。その底面には、螺子穴3を形成し、係止部材20側に設けた穴20aをボルト(ナット)25により着脱自在に固定できるように構成する。或いは、係止部材20と靴底支持部材2とを予め一体化しておいてもよい。靴底支持部材2の先端縁には作業靴の先端部を係止する為の凸部2aを設ける。係止部材20を靴底支持部材に対して着脱交換可能に構成することにより、昇降する絶縁碍子の構造やサイズの違いに応じて最適な係止部材を装着して使用することが可能となる。
なお、係止部材20に設けた穴20aを図1(e)中に破線で示したような長穴とし、ボルト(ナット)により任意の位置で固定することにより、係止部材の先端部の突出長を調整することができる。
締結部材10は、例えば靴底支持部材2の一方の側端縁から延びた締結ベルト11と、対応する他方の側端縁に設けた締結具13と、から構成し、例えばズボン用のベルトのバックルの如き構成によって締結ベルト11を締結具13に設けた締結穴13a内に差し込んで任意の長さ位置で掛止できるように構成する。
係止部材の第1の部分20Bと第3の部分20Dとの間には段差があるため、第3の部分20Dを碍子の傘状部材間の谷間に差し込んで体重を掛けたときに第2の部分20Cが変形して第3の部分20Dが下降傾斜することにより、第3の部分20Dの底面が下側の傘状部材の上面に当接するので、係止部材20を安定して傘状部材間に保持することが出来る。
絶縁碍子60は複数個の傘状部材61を上下に連接した構成を有している。絶縁碍子の傘状部材の横幅(直径)は、30〜40cm程度である。この絶縁碍子60に作業員70が乗って昇降する際には、まず図示のように作業員70が作業靴の内側から突出した係止部材20の先端部を絶縁碍子の傘状部材61間の凹所62に差し込んで体重を掛ける。このとき係止部材先端の第3の部分20Dの上面は凹所62の上側の傘状部材の下面と圧接した状態となる。第3の部分20Dの外面には緩衝材兼滑り止め用のゴム等の弾性材料を被覆することにより、傘状部材の下面との間の滑りを防止できる。また、(c)に示すように靴底支持部材2に体重を掛けることにより、第2の部分20Cが下方に変形し、第2の部分20C、及び第2の部分20Bの下面が下側の傘状部材の上面と当接する。この際、靴底支持部材2の底面は図示のように水平に近い状態となるので、作業者は姿勢を安定させることができる。第2の部分20C、及び第2の部分20Bの下面にも緩衝材兼滑り止め材料を被覆しておくことにより、傘状部材の上面との滑りを防止して、係止部材を安定して保持することができる。
なお、作業員のベルトから伸びる安全帯75を絶縁碍子の傘状部材61間の凹所62に引っ掛けることにより、更なる安全確保を図る。
図2(a)(b)の状態から絶縁碍子に沿って上昇する際には、左右の脚を交互に上方に移動させる。この際、次の凹所62内に一方の作業靴の係止部材20を差し込んで確実に掛止してから、次の作業靴を更に上方に移動させて次の凹所62内に係止部材を差し込む。
下降時には上昇時と逆の手順を踏めばよい。
この碍子昇降具1は、樹脂製の昇降具本体40と、昇降具本体40の底面に対して着脱自在、或いは固定された係止部材30と、を備えている。
昇降具本体40は、十分な強度を備えた絶縁性の樹脂から構成されており、靴底支持部材2と、靴底支持部材2の先端及び側縁から夫々上方に突設された凸部2a、及び側壁2bと、靴底支持部材2の後縁に連接された背板5と、締結部材10と、を備えている。締結部材10は、靴底支持部材2の一方の側端縁から延びた締結ベルト11と、対応する他方の側端縁に設けた締結具13と、から構成する。
この碍子昇降具1の使用方法は前記実施形態とほぼ同様であり、靴底支持部材2の上面に靴底が整合して着座するように作業靴を装着してから締結部材10を締結すれば、作業靴を碍子昇降具1に固定することができる。
その他の構成、例えば係止部材20の構成、昇降具本体40に対する係止部材の取付構造等々は上記実施形態と同様である。
また、係止部材は、靴底支持部材の底面と接する一端部から内側へ略水平に延びる第1の部分と、該第1の部分から斜め上向きに延びる第2の部分と、該第2の部分から略水平に延びる第3の部分と、を備えている。このため、係止部材の先端(第3の部分)を、碍子を構成する傘状部材間の凹所内に差し込んで作業員の体重をかけることにより、第3の部分の上面と、第1の部分の下面が傘状部分と接触するので、作業員の姿勢を安定させることができる。しかも、この状態で靴から作業員の体重がかかることにより第1の部分の姿勢が略水平になるので、作業員の姿勢が安定して作業が容易となる。即ち、係止部材が全体的に水平であるとすれば、先端を碍子に係止して靴から体重を掛けた場合には、係止部材の靴側が下方へ撓んで傾斜する。この姿勢では、作業がやりずらい。そこで、体重をかけた時の下降量を予め見込んで段差状に上向きとなる形状としたので、体重を掛けたときに靴を水平に維持することができる。
靴底支持部材の底面に対して、係止部材の内側への突出長を調整可能に構成することにより、絶縁碍子の形状、サイズ等の変化に追従して、係止部材の突出長を変更することにより、最適の条件で昇降したり、作業員の体勢を保持することが可能となる。
また、背板の位置、角度を変更することにより、装着する靴のサイズの違いに対応することが可能となる。
Claims (5)
- 靴に対して着脱自在に取り付けられる碍子昇降具であって、
前記靴の靴底に上面で接する靴底支持部材と、該靴底支持部材の上面に靴底を接した前記靴を該靴底支持部材に対して着脱自在に固定する締結部材と、前記靴底支持部材の底面によって一端部を支持され他端部を前記靴底支持部材の内側縁から内側へ突出させた係止部材と、を備えたことを特徴とする碍子昇降具。 - 前記係止部材は、板状の基材と、絶縁碍子の傘状部材と接する該基材の部位に被覆された高摩擦膜と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の碍子昇降具。
- 前記係止部材は、前記靴底支持部材の底面と接する一端部から前記内側へ略水平に延びる第1の部分と、該第1の部分から斜め上向きに延びる第2の部分と、該第2の部分から略水平に延びる第3の部分と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の碍子昇降具。
- 前記靴底支持部材の底面に対して、前記係止部材は前記内側への突出長を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の碍子昇降具。
- 前記靴底支持部材の後部には、上下、及び前後位置を変更可能に背板が支持されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の碍子昇降具。
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