JP2012209107A - 面発光素子及び照明器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一の透明電極層141、発光層142及び第二の透明電極層143をこの順に備える両面発光型の有機EL素子140と、有機EL素子140の表面144に設けられた出光面構造層100とを備える面発光装置10において、出光面構造層100は、有機EL素子140とは反対側の表面10Uに平坦面部113,114と斜面部115とを含む凹凸構造を有し、平坦面部114は、一方向に延在し周囲の斜面部115よりも窪むか突出している帯状面部を含み、帯状面部は、帯状面部が延在する方向において幅が変化していて、斜面部115を平坦面部113,114に対して平行な平面へと投影して形成される投影面積が、平坦面部113,114の合計面積の0.1倍以下である。
【選択図】図1
Description
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔5〕を要旨とする。
前記出光面構造層は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子とは反対側の表面に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記一方の表面に対して平行な平坦面部と、前記平坦面部に対して傾斜した斜面部とを含む凹凸構造を有し、
前記平坦面部は、一方向に延在する帯状面部を含み、
前記帯状面部は、前記帯状面部が延在する方向において幅が変化していて、
前記斜面部を、前記平坦面部に対して垂直な方向に、前記平坦面部に対して平行な平面へと投影して形成される投影面積が、前記平坦面部の合計面積の0.1倍以下である、面発光素子。
〔2〕 前記凹凸構造における前記平坦面部の高低差の最大値が22μm以下である、〔1〕記載の面発光素子。
〔3〕 前記斜面部が前記平坦面部に対して80°以上90°未満の傾斜角度で傾斜している、〔1〕又は〔2〕記載の面発光素子。
〔4〕 前記平坦面部の高低差の最大値が0.1μm以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の面発光素子。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の面発光素子を備える照明器具。
図1及び図2はいずれも本発明の第一実施形態に係る面発光素子を説明する図であって、図1は面発光素子を模式的に示す斜視図であり、図2は図1に示す面発光素子を線1a−1bを通り出光面に対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
さらに、本実施形態の面発光素子10は上述した部材以外にも構成要素を備えていてもよい。本実施形態では、有機EL素子140の発光面145に封止基材151が設けられているものとする。
例えば有機EL素子140として例示するように、有機EL素子は、通常、2層以上の電極層と、これらの電極層間に設けられ、電極から電圧を印加されることにより発光する発光層と、を備える。
透明電極層の材料としてはITO(酸化インジウムスズ)等を挙げることができる。
正孔注入層の材料としてはスターバースト系芳香族ジアミン化合物等を挙げることができる。
正孔輸送層の材料としてはトリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができる。
黄色発光層のホスト材料としてはトリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができ、黄色発光層のドーパント材料としてはテトラセン誘導体等を挙げることができる。
緑色発光層の材料としてはピラゾリン誘導体等を挙げることができる。
青色発光層のホスト材料としてはアントラセン誘導体等を挙げることができ、青色発光層のドーパント材料としてはペリレン誘導体等を挙げることができる。
赤色発光層の材料としてはユーロピウム錯体等を挙げることができる。
電子輸送層の材料としてはアルミニウムキノリン錯体(Alq)等を挙げることができる。
出光面構造層100は、面発光素子10の最も外側に位置する出光面10Uを備える。出光面10Uは、出光面構造層100の有機EL素子140とは反対側の表面であり、面発光素子10としての出光面、即ち、面発光素子10から装置外部に光が射出する際の出光面である。
さらに、構成要素が「平行」又は「垂直」であるとは、本発明の効果を損ねない範囲、例えば±5°の範囲内で誤差を含んでいてもよい。
凹凸構造層111は、面発光素子10の一方の表面(即ち面発光素子10の一方の出光面側の最外層。図中の上側)に位置する層である。凹凸構造層111の表面である出光面10Uには凹凸構造が形成されている。凹凸構造については詳しくは後述するが、この凹凸構造は、有機EL素子140の発光面144に対して平行な平坦面部113及び114と、これらの平坦面部113及び114に対して傾斜した斜面部115とを有して構成されている。具体的には、凹凸構造層111の出光面10Uは、平坦面部114を底面とし、かつ斜面部115を側面とする複数の凹部116と、隣り合う凹部116間の隙間部分に相当する平坦面部113とを有して構成される。ここで、斜面部が平坦面部に対して傾斜するとは、斜面部が平坦面部と平行でないことを表す。
以下、出光面10Uの凹凸構造について、図面を参照して詳細に説明する。
図3は、面発光素子10の出光面10Uの一部を、面発光素子10の厚み方向から見た様子を拡大して模式的に示す部分平面図である。また、図4は、凹凸構造層111を、図3の線3aを通り出光面10Uに対して垂直な面で切断した断面を模式的に示す部分断面図である。なお、前記の線3aは、一列の凹部116の全ての平坦面部114の上を通る線であるものとする。また、以下の説明において「厚み方向」とは、特に断らない限り、面発光素子の厚み方向を指す。
図5及び図6に示すように、平坦面部113には、一方向Xに沿って延在する一群の帯状面部113Xと、別の一方向Yに沿って延在する一群の帯状面部113Yとが含まれる。ここで、帯状面部113X及び113Yはいずれも平坦面部113に含まれる面部であるので、本実施形態では周囲の斜面部115よりも厚み方向の外側に位置する。このため、帯状面部113X及び113Yは、周囲の斜面部115よりも突出した面部となっている。
この際、帯状面部113X及び113Yの幅の変化は、不連続であってもよいが、製造が容易であるために連続的であることが好ましい。ここで、帯状面部113X及び113Yの幅の変化が連続的であるとは、帯状面部113X及び113Yが延在する方向X及びYの一端から他端に行くにしたがって、当該帯状面部113X及び113Yの幅が次第に大きくなるか小さくなっていくことにより、方向X及びYにおいて帯状面部113X及び113Yの幅が不均一となっていることを意味する。
また、各帯状面部113X及び113Yの寸法は、同じでもよく、異なっていてもよい。
また、基材フィルム層112の厚さは、20μm〜300μmであることが好ましい。
出光面構造層100は、複数の層からなるものとしうるが、単一の層からなってもよい。所望の特性を備えた出光面構造層100を容易に得る観点からは、複数の層からなることが好ましい。本実施形態では、図1に示すように、出光面構造層100は、凹凸構造層111と基材フィルム層112とを組み合わせた複層体110を含むようになっているものとする。これにより、性能の高い出光面構造層100を容易に得ることができる。
図1に示すように、本実施形態の面発光素子10は、有機EL素子140と複層体110との間に、支持基板131を備える。支持基板131を備えることにより、面発光素子10に、たわみを抑制する剛性を与えることができる。また、支持基板131として、有機EL素子140を封止する性能に優れて、且つ、製造工程において有機EL素子140を構成する層をその上に順次形成することを容易に行い得る基板を備えることにより、面発光素子10の耐久性を向上させ、且つ製造を容易にすることができる。
支持基板131の厚さは、特に限定されないが、0.1mm〜5mmであることが好ましい。
本実施形態の面発光素子10は、複層体110と支持基板131との間に接着層121を備える。接着層121は、複層体110の基材フィルム層112と支持基板131との間に介在して、これらの2層を接着する層である。
接着層121の材料である接着剤は、狭義の接着剤(23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaであり、常温で粘着性を示さない、いわゆるホットメルト型の接着剤)のみならず、23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa未満である粘着剤をも包含する。具体的には、支持基板131あるいは基材フィルム層112に近い屈折率を有し、且つ透明な材料を適宜用いうる。より具体的には、アクリル系接着剤あるいは粘着剤が挙げられる。接着層の厚さは、5μm〜100μmであることが好ましい。
本実施形態の面発光素子10は、発光面145に封止基材151を備える。封止基材151は、発光面145に直接接するように設けてもよい。また、発光面145と封止基材151との間に、充填材や接着剤等の任意の物質が存在していてもよいし、空隙が存在していてもよい。空隙には、発光層142の耐久性を大きく損なう等の不都合がない限りは空気やその他の気体が存在してもよいし、空隙内を真空としてもよい。
面発光素子10の製造方法は、特に限定されない。例えば、支持基板131の一方の面に有機EL素子140を構成する各層を積層する工程と、凹凸構造層111及び基材フィルム層112を有する複層体110を用意する工程と、用意した複層体110を接着層121を介して支持基板131の他方の面に貼付する工程と、有機EL素子140の支持基板131とは反対側の面に封止基材151を設ける工程とを行うことにより製造してもよい。なお、前記の各工程は、所望の面発光素子10が得られる限り順番に制限はない。
(方法1)基材フィルム層112を構成する樹脂組成物Aの層及び凹凸構造層111を構成する樹脂組成物Bの層(凹凸構造はまだ形成されていない)を有する未加工複層体を用意し、かかる未加工複層体の樹脂組成物B側の面上に、凹凸構造を形成する方法;及び
(方法2)基材フィルム層112の上に、液体状態の樹脂組成物Bを塗布し、塗布された樹脂組成物Bの層に型を当て、その状態で樹脂組成物Bを硬化させ、凹凸構造層111を形成する方法
などを挙げることができる。
より具体的には、長尺の未加工複層体を押出成形により連続的に形成し、所望の表面形状を有する転写ロールとニップロールとで未加工複層体を加圧し、それにより、連続的な製造を効率的に行うことができる。転写ロールとニップロールとによる挟み圧力は、好ましくは数MPa〜数十MPaである。また転写時の温度は、樹脂Bのガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg以上(Tg+100℃)以下である。未加工複層体と転写ロールとの接触時間はフィルムの送り速度、すなわちロール回転速度によって調整でき、好ましくは5秒以上600秒以下である。
本実施形態の面発光素子10は上述したように構成されているため、有機EL素子140の発光面144から発せられる光は出光面構造層100を透過して出光面10Uを通って出光し、発光面145から発せられる光は封止基材151を透過して出光面10Dを通って出光する。
第一実施形態においては、有機EL素子の2つの発光面のうち一方の発光面に凹凸構造を配置するようにしたが、両方の出光面に凹凸構造を配置するようにしてもよい。以下、その例を、図面を用いて説明する。
第一及び第二実施形態においては、同じ出光面10Uにおける平坦面部113と平坦面部114との高低差Hを一定にしたが、この高低差Hを不揃いにして寸法差を設けるようにしてもよい。中でも、出光面10Uを通って出光する出射光及び出光面10Uで反射した反射光の一方又は両方の干渉をもたらす差異を超える寸法差を設けると、前記の出射光及び反射光の一方又は両方の干渉による虹ムラを抑制できるため、好ましい。ここで、出光面通って出光する出射光には、有機EL素子が発した光だけでなく、当該出光面の反対側から面発光素子へ入射して面発光素子を透過した透過光も含む。以下、このような凹凸構造の例を、図面を用いて説明する。
本発明に係る出光面構造層は、有機EL素子を備える面発光素子であれば、任意のものに適用できる。したがって、有機EL素子に対して対称な層構造を有する面発光素子に対して上述した出光面構造層を設けてもよく、有機EL素子に対して非対称な層構造を有する面発光素子に対して出光面構造層を設けてもよい。例えば、有機EL素子に対して非対称な層構造を有する面発光素子に出光面構造層を適用してもよい。以下、その例を、図面を用いて説明する。
本発明の面発光素子について実施形態を示して説明したが、本発明は更に変更して実施してもよい。
例えば、上述した実施形態では、全ての帯状面部が、その延在する方向において幅が変化している形態を示したが、一部の帯状面部は、その延在する方向において幅が均一になっていてもよい。
具体例を挙げると、平坦面部は、上述した実施形態のように高さ位置を2段階に揃えて設ける以外にも、図11に示すように1段階に揃えて設けてもよい。図11は、本発明の別の実施形態に係る凹凸構造層の断面を模式的に示す断面図である。図11に示す凹凸構造層511においては、錐形状の凹部516の側面として斜面部515が設けられ、隣り合う凹部516間の隙間に高さ位置を揃えて平坦面部513が設けられている。このように平坦面部の高さ位置を1段階に揃える場合でも、シースルーであることを維持しながら、高効率で光を取り出すことができ、また、出光面50Uにおいて帯状面部の視認を防止できる。なお、平坦面部の高さ位置を1段階で揃える場合、平坦面部同士の高低差はゼロになるが、この場合でも凹部又は凸部の高さHに寸法差を設けると、出射光及び反射光の一方又は両方の干渉による虹ムラを抑制できる。
本発明の面発光素子は、例えば、照明器具、バックライト装置及び表示装置等の用途に用いてもよい。
照明器具は、本発明の面発光素子を光源として有し、さらに、必要に応じて、光源を保持する部材、電力を供給する回路等の任意の構成要素を備える。
また、バックライト装置は、本発明の面発光素子を光源として有し、さらに、必要に応じて、筐体、電力を供給する回路、出光する光をさらに均一にするための拡散板、拡散シート、プリズムシート等の任意の構成要素を含む。バックライト装置の用途は、液晶表示装置等、画素を制御して画像を表示させる表示装置、並びに看板等の固定された画像を表示させる表示装置のバックライト等が挙げられる。
さらに、表示装置としては、例えば有機ELディスプレイ装置などが挙げられる。また、前記のバックライト装置を備える液晶表示装置等も、表示装置に含まれる。
以下の説明において、量を示す「部」及び「%」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
(複層体の製造)
ロール状の基材フィルム(商品名「ゼオノアフィルム」、日本ゼオン株式会社製、脂環式構造含有重合体樹脂のフィルム、厚さ100μm、屈折率1.53)に、ウレタンアクリレートを主成分とするUV硬化樹脂(屈折率1.54)を塗布して塗膜を形成し、かかる塗膜上に金属モールドを押し付けた。この状態で、紫外線を1.5mJ/cm2照射し塗膜を硬化させ、凹凸構造を有する凹凸構造層(25μm)を形成した。
(1)型とする金属板の一方の面上において、面内のある方向に沿って、ある切削ピッチPで切削する。この1回目の切削により形成された切削跡801は、図14では一点鎖線で示す。
(2)切削開始位置802および切削ピッチPが1回目の切削と同じになるように設定して、再び切削を行う。この切削での切削方向は、既に形成された切削跡801と、今回の切削により形成される切削跡803とが重複し、切削終了位置804での切削面幅の合計が切削バイトの先端部幅のおよそ切削回数倍(例えば、2回目の切削であれば2倍)以下となる方向とする。例として、2回目の切削により形成された切削跡803を、図14に実線で示す。
(3)さらに前記(2)で説明した切削を、切削終了位置804における切削面幅の合計が所望の切削面幅となる回数だけ行う。通常、切削終了位置804における切削面幅が、切削により形成される溝の最大切削面幅となる。この最大切削面幅は、切削バイトの先端部幅の3倍以内であれば、切削方向の角度を調整することによって任意に変更できる。これにより、その延在方向において溝幅が連続的に変化した第一群の溝が、金属モールドに形成される。
(4)第一群の溝を形成するために1回目に切削した方向に対して所定の交差角度で交差する方向に沿って、前記の(1)〜(3)の切削方法で切削を行い、第一群の溝に交差する第二群の溝を、金属モールドに形成する。
主面に透明電極層が形成されたガラス基板上に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホール阻止層、電荷発生層、金属酸化物層及び陰極を、この順に形成した。各層を形成した材料と膜厚は下記の通りである。
・ホール注入層:三酸化モリブデン(MoO3)5nm
・ホール輸送層:NS−21[新日鉄化学株式会社製]及びMoO3 20nm、さらにNS−21 5nm、合計25nm
・発光層:NS−21及びEY52(e−Ray Optoelectronics Technology社(以下、e−Ray社とする)製)20nm、さらにEB43及びEB52(共にe−Ray社製)30nm、合計50nm
・ホール阻止層:ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(BAlq) 5nm
・電荷発生層:Liq及びDPB 35nm、さらにアルミニウム 1.5nm、さらにNS−21及びMoO3 10nm、合計37.5nm
・金属酸化物層:MoO3 5nm
・陰極:ITO 100nm
得られた透明有機EL素子1に、凹凸構造層を形成した基材フィルムを粘着層(アクリル系樹脂、屈折率1.49、日東電工社製、CS9621)を介して貼り合せ、透明有機EL素子1−粘着層−基材フィルム−凹凸構造層との層構成を有する面発光素子1を得た。得られた面発光素子1を通電して発光させ、面発光素子1の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
図17は、実施例2(及び後述する実施例3〜9及び比較例2〜5)で用いた金属モールドを、その切削終了位置において、一方の切削方向に対して垂直な平面で切った断面を模式的に示す断面図である。
切削バイトを、頂角が30.0°、先端幅が100.0μmのものに変更した。
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を20.0μmとし、切削ピッチP1〜P5を400μmにし、さらに溝の切削終了位置における切削面幅W1〜W5を、W1が100μm、W2が150μm、W3が200μm、W4が250μm、W5が300μmとなるようにし、こうして形成される5本の溝を繰り返し単位として繰り返し切削を行った。
以上のこと以外は実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み25μm)を製造し、面発光素子2を製造した。
切削バイトを、頂角が20.0°、先端幅が100μmのものに変更した。
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を30.0μmでとし、切削ピッチP1〜P5を、P1が450μm、P2が475μm、P3が500μm、P4が525μm、P5が550μmとなるようにし、さらに溝の切削終了位置における切削面幅W1〜W5を200μmとし、こうして形成される5本の溝を繰り返し単位として、繰り返し切削を行った。
以上のこと以外は実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み35μm)を製造して、面発光素子3を製造した。
切削バイトを、頂角が30.0°、先端幅が150μmのものに変更した。
また、図17に示すように、溝の深さH1〜H5を、H1が24.4μm、H2が24.7μm、H3が25.0μm、H4が25.3μm、およびH5が25.6μmとなるようにし、切削ピッチP1〜P5を、P1が360μm、P2が380μm、P3が400μm、P4が420μm、P5が440μmとなるようにし、さらに溝の切削終了位置における切削面幅W1〜W5を300μmとし、こうして形成される5本の溝を繰り返し単位として、繰り返し切削を行った。
以上のこと以外は実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み30μm)を製造して、面発光素子4を製造した。
切削バイトを、頂角が8.0°、先端幅が50.0μmのものに変更した。
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を20.0μmとし、切削ピッチP1〜P5を、P1が180μm、P2が190μm、P3が200μm、P4が210μm、P5が220μmとなるようにし、さらに溝の切削終了位置における切削面幅W1〜W5を、W1が50μm、W2が75μm、W3が100μm、W4が125μm、W5が150μmになるようにし、こうして形成される5本の溝を繰り返し単位として、繰り返し切削を行った。
以上のこと以外は、実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み25μm)を製造して、面発光素子5を製造した。
切削バイトを、頂角が25.0°、先端幅が50.0μmのものに変更した
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を、H1が19.4μm、H2が19.7μm、H3が20.0μm、H4が20.3μm、H5が20.6μmとなるようにし、切削ピッチP1〜P5が400μmとなるようにし、さらに溝の切削終了位置における切削面幅W1〜W5を、W1が50μm、W2が62.5μm、W3が75μm、W4が87.5μm、W5が100μmになるようにし、こうして形成される5本の溝を繰り返し単位として、繰り返し切削を行った。
以上のこと以外は、実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み25μm)を製造して、面発光素子6を製造した。
切削バイトを、頂角が5.0°、先端幅が50.0μmのものに変更した。
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を、H1が19.4μm、H2が19.7μm、H3が20.0μm、H4が20.3μm、H5が20.6μmとなるようにし、切削ピッチP1〜P5を、P1が180μm、P2が190μm、P3が200μm、P4が210μm、P5が220μmとなるようにし、溝の切削終了位置における切削面幅W1〜W5を、W1が50μm、W2が75μm、W3が100μm、W4が125μm、W5が150μmになるようにし、こうして形成される5本の溝を繰り返し単位として、繰り返し切削を行った。
以上のこと以外は、実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み25μm)を製造して、面発光素子7を製造した。
切削バイトを、頂角が5.0°、先端幅が25.0μmのものに変更した。
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を、H1が19.4μm、H2が19.7μm、H3が20.0μm、H4が20.3μm、H5が20.6μmとなるようにし、切削ピッチP1〜P5を、P1が180μm、P2が190μm、P3が200μm、P4が210μm、P5が220μmとなるようにし、溝の切削終了位置における切削面幅W1〜W5を、W1が25.0μm、W2が37.5μm、W3が50.0μm、W4が62.5μm、W5が75.0μmになるようにし、第一群の溝と第二群の溝との交差角度を60°となるようにした。
以上のこと以外は、実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み25μm)を製造して、面発光素子8を製造した。
切削バイトを、頂角が10.0°、先端幅が60.0μmのものに変更した。
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を、H1が14.4μm、H2が14.7μm、H3が15.0μm、H4が15.3μm、H5が15.6μmとなるようにし、切削ピッチP1〜P5を、P1が180μm、P2が190μm、P3が200μm、P4が210μm、P5が220μmとなるようにし、溝の切削終了位置における切削面幅W1〜W5を、W1が60.0μm、W2が90.0μm、W3が120.0μm、W4が150.0μm、W5が180.0μmになるようにし、第一群の溝と第二群の溝との交差角度を60°となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして金属モールドを製造した。Ni電鋳(厚み約300μm)にて、この金属モールドから反転した形状の型を製造した。こうして得られた型を、凹凸構造層を形成する転写型としたこと以外は、実施例1と同様にして凹凸構造層(厚み20μm)を製造し、面発光素子9を製造した。
切削バイトを、頂角が20.0°、先端幅が10.0μmのものに変更した。
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を、H1が19.4μm、H2が19.7μm、H3が20.0μm、H4が20.3μm、H5が20.6μmとなるようにし、切削ピッチP1〜P5を100.0μmとした。
さらに、各方向への切削はそれぞれ1回だけ行うようにして、溝が延在する方向において切削面幅が均一になるようにした。
以上のこと以外は、実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み25μm)を製造して、面発光素子10を製造した。
得られた面発光素子10を通電して発光させ、面発光素子10の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
切削バイトを、頂角が40.0°、先端幅が10.0μmのものに変更した。
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を5.0μmとなるようにし、切削ピッチP1〜P5を、P1が31.5μm、P2が33.3μm、P3が35.0μm、P4が36.8μm、P5が38.5μmとなるようにした。
さらに、各方向への切削はそれぞれ1回だけ行うようにして、溝が延在する方向において切削面幅が均一になるようにした。
以上のこと以外は、実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み10μm)を製造し、面発光素子11を製造した。
得られた面発光素子11を通電して発光させ、面発光素子11の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
切削バイトを、頂角が20.0°、先端幅が30.0μmのものに変更した。
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を、H1が24.4μm、H2が24.7μm、H3が25.0μm、H4が25.3μm、H5が25.6μmとなるようにし、切削ピッチP1〜P5を、P1が90.0μm、P2が95.0μm、P3が100.0μm、P4が105.0μm、P5が110.0μmとなるようにした。
さらに、各方向への切削はそれぞれ1回だけ行うようにして、溝が延在する方向において切削面幅が均一になるようにした。
以上のこと以外は、実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み30μm)を製造し、面発光素子12を製造した。
得られた面発光素子12を通電して発光させ、面発光素子12の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
切削バイトを、頂角が30.0°、先端幅が50.0μmのものに変更した。
また、図17に示すように、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を、H1が24.4μm、H2が24.7μm、H3が25.0μm、H4が25.3μm、H5が25.6μmとなるようにし、切削ピッチP1〜P5を、P1が90.0μm、P2が95.0μm、P3が100.0μm、P4が105.0μm、P5が110.0μmとなるようにした。
さらに、各方向への切削はそれぞれ1回だけ行うようにして、溝が延在する方向において切削面幅が均一になるようにした。
以上のこと以外は、実施例1と同様にして金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み30μm)を製造し、面発光素子13を製造した。
得られた面発光素子13を通電して発光させ、面発光素子13の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
(光取り出し量)
実施例1で得られた透明有機EL素子1、並びに実施例1〜9及び比較例2〜5で得られた面発光素子1〜13について、プログラム(プログラム名「ASAP」、Breault Reserch社製)を用いた光学シミュレーションで、発光層の光度を1lmとし、両面からでてくる光度を算出した。得られた値を表1〜3に示す。なお、表1〜3において「貼合面」欄の数値は、凹凸構造層が設けられて凹凸構造を有する出光面からの光取出量を表し、「裏面」欄の数値は、凹凸構造層の無いガラス表面からの光取出量を表す。また、透明有機EL素子1については比較例1として取り扱う。比較例1において、「貼合面」欄の数値および「裏面」欄の数値は、いずれも、凹凸構造層の無いガラス表面からの光取出量を表す。
実施例1〜9並びに比較例2〜5で得られた凹凸構造層について、プログラム(プログラム名「ASAP」、Breault Reserch社製)を用いた光学シミュレーションで、平行光透過率と拡散光透過率を算出し、凹凸構造層の透明性を表す数値として、(拡散光透過率)/(平行光透過率+拡散光透過率)×100を算出した。この数値が低いほど、厚み方向から見た透明性に優れることを表す。得られた値を表1〜3に示す。
実施例1〜実施例9、および比較例2〜比較例5で得られた面発光素子1〜13について目視観察し、格子ムラの有無を確認した。実施例1〜実施例9は凹凸構造層に含まれる平坦面部の幅が変化しているため、格子ムラがほとんど観察されず優良であった。
5mm×5mmサイズの文字を配列した表示面の50cm手前に、透明有機EL素子1および面発光素子1〜13を非点灯状態で配置し、透明有機EL素子1および面発光素子1〜13を通して、正面方向および斜め方向から文字を観察した。文字がにじみやゆがみが無くはっきり見えるものを「優」、にじみやゆがみがあるが、文字が読み取れるものを「良」、にじみやゆがみが多く、文字がはっきり読み取れないものを「不良」とした。結果を表1〜3に示す。
実施例1〜実施例9、および比較例2〜比較例5で得られた面発光素子について目視観察し、虹ムラの有無を確認した。実施例1〜実施例4、および比較例2〜比較例5は、いずれも凹凸構造の高低差を所定範囲で不揃いとしているため、凹凸構造層の表裏面での反射光における干渉に基づく虹ムラがほとんど観察されず優良であった。
図15に示すように、切削バイトを、頂角が5.0°、先端幅が50.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を20.0μmとなるようにし、溝の切削終了位置における切削面幅Wを100.0μmになるようにし、切削ピッチPを200.0μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み25μm)を製造して、面発光素子14を製造した。
得られた面発光素子14を通電して発光させ、面発光素子14の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
図15に示すように、切削バイトを、頂角が40.0°、先端幅が100.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を10.0μmとなるようにし、溝の切削終了位置における切削面幅Wを200.0μmになるようにし、切削ピッチPを300.0μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み15μm)を製造して、面発光素子15を製造した。
得られた面発光素子15を通電して発光させ、面発光素子15の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
図15に示すように、切削バイトを、頂角が15.0°、先端幅が100.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を27.0μmとなるようにし、切削終了位置における切削面幅Wを300.0μmになるようにし、切削ピッチPを400.0μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み32.0μm)を製造して、面発光素子16を製造した。
得られた面発光素子16を通電して発光させ、面発光素子16の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
図15に示すように、切削バイトを、頂角が30.0°、先端幅が200.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を25.0μmとなるようにし、切削終了位置における切削面幅Wを400.0μmになるようにし、切削ピッチPを500.0μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚30.0μm)を製造して、面発光素子17を製造した。
得られた面発光素子17を通電して発光させ、面発光素子17の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が優れていた。
図15に示すように、切削バイトを、頂角が20.0°、先端幅が10.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を20.0μmとなるようにし、切削ピッチPを100.0μmとし、さらに、各方向への切削はそれぞれ1回だけ行うようにして溝が延在する方向において切削面幅が均一になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み25μm)を製造して、面発光素子18を製造した。
得られた面発光素子18を通電して発光させ、面発光素子18の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
図15に示すように、切削バイトを、頂角が40.0°、先端幅が10.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を5.0μmとなるようにし、切削ピッチPを35.0μmとし、さらに、各方向への切削はそれぞれ1回だけ行うようにして溝が延在する方向において切削面幅が均一になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み10μm)を製造して、面発光素子19を製造した。
得られた面発光素子19を通電して発光させ、面発光素子19の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
図15に示すように、切削バイトを、頂角が20.0°、先端幅が30.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を25.0μmとなるようにし、切削ピッチPを100.0μmとし、さらに、各方向への切削はそれぞれ1回だけ行うようにして溝が延在する方向において切削面幅が均一になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み30μm)を製造して、面発光素子20を製造した。
得られた面発光素子20を通電して発光させ、面発光素子20の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
図15に示すように、切削バイトを、頂角が30.0°、先端幅が50.0μmのものに変更し、金属モールドに形成する溝の高さH1〜H5を25.0μmとなるようにし、切削ピッチPを100.0μmとし、さらに、各方向への切削はそれぞれ1回だけ行うようにして溝が延在する方向において切削面幅が均一になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、金属モールドを製造し、さらに凹凸構造層(厚み30μm)を製造して、面発光素子21を製造した。
得られた面発光素子21を通電して発光させ、面発光素子21の透過性を目視で評価すると、正面方向及び斜め方向からの透明性が劣っていた。
実施例10〜13及び比較例6〜9で得られた面発光素子14〜21について、上述した要領で、光取り出し量及び透明性を評価した。結果を表4及び表5に示す。
10U,10D 出光面
20 面発光素子
30U 出光面
40 面発光素子
50U 出光面
60U 出光面
70U 出光面
100 出光面構造層
110 複層体
111 凹凸構造層
112 基材フィルム層
113 平坦面部
113X 帯状面部
113Y 帯状面部
113Z 帯状面部の交差部分
114 平坦面部
115 斜面部
116 凹部
117 斜面部115と平坦面部113との境界線
121 接着層
131 支持基板
140 有機EL素子
141 第一の透明電極層
142 発光層
143 第二の透明電極層
144,145 発光面
151 封止基材
311 凹凸構造層
313 平坦面部
314 平坦面部
315 斜面部
316 凹部
317 平坦面部
318 斜面部
319 凹部
461 不活性ガス層
511 凹凸構造層
513 平坦面部
515 斜面部
516 凹部
611 凹凸構造層
613 平坦面部
614 平坦面部
615 斜面部
616 凹部
617 平坦面部
618 斜面部
711 凹凸構造層
713 平坦面部
714 平坦面部
715 斜面部
716 凹部
801 切削跡
802 切削開始位置
803 切削跡
804 切削終了位置
805 金属モールド
806 溝
807 凹凸構造層
808 凹部
809 平坦面部
810 平坦面部
811 斜面部
900 平坦面部に対して平行な平面
901 斜面の投影像
Claims (5)
- 第一の透明電極層、発光層及び第二の透明電極層をこの順に備える両面発光型の有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも一方の表面に直接又は間接的に設けられた出光面構造層とを備える面発光素子であって、
前記出光面構造層は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子とは反対側の表面に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記一方の表面に対して平行な平坦面部と、前記平坦面部に対して傾斜した斜面部とを含む凹凸構造を有し、
前記平坦面部は、一方向に延在する帯状面部を含み、
前記帯状面部は、前記帯状面部が延在する方向において幅が変化していて、
前記斜面部を、前記平坦面部に対して垂直な方向に、前記平坦面部に対して平行な平面へと投影して形成される投影面積が、前記平坦面部の合計面積の0.1倍以下である、面発光素子。 - 前記凹凸構造における前記平坦面部の高低差の最大値が22μm以下である、請求項1記載の面発光素子。
- 前記斜面部が前記平坦面部に対して80°以上90°未満の傾斜角度で傾斜している、請求項1又は2記載の面発光素子。
- 前記平坦面部の高低差の最大値が0.1μm以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の面発光素子
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の面発光素子を備える照明器具。
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