JP2012207840A - 流動層乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動層乾燥装置において、乾燥効率の向上を可能とする。
【解決手段】中空形状をなす乾燥容器101と、乾燥容器101の一端側に原炭を投入する原炭投入口102と、乾燥容器101の他端側から原炭が加熱乾燥した乾燥炭を排出する乾燥炭排出口103と、乾燥容器101の下部に流動化ガスを供給することで原炭と共に流動層Sを形成する流動化ガス供給口104と、乾燥容器101の一端側における原炭投入口102より上方から流動化ガス及び発生蒸気を排出するガス排出口105と、流動層Sの原炭を加熱する伝熱管106と、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流させてガス排出口105に導く傾斜板111とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、流動化ガスにより被乾燥物を流動させながら乾燥させる流動層乾燥装置に関するものである。
例えば、石炭ガス化複合発電設備は、石炭をガス化し、コンバインドサイクル発電と組み合わせることにより、従来型の石炭火力に比べてさらなる高効率化・高環境性を目指した発電設備である。この石炭ガス化複合発電設備は、資源量が豊富な石炭を利用可能であることも大きなメリットであり、適用炭種を拡大することにより、さらにメリットが大きくなることが知られている。
従来の石炭ガス化複合発電設備は、一般的に、給炭装置、乾燥装置、石炭ガス化炉、ガス精製装置、ガスタービン設備、蒸気タービン設備、排熱回収ボイラ、ガス浄化装置などを有している。従って、石炭が乾燥されてから粉砕され、石炭ガス化炉に対して、微粉炭として供給されると共に、空気が取り込まれ、この石炭ガス化炉で石炭が燃焼ガス化されて生成ガス(可燃性ガス)が生成される。そして、この生成ガスがガス精製されてからガスタービン設備に供給されることで燃焼して高温・高圧の燃焼ガスを生成し、タービンを駆動する。タービンを駆動した後の排気ガスは、排熱回収ボイラで熱エネルギが回収され、蒸気を生成して蒸気タービン設備に供給され、タービンを駆動する。これにより発電が行なわれる。一方、熱エネルギが回収された排気ガスは、ガス浄化装置で有害物質が除去された後、煙突を介して大気へ放出される。
ところで、このような石炭ガス化複合発電設備にて使用する石炭は、瀝青炭や無煙炭のように高い発熱量を有する高品位の石炭(高品位炭)だけでなく、亜瀝青炭や褐炭のように比較的低い発熱量を有する低品位の石炭(低品位炭)がある。この低品位炭は、持ち込まれる水分量が多く、この水分により発電効率が低下してしまう。そのため、低品位炭の場合には、上述した乾燥装置により石炭を乾燥して水分を除去してから粉砕して石炭ガス化炉に供給する必要がある。
このような石炭を乾燥する乾燥装置としては、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された流動層を用いた石炭の乾燥分級装置は、装置本体の内部の底側に分散板を水平に取付け、その上部に流動層を形成する一方、下部に熱風入口を設け、また、装置本体の一端側に石炭の供給部を設ける一方、他端部に乾燥炭の排出部を設け、更に、流動層に複数のバッフル板を設け、その上方のフリーボード部に多数の整流板を取付けたものである。
特開平11−083319号公報
上述したように低品位炭は、高品位炭に比べて水分量が多いことから、乾燥装置における流動化不良が発生し、石炭の乾燥不良が発生するおそれがある。そのため、投入する石炭の量を減少させる必要があり、処理量が減少してしまうという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、乾燥効率の向上を可能とする流動層乾燥装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の流動層乾燥装置は、中空形状をなす乾燥容器と、該乾燥容器の一端側に湿潤原料を投入する湿潤原料投入部と、前記乾燥容器の他端側から前記湿潤原料が加熱乾燥された乾燥物を排出する乾燥物排出部と、前記乾燥容器の下部に流動化ガスを供給することで前記湿潤原料と共に流動層を形成する流動化ガス供給部と、前記乾燥容器の一端側における前記湿潤原料投入部より上方から流動化ガス及び発生蒸気を排出するガス排出部と、前記流動層の前記湿潤原料を加熱する加熱部と、前記流動化ガス及び前記発生蒸気を前記乾燥物排出部側から前記湿潤原料投入部側に導流させて前記ガス排出部に導くガイド装置と、を備えることを特徴とするものである。
従って、湿潤原料投入部から湿潤原料が乾燥容器内に投入されると共に、流動化ガス供給部から流動化ガスが乾燥容器の下部に供給されると、湿潤原料が流動化ガスにより流動することで流動層が形成され、この流動層の湿潤原料が加熱部により加熱されることで乾燥して乾燥物となり、この乾燥物が乾燥物排出部から外部に排出される一方、流動化ガスと湿潤原料が乾燥することで発生した蒸気がガス排出部から外部に排出される。このとき、この流動化ガス及び発生蒸気は、ガイド装置により乾燥物排出部側から湿潤原料投入部側に導流されてガス排出部に導かれることとなり、この流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥物の粒子が湿潤原料投入部側に戻され、湿潤原料と混在されて再び流動層で乾燥されることとなり、湿潤原料投入部から投入された湿潤原料の加熱乾燥を促進することが可能となり、湿潤原料の乾燥効率を向上することができる。
本発明の流動層乾燥装置では、前記ガイド装置は、前記流動層の上方のフリーボード部に設けられ、前記乾燥物排出部側から前記湿潤原料投入部側に流動する前記流動化ガス及び前記発生蒸気が衝突することで、同伴する前記乾燥物の粒子を分離する衝突板を有することを特徴としている。
従って、流動化ガス及び発生蒸気は、衝突板により乾燥物排出部側から湿潤原料投入部側に流れ、適正にガス排出部に導くことができると共に、流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥物の粒子が衝突板に衝突することで、同伴する乾燥物の粒子が適正に分離されて流動層に落下することとなり、その結果、乾燥物の分離性能を向上することができる。
本発明の流動層乾燥装置では、前記衝突板は、前記流動化ガス及び前記発生蒸気の流れ方向に対向すると共に、当該流れ方向に複数所定間隔をあけて配置され、複数の前記衝突板で形成される衝突板群の下端が前記湿潤原料投入部側から前記乾燥物排出部側に向けて上方に傾斜する位置に配置されることを特徴としている。
従って、複数の衝突板で形成される衝突板群の下端が湿潤原料投入部側から乾燥物排出部側に向けて上方に傾斜する位置に配置されることで、流動化ガス及び発生蒸気が乾燥物排出部側から湿潤原料投入部側に流れることとなり、この流動化ガス及び発生蒸気を適正に流動してガス排出部に導くことができる。
本発明の流動層乾燥装置では、前記ガイド装置は、前記流動層の上方のフリーボード部に設けられ、前記湿潤原料投入部側から前記乾燥物排出部側に向けて上方に傾斜する傾斜板を有することを特徴としている。
従って、流動化ガス及び発生蒸気は、傾斜板の下面に沿って乾燥物排出部側に流れ、その後、傾斜板の上方を湿潤原料投入部側に流れることとなり、この流動化ガス及び発生蒸気を乾燥物排出部側から湿潤原料投入部側に導流して適正にガス排出部に導くことができると共に、流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥物の粒子が傾斜板に落下することで、この乾燥物の粒子を傾斜板の上面に沿って湿潤原料投入部側に適正に戻すことができる。
本発明の流動層乾燥装置では、前記複数の衝突板により前記傾斜板上に落下した前記乾燥物の粒子を前記乾燥容器における前記湿潤原料投入部側に搬送する搬送装置が設けられることを特徴としている。
従って、流動化ガス及び発生蒸気が傾斜板の上方を流れて複数の衝突板に衝突すると、同伴する乾燥物の粒子が分離されて傾斜板上に落下し、この乾燥物は、搬送装置により乾燥容器における湿潤原料投入部側に搬送されることとなり、この乾燥物を適正に湿潤原料と混合させることができる。
本発明の流動層乾燥装置では、前記ガイド装置は、前記流動層の上方の前記フリーボード部に設けられ、前記湿潤原料投入部と前記ガス排出部とを仕切る仕切板を有することを特徴としている。
従って、仕切板により湿潤原料投入部とガス排出部とが仕切られることで、乾燥物排出部側から湿潤原料投入部側に導流する流動化ガス及び発生蒸気が、湿潤原料投入部から外部に排出されることが防止され、流動化ガス及び発生蒸気を適正に導流することが可能となる。
本発明の流動層乾燥装置によれば、乾燥容器内で、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥物排出部側から湿潤原料投入部側に導流させてガス排出部に導く該ガイド装置を設けるので、この流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥物の粒子を湿潤原料投入部側に戻して湿潤原料と混在することができ、湿潤原料の加熱乾燥を促進することで湿潤原料の乾燥効率を向上することができる。
図1は、本発明の実施例1に係る流動層乾燥装置が適用された石炭ガス化複合発電設備の概略構成図である。 図2は、実施例1の流動層乾燥装置の概略側面図である。 図3は、実施例1の流動層乾燥装置の概略平面図である。 図4は、本発明の実施例2に係る流動層乾燥装置の概略側面図である。 図5は、本発明の実施例3に係る流動層乾燥装置の概略側面図である。 図6は、本発明の実施例4に係る流動層乾燥装置の概略側面図である。 図7は、本発明の実施例5に係る流動層乾燥装置の概略側面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る流動層乾燥装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本発明の実施例1に係る流動層乾燥装置が適用された石炭ガス化複合発電設備の概略構成図、図2は、実施例1の流動層乾燥装置の概略側面図、図3は、実施例1の流動層乾燥装置の概略平面図である。
実施例1の石炭ガス化複合発電設備(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)は、空気を酸化剤としてガス化炉で石炭ガスを生成する空気燃焼方式を採用し、ガス精製装置で精製した後の石炭ガスを燃料ガスとしてガスタービン設備に供給して発電を行っている。即ち、本実施例の石炭ガス化複合発電設備は、空気燃焼方式(空気吹き)の発電設備である。この場合、ガス化炉に供給する湿潤原料として低品位炭を使用している。
実施例1において、図1に示すように、石炭ガス化複合発電設備10は、給炭装置11、流動層乾燥装置12、微粉炭機(ミル)13、石炭ガス化炉14、チャー回収装置15、ガス精製装置16、ガスタービン設備17、蒸気タービン設備18、発電機19、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)20を有している。
給炭装置11は、原炭バンカ21と、石炭供給機22と、クラッシャ23とを有している。原炭バンカ21は、低品位炭を貯留可能であって、所定量の低品位炭を石炭供給機22に投下することができる。石炭供給機22は、原炭バンカ21から投下された低品位炭をコンベアなどにより搬送し、クラッシャ23に投下することができる。このクラッシャ23は、投下された低品位炭を所定の大きさに破砕することができる。
流動層乾燥装置12は、給炭装置11により投入された低品位炭に対して乾燥用蒸気(過熱蒸気)を供給することで、この低品位炭を流動させながら加熱乾燥するものであり、低品位炭が含有する水分を除去することができる。そして、この流動層乾燥装置12は、下部から取り出された乾燥済の低品位炭を冷却する冷却器31が設けられ、乾燥冷却済の乾燥炭が乾燥炭バンカ32に貯留される。また、流動層乾燥装置12は、上部から取り出された蒸気から乾燥炭の粒子を分離する乾燥炭サイクロン33と乾燥炭電気集塵機34が設けられ、蒸気から分離された乾燥炭の粒子が乾燥炭バンカ32に貯留される。なお、乾燥炭電気集塵機34で乾燥炭が分離された蒸気は、蒸気圧縮機35で圧縮されてから流動層乾燥装置12に乾燥用蒸気として供給される。
微粉炭機13は、石炭粉砕機であって、流動層乾燥装置12により乾燥された低品位炭(乾燥炭)を細かい粒子状に粉砕して微粉炭を製造するものである。即ち、微粉炭機13は、乾燥炭バンカ32に貯留された乾燥炭が石炭供給機36により投下され、この乾燥炭)を所定粒径以下の低品位炭、つまり、微粉炭とするものである。そして、微粉炭機13で粉砕後の微粉炭は、微粉炭バグフィルタ37a,37bにより搬送用ガスから分離され、微粉炭供給ホッパ38a,38bに貯留される。
石炭ガス化炉14は、微粉炭機13で処理された微粉炭が供給可能であると共に、チャー回収装置15で回収されたチャー(石炭の未燃分)が戻されてリサイクル可能となっている。
即ち、石炭ガス化炉14は、ガスタービン設備17(圧縮機61)から圧縮空気供給ライン41が接続されており、このガスタービン設備17で圧縮された圧縮空気が供給可能となっている。空気分離装置42は、大気中の空気から窒素と酸素を分離生成するものであり、第1窒素供給ライン43が石炭ガス化炉14に接続され、この第1窒素供給ライン43に微粉炭供給ホッパ38a,38bからの給炭ライン44a,44bが接続されている。また、第2窒素供給ライン45も石炭ガス化炉14に接続され、この第2窒素供給ライン45にチャー回収装置15からのチャー戻しライン46が接続されている。更に、酸素供給ライン47は、圧縮空気供給ライン41に接続されている。この場合、窒素は、石炭やチャーの搬送用ガスとして利用され、酸素は、酸化剤として利用される。
石炭ガス化炉14は、例えば、噴流床形式のガス化炉であって、内部に供給された石炭、チャー、空気(酸素)、またはガス化剤としての水蒸気を燃焼・ガス化すると共に、二酸化炭素を主成分とする可燃性ガス(生成ガス、石炭ガス)が発生し、この可燃性ガスをガス化剤としてガス化反応が起こる。なお、石炭ガス化炉14は、微粉炭の混入した異物を除去する異物除去装置48が設けられている。この場合、石炭ガス化炉14は噴流床ガス化炉に限らず、流動床ガス化炉や固定床ガス化炉としてもよい。そして、この石炭ガス化炉14は、チャー回収装置15に向けて可燃性ガスのガス生成ライン49が設けられており、チャーを含む可燃性ガスが排出可能となっている。この場合、ガス生成ライン49にガス冷却器を設けることで、可燃性ガスを所定温度まで冷却してからチャー回収装置15に供給するとよい。
チャー回収装置15は、集塵装置51と供給ホッパ52とを有している。この場合、集塵装置51は、1つまたは複数のバグフィルタやサイクロンにより構成され、石炭ガス化炉14で生成された可燃性ガスに含有するチャーを分離することができる。そして、チャーが分離された可燃性ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製装置16に送られる。供給ホッパ52は、集塵装置51で可燃性ガスから分離されたチャーを貯留するものである。なお、集塵装置51と供給ホッパ52との間にビンを配置し、このビンに複数の供給ホッパ52を接続するように構成してもよい。そして、供給ホッパ52からのチャー戻しライン46が第2窒素供給ライン45に接続されている。
ガス精製装置16は、チャー回収装置15によりチャーが分離された可燃性ガスに対して、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。そして、ガス精製装置16は、可燃性ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン設備17に供給する。なお、このガス精製装置16では、チャーが分離された可燃性ガス中にはまだ硫黄分(HS)が含まれているため、アミン吸収液によって除去することで、硫黄分を最終的には石膏として回収し、有効利用する。
ガスタービン設備17は、圧縮機61、燃焼器62、タービン63を有しており、圧縮機61とタービン63は、回転軸64により連結されている。燃焼器62は、圧縮機61から圧縮空気供給ライン65が接続されると共に、ガス精製装置16から燃料ガス供給ライン66が接続され、タービン63に燃焼ガス供給ライン67が接続されている。また、ガスタービン設備17は、圧縮機61から石炭ガス化炉14に延びる圧縮空気供給ライン41が設けられており、中途部に昇圧機68が設けられている。従って、燃焼器62では、圧縮機61から供給された圧縮空気とガス精製装置16から供給された燃料ガスとを混合して燃焼し、タービン63にて、発生した燃焼ガスにより回転軸64を回転することで発電機19を駆動することができる。
蒸気タービン設備18は、ガスタービン設備17における回転軸64に連結されるタービン69を有しており、発電機19は、この回転軸64の基端部に連結されている。排熱回収ボイラ20は、ガスタービン設備17(タービン63)からの排ガスライン70に設けられており、空気と高温の排ガスとの間で熱交換を行うことで、蒸気を生成するものである。そのため、排熱回収ボイラ20は、蒸気タービン設備18のタービン69との間に蒸気供給ライン71が設けられると共に、蒸気回収ライン72が設けられ、蒸気回収ライン72に復水器73が設けられている。従って、蒸気タービン設備18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69が駆動し、回転軸64を回転することで発電機19を駆動することができる。
そして、排熱回収ボイラ20で熱が回収された排ガスは、ガス浄化装置74により有害物質を除去され、浄化された排ガスは、煙突75から大気へ放出される。
ここで、実施例1の石炭ガス化複合発電設備10の作動について説明する。
実施例1の石炭ガス化複合発電設備10において、給炭装置11にて、原炭(低品位炭)が原炭バンカ21に貯留されており、この原炭バンカ21の低品位炭が石炭供給機22によりクラッシャ23に投下され、ここで所定の大きさに破砕される。そして、破砕された低品位炭は、流動層乾燥装置12により加熱乾燥された後、冷却器31により冷却され、乾燥炭バンカ32に貯留される。また、流動層乾燥装置12の上部から取り出された蒸気は、乾燥炭サイクロン33及び乾燥炭電気集塵機34により乾燥炭の粒子が分離され、蒸気圧縮機35で圧縮されてから流動層乾燥装置12に乾燥用蒸気として戻される。一方、蒸気から分離された乾燥炭の粒子は、乾燥炭バンカ32に貯留される。
乾燥炭バンカ32に貯留される乾燥炭は、石炭供給機36により微粉炭機13に投入され、ここで、細かい粒子状に粉砕されて微粉炭が製造され、微粉炭バグフィルタ37a,37bを介して微粉炭供給ホッパ38a,38bに貯留される。この微粉炭供給ホッパ38a,38bに貯留される微粉炭は、空気分離装置42から供給される窒素により第1窒素供給ライン43を通して石炭ガス化炉14に供給される。また、後述するチャー回収装置15で回収されたチャーが、空気分離装置42から供給される窒素により第2窒素ライン45を通して石炭ガス化炉14に供給される。更に、後述するガスタービン設備17から抽気された圧縮空気が昇圧機68で昇圧された後、空気分離装置42から供給される酸素と共に圧縮空気供給ライン41を通して石炭ガス化炉14に供給される。
石炭ガス化炉14では、供給された微粉炭及びチャーが圧縮空気(酸素)により燃焼し、微粉炭及びチャーがガス化することで、二酸化炭素を主成分とする可燃性ガス(石炭ガス)を生成することができる。そして、この可燃性ガスは、石炭ガス化炉14からガス生成ライン49を通して排出され、チャー回収装置15に送られる。
このチャー回収装置15にて、可燃性ガスは、まず、集塵装置51に供給されることで、ここで可燃性ガスからこのガスに含有するチャーが分離される。そして、チャーが分離された可燃性ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製装置16に送られる。一方、可燃性ガスから分離した微粒チャーは、供給ホッパ52に堆積され、チャー戻しライン46を通して石炭ガス化炉14に戻されてリサイクルされる。
チャー回収装置15によりチャーが分離された可燃性ガスは、ガス精製装置16にて、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物が取り除かれてガス精製され、燃料ガスが製造される。そして、ガスタービン設備17では、圧縮機61が圧縮空気を生成して燃焼器62に供給すると、この燃焼器62は、圧縮機61から供給される圧縮空気と、ガス精製装置16から供給される燃料ガスとを混合し、燃焼することで燃焼ガスを生成し、この燃焼ガスによりタービン63を駆動することで、回転軸64を介して発電機19を駆動し、発電を行うことができる。
そして、ガスタービン設備17におけるタービン63から排出された排気ガスは、排熱回収ボイラ20にて、空気と熱交換を行うことで蒸気を生成し、この生成した蒸気を蒸気タービン設備18に供給する。蒸気タービン設備18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69を駆動することで、回転軸64を介して発電機19を駆動し、発電を行うことができる。
その後、ガス浄化装置74では、排熱回収ボイラ20から排出された排気ガスの有害物質が除去され、浄化された排ガスが煙突75から大気へ放出される。
以下、上述した石炭ガス化複合発電設備10における流動層乾燥装置12について詳細に説明する。
流動層乾燥装置12は、図2及び図3に示すように、乾燥容器101と、原炭投入口(湿潤原料投入部)102と、乾燥炭排出口(乾燥物排出部)103と、流動化ガス供給口(流動化ガス供給部)104と、ガス排出口(ガス排出部)105と、伝熱管(加熱部)106とを有している。
乾燥容器101は、中空箱型形状をなしており、一端側に原炭を投入する原炭投入口102が形成される一方、他端側に原炭を加熱乾燥した乾燥物を排出する乾燥炭排出口103が形成されている。また、乾燥容器101は、下部に底板101aから所定距離をあけて複数の開口を有する分散板107が設けられており、この底板101aに乾燥容器101内に流動化ガス(過熱蒸気)を供給する流動化ガス供給口104が形成されている。更に、乾燥容器101は、上部に流動化ガス及び発生蒸気を排出するガス排出口105が形成されている。この場合、乾燥容器101は、天井部101bがこのガス排出口105に向けて上方に傾斜しており、流動化ガス及び発生蒸気がこの傾斜した天井部101bに沿って流れることで、滞留することなくガス排出口105に導かれるように構成されている。
この乾燥容器101は、原炭投入口102から原炭が供給されると共に、流動化ガス供給口104から分散板107を通して流動化ガスが供給されることで、この分散板107の上方に所定厚さの流動層Sが形成されると共に、この流動層Sの上方にフリーボード部Fが形成される。そして、外部から乾燥容器101を貫通して流動層S内を循環する伝熱管106が配置されており、この伝熱管106内を流れる過熱蒸気により原炭を加熱して乾燥することができる。
また、乾燥容器101は、流動化ガスが流動化ガス供給口104から分散板107を通して流動層Sに供給されると共に、この流動層Sで原炭が乾燥することで含有する水分が蒸発して蒸気が発生する。この流動化ガス及び発生蒸気は、ガス排出口105から排出されるが、本実施例では、この流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流させてガス排出口105に導くガイド装置としての傾斜板(ガイド板)111と、衝突板112と、導流板(仕切板)113を設けている。
傾斜板111は、流動層Sの上方のフリーボード部Fにて、原炭投入口102側から乾燥炭排出口103側に向けて上方に傾斜しており、基端部が乾燥容器101における原炭投入口102側の壁面と所定隙間をもって配置される一方、先端部が乾燥容器101における乾燥炭排出口103側の壁面と所定隙間をもって配置され、両側部が乾燥容器101における各壁面と隙間なく密着して固定されている。そのため、傾斜板111と流動層Sの上面との間に形成される隙間が、原炭投入口102側から乾燥炭排出口103に向って徐々に大きくなるように設定されており、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側に導くと共に、この乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導くことができる。
衝突板112は、フリーボード部Fにて、傾斜板111の上方に、乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流する流動化ガス及び発生蒸気が衝突することで、この流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥物の粒子を分離するものである。そのため、衝突板112は、フリーボード部Fにて、乾燥容器101の天井部101bと傾斜板111との間に複数設けられている。この複数の衝突板112は、乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に流れる流動化ガス及び発生蒸気の流れに対向するようにほぼ鉛直方向に沿って配置されており、且つ、衝突板112同士が所定間隔をもって配置されることで、流動化ガス及び発生蒸気が蛇行して流れることができるような流路が確保されている。
また、乾燥容器101は、一端部側に原炭投入口102及びガス排出口105が配置されており、この原炭投入口102より上方にガス排出口105が配置されている。そして、導流板113は、原炭投入口102とガス排出口105とを仕切るように配置されている。即ち、導流板113は、流動層Sの上方のフリーボード部Fにて、原炭投入口102側から乾燥炭排出口103側に向けて下方に傾斜しており、基端部が乾燥容器101における原炭投入口102側の壁面と所定隙間をもって配置される一方、先端部が傾斜板111の基端部と所定隙間をもって配置され、両側部が乾燥容器101における各壁面と隙間なく密着して固定されている。この場合、導流板113の傾斜角度は、原炭投入口102における原炭の投入角度とほぼ同様の角度となっている。そのため、導流板113と流動層Sの上面との間に形成される隙間は、原炭投入口102側から傾斜板111(乾燥炭排出口103)に向って徐々に小さくなるように設定されている。
ここで、実施例1の流動層乾燥装置12の作動について説明する。
流動層乾燥装置12において、乾燥容器101に対して、原炭投入口102から原炭が供給されると共に、流動化ガス供給口104から分散板107を通して流動化ガスが供給されることで、この分散板107の上方に所定厚さの流動層Sが形成される。原炭は、流動化ガスにより流動層Sを乾燥炭排出口103側に移動し、このとき、伝熱管106から熱を受けることで加熱されて乾燥される。この場合、原炭は、原炭投入口102から乾燥炭排出口103まで移動する間に、伝熱管106からの熱により加熱乾燥されるが、原炭投入口102から投入された直後、つまり、導流板113の下方位置では、予熱状態にあり、水分はほとんど蒸発しない。その後、原炭は、予熱領域、つまり、導流板113の下方位置を超えて傾斜板111の下方位置に移動すると、水分蒸発が始まり、徐々に増加して最大となり、乾燥炭排出口103に近づくにつれて水分蒸発が減少する。
そして、傾斜板111の下方位置における流動層Sで原炭が加熱乾燥されることで発生した蒸気は、流動化ガスと共に上昇し、傾斜板111の下面に沿って乾燥炭排出口103側に流れる。そして、流動化ガス及び発生蒸気は、乾燥容器101における乾燥炭排出口103側の壁面で迂回し、傾斜板111の上方の空間を原炭投入口102側に流れる。このとき、流動化ガス及び発生蒸気は、複数の衝突板112に衝突することで、流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子が分離されて傾斜板111上に落下する。そして、乾燥炭の粒子は、傾斜板111の上面に沿って原炭投入口102側に降下し、この原炭投入口102から投入される乾燥前の原炭と共に流動層Sに落下する。ここで、乾燥前の原炭と乾燥炭の粒子が流動層Sで混合されることで、乾燥前の原炭の乾燥が促進される。その後、原炭が乾燥された乾燥炭は、乾燥炭排出口103から外部に排出され、乾燥炭の粒子が分離された流動化ガス及び発生蒸気は、導流板113に案内されて上方に流れ、ガス排出口105から外部に排出される。
このように実施例1の流動層乾燥装置にあっては、中空形状をなす乾燥容器101と、乾燥容器101の一端側に原炭を投入する原炭投入口102と、乾燥容器101の他端側から原炭が加熱乾燥された乾燥炭を排出する乾燥炭排出口103と、乾燥容器101の下部に流動化ガスを供給することで原炭と共に流動層Sを形成する流動化ガス供給口104と、乾燥容器101の一端側における原炭投入口102より上方から流動化ガス及び発生蒸気を排出するガス排出口105と、流動層Sの原炭を加熱する伝熱管106と、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流させてガス排出口105に導くガイド装置として傾斜板111とを設けている。
従って、原炭投入口102から原炭が乾燥容器101内に投入されると共に、流動化ガス供給口104から流動化ガスが乾燥容器101の下部から分散板107を通して供給されると、原炭が流動化ガスにより流動することで流動層Sが形成され、この流動層Sの原炭が流動化ガスにより移動するとき、伝熱管106により加熱されることで乾燥して乾燥炭となり、この乾燥炭が乾燥炭排出口103から外部に排出される一方、流動化ガスと原炭が乾燥することで発生した蒸気がガス排出口105から外部に排出される。このとき、流動化ガス及び発生蒸気は、傾斜板111により乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流されてガス排出口105に導かれることとなり、この流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子が流動化ガス及び発生蒸気から分離されて原炭投入口102側に戻され、乾燥前の原炭と混在されて再び流動層Sを移動することとなり、原炭投入口102から投入された原炭の加熱乾燥を促進することが可能となり、原炭の乾燥効率を向上することができる。
また、実施例1の流動層乾燥装置では、流動層Sの上方のフリーボード部Fに、原炭投入口102側から乾燥炭排出口103側に向けて上方に傾斜する傾斜板111を設けている。従って、流動化ガス及び発生蒸気は、傾斜板111の下面に沿って乾燥炭排出口103側に流れ、その後、傾斜板111の上方を原炭投入口102側に流れることとなり、この流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流して適正にガス排出口105に導くことができると共に、流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子を傾斜板111上に落下させ、この乾燥炭の粒子を傾斜板111の上面に沿って原炭投入口102側に適正に戻すことができる。
また、実施例1の流動層乾燥装置では、傾斜板111の上方に、乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流する流動化ガス及び発生蒸気が衝突して同伴する乾燥炭の粒子が分離される複数の衝突板112を設けている。従って、流動化ガス及び発生蒸気が傾斜板111の上方を乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に流れるとき、複数の衝突板112に衝突することで、同伴する乾燥炭の粒子が適正に分離されて落下することとなり、乾燥炭の分離性能を向上することができる。
この場合、乾燥容器101の内部に流動化ガス及び発生蒸気から乾燥炭の粒子を分離する複数の衝突板112を設けることで、乾燥容器101の外部に集塵装置などを不要としたり、負荷軽減による小型化や簡素化を可能とすることができる。その結果、系統の圧力損失が低減され、発生蒸気からの熱回収量を増加することができる。そして、乾燥容器101の外部で流動化ガス及び発生蒸気から乾燥炭の粒子を分離する際に懸念される結露の発生を防止することができる。
また、実施例1の流動層乾燥装置では、流動層Sの上方のフリーボード部Fに、原炭投入口102とガス排出口105とを仕切る導流板113を設けている。従って、導流板113により原炭投入口102とガス排出口105とが仕切られることで、乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流する流動化ガス及び発生蒸気が、原炭投入口102から外部に排出されることが防止され、流動化ガス及び発生蒸気を適正に導流することが可能となる。
この場合、導流板113は、原炭投入口102側から乾燥炭排出口103側に向けて下方に傾斜し、基端部が乾燥容器101における原炭投入口102側の壁面と所定隙間をもって配置され、先端部が傾斜板111の基端部と所定隙間をもって配置されている。従って、原炭投入口102側に導流する流動化ガス及び発生蒸気は、傾斜した導流板113により適正にガス排出口105に導かれる。また、流動化ガス及び発生蒸気から分離した乾燥炭の粒子は、傾斜板111を滑り落ち、この傾斜板111と導流板113との間から流動層Sの予熱領域に再投入されることとなり、未乾燥の原炭の乾燥を促進することが可能となる。更に、導流板113と乾燥容器101の壁面との間に隙間が設けられることで、流動化ガスや発生蒸気が導流板113と乾燥容器101の壁面との間に滞留することが防止される。
図4は、本発明の実施例2に係る流動層乾燥装置の概略側面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例2において、図4に示すように、流動層乾燥装置12は、乾燥容器101と、原炭投入口102と、乾燥炭排出口103と、流動化ガス供給口104と、ガス排出口105と、伝熱管106とを有している。
また、乾燥容器101は、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流させてガス排出口105に導くガイド装置としての傾斜ベルト121と、衝突板112と、導流板113を設けている。そして、この傾斜ベルト121は、駆動ローラ及び従動ローラとの間に無端の搬送ベルトが掛け回して構成され、傾斜板としての機能だけでなく、複数の衝突板112により落下した乾燥炭の粒子を原炭投入口102側に搬送する搬送装置としての機能を有する。そのため、傾斜ベルト121と流動層Sの上面との間に形成される隙間が、原炭投入口102側から乾燥炭排出口103に向って徐々に大きくなるように設定されており、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側に導くと共に、この乾燥炭排出口103から原炭投入口102側に導くことができる。
この傾斜ベルト121は、流動層Sの上方のフリーボード部Fにて、原炭投入口102側から乾燥炭排出口103側に向けて上方に傾斜するように配置されており、基端部が導流板113の先端部と所定隙間をもって配置される一方、先端部が乾燥容器101における乾燥炭排出口103側の壁面と所定隙間をもって配置され、駆動ローラ及び従動ローラが乾燥容器101における各壁面に回転自在に支持されている。そのため、傾斜ベルト121は、図4に示す矢印方向に作動することで、上面に落下した乾燥炭の粒子を原炭投入口102側に搬送することができる。
従って、乾燥容器101に対して、原炭投入口102から原炭が供給されると共に、流動化ガス供給口104から分散板107を通して流動化ガスが供給されることで、この分散板107の上方に所定厚さの流動層Sが形成される。原炭は、流動化ガスにより流動層Sを乾燥炭排出口103側に移動し、このとき、伝熱管106から熱を受けることで加熱されて乾燥される。この場合、原炭は、原炭投入口102から乾燥炭排出口103まで移動する間に、伝熱管106からの熱により加熱乾燥されるが、原炭投入口102から投入された直後、つまり、導流板113の下方位置では、予熱状態にあり、水分はほとんど蒸発しない。その後、原炭は、予熱領域、つまり、導流板113の下方位置を超えて傾斜ベルト121の下方位置に移動すると、水分蒸発が始まり、徐々に増加して最大となり、乾燥炭排出口103に近づくにつれて水分蒸発が減少する。
そして、傾斜ベルト121の下方位置における流動層Sで原炭が加熱乾燥されることで発生した蒸気は、流動化ガスと共に上昇し、傾斜ベルト121の下面に沿って乾燥炭排出口103側に流れる。そして、流動化ガス及び発生蒸気は、乾燥容器101における乾燥炭排出口103側の壁面で迂回し、傾斜ベルト121の上方の空間を原炭投入口102側に流れる。このとき、流動化ガス及び発生蒸気は、複数の衝突板112に衝突することで、流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子が分離されて傾斜ベルト121上に落下する。すると、乾燥炭の粒子は、駆動する傾斜ベルト121により原炭投入口102側に移動され、この原炭投入口102から投入される乾燥前の原炭と共に流動層Sに落下する。ここで、乾燥前の原炭と乾燥炭の粒子が流動層Sで混合されることで、乾燥前の原炭の乾燥が促進される。その後、原炭が乾燥された乾燥炭は、乾燥炭排出口103から外部に排出され、乾燥炭の粒子が分離された流動化ガス及び発生蒸気は、導流板113に案内されて上方に流れ、ガス排出口105から外部に排出される。
このように実施例2の流動層乾燥装置にあっては、乾燥容器101内に、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流させてガス排出口105に導くガイド装置及び落下した乾燥炭の粒子を原炭投入口102側に搬送する搬送装置として機能する傾斜ベルト121を設けている。
従って、流動層Sから上昇する流動化ガス及び発生蒸気は、傾斜ベルト121により乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流されてガス排出口105に導かれることとなり、この流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子が流動化ガス及び発生蒸気から分離されて原炭投入口102側に戻され、乾燥前の原炭と混在されて再び流動層Sを移動することとなり、原炭投入口102から投入された原炭の加熱乾燥を促進することが可能となり、原炭の乾燥効率を向上することができる。
また、流動化ガス及び発生蒸気が傾斜ベルト121の上方を流れて複数の衝突板112に衝突すると、同伴する乾燥炭の粒子が分離されて傾斜ベルト121上に落下し、この乾燥炭は、駆動する傾斜ベルト121により原炭投入口102側に搬送されて流動層Sの予熱領域に投入されることとなり、この乾燥炭を適正に乾燥前の原炭に混合させて乾燥を促進することができる。
図5は、本発明の実施例3に係る流動層乾燥装置の概略側面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例3において、図5に示すように、流動層乾燥装置12は、乾燥容器101と、原炭投入口102と、乾燥炭排出口103と、流動化ガス供給口104と、ガス排出口105と、伝熱管106とを有している。
また、乾燥容器101は、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流させてガス排出口105に導くガイド装置として、傾斜ヘッド131、衝突板112、導流板113を設けている。そして、この傾斜ヘッド131は、中空形状をなして内部に過熱蒸気を供給可能であると共に、上面部に複数の噴射ノズル131aを装着しており、傾斜板としての機能だけでなく、複数の衝突板112により落下した乾燥炭の粒子を原炭投入口102側に搬送する搬送装置としての機能を有する。そのため、傾斜ヘッド131と流動層Sの上面との間に形成される隙間が、原炭投入口102側から乾燥炭排出口103に向って徐々に大きくなるように設定されており、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側に導くと共に、この乾燥炭排出口103から原炭投入口102側に導くことができる。
また、この傾斜ヘッド131は、流動層Sの上方のフリーボード部Fにて、原炭投入口102側から乾燥炭排出口103側に向けて上方に傾斜するように配置されており、基端部が導流板113の先端部と所定隙間をもって配置される一方、先端部が乾燥容器101における乾燥炭排出口103側の壁面と所定隙間をもって配置され、両側部が乾燥容器101における各壁面に固定されている。そして、傾斜ヘッド131は、各噴射ノズル131aが原炭投入口102側に向けて過熱蒸気を噴射可能となっている。そのため、傾斜ヘッド131は、図5に示す矢印方向に各噴射ノズル131aから過熱蒸気を噴射することで、上面に落下した乾燥炭の粒子を原炭投入口102側に搬送することができる。
従って、乾燥容器101に対して、原炭投入口102から原炭が供給されると共に、流動化ガス供給口104から分散板107を通して流動化ガスが供給されることで、この分散板107の上方に所定厚さの流動層Sが形成される。原炭は、流動化ガスにより流動層Sを乾燥炭排出口103側に移動し、このとき、伝熱管106から熱を受けることで加熱されて乾燥される。この場合、原炭は、原炭投入口102から乾燥炭排出口103まで移動する間に、伝熱管106からの熱により加熱乾燥されるが、原炭投入口102から投入された直後、つまり、導流板113の下方位置では、予熱状態にあり、水分はほとんど蒸発しない。その後、原炭は、予熱領域、つまり、導流板113の下方位置を超えて傾斜ヘッド131の下方位置に移動すると、水分蒸発が始まり、徐々に増加して最大となり、乾燥炭排出口103に近づくにつれて水分蒸発が減少する。
そして、傾斜ヘッド131の下方位置における流動層Sで原炭が加熱乾燥されることで発生した蒸気は、流動化ガスと共に上昇し、傾斜ヘッド131の下面に沿って乾燥炭排出口103側に流れる。そして、流動化ガス及び発生蒸気は、乾燥容器101における乾燥炭排出口103側の壁面で迂回し、傾斜ヘッド131の上方の空間を原炭投入口102側に流れる。このとき、流動化ガス及び発生蒸気は、複数の衝突板112に衝突することで、流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子が分離されて傾斜ヘッド131上に落下する。すると、乾燥炭の粒子は、各噴射ノズル131aから噴射される過熱蒸気により原炭投入口102側に吹き飛ばされ、この原炭投入口102から投入される乾燥前の原炭と共に流動層Sに落下する。ここで、乾燥前の原炭と乾燥炭の粒子が流動層Sで混合されることで、乾燥前の原炭の乾燥が促進される。その後、原炭が乾燥された乾燥炭は、乾燥炭排出口103から外部に排出され、乾燥炭の粒子が分離された流動化ガス及び発生蒸気は、導流板113に案内されて上方に流れ、ガス排出口105から外部に排出される。
このように実施例3の流動層乾燥装置にあっては、乾燥容器101内に、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流させてガス排出口105に導くガイド装置及び落下した乾燥炭の粒子を原炭投入口102側に搬送する搬送装置として機能する傾斜ヘッド131を設けている。
従って、流動層Sから上昇する流動化ガス及び発生蒸気は、傾斜ヘッド131により乾燥炭排出口103側から原炭投入口102側に導流されてガス排出口105に導かれることとなり、この流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子が流動化ガス及び発生蒸気から分離されて原炭投入口102側に戻され、乾燥前の原炭と混在されて再び流動層Sを移動することとなり、原炭投入口102から投入された原炭の加熱乾燥を促進することが可能となり、原炭の乾燥効率を向上することができる。
また、流動化ガス及び発生蒸気が傾斜ヘッド131の上方を流れて複数の衝突板112に衝突すると、同伴する乾燥炭の粒子が分離されて傾斜ヘッド131上に落下し、この乾燥炭は、各噴射ノズル131aから噴射される過熱蒸気により原炭投入口102側に搬送されて流動層Sの予熱領域に投入されることとなり、この乾燥炭を適正に乾燥前の原炭に混合させて乾燥を促進することができる。
なお、上述した実施例2、3では、搬送装置として傾斜ベルト121や噴射ノズル131aを有する傾斜ヘッド131を設けたが、この構成に限定されるものではない。例えば、傾斜板に加振機を設けて傾斜板を振動させて乾燥炭の粒子を搬送するようにしてもよい。また、傾斜板の上に掻き取り部材を移動自在に設けたりしてもよい。
図6は、本発明の実施例4に係る流動層乾燥装置の概略側面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例4において、図6に示すように、流動層乾燥装置12Aは、乾燥容器201と、原炭投入口(湿潤原料投入部)202と、乾燥炭排出口(乾燥物排出部)203と、流動化ガス供給口(流動化ガス供給部)204と、ガス排出口(ガス排出部)205と、伝熱管(加熱部)206とを有している。
乾燥容器201は、中空箱型形状をなしており、一端側に原炭を投入する原炭投入口202が形成される一方、他端側に原炭を加熱乾燥した乾燥物を排出する乾燥炭排出口203が形成されている。また、乾燥容器201は、下部に底板201aから所定距離をあけて複数の開口を有する分散板207が設けられており、この底板201aに乾燥容器201内に流動化ガス(過熱蒸気)を供給する流動化ガス供給口204が形成されている。更に、乾燥容器201は、上部に流動化ガス及び発生蒸気を排出するガス排出口205が形成されている。この場合、乾燥容器201は、天井部201bが乾燥物排出口203からガス排出口205に向けて上方に傾斜しており、流動化ガス及び発生蒸気がこの傾斜した天井部201bに沿って流れることで、滞留することなくガス排出口205に導かれるように構成されている。
この乾燥容器201は、原炭投入口202から原炭が供給されると共に、流動化ガス供給口204から分散板207を通して流動化ガスが供給されることで、この分散板207の上方に所定厚さの流動層Sが形成されると共に、この流動層Sの上方にフリーボード部Fが形成される。そして、外部から乾燥容器201を貫通して流動層S内を循環する伝熱管206が配置されており、この伝熱管206内を流れる過熱蒸気により原炭を加熱して乾燥することができる。
また、乾燥容器201は、流動化ガスが流動化ガス供給口204から分散板207を通して流動層Sに供給されると共に、この流動層Sで原炭が乾燥することで含有する水分が蒸発して蒸気が発生する。この流動化ガス及び発生蒸気は、ガス排出口205から排出されるが、本実施例では、この流動化ガス及び発生蒸気を乾燥物排出口203側から原炭投入口202側に導流させてガス排出口205に導くガイド装置としての衝突板212と、導流板(仕切板)213を設けている。
衝突板212は、フリーボード部Fの上部にて、乾燥物排出口203側から原炭投入口202側に導流する流動化ガス及び発生蒸気が衝突することで、この流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥物の粒子を分離するものである。そのため、フリーボード部Fの上部にて、乾燥容器201の天井部201bの下方に位置して複数の衝突板212が設けられることで、衝突板群214が形成されている。この衝突板群214は、乾燥物排出口203側から原炭投入口202側に流れる流動化ガス及び発生蒸気の流れに対向するようにほぼ鉛直方向に沿って配置されており、且つ、衝突板212同士が所定間隔をもって配置されることで、流動化ガス及び発生蒸気が蛇行して流れることができるような流路が確保されている。
また、この衝突板群214は、乾燥容器201内の流動化ガス及び発生蒸気を乾燥物排出口203側から原炭投入口202側に導くように機能する。即ち、衝突板群214は、下端が原炭投入口202側から乾燥炭排出口203側に向けて上方に傾斜する位置に配置されている。つまり、衝突板群214の下端が、原炭投入口202側から乾燥物排出口203側に向けて上方に傾斜する仮想傾斜面Lを描くように配置されている。そのため、この仮想傾斜面Lと流動層Sの上面との間に形成される隙間が、原炭投入口202側から乾燥物排出口203に向って徐々に大きくなるように設定されており、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥物排出口203側に導くと共に、この乾燥物排出口203から原炭投入口202側に導くことができる。
また、乾燥容器201は、一端部側に原炭投入口202及びガス排出口205が配置されており、この原炭投入口202より上方にガス排出口205が配置されている。そして、導流板213は、原炭投入口202とガス排出口205とを仕切るように配置されている。即ち、導流板213は、流動層Sの上方のフリーボード部Fにて、原炭投入口202側から乾燥物排出口203側に向けて下方に傾斜しており、基端部が乾燥容器201における原炭投入口202側の壁面と所定隙間をもって配置される一方、先端部が衝突板212の下端部と所定隙間をもって配置され、両側部が乾燥容器201における各壁面と隙間なく密着して固定されている。
従って、乾燥容器201に対して、原炭投入口202から原炭が供給されると共に、流動化ガス供給口204から分散板207を通して流動化ガスが供給されることで、この分散板207の上方に所定厚さの流動層Sが形成される。原炭は、流動化ガスにより流動層Sを乾燥物排出口203側に移動し、このとき、伝熱管206から熱を受けることで加熱されて乾燥される。この場合、原炭は、原炭投入口202から乾燥物排出口203まで移動する間に、伝熱管206からの熱により加熱乾燥されるが、原炭投入口202から投入された直後、つまり、導流板213の下方位置では、予熱状態にあり、水分はほとんど蒸発しない。その後、原炭は、予熱領域、つまり、導流板213の下方位置を超えて移動すると、水分蒸発が始まり、徐々に増加して最大となり、乾燥物排出口203に近づくにつれて水分蒸発が減少する。
そして、衝突板群214の下方位置における流動層Sで原炭が加熱乾燥されることで発生した蒸気は、流動化ガスと共に上昇し、衝突板群214により乾燥物排出口203側に流れる。そして、流動化ガス及び発生蒸気は、乾燥容器201における乾燥物排出口203側の壁面で迂回して原炭投入口202側に流れる。このとき、流動化ガス及び発生蒸気は、複数の衝突板212に衝突することで、流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子が分離されて流動層Sに落下する。ここで、乾燥前の原炭と乾燥炭の粒子が流動層Sで混合されることで、乾燥前の原炭の乾燥が促進される。その後、原炭が乾燥された乾燥炭は、乾燥物排出口203から外部に排出され、乾燥炭の粒子が分離された流動化ガス及び発生蒸気は、導流板213に案内されて上方に流れ、ガス排出口205から外部に排出される。
このように実施例4の流動層乾燥装置にあっては、中空形状をなす乾燥容器201と、乾燥容器201の一端側に原炭を投入する原炭投入口202と、乾燥容器201の他端側から原炭が加熱乾燥した乾燥炭を排出する乾燥炭排出口203と、乾燥容器201の下部に流動化ガスを供給することで原炭と共に流動層Sを形成する流動化ガス供給口204と、乾燥容器201の一端側における原炭投入口202より上方から流動化ガス及び発生蒸気を排出するガス排出口205と、流動層Sの原炭を加熱する伝熱管206と、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口203側から原炭投入口202側に導流させてガス排出口205に導くガイド装置として衝突板212とを設けている。
従って、流動層Sから上昇する流動化ガス及び発生蒸気は、衝突板群214により乾燥炭排出口203側から原炭投入口202側に導流されてガス排出口205に導かれることとなり、この流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子が流動化ガス及び発生蒸気から分離されて原炭投入口202側に戻され、乾燥前の原炭と混在されて再び流動層Sを移動することとなり、原炭投入口202から投入された原炭の加熱乾燥を促進することが可能となり、原炭の乾燥効率を向上することができる。
また、実施例4の流動層乾燥装置では、衝突板群214を、流動化ガス及び発生蒸気の流れ方向に対向すると共に、同方向に複数所定間隔をあけて配置し、衝突板群214の下端を原炭投入口202側から乾燥炭排出口203側に向けて上方に傾斜する位置に配置している。従って、衝突板群214の下端が原炭投入口202側から乾燥物排出口203側に向けて上方に傾斜する仮想傾斜面Lを描くように配置されることで、流動化ガス及び発生蒸気が乾燥炭排出口203側に流れてから原炭投入口202側に流れることとなり、この流動化ガス及び発生蒸気を適正に導流してガス排出口205に導くことができる。
図7は、本発明の実施例5に係る流動層乾燥装置の概略側面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例5において、図7に示すように、流動層乾燥装置12Aは、乾燥容器201と、原炭投入口202と、乾燥炭排出口203と、流動化ガス供給口204と、ガス排出口205と、伝熱管206とを有している。
また、乾燥容器201は、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥物排出口203側から原炭投入口202側に導流させてガス排出口205に導くガイド装置としての衝突板222と、導流板213を設けている。
衝突板222は、フリーボード部Fの上部にて、乾燥物排出口203側から原炭投入口202側に導流する流動化ガス及び発生蒸気が衝突することで、この流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥物の粒子を分離するものである。そのため、フリーボード部Fの上部にて、乾燥容器201の天井部201bの下方に位置して複数の衝突板222が設けられることで、衝突板群224が形成されている。この衝突板群224は、乾燥物排出口203側から原炭投入口202側に流れる流動化ガス及び発生蒸気の流れに対向するように所定角度傾斜して配置されており、且つ、衝突板222同士が所定間隔をもって配置されることで、流動化ガス及び発生蒸気が蛇行して流れることができるような流路が確保されている。この場合、各衝突板222は、下端が原炭投入口202側を向くような傾斜角度となっている。
また、衝突板群224は、乾燥容器201内の流動化ガス及び発生蒸気を乾燥物排出口203側から原炭投入口202側に導くように機能する。即ち、衝突板群224は、下端が原炭投入口202側から乾燥炭排出口203側に向けて上方に傾斜する位置に配置されている。つまり、衝突板群224の下端が、原炭投入口202側から乾燥物排出口203側に向けて上方に傾斜する仮想傾斜面Lを描くように配置されている。
従って、乾燥容器201に対して、原炭投入口202から原炭が供給されると共に、流動化ガス供給口204から分散板207を通して流動化ガスが供給されることで、この分散板207の上方に所定厚さの流動層Sが形成される。原炭は、流動化ガスにより流動層Sを乾燥物排出口203側に移動し、このとき、伝熱管206から熱を受けることで加熱されて乾燥される。この場合、原炭は、原炭投入口202から乾燥物排出口203まで移動する間に、伝熱管206からの熱により加熱乾燥されるが、原炭投入口202から投入された直後、つまり、導流板213の下方位置では、予熱状態にあり、水分はほとんど蒸発しない。その後、原炭は、予熱領域、つまり、導流板213の下方位置を超えて移動すると、水分蒸発が始まり、徐々に増加して最大となり、乾燥物排出口203に近づくにつれて水分蒸発が減少する。
そして、衝突板群224下方位置における流動層Sで原炭が加熱乾燥されることで発生した蒸気は、流動化ガスと共に上昇し、複数の衝突板222、特に、衝突板222の傾斜角度により乾燥物排出口203側に流れる。そして、流動化ガス及び発生蒸気は、乾燥容器201における乾燥物排出口203側の壁面で迂回して原炭投入口202側に流れる。このとき、流動化ガス及び発生蒸気は、複数の衝突板222に衝突することで、流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子が分離されて流動層Sに落下する。ここで、乾燥前の原炭と乾燥炭の粒子が流動層Sで混合されることで、乾燥前の原炭の乾燥が促進される。その後、原炭が乾燥された乾燥炭は、乾燥物排出口203から外部に排出され、乾燥炭の粒子が分離された流動化ガス及び発生蒸気は、導流板213に案内されて上方に流れ、ガス排出口205から外部に排出される。
このように実施例5の流動層乾燥装置にあっては、乾燥容器201内に、流動化ガス及び発生蒸気を乾燥炭排出口203側から原炭投入口202側に導流させてガス排出口205に導くガイド装置として衝突板222を設け、この衝突板222を下端が原炭投入口202側を向くように傾斜させている。
従って、流動層Sから上昇する流動化ガス及び発生蒸気は、複数の衝突板222により乾燥炭排出口203側から原炭投入口202側に導流されてガス排出口205に導かれることとなり、この流動化ガス及び発生蒸気に同伴する乾燥炭の粒子が流動化ガス及び発生蒸気から分離されて原炭投入口202側に戻され、乾燥前の原炭と混在されて再び流動層Sを移動することとなり、原炭投入口202から投入された原炭の加熱乾燥を促進することが可能となり、原炭の乾燥効率を向上することができる。
なお、この実施例5では、衝突板群224の下端を原炭投入口202側から乾燥炭排出口203側に向けて上方に傾斜する位置に配置し、且つ、各衝突板222を下端が原炭投入口202側を向くように傾斜させたが、各衝突板222を下端が原炭投入口202側を向くように傾斜させるだけでもガイド装置として機能することが可能である。
また、上述した実施例4、5では、ガス排出口205が原炭投入口202の上方に配置されていることから、ガス排出口205の煙突効果によりガス排出口205の下方が負圧状態となることで、流動層Sから上昇する流動化ガス及び発生蒸気が、乾燥炭排出口203側から原炭投入口202側に導流されてガス排出口205に導かれやすくなる。この場合、導流板213も衝突板212,222と共にガイド装置として機能する。
また、上述した各実施例では、本発明のガイド装置として、傾斜板111、傾斜ベルト121、傾斜ヘッド131、衝突板112,212,222、導流板113,213を設けたが、それぞれ原炭粒子の付着や流動化ガス及び発生蒸気の凝縮を防止するために加熱してもよく、この場合、電気ヒータ、過熱蒸気が流れる伝熱管などを用いればよい。
また、上述した各実施例では、湿潤原料として低品位炭を使用したが、高品位炭であっても適用可能であり、また、石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマスであってもよく、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
11 給炭装置
12,12A 流動層乾燥装置
13 微粉炭機
14 石炭ガス化炉
15 チャー回収装置
16 ガス精製装置
17 ガスタービン設備
18 蒸気タービン設備
19 発電機
20 排熱回収ボイラ
101,201 乾燥容器
102,202 原炭投入口(湿潤原料投入部)
103,203 乾燥炭排出口(乾燥物排出部)
104,204 流動化ガス供給口(流動化ガス供給部)
105,205 ガス排出口(ガス排出部)
106,206 伝熱管(加熱部)
107,207 分散板
111 傾斜板(ガイド装置)
112,212,222 衝突板(ガイド装置)
113,213 導流板(ガイド装置)
121 傾斜ベルト(ガイド装置、搬送装置)
131 傾斜ヘッド(ガイド装置、搬送装置)

Claims (6)

  1. 中空形状をなす乾燥容器と、
    該乾燥容器の一端側に湿潤原料を投入する湿潤原料投入部と、
    前記乾燥容器の他端側から前記湿潤原料が加熱乾燥された乾燥物を排出する乾燥物排出部と、
    前記乾燥容器の下部に流動化ガスを供給することで前記湿潤原料と共に流動層を形成する流動化ガス供給部と、
    前記乾燥容器の一端側における前記湿潤原料投入部より上方から流動化ガス及び発生蒸気を排出するガス排出部と、
    前記流動層の前記湿潤原料を加熱する加熱部と、
    前記流動化ガス及び前記発生蒸気を前記乾燥物排出部側から前記湿潤原料投入部側に導流させて前記ガス排出部に導くガイド装置と、
    を備えることを特徴とする流動層乾燥装置。
  2. 前記ガイド装置は、前記流動層の上方のフリーボード部に設けられ、前記乾燥物排出部側から前記湿潤原料投入部側に導流する前記流動化ガス及び前記発生蒸気が衝突することで、同伴する前記乾燥物の粒子を分離する衝突板を有することを特徴とする請求項1に記載の流動層乾燥装置。
  3. 前記衝突板は、前記流動化ガス及び前記発生蒸気の流れ方向に対向すると共に、当該流れ方向に複数所定間隔をあけて配置され、複数の前記衝突板で形成される衝突板群の下端が前記湿潤原料投入部側から前記乾燥物排出部側に向けて上方に傾斜する位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載の流動層乾燥装置。
  4. 前記ガイド装置は、前記流動層の上方のフリーボード部に設けられ、前記湿潤原料投入部側から前記乾燥物排出部側に向けて上方に傾斜する傾斜板を有することを特徴とする請求項2または3に記載の流動層乾燥装置。
  5. 前記複数の衝突板により前記傾斜板上に落下した前記乾燥物の粒子を前記乾燥容器における前記湿潤原料投入部側に搬送する搬送装置が設けられることを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の流動層乾燥装置。
  6. 前記ガイド装置は、前記流動層の上方の前記フリーボード部に設けられ、前記湿潤原料投入部と前記ガス排出部とを仕切る仕切板を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の流動層乾燥装置。
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