JP2012207438A - 緊急解錠式の錠装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 嵩張らないうえに、構造が簡単であって低コスト化が図れる緊急解錠式の錠装置を提供する。
【解決手段】 本発明の緊急解錠式の錠装置は、病室などの出入り口1に配置する引き戸2に扉錠3を取り付け、その出入り口1の縁部4に係止金具5を取り付ける。そして、その扉錠3と係止金具5とを鎖6で所定量だけ開放可能な状態で連結する。扉錠3は、鎖6を自重で離脱可能に係止するストッパー25と、ストッパー25を駆動する駆動部26と、非常感知器54による非常の検知に基づいて無線で発信される緊急信号を受信して駆動部26へ駆動指示信号を送る通信部27とを有している。駆動部26は、駆動指示信号を受けたときには、ストッパー25による鎖6の係止を解除する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の緊急解錠式の錠装置は、病室などの出入り口1に配置する引き戸2に扉錠3を取り付け、その出入り口1の縁部4に係止金具5を取り付ける。そして、その扉錠3と係止金具5とを鎖6で所定量だけ開放可能な状態で連結する。扉錠3は、鎖6を自重で離脱可能に係止するストッパー25と、ストッパー25を駆動する駆動部26と、非常感知器54による非常の検知に基づいて無線で発信される緊急信号を受信して駆動部26へ駆動指示信号を送る通信部27とを有している。駆動部26は、駆動指示信号を受けたときには、ストッパー25による鎖6の係止を解除する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、病院や住宅の屋内などに設けた出入り口を開閉する扉に配置され、火事や地震などの緊急時には、強制的、且つ、自動的に解錠する緊急解錠式の錠装置に関するものである。
近年、高齢の入院患者が徘徊することによって病院から無断で外出し、その患者が事故などに遭うことが問題になっている。この対策としては、例えば、夜間において前記徘徊の虞のある患者の病室の出入り口の扉を施錠して、病院からの無断外出を防止することが考えられる。
ところが、通常の錠装置は扉を全閉にしなければ施錠できないために、看護師が病室内の患者の様子を見ようとする際などには、解錠したのちに扉を開かなければならないことになる。このため、看護師は、常に鍵を持っておく必要があるうえに、解錠の手間が煩わしいことになる。また、患者にあっても、閉じ込められているといった印象を持つ虞がある。
この場合、前記錠装置に代えて、例えば病室の扉にドアチェーンを取り付けておくと、ドアチェーンを掛けた施錠状態で看護師が扉をわずかに開けて、病室内の患者の様子を見ることができることになる。また、患者にあっても、換気などの際には扉をわずかに開けることができ、閉じ込められているといった印象を持ち難くなる。
かかるドアチェーンを用いた場合でも、病室に出入りするためには当該ドアチェーンを外さなければならない。このため、火事や地震などの緊急時に、病室から迅速に出られないことになる。
これに対して、特許文献1には、地震検知手段からの解錠信号に基づいてドアチェーンを自動的に外すものが記載されている。これによれば地震などの際には、患者が扉を開いて病室から迅速に脱出できることになる。ところが、特許文献1に記載の錠装置にあっては、嵩張って見掛けが悪いうえに、構造が複雑であるために高コストになるといった問題がある。
本発明は、かかる不都合を解決することを目的とするものであり、嵩張らないうえに、構造が簡単であって低コスト化が図れる緊急解錠式の錠装置を提供することにある。
本発明は、前記不都合を解決するものである。すなわち本発明は、出入り口1に配置する扉2およびその出入り口1の縁部4のいずれか一方に扉錠3・62を取り付け、他方に係止金具5を取り付け、その扉錠3・62と係止金具5とを連結部材6で所定量だけ開放可能な状態で連結することで施錠する錠装置であって、扉錠3・62は、連結部材6を自重で離脱可能に係止するストッパー25・63と、ストッパー25・63を駆動する駆動部26・64と、非常感知器54による非常の検知に基づいて無線で発信される緊急信号を受信して駆動部26・64へ駆動指示信号を送る通信部27・65とを有しており、駆動部26・64は、駆動指示信号を受けたときには、ストッパー25・63による連結部材6の係止を解除することを特徴とする。
本発明の緊急解錠式の錠装置は、病院や住宅などの屋内に設けた出入り口1に配置することが望ましいが、それ以外の出入り口1、例えば屋外への出入り口1に配置することも可能である。扉2としては、横方向にスライドさせて開閉する引き戸や、前後方向に開閉する開き戸などが該当する。緊急信号は、扉錠3・62が非常感知器54から直接受信してもよく、例えば中継としての管理装置53を介して受信してもよい。非常感知器54としては、無線式の煙感知器、火災検知器(熱検知器)、地震検知器、および台風などの非常時を検知するための雨検知器や風検知器などが該当する。連結部材6としては、鎖やバー(棒状体)などが該当する。ここでのストッパー25・63は、連結部材6を直接受け止めるものであってもよく、連結部材6に設けた係止具10・66を受け止めるものであってもよい。所定量としては、例えば10cmが該当する。
詳しくは、連結部材6には係止具10・66を備えており、ストッパー25・63は、係止具10・66を自重で離脱可能に係止するようになっており、駆動部26・64によってストッパー25・63を後退させたときに、係止具10・66が扉錠3・62から自重で離脱するようになっている。
具体的な構成としては、扉錠3は、上下方向に延びていて係止具10を抜け止め状態で上下方向に案内する係合溝16を形成しており、係合溝16の上端には、係止具10に形成した抜止部14を扉錠3の内部空間15内に挿入するための挿入孔17を形成しており、係合溝16の下端には、係止具10の抜止部14を前記内部空間15内から排出するための排出孔18を形成しており、係合溝16に臨む位置であって排出孔18の上側となる位置に、係止具10を受け止めるためのストッパー25を配置しており、ストッパー25が後退して係止具10から離れたときに、係止具10が排出孔18側へ自重で移動して抜止部14が排出孔18から扉錠3外へ排出されるものとすることができる。
係止金具5は、連結部材6を連結している係止部47の高さが扉錠3・62に係止されている係止具10・66よりも低くなる位置に取り付けている。
また、扉錠3内であって係合溝16の挿入孔17に臨む位置には、バネ24によって挿入孔17側へ付勢されている蓋部材22を配置しているものであってもよい。
連結部材6には、施錠状態で扉2が開放されたときの衝撃を緩和するための緩衝部材56を設けてもよい。緩衝部材56は、連結部材6の端に設けてもよく、連結部材6の長さ方向の中間に設けてもよい。
疑似緊急信号を無線で発信する発信機を設け、駆動部26・64は、発信機からの疑似緊急信号を受けたときに、ストッパー25・63による連結部材6の係止を解除するようにしてもよい。
本発明の緊急解錠式の錠装置は、平常時には、ストッパー25・63によって連結部材6が係止されている。そして、火事や地震などの非常時には、非常感知器54による当該非常の検知に基づいて緊急信号が発せられ、その緊急信号を扉錠3・62の通信部27・65が受信すると、駆動部26・64は、ストッパー25・63による連結部材6の係止を解除する。これによって、連結部材6が自重で扉錠3・62から外れて解錠される。
このように、火事や地震などの非常時には、連結部材6が扉錠3・62から外れて解錠されるので、前記非常時には、室内の者が扉2を確実に開いて脱出できることになる。そのうえで、本発明の錠装置は、ストッパー25・63による連結部材6の係止を解除するだけで連結部材6が自重で扉錠3・62から外れるといった簡単な構造であるために、錠装置を嵩張らない構成にできて当該錠装置の見掛けを良くできるうえに、錠装置の低コスト化が図れる。
ストッパー25・63が連結部材6の係止具10・66を係止するようになっていると、例えば鎖状の連結部材6であっても、その連結部材6を係止具10・66を介して確実に係止することができる。
連結部材6の係止具10の抜止部14を挿入孔17から扉錠3の内部空間15内に挿入することで、係止具10が抜け止め状態で係合溝16に案内されてストッパー25に受け止められるようにすると、係止具10の抜止部14を挿入孔17に挿入するといった簡単な操作で施錠することができる。加えて、火事や地震などの非常時にストッパー25が後退したときには、抜止部14が排出孔18から扉錠3外へ自重で排出されて解錠されるので、構造を簡単にできながら確実に解錠することができる。
係止金具5の係止部47の高さが、扉錠3・62に係止されている係止具10・66よりも低くなっていると、例えば施錠した状態で扉2を過度の力で開いたために連結部材6が突っ張っても、その連結部材6の引っ張り力によって連結部材6には下方向の力が生じる。従って、前記連結部材6が突っ張った状態でストッパー25・63を後退させたときには、係止具10・66が自重および前記下方向の力によって扉錠3・62から離脱する(抜け落ちる)。
係合溝16の挿入孔17に、バネ24によって挿入孔17側へ付勢する蓋部材22を臨ませて配置していると、係止具10の抜止部14で蓋部材22をバネ24の付勢力に抗して押し込んだのち、係止具10をストッパー25側に移動させたときには、蓋部材22がバネ24の付勢力によって挿入孔17を閉じ状態にする。これによって係止具10の抜止部14が挿入孔17から不用意に抜け出ることを防止できる。なお、蓋部材22をバネ24の付勢力に抗して押し込むことで、係止具10の抜止部14を挿入孔17から取り出すことも可能である。
連結部材6に、施錠状態で扉2が開放されたときの衝撃を緩和するための緩衝部材56を設けると、施錠状態で連結部材6が引っ張られたときに、その引っ張りによる衝撃が係止金具5や扉錠3に直接加わることを緩和することができる。
発信機からの疑似緊急信号を受けたときに連結部材6の係止を解除すると、緊急時には発信機によって迅速に解錠して室内へ入ることができる。また、定期検査(例えば一ヶ月ごと)の際に発信機によって扉錠3の動作確認を行うことができる。
(第1実施例) 本発明に係る緊急解錠式の錠装置の第1実施例を図ないし図11に基づいて説明する。本発明の錠装置は、図1に示すように、病室などの出入り口1に配置する引き戸(扉)2に取り付ける扉錠3と、前記出入り口1の縁部4に取り付ける係止金具5と、その係止金具5と扉錠3とを所定量(例えば10cm)だけ開放可能な状態で連結して施錠するための鎖(連結部材)6とを有している。
扉錠3は、図2および図3に示すように、引き戸2にビスなどで取り付けている本体部8と、この本体部8の前面(図3では左側)にビスなどで取り付けている係合部9とを有する。本体部8の外装7は、少なくとも一部が合成樹脂などの電波が透過可能な材質で形成してある。
係合部9は、前記鎖6の他端に備えている円柱形状の係止具10を上下移動可能に係止する。係止具10は、鎖6の一端を連結している円環状の連結リング11と、その連結リング11を貫通させて係止している円柱形状の把持部12と、その把持部12の後端(図3では右側)に形成している鍔部12aから後方に延びる円柱形状の首部13と、その首部13の後端に形成している円板形状の抜止部14とからなる。首部13の直径は、抜止部14および把持部12の鍔部12aの直径よりも小さくなっている。
係合部9は、上下方向に長く(縦長に)なっており、その中央部が前方に隆起することで、その膨張部9a内、つまり扉錠3内に縦長の内部空間15を形成している。係合部9の膨張部9aの前面には、上下方向に延びていて、係止具10を抜け止め状態で上下方向に案内する係合溝16を形成しており、その係合溝16の上端には、係止具10の抜止部14を前記内部空間15内に挿入するための円形状の挿入孔17を形成している。その挿入孔17の直径は、抜止部14の直径よりも大きくなっている。
係合溝16の左右の幅は、係止具10の首部13の直径よりも大きくなっている一方で、抜止部14および把持部12の鍔部12aの直径よりも小さくなっている。これによって係止具10の抜止部14を挿入孔17から係合部9の内部空間15内に挿入して、首部13を係合溝16に嵌め込んだときには、抜止部14が係合溝16から前方へ抜け出ないことになる。
係合溝16の下端には、係止具10の抜止部14を前記内部空間15内から排出するための排出孔18を形成している。排出孔18の左右の幅は、抜止部14の直径よりも大きくなっている。排出孔18の下端には、係合部9の前面から後方へ折り曲げ形成したガイド部20を設けており、そのガイド部20によって係止具10の抜止部14が自重で扉錠3外へ案内される。
係合溝16の挿入孔17は、開閉部21によって開閉される。その開閉部21は、内部空間15側であって挿入孔17に臨む位置に配置している蓋部材22と、その蓋部材22の上端部に固定していて前端側が係合部9外へ突出している釦23と、その釦23および蓋部材22を前方(挿入孔17側)へ付勢するバネ24とからなる。そして、係止具10の抜止部14で蓋部材22をバネ24の付勢力に抗して後方へ押し込むことで挿入孔17が開いて、当該抜止部14を係合部9の内部空間15内に挿入できる。また、釦23をバネ24の付勢力に抗して後方へ押し込むことで蓋部材22が後方へ移動し、これによって係合溝16の挿入孔17が開いて、内部空間15内の抜止部14を挿入孔17から取り出すことができる。
前記内部空間15内において、係合溝16に臨む位置であって排出孔18の上側となる位置に、係止具10を受け止めて係止するための円柱形状のストッパー25を配置している。ストッパー25は、本体部8から前記内部空間15内へ突出しており、前後方向に移動可能になっている。そして、ストッパー25は、前方へ突出している状態で係止具10の抜止部14を受け止めて係止(保持)し(図3の状態)、後方すなわち本体部8内へ後退して係止具10から離れたときに、係止具10の抜止部14の係止状態を解除する。これによって係止具10が排出孔18側(下側)へ自重で移動して、抜止部14が排出孔18から扉錠3外へ排出される。つまり、ストッパー25は、鎖6を自重で扉錠3から離脱可能に係止する。
本体部8は、図3および図8に示すように、前記ストッパー25を前後方向へ駆動するための駆動部26と、後述する緊急信号を受信して駆動部26へ駆動指示信号を送る通信部27と、駆動部26および通信部27の電源としての電池28とを有する。通信部27は、受信アンテナ(図示せず)などを有していて、後述する管理装置53から無線で送信される緊急信号を受信する。電池28としては、一次電池、二次電池および太陽電池などが該当する。
本体部8の駆動部26は、ストッパー25を駆動するためのモータ31と、そのモータ31の回転軸に減速ギヤ機構(図示せず)を介して連結していて、当該モータ31によって回転駆動される駆動カム32およびリミットカム33と、リミットカム33によってオンオフ操作されるリミットスイッチ34と、前記通信部27からの駆動指示信号を受けてモータ31を駆動する制御部35とを有する。ストッパー25は、そのストッパー25を前方へ付勢するバネ37と共にブラケット38内に収容しており、そのブラケット38は、本体部8の前板8aの内面側(図3では右側)に取り付けている。ストッパー25は、ブラケット38の前面の開口および本体部8の前板8aに設けた孔を介して係合部9の内部空間15内に突出している。
ストッパー25の下面には、下方へ延びるピン39を設けており、そのピン39は、図3および図4に示すように、ブラケット38の下面に形成している長孔40を介してブラケット38の下方に突出している。その長孔40は前後方向に延びている。駆動カム32は、図4および図5に示すように、円板の周方向の一部に切り欠き41を形成しており、その切り欠き41内に前記ピン39が位置している状態では、ストッパー25は前方へ突出している(図4の状態)。
そして、モータ31の駆動により駆動カム32が回転すると(図4では反時計方向)、前記切り欠き41の時計方向側の縁41aがピン39をバネ37の付勢力に抗して後方に押し、これに伴ってストッパー25が本体部8内へ後退する。さらに駆動カム32が図4の反時計方向に回転することで、駆動カム32の周縁32bがピン39に当接するが(図5の状態)、その際にはピン39は駆動カム32によって後方に押された状態のままであるため、ストッパー25の後退状態が維持される。その後、駆動カム32が、切り欠き41がピン39に臨む位置まで回転すると、バネ37の付勢力によりストッパー25が前方へ突出する(図4の状態)。
リミットカム33は、図6および図7に示すように、ベース面43からカム山44が隆起しており、駆動カム32の切り欠き41内にピン39が位置している状態では、リミットカム33のカム山44がリミットスイッチ34のレバー45を押している(図6の状態)。この状態でリミットスイッチ34は、例えばオンしている。
そして、駆動カム32が図4の反時計方向に回転することに連動して、リミットカム33が図6の反時計方向に回転し、これに伴ってリミットカム33のカム山44がリミットスイッチ34のレバー45から離れ(図7参照)、リミットスイッチ34がオフになる。その後、駆動カム32の切り欠き41がピン39に臨む位置まで回転したときには、リミットカム33のカム山44がリミットスイッチ34のレバー45を押し、リミットスイッチ34がオンする。リミットスイッチ34は、制御部35に接続していて(図8参照)、制御部35は、前記リミットスイッチ34がオフからオンになると、モータ31を停止する。これにより、ストッパー25が前方へ突出した状態で維持される。なお、リミットスイッチ34は、レバー45が押されるとオンからオフになるものであってもよい。
係止金具5は、図2および図9に示すように、上下方向に延びる長板で形成しており、ビスなどによって出入り口1の縁部4に取り付けている。係止金具5は、その上下方向の中間を前方に隆起することで係止部47を形成している。そして、係止部47には、鎖6の他端を連結している。係止部47の上端部48は、前方に折れ曲がった状態で二股状に分かれており、その上端部48に、係止具10を掛けて保持することが可能になっている(図2の仮想線図参照)。
係止金具5は、図2に示すように、係止部47の高さがストッパー25で受け止められて係止されている係止具10よりも、例えば寸法Lだけ低くなるように縁部4に取り付けている。これにより、例えば施錠した状態で引き戸2を過度の力で開いたために鎖6が突っ張った状態になっても(図10参照)、その鎖6の引っ張り力によって鎖6には下方向の力が生じ、係止具10がその自重と前記下方向への力によって排出孔18側(下側)へ確実に移動して、排出孔18から排出される。
本発明の錠装置は、複数の病室などの出入り口1に配置されるようになっており、扉錠3が各出入り口1の引き戸2にそれぞれ取り付けられている。各扉錠3は、図11に示すように、管理装置53から無線で送信される緊急信号をそれぞれ受信したときに、ストッパー25を後退させる。すると、ストッパー25が係止具10から外れ、係止具10が、自重で下方へ移動して係合部9の排出孔18から排出される(解錠する)。これにより、火事や地震などの際には、患者などは引き戸2を開いて病室などから迅速に脱出できることになる。
前記管理装置53は、複数の無線式の非常感知器54からの警報信号を受信するようになっており、それらの非常感知器54の少なくとも一つが警報信号を発信したときに前記緊急信号を各扉錠3へ送信するようになっている。各非常感知器54は、無線式の煙感知器、火災検知器(熱検知器)、地震検知器、雨検知器および風検知器などが該当し、火事や地震や台風などの非常を検知したときに警報信号を発信する。なお、各扉錠3は、各非常感知器54からの警報信号(無線信号)を緊急信号として直接受信してもよい。また、各非常感知器54は管理装置53へ警報信号を有線で送信し、管理装置53は、その警報信号に基づいて無線で各扉錠3へ緊急信号を送信してもよい。
このように、火事や地震や台風などの非常の際には、扉錠3が自動的に解錠するので、前記病室内の患者などは迅速に避難することができる。
なお、疑似緊急信号を無線で発信する発信機(図示せず)を備えることで、その発信機によって扉錠3を動作させて解錠するようにしてもよい。これによって、例えば看護師が前記発信機を携帯することで、患者の容体の急変などの緊急時には発信機によって迅速に解錠して病室内へ入ることができる。また、定期検査(例えば一ヶ月ごと)の際に発信機によって扉錠3を動作させて動作確認を行うことができる。
(第2実施例) 本発明に係る緊急解錠式の錠装置の第2実施例を図12および図13に基づいて説明する。第2実施例の緊急解錠式の錠装置では、鎖6の中間部に、緩衝部材56を設けている。その緩衝部材56は、鎖6の係止金具5側の鎖部6aに連結しているシリンダ57と、鎖6の扉錠3側の鎖部6bに連結しているピストン58と、そのピストン58を係止金具5側へ付勢するコイルバネ59とを有している。
詳しくは、ピストン58のロッド58aに扉錠3側の鎖部6bを連結しており、ピストン58の鍔部58bとシリンダ57の扉錠3側の封止板57aとの間にコイルバネ59を配置している。そして、施錠状態で鎖6が引っ張られたときには、コイルバネ59が収縮して(図13の状態)、その引っ張りによる衝撃が係止金具5や扉錠3に直接加わることを緩和する。
これによって施錠状態で鎖6が引っ張られたときに、前記引っ張りによる衝撃で係止金具5や扉錠3が破損することなどが低減される。その他の構成については第1実施例と同様であるため、同一機能のものには同一符号を付して説明を省略する。
(第3実施例) 本発明に係る遮緊急解錠式の錠装置の第3実施例を図14および図15に基づいて説明する。第3実施例の緊急解錠式の錠装置では、係止金具5を引き戸2に取り付け、出入り口1の縁部4に扉錠62を取り付けている。その扉錠62は、ストッパー63を上下方向へ移動させるための駆動部64と、緊急信号を受信して駆動部64へ駆動指示信号を送る通信部65とを有する。扉錠62の外装は、少なくとも一部が合成樹脂などの電波が透過可能な材質で形成してある。
係止具66は、鎖6の一端を連結している円環状の連結リング67と、その連結リング67を貫通させて係止している円柱形状の把持部68と、その把持部68の後端(図15では左側)に形成している鍔部68aから後方に延びる円柱形状の保持部69とからなる。保持部69には、ストッパー63が嵌合する凹部69aを設けている。扉錠62内であってその扉錠62の前板62aには、係止具66の保持部69が差し込まれるブラケット70を取り付けており、前記ストッパー63は、ブラケット70を貫通して、係止具66の保持部69の凹部69aに嵌合する。ストッパー63は、バネによって下側へ付勢されている。
係止具66の保持部69は、扉錠62の前板62aの孔およびブラケット70の前面開口を介して当該ブラケット70内に差し込まれた際には、ストッパー63は、保持部69に押されて上側に移動し、係止具66の保持部69が奥まで差し込まれると(図15の状態)、係止具66の保持部69の凹部69aに嵌合する。これによって係止具66が扉錠62に係止される。
その後、管理装置53から無線で送信される緊急信号を受信したときには、駆動部64は、ストッパー63を上方へ後退させて係止具66の凹部69aから外す(図15の仮想線図参照)。これにより、係止具66は、ストッパー63による係止が解除されて、自重で扉錠62から排出される(離脱する)。
ストッパー63を移動させる駆動部64の構成は、第1実施例の駆動部26と同様であるために説明を省略する。また、第3実施例は、第1実施例と同様に電池を電源にしてもよいが、電源として商用電源を用いてもよい。係止金具5の係止部47の高さは、扉錠62に係止されている係止具66よりも低くなっている。その他の構成については第1実施例と同様であるため、同一機能のものには同一符号を付して説明を省略する。
第3実施例でも、火事や地震や台風などの際には、扉錠62が自動的に解錠するので、前記病室内の患者などは迅速に避難することができる。なお、第3実施例の鎖6にも、第2実施例の緩衝部材56を設けることができる。また、第3実施例でも、疑似緊急信号を無線で発信するによって扉錠3を動作させて解錠するようにしてもよい。
1 出入り口
2 引き戸
3・62 扉錠
4 引き戸の縁部
5 係止金具
6 鎖
10・66 係止具
14 抜止部
15 内部空間
16 係合溝
17 挿入孔
18 排出孔
22 蓋部材
24 バネ
25・63 ストッパー
26・64 駆動部
27・65 通信部
47 係止部
56 緩衝部材
2 引き戸
3・62 扉錠
4 引き戸の縁部
5 係止金具
6 鎖
10・66 係止具
14 抜止部
15 内部空間
16 係合溝
17 挿入孔
18 排出孔
22 蓋部材
24 バネ
25・63 ストッパー
26・64 駆動部
27・65 通信部
47 係止部
56 緩衝部材
Claims (7)
- 出入り口(1)に配置する扉(2)およびその出入り口(1)の縁部(4)のいずれか一方に扉錠(3・62)を取り付け、他方に係止金具(5)を取り付け、その扉錠(3・62)と係止金具(5)とを連結部材(6)で所定量だけ開放可能な状態で連結することで施錠する錠装置であって、
扉錠(3・62)は、連結部材(6)を自重で離脱可能に係止するストッパー(25・63)と、そのストッパー(25・63)を駆動する駆動部(26・64)と、非常感知器(54)による非常の検知に基づいて無線で発信される緊急信号を受信して駆動部(26・64)へ駆動指示信号を送る通信部(27・65)とを有しており、
駆動部(26・64)は、駆動指示信号を受けたときには、ストッパー(25・63)による連結部材(6)の係止を解除することを特徴とする緊急解錠式の錠装置。 - 連結部材(6)には係止具(10・66)を備えており、
ストッパー(25・63)は、前記係止具(10・66)を自重で離脱可能に係止するようになっており、
駆動部(26・64)によってストッパー(25・63)を後退させたときに、係止具(10・66)が扉錠(3・62)から自重で離脱することを特徴とする請求項1記載の緊急解錠式の錠装置。 - 扉錠(3)は、上下方向に延びていて係止具(10)を抜け止め状態で上下方向に案内する係合溝(16)を形成しており、
係合溝(16)の上端には、係止具(10)に形成した抜止部(14)を扉錠(3)の内部空間(15)内に挿入するための挿入孔(17)を形成しており、
係合溝(16)の下端には、係止具(10)の抜止部(14)を前記内部空間(15)内から排出するための排出孔(18)を形成しており、
係合溝(16)に臨む位置であって排出孔(18)の上側となる位置に、係止具(10)を受け止めて係止するためのストッパー(25)を配置しており、
ストッパー(25)が後退して係止具(10)から離れたときに、係止具(10)が排出孔(18)側へ自重で移動して抜止部(14)が排出孔(18)から扉錠(3)外へ排出されることを特徴とする請求項2記載の緊急解錠式の錠装置。 - 係止金具(5)は、連結部材(6)を連結している係止部(47)の高さが扉錠(3・62)に係止されている係止具(10・66)よりも低くなる位置に取り付けていることを特徴とする請求項2または3記載の緊急解錠式の錠装置。
- 扉錠(3)内であって係合溝(16)の挿入孔(17)に臨む位置には、バネ(24)によって挿入孔(17)側へ付勢されている蓋部材(22)を配置していることを特徴とする請求項3記載の緊急解錠式の錠装置。
- 連結部材(6)には、施錠状態で扉(2)が開放されたときの衝撃を緩和するための緩衝部材(56)を設けていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の緊急解錠式の錠装置。
- 疑似緊急信号を無線で発信する発信機を設け、
駆動部(26・64)は、前記発信機からの疑似緊急信号を受けたときに、ストッパー(25・63)による連結部材(6)の係止を解除するようにしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の緊急解錠式の錠装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011073631A JP2012207438A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 緊急解錠式の錠装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011073631A JP2012207438A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 緊急解錠式の錠装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108438505A (zh) * | 2018-04-16 | 2018-08-24 | 海门市赛瑞电子科技有限公司 | 一种酒瓶防盗装置 |
-
2011
- 2011-03-29 JP JP2011073631A patent/JP2012207438A/ja not_active Withdrawn
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