JP2012206937A - バルク状単結晶および窒化物単結晶基板 - Google Patents

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義政 小林
Mikiya Ichimura
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Abstract

【課題】窒化物単結晶基板の反りや粒界生成を抑制することである。
【解決手段】バルク状単結晶は、針状種結晶と、この針状種結晶の側面から成長している窒化物単結晶とを有する。針状種結晶の幅に対する長さの比率が5以上であり、窒化物単結晶のc軸が針状種結晶の主軸と略平行である。バルク状単結晶を加工して窒化物単結晶基板を得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、バルク状単結晶および窒化物単結晶基板に関するものである。
窒化ガリウム系III-V 窒化物は、優れた青色発光素子として注目を集めており、発光ダイオードや半導体レーザーダイオード用材料として実用化されている。特許文献1〜4記載の方法では、フラックス法によってIII 族窒化物単結晶を育成している。
種結晶として、基板上に堆積させたGaN 薄膜またはAlN 薄膜を用いて、核発生箇所を制御する方法が報告されている(特許文献5)。
また、本出願人は、アルミナを含む原料組成物を、窒素含有雰囲気中、炭素存在下で加熱することにより、窒化アルミニウム単結晶を製造方法によって、針状の窒化アルミニウム単結晶を作製する事に成功している(特許文献6、7)。
特開2002−293696 特開2003−292400 WO2005−095682 WO2006−030718 特開2000−327495 特開2005−132699 特開2006−045047 特願2006−084250
本出願人は、フラックス法において、気液界面の温度と融液の底部における温度との差を設けることにより、雑晶を発生させずに、種結晶上に均一に単結晶を育成する事に成功している。
しかし、従来の窒化物単結晶の育成方法では、基板と窒化物単結晶の熱膨張差に起因し、窒化物単結晶に反りが発生することがあった。すなわち、育成された窒化物単結晶は板状ないし膜状をなしているが、この窒化物単結晶に反りが発生することがある。窒化物単結晶に反りが生じたときにも、これを加工することによって平坦面を形成することは可能である。しかし、反りの発生した窒化物単結晶中では、単結晶の結晶方位が場所によって少しずつ異なることになる。このため、窒化物単結晶に機械的に平坦面を形成したとしても、その平坦面の各点における結晶方位が少しずつ変化することになる。結晶方位が場所によって変化すると、高品質の光学デバイスを作製することは難しくなる。
また、種結晶基板の表面に窒化物単結晶を育成するとき、種結晶基板上での核発生場所を制御することが難しく、種結晶基板上の任意の位置で結晶成長が始まる。隣接する部位から成長を始めた窒化物単結晶は、成長に伴って互いにぶつかりあい、粒界を形成しやすい。
本発明の課題は、窒化物単結晶基板の反りや粒界生成を抑制することである。
本発明は、針状種結晶と、この針状種結晶の側面から成長している窒化物単結晶とを有するバルク状単結晶であって、
記針状種結晶の幅に対する長さの比率が5以上であり、前記窒化物単結晶のc軸が前記針状種結晶の主軸と略平行であることを特徴とする。
前記窒化物単結晶を加工して窒化物単結晶基板を製作できる。
融液中で針状種結晶の側面から径方向に向かって、すなわち針状種結晶の厚さないし径が大きくなる方向へと向かって窒化物単結晶を成長させることで、バルク状単結晶を得る
例えば図1の模式図に示すように、針状種結晶9を育成容器7の融液5内に浸漬し、単結晶の育成条件とする。この育成方法によれば、例えば図2(a)、図2(b)の模式図に示すように、針状種結晶9の側面9aから、矢印Yのように径方向へと向かって、窒化物単結晶10が一層ずつ成長していく。したがって、隣接する単結晶同士の衝突は起こりにくく、粒界は形成されにくい。
この単結晶は、針状種結晶との接触面積が小さいために、育成された単結晶と種結晶との熱膨張差の影響が小さい。その上、針状種結晶を中心として単結晶の形状は略対称である。したがって、育成される単結晶の反りが少なく、単結晶の結晶方位が揃っており、高品質な単結晶を提供できる。
育成容器7内に融液5および針状種結晶9を収容した状態を示す模式図である。 (a)は、針状種結晶9から単結晶が成長している状態を模式的に示す概念図であり、(b)は、同じく横断面図である。 (a)は、単結晶の切断方法を示す正面図であり、(b)は、(a)において切断された窒化物単結晶基板12を示す図である。 本発明の実施に使用できる育成装置の全体を示すブロック図である。 (a)は、育成された単結晶を模式的に示す正面図であり、(b)は、(a)の単結晶の切断方向を示す上面図であり、(c)は、切断によって得られた平板13を示す正面図である。 (a)は、図5(a)の単結晶の切断方向を示す上面図であり、(b)は、切断によって得られた平板14を示す正面図である。
窒化物単結晶は例えば以下のものである。
GaN、AlN、InN、これらの混晶(AlGaInN)、BN。
針状種結晶の種類は特に限定されないが、窒化物単結晶が特に好ましい。このような窒化物単結晶としては、GaN、AlN、InN、これらの混晶(AlGaInN)、BNを例示できる。
針状種結晶の横断面形状は特に限定されず、例えば真円形、楕円形などであってよく、また、三角形、四辺形、五角形、六角形等の多角形であってよい。
針状種結晶は、細長い形状をした種結晶であり、針状種結晶の幅に対する長さの比率は5以上である。
針状種結晶の製造方法は特に限定されないが、特許文献6、7に記載の方法を好適に例示できる。
本発明の方法を実施する際には、側面9aから矢印A方向へと向かっても単結晶が成長する傾向がある。このような単結晶も、その起点が針状種結晶9の側面9aにある範囲内において、本発明に包含される。ただし、側面から、針状種結晶9の主軸Xに対して略垂直な方向Yへと向かって、単結晶が成長することが好ましい。
好適な実施形態においては、育成される窒化物単結晶がウルツ鉱構造を有しており、すなわち、m軸、c軸、およびa軸を有する。これらの各結晶軸は結晶学的に定義されるものである。そして、育成される窒化物単結晶のc軸が、針状種結晶の主軸と略平行となるように単結晶を育成する。すなわち、図2(a)、(b)に示すように、窒化物単結晶10のc軸が、針状種結晶9の主軸Xと略平行となるようにする。これによって、窒化物単結晶の反りや粒界を一層低減できる。この実施形態では、単結晶c軸とX軸とは、ほぼ平行であれば足り、例えば10°以内の誤差は差し支えない。また、c軸の方位は、針状種結晶9の側面9aにおける結晶方位によって制御することができる。
また、本発明の方法によって得られたバルク状単結晶を加工して、窒化物単結晶基板を作製することができる。この方法は特に限定されない。例えば、窒化物単結晶のバルクを研削加工することができるが、窒化物単結晶バルクを切断して基板を取り出すことが好ましい。この切り出し方法も特に限定されず、単結晶ブールの通常の切断方法を使用できる。
好適な実施形態においては、針状種結晶の主軸が窒化物単結晶基板の法線と平行になるように切り出す。図3(a)、(b)は、この実施形態に係るものである。
すなわち、図3(a)の正面図に示すように、針状種結晶9の主軸Xが窒化物単結晶基板12の法線Kと略平行になるように切り出す。Tが切断面である。切断面Tは、単結晶の主軸Xに対して略垂直である。
この切断によって、図3(b)に示すような窒化物単結晶基板12が得られる。12a、12bが主面(切断面である)。転位は窒化物単結晶10の成長方向(つまり主軸Xと略垂直な方向Y)へと向かって延びる。したがって、主軸Xと略垂直な方向Yに向かって切断すると、転位が基板の主面12a、12bには露出しない。したがって、基板12を貫通する貫通転位を低減できる。
本発明の実施の際には、融液5の気液界面5aにおける温度(TS)と融液5の底部5bにおける温度(TB)との差(TS−TB)を1℃以上、8℃以下とすることが好ましい(図1参照)。これによって、窒化物単結晶への雑晶の付着を防止できる。
好適な実施形態においては、融液5の気液界面5aと種結晶9の側面9aとがなす角度を45°以上、135°以下とする。好ましくは、融液5の気液界面5aと種結晶9の側面9aとがなす角度を80°以上、100°以下とする。特に好ましくは、融液の気液界面5aと種結晶の側面9aとをほぼ垂直とする。これによって、雑晶が一層単結晶に対して付着しにくくなる。
また、融液の気液界面と種結晶の成長面とをほぼ垂直とする場合には、育成容器内に複数の種結晶を収容し、固定することができるので、生産性が向上する。
融液の各点の温度は、熱電対、放射温度計、セラミックス成型体の熱収縮量などによって計測する。
好適な実施形態においては、図4に模式的に示すように、複数の発熱体6A、6B、6Cを上下方向に設置し、発熱体ごとに発熱量を独立して制御する。つまり、上下方向へと向かって多ゾーン制御を行なう。圧力容器内は高温、高圧となるので、上下方向の温度勾配を制御することは一般には難しいが、複数の発熱体を上下方向に設置し、各発熱体をゾーン制御することによって、融液内部における温度差を最適に制御できる。
各発熱体を発熱させ、気体タンク1、圧力制御装置2、配管3を通して、雰囲気制御用容器4内の育成容器7へと窒素含有雰囲気を流し、加熱および加圧すると、育成容器内で混合原料がすべて溶解し、融液を生成する。ここで、所定の単結晶育成条件を保持すれば、窒素が育成原料融液中に安定して供給され、種結晶上に単結晶膜が成長する。
発熱体の材質は特に限定されないが、鉄- クロム- アルミ系、ニッケル- クロム系などの合金発熱体、白金、モリブデン、タンタル、タングステンなどの高融点金属発熱体、炭化珪素、モリブデンシリサイト、カーボンなどの非金属発熱体を例示できる。
単結晶育成装置において、原料混合物を加熱して融液を生成させるための装置は特に限定されない。この装置は熱間等方圧プレス装置が好ましいが、それ以外の雰囲気加圧型加熱炉であってもよい。
融液を生成するためのフラックスは特に限定されないが、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選ばれた一種以上の金属またはその合金が好ましい。この金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが例示でき、リチウム、ナトリウム、カルシウムが特に好ましく、ナトリウムが最も好ましい。
また、上記アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選ばれた一種以上の金属と合金を形成する物質としては、以下の金属を例示できる。
ガリウム、アルミニウム、インジウム、ホウ素、亜鉛、ケイ素、錫、アンチモン、ビスマス。
単結晶育成工程における加熱温度、圧力は、単結晶の種類によって選択するので特に限定されない。加熱温度は例えば800〜1500℃とすることができる。好ましくは800〜1200℃であり、更に好ましくは900〜1100℃である。圧力も特に限定されないが、圧力は1MPa以上であることが好ましく、10MPa以上であることが更に好ましい。圧力の上限は特に規定しないが、例えば200MPa以下とすることができ、100MPa以下が好ましい。
反応を行なうための育成容器の材質は特に限定されず、目的とする加熱および加圧条件において耐久性のある材料であればよい。こうした材料としては、金属タンタル、タングステン、モリブデンなどの高融点金属、アルミナ、サファイア、イットリアなどの酸化物、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ホウ素などの窒化物セラミックス、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドなどの高融点金属の炭化物、p−BN(パイロリティックBN)、p−Gr(パイロリティックグラファイト)などの熱分解生成体が挙げられる。
以下、更に具体的な単結晶およびその育成手順について例示する。
(窒化ガリウム単結晶の育成例)
本発明を利用し、少なくともナトリウム金属を含むフラックスを使用して窒化ガリウム単結晶を育成できる。このフラックスには、ガリウム原料物質を溶解させる。ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
このフラックスには、ナトリウム以外の金属、例えばリチウムを含有させることができる。ガリウム原料物質とナトリウムなどのフラックス原料物質との使用割合は、適宜であってよいが、一般的には、ナトリウム過剰量を用いることが考慮される。もちろん、このことは限定的ではない。
この実施形態においては、窒素ガスを含む混合ガスからなる雰囲気下で、全圧1MPa以上、200MPa以下の圧力下で窒化ガリウム単結晶を育成する。全圧を1MPa以上とすることによって、例えば800℃以上の高温領域において、更に好ましくは900℃以上の高温領域において、良質の窒化ガリウム単結晶を育成可能であった。この理由は、定かではないが、温度上昇に伴って窒素溶解度が上昇し、育成融液に窒素が効率的に溶け込むためと推測される。また、雰囲気の全圧を200MPa以上とすると、高圧ガスの密度と育成融液の密度がかなり近くなるために、育成融液を反応を行うための容器内に保持することが困難になるために好ましくない。
好適な実施形態においては、育成時雰囲気中の窒素分圧を1MPa以上、200MPa以下とする。この窒素分圧を1MPa以上とすることによって、例えば800℃以上の高温領域において、フラックス中への窒素の溶解を促進し、良質の窒化ガリウム単結晶を育成可能であった。この観点からは、雰囲気の窒素分圧を2MPa以上とすることが更に好ましい。また、窒素分圧は実用的には100MPa以下とすることが好ましい。
雰囲気中の窒素以外のガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。窒素以外のガスの分圧は、全圧から窒素ガス分圧を除いた値である。
好適な実施形態においては、窒化ガリウム単結晶の育成温度は、800℃以上であり、900℃以上とすることが好ましく、1000℃以上とすることが更に好ましい。このような高温領域においても良質な窒化ガリウム単結晶が育成可能である。また、高温・高圧での育成により、生産性を向上させ得る可能性がある。
窒化ガリウム単結晶の育成温度の上限は特にないが、育成温度が高すぎると結晶が成長しにくくなるので、1500℃以下とすることが好ましく、この観点からは、1200℃以下とすることが更に好ましい。
(AlN単結晶の育成例)
本発明は、少なくともアルミニウムとアルカリ土類を含むフラックスを含む融液を特定の条件下で窒素含有雰囲気中で加圧することによって、AlN単結晶を育成する場合にも有効であることが確認できた。
好ましくは、針状種結晶の主軸が窒化物単結晶基板の法線と平行になるように窒化物単結晶基板が切り出されており、窒化物単結晶基板の表面がc面と略平行である。
また、好ましくは、針状種結晶の主軸と略平行に窒化物単結晶基板が切り出されており、窒化物単結晶基板の表面がa面と略平行である。
また、好ましくは、針状種結晶の主軸と略平行に窒化物単結晶基板が切り出されており、窒化物単結晶基板の表面がm面と略平行である。
また、好ましくは、窒化物単結晶基板の表面が鏡面の研磨面をなしており、この研磨面の凹凸が3μm 以下である。
また、好ましくは、針状種結晶と窒化物単結晶との屈折率が異なっている。
また、好ましくは、窒化物単結晶において、X線ロッキングカーブ測定における(0002)反射の半値幅より、(10−10)反射もしくは(10−12)反射の半値幅の方が小さい。
(実施例1)
図1〜図4を参照しつつ説明した本発明に従い、GaN単結晶を育成した。
具体的には、III族原料として金属ガリウム(Ga)を、フラックスとして金属ナトリウム(Na)を、種結晶と共に、育成容器7内に秤量した。GaとNaのモル比は25:75となるように秤量した。
種結晶9としては、直径0.5mm 、長さ10mmの針状の窒化アルミニウム単結晶を用いた。単結晶9は、特開2006−045047号公報の実施例3にしたがって製造したものである。種結晶9は、主軸Xが気液界面5aと垂直になるように縦置きに配置し、固定した。この育成容器7を、ガス導入口をもつ雰囲気制御用容器4内に配置し、密封した。一連の作業は、原料およびフラックス等の酸化を防ぐ為、不活性ガス雰囲気中で行なった。
上記密封容器を、3ゾーンの発熱体6A〜6Cを持つ電気炉内に配置した後、ガス導入口に圧力制御装置2を介して気体タンク1を接続した。3ゾーンの発熱体は個別に温度調整ができ、育成容器の上下方向に、任意の温度勾配を設けることができる。育成容器上部温度860℃、育成容器底部温度が855℃となるように加熱保持した雰囲気制御用容器内に、ガス圧4MPaになるように窒素ガスを導入し、200時間保持した。その後、冷却した雰囲気制御用容器から育成容器を取り出し、フラックスをエタノールと反応させ、除去する事により、種結晶を中心にして成長したGaN単結晶の回収を行なった。
育成したGaN単結晶は、直径8 mm、長さ12mmの略六角柱形であった。単結晶上に雑晶は乗っていなかった。
図3に示すように、育成したGaN 単結晶から平板12を切り出し、表面12a、12bを研磨し、厚さ0.6mm の基板を得た。原子間力顕微鏡によって基板表面の算術平均粗さRaを見積もった。この結果、針状種結晶から1mm 離れた箇所で約1nm であり、外周部から1 mm内側に入った箇所で約1nm であった。したがって、面内でほぼ均一に鏡面研磨されている事が確認できた。また、X
線ロッキングカーブのピーク半値幅を測定したところ、(0002)面からの反射は約40arcsec、(10-12 )面からの反射は約30arcsecであり、高品質な単結晶であることが確認できた。レーザー干渉計を用いて測定した研磨面の凹凸は2 μm 以下(発振波長λ=633nmのHe-Ne レーザーを用い、基板全体での干渉縞の数より測定)であり、反りが小さい事が確認できた。
基板を50℃の酸性溶液(pH3 )に3 時間浸した後、洗浄し、GaN 部分を微分干渉顕微鏡で観察したところ、c+面で約10/cm個のピットが観察された。c-面は激しく侵食され、凸凹になった。
(比較例1)
種結晶として、針状の窒化アルミニウム単結晶を用いずに、
(0001)面を主面にもつ厚さ0.43mmのサファイア基板を用いた。サファイア基板上に、有機金属化学的気相成長法(MOCVD )でエピタキシャル成長させた厚さ1 μm のAlN 単結晶薄膜を用いる以外は、実施例1 と同様にして、GaN 単結晶を育成した。
回収したGaN 単結晶の厚さは、表面の凹凸のために正確には測定できないが、約2mm であった。接触式段差計でサファイア面側を走査して測定したところ、基板の曲率半径は約2mであった。サファイアとGaN の熱膨張係数差に起因する内部応力が、このように大きな反りの原因であると考えられる。
(実施例2)
実施例1 で得られたGaN 単結晶基板の表面をさらに研磨し、厚さ0.3mmの基板を得た。実施例1 と同様にレーザー干渉計を用いて測定した研磨面の凹凸は、2 μm 以下であった。基板の反りが小さい事が確認できた。
(実施例3)
実施例1 で得られたGaN 単結晶から、図3に示すように平板12を切り出し、表面を研磨し、厚さ1.0 mmの基板12を得た。レーザー干渉計を用いて測定した研磨面の凹凸は1 μm 以下であった。基板の反りが小さい事が確認できた。
(実施例4)
実施例1 と同様にして、図5(a)に示すようにGaN 単結晶を得た。次いで、図5(b)に示すように、針状単結晶9の長手方向と略平行に切断を行うことで、図5(b)、(c)に示す平板13を切り出した。平板13の主面13a、13bは、本例では、(11-20 )面(a 面)とした。この平板13の主面13a、13bを研磨し、厚さ0.6 mmの基板を得た。レーザー干渉計を用いて測定した研磨面の凹凸は3 μm 以下であり、基板の反りが小さい事が確認できた。また、X 線ロッキングカーブのピーク半値幅を測定したところ、(11-20 )面からの反射は約30arcsecであり、高品質な単結晶であることが確認できた。
(実施例5)
実施例1 と同様にして、図5(a)に示すようにGaN 単結晶を得た。次いで、図6(a)に示すように、針状単結晶9の長手方向と略平行に切断を行うことで、図6(a)、(b)に示す平板14を切り出した。平板14の主面14a、14bは、本例では、(10-10 )面(m面)となるようにした。主面14a、14bを表面研磨し、厚さ0.6 mmの基板14 を得た。レーザー干渉計を用いて測定した研磨面の凹凸は3 μm 以下であり、基板の反りが小さい事が確認できた。また、X 線ロッキングカーブのピーク半値幅を測定したところ、(1-100 )面からの反射は約30arcsecであり、高品質な単結晶であることが確認できた。
(符号の説明)
5 融液 5a 気液界面 7 育成容器 9 針状種結晶 9a 針状種結晶9の側面 10、11 窒化物単結晶 12、13、14 窒化物単結晶基板 A 窒化物単結晶11の育成方向 C 窒化物単結晶10のc軸 X 針状種結晶9の主軸 Y 窒化物単結晶10の成長方向

Claims (11)

  1. 針状種結晶と、この針状種結晶の側面から成長している窒化物単結晶とを有するバルク状単結晶であって、
    記針状種結晶の幅に対する長さの比率が5以上であり、前記窒化物単結晶のc軸が前記針状種結晶の主軸と略平行であることを特徴とする、バルク状単結晶。
  2. 前記針状種結晶の横断面形状が六角形であることを特徴とする、請求項1記載のバルク状単結晶。
  3. 前記針状種結晶が窒化アルミニウム単結晶からなり、前記窒化物単結晶が窒化ガリウム単結晶であることを特徴とする、請求項1または2記載のバルク状単結晶。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載のバルク状単結晶の研削加工によって形成されたことを特徴とする、窒化物単結晶基板。
  5. 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載のバルク状単結晶の切り出しによって形成されたことを特徴とする、窒化物単結晶基板。
  6. 前記針状種結晶の主軸が前記窒化物単結晶基板の法線と平行になるように前記窒化物単結晶基板が切り出されており、前記窒化物単結晶基板の表面がc面と略平行であることを特徴とする、請求項5記載の窒化物単結晶基板。
  7. 前記針状種結晶の主軸と略平行に前記窒化物単結晶基板が切り出されており、前記窒化物単結晶基板の表面がa面と略平行であることを特徴とする、請求項5記載の窒化物単結晶基板。
  8. 前記針状種結晶の主軸と略平行に前記窒化物単結晶基板が切り出されており、前記窒化物単結晶基板の表面がm面と略平行であることを特徴とする、請求項5記載の窒化物単結晶基板。
  9. 前記窒化物単結晶基板の表面が鏡面の研磨面をなしており、この研磨面の凹凸が3μm 以下であることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一つの請求項に記載の窒化物単結晶基板。
  10. 前記針状種結晶と前記窒化物単結晶との屈折率が異なっていることを特徴とする、請求項5〜9のいずれか一つの請求項に記載の窒化物単結晶基板。
  11. 前記窒化物単結晶において、X線ロッキングカーブ測定における(0002)反射の半値幅より、(10−10)反射もしくは(10−12)反射の半値幅の方が小さいことを特徴とする、請求項5〜10のいずれか一つの請求項に記載の窒化物単結晶基板
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