JP2012206719A - レーダー波反射面積低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーダー目標物のレーダー波反射面積を低減させることができるレーダー波反射面積低減装置を得る。
【解決手段】複数の平板状の反射面部を連成して波板状に形成され、入射されたレーダー波の全部又は一部を反射するカバー部材1を備え、カバー部材1により、レーダー目標物の全部又は一部を覆い、当該レーダー目標物のレーダー波反射面積を低減させ、カバー部材1は、反射面部間の稜線部に、レーダー波の少なくとも一部を吸収する電波吸収体20を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】複数の平板状の反射面部を連成して波板状に形成され、入射されたレーダー波の全部又は一部を反射するカバー部材1を備え、カバー部材1により、レーダー目標物の全部又は一部を覆い、当該レーダー目標物のレーダー波反射面積を低減させ、カバー部材1は、反射面部間の稜線部に、レーダー波の少なくとも一部を吸収する電波吸収体20を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーダー波反射面積を低減するレーダー波反射面積低減装置に関する。
従来、レーダー波の反射面積を低減する技術として、例えば「シート材からなるカーテン本体と、電波を吸収する電波吸収体とを備え、前記電波吸収体を複数の板に分割し、前記カーテン本体に前記電波吸収体を収装する袋状のポケットを形成したことを特徴とするステルスカーテン。」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、電波を反射させないようにするステルスカーテンにより開口部を覆い、レーダー波反射面積を低減させるものである。
また、例えば「船舶の開口を遮蔽するステルスカーテンと、前記開口を遮蔽した前記ステルスカーテンに張力を付与する張力付与手段と、前記ステルスカーテンを格納する格納手段とを備え、前記ステルスカーテンに電波を吸収する電波吸収体を備えたことを特徴とするステルス船の開口遮蔽装置。」が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この技術は、開口部遮断装置を用いて開口部を覆い、正面方向へのレーダー波の反射を極力抑えレーダー波反射面積を低減させるものである。
また、例えば「主船体の暴露甲板上に上部構造物および戦闘用装備が具備されたステルス船であって、平時、前記戦闘用装備を覆っているカバー部材が、戦時、前記上部構造物の周囲に移動するように構成されていることを特徴とするステルス船。」が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この技術は、平時に必要な機器と戦時に必要な機器とに分けて、それぞれが必要な時(使用するとき)にステルス性を向上させるため、ステルス性を有するカバーで覆う技術であり、カバーの位置を移設(移動)させるものである。
一般に、レーダー目標物となる構造物又は移動体(例えば、船舶等)は、レーダー波が当該構造物等の突起物や平面部分に到達したときに正反射又は乱反射を起こすため、レーダー波反射面積(radar cross-section:RCS)が大きく、レーダー波を放射して探知を行う装置(以下「レーダー」という。)に対し探知されやすい、という問題点があった。
また、上記のような従来のレーダー波反射面積を低減するものは、レーダーからのレーダー波を吸収するように全体の装備にカバーを行うか、そのカバーに傾斜を付けて取り付けて正面への反射を抑制してレーダー波反射面積を低減させるものであるが、レーダー波を完全には吸収できず、また、当該傾斜を付けたカバーとレーダーとの位置関係が変化する場合には、レーダーの正面への反射波(レーダーに戻る反射波)を低減することができない、という問題点があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、レーダー目標物のレーダー波反射面積を低減させることができるレーダー波反射面積低減装置を得ることを目的とする。
本発明に係るレーダー波反射面積低減装置は、複数の平板状の反射面部を連成して波板状に形成され、入射されたレーダー波の全部又は一部を反射するカバー部材を備え、前記カバー部材により、レーダー目標物の全部又は一部を覆い、当該レーダー目標物のレーダー波反射面積を低減させ、前記カバー部材は、前記反射面部間の稜線部に、前記レーダー波の少なくとも一部を吸収する電波吸収体を設けたものである。
また、本発明に係るレーダー波反射面積低減装置は、複数の平板状の反射面部を連成して波板状に形成され、入射されたレーダー波の全部又は一部を反射するカバー部材を備え、前記カバー部材により、レーダー目標物の全部又は一部を覆い、当該レーダー目標物のレーダー波反射面積を低減させ、前記カバー部材は、前記反射面部間の稜線部が、前記レーダー波の少なくとも一部を吸収する電波吸収体により形成されたものである。
また、本発明に係るレーダー波反射面積低減装置において、前記カバー部材は、前記レーダー波の少なくとも一部を吸収する電波吸収体、又は前記レーダー波を反射する電波反射体から成るものである。
また、本発明に係るレーダー波反射面積低減装置において、前記カバー部材は、木材又はハニカム構造の板体と、該板体の表面に接合される前記電波吸収体又は前記電波反射体からなるものである。
本発明は、複数の平板状の反射面部を連成して波板状に形成され、入射されたレーダー波の全部又は一部を反射するカバー部材により、レーダー目標物の全部又は一部を覆うことにより、当該レーダー目標物のレーダー波反射面積を低減させることができる。
実施の形態1.
本発明に係るレーダ波反射面積低減装置は、カバー部材を備え、このカバー部材により、レーダー目標物としての船舶における構造物の全部又は一部を覆い、当該構造物のレーダー波反射面積を低減させるものである。以下、本実施の形態1においては、レーダー波反射面積を低減させる船舶の構造物として、受給装置(洋上受給装置)に適用した場合について説明する。尚、レーダー波反射面積を低減させる構造物は、これに限らず、他の構造物でも良い。また、レーダー目標物としては船舶に限らず、他の移動体などでも良い。
本発明に係るレーダ波反射面積低減装置は、カバー部材を備え、このカバー部材により、レーダー目標物としての船舶における構造物の全部又は一部を覆い、当該構造物のレーダー波反射面積を低減させるものである。以下、本実施の形態1においては、レーダー波反射面積を低減させる船舶の構造物として、受給装置(洋上受給装置)に適用した場合について説明する。尚、レーダー波反射面積を低減させる構造物は、これに限らず、他の構造物でも良い。また、レーダー目標物としては船舶に限らず、他の移動体などでも良い。
図1は実施の形態1に係るカバー部材の概略構成図である。図1に示すように、カバー部材1は、反射面部を構成する平板であって、入射されたレーダー波の全部又は一部を反射する複数のカバー板10を接合し、波板状に形成されている。このカバー板10は、後述する反射波の干渉効果を相殺しないため、5枚目(後述)のカバー板10の全面にはレーダー波の少なくとも一部を吸収する電波吸収体20が設けられている。そして、カバー板10間の稜線部(接合部)には、レーダー波の少なくとも一部を吸収する電波吸収体20が設けられている。この電波吸収体20は、例えばフェライトなど、レーダー波の少なくとも一部をエネルギー的に吸収することができる導電性物質又は電波吸収体から成り、例えばカバー板10に貼着又は塗布される。尚、電波吸収体20は、貼着又は塗布に限らず、例えばカバー板10の表層材(後述)自体を電波吸収体20により形成しても良い。これにより、カバー板10の接合部(折れ曲がり部分)での電波の乱反射を防止し、レーダー波反射面積の増加を抑制することができる。
尚、本実施の形態1においては、複数のカバー板10を接合して波板状のカバー部材1を形成する場合を説明するが、本発明はこれに限らず、例えば曲げ加工などにより平板を波板状に形成しても良い。また、この曲げ加工された平板を複数接合してカバー部材1をを形成してもよい。
尚、本実施の形態1においては、複数のカバー板10を接合して波板状のカバー部材1を形成する場合を説明するが、本発明はこれに限らず、例えば曲げ加工などにより平板を波板状に形成しても良い。また、この曲げ加工された平板を複数接合してカバー部材1をを形成してもよい。
図2は実施の形態1に係るカバー板の断面構造図である。図2に示すように、カバー板10は、板体12と、この板体12の表面に接合される表層材11とから成り、表層材11により板体12を挟み込む構造となっている。表層材11は、入射されたレーダー波の少なくとも一部をエネルギー的に吸収することができる導電性物質(例えば、CFRP:carbon fiber reinforced plastics)若しくは電波吸収体(例えば、フェライトなど)、又は入射されたレーダー波の全部又は一部を反射する電波反射体から成る。この表層材11は、例えば樹脂素材等を使用することにより軽量化を図ることができる。また、樹脂に強度繊維を織り込むことにより強度を持たせることもできる。板体12は、例えば金属又は樹脂を使用してハニカム構造を形成するものや、木材又は樹脂を使用して構成することができる。これにより、金属のみでカバー部材を制作するよりも軽量化することができる。このような構造により、カバー部材を金属のみで製作するより軽量化を図ることができると共に、波、風のような外力に対する剛性を向上することができる。
次にカバー部材1の各カバー板10の配置について図3により説明する。
次にカバー部材1の各カバー板10の配置について図3により説明する。
図3は実施の形態1に係るカバー板の配置を説明する図である。カバー部材1は、反射面部を構成する複数のカバー板10のうち、少なくとも2以上のカバー板10が、その法線方向が同一になるように配置され、且つ、同一の法線方向に配置されたカバー板10のうち、隣り合うカバー板10の法線方向の距離差が、当該隣り合うカバー板10の各反射波がそれぞれ位相干渉し、相殺されて減衰する距離となるように配置される。例えば、図3に示すように、本実施の形態1のカバー部材1において、カバー板10−1〜8のうち、カバー板10−1,3,5,7は、それぞれ法線方向が同一になるように配置されており、且つ、カバー板10−1と10−3、カバー板10−3と10−5、カバー板10−5と10−7の法線方向の距離差が、レーダー波の波長(λ)の4分の1の距離(1/4λ)に配置される。同様に、カバー板10−2,4,6,8についても、その法線方向が同一になるように配置され、且つ、法線方向の距離差が、1/4λの距離に配置される。尚、法線方向の距離差は1/4λの距離に限らず、隣り合うカバー板10の各反射波がそれぞれ位相干渉し、相殺されて減衰する距離であれば良く、レーダー波の1/4波長の奇数倍に相当する距離となるように配置しても良い。
そして、接合される各カバー板10間の角度は、それぞれ同一の角度、例えば160°の角度により接合される。尚、角度はこれに限らず、カバー部材1の幅に応じて任意に設定することができる。つまり、上述したように、カバー板10の法線方向が同一、且つ、法線方向の距離差が1/4λの奇数倍の距離に配置される関係を保てば、接合する角度及びカバー板10の幅を任意に設定することができる。このようなカバー板10の配置により、各カバー板10から法線方向に反射するレーダー波が位相干渉し、相殺されて減衰する(以下、単に「位相干渉」という。)ことによりレーダー波反射面積を低減させることが可能となる。この位相干渉の詳細については後述する。
次に、本実施の形態1におけるレーダ波反射面積低減装置を、船舶に設置される受給装置(洋上受給装置)3に適用した場合について説明する。
図4は実施の形態1に係るカバー部材未装着時での受給装置の外形図である。また、図4(a)は、受給装置3の上面図であり、図4(c)におけるA矢視図である。図4(b)は、受給装置3の側面図であり、図4(c)におけるB矢視図である。図4(c)は、受給装置3の正面図である。
図4に示すように、受給装置3は、船体2の船体構造物の表面に付設され、当該船舶と他の船舶との間にワイヤーなどを遊架し、船舶間で物資等を供給するものである。この受給装置3は、船体2の水平面に対し船体の幅方向に例えば2°〜10°の傾斜を付けて配置される。尚、受給装置3は、船体の長さ方向に同様の傾斜により設置しても良いし、傾斜を設けず船体に対して鉛直に設置しても良い。このような受給装置3は、レーダー波が当該装置の突起物や平面部分に到達したときに正反射又は乱反射を起こし、レーダー波を放射して探知を行う装置(以下「レーダー」という。)に対し探知されやすく、レーダー波反射面積が大きくなっている。このような受給装置3でのレーダー波の乱反射を減らすためカバー部材1を取り付ける。
図5は実施の形態1に係るカバー部材装着時での受給装置の外形図である。また、図5(a)は、カバー部材1装着時での受給装置3の上面図であり、図5(c)におけるA矢視図である。図5(b)は、カバー部材1装着時での受給装置3の側面図であり、図5(c)におけるB矢視図である。図5(c)は、カバー部材1装着時での受給装置3の正面図である。
図5に示すように、受給装置3の不使用時などは、受給装置3はレーダ波反射面積低減装置を構成するカバー部材1により、その正面及び両側面が覆われる。さらに、このカバー部材1は、鉛直方向に対して傾斜して配設される。即ち、船体2の水平面に対し船体2の幅方向に例えば2°〜10°の傾斜を付けて配置される。尚、受給装置3は、船体の長さ方向に同様の傾斜により設置しても良いし、傾斜を設けず船体に対して鉛直に設置しても良い。このように受給装置3をカバー部材1で覆い、更にこのカバー部材1を水平方向に対して傾斜を付けて配置することにより、入射されたレーダー波の正面方向への反射波(レーダーに戻る反射波)を低減し、レーダー波反射面積を低下することができる。
次に、この入射されたレーダー波と反射波の関係について図6及び図7により説明する。
次に、この入射されたレーダー波と反射波の関係について図6及び図7により説明する。
図6は実施の形態1に係る反射波の反射方向を説明する図である。図6においてはカバー部材1の上面図の要部を模式的に示している。上述したように各カバー板10は、所定の角度(160°)により波板状に接合されている。このカバー板10の法線方向に対して所定の角度θにより入射されたレーダー波は、図6(a)に示すように、鏡面反射により全部又は一部が反射角θにより反射される。即ち、当該レーダー波を放射したレーダーに戻らない。
一方、船舶の航行方向の変更又はレーダーの移動などにより、レーダー波の入射角が変化し、入射角がカバー板10の法線方向と同一となった場合、図6(b)に示すように、入射されたレーダー波は、鏡面反射により全部又は一部が法線方向に反射される。即ち、当該レーダー波を放射したレーダーに戻る方向の反射波となる。
一方、船舶の航行方向の変更又はレーダーの移動などにより、レーダー波の入射角が変化し、入射角がカバー板10の法線方向と同一となった場合、図6(b)に示すように、入射されたレーダー波は、鏡面反射により全部又は一部が法線方向に反射される。即ち、当該レーダー波を放射したレーダーに戻る方向の反射波となる。
図7は実施の形態1に係る反射波の反射方向を説明する図である。図7においてはカバー部材1の側面図の要部を模式的に示している。上述したようにカバー部材1は、船体2の水平面に対し船体2の幅方向に例えば2°〜10°の傾斜を付けて配置される。このとき水平方向から入射されたレーダー波は、図7(a)に示すように、入射角θによりカバー板10に入射され、鏡面反射により全部又は一部が反射角θにより反射される。即ち、当該レーダー波を放射したレーダーに戻らない。
一方、船体2が傾いた場合又はレーダーの移動などにより、レーダー波の入射角が変化し、入射角がカバー板10の法線方向と同一となった場合、図7(b)に示すように、入射されたレーダー波は、鏡面反射により全部又は一部が法線方向に反射される。即ち、当該レーダー波を放射したレーダーに戻る方向の反射波となる。
一方、船体2が傾いた場合又はレーダーの移動などにより、レーダー波の入射角が変化し、入射角がカバー板10の法線方向と同一となった場合、図7(b)に示すように、入射されたレーダー波は、鏡面反射により全部又は一部が法線方向に反射される。即ち、当該レーダー波を放射したレーダーに戻る方向の反射波となる。
このように、波板状のカバー部材1により受給装置3を覆い、更に、このカバー部材1を船体2の水平面に対し傾斜を付けて配置することにより、カバー板10の法線方向以外から入射されたレーダー波の正面方向への反射波(レーダーに戻る反射波)を低減し、受給装置3のレーダー波反射面積を低減することができる。
次に、上述した法線方向から入射され、レーダーに戻る方向の反射波の位相干渉について詳述する。
次に、上述した法線方向から入射され、レーダーに戻る方向の反射波の位相干渉について詳述する。
図8は実施の形態1に係る反射波の位相干渉を説明する図である。図8においてはカバー部材1の上面図の要部を模式的に示している。上述したように、カバー板10−1及び10−3は、それぞれ法線方向が同一になるように配置され、且つ、法線方向の距離差が1/4λとなるように配置されている。このとき、図8に示すように、カバー板10−1及び10−3の法線方向から入射されたレーダー波は、それぞれカバー板10の法線方向に反射波Ra及びRbとして反射される。このとき、カバー板10−3で反射する反射波Rbは、カバー板10−1で反射する反射波Raに対し、カバー板10−3の反射面に到達するまでに1/4λ、及びカバー板10−3の反射面で反射してカバー板10−1の反射面の距離に到達するまでに1/4λの経路差が生じ、反射波Rbと反射波Raは1/2λの位相差が生じる。これにより、反射波Raと反射波Rbは互いに打ち消し合い減衰(位相干渉)することとなる。同様に、この位相干渉は、カバー板10−3と10−5、カバー板10−5と10−7、さらに、カバー板10−2,4,6,8についても法線方向への反射波が位相干渉される。
このように、カバー部材1は、複数のカバー板10のうち、1つのカバー板10の法線方向の反射波と、当該カバー板10以外の1又は複数のカバー板10の法線方向の反射波とが位相干渉することにより、カバー板10の法線方向から入射され、レーダーに戻る方向の反射波を減衰させ、受給装置3のレーダー波反射面積を低減させることができる。
尚、図9に示すように、1枚目のカバー板10−1と5枚目のカバー板10−5との法線方向の距離差がレーダー波の1/2λであるので、経路差がレーダー波の波長(λ)と同一となり、カバー板10−1とカバー板10−5との間で位相干渉の効果を得ることができない。同様に、1枚目のカバー板10−1と9枚目のカバー板10−9との法線方向の距離差がλであるので、経路差がレーダー波の波長(λ)の2倍となり、カバー板10−1とカバー板10−9との間で位相干渉の効果を得ることができない。このように、カバー部材1を構成するカバー板10を4枚以上で構成する場合には、5枚間隔でカバー板10の反射面全面に電波吸収体20を設けるのが望ましい。
以上のような本実施の形態1のレーダー波反射面積低減装置によるレーダー波反射面積の低減効果を図10を用いて次に説明する。
図10は実施の形態1に係るレーダー波反射面積の計算値を示す図である。図10においては、カバー部材として、本実施の形態1に係る波板状のカバー部材1を用いた場合(実線)と平板を用いた場合(点線)とにおける、レーダー波の入射角度に対するレーダー波反射面積(RCS)の計算値(平滑線)を示している。尚、カバー板10の表層材11にはそれぞれ電波反射体を用いており、カバー部材はそれぞれ水平面に対し所定の傾斜を付けて配置されている。また、波板状のカバー部材1における各カバー板10の接合部には、電波吸収体20が貼着されている。
図10に示すように、本実施の形態1に係る波板状のカバー部材1は、カバー部材を平板のもので構成した場合と比較し、全方向に対してレーダー波反射面積を低減させることが計算上見込まれる。
図10に示すように、本実施の形態1に係る波板状のカバー部材1は、カバー部材を平板のもので構成した場合と比較し、全方向に対してレーダー波反射面積を低減させることが計算上見込まれる。
以上のように本実施の形態1においては、波板状に形成されたカバー部材1により、受給装置3の全部又は一部を覆うことにより、当該装置でのレーダー波の正反射又は乱反射を抑制してレーダー波反射面積を低減させることができる。
また、カバー部材1を船体2の水平面に対し傾斜を付けて配置することにより、カバー板10の法線方向以外から入射されたレーダー波の正面方向への反射波(レーダーに戻る反射波)を低減し、受給装置3のレーダー波反射面積を低減することができる。
また、波板状に形成されたカバー部材1により、複数のカバー板10のうち、1つのカバー板10の法線方向の反射波と、当該カバー板10以外の1又は複数のカバー板10の法線方向の反射波とが位相干渉することにより、カバー板10の法線方向から入射され、レーダーに戻る方向の反射波を減衰させ、受給装置3のレーダー波反射面積を低減させることができる。
また、カバー板10を、表層材11により板体12を挟み込む構造とすることにより、カバー部材1を金属のみで製作するより軽量化を図ることができる。
尚、本実施の形態1においては、カバー部材1を船体2の水平面に対し傾斜を付けて配置した場合を説明したが、本発明はこれに限らず、傾斜を設けず船体2に対して鉛直に設置しても良い。この場合においても、カバー部材1の法線方向への反射波は上述した位相干渉により減衰し、レーダー波反射面積を低減することができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、受給装置3を覆うカバー部材1として、複数のカバー板10を接合した波板状のカバー部材1を用いたが、本実施の形態2では、表面が平滑な平板により構成されるカバー部材1を用いる。
上記実施の形態1においては、受給装置3を覆うカバー部材1として、複数のカバー板10を接合した波板状のカバー部材1を用いたが、本実施の形態2では、表面が平滑な平板により構成されるカバー部材1を用いる。
図11は実施の形態2に係るカバー部材装着時での受給装置の外形図である。また、図11(a)は、カバー部材1装着時での受給装置3の上面図であり、図11(c)におけるA矢視図である。図11(b)は、カバー部材1装着時での受給装置3の側面図であり、図11(c)におけるB矢視図である。図11(c)は、カバー部材1装着時での受給装置3の正面図である。
図11に示すように、本実施の形態2における受給装置3は、平滑な平板により構成されたカバー部材1により、その正面及び両側面が覆われる。さらに、このカバー部材1は、鉛直方向に対して傾斜して配設される。即ち、船体2の水平面に対し船体2の幅方向に例えば2°〜10°の傾斜を付けて配置される。尚、受給装置3は、船体の長さ方向に同様の傾斜により設置しても良い。尚、本実施の形態2におけるカバー部材1の断面構造及び材質は、上述した実施の形態1のカバー板10と同様である。また、受給装置3の正面を覆うカバー部材1と、側面を覆うカバー部材1との接合部には、上述した実施の形態1と同様に、電波吸収体20を貼着しても良い。
このように受給装置3を平板で構成されるカバー部材1で覆うことにより、当該装置でのレーダー波の正反射又は乱反射を抑制してレーダー波反射面積を低減させることができる。更に、このカバー部材1を水平方向に対して傾斜を付けて配置することにより、カバー部材1の法線方向以外から入射されたレーダー波の正面方向への反射波(レーダーに戻る反射波)を低減し、受給装置3のレーダー波反射面積を低減することができる。
以上のような本実施の形態1のレーダー波反射面積低減装置によるレーダー波反射面積の低減効果を図12を用いて次に説明する。
図12は実施の形態2に係るレーダー波反射面積の計算値を示す図である。図12においては、本実施の形態2に係るカバー部材1を用いた場合(実線)と、カバー部材1を設けない場合(点線)とにおける、レーダー波の入射角度に対するレーダー波反射面積(RCS)の計算値(平滑線)を示している。尚、カバー部材1には電波反射体を用いている。
図12に示すように、本実施の形態2に係る平板により構成されたカバー部材1は、カバー部材1を設けない場合と比較し、全方向に対してレーダー波反射面積を低減させることが計算上見込まれる。
図12に示すように、本実施の形態2に係る平板により構成されたカバー部材1は、カバー部材1を設けない場合と比較し、全方向に対してレーダー波反射面積を低減させることが計算上見込まれる。
以上のように本実施の形態2においては、カバー部材1により、受給装置3の全部又は一部を覆うことにより、当該装置でのレーダー波の正反射又は乱反射を抑制してレーダー波反射面積を低減させることができる。
また、カバー部材1を船体2の水平面に対し傾斜を付けて配置することにより、カバー板10の法線方向以外から入射されたレーダー波の正面方向への反射波(レーダーに戻る反射波)を低減し、受給装置3のレーダー波反射面積を低減することができる。
また、上記実施の形態1における波板状のカバー部材1と比較し、カバー部材1を簡易な構造により製作することができ、製作コストを低下させることができる。
1 カバー部材、2 船体、3 受給装置、10 カバー板、11 表層材、12 板体、20 電波吸収体。
Claims (4)
- 複数の平板状の反射面部を連成して波板状に形成され、入射されたレーダー波の全部又は一部を反射するカバー部材を備え、
前記カバー部材により、レーダー目標物の全部又は一部を覆い、当該レーダー目標物のレーダー波反射面積を低減させ、
前記カバー部材は、
前記反射面部間の稜線部に、前記レーダー波の少なくとも一部を吸収する電波吸収体を設けたことを特徴とするレーダ波反射面積低減装置。 - 複数の平板状の反射面部を連成して波板状に形成され、入射されたレーダー波の全部又は一部を反射するカバー部材を備え、
前記カバー部材により、レーダー目標物の全部又は一部を覆い、当該レーダー目標物のレーダー波反射面積を低減させ、
前記カバー部材は、
前記反射面部間の稜線部が、前記レーダー波の少なくとも一部を吸収する電波吸収体により形成されたことを特徴とするレーダ波反射面積低減装置。 - 前記カバー部材は、
前記レーダー波の少なくとも一部を吸収する電波吸収体、又は前記レーダー波を反射する電波反射体から成ることを特徴とする請求項1又は2記載のレーダ波反射面積低減装置。 - 前記カバー部材は、
木材又はハニカム構造の板体と、該板体の表面に接合される前記電波吸収体又は前記電波反射体からなることを特徴とする請求項3記載のレーダ波反射面積低減装置。
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Citations (5)
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JPS5458301A (en) * | 1977-10-19 | 1979-05-11 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | Electromagnetic wave absorbing body |
JPS60251398A (ja) * | 1984-05-26 | 1985-12-12 | 三菱重工業株式会社 | 船舶の外装構造 |
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JPH0672297U (ja) * | 1991-01-30 | 1994-10-07 | 清水建設株式会社 | 電波吸収壁 |
JP2002216190A (ja) * | 2001-01-15 | 2002-08-02 | Kanto Kosen Kk | 電波吸収体及びこれを用いた自動料金収受システム |
-
2012
- 2012-06-13 JP JP2012134183A patent/JP2012206719A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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