JP2012206125A - 溶接h形鋼の矯正装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被矯正溶接H形鋼のウェブとそれぞれ平行に配置された上下対をなす2組のフラットロールと、当該2組のフラットロールの間に前記溶接H形鋼のウェブと平行に配置された上下対をなす矯正ロールとを備えた溶接H形鋼の矯正装置であって、前記上下対をなす矯正ロールは、それぞれテーパー部とフラット部から構成された凸型となる形状を有するとともに、テーパー部とフラット部の境にV溝が設けられており、かつロール中央部で左右方向に移動可能に分割されている溶接H形鋼の矯正装置。
【選択図】図3
Description
ところが、溶接点に至るまでの各鋼板の通板状態の変動や、溶接条件の変動等により、製造された溶接H形鋼には、曲がり・反り・ねじれ等が生じるばかりでなく、溶接による熱変形で溶接点を起点にフランジが屈曲した傘曲がり不良といった形状・寸法不良が発生しがちである。
その特許文献2では、H型鋼の進行方向に沿って上下に交互に配置され、ウェブを圧下する水平ロールを備えたH形鋼のローラ矯正装置であって、外側側面にテーパー部を備え、H形鋼のフランジの内側面に圧下力を与える水平ローラと、該水平ローラに対応した形状のテーパー部を備え、前記水平ローラとともにH型鋼のフランジをピンチしてH形鋼の上下曲りに対して繰り返し曲げを与え、且つ、フランジの外側面からフィレット部に圧縮力を負荷する竪ロールとを少なくとも1組有するH形鋼のローラ矯正装置が提案されている。
また、昨今では、フランジとウェブとの溶接結合をレーザー照射で行う手法が開発されている。特にフランジに対するウェブの当接部の片側からのみレーザーを照射して溶接することも行われている。
前記フランジの傘曲変形が上下で均等な場合、矯正量は上下とも同量なため、形状矯正用のロール形状は上下とも同一テーパーを有したテーパー形状のロールをフランジ間に押込むことによってフランジの変形を矯正することができる。図1(a)に示す通りである。
しかしながら、上下のフランジ変形量が異なる場合には、変形量の大きいフランジ側はフランジ間が狭くなるためにフランジ間に矯正ロールを押込む抵抗が大きくなるが、逆に変形量の少ないフランジ側はフランジ間が広くなるために矯正ロールの押込み抵抗は小さくなることから、上下とも同一テーパーを有したロールをフランジ間に上下対向して押込む手法では変形量の大きいフランジ側は矯正が過少となり、反対側の変形量の小さいフランジ側は矯正が過大となり、図1(b)に示すように上下適正な矯正ができない。
さらに、フランジ端面のバリは、矯正時に前記のようなテーパー形状の矯正ロールを用いるとロールと接触する部分はロールによって圧潰されるため、バリ面が揃ったスリット材を素材としたH形鋼の場合はバリを矯正ロール側に合すことで、形状矯正とバリ圧潰を同時に行うことが可能であるが、シャー切断のようにバリ方向が端面で相反するような切板を素材としたH形鋼の場合は、非接触部分のバリが矯正の後にあっても残ったままである。
本発明は、このような問題点を解消するために案出されたものであり、溶接H形鋼の断面形状矯正と全体的な曲がり・反り・ねじれ矯正が同時に行え、かつフランジ端面のバリを圧潰することが可能な矯正装置を提供することを目的とする。
前記矯正ロールはロール中央部で左右方向に移動可能に分割されており、そのロール幅が上下独立して調整可能とされていることが好ましい。
そして、中央部で左右方向に移動可能に分割された矯正ロールは、それぞれネジ構造を備えたシャフトに取り付けられていることが好ましい。
さらに、前記上下対をなす矯正ロールのテーパー部とフラット部の境にV溝が設けられていることが好ましい。
コンパクトな設備構成のため、ロール(スタンド)数が削減でき、ライン長が短縮できる。
さらに、分割された矯正ロールを、ネジ構造を備えたシャフトに取り付けられたものとすると、分割された矯正ロール間の寸法調整が容易に行え、サイズ変更による調整時間が短縮でき、生産効率が上がる。
本発明では、上下対をなす2組のフラットロールによってフランジ端部を押さえ、前記2組のフラットロールの間に上下対をなす矯正ロールを、当該矯正ロールが組み込まれるスタンドを上下方向、横方向及び円周方向へ可動可能に設置し、3点曲げの要領で前記矯正スタンドを上下方向、横方向及び円周方向へ稼動させることで、曲げや反り、ねじれをフランジ矯正と同時に行うことを考え、しかも、その際に溶接H形鋼のフランジの傘曲変形を矯正できる装置構成とした。
上下対をなす2組のフラットロールと上下対をなす矯正ロールは、いずれも上下ロール間の間隔を調整できる構造とされている。
中央部で分割された矯正ロールは、それぞれネジ構造をしたシャフトに取付けられており、分割矯正ロールを回転させることで、分割矯正ロール間の距離を変えることが可能な構造とされていることが好ましい。また分割矯正ロール間の距離は、上下独立して調整可能な構造とされていることが好ましい。
ネジ付シャフトのネジは上下で異なっており、それぞれ回転方向はロール幅が広がる方向とする。逆方向ではロールが回転することでロール幅が縮小する。
ネジ構造のシャフトは、ベアリングを介してスタンドシャフトに取付けられている。ネジシャフトはベアリングを介してスタンドシャフト上を軸方向に自在に移動可能であり、所定の位置でストッパーにて固定することも可能である。
矯正ロールがスタンドシャフト上を移動可能でなければ、上下の矯正ロールを上下に移動させなければならず、元に戻す際にもロール高さを確認しなければならず、手間が掛かる。矯正ロールがスタンドシャフト上を移動可能であれば、矯正ロールを通搬ルートから移動させるのも容易であり、元の矯正位置に戻す際にも、大まかに位置を合わせておけば製品が通搬された際に矯正ロールが所定の位置に勝手に移動するため、調整の手間が掛からない。
このV溝はフランジ端面のバリを圧潰・除去するためのものであるが、テーパー部に沿って移動してきた傘曲変形したフランジ端部を矯正位置で固定する作用をも有している。フランジの両端部がV溝に固定された状態でロールにより押圧されるとき、フランジ端面のバリは圧潰される。
まず、上下対をなす2組のフラットロールと、上下対をなす矯正ロールの上下ロール間の間隔を被矯正溶接H形鋼のサイズに調整する。さらに、分割矯正ロールの左右のロール間の間隔を調整する。
次いでフランジの熱変形を矯正するために、被矯正溶接H形鋼を通し、矯正ロールによりフランジの矯正を行う。
H形鋼のフランジ端部にあるバリの圧潰は、矯正ロールに設けたV溝部で行う。テーパー部のないただのV溝ロールでは熱変形が大きい場合は矯正位置で固定されたV溝にフランジが収まらないが、本発明の矯正ロールはテーパー部とフラット部の境にV溝を設けているため、テーパー部がガイドとなり確実にフランジ端部をV溝に収めることができる。
Claims (4)
- 被矯正溶接H形鋼のウェブとそれぞれ平行に配置された上下対をなす2組のフラットロールと、当該2組のフラットロールの間に前記溶接H形鋼のウェブと平行に配置された上下対をなす矯正ロールとを備えた溶接H形鋼の矯正装置であって、前記上下対をなす矯正ロールは、それぞれテーパー部とフラット部から構成された凸型となる形状を呈していることを特徴とする溶接H形鋼の矯正装置。
- 前記矯正ロールはロール中央部で左右方向に移動可能に分割されており、そのロール幅が上下独立して調整可能とされている請求項1に記載の溶接H形鋼の矯正装置。
- 中央部で左右方向に移動可能に分割された矯正ロールは、それぞれネジ構造を備えたシャフトに取り付けられている請求項2に記載の溶接H形鋼の矯正装置。
- 前記上下対をなす矯正ロールのテーパー部とフラット部の境にV溝が設けられている請求項1〜3の何れかに記載の溶接H形鋼の矯正装置。
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JPH11226644A (ja) * | 1998-02-09 | 1999-08-24 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 形鋼の連続矯正装置および連続矯正方法 |
JP2009513352A (ja) * | 2003-06-30 | 2009-04-02 | ベトリープスフォルシュングスインスティトゥート ファウデーエーハー−インスティトゥート フュア アンゲヴァンテ フォルシュング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ホット形材の矯正方法 |
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