JP2012203002A - 偏光子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高透過率及び高偏光度を両立した偏光子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の偏光子の製造方法は、ポリビニルアルコール系フィルムに、膨潤工程、染色工程、架橋工程および延伸工程を少なくとも施し、前記膨潤工程において、ポリビニルアルコール系フィルムを1.4〜2.4倍延伸することにより、ポリビニルアルコール系フィルムの結晶間平均距離を23〜28nmに制御することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は偏光子及びその製造方法に関する。また本発明は当該偏光子を用いた偏光板に関する。前記偏光子、偏光板はこれ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネルディスプレー等の画像表示装置を形成しうる。
従来、液晶表示装置などに用いられる偏光子としては、ポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素や二色性染料などで染色し、一軸延伸して形成された吸収二色性偏光子が広く用いられている。また、前記偏光子は、偏光子の両側または片側に鹸化処理したトリアセチルセルロースなどの透明保護フィルムを貼り合わせて、強度を補った偏光板として用いられている。
特に近年では、液晶表示装置の低消費電力化の観点から、液晶表示装置の白輝度の向上が望まれており、それに伴い透過率の高い偏光子の開発が望まれている。しかしながら、単に単体透過率を高くしようとすると、偏光度が低下し、ひいては表示コントラストの低下を招くという問題がある。一方、偏光度を高くしようとすると、単体透過率が低下し、ひいては白輝度の低下を招くという問題がある。このように、偏光子の単体透過率と偏光度はトレード−オフの関係にある。したがって、高透過率及び高偏光度を両立する偏光子の開発が求められている。
例えば、特許文献1には、透過率が41.1〜44.3であり、偏光度が99%以上である偏光板が開示されている。
しかし、上記偏光板も透過率及び偏光度に関して満足できるものではない。
特開2009‐92847号公報
本発明は、高透過率及び高偏光度を両立した偏光子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す偏光子の製造方法により前記目的に達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ポリビニルアルコール系フィルムに、膨潤工程、染色工程、架橋工程および延伸工程を少なくとも施す偏光子の製造方法において、
前記膨潤工程において、ポリビニルアルコール系フィルムを1.4〜2.4倍延伸することにより、ポリビニルアルコール系フィルムの結晶間平均距離を23〜28nmに制御することを特徴とする偏光子の製造方法、に関する。
延伸する前の、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」という)により形成された原反フィルムには、PVAの結晶部(ラメラ層)がランダムに存在している。このような原反フィルムを延伸すると結晶部が崩壊して伸びるため、延伸に伴って結晶間平均距離(長周期)は次第に大きくなる。しかし、延伸倍率が約2倍以上になると、延伸に伴って結晶間平均距離は次第に小さくなる。その理由は、約2倍以上延伸すると、PVAの非晶部の配向性が高くなり、新たに延伸誘起結晶(配向結晶)が形成されるためと考えられる。
ヨウ素系偏光子は、ヨウ素がPVAに吸着し、ヨウ素・PVA錯体を形成することで二色性が発現することが知られている。ヨウ素・PVA錯体の配向性は、PVAの配向性に依存しており、PVAの配向性を高くすることにより偏光子の性能が向上すると考えられる。ヨウ素は、PVAの非晶部にしか吸着できず、結晶部には吸着することができない。延伸によりPVAの結晶部の崩壊が起こってから、PVAの非晶部の配向性が高くなって新たに延伸誘起結晶が形成される直前までの間は、ヨウ素を吸着できる非晶部が高度に配向した状態であると考えられる。つまり、結晶間平均距離が最大となるときに、ヨウ素を吸着できる非晶部が最も配向した状態になると考えられる。
本発明者らは、PVAの結晶間平均距離に着目し、PVAの非晶部の配向性が最も高い状態でヨウ素染色することにより、高透過率及び高偏光度を両立した偏光子が得られることを見出した。
染色工程の前工程である膨潤工程において、ポリビニルアルコール系フィルムを1.4〜2.4倍延伸して、PVAの結晶間平均距離を23〜28nmに制御し、その後、染色工程を行うことにより、高透過率及び高偏光度を両立した偏光子が得られる。PVAの結晶間平均距離が最大となる28nm程度のときに、ヨウ素を吸着できる非晶部が最も配向した状態になると考えられる。
前記製造方法により得られる偏光子は、ホウ素含有量が4〜5.5重量%であり、単体透過率が43.0%以上、かつ偏光度が99.99%以上であり、高透過率及び高偏光度を両立した偏光子である。ホウ素含有量が4重量%未満の場合には、光学特性が低下する傾向にある。ホウ素含有量が5.5重量%を超える場合には、延伸工程において延伸切れが発生しやすくなる傾向にある。
また、本発明は、前記偏光子の少なくとも一方の面に透明保護フィルムが積層されている偏光板、に関する。
また、本発明は、前記偏光子又は前記偏光板が少なくとも1枚積層されている光学フィルム、に関する。
さらに、本発明は、前記光学フィルムを含む画像表示装置、に関する。
本発明の偏光子は、高透過率及び高偏光度を両立したものであり、当該偏光子を用いることにより、液晶表示装置の白輝度の向上及び表示コントラストの向上を同時に達成することができる。
偏光子の原料であるポリビニルアルコール系フィルムは公知のものを特に制限なく使用できる。
ポリビニルアルコール系フィルム中には、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を添加してもよい。可塑剤としては、ポリオールおよびその縮合物等があげられ、たとえばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等があげられる。可塑剤等の使用量は、特に制限されないがポリビニルアルコール系フィルム中に20重量%以下とするのが好適である。
本発明の偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムに、少なくとも膨潤工程、染色工程、架橋工程および延伸工程を施すことにより製造する。
膨潤工程は、染色工程の前に施される。膨潤工程により、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。
膨潤工程において、処理液としては、通常、水、蒸留水、純水が用いられる。当該処理液は、主成分が水であれば、ヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が少量入っていてもよい。また、当該処理液にヨウ化化合物を含有させる場合、ヨウ化化合物の濃度は0.1〜10重量%程度であり、好ましくは0.2〜5重量%である。
膨潤工程における処理温度は、通常20〜45℃程度に調整するのが好ましく、より好ましくは25〜40℃である。なお、膨潤ムラがあるとその部分が染色工程において染色のムラになるため膨潤ムラは発生させないようにする。浸漬時間は通常10〜300秒間程度、好ましくは20〜240秒間である。
本発明の偏光子の製造方法においては、膨潤工程において、ポリビニルアルコール系フィルムを元長に対して1.4〜2.4倍延伸することにより、PVAの結晶間平均距離を23〜28nmに制御することが必要である。延伸倍率は1.4〜2.2倍であることが好ましい。それにより、PVAの結晶間平均距離を24〜28nmに制御することができる。また、延伸倍率は1.6〜2.0倍であることが特に好ましい。それにより、PVAの結晶間平均距離をほぼ最大値である26〜28nmに制御することができる。
染色工程は、膨潤処理したポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ素または二色性染料を吸着・配向させることにより行う。本発明の偏光子の製造方法においては、PVAの非晶部の配向性が最も高い状態でヨウ素染色するために、染色工程は、PVAの結晶間平均距離が23〜28nmとなる状態を経るように行うことが重要である。
染色は、通常、上記フィルムを染色溶液に浸漬することにより行われる。染色溶液としてはヨウ素溶液が一般的である。ヨウ素溶液として用いられるヨウ素水溶液は、ヨウ素および溶解助剤として例えばヨウ化カリウム等によりヨウ素イオンを含有させた水溶液などが用いられる。その他、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等のヨウ化物等の助剤を用いることができる。ヨウ素濃度は0.01〜0.5重量%程度、好ましくは0.02〜0.4重量%であり、ヨウ化カリウム濃度は0.01〜10重量%程度、好ましくは0.02〜8重量%である。ヨウ素染色にあたり、ヨウ素溶液の温度は、通常20〜50℃程度、好ましくは25〜40℃である。浸漬時間は通常10〜300秒間程度、好ましくは20〜240秒間である。
架橋工程においては、通常、架橋剤としてホウ素化合物が用いられる。架橋工程は、延伸工程とともに行ってもよい。架橋工程は複数回行うことができる。ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ砂等があげられる。ホウ素化合物は、水溶液または水−有機溶媒混合溶液の形態で一般に用いられる。通常は、ホウ酸水溶液が用いられる。偏光子中のホウ素含有量を4〜5.5重量%にするために、ホウ酸水溶液のホウ酸濃度は、2〜10重量%程度にすることが好ましく、より好ましくは3〜8重量%である。ホウ酸水溶液等には、ヨウ化カリウム等のヨウ化化合物を含有させることができる。ホウ酸水溶液にヨウ化化合物を含有させる場合、ヨウ化化合物濃度は0.1〜10重量%程度であり、好ましくは0.2〜5重量%である。
架橋工程は、染色処理したポリビニルアルコール系フィルムをホウ酸水溶液等へ浸漬することにより行うことができる。その他、前記ポリビニルアルコール系フィルムに、ホウ素化合物等を塗布又は噴霧等することにより行うことができる。架橋工程における処理温度は、通常25℃以上であり、好ましくは30〜85℃、より好ましくは30〜60℃である。処理時間は、通常10〜800秒間であり、好ましくは30〜500秒間である。
延伸工程は、通常、一軸延伸処理が施される。延伸方法は特に制限されず、湿潤延伸法と乾式延伸法のいずれも採用できる。乾式延伸法の延伸手段としては、たとえば、ロール間延伸方法、加熱ロール延伸方法、圧縮延伸方法等があげられる。延伸は多段で行うこともできる。延伸フィルムの延伸倍率は目的に応じて適宜に設定できるが、総延伸倍率は2〜7倍程度、好ましくは3〜6.8倍、より好ましくは3.5〜6.5倍である。
その後、前記ポリビニルアルコール系フィルムに洗浄工程を施してもよい。洗浄工程により、延伸フィルムの表面に発生する析出物を除去することができる。
洗浄工程は、例えば、水、蒸留水、純水等の水洗浄により行うことができる。水洗浄工程は、通常、水洗浄浴にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行う。また洗浄工程は、ヨウ化カリウム等のヨウ化物を含有する水溶液に浸漬することにより行うことができる。例えば、当該水溶液としては、ヨウ化カリウム濃度0.5〜10重量%程度、さらには1〜8重量%とするのが好ましい。洗浄工程における洗浄浴の温度は、通常、5〜50℃、好ましくは10〜45℃、さらに好ましくは15〜40℃である。浸漬時間は、通常、1〜300秒間、好ましくは10〜240秒間である。なお、前記水溶液による洗浄は、水洗浄と組み合わせて行うことができ、水洗浄の前または後において行うことができる。
その後、前記ポリビニルアルコール系フィルムに乾燥工程を施してもよい。
上記方法で製造された偏光子は、ホウ素含有量が4〜5.5重量%であり、単体透過率が43.0%以上、かつ偏光度が99.99%以上のものである。
得られた偏光子は、常法に従って、その少なくとも片面に透明保護フィルムを設けた偏光板とすることができる。透明保護フィルムはポリマーによる塗布層として、またはフィルムのラミネート層等として設けることができる。透明保護フィルムを形成する、透明ポリマーまたはフィルム材料としては、適宜な透明材料を用いうるが、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮断性などに優れるものが好ましく用いられる。前記透明保護フィルムを形成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、二酢酸セルロースや三酢酸セルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。これらのフィルムは位相差が小さく、光弾性係数が小さいため偏光板の歪みによるムラなどの不具合を解消することができ、また透湿度が小さいため、加湿耐久性に優れる。
透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。
また、透明保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=(nx−nz)・d(ただし、nxはフィルム平面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである透明保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロースフィルム、ノルボルネン系フィルム、シクロオレフィン系フィルムおよびアクリル樹脂フィルムが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
なお、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
前記偏光子と透明保護フィルムとの接着処理には、接着剤が用いられる。接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等を例示できる。前記接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤が用いられる。
本発明の偏光板は、前記透明保護フィルムと偏光子を、前記接着剤を用いて貼り合わせることにより製造する。接着剤の塗布は、透明保護フィルム、偏光子のいずれに行ってもよく、両者に行ってもよい。貼り合わせ後には、乾燥工程を施し、塗布乾燥層からなる接着層を形成する。偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーター等により行うことができる。接着層の厚さは、特に制限されないが、通常0.1〜5μm程度である。
本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
本発明の偏光板または光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、各例中、部および%は特記ない限り重量基準である。
(PVAの結晶間平均距離の測定)
PVAの結晶間平均距離は、PVAフィルム(幅20mm、長さ30mm)を延伸機にセットし、25℃の水中で延伸し、延伸過程のフィルムを小角X線散乱法により測定した(SPring 8のビームライン、BL40B2にて実施、X線波長λ=1Å)。得られた二次元SAXS像から、一次元化したq-q2Iプロット(qは散乱ベクトル)を作成し、ピークトップのqからブラッグ式(L=2π/q)を用いて延伸倍率毎の結晶間平均距離を算出した。
(偏光子中のホウ素含有量の測定)
作製した偏光子を120℃で乾燥させ、偏光子の重量を測定した。次に、純水に前記偏光子を完全溶解させて得られた溶液に、マンニトールおよび滴定指示薬としてブロモチモールブルーを添加し、そして、NaOH(0.1mol/L)水溶液を滴下した。溶液の色がオレンジ色から青色に変色した時にNaOH水溶液の滴下を止めて滴下量を測定した。偏光子中のホウ素含有量は下記式により算出した。
ホウ素含有量(重量%)=0.1×{NaOH水溶液の滴下量(ml)/1000}×
10.81×{1/偏光子の重量(g)}×100
実施例1
(偏光子の作製)
厚み75μmのPVAフィルム(クラレ社製、商品名:VF−PS#7500)を、25℃の温水(膨潤浴)中に浸漬して膨潤させつつ、元長に対して延伸倍率が1.4倍になるように流れ方向に延伸した。その後、PVAフィルムをヨウ素濃度0.04%、ヨウ化カリウム濃度0.4%を含む30℃のヨウ素水溶液(染色浴)中に60秒間浸漬して、染色しながら、元長に対して延伸倍率が3.3倍になるように流れ方向に延伸した。次に、前記フィルムをホウ酸4重量%及びヨウ化カリウム3重量%を含む30℃の水溶液に30秒間浸漬した。その後、前記フィルムをホウ酸4重量%及びヨウ化カリウム5重量%を含む60℃の水溶液(延伸浴)中に40秒間浸漬しながら、元長に対して延伸倍率が6倍になるように流れ方向に延伸した。その後、前記フィルムをヨウ化カリウム3重量%を含む30℃の水溶液中に10秒間浸漬して洗浄し、さらに、50℃で4分間乾燥して偏光子を得た。
実施例2〜4、比較例1、2
実施例1の膨潤工程において、延伸倍率を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法で偏光子を作製した。
(評価)
実施例および比較例で得られた偏光子について、下記光学特性について評価した。結果を表1に示す。
<光学特性>
380〜780nmの波長光における偏光子の分光透過率を、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製、商品名:V7100)を用いて測定した。各直線偏光に対する透過率はグランテラ−プリズム偏光子を通して得られた完全偏光を100%として測定した。測定された分光透過率よりCIE1931 Yxy表色系に従い、C光源2°視野でのY値を算出した。これらを単体透過率(Ts(Y))、平行透過率(Tp(Y))、直交透過率(Tc(Y))とした。
偏光度(P)は、{(平行透過率−直交透過率)/(平行透過率+直交透過率)}1/2×100(%)、により算出した。
Figure 2012203002

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコール系フィルムに、膨潤工程、染色工程、架橋工程および延伸工程を少なくとも施す偏光子の製造方法において、
    前記膨潤工程において、ポリビニルアルコール系フィルムを1.4〜2.4倍延伸することにより、ポリビニルアルコール系フィルムの結晶間平均距離を23〜28nmに制御することを特徴とする偏光子の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法により得られ、ホウ素含有量が4〜5.5重量%であり、単体透過率が43.0%以上、かつ偏光度が99.99%以上である偏光子。
  3. 請求項2記載の偏光子の少なくとも一方の面に透明保護フィルムが積層されている偏光板。
  4. 請求項2記載の偏光子、又は請求項3記載の偏光板が少なくとも1枚積層されている光学フィルム。
  5. 請求項4記載の光学フィルムを含む画像表示装置。
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