JP2012202358A - 圧縮機群多重ループ自動制御システム - Google Patents

圧縮機群多重ループ自動制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】複数台の圧縮機の台数制御システムにおいて、適切なルールに基づいて複数の圧縮機をグループ分けすることにより、消費風量の変動に応じた適切な制御が行う。
【解決手段】圧縮機の制御方式、または、追従性の相違により、グループ分けを行い、制御性の良いまたは、追従性の良い圧縮機群を優先して運転させ、制御性の悪い、または、追従性の悪い圧縮機は極力運転させない制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、仕様の異なる圧縮機群をグループ分けし、使用空気(ガス)量の変化に対応する安定供給と省エネルギーを図るための、多重ループ自動制御システムに関するものである。
従来、特許文献1に記載されているように、仕様の異なる圧縮機群に対し、固定した運転・停止順序で増・減台を繰り返すか、または、例えば、ターボ圧縮機群、スクリュー圧縮機、または、レシプロ圧縮機群などと、類似機種をグループ分けした制御が行われている。
特開平7−119644号公報
前述した技術においては、各グループ間の優先運転・停止順序が固定されていたが、これを自動的または任意に選択を可能にすることによって、使用空気(ガス)量の変動に対応した最適な運転機の切替えが可能になる。
一般的な圧縮機の設備状況は、機械のメンテナンスなどを考慮して最大使用空気量プラスαの設備容量を持っている。吐出容量の異なる圧縮機群をグループ分けして任意に起動優先グループを設定した場合においても、それぞれのグループに余剰設備を持っていることが多く、このため、起動優先グループの運転台数を制限したり、停止優先グループの残留台数を設定して、各グループの常用運転台数のバランスをとることによって、安定した運転状態を保つことが可能になる。
しかし、このような制御システムにおいては、必ずしも消費風量の変動に応じた適切な制御を行っているとは言えず、使用空気(ガス)量の変化によっては、ターボ圧縮機群とスクリュ圧縮機、または、レシプロ圧縮機群の運転比率のバランスが崩れ、また、大きな消費風量の変動があっても小型機で対応することによって圧力の回復が遅れ、また、小さな消費風量の変動があっても大型機で対応することによって、無駄な電力を使用することになる。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、適切なルールに基づいて複数の圧縮機をグループ分けをすることにより、消費風量の変動に応じた適切な制御が行える圧縮機群多重ループ自動制御システムを提供することを目的とする。
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明は、以下の構成を有するものである。
〔構成1〕
複数台の圧縮機の台数制御する圧縮機群多重ループ自動制御システムにおいて、圧縮機の制御方式、または、追従性の相違によりグループ分けを行い、制御性の良いまたは、追従性の良い圧縮機群を優先して運転させ、制御性の悪い、または、追従性の悪い圧縮機は極力運転させない制御を行うことを特徴とするものである。
〔構成2〕
複数台の圧縮機の台数制御する圧縮機群多重ループ自動制御システムにおいて、圧縮機のメンテナンス費用の相違によりグループ分けを行い、空気消費量が多いときには、メンテナンス費用が安い圧縮機群を優先して運転させ、メンテナンス費用が高い圧縮機群は極力運転させない制御を行うことを特徴とするものである。
〔構成3〕
構成2を有する圧縮機群多重ループ自動制御システムにおいて、新設機種が導入された場合には、新設機種を優先して運転させる制御を行うことを特徴とするものである。
構成1を有する圧縮機群多重ループ自動制御システムにおいては、圧縮機の制御方式、または、追従性の相違によりグループ分けを行い、制御性の良いまたは、追従性の良い圧縮機群を優先して運転させ、制御性の悪い、または、追従性の悪い圧縮機は極力運転させない制御を行うので、消費風量の変動に応じた適切な制御が行える。
構成2を有する圧縮機群多重ループ自動制御システムにおいては、圧縮機のメンテナンス費用の相違によりグループ分けを行い、空気消費量が多いときには、メンテナンス費用が安い圧縮機群を優先して運転させ、メンテナンス費用が高い圧縮機群は極力運転させない制御を行うので、消費風量の変動に応じた適切な制御が行える。
すなわち、本発明は、適切なルールに基づいて複数の圧縮機をグループ分けをすることにより、消費風量の変動に応じた適切な制御が行える圧縮機群多重ループ自動制御システムを提供することができるものである。
本発明を実施する圧縮機設備の全体構成を概略的に示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を実施する圧縮機設備の全体構成を概略的に示すブロック図である。
圧縮機容量の異なる、または、圧縮機構造の異なる複数の圧縮機A1,A2,B1,B2,C1,C2からなる圧縮機群があり、各圧縮機A1,A2,B1,B2,C1,C2の吐出空気(ガス)は空気槽12に貯められ、工場ライン13に供給される。圧力計14による空気槽12内の圧力の検出値が、自動制御システム11に送られる。
自動制御システム11は、圧力が低下し、圧力値が「PS-L」(Pressure Low)になった場合には、供給量が不足すると判断して各圧縮機A1,A2,B1,B2,C1,C2を順次運転し、圧力が上昇し、圧力値が「PS-H」(Pressure High)になった場合には、供給量が過大になると判断して各圧縮機A1,A2,B1,B2,C1,C2を順次停止させる。
本発明は、「異なる複数の圧縮機からなる圧縮機群があり」、かつ、「圧縮機の総設備容量が使用先の最大消費量より大きく、待機圧縮機が存在する」場合において、任意の一台の圧縮機の容量を越える割合で消費容量が変動する場合に有効である。
本発明においては、圧縮機群は、圧縮機群多重ループを構成している。圧縮機群多重ループを台数制御する必要性は、設備導入計画や、圧縮機の機種等により大きく異なる。
〔台数制御盤について〕
本発明においては、圧縮機群を複数のグループに分けて、台数制御盤を用いて、サイクリック方式によるグループ間制御を行う。サイクリック方式とは、制御対象の圧縮機群中で、基本的には最も長く停止していた圧縮機から始動し、最も長く運転していた圧縮機から停止するものである。
例えば、対応できる圧縮機の最大接続台数が8台である台数制御を考える。小型・中型・大型を1つのグループに圧縮機2台以上でグループ分けを考えると、以下の〔表1〕に示すように、3重サイクリックが最適なグループ分けとなる。
なお、各グループ内それぞれの台数は、表1に示すものに限定されるわけではなく、任意の台数の組合せが可能である。また、圧縮機群を2つのグループに分け、最適な効率になるようグループ間制御を行う2重サイクリック制御の組合せとすることも可能である。
Figure 2012202358
〔圧縮機群のグループ分け〕
本発明においては、圧縮機群のグループ分けは、制御性(追従性)による分類、または、メンテナンス期間による分類によって行う。
圧縮機の運転台数が8台以下である場合には、1つのグループに2台以上の対象圧縮機があることとして、以下の〔表2〕に示すように、運転グループを分けることができる。これは、台数制御の対象となる圧縮機の台数が8台以下の場合であるが、対象となる圧縮機の台数が8台を超える場合も同様に考えることができる。
Figure 2012202358
(1)制御性(追従性)による分類(初期投資抑制(現地改造の抑制))
制御性(追従性)による分類とは、圧縮機の制御方式、または、追従性の相違により、グループ分けを行うものである。これにより、例えば、制御性の良い圧縮機群を優先して運転させ、制御性の悪い圧縮機は極力運転させないシステムが構築できる。
制御性の悪い圧縮機については、一度運転を開始した場合、その圧縮機の特性により、全負荷固定機として長く運転するか、あるいは、早く停止させるかは、任意に選択し得る。
改造工事費抑制を目的として、制御対象とする既設の圧縮機改造を簡素化し、制御性の悪い(改造を最小限に行う機種)グループを準備することもできる。
近年の圧縮機は台数制御対応に容易にできるケースが増加しているが、既設圧縮機には大幅な改造(機械式を電気式に改造など)が必要になる場合もある。また、異なる製造会社の圧縮機を台数制御に取込む場合には改造が必要となり、その分のコストが必要となる。そこで、改造費用を抑制するため、あえて改造しない、あるいは、改造箇所が少ないグループを準備し、容調群の圧力制御範囲で最適制御するシステムである。
ここでは、台数制御の設定を二重サイクリック方式とした場合について説明する。圧縮機のループは、以下の〔表3〕に示すように、制御性の良い圧縮機群(1〜2号)をAループとし、制御性の悪い圧縮機群(3〜4号)をBループとしたとき、起動優先順序は、Aループを優先させ、停止優先順序も、Aループを優先させる。
なお、以下の〔表3〕乃至〔表10〕において、◎、〇、△、×は、次の意味を示す。すなわち、○は、容量調整中を示し、◎は、全負荷運転中を示し、△は、無負荷運転中(停止準備中)を示し、×は、停止中を示す。
Figure 2012202358
〔比較例(従来例)〕
本発明のおけるようなグループ分けをしない場合を比較例(従来例)として、以下の〔表4〕に示す。この場合、起動優先順序も、停止優先順序も、Aループが優先されることはない。
Figure 2012202358
(2)メンテナンス期間による分類(新機種導入前の既設機延命処理、新機種導入後の稼働時間調整処理)
メンテナンス期間による分類とは、圧縮機のメンテナンス費用の相違により、グループ分けを行うものである。これにより、例えば、空気消費量が多いときには、メンテナンス費用が安い圧縮機群を優先して運転させ、メンテナンス費用が高い圧縮機群は極力運転させないシステムを構築することができる。
メンテナンス期間は、通常、圧縮機の稼働時間(運転・負荷)により決定される。従来、メンテナンス期間を延長させるときには、制御対象から除外するなどのオペレータの操作が必要となり、緊急時に対応が遅れる可能性があった。
また、圧縮機の設備更新においては、必要最小限の設備投資で最大限の効果を発揮することが求められる。一般的に圧縮機は、その用途により容量調整機とベースロード機に分類される。そこで、本発明においては、新たな視点で既設圧縮機のメンテナンス周期の延長という要素を追加する。
すなわち、新規に導入する圧縮機のメンテナンス費用が安い場合には、既設の圧縮機の稼働率を下げることにより、メンテナンス周期を延長する。それにより、新規の圧縮機の設備投資費を単体のメリットだけではなく、既設の圧縮機のランニングコスト、メンテナンス費用を抑制することにより、新機種導入の効果を早めることが可能である。
このとき、従来の台数制御盤では、新規の圧縮機と既設の圧縮機とで能力が同一の場合には、同一グループとして制御していたため、新規に導入した圧縮機の効果を早めることが難しいことが多くあった。新規に導入した圧縮機の費用対効果が早く回収できることにより、既設の圧縮機の更新が加速化され、早い段階での圧縮機設備全体の更新スケジュールが期待できる。
a)新機種導入前の既設機(延命処理)
メンテナンスを考えると新機種導入を検討した方がよい圧縮機がある場合、メンテナンス費用のかかる圧縮機の稼働時間を抑制し、他の圧縮機を優先して運転させることが好ましい。
この場合、台数制御の設定は、二重サイクリック方式により行う。圧縮機のループは、以下の〔表5〕に示すように、更新予定のない圧縮機群(1〜3号)をAループとし、更新予定機のため極カ運転したくない既設圧縮機(4号)をBループとしたとき、起動優先順序は、Aループを優先させ、停止優先順序も、Aループを優先させる。
このようなグループ分けを行うことにより、3台以下の消費風量変化では、4号機を増台させずにメンテナンス期間の延命(稼働時間の短縮)が可能となる。また、Aループの残留優先台数を利用して、メンテナンス時期の延命をしない圧縮機を残留させ、延命させる圧縮機を早くに停止させる。
Figure 2012202358
〔比較例(従来例)〕
本発明のおけるようなグループ分けをしない場合を比較例(従来例)として、以下の〔表6〕に示す。この場合、メンテナンス時期の延命をしない圧縮機が残留することはなく、延命させる圧縮機が早くに停止されることがない。
Figure 2012202358
b)新機種導入後の稼働時間調整処理−1
新設機種が導入された場合には、既設機と比較して運転時間が少ないので、優先して運転させることが好ましい。
この場合、台数制御の設定は、二重サイクリック方式により行う。圧縮機のループは、以下の〔表7〕に示すように、既設の圧縮機群(1〜3号)をAループとし、新設のため極カ運転したい圧縮機(4号)をBループとしたとき、起動優先順序は、Bループを優先させ、停止優先順序は、Aループを優先させる。
従来、新設の圧縮機を現場運転としていたが、グループ分けを利用して運転時間の平均化が容易に行える。
Figure 2012202358
〔比較例(従来例)〕
本発明のおけるようなグループ分けをしない場合を比較例(従来例)として、以下の〔表8〕に示す。この場合、運転時間の平均化が行われない。
Figure 2012202358
b)新機種導入後の稼働時間調整処理−2
新設の圧縮機の稼働時間が安定したら、既設の圧縮機のランニングコスト及びメンテナンスコストを比較して、既設と新設との運転状況による運転方法を検討することが好ましい。
既設の圧縮機2台を運転した後、3台目の運転は3号を運転するより、新設の圧縮機を運転した方がランニングコスト及びメンテナンスコストのトータルが減少すると判断される場合、次のとおりとする。
すなわち、台数制御の設定は、二重サイクリック方式により行う。圧縮機のループは、以下の〔表9〕に示すように、既設の圧縮機群(1〜3号)をAループとし、新設のため極カ運転したい圧縮機(4号)をBループとしたとき、起動優先順序は、Aループを優先させ、停止優先順序も、Aループを優先させる。さらに、Aループの起動優先台数を2台に制限する。
従来のグループ分けのない場合は、人の操作がないと新設の圧縮機は運転しなかった(すなわち3台目は3号が運転)が、グループ分けにより、最低制御動作で希望の運転状態とすることができる。
Figure 2012202358
〔比較例(従来例)〕
本発明のおけるようなグループ分けをしない場合を比較例(従来例)として、以下の〔表10〕に示す。この場合、人の操作がないと新設の圧縮機(4号)は運転しない。
Figure 2012202358
本発明は、仕様の異なる圧縮機群をグループ分けし、使用空気(ガス)量の変化に対応する安定供給と省エネルギーを図るための、多重ループ自動制御システムに適用される。
A1〜A2、B1〜B3、C1〜C2:圧縮機
11:自動制御システム
12:ヘッダ
13:工場ライン
14:圧力伝送器

Claims (3)

  1. 複数台の圧縮機の台数制御システムにおいて、
    圧縮機の制御方式、または、追従性の相違により、グループ分けを行い、制御性の良いまたは、追従性の良い圧縮機群を優先して運転させ、制御性の悪い、または、追従性の悪い圧縮機は極力運転させない制御を行う
    ことを特徴とする圧縮機群多重ループ自動制御システム。
  2. 複数台の圧縮機の台数制御システムにおいて、
    圧縮機のメンテナンス費用の相違により、グループ分けを行い、空気消費量が多いときには、メンテナンス費用が安い圧縮機群を優先して運転させ、メンテナンス費用が高い圧縮機群は極力運転させない制御を行う
    ことを特徴とする圧縮機群多重ループ自動制御システム。
  3. 新設機種が導入された場合には、新設機種を優先して運転させる制御を行う
    ことを特徴とする請求項2記載の圧縮機群多重ループ自動制御システム。
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