JP2012200821A - 移載装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭ピッチで配列された移載被対象物に対しても使用でき、且つ、移載被対象物のセンタリングが可能な移載装置を提供することにある。とりわけ、移載被対象物がセラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体、又はガラスである移載被対象物でも使用でき、製品の寸法ばらつき(真直度)があっても破損なく移載可能な移載装置を提供する。また、爪の開閉などが無理な狭ピッチに配列された移載被対象物に対して使用できる。
【解決手段】頭頂部3aを備えた移載被対象物3を、鉛直方向の上から吸着保持可能な吸着パッド部5と、移載被対象物3の姿勢を制御可能な姿勢制御体7と、を備え、移載被対象物3を移載することができる移載装置1。
【選択図】図1
【解決手段】頭頂部3aを備えた移載被対象物3を、鉛直方向の上から吸着保持可能な吸着パッド部5と、移載被対象物3の姿勢を制御可能な姿勢制御体7と、を備え、移載被対象物3を移載することができる移載装置1。
【選択図】図1
Description
本発明は、移載被対象物を移載する移載装置に関する。とりわけ、セラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体、又はガラスである移載被対象物を移載する移載装置に関する。
移載中の振動、打痕等の衝撃による損傷が生じ易い移載被対象物は、設備や治具等への接触を、極力無くすことが好ましい。従来では、このような移載被対象物は、品質確保を優先するため、人の作業によって移載されていた。
しかし、人による移載作業では、移載被対象物の生産個数の増大に対応できず、移載可能な処理数も限界が生じている。また、人による移載作業では、取り扱い者の経験等に委ねられてしまい易く、品質のばらつきも生じ易い。そのため、現在では、人による移載作業に代わって、ロボット等による移載作業を行う等、移載手段の自動化が進められている。
ここで、ロボット等による移載手段を自動化する移載方法として、下記の特許文献1〜3がある。
特許文献1では、一対の爪と吸着子により、複数の部品を、同じ姿勢で把持及び吸着保持可能なロボットハンドが提案されている(特許文献1)。このロボットハンドは、組立の高速化を図ることが容易なものとして提案されている。
また、特許文献2では、円柱状若しくは円筒状の移載被対象物の端面を、垂直上方及び水平側方の2方向から保持することができるロボットハンドが提案されている(特許文献2)。このロボットハンドは、非常に狭い間隔に配置された移載被対象物であっても、着脱可能なものとして提案されている。
さらに、特許文献3では、セラミックス柱状体用移載装置及びセラミックス柱状体移載方法が提案されている。この移載装置及び移載方法によれば、長尺で真直度の悪いセラミックス焼成体をロボットで移載するに際し、応力集中などによるクラックの発生や破損を防止できる、とされている(特許文献3)。
また、特許文献4では、セラミックス柱状体用移載装置及び移載方法が提案されている。このセラミックス柱状体用移載装置及び移載方法では、吸着パッドで、セラミックス柱状体の側面をチャックし、サイドサポータによって、セラミックス柱状体を安定させて移載するものである。
しかし、特許文献1におけるロボットハンドでは、移載被対象物に寸法ばらつき(真直度が悪いもの)がある場合には、一対の爪では、移載被対象物を十分に保持できない。或いは、把持の位置がばらつく事により、所望の位置精度で移載できない。これは、移載被対象物固有の形状により、保持時の移載被対象物の姿勢が予測不能で、把持の位置がばらつくことに起因する。さらに、一対の爪が移載被対象物を把持するため、把持した部分に応力が集中してしまう。特に、移載被対象物がセラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体、又はガラス等から成形されている場合には、一対の爪の把持に耐え切れず、移載被対象物に損傷を与えてしまう虞がある。
また、特許文献2におけるロボットハンドでは、移載被対象物が円柱状若しくは円筒状といった真直度を有する移載被対象物が対象となっている。そのため、移載被対象物に寸法ばらつき(真直度が悪いもの等)がある場合には、鉛直方向上方及び水平側方の2方向からの保持のみでは、移載被対象物の形状に応じた保持が不十分となり易い。したがって、移載被対象物を移載中に落下させてしまったり、移載被対象物に損傷を与えたりしてしまう虞がある。すなわち、特許文献2におけるロボットハンドでは、狭ピッチ間に配置された移載被対象物を移載できるとしても、その移載対象は、変形のない円柱状若しくは円筒状といった真直度を有する移載被対象物に限定される。特に、セラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体、又はガラス等から移載被対象物が成形されている場合には、成形工程や焼成工程中に寸法ばらつき(真直度が悪いもの)が生じたり、材質の特性から損傷しやすかったり、する傾向にあり、このロボットハンドでは、対応し難い。
同様に、特許文献3における、セラミックス柱状体用移載装置及びセラミックス柱状体移載方法においても、狭ピッチで配列された移載被対象物に対しては使用できないものとなっている。特に、移載被対象物のセンタリングが十分に行えず、移載被対象物の姿勢制御が不十分となり、或いは、移載中の保持が不十分となり易い。その結果、移載被対象物を移載中に落下させてしまったり、破損させてしまったりする虞がある。
同様に、特許文献4における、セラミックス柱状体用移載装置及び移載方法では、狭ピッチで配置された移載被対象物に対応し難い。また、1つの移載被対象物の周囲を、複数の移載被対象物が取り囲むように配置された状態の場合には、中心に配置された移載被対象物のみを中抜きして移載し難い。さらに、移載被対象物を心棒などに挿入したり、周囲が囲われた環境(たとえば、コンテナ等)へ移載したりし難い。さらに、特許文献4のセラミックス柱状体用移載装置では、吸着パッドを介して、減圧により移載被対象物をサイドサポータに引き寄せて姿勢制御する。そのため、相当な応力が移載被対象物間に発生する虞が高い。たとえば、サイドサポータがクッション性を有していたとしても、脆い材質からなる移載被対象物に対しては、破損など不具合を生じる虞が高い。さらに、移載被対象物の寸法ばらつき(真直度等)があると、移載被対象物の離陸時(引き上げ時)、着陸時(接地時)に、離着陸面と移載被対象物端面の、互いの平行度が異なる平行度ばらつきが発生し、移載被対象物の破損が生じる。
このように、従来の移載方法では、把持時の姿勢が予測不能である。移載時には、移載被対象物の寸法、形状等は不明であり、その真直度、円筒度、及び輪郭度等の寸法バラツキがあると、把持位置のバラツキが生じやすいためである。また、移載被対象物固有の形状にも起因する。さらに、把持時の姿勢が予測不能で、移載被対象物の寸法バラツキが生じている場合、且つ、移載被対象物が狭ピッチに配列されている場合においては、移載の際に、隣接する移載被対象物に衝突するなどが懸念される。
なお、前述のように移載先へ高精度に移載することができないことを改善する為、別途、画像センサ等を用いて、移載時の精度を上げる等の対応が講じられている。しかし、このような対応でも、2次元的にしか移載被対象物の位置を認識することしか出来ない。さらに、移載被対象物の固有の形状、寸法を把握することは困難であり、把持時の姿勢を測定、予測することができない。したがって、前述の懸念事項は解消されず、いたずらにコスト増、タクト増により生産性が悪くなる虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、移載被対象物に損傷を与えずに、安定させながら確実に移載できる移載装置を提供することにある。とくに、狭ピッチで配列された移載被対象物の移載に対しても使用でき、且つ、移載被対象物のセンタリングが可能な移載装置を提供することにある。さらに、移載被対象物がセラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体、又はガラスである移載被対象物でも使用でき、製品の変形があっても破損なく移載可能な移載装置を提供する。
さらに、本発明によれば、移載被対象物の真直度、円筒度、輪郭度等の平均値及びバラツキを把握し、姿勢制御体と移載被対象物の距離を予め設定することで、移載被対象物の把持時の姿勢を制御できる。さらに、その姿勢のバラツキを幾何的に予測可能となるので、移載被対象物の固有の形状、寸法バラツキによらず、移載先への高精度移載が可能となる。
本発明によれば、以下に示す、移載装置が提供される。
[1] 頭頂部を備えた移載被対象物を、鉛直方向の上から吸着保持可能な吸着パッド部と、 前記吸着パッド部に吸着された前記移載被対象物の姿勢を制御可能な姿勢制御体とを備え、前記移載被対象物を移載することができる移載装置。
[2] 前記移載被対象物が、セラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体、又はガラスである[1]に記載の移載装置。
[3] 前記移載被対象物が、中実状、中空状、又は有底円筒状である[1]又は[2]に記載の移載装置。
[4] 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物をガイド可能及びセンタリング可能である[1]〜[3]のいずれかに記載の移載装置。
[5] 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物の内側から、前記移載被対象物の姿勢を制御可能である[1]〜[4]のいずれかに記載の移載装置。
[6] 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物の外側から、前記移載被対象物の姿勢を制御可能である[1]〜[4]のいずれかに記載の移載装置。
[7] 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物に対して距離を保つように配置される[1]〜[6]のいずれかに記載の移載装置。
[8] 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物を把持可能である[1]〜[6]のいずれかに記載の移載装置。
[9] 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物との接触部分に接触部を有し、前記接触部が弾性体からなる[1]〜[8]のいずれかに記載の移載装置。
[10] 前記接触部が中空弾性部材から形成されている[9]に記載の移載装置。
[11] 前記接触部が、前記移載被対象物の外周壁又は内周壁に向かって、進出及び後退可能である可変部として構成される[1]〜[10]のいずれかに記載の移載装置。
[12] 前記中空弾性部材の減圧時に、前記可変部が後退する[11]に記載の移載装置。
[13] 前記中空弾性部材の加圧時に、前記可変部が進出する[12]に記載の移載装置。
[14] 前記吸着パッド部の、前記移載被対象物との接触部分が、弾性体から形成されている[1]〜[13]のいずれかに記載の移載装置。
[15] 前記吸着パッドが前記移載被対象物に与える負荷を緩衝する緩衝機構を有する[1]〜[14]のいずれかに記載の移載装置。
本発明における移載装置は、移載被対象物に損傷を与えずに、安定させながら確実に移載できる移載装置を提供できるといった優れた効果を奏することができる。特に、狭ピッチで配列された移載被対象物の移載に対しても使用でき、且つ、移載被対象物のセンタリングが可能な移載装置を提供できる。さらに、移載被対象物がセラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体、又はガラスである移載被対象物でも使用でき、製品の寸法ばらつき(真直度)があっても破損なく移載可能となる。
また、爪の開閉などが無理な狭ピッチに配列された移載被対象物に対して使用できる。
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明に係る要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明に係る実施形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
[1]本発明における移載装置の構成:
本発明における移載装置は、図1に示されるように、頭頂部を備えた移載被対象物3を、鉛直方向の上から吸着保持可能な吸着パッド部5と、前記吸着パッド部に吸着された前記移載被対象物3の姿勢を制御可能な姿勢制御体7と、を備え、前記移載被対象物3を移載することができる移載装置1として構成されている。
本発明における移載装置は、図1に示されるように、頭頂部を備えた移載被対象物3を、鉛直方向の上から吸着保持可能な吸着パッド部5と、前記吸着パッド部に吸着された前記移載被対象物3の姿勢を制御可能な姿勢制御体7と、を備え、前記移載被対象物3を移載することができる移載装置1として構成されている。
[1−1]移載被対象物:
本発明における移載装置の移載対象は、脆性体など損傷が生じ易い移載被対象物、特に、移載中の振動、或いは、打痕等の衝撃により、損傷が生じ易い移載被対象物である。このような移載被対象物は、鉛直方向の上から吸着パッド部で吸引保持されながら、さらに、姿勢制御体によって、姿勢制御されながら、移載される。
本発明における移載装置の移載対象は、脆性体など損傷が生じ易い移載被対象物、特に、移載中の振動、或いは、打痕等の衝撃により、損傷が生じ易い移載被対象物である。このような移載被対象物は、鉛直方向の上から吸着パッド部で吸引保持されながら、さらに、姿勢制御体によって、姿勢制御されながら、移載される。
[1−1−1]頭頂部:
また、本発明における移載被対象物は、吸着バッドにより吸着される頭頂部を少なくとも備えている。ここで、「頭頂部」とは、移載被対象物を載置したときに鉛直方向上側を向く面を有する部分をいう。たとえば、移載被対象物の長手方向に端部を有する場合には、頭頂部は、移載被対象物を載置したときに鉛直方向上側を向く端部の面に相当する。さらに、有底中空状の移載被対象物である場合には、有底中空状の移載被対象物を載置したときに、鉛直方向上側を向く底部分の面をいう。
また、本発明における移載被対象物は、吸着バッドにより吸着される頭頂部を少なくとも備えている。ここで、「頭頂部」とは、移載被対象物を載置したときに鉛直方向上側を向く面を有する部分をいう。たとえば、移載被対象物の長手方向に端部を有する場合には、頭頂部は、移載被対象物を載置したときに鉛直方向上側を向く端部の面に相当する。さらに、有底中空状の移載被対象物である場合には、有底中空状の移載被対象物を載置したときに、鉛直方向上側を向く底部分の面をいう。
具体的には、図2に示されるように、有底円筒管である移載被対象物3を載置した際には、有底円筒管である移載被対象物3の頭頂部は、有底円筒管の底部分の外側面が頭頂部3aとなる。そして、この頭頂部3aが、吸着パッド部によって、鉛直方向の上から吸着されることになる。また、図3に示されるように、有底円筒管である移載被対象物3を載置した際には、有底円筒管である移載被対象物3の頭頂部は、有底円筒管の底部分の内側面が、頭頂部3aとなる。そして、この頭頂部3aが、吸着パッド部によって、鉛直方向の上から吸着されることになる。このように、図2に示されるような、移載被対象物の外側に形成される面のみならず、図3及び図4に示されるような、移載被対象物の内側に形成される面も、移載被対象物の頭頂部に含まれる。
なお、「頭頂部」は、有底円筒管である移載被対象物の外側部分(外底部分)、または、内側部分(内底部分)に限定されるものではなく、後述する棒状、中実状、有底中空状等についても、有底円筒管に準じて、同様に適用される。また、「鉛直方向」とは、水平面に対して垂直な重力方向を意味する。したがって、本実施形態では、鉛直方向の上から吸着パッド部が頭頂部に近づき、頭頂部を吸着することになる。
また、移載被対象物が、セラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体、又はガラスであることが好ましい。このような材質からなる移載被対象物では、或いは、このような材質から成形される移載被対象物では、移載中の振動により、または、打痕等の衝撃等により、移載対象物に損傷が生じ易い。また、寸法のばらつき等も生じやすい。そのため、従来のロボット等の移載手段では、移載被対象物を安定させて移載することが難しい。一方、本実施形態の移載装置により、移載被対象物のフラツキを抑制し、さらに、設備や治具等への接触を無くすことができる。その結果、移載被対象物の破損を防ぎ、安全確実に移載できる。
ここで、セラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体を構成するセラミックス材料は特に限定されない。例えば、このようなセラミックス材料として、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、マグネシア、フェライト、コージェライト、イットリア等の希土類元素の酸化物を含む酸化物系セラミックス、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素のマンガナイト、希土類元素のクロマイト等、窒化アルミニウム、窒化珪素,サイアロン、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化タングステン等を挙げることが出来る。
なお、セラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体等の移載被対象物の成形方法は、例えば、ラバープレス成形法やゲルキャスト成形法、押出成形法等である。
さらに、移載被対象物が、中実状、中空状、又は有底円筒状であることが好ましい。移載被対象物の形状が、中実状、中空状、又は有底円筒状であると、移載の際に、移載被対象物のバランスが安定し難くなる傾向がある。すなわち、移載被対象物にフラツキが生じて、落下したり損傷が生じたりする虞が高い。しかし、本実施形態における移載装置を用いれば、過度に移載被対象物を把持してバランスをとることも無ければ、過度の把持による破損も無く、移載被対象物を高速度で安定的に移載できる。なお、前述の「中実状、有底中空状、又は有底円筒状」には、棒状等の形状も含まれ、さらに、「有底中空状」等の形状は「有底中空状」に含まれる。
一方、従来のロボットハンド等では、これらの形状からなる移載対象物を移載する場合には、バランスを保つために、過度に把持してしまい損傷が生じる虞がある。或いは、バランスを保てず周辺機器と接触し打痕等の衝撃を与え、損傷が生じる虞がある。また、バランスを保つ為に、ロボット移載時の加速度/減速度を極端に小さくしなければならず、生産性が悪化する。特に、移載被対象物が、前述の形状からなることに加えて、移載被対象物の材質が、セラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体又はガラスからなる場合には、真直度が悪く品質のばらつきも生じやすい。そのため、移載装置の、移載被対象物を保持させる位置が安定せず、移載被対象物のフラツキが顕著に生じ易い。したがって、従来のロボットハンドでは、ますます堅固(rigid)に把持してフラツキを防止する必要が生じ、移載被対象物に、曲げ応力等の集中荷重をかけ過ぎてしまいやすい。その結果、移載被対象物にクラックや変形などを発生させ、破損に至る虞がある。
[1−2]姿勢制御体:
本発明における姿勢制御体は、前記吸着パッド部に吸着された移載被対象物の姿勢を安定させて移載被対象物のフラツキを制御可能にする。すなわち、本発明では、姿勢制御体は、移載被対象物が吸着パッド部に吸引された状態で移載される際に、移載被対象物の姿勢を制御して、安定させる役割を担う。換言すれば、姿勢制御体は、移載被対象物のフラツキ量を抑制し、移載被対象物の破損を防止する。一方、後述する「吸着パッド部」は、主として移載被対象物を吸着保持して移載させる役割を果たす。ただし、この吸着パッド部のみで移載被対象物を移載すると、たとえば、移載被対象物が棒状等の形状からなる場合には、バランスが安定せず、移載中に、移載被対象物にフラツキが生じ易い。その結果、周辺部材に接触したり、落下したりして、損傷が生じる虞がある。また、姿勢制御体が、「吸着パッド部」に代わって、或いは、「吸着パッド部」と協働して、移載被対象物を移載させる役割を果たす場合には、移載被対象物を堅固(rigid)に把持することになる。そのため、曲げ応力等の集中荷重をかけ過ぎてしまい、移載被対象物を破損させる虞がある。したがって、本発明における姿勢制御体は、主として、姿勢制御としての役割を果たさせている。
本発明における姿勢制御体は、前記吸着パッド部に吸着された移載被対象物の姿勢を安定させて移載被対象物のフラツキを制御可能にする。すなわち、本発明では、姿勢制御体は、移載被対象物が吸着パッド部に吸引された状態で移載される際に、移載被対象物の姿勢を制御して、安定させる役割を担う。換言すれば、姿勢制御体は、移載被対象物のフラツキ量を抑制し、移載被対象物の破損を防止する。一方、後述する「吸着パッド部」は、主として移載被対象物を吸着保持して移載させる役割を果たす。ただし、この吸着パッド部のみで移載被対象物を移載すると、たとえば、移載被対象物が棒状等の形状からなる場合には、バランスが安定せず、移載中に、移載被対象物にフラツキが生じ易い。その結果、周辺部材に接触したり、落下したりして、損傷が生じる虞がある。また、姿勢制御体が、「吸着パッド部」に代わって、或いは、「吸着パッド部」と協働して、移載被対象物を移載させる役割を果たす場合には、移載被対象物を堅固(rigid)に把持することになる。そのため、曲げ応力等の集中荷重をかけ過ぎてしまい、移載被対象物を破損させる虞がある。したがって、本発明における姿勢制御体は、主として、姿勢制御としての役割を果たさせている。
とりわけ、移載被対象物の真直度は、移載被対象物が長尺であればあるほど悪化する傾向にある。しかし、本発明によれば、長尺の移載被対象物であっても、前述の姿勢制御体により、応力をかけずに、移載することが可能である。さらに、真直度が異なる(変形の程度が異なる)移載被対象物を連続して移載する工程で使用されても、それぞれの変形の程度が異なる移載被対象物に、応力をかけずに、連続して移載が可能となる。
ここで、本発明における姿勢制御体には、移載中、移載被対象物の胴部に接触して(接触し続けて)、移載被対象物のフラツキ(「振れ」ともいう)を、姿勢制御するものと、移載中、一時的に移載被対象物の胴部に接触して、移載被対象物のフラツキを、姿勢制御するものとの、2つに大別される。この2つに大別した姿勢制御体については、後述する。
また、姿勢制御体が、前記移載被対象物をガイド可能及びセンタリング可能であることが好ましい。吸着パッド部が吸着可能な位置に、移載被対象物が案内(配置)されることにより、確実に、移載被対象物が吸着パッド部に吸着保持される。そのため、移載中に移載被対象物が、フラツキを生じたり落下したりすることを防ぐことができる。したがって、移載被対象物が、周辺部材に接触したり、移載されていない他の移載被対象物に接触したりすることも無く、破損が生じることも無い。さらに、姿勢制御体が、移載被対象物のフラツキ量を抑制して、移載中に、移載被対象物を姿勢制御体の中央になるように、センタリング可能であることが好ましい。
たとえば、姿勢制御体が、移載被対象物をガイド及びセンタリングするものとしては、図1に示されるように、移載被対象物の位置を調整する姿勢制御体を備えた移載装置を例示できる。具体的には、図1の移載装置における吸着パッド部を支持する吸着パッド部支持体の軸線上にある仮想線X1を、姿勢制御体の中央に位置するように線引きし、移載被対象物の軸線である仮想線X2を線引きする。この際、仮想線X1と、仮想線X2と重なるような、A−A’線上に、姿勢制御体が、移載被対象物の位置を調整できるものが好ましい。
ここで、図1は、本実施形態の移載装置の模式図であって、移載装置に移載被対象物を取り付ける前の図であり、吸着パッド部と姿勢制御体を図示する。さらに、移載被対象物を断面して側面方向から示した図である。なお、図中、仮想線X1は、吸着パッド部の軸線であって、姿勢制御体の中央に線引きした仮想線である。同様に、仮想線X2は、移載被対象物の軸線であって仮想線である。さらに、A−A’線は、仮想線X1と仮想線X2とを結ぶ線である。
さらに、姿勢制御体が、前記移載被対象物の内側又は外側から、前記移載被対象物の姿勢を制御可能であることが好ましい。移載被対象物の形状等に応じて、移載被対象物を安定して姿勢制御できるため好ましい。なお、具体的な実施形態については、後述する。
さらに、姿勢制御体が、前記移載被対象物に対して距離を保つように配置されることも好ましい形態の一つである。姿勢制御体が、移載被対象物に対して、距離を保つことによって、移載被対象物の破損を防ぐことができる。特に、従来のロボットハンドのように、爪等により堅固(rigid)に把持して移載する場合には、寸法ばらつきの多い移載被対象物には十分対応できなかった。これは、寸法ばらつきが多く、品質が一律でないため、移載被対象物を把持する箇所を予測することが困難であることに起因する。また、把持する箇所に応力が集中しやすいため、脆性体等の材料からなる移載被対象物には適さなかった。
一方、本実施形態における姿勢制御体のように、移載被対象物に対して距離を保つように配置されて、姿勢制御する場合には、これらの問題に対応できる。すなわち、姿勢制御体が、移載中、移載被対象物の過度なフラツキを、一時的な接触により抑制する。そのため、移載被対象物を把持する箇所を予測する必要もなく、把持しないことから応力が集中することもない。また、姿勢制御体が、移載被対象物に過度に接触して、誤って移載被対象物を破損させることもない。換言すれば、移載被対象物のフラツキが過度に生じる前に、姿勢制御体が一時的に緩衝して、そのフラツキを最小限で抑制する。そして、過度なフラツキが抑制された後には、移載被対象物に対して距離を保つようにした。
なお、姿勢制御体が、移載被対象物に対して(移載被対象物から)、距離を保つのは、移載被対象物のフラツキが抑制された場合、或いは、移載被対象物のフラツキが生じていない場合である。すなわち、移載被対象物に対して保つ「距離」とは、移載被対象物のフラツキがない場合の、言い換えれば、移載被対象物が安定した状態である場合の、姿勢制御体(若しくは、後述する可変部)と、移載被対象物との距離を意味する。過度な姿勢制御体と移載被対象物の接触は、移載被対象物に損傷を与えやすいため、移載被対象物のフラツキが過度に生じる前に、姿勢制御体が一時的に接触して、そのフラツキを抑制するからである。
たとえば、移載被対象物に対して距離を保つように配置された、姿勢制御体としては、図5Aに示される移載装置の姿勢制御体7を例示できる。この例によれば、移載中に、移載被対象物が、前後或いは左右にフラツキを起こしても、姿勢制御体が、移載被対象物に過度なフラツキが生じた場合のみ、一時的に接触する。そして、過度なフラツキが抑制された後には、姿勢制御体が、再び移載被対象物に対して距離を保つ。すなわち、姿勢制御体によって、移載被対象物の過度なフラツキが吸収・抑制されるため、移載被対象物が安定する。移載被対象物が安定した状態になると、移載被対象物は姿勢制御体に接触しなくなるため、距離を保つことになる。
なお、姿勢制御体が移載被対象物との距離を保つものとしては、図5A及び図5Bに示される例に限定されない。たとえば、移載被対象物の内側から、移載被対象物との一定の距離を保つように、姿勢制御体が配置された移載装置であってもよい。具体的には、図9A、及び図9Bの中央に示される、姿勢制御体7を備える移載装置であってもよい。
ここで、「移載被対象物に対して、保つ距離」としては、姿勢制御体(若しくは、後述する可変部)と、移載被対象物との間が、0.1mm〜5mmであることが好ましい。このような所望の距離を保つと、移載被対象物のフラツキを確実に抑制しながら、移載被対象物を移載中に損傷させないで移載することができる。さらに、移載被対象物を移載装置にセッティングしやすくなるため、作業がスムーズに行える。一方、姿勢制御体(若しくは、後述する可変部)と、移載被対象物との間が、5mm超であると、移載被対象物のガイド及びセンタリングがし難くなる。また。移載被対象物のフラツキも大きくなるため、移載中に十分にフラツキを抑制できなくなり、移載被対象物の損傷が生じやすい。また、姿勢制御体(若しくは、後述する可変部)と、移載被対象物との間が、0.1mm未満であると、姿勢制御体と移載被対象物との距離が短すぎる。距離が短いと、移載装置の組付誤差や寸法バラツキの影響が無視できず、移載中接触し続けるものと実質同様な移載被対象物の割合が増加するため、全ての移載被対象物に対して距離を保つ十分な効果が得られない。
さらに、姿勢制御体が、前記移載被対象物を把持可能であることも好ましい。姿勢制御体が移載被対象物を把持可能であると、移載被対象物を安定させて移載できる。ただし、この場合にも、姿勢制御体が移載被対象物を過度に把持し過ぎると、移載被対象物を把持した箇所に、破損を生じさせ易くなる。そのため、本実施形態における、姿勢制御体の把持は、移載被対象物に損傷を与えない程度、具体的には、移載被対象物のフラツキを抑制させる程度にのみ、接触した状態であることが好ましい。
なお、本発明における移載装置では、姿勢制御体は、移載被対象物の姿勢制御を行うために設けられている。移載被対象物を移載する(保持する)のは、吸着パッド部である。そのため、姿勢制御体は、移載被対象物を把持可能であっても、堅固(rigid)な把持はせず、また、把持する箇所に応力を集中させて破損させることもない。
たとえば、図6A及び6Bに示される移載装置における姿勢制御体を例示できる。この姿勢制御体7は、移載被対象物3を移載する際に、移載被対象物3に接触する程度に把持して、移載被対象物3の姿勢制御を行う。なお、この例では、移載中、姿勢制御体が移載被対象物に接触しているため、移載する移載被対象物の姿勢制御を安定させることができる。
[1−2−1]姿勢制御体の制御態様:
ここで、姿勢制御体の制御態様として、姿勢制御体が移載被対象物の内側から姿勢制御するものには、(1)移載中、移載被対象物に接触しながら姿勢制御するものと、(2)移載中、移載被対象物に接触せずに、距離を保ちながら移載被対象物を姿勢制御するものを挙げることができる。また、姿勢制御体が、移載被対象物の外側から、移載被対象物を姿勢制御するものには、(3)移載中、移載被対象物に接触しながら姿勢制御するものと、(4)移載中、移載被対象物に接触せずに、距離を保ちながら移載被対象物を姿勢制御するものとがある。以下、(1)〜(4)の姿勢制御体について説明する。
ここで、姿勢制御体の制御態様として、姿勢制御体が移載被対象物の内側から姿勢制御するものには、(1)移載中、移載被対象物に接触しながら姿勢制御するものと、(2)移載中、移載被対象物に接触せずに、距離を保ちながら移載被対象物を姿勢制御するものを挙げることができる。また、姿勢制御体が、移載被対象物の外側から、移載被対象物を姿勢制御するものには、(3)移載中、移載被対象物に接触しながら姿勢制御するものと、(4)移載中、移載被対象物に接触せずに、距離を保ちながら移載被対象物を姿勢制御するものとがある。以下、(1)〜(4)の姿勢制御体について説明する。
(移載被対象物の内側からの姿勢制御1)
移載被対象物の内側からの姿勢制御としては、移載中、移載被対象物の胴部の、内壁に接触しながら姿勢制御を行うものが挙げられる。たとえば、図3、図7A、図7B、図9A、及び図9Bに示されるような移載装置1B等を例示できる。この移載装置では、(1)移載被対象物7の中空内に、姿勢制御体7が挿入された後、姿勢制御体7を移載被対象物3の胴部の内壁に接触させる。そして、姿勢制御体7を、移載中、その胴部の内壁に接触させ続けて、姿勢制御体7に移載被対象物3のフラツキを吸収、抑制させて姿勢制御を行わせる。そのため、移載被対象物3のフラツキがなく、移載被対象物3の破損を防ぐことができる。このような姿勢制御体7では、移載被対象物3の外側から、フラツキを姿勢制御するもの(後述する移載被対象物の外側からの姿勢制御1及び2)よりも、胴部の内側から姿勢制御を行える分、スペースを取らない。このため、移載被対象物3が狭ピッチで配置される場合にも、移載を容易且つ確実に行える。
移載被対象物の内側からの姿勢制御としては、移載中、移載被対象物の胴部の、内壁に接触しながら姿勢制御を行うものが挙げられる。たとえば、図3、図7A、図7B、図9A、及び図9Bに示されるような移載装置1B等を例示できる。この移載装置では、(1)移載被対象物7の中空内に、姿勢制御体7が挿入された後、姿勢制御体7を移載被対象物3の胴部の内壁に接触させる。そして、姿勢制御体7を、移載中、その胴部の内壁に接触させ続けて、姿勢制御体7に移載被対象物3のフラツキを吸収、抑制させて姿勢制御を行わせる。そのため、移載被対象物3のフラツキがなく、移載被対象物3の破損を防ぐことができる。このような姿勢制御体7では、移載被対象物3の外側から、フラツキを姿勢制御するもの(後述する移載被対象物の外側からの姿勢制御1及び2)よりも、胴部の内側から姿勢制御を行える分、スペースを取らない。このため、移載被対象物3が狭ピッチで配置される場合にも、移載を容易且つ確実に行える。
なお、図3に示される移載装置1Bでは、吸着パッド部が、移載被対象物3の頭頂部3aの、底部分の内側部分(内底部分)に、鉛直方向の上から吸着できるように、移載被対象物3内に挿入される。さらに、吸着パッド部を固定する吸着パッド支持体13、及び移載装置1Bの枠体11が、移載被対象物3内に挿入される。
(移載被対象物の内側からの姿勢制御2)
移載被対象物の内側からの姿勢制御の、別の例としては、姿勢制御体が移載被対象物と距離(間隔)を保ちながら、移載被対象物の姿勢制御を行うものでもよい。たとえば、図5A、及び図5Bに示されるように、(2)移載被対象物の中空内に、姿勢制御体が挿入されて、姿勢制御体が移載被対象物と間隔を保ちながら、移載被対象物の姿勢制御を行う姿勢制御体を備えた、移載装置を例示できる。なお、この移載装置では、図3、図7A、図7B、図9A、及び図9Bに示されるように、姿勢制御体が、移載中、移載被対象物に接触し続けるのではなく、姿勢制御体が、「一時的な接触」により、移載被対象物の姿勢制御を行うものである。すなわち、移載中に、移載被対象物がフラツキを生じても、過度なフラツキが生じた場合にのみ、姿勢制御体が、移載被対象物の胴部の内壁に、一時的に接触するように配置される。換言すれば、移載被対象物に過度なフラツキがない場合には、姿勢制御体は、移載被対象物に接触せずに、移載被対象物の内壁から、一定距離を保つ。したがって、損傷が生じる程の、移載被対象物のフラツキが防止されるため、移載被対象物の破損を防ぐことができる。なお、このような姿勢制御体では、内側から姿勢制御を行える分スペースを取らない。そのため、移載被対象物が狭ピッチで配置される場合にも、移載を容易且つ確実に行える。
移載被対象物の内側からの姿勢制御の、別の例としては、姿勢制御体が移載被対象物と距離(間隔)を保ちながら、移載被対象物の姿勢制御を行うものでもよい。たとえば、図5A、及び図5Bに示されるように、(2)移載被対象物の中空内に、姿勢制御体が挿入されて、姿勢制御体が移載被対象物と間隔を保ちながら、移載被対象物の姿勢制御を行う姿勢制御体を備えた、移載装置を例示できる。なお、この移載装置では、図3、図7A、図7B、図9A、及び図9Bに示されるように、姿勢制御体が、移載中、移載被対象物に接触し続けるのではなく、姿勢制御体が、「一時的な接触」により、移載被対象物の姿勢制御を行うものである。すなわち、移載中に、移載被対象物がフラツキを生じても、過度なフラツキが生じた場合にのみ、姿勢制御体が、移載被対象物の胴部の内壁に、一時的に接触するように配置される。換言すれば、移載被対象物に過度なフラツキがない場合には、姿勢制御体は、移載被対象物に接触せずに、移載被対象物の内壁から、一定距離を保つ。したがって、損傷が生じる程の、移載被対象物のフラツキが防止されるため、移載被対象物の破損を防ぐことができる。なお、このような姿勢制御体では、内側から姿勢制御を行える分スペースを取らない。そのため、移載被対象物が狭ピッチで配置される場合にも、移載を容易且つ確実に行える。
なお、図1〜図3では、移載被対象物3として有底中空のものを例示したが、このような形状に移載被対象物が限定されるものではない。ただし、移載被対象物の内側から姿勢制御を行う場合には、移載被対象物内に姿勢制御体を挿入できる形状に限定される。たとえば、棒状の形状からなる移載被対象物では、姿勢制御体を挿入できないため、これまで説明した移載被対象物の内側からの姿勢制御には適用できない。
(移載被対象物の外側からの姿勢制御1)
移載被対象物の外側からの姿勢制御としては、たとえば、図2、図4、図6A、及び図6Bに示されるような移載装置1A、1C等を例示できる。この移載装置1A、1Cでは、(3)移載被対象物3の胴部の外側(外壁)に、姿勢制御体7が接触し、移載中、その胴部の外側(外壁)に接触しながら姿勢制御を行う。これより、姿勢制御体7は、移載被対象物3のフラツキを吸収、抑制でき、移載被対象物3の破損を防ぐことができる。このような姿勢制御体7では、前述した移載被対象物3の内側から、フラツキを姿勢制御するもの(移載被対象物の内側からの姿勢制御1及び2)よりも、移載被対象物3を、ガイド及ぶセンタリングしやすい。そのため、移載被対象物3を、吸着パッド部5に確実に吸着させやすく、その姿勢制御も容易となる。したがって、確実に移載被対象物3を移載できる。また、姿勢制御体3を枠体11内に挿入できる形状である移載被対象物に限定されないため、汎用性を有している。
移載被対象物の外側からの姿勢制御としては、たとえば、図2、図4、図6A、及び図6Bに示されるような移載装置1A、1C等を例示できる。この移載装置1A、1Cでは、(3)移載被対象物3の胴部の外側(外壁)に、姿勢制御体7が接触し、移載中、その胴部の外側(外壁)に接触しながら姿勢制御を行う。これより、姿勢制御体7は、移載被対象物3のフラツキを吸収、抑制でき、移載被対象物3の破損を防ぐことができる。このような姿勢制御体7では、前述した移載被対象物3の内側から、フラツキを姿勢制御するもの(移載被対象物の内側からの姿勢制御1及び2)よりも、移載被対象物3を、ガイド及ぶセンタリングしやすい。そのため、移載被対象物3を、吸着パッド部5に確実に吸着させやすく、その姿勢制御も容易となる。したがって、確実に移載被対象物3を移載できる。また、姿勢制御体3を枠体11内に挿入できる形状である移載被対象物に限定されないため、汎用性を有している。
なお、図2に示される移載装置1Aでは、吸着パッド部5が、移載被対象物3の頭頂部3aの、底部分の外側部分(外底部分)に鉛直方向の上から吸着し、移載被対象物3が、移載装置1Aの枠体11内に挿入される。そして、姿勢制御体7を、移載被対象物3の胴部の外壁に接触させて、姿勢制御する。また、図4に示される移載装置1Cでは、吸着パッド部が、移載被対象物3の頭頂部3aの、底部分の内側部分(内底部分)に、鉛直方向の上から吸着できるように、移載被対象物3内に挿入される。さらに、移載装置1Cの枠体11内に移載被対象物3が挿入され、姿勢制御体7を、移載被対象物3の胴部の外壁に接触させて、姿勢制御する。
(移載被対象物の外側からの姿勢制御2)
移載被対象物の外側からの姿勢制御の、別の例としては、姿勢制御体が、移載被対象物の胴部の外側(外壁)から、一定距離を保つようにして姿勢制御を行う。たとえば、図6A、及び図6Bに示されるような移載装置を例示できる。すなわち、このような姿勢制御体を備えた移載装置では、移載中に、移載被対象物に過度なフラツキが生じた場合にのみ、一時的に姿勢制御体が、移載被対象物の胴部の外側(外壁)に接触し、過度なフラツキを抑制、吸収する。したがって、移載被対象物に損傷が生じる程のフラツキを防止できるため、移載被対象物の破損を防ぐことができる。このような姿勢制御体では、移載被対象物の内側から、フラツキを姿勢制御するものよりも、移載被対象物を、ガイド及ぶセンタリングしやすい。そのため、吸着パッド部に移載被対象物を確実に吸引させやすく、移載被対象物の姿勢制御も容易となる。
移載被対象物の外側からの姿勢制御の、別の例としては、姿勢制御体が、移載被対象物の胴部の外側(外壁)から、一定距離を保つようにして姿勢制御を行う。たとえば、図6A、及び図6Bに示されるような移載装置を例示できる。すなわち、このような姿勢制御体を備えた移載装置では、移載中に、移載被対象物に過度なフラツキが生じた場合にのみ、一時的に姿勢制御体が、移載被対象物の胴部の外側(外壁)に接触し、過度なフラツキを抑制、吸収する。したがって、移載被対象物に損傷が生じる程のフラツキを防止できるため、移載被対象物の破損を防ぐことができる。このような姿勢制御体では、移載被対象物の内側から、フラツキを姿勢制御するものよりも、移載被対象物を、ガイド及ぶセンタリングしやすい。そのため、吸着パッド部に移載被対象物を確実に吸引させやすく、移載被対象物の姿勢制御も容易となる。
(姿勢制御体の制御方法)
さらに、姿勢制御体の、移載被対象物に接触して或いは一時的に接触して姿勢制御する領域が、移載被対象物の外径に対して、任意に設定可能であることが好ましい。すなわち、姿勢制御体の、前記移載被対象物に接触して或いは一時的に接触して姿勢制御する領域が、前記移載被対象物の外径に対して小さい径を有することが好ましい。同様に、姿勢制御体の、前記移載被対象物に接触して或いは一時的に接触して姿勢制御する領域が、前記移載被対象物の外径に対して大きい径を有することも好ましい。このように構成されることにより、移載被対象物の大きさに適宜対応可能となるため、汎用性が向上する。たとえば、図5Aで示されるように、各姿勢制御体が移載被対象物3に最も近接した際に、その近接した点を結んで円を形成する。この円の内径が、移載被対象物の外径に対して大きい場合には、姿勢制御体は、移載被対象物3に外側から接触して或いは一時的に接触して、姿勢制御することができる。また、この円の内径が、移載被対象物の外径に対して小さい場合には、姿勢制御体は、移載被対象物3に内側から接触して或いは一時的に接触して、姿勢制御することができる。
さらに、姿勢制御体の、移載被対象物に接触して或いは一時的に接触して姿勢制御する領域が、移載被対象物の外径に対して、任意に設定可能であることが好ましい。すなわち、姿勢制御体の、前記移載被対象物に接触して或いは一時的に接触して姿勢制御する領域が、前記移載被対象物の外径に対して小さい径を有することが好ましい。同様に、姿勢制御体の、前記移載被対象物に接触して或いは一時的に接触して姿勢制御する領域が、前記移載被対象物の外径に対して大きい径を有することも好ましい。このように構成されることにより、移載被対象物の大きさに適宜対応可能となるため、汎用性が向上する。たとえば、図5Aで示されるように、各姿勢制御体が移載被対象物3に最も近接した際に、その近接した点を結んで円を形成する。この円の内径が、移載被対象物の外径に対して大きい場合には、姿勢制御体は、移載被対象物3に外側から接触して或いは一時的に接触して、姿勢制御することができる。また、この円の内径が、移載被対象物の外径に対して小さい場合には、姿勢制御体は、移載被対象物3に内側から接触して或いは一時的に接触して、姿勢制御することができる。
(姿勢制御体の配列)
ここで、姿勢制御体が移載被対象物を姿勢制御する際の、配列(配置)は、移載被対象物の姿勢を制御できれば、特に限定されない。たとえば、図8Aに示されるように、移載被対象物3を中央にした場合、移載被対象物3の胴部の外側(外壁)の、4方向から、移載被対象物3に接触して姿勢制御を行う姿勢制御体7を例示できる。また、図8Bに示されるように、移載被対象物3を中央にした場合、移載被対象物3の胴部の外側(外壁)の、3方向から、移載被対象物に接触して姿勢制御を行う姿勢制御体7であってもよい。また、図9Aに示されるように、移載被対象物3を中央にした場合、移載被対象物3の胴部の内側(内壁)の、4方向から、移載被対象物に接触して姿勢制御を行う姿勢制御体7を例示できる。また、図9Bに示されるように、移載被対象物3を中央にした場合、移載被対象物の胴部の内側(内壁)の、3方向から、移載被対象物3に接触して、姿勢制御をする姿勢制御体であってもよい。さらに、前述の姿勢制御体が、移載被対象物の胴部の外側(外壁)、又は内側(内壁)に、一時的に接触して、移載被対象物のフラツキを姿勢制御できるように、移載被対象物から一定の距離を保つものであってもよい。
ここで、姿勢制御体が移載被対象物を姿勢制御する際の、配列(配置)は、移載被対象物の姿勢を制御できれば、特に限定されない。たとえば、図8Aに示されるように、移載被対象物3を中央にした場合、移載被対象物3の胴部の外側(外壁)の、4方向から、移載被対象物3に接触して姿勢制御を行う姿勢制御体7を例示できる。また、図8Bに示されるように、移載被対象物3を中央にした場合、移載被対象物3の胴部の外側(外壁)の、3方向から、移載被対象物に接触して姿勢制御を行う姿勢制御体7であってもよい。また、図9Aに示されるように、移載被対象物3を中央にした場合、移載被対象物3の胴部の内側(内壁)の、4方向から、移載被対象物に接触して姿勢制御を行う姿勢制御体7を例示できる。また、図9Bに示されるように、移載被対象物3を中央にした場合、移載被対象物の胴部の内側(内壁)の、3方向から、移載被対象物3に接触して、姿勢制御をする姿勢制御体であってもよい。さらに、前述の姿勢制御体が、移載被対象物の胴部の外側(外壁)、又は内側(内壁)に、一時的に接触して、移載被対象物のフラツキを姿勢制御できるように、移載被対象物から一定の距離を保つものであってもよい。
ここで、図8A〜図9Bは、姿勢制御体と移載被対象物との位置関係を示した模式図であって、姿勢制御体と移載被対象物を断面した平面図である。なお、移載装置の上記以外の構成は、説明の便宜を図るため省略して図示してある。
(姿勢制御体の形状と配置方法)
さらに、姿勢制御体の断面形状は、特に限定されるものではない。移載被対象物に応じて、矩形、円形などの断面形状であってもよい。たとえば、図8A〜図9Bでは、断面形状が、半弧状の凸部を備える形状に形成された姿勢制御体7を例示している。また、図10Aに示されるように、断面が矩形状の移載被対象物3の周囲を囲むように、中空状の矩形状に、断面が形成される姿勢制御体7であってもよい。また、図10Bに示されるように、断面形状が半弧状の凸部を備える形状に形成された姿勢制御体7によって、断面が矩形状の移載被対象物3の周囲を、部分的に囲んで姿勢制御してもよい。同様に、図10Cに示されるように、断面形状が半弧状の凸部を備える形状に形成された姿勢制御体7によって、断面が円状の移載被対象物3の周囲を、部分的に囲んで姿勢制御してもよい。さらに、図10Dに示されるように、断面が円状の移載被対象物3の周囲を囲む円状に、断面が形成される姿勢制御体7であってもよい。
さらに、姿勢制御体の断面形状は、特に限定されるものではない。移載被対象物に応じて、矩形、円形などの断面形状であってもよい。たとえば、図8A〜図9Bでは、断面形状が、半弧状の凸部を備える形状に形成された姿勢制御体7を例示している。また、図10Aに示されるように、断面が矩形状の移載被対象物3の周囲を囲むように、中空状の矩形状に、断面が形成される姿勢制御体7であってもよい。また、図10Bに示されるように、断面形状が半弧状の凸部を備える形状に形成された姿勢制御体7によって、断面が矩形状の移載被対象物3の周囲を、部分的に囲んで姿勢制御してもよい。同様に、図10Cに示されるように、断面形状が半弧状の凸部を備える形状に形成された姿勢制御体7によって、断面が円状の移載被対象物3の周囲を、部分的に囲んで姿勢制御してもよい。さらに、図10Dに示されるように、断面が円状の移載被対象物3の周囲を囲む円状に、断面が形成される姿勢制御体7であってもよい。
ここで、図10A〜図10Dは、姿勢制御体と移載被対象物との位置関係を示した模式図であって、姿勢制御体と移載被対象物を断面した図である。なお、上記以外の移載装置の構成は、説明の便宜を図るため省略して図示してある。
[1−3]接触部:
さらに、前記姿勢制御体が、前記移載被対象物との接触部分に接触部を有し、前記接触部が弾性体からなることが好ましい。姿勢制御体は、移載被対象物と接触(一時的接触)するため、誤って、その接触時(一時的接触時)に、移載被対象物を損傷させる虞もあるからである。このように弾性体からなる接触部が設けられることによって、移載の際に、この弾性体が緩衝部材となる。そのため、移載被対象物の過度な応力等を吸収緩和できる。さらに、移載被対象物の損傷を防ぐことができる。
さらに、前記姿勢制御体が、前記移載被対象物との接触部分に接触部を有し、前記接触部が弾性体からなることが好ましい。姿勢制御体は、移載被対象物と接触(一時的接触)するため、誤って、その接触時(一時的接触時)に、移載被対象物を損傷させる虞もあるからである。このように弾性体からなる接触部が設けられることによって、移載の際に、この弾性体が緩衝部材となる。そのため、移載被対象物の過度な応力等を吸収緩和できる。さらに、移載被対象物の損傷を防ぐことができる。
さらに、前記接触部が中空弾性部材から形成されていることが好ましい。このように構成されることによって、さらに、移載の際の、移載被対象物への過度な応力等を、中空弾性部材によって確実に吸収緩和できるため好ましい。
この中空弾性部材としては、たとえば、ゴム、発泡ゴム、スポンジ等を挙げることができる。
[1−3−1]可変部:
さらに、これまで説明した姿勢制御体が、寸法が変形可能な可変部を有することも好ましい形態の一つである。上記可変部により、移載の際の移載被対象物のフラツキを吸収できるため、姿勢制御を確実に行うことができる。
さらに、これまで説明した姿勢制御体が、寸法が変形可能な可変部を有することも好ましい形態の一つである。上記可変部により、移載の際の移載被対象物のフラツキを吸収できるため、姿勢制御を確実に行うことができる。
より好ましくは、前記接触部が、前記移載被対象物の外周壁又は内周壁に向かって、進出及び後退可能である可変部として構成されることである。可変部を操作することによって、移載被対象物が、複数個、狭ピッチで配置されていても対応可能となる。さらに、真直度、円筒度、輪郭度等の寸法バラツキがある移載被対象物、固有の形状を有する移載被対象物に対応可能となる。
具体的には、移載被対象物の姿勢制御は、接触部としての可変部が移載被対象物の外壁(或いは内壁)に向けて進出し、移載被対象物に接触した状態で行ってもよい。また、移載被対象物の姿勢制御の終了は、可変部を移載被対象物の外壁(或いは内壁)から接触せずに後退した状態で行ってもよい。或いは、移載被対象物の外壁(或いは内壁)に向けて可変部が進出し、移載被対象物が過度なフラツキを生じた場合にのみ、可変部が一時的に移載被対象物に接触して姿勢制御を行うものでもよい。この場合には、過度なフラツキが抑制された際には、可変部が移載被対象物から距離を保つことになる。この可変部を操作することにより、移載被対象物が、複数個、狭ピッチで配置されていても、可変部の後退により、スペースを確保できる。また、姿勢制御体を移載被対象物間に挿入できる。さらに、可変部の進出により、確実に移載被対象物を姿勢制御できる。
たとえば、図5A〜6Bに示されるように、可変部7と可変部の進出後退の土台となる基部8を備える姿勢制御体7を例示できる。ここで、図6Bに示される可変部9は、移載被対象物3の姿勢制御を行っていない状態(移載前の状態)が示され、可変部9が基部8方向に後退している。すなわち、可変部9(姿勢制御体7)が、移載被対象物3から距離を保つ位置にある。これに対して、図6Aでは、可変部9が基部8から進出した状態(突出した状態)であり、移載被対象物3に接触している。このため、可変部9(姿勢制御体7)が、移載被対象物3の姿勢制御を行っている。
また、図5Bでは、可変部9は基部8方向に後退している。そのため、図5Bに示される可変部9は移載被対象物3の姿勢制御を行っていない。すなわち、可変部9(姿勢制御体7)が、移載被対象物3から距離を保つ位置にある。この場合、移載被対象物3に過度なフラツキを生じても、可変部9は、移載被対象物3と接触しない程度に、移載被対象物3からの距離を保っている。これに対して、図5Aでは、可変部9が基部8から進出した状態(突出した状態)である。そのため、損傷が生じる程の過度なフラツキが移載被対象物3に生じた場合に、可変部9が移載被対象物に一時的に接触できるようにしてある。
特に、接触部が可変部として構成されるとともに、中空弾性部材から形成されると、移載被対象物が周辺機器と接触しても、その中空弾性部材が衝撃を吸収しやすい。すなわち、中空弾性部材から可変部が形成される場合には、移載被対象物の衝撃を吸収して、大変形することにより、移載被対象物の逃げ代を大きく取れる。この点、弾性体であっても中実状からなる可変部では、十分に衝撃を吸収できず、中空弾性部材から形成される可変部ほどには、効果を得られない。
たとえば、図5A〜5Cに示されるように、接触部として中空弾性部材から形成される可変部と、基部とを備える姿勢制御体7であってもよい。また、図10Aに示されるように、断面が矩形状の移載被対象物3の周囲を囲むように、中空弾性部材から形成される可変部と、基部と、可変部を基部に固定する固定軸を備える姿勢制御体7であってもよい。さらに、図10B〜10Cに示される姿勢制御体も同様である。
さらに、可変部が中空弾性部材から形成されると共に、中空部材の中空部分の減圧又は加圧により、可変部の進出、後退が制御されると、吸着パッド部の吸着保持をする工程で、移載被対象物の高精度な位置決めが不要となる。そのため、移載処理作業の効率を向上させることができる。さらに、瞬時に可変部の進出、後退をコントロールできるため、操作性を向上できる。
(可変部の進出及び後退の制御方法)
これまで説明した可変部の進出、後退の制御方法は特に限定されるものではないが、可変部と真空ポンプを連結して、可変部の進出、後退を制御するもの等を挙げることができる。たとえば、常圧時には、進出した状態となるような可変部を設ける。常圧時における可変部は加圧され続けた状態でなく、接触により、可変部の接触箇所が凹んだ(潰れた)状態となり、移載被対象物のフラツキを吸収できる。さらに、加圧され続けていないため、移載被対象物が接触した際に発生する変位に対する荷重も増えない。そのため、移載被対象物に与えることもない。特に、可変部が中空弾性部材から形成される場合には、この効果を大きく得られるため好ましい。
これまで説明した可変部の進出、後退の制御方法は特に限定されるものではないが、可変部と真空ポンプを連結して、可変部の進出、後退を制御するもの等を挙げることができる。たとえば、常圧時には、進出した状態となるような可変部を設ける。常圧時における可変部は加圧され続けた状態でなく、接触により、可変部の接触箇所が凹んだ(潰れた)状態となり、移載被対象物のフラツキを吸収できる。さらに、加圧され続けていないため、移載被対象物が接触した際に発生する変位に対する荷重も増えない。そのため、移載被対象物に与えることもない。特に、可変部が中空弾性部材から形成される場合には、この効果を大きく得られるため好ましい。
また、減圧時では、常圧時の可変部が進出した状態から、基部側に可変部を後退させた状態となる。特に、可変部が中空弾性部材から形成される場合には、中空弾性部材の減圧時に、前記可変部が後退するように構成されることが好ましい。このように構成されることにより、移載被対象物間が狭ピッチに配置されていても、姿勢制御体及び可変部をセッティングしやすくなり、移載作業性を向上させることができる。なお、中空弾性部材が減圧された場合には、基部側に所謂潰れた状態となるため、姿勢制御体は移載被対象物を姿勢制御していない状態となる。また、この可変部の後退は、真空ポンプを作動(ON)して可変部を減圧して行うとよい。
さらに、可変部を減圧時から常圧時の状態にするには、すなわち、可変部の後退から進出の状態にするには、真空ポンプを作動(OFF)して可変部を真空破壊する。これにより、可変部が常圧時の状態となる。さらに、可変部とコンプレッサー(圧縮機)を連結して、可変部の進出、後退を制御する場合、常圧時から加圧し続ける加圧時では、コンプレッサー(圧縮機)を作動(ON)し続け、可変部を加圧し続けることにより、可変部が進出した状態を保つことなる。特に、可変部が中空弾性部材から形成される場合には、中空弾性部材の加圧時に、前記可変部が進出するように構成されることが好ましい。減圧時と同様に、移載被対象物間が狭ピッチに配置されていても、姿勢制御体及び可変部をセッティングしやすくなり、移載作業性を向上させることができる。
以上のようにして、真空ポンプやコンプレッサー(圧縮機)のON/OFFを繰り返して、可変部を常圧状態、減圧状態、及び加圧状態にして、可変部の進出及び後退を制御することにより、移載被対象物の姿勢制御を行うことができる。
なお、常圧状態から加圧し続けた、可変部の加圧状態の場合には、可変量を増やす点で好ましいが、移載被対象物に可変部を接触させる際に発生する、変位に対する荷重が増えてしまう。そのため、可変部が接触した際の、移載被対象物への負荷が増えるといった問題もある。したがって、移載被対象物の材質、形状等に応じて、加圧量を制御することが好ましい。
さらに、移載被対象物のガイド及びセンタリングを行う場合には、上記真空ポンプやコンプレッサー(圧縮機)のON/OFFを繰り返し、可変部を操作することも好ましい。
なお、可変部の形状は、特に限定されるものではない。爪状、湾曲状、楕円状等でもよく、さらには、半孤状(ドーナツ状)に形成されてもよい。このうち、移載被対象物を損傷させないという点から、半孤状の形状が好ましい。
なお、可変部を例えばエアシリンダ等から形成してもよい。さらに、この場合には、可変部に、移載被対象物に接触する(一時的に接触する)接触部を設けて、移載被対象物の姿勢制御を行わせてもよい。
[1−4]吸着パッド部:
本発明の移載装置における吸着パッド部は、これまで説明した移載被対象物の頭頂部を、鉛直方向の上から着脱自在に吸着保持可能である。すなわち、吸着パッド部は、移載被対象物を移載する際の、主導的な役割を果たす。この吸着パッド部は、吸着性を備え、移載中に移載被対象物を保持可能であるものであれば、その材質、形状等は特に限定されるものではない。ただし、移載被対象物を移載中に損傷させないという点から、吸着パッド部の、前記移載被対象物との接触部分が、例えば、弾性体などの材質から形成されることが好ましい。弾性体などの材質から形成されることにより、移載被対象物へのダメージを無くすことができる。
本発明の移載装置における吸着パッド部は、これまで説明した移載被対象物の頭頂部を、鉛直方向の上から着脱自在に吸着保持可能である。すなわち、吸着パッド部は、移載被対象物を移載する際の、主導的な役割を果たす。この吸着パッド部は、吸着性を備え、移載中に移載被対象物を保持可能であるものであれば、その材質、形状等は特に限定されるものではない。ただし、移載被対象物を移載中に損傷させないという点から、吸着パッド部の、前記移載被対象物との接触部分が、例えば、弾性体などの材質から形成されることが好ましい。弾性体などの材質から形成されることにより、移載被対象物へのダメージを無くすことができる。
本発明では、移載被対象物を移載する際の、主導的な役割は吸着パッド部が行い、姿勢制御体が姿勢制御を行う。そのため、移載被対象物に損傷を与えずに移載可能となる。
また、本実施形態における吸着パッド部の、移載被対象物への吸着保持は、移載被対象物の頭頂部を鉛直方向の上から着脱自在に吸着保持する。ここで、この吸着保持は、移載被対象物の内側から吸着保持するものと、移載被対象物の外側から吸着保持するものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。たとえば、図2に示されるように、移載被対象物3の外側から、姿勢制御体7が姿勢制御する場合には、吸着パッド部5は、移載被対象物3の胴部の外側(外壁)の頭頂部3a(外底)を吸着保持することになる。たとえば、図3に示されるように、移載被対象物3の内側から、姿勢制御体7が姿勢制御する場合には、吸着パッド部5は、移載被対象物3の頭頂部3a(内底)を吸着保持することになる。また、図4に示されるように、移載被対象物3の外側から、姿勢制御体7が姿勢制御する場合には、吸着パッド部5は、移載被対象物3の頭頂部3a(内底)を吸着保持することになる。
なお、本発明の移載装置における吸着パッド部5の、吸着パッド部を支持する軸(吸着パッド支持体13)と、移載被対象物の軸とが略同一でなくても吸着保持可能である。このようにすることより、移載被対象物の吸着位置が、吸着パッドを支持する軸線上、或いは移載被対象物の軸線上よりずれていても対応可能(移載可能)となる。また、真直度が悪く寸法ばらつきがある移載被対象物にも対応可能(移載可能)となる。ただし、より好ましくは、吸着パッドを支持する軸と、移載被対象物の軸とが略同一での状態で吸着保持可能なことである。移載被対象物を安定して吸着保持できるからである。
たとえば、このような吸着パッドとしては、ベロウ型パッド(蛇腹状パッド)や首振りパッドが挙げられる。
(吸着パッド支持体)
吸着パッドは、吸着パッド支持体13に固定されている。この吸着パッド支持体13は、移載被対象物が、姿勢制御体によって姿勢制御できるように、鉛直方向の上から移載被対象物の登頂部側へスライド可能に構成されてもよい。たとえば、図2に示されるように、移載被対象物3が吸着パッド部5によって吸着され、姿勢制御体7に姿勢制御されている場合には、移載装置1Aの外に(紙面上方側に)、吸着パッド支持体13がスライドした状態となるようにしてもよい。一方、図3、及び図4に示されるように、吸着パッド支持体13の長さを変えたものを取り付けてもよいし、吸着パッド支持体が、移載被対象物の開口部分から内底までの長さ分だけ、スライド可能に形成されてもよい。このように、移載被対象物、及び、移載装置の構成に応じて、適宜、設定できる。
吸着パッドは、吸着パッド支持体13に固定されている。この吸着パッド支持体13は、移載被対象物が、姿勢制御体によって姿勢制御できるように、鉛直方向の上から移載被対象物の登頂部側へスライド可能に構成されてもよい。たとえば、図2に示されるように、移載被対象物3が吸着パッド部5によって吸着され、姿勢制御体7に姿勢制御されている場合には、移載装置1Aの外に(紙面上方側に)、吸着パッド支持体13がスライドした状態となるようにしてもよい。一方、図3、及び図4に示されるように、吸着パッド支持体13の長さを変えたものを取り付けてもよいし、吸着パッド支持体が、移載被対象物の開口部分から内底までの長さ分だけ、スライド可能に形成されてもよい。このように、移載被対象物、及び、移載装置の構成に応じて、適宜、設定できる。
なお、吸着パッド支持体の作動方法は特に限定されないが、たとえば、真空ポンプ、加圧ポンプ、油圧ポンプ、油圧シリンダ等に連動させて、自在に作動(スライド)が行えるようにしてもよい。さらに、作動時に伸縮可能なスプリング(バネ)を設けて、吸着パッド支持体の作動を制御してもよい。
[1−5]その他の構成:
本発明に係る移載装置のその他の構成として、たとえば、図3に示されるように、姿勢制御体を収納する枠体11、図4に示されるように、移載被対象物3を収納する枠体11などを設けてもよい。さらに、本発明に係る移載装置に、図11に示されるように、アーム100、アームを固定する固定部101、アームが回動して移載被対象物にアクセス可能にする可動部103、アームを操作する動力源M等を設けることも好ましい。ただし、アーム、アームを固定する固定部、アームが回動して移載被対象物にアクセス可能にする可動部、アームを操作する動力源は特に限定されるものではない。たとえば、アームとして、複数の関節からなる産業用ロボット用アーム(多関節ロボット)を採用してもよい。また、枠体は、金属板を機械加工して得ればよい。また、動力源としては、エアシリンダ、油圧シリンダ、又はアクチュエータ等で構成される直線運動機器を採用することが出来る。
本発明に係る移載装置のその他の構成として、たとえば、図3に示されるように、姿勢制御体を収納する枠体11、図4に示されるように、移載被対象物3を収納する枠体11などを設けてもよい。さらに、本発明に係る移載装置に、図11に示されるように、アーム100、アームを固定する固定部101、アームが回動して移載被対象物にアクセス可能にする可動部103、アームを操作する動力源M等を設けることも好ましい。ただし、アーム、アームを固定する固定部、アームが回動して移載被対象物にアクセス可能にする可動部、アームを操作する動力源は特に限定されるものではない。たとえば、アームとして、複数の関節からなる産業用ロボット用アーム(多関節ロボット)を採用してもよい。また、枠体は、金属板を機械加工して得ればよい。また、動力源としては、エアシリンダ、油圧シリンダ、又はアクチュエータ等で構成される直線運動機器を採用することが出来る。
また、本発明に係る移載装置は、市販品を購入し又はステンレス鋼等からなる金属板等を加工して、既述の構成要素を得て、それらを組み立てるとともに、シーケンサ等の制御機器を用いて制御系を構築し(制御盤を設け)、更に、例えば電気、空圧、油圧等の動力系を構築する(動力盤を設け動力源を供給する)ことで、得てもよい。
さらに、前記吸着パッド部が前記移載被対象物に与える負荷を緩衝する緩衝機構を有することが好ましい。このように構成されることによって、移載被対象物に、高さバラツキ(高さの誤差)が生じても、緩衝機構が、この高さバラツキによる負荷を緩衝させることができる。
具体的には、図12Aに示される、バネ23と、吸着パッド部5をその一端で支持するボールスプラインのスプライン軸である吸着パッド支持体13と、吸着パッド支持体13が吸着パッド部5を支持する一端と反対側の一端に設けられた位置決め用ワッシャ部33と、ボールスプラインの軸受けである軸受け25と、からなる緩衝機構21を備える移載装置を例示できる。この移載装置のように、緩衝機構21を備えることによって、前記吸着パッド部に、前記移載被対象物の前記頭頂部が吸着される際の負荷を緩衝することができる。すなわち、軸受け25は、枠体11を貫通するように固定され鉛直方向に摺動(スライド)する吸着パッド支持体13の軸受けとして構成される。
このような緩衝機構21を有することにより、移載被対象物3の吸着保持時に、移載被対象物3が置かれている座面27(置かれている場所に垂直)に押し付けるように、吸着パッド部5に移載被対象物3の頭頂部3aを押し付けた場合にも、移載被対象物3に負荷がかからない。すなわち、緩衝機構21が、押し付ける際に生じる負荷を緩衝(吸収緩和)できるため、移載被対象物の破損を防止することができる。
さらに、このような緩衝機構を設けることによって、移載被対象物の吸着解除時(リリース時)に生じやすい、移載被対象物の破損を防止できる。たとえば、移載場所の座面に対して、吸着パッド部に吸着された移載被対象物を更に押し付けた際に、吸着パッド部から移載被対象物が外れる(リリースされる)ようにする。これにより、移載被対象物の寸法等のばらつきに起因して、或いは、座面の平行度、高さ等のバラツキに起因して、移載被対象物が座面に接地していない状態で、吸着パッド部からリリースされることを防止できる。したがって、接地する際に生じ得る移載被対象物への損傷を防ぐことができる。
さらに、吸着パッド部5を、ベロウ型パッド(蛇腹状パッド)、又は首振りパッドにすることにより、或いは、ベロウ型パッド(蛇腹状パッド)及び首振りパッドの両方の機能を有するパッドを備えることにより、移載被対象物が傾いた状態にある場合にも、平行度バラツキの緩衝を行うことができる。すなわち、座面と、移載被対象物の座面側に接する面とが平行でない状態であっても、移載被対象物に損傷を与えずに確実に移載できる。さらに、前述のような緩衝機構と吸着パッド部とを兼ね備えることにより、高さバラツキ及び平行度バラツキに十分に対応できる。
具体的には、図14A、図14Bに示されるように、首振り機構と、ベロウ型パッドを設けた移載装置を例示できる。図14Aに示されるように、吸着パッド部に吸着された移載被対象物を、傾いた座面等に設置する場合にも、首振り機構21及びベロウ型パッド31が緩衝して、座面と移載被対象物の座面側に接する面とが平行でない状態であっても、設置を確実にできる。
より具体的には、図12Aに示される移載装置のように、移載被対象物を吸着保持して姿勢制御した後、移載する設置場所の上方で待機する。次に、理論上の移載対象物と座面高さの距離に、想定される最大の移載被対象物の寸法等のばらつき及び、座面の平行度、高さ等のバラツキの量を加えた値を設定し、その分だけ移載装置を下降させる。その過程において、移載被対象物が設置場所の座面27に対して平行でなく傾いている場合には、図12B、図13Aに示されるように、所謂点接触した状態となる。その後、図12C、図13Bに示されるように、吸着パッド部5によって実際の平行度のバラツキの緩衝が行われる。さらにその後、吸着された移載被対象物3を移載場所の座面27に対して押し付ける。この際、この吸着パッド支持体13は設定した下降量と実際の移載被対象物と座面の距離の差分分スライドし、その分、バネ23が収縮する。このときのバネ23の収縮により押し付けた際に生じた負荷、衝撃を吸収する。このバネ23の収縮に伴い、図15に示されるように、吸着パッド支持体13が、座面27側と反対側方向に(座面から離れる鉛直方向に)スライドする。したがって、図13Bに示されるように、傾斜した座面27上であっても、高さバラツキを吸収して移載被対象物3を安定させることができる。このようにして、図12Dに示されるように、移載被対象物3を接地した後に、移載被対象物3を確実にリリースすると、移載被対象物への損傷を防ぐことができる。ただし、この例に限定されるものではない。
[2]移載装置の使用方法:
本発明に係る移載装置の使用方法について説明する。本発明に係る移載装置を、アーム先端に取り付けて、アームと移載装置を操作し、移載被対象物を移載することが好ましい。
本発明に係る移載装置の使用方法について説明する。本発明に係る移載装置を、アーム先端に取り付けて、アームと移載装置を操作し、移載被対象物を移載することが好ましい。
(アームの作動)
まず、移載前の位置に置かれた移載被対象物に対して、アームを動かして、移載装置を移載被対象物の上空から、移載被対象物の頭頂部へ近づける。この際、たとえば、移載被対象物の頭頂部が、図1、図2に示されるように、上向きの状態で置かれている場合には、吸着パッド部5が、移載被対象物の内底上になるように近づける。また、たとえば、移載被対象物の頭頂部が、図3、図4に示されるように、下向きの状態で置かれている場合には、吸着パッド部5が、移載被対象物の外底上になるように近づける。この際、画像センサ等を用いて移載被対象物の頭頂部を測定し、移載被対象物の頭頂部中心と移載装置の中心の位置を合せる工程を加えるのが好ましい。
まず、移載前の位置に置かれた移載被対象物に対して、アームを動かして、移載装置を移載被対象物の上空から、移載被対象物の頭頂部へ近づける。この際、たとえば、移載被対象物の頭頂部が、図1、図2に示されるように、上向きの状態で置かれている場合には、吸着パッド部5が、移載被対象物の内底上になるように近づける。また、たとえば、移載被対象物の頭頂部が、図3、図4に示されるように、下向きの状態で置かれている場合には、吸着パッド部5が、移載被対象物の外底上になるように近づける。この際、画像センサ等を用いて移載被対象物の頭頂部を測定し、移載被対象物の頭頂部中心と移載装置の中心の位置を合せる工程を加えるのが好ましい。
(吸着パッド部による吸着)
次に、アームを下降させ、移載装置1の吸着パッド5を鉛直方向の上から移載被対象物3の外底(内底)に接触させて、吸着パッド5を移載被対象物3の頭頂部3aに吸着させる。
次に、アームを下降させ、移載装置1の吸着パッド5を鉛直方向の上から移載被対象物3の外底(内底)に接触させて、吸着パッド5を移載被対象物3の頭頂部3aに吸着させる。
(姿勢制御体による姿勢制御)
次に、吸着パッド部に移載被対象物を吸着させた状態で、姿勢制御体を作動させる。
次に、吸着パッド部に移載被対象物を吸着させた状態で、姿勢制御体を作動させる。
この際、移載被対象物を姿勢制御する場合には、姿勢制御体を移載被対象物の胴部に接触させる。また、姿勢制御体がスライド可能である場合には、移載被対象物の胴部に向けて姿勢制御体をスライドさせて、移載被対象物に接触させる。なお、姿勢制御体が、図2、図4に示されるように、移載被対象物3の胴部の外側から姿勢制御する場合には、移載被対象物3の軸心方向に向けて、姿勢制御体7をスライドさせる。そして、姿勢制御体7を移載被対象物3の胴部に接触させる。また、図3に示されるように、姿勢制御体7が、移載被対象物3の胴部の内側から姿勢制御する場合には、移載被対象物3の軸心方向と反対側の内壁方向に向けて、姿勢制御体7をスライドさせる。そして、姿勢制御体7を、移載被対象物3の胴部の内壁に接触させる。
また、姿勢制御体が、スライドせずに移載被対象物の胴部から距離を保つように構成される場合には、移載被対象物が移動した状態のまま、移載被対象物を移動させる作業を行う。また、姿勢制御体がスライド可能である場合には、移載被対象物の胴部から距離を保つように、姿勢制御体を移載被対象物にスライドさせる。なお、姿勢制御体が、移載被対象物の胴部の外側から姿勢制御する場合には、移載被対象物の軸心方向に向けて、姿勢制御体を胴部から距離を保つように、スライドさせる。また、姿勢制御体が、移載被対象物の胴部の内側から姿勢制御する場合には、移載被対象物の軸心方向と反対側の内壁方向に向けて、姿勢制御体を胴部から距離を保つように、スライドさせる。
(可変部)
さらに、姿勢制御体に可変部が設けられている場合には、可変部は、移載装置内の所定位置に、移載被対象物が移動した状態で、前述の姿勢制御体の姿勢制御と同様に姿勢制御を行う。ここで、可変部を移載被対象物の胴部に接触させて姿勢制御する場合には、必要に応じて真空ポンプ、コンプレッサー(圧縮機)等を作動、停止させて、可変部を常圧状態にして、或いは、加圧状態にして、可変部を進出させて、可変部を移載被対象物の胴部に接触させる。このようにして、可変部に、移載被対象物の姿勢制御を行わせてもよい。
さらに、姿勢制御体に可変部が設けられている場合には、可変部は、移載装置内の所定位置に、移載被対象物が移動した状態で、前述の姿勢制御体の姿勢制御と同様に姿勢制御を行う。ここで、可変部を移載被対象物の胴部に接触させて姿勢制御する場合には、必要に応じて真空ポンプ、コンプレッサー(圧縮機)等を作動、停止させて、可変部を常圧状態にして、或いは、加圧状態にして、可変部を進出させて、可変部を移載被対象物の胴部に接触させる。このようにして、可変部に、移載被対象物の姿勢制御を行わせてもよい。
また、可変部が移載被対象物の胴部から距離を保つように構成される場合には、必要に応じて真空ポンプ、コンプレッサー(圧縮機)等を作動、停止させて、可変部を常圧状態にして、或いは、可変部を加圧状態にして、可変部を進出させて、可変部を移載被対象物の胴部から距離を保たせる。これにより、移載被対象物に過度なフラツキが生じた際にのみ、可変部が移載被対象物に接触して、姿勢制御をすることになる。
(移載被対象物の移動)
さらに、吸着パッド部に吸着させた移載被対象物を、姿勢制御体(あるいは姿勢制御体の可変部)により姿勢制御した後に、アームを動かして、移載被対象物を移載する位置(移動場所)の上空へ動かす。なお、移載被対象物の移載中にフラツキが生じても、姿勢制御体(或いは可変部)が、移載被対象物のフラツキを吸収することになる。その後、アームを下降させ、移載被対象物を移載場所へ着地させる。
さらに、吸着パッド部に吸着させた移載被対象物を、姿勢制御体(あるいは姿勢制御体の可変部)により姿勢制御した後に、アームを動かして、移載被対象物を移載する位置(移動場所)の上空へ動かす。なお、移載被対象物の移載中にフラツキが生じても、姿勢制御体(或いは可変部)が、移載被対象物のフラツキを吸収することになる。その後、アームを下降させ、移載被対象物を移載場所へ着地させる。
(姿勢制御の解除)
次に、移載場所に移載被対象物が着地した後は、姿勢制御体の姿勢制御を解除する。なお、姿勢制御体が移載被対象物に接触して姿勢制御する場合には、姿勢制御の解除は、姿勢制御体の移載被対象物への接触を解除することになる。また、姿勢制御体がスライド可能に形成される場合には、移載被対象物の胴部から離れる側へ向けて、姿勢制御体をスライドさせて、姿勢制御を解除する。さらに、姿勢制御体が、移載被対象物の胴部から距離を保つように構成される場合には、姿勢制御体をスライドさせずに、次の作業工程へ進んでもよい。移載場所へ着地させる際に、移載被対象物及び、周辺の対象物に損傷が生じなければよい。また、姿勢制御体がスライド可能に形成される場合には、移載被対象物の胴部から離れる側へ向けて、姿勢制御体をスライドさせて解除してもよい。
次に、移載場所に移載被対象物が着地した後は、姿勢制御体の姿勢制御を解除する。なお、姿勢制御体が移載被対象物に接触して姿勢制御する場合には、姿勢制御の解除は、姿勢制御体の移載被対象物への接触を解除することになる。また、姿勢制御体がスライド可能に形成される場合には、移載被対象物の胴部から離れる側へ向けて、姿勢制御体をスライドさせて、姿勢制御を解除する。さらに、姿勢制御体が、移載被対象物の胴部から距離を保つように構成される場合には、姿勢制御体をスライドさせずに、次の作業工程へ進んでもよい。移載場所へ着地させる際に、移載被対象物及び、周辺の対象物に損傷が生じなければよい。また、姿勢制御体がスライド可能に形成される場合には、移載被対象物の胴部から離れる側へ向けて、姿勢制御体をスライドさせて解除してもよい。
(可変部の解除)
可変部が接触して移載被対象物を姿勢制御する場合には、真空ポンプを作動させて可変部を減圧状態にして、可変部を基部側へ後退させる。そして、可変部を移載被対象物の胴部から離す。可変部が移載被対象物の胴部から距離を保つように構成される場合には、姿勢制御体の位置は、そのままでもよい。或いは、次の作業工程へ進んでもよい。移載場所へ着地させる際に、移載被対象物及び、周辺の対象物に損傷が生じなければよいためである。また、真空ポンプを作動させて可変部を減圧状態にして、可変部を基部側へ後退させてもよい。
可変部が接触して移載被対象物を姿勢制御する場合には、真空ポンプを作動させて可変部を減圧状態にして、可変部を基部側へ後退させる。そして、可変部を移載被対象物の胴部から離す。可変部が移載被対象物の胴部から距離を保つように構成される場合には、姿勢制御体の位置は、そのままでもよい。或いは、次の作業工程へ進んでもよい。移載場所へ着地させる際に、移載被対象物及び、周辺の対象物に損傷が生じなければよいためである。また、真空ポンプを作動させて可変部を減圧状態にして、可変部を基部側へ後退させてもよい。
(吸着パッド部の吸着解除及び移載被対象物の載置)
姿勢制御体(可変部)の姿勢制御を解除した後、真空ポンプ、コンプレッサー(圧縮機)等の吸着保持動力源の作動を止めて、吸着パッド部の吸着を終了させる。これにより、移載被対象物の頭頂部から吸着パッド部を取り外す。このようにして、移載作業が終了する。
姿勢制御体(可変部)の姿勢制御を解除した後、真空ポンプ、コンプレッサー(圧縮機)等の吸着保持動力源の作動を止めて、吸着パッド部の吸着を終了させる。これにより、移載被対象物の頭頂部から吸着パッド部を取り外す。このようにして、移載作業が終了する。
なお、以上の説明では、吸着パッド部を移載被対象物に吸着させた後、姿勢制御体、可変部を作動させて、移載被対象物の姿勢制御を行う例について説明した。しかし、吸着パッド部を移載被対象物に吸着させる前に、姿勢制御体、可変部を作動させて移載被対象物の姿勢制御を行い、その後、吸着パッド部を移載被対象物に吸着させてもよい。ガイド及びセンタリング効果を得ることができるためである。
ただし、吸着パッド部を移載被対象物に吸着させる前に、姿勢制御体(可変部)を作動させて、移載被対象物の姿勢制御を行う場合であっても、アームによる移載被対象物の持ち上げは、吸着パッド部に移載被対象物を吸着させた後に行う。たとえば、姿勢制御体(可変部)と移載被対象物が距離を保つように構成される移載装置では、吸着パッド部に移載被対象物を吸着させる前に、アームによる移載被対象物の持ち上げを行うことはできない。また、姿勢制御体(可変部)を移載被対象物に接触させる移載装置では、吸着パッド部に吸着させる前に、アームを作動させてしまうと、移載被対象物が落下したり、姿勢制御体、及び可変部によって損傷したり、してしまう虞もあり好ましくない。
なお、本発明の移載装置における上記使用例は、一例であって、これに限定されるものではない。また、緩衝機構を有する移載装置についても、上記移載装置の使用方法で用いた移載装置に準じて、使用することが好ましい。
本発明に係る移載装置は、移載被対象物を移載する移載装置である。とりわけ、セラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体、又はガラスである移載被対象物の移載に利用できる。
1:移載装置、3:移載被対象物、3a:頭頂部、3b:胴部、5:吸着パッド部、7:姿勢制御体、8:基部、9:可変部、11:枠体、13:吸着パッド支持体、15:スプリング、21:緩衝機構、23:バネ、25:軸受け、27:座面、29:首振り機構、31:ベロウ型パッド、33:ワッシャ部、100:アーム、101:(アームを固定する)固定部、103:(アームが可動可能な)可動部、X1:仮想線、X2:仮想線。
Claims (15)
- 頭頂部を備えた移載被対象物を、鉛直方向の上から吸着保持可能な吸着パッド部と、
前記吸着パッド部に吸着された前記移載被対象物の姿勢を制御可能な姿勢制御体とを備え、
前記移載被対象物を移載することができる移載装置。 - 前記移載被対象物が、セラミック成形体、セラミック乾燥体、セラミックス焼成体、又はガラスである請求項1に記載の移載装置。
- 前記移載被対象物が、中実状、中空状、又は有底円筒状である請求項1又は2に記載の移載装置。
- 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物をガイド可能及びセンタリング可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の移載装置。
- 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物の内側から、前記移載被対象物の姿勢を制御可能である請求項1〜4のいずれか1項に記載の移載装置。
- 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物の外側から、前記移載被対象物の姿勢を制御可能である請求項1〜4のいずれか1項に記載の移載装置。
- 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物に対して距離を保つように配置される請求項1〜6のいずれか1項に記載の移載装置。
- 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物を把持可能である請求項1〜6のいずれか1項に記載の移載装置。
- 前記姿勢制御体が、前記移載被対象物との接触部分に接触部を有し、前記接触部が弾性体からなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の移載装置。
- 前記接触部が中空弾性部材から形成されている請求項9に記載の移載装置。
- 前記接触部が、前記移載被対象物の外周壁又は内周壁に向かって、進出及び後退可能である可変部として構成される請求項1〜10のいずれか1項に記載の移載装置。
- 前記中空弾性部材の減圧時に、前記可変部が後退する請求項11に記載の移載装置。
- 前記中空弾性部材の加圧時に、前記可変部が進出する請求項12に記載の移載装置。
- 前記吸着パッド部の、前記移載被対象物との接触部分が、弾性体から形成されている請求項1〜13のいずれか1項に記載の移載装置。
- 前記吸着パッドが前記移載被対象物に与える負荷を緩衝する緩衝機構を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載の移載装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2011068042A JP2012200821A (ja) | 2011-03-25 | 2011-03-25 | 移載装置 |
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JP2011068042A JP2012200821A (ja) | 2011-03-25 | 2011-03-25 | 移載装置 |
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ID=47182321
Family Applications (1)
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JP2011068042A Withdrawn JP2012200821A (ja) | 2011-03-25 | 2011-03-25 | 移載装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014083640A (ja) * | 2012-10-24 | 2014-05-12 | Bridgestone Corp | つかみ装置およびつかみユニット |
WO2017094109A1 (ja) * | 2015-12-01 | 2017-06-08 | 富士機械製造株式会社 | ワーク移載装置及びワーク移載システム |
CN111730631A (zh) * | 2020-08-19 | 2020-10-02 | 佛山隆深机器人有限公司 | 一种用于管件的末端执行夹具及夹取机械手 |
-
2011
- 2011-03-25 JP JP2011068042A patent/JP2012200821A/ja not_active Withdrawn
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