JP2012199975A - 可変通信容量を備えるモジュール式基地局 - Google Patents

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Abstract

【課題】操業当初の設備費を軽減ししかも増設を容易にした柔軟性の高いCDMA基地局を提供する。
【解決手段】増設可能な基地局は、公衆交換網との間で複数の同時並行の通話をサポートするように構成されたディジタル基地局ユニットで組み立てる。操業開始時には故障時に備えた予備のために二つの基地局ユニットを配備し、トラフィック容量を上げる必要がその後生じた場合は追加の基地局ユニットを配備する。セクタ化を要する場合は、それら複数の基地局ユニットに指向性を組み合わせる。それら基地局ユニットの各々には隔てた位置に配置した二つの増幅器付きアンテナモジュールを接続し、それらアンテナモジュールに全方向アンテナまたは指向性アンテナ、送信信号用の大電力RF増幅器および受信信号用の低雑音増幅器をそれぞれ含める。二つの基地局ユニットに電力供給可能な個別の電源モジュールが停電時の予備電源として作動し、無停電電源装置を構成する。
【選択図】図6

Description

この発明は通信システムに関する。より詳細にいうと、この発明はセルラー通信システムのセル内にある複数の個別加入者と複数の小容量無線基地局、すなわち加入者数に比例して稼働効率を上げるようにセルごとに一つ配置してある複数の小容量基地局との間に符号分割多元接続無線インタフェースを用いた通信システムに関する。
高度に進んだセルラー通信は符号分割多重化または符号分割多元接続CDMAとして知られる最新技術を利用している。従来技術による通信システムの一例を図1に示す。
CDMAは、伝送すべきデータを擬似雑音信号で変調することによりデータを拡大帯域(拡散したスペクトラム)で伝送する通信技術である。帯域幅数千ヘルツの伝送すべき信号を帯域幅数百万ヘルツに広げるのである。その通信チャネルを互いに独立なm個のサブチャネルで同時並行に用いる。各サブチャネルにとって、それ以外のすべてのサブチャネルは雑音として認識される。
図に示すとおり、所定の帯域幅の単一のサブチャネルを、広帯域幅の擬似雑音(pn)系列発生器で発生した所定のパターンを繰り返す独特の拡散符号と混合する。これら独特の拡散符号は、拡散符号相互間の相関をほぼ零にするように、通常互いに直交関係にある。上記データ信号をpn系列で変調し、ディジタルスペクトラム拡散信号を生ずる。次に、搬送波信号をそのディジタルスペクトラム拡散信号で変調し、順方向リンクを確立し伝送する。受信機は伝送されてきた信号を復調し、ディジタルスペクトラム拡散信号を抽出する。伝送されてきたデータは送信側と同一のpn系列との間で相関をとって再生する。拡散符号が互いに直交関係にある場合は、受信信号は特定の拡散符号に関連した特定の利用者信号と相関をとることができ、その特定の拡散符号に関連した所望の利用者信号だけを強調してそれ以外のすべての利用者のための他信号を強調なしにすることができる。逆方向リンクの確立には、これと同じ処理を繰り返す。
位相偏移変調PSKなどのコヒーレント変調技術を固定式か移動式かを問わず複数の加入者に用いた場合は、それら加入者との同期のために基地局からグローバルパイロットを継続的に送信する。加入者ユニットは常に基地局と同期をとっており、チャネル位相および振幅パラメータの推算のために上記パイロット信号情報を用いる。逆方向リンクについては、共通パイロット信号は実現可能ではない。通常は逆方向リンク通信に適しているのは非コヒーレント検波手法だけである。基地局による初期捕捉で逆方向リンクを確立するために、加入者局は所定のランダムアクセスチャネル(RACH)経由でランダムアクセスパケットを送信する。
これまでに採用された従来技術によるCDMA通信システムの多くは、パーソナル通信サービス(PCS)用の交信相手の加入者局が固定式であれ移動式であれ、当初から通話トラフィックが大きいものとして設計されていた。サービスプロバイダーの提案した通信システム仕様により通信サービス稼動領域を定める基地局の所要数が決まる。この仕様により、各セルの地理的配置が定まり、固定式および移動式の両方の加入者を収容するセル一つあたりの予想加入者数を定めるトラフィック容量が定まる。各セルの通信トラフィック容量の最大値は通常は上記の設計で確立される。
従来技術のCDMA通信システムは多数の同時並行の交信を当初から処理するように設計され容量設定されており、したがってサービスプロバイダーにとって操業開始時の費用は多大である。それらのシステムは、費用効率の高い小規模な初期設置を可能にししかも将来の加入者数増加を吸収できる融通性ある基地局構成に対する需要に対処していない。
したがって、この発明の目的はCDMA通信システムの初期設備費用を低減し、しかも必要に応じて将来の増設を可能にすることである。
この発明はモジュールの形状を備え、所定の地理的領域にCDMA通信システムを新たに設置する際の初期費用の低減を可能にし、しかも将来の容量拡大を可能にする基地局アーキテクチャを提供する。この増設可能なアーキテクチャは、慣用の公衆交換網との間の複数の同時並行の無線の呼をサポートするように構成したディジタル基地局ユニットで組み立てる。操業開始の際には片方の故障に備えて二つの基地局ユニットを配備する。トラフィック容量拡大の必要が生じた場合は追加の基地局ユニットを加えることができる。セクタ化を要する場合は基地局ユニットを方向ごとに分けることができる。基地局ユニットの各々から隔てて配置し、それらユニットの各々に接続した二つの増幅器付きアンテナモジュール、すなわち全方位または外部指向性アンテナ、送信周波数用大電力RF増幅器および受信周波数用低雑音増幅器を含むアンテナモジュールを設ける。電力線故障の場合は、二つの基地局ユニットをサポートできる別個の電源モジュールから継続して電力を供給する。
この発明は、拡大するトラフィック容量を初期設置費用を高めることなくサポートするように増設を容易にするアーキテクチャで、セクタすなわちオムニセルが大きい場合も小さい場合もサポートする。
したがって、この発明の目的は加入者交信トラフィックが増大した場合の増設を容易に可能にすることである。
上記以外の利点は好ましい実施例に関する次の詳細な説明から当業者には明らかになろう。
従来技術による通常のCDMA通信システムの単純化したブロック図である。 この発明の実施例の通信網である。 増設可能なモジュール式基地局の物理的な設置の状況である。 この増設可能なモジュール式基地局用の電源のブロック図である。 基地局ユニットのブロック図である。 二つの基地局ユニットのブロック図である。 図6に示した第1の基地局ユニットのための二つの増幅器付きアンテナモジュールおよび無線周波数制御モジュールのブロック図である。 図6に示した第1の基地局ユニットのための基地局送受信機モジュールおよび六つの無線インタフェースモジュールのブロック図である。 図6に示した第2の基地局ユニットのための二つの増幅器付きアンテナモジュールおよび無線周波数制御モジュールのブロック図である。 図6に示した第2の基地局ユニットのための基地局送受信機モジュールおよび六つの無線インタフェースモジュールのブロック図である。 二つの基地局ユニットを用いた増設可能な基地局のブロック図である。
同じ構成要素には同じ参照数字を付けて示した図面を参照してこの発明を説明する。
増設可能な基地局を用いたCDMA通信システム15のシステム図を図1に示す。セルラー通信システムの四つのセル17、19、21、23を基地局送受信機17’、19’、21’、23’にそれぞれ関連づけて示してある。一つの加入者ユニット25を一つのセルの中に示してある。基地局17’と加入者ユニット25との間で共通のCDMA周波数帯域幅のそれぞれの領域で複数の個別の順方向信号および逆方向信号が送信される。
この増設可能なモジュール式基地局に用いた基地局ユニットBSUは加入者ユニット25の数に比例した増設可能な構成を可能にする。例えば、繁忙期の平均利用率が10パーセント未満である150個の加入者局は同時並行の呼15以下をサポートするモデム16個付きの基地局ユニット16を要する。故障に備えた冗長度確保のために、一つのBSU故障時に限定的サービスを提供できるようにするには同じ大きさの加入者群に対して二つの併設BSU(上記最小容量の2倍を有する)を増設可能な基地局に設ける必要がある。
この併設モジュール利用による手法は、必要に応じて二つのBSU以上に拡大して加入者数の更なる増加を吸収する。各BSUは全方位をカバーするがセクター化のために指向性アンテナで構成することもできる。セル内の特定の領域で加入者増が生じた場合は、その高密度化したセクタへのサービス提供のために特定の方向に特化したBSUを同様に配備することもできる。BSUの各々は標準または特注の陸上インタフェースの任意の一つを経由して公衆交換網PSTNに接続する。
故障時の許容度を確保するために、各加入者ユニット25は少なくとも二つのBSUと交信可能でなければならない。一つのセルまたはセクタを1個乃至n個のBSUでカバーしている場合は、各加入者ユニット25はそれらn個のBSUの任意の一つと交信できなければならない。現時点において好ましい実施例ではn=6である。セル内にある加入者ユニット25の各々は経路損失最小のBSUを選択する。
CDMA無線インタフェース用の増設可能なモジュール式基地局は操業のサポートのためにひと組のグローバルチャネルを必要とする。グローバルパイロットは加入者ユニットによる初期捕捉をサポートし、コヒーレント処理のためのチャネル評価を行う。一つ以上のグローバル報知チャネルでシグナリング情報を提供する。各BSUはそれぞれ独自のグローバルチャネル組を必要とする。しかし、グローバルチャネルは無線回線容量を費やすので、BSUの各々に全機能グローバルチャネルひと組を割り当てるのはコスト大である。
この増設可能なモジュール式基地局は電源節約のための加入者ユニット動作をサポートする。そのために、加入者ユニット25はスリープモード、すなわち例えば1秒ごとに1回だけごく短く覚醒状態に戻って入来呼表示用の着呼メッセージをチェックするスリープモードで動作する必要がある。しかし、加入者ユニットの覚醒時間が短い場合は基地局からのグローバルパイロットの信号強度を高めなければならない。このパイロット信号強度はコヒーレント復調およびチャネル評価用の基準信号を提供するだけのために必要な信号強度レベルよりも高くなければならない。
各加入者ユニット25は併設BSUひと組に割り当てられ、覚醒期間ごと1回ずつそれらBSUを交互に捕捉する。加入者ユニット25は第1のBSUを偶数番目の秒ごとに、第2のBSUを奇数番目の秒ごとに逐次的に捕捉する。三つ以上のBSUが配置されている場合は、この加入者ユニットはそれらBSUの各々を逐次的に捕捉し1番目のBSUに戻る動作を繰り返す。これと対応して、BSUの各々は特定セル内に配備されているBSUの数に応じて高出力電力レベルおよび低出力電力レベルでパイロット信号を送信する。これらBSUはパイロット信号送信を高電力レベルで送信するものがどのBSUで、低電力レベルで送信するものがどのBSUであるかを特定するようにプログラムされている。
同一グループ中の併設BSUはすべて二つの索引、すなわちグループの識別記号を表示する索引Igroupと、そのグループの中のBSUの識別記号を特定する索引Iunitとの二つの索引を蓄積するように予めプログラムされている。各加入者ユニット25はIgroupで表示される一つのグループに割り当てられる。固定加入者ユニットの無線接続に対してはその加入者を登録時に指定してデータ入力することができる。移動加入者ユニットについては、加入者ユニット25でBSUパイロットの相対的信号強度を試験してローミングおよびハンドオーバの場合と同様に強度最大値のものを選択することによって抽出する。
加入者ユニット25が一つのIgroupに関連づけられると、同期をとることによってそのグループの各BSU Igroup、Iunitにアクセスできる。加入者ユニット25は覚醒状態に入る度ごとにパイロット信号を最大電力で送信中のBSU(Iunit)のパイロット信号と同期をとり直す。加入者ユニット25は時刻に基づいてBSUの識別記号を抽出する。Igroupと関連づけられた上記以外の加入者ユニット25も同じ方法を用いて高強度パイロット信号チャネルおよび報知チャネルを送信中のBSUを特定する。その結果、加入者ユニット25すべてが覚醒状態に入り、最大電力で送信中のBSUのパイロットチャネルおよび報知チャネルを監視する。
各加入者ユニット25はPSTNから時刻情報を受信する。「網操作および保守(O&M)」機能が誤差2ミリ秒以内の精度の時刻情報を含むメッセージを供給する。これらメッセージはO&M機能ブロックから地上リンク経由で各基地局の位置へ送られ各BSUに送られる。各BSUは低速報知チャネル経由で時刻情報を一度だけ送る。加入者ユニット25はこの情報を用いて内部クロックの同期をとる。
時刻(tod)は加法演算 Iunit=tod mod(n) (式1)
を用いて一つのBSUの識別情報に変換される。ここでnはIgroup内のBSUの数のメモリ内の値である。BSUおよびIgroup内の全加入者局は特定の時刻にどのBSUが報知信号を送信するかを把握している。覚醒状態に入ると、加入者ユニット25は同期をとり、割当て時間スロット内のメッセージを読み、送信中のBSUからの受信パイロット信号の信号強度を測る。また、加入者ユニット25は送信中のBSUのアクティビティを測る。
BSUは低速または高速報知チャネル経由で通話容量表示メッセージを送る。低速報知チャネルはアクティビティ量表示メッセージを送る。高速報知チャネルは交通信号灯の利用によりアクティビティ表示メッセージを送る。各トラフィックチャネルは報知チャネル常駐の交通信号灯と称する表示メッセージを有し、そのメッセージによって加入者ユニット25に空塞状態を伝える。この交通信号灯を通話容量表示情報として用いることによって、加入者ユニット25はどのBSUが空きに最も近い状態であるかを推測する。BSUはすべて着呼メッセージを送る。加入者ユニット25は、この着呼メッセージを認識すると、接続相手として最適のBSUを選択する。この選択は空塞の度合および信号強度などの情報によって決める。加入者ユニット25は、交通信号灯や空塞状態などで定まる通話容量最大値近傍までBSUが達していない場合は、受信パイロット信号レベル最大値を示すBSUを選択する。
BSUパイロットは加入者ユニット25の覚醒状態時には大きい強度を示すように常にプログラムされているので、覚醒への所要時間は最小にできる。加入者ユニット25が覚醒状態復帰後に行う再捕捉を単純化するには強度の大きいパイロット信号が必要である。再捕捉のあとは加入者ユニット25は低デューティサイクルおよび低電池消費状態に戻る。通常のトラフィックチャネルの約1/2の信号電力レベルを有する低電力レベルパイロットを常時送信する。覚醒処理サポート時以外は各BPUはグローバルパイロット信号を低電力レベルで送信しているので、各BPUは確立ずみのトラフィックチャネルのコヒーレント復調を無線通話容量合計値への影響を無視できる程度に抑えながら常にサポートする。
加入者ユニット25は各覚醒処理サイクルについて時刻情報に基づきIgroupからの被選択BSUを抽出し、その被選択BSUのグローバルパイロットチャネルおよび報知チャネル対応のpn拡散符号をロードする。次に、加入者ユニット25は覚醒処理サイクルごとに1回ずつ受信パイロット信号の相対的信号強度を測定して、その相対的レベルをメモリに格納し、候補BSUの各々について最新の測定値の平均値をとる。
加入者ユニット25は所定のBSUのサポート中のトラフィック量の情報をその情報が低速報知チャネル経由で送信中であれば読み取り、または各BSUについての赤の交通信号灯の数を認識しメモリに格納して短期間平均値を維持する。
加入者ユニット25は好ましいBSUを特定する選択処理を行う。加入者ユニット25がアクセスチャネルを要求すると、その好ましいBSUを選択して適切な符号をロードし通常の立上げ処理を起動する。
BSUは時刻クロックを維持し、1ミリ秒ごとに1回または1サブエポックごとに1回読み出す。時刻情報はグローバルチャネル送信同期の特定のために用いる。次にそれぞれのグローバルチャネルを割り当てて送信電力を所望のレベルに設定する。BSUから報知チャネルで通常送信されるトラフィックメッセージおよび信号は進行する。加入者ユニット25とBSUとの間の同期が確保されている場合は、加入者ユニット25は送信電力レベルを徐々に上げながらシンボル長の短符号を送信する。加入者ユニット25はBSUからの受信確認信号、すなわちBSUによる受信の有無の判定のための交通信号灯として作用し上記の短符号の受信確認として作用する受信確認信号を監視する。
BSU選択のための加入者ユニット25の処理は、次の情報でメモリ内のデータベースを維持することを含む。
・RelPower (Iunit); ただしIunit=1乃至n ここでRelPower はBSU(Iunit)の相対電力であり、全部nunitある。
・Activity (Iunit); ただしIunit=1乃至n覚醒処理の各々について、 ・RelPower (Iunit) を受信パイロット電力測定値の低域フィルタ処理ずみ推算値として維持する。
・RelPower (Iunit)=RelPower(Iunit)+ α(パイロット電力測定値−RelPower) (式2)
・Activity (Iunit)=報知チャネル経由で送信されたトラフィックのレベル、 または
・Activity (Iunit)=そのBSUにつき進行中の覚醒処理サイクルについて 数えた赤の交通信号灯の数。
加入者ユニット25がアクセス要求を試みる場合は、BSU割当てを受信パイロット電力の相対レベルおよび相対的アクティビティの関数として定める。例えば、加入者ユニット25はBSUのアクティビティが閾値以下であれば受信パイロット信号強度最大値のBSUを選択できる。当業者には認識されるとおり、上記以外の性能判断基準も利用できる。
増設可能なモジュール式基地局61の例の構成および物理的配置を図3、図4および図5に示す。基地局61の物理的構成は互いに別々の四つの密封箱、すなわち(1)ディジタル基地局筺体(DBC)63、(2)基地局電源モジュール(BSPM)65、および(3)(4)二つの増幅器付きアンテナモジュール(AAM)671および672を備える。
基地局筺体63は屋内設置にも屋外設置にも適した対環境密封箱である。DBC63はBSU69を収容している。AAM671および672はBSU69から隔てて高所71にとりつける。各BSU69には二つのAAM67が必要である。
BSPM65は図4に示したとおり蓄電池73、整流器インバータ75および能動型電圧調整器77を備える。BSPM65は交流120/220V電源(図示してない)からの外部電源入力79を受け、整流濾波出力81をDBC63に供給する。この装置の動作は電子工学の分野で周知の無停電電源装置と同じである。蓄電池73は電力線の送電が停止してから最大4時間にわたりDBC63 1基(2台のBSU69)の動作を継続して維持する。電力はそれぞれのBSU69に接続線経由で供給する。DBC63は屋外に配置され得るので、BPSM65は別個にして同様に外部環境から密封してある。
図5に示すとおり、BSU69は高速パラレルデータバス87および配電バス89を用いた共通背面板85を有するカードラック組立体である。基地局61用の着脱可能なカードは、(1)一つのシステム制御モジュール(SCM)91、(2)一つのベースバンド送受信機モジュール(BTM)93、(3)一つの電源モジュール(PSM)95、(4)二つの無線周波数制御モジュール(RFC)97、および(5)各々が16個の送信用/受信用モデム101を含む6個以下の無線インタフェースモジュール(AIM)99を要する。PSM95は外部BSPM65をコネクタ103経由でBSU69に接続し、ローカル電源電圧調整および平滑化を行う。
SCM91は、送信用/受信用モデム選択の制御およびもう一つの併設BSU69における故障時の調整のための補助メモリ付きシステムレベルプロセッサを含む。各SCM91は併設BSU69相互間のEthernet(登録商標) E1線などデータ転送線107経由の信号授受を可能にする信号授受バスポート105を含む。信号授受バス107は駆動用ソフトウェアまたは動作パラメータのアップロードまたはダウンロードのための外部問合せを各SCM91ができるようにする。SCM91識別はDIPスイッチなどで行う。このモジュール式基地局への外部からの接続はこのモジュール上のFポート経由で行い、EDPCM60回線まで搬送可能な従来型E1線111を受け入れるためのHDLC導線または光ファイバ回線をサポートする。
BTM93は活性状態のAIM99からのアナログベースバンド信号を組み合わせ、受信通話信号を活性状態の受信AIM99に分配する。所要通話容量が二つのBSU69を必要とする場合は、各BSU69につき各BTM93を互いに接続する。
RFC97はBTM93からの信号を受けてアップコンバータ113で周波数変換し送信L0,L1に備える。同様に、RFC97は受信信号A,Bをダウンコンバータ115で周波数変換する。D−A変換および選択可能な送信側ディジタル遅延および受信側ディジタル遅延をRFC97内で行う。
AAM67は送信通話信号L0,L1および受信通話信号A,Bのための全方位印刷配線アンテナ121を収容している。セルセクタ化が設計要件である場合は指向性アンテナ123を用いることもできる。このアンテナ12は3セクタ乃至5セクタ動作をサポートするように構成してある。高電力送受切換器125および低電力送受切換器127によって送信周波数L0,L1と受信周波数A,Bとを分離し、送受両方向の各々につき別々の増幅器129,131を両送受切換器の間に配置してある。送信用電力増幅器129および受信用低雑音増幅器131を隔てて配置してあるのでRFC97とAAM67との間には低コストの同軸ケーブル133を用いることができる。これら増幅器129、131への直流電力はBTM93から同軸ケーブル経由で供給する。
AIM99の各々は送信L0,L1用および受信A,B用に16個までの個別のモデム135を含む。BSU69は最少1個から合計6個までのAIM99で構成できる。AIM99の各々は16個のモデム(同時並行の通話用15プラス報知用1個)を備える。トラフィック需要に応じて最大6個のAIM99でPCM音声98回線またはLD−CELP音声180回線をサポートできる。
モジュール式基地局アーキテクチャ61でセル内の大型セクタも小型セクタもサポートでき、また全方位セルもサポートできる。BSU69の各々は当初は搭載モデム135(AIM99)の数に応じて要求される数の呼および特定の種類のサービスをサポートするように構成してある。指定された一つのセル位置には冗長度確保のため最低二つの併設BSU69が必要である。これらBSU69の各々は冗長度確保手段を内蔵していないので、故障発生の場合は固定または移動加入者ユニット25がいずれも同一セル基地局位置の併設BSU69と交信できるようにして冗長度を確保する。どの加入者ユニット25も一つのセクタの中のBSU69のいずれかと関連づけができるようにして冗長度を確保する。BSU69が故障すると通話容量が失われるが、加入者ユニット25はもう一つの併設BSU69にアクセスできる。一つのセクタ内のBSU69を余分の容量を備えるように構成して、そのセクタ内における故障発生の際の緩衝手段とすることもできる。
BSU69の各々は所属の加入者ユニットと互いに独立に交信できる。前述のとおり、この機能を達成するにはBSU69の各々はグローバルパイロット信号137用の独自のグローバルチャネルと、高速報知チャネル139と低速報知チャネル141とを備えなければならない。
独自のグローバルパイロット信号137は加入者ユニット25の各々が個々のBSU69と同期をとることを可能にする。高速報知チャネル139は加入者ユニット25に対し交通信号灯として作用しそれぞれのBSU69の空塞状態および電源立上り状態を知らせる。低速報知チャネル141はパーソナル通信サービスのためにBSU69からアクティビティ情報および着呼情報を加入者ユニットに伝達する。
上述のとおり、各BSU69のグローバルパイロット信号を従来技術の場合と同様に送信すると、その送信が無線回線容量に影響を与えるので、セクタまたはセルの利用可能性が深刻に後退する。従来技術の場合と違ってこれらBSU69の各々は標準32kbpsの従来型トラフィックチャネルの信号強度の約半分の強度で微弱グローバルパイロット信号137を連続的に送信する。
併設BSU69の各々は外部システムE1回線107経由で併設BSU69を認識しそれとハンドシェイクし、BSU69のBTM93/SCM91を互いに結合して基地局位置からのグローバルパイロット信号137の送信を調整する。E1回線107は併設BSU69の各々に問い合わせしてそれぞれの独自のグローバルパイロット信号137の送信を調整する。BSU69の各々はそれ自身のグローバルパイロット信号137のレベルを有限期間にわたって通常トラフィックチャネルのレベルまで引き上げる。他方のBSU69の各々もそれぞれのグローバルパイロット信号137を送信し続けるが、それらの送信は微弱電力レベルである。この手法はBSU69の片方だけからそれ自身のグローバルパイロット信号137を高電力レベルで送信することを確実にする。
高速報知チャネル139および低速報知チャネル141はBSU69の各々から通常の電力レベルで送信される。多数のBSU69が同じ位置に併設されている場合は、それら高速報知チャネル139、低速報知チャネル141、グローバルパイロット信号137および一つの高強度パイロット信号の送信に必要な無線通話容量オーバヘッド総計は単一基地局の場合に比べて増加する。しかし、セクタまたはセルあたりPCM98回線の最大容量は、オーバヘッド発生が順方向リンクに限られるので、影響を受けない。逆方向リンクは、各加入者ユニットからの割当てパイロット信号143が無線通話容量に制約を与えるので、問題がより大きい。
BSU69からの各パイロット信号137の電力レベル切換は加入者ユニット25の捕捉に有利である。BSU69の各々はそれ自身のパイロット信号137を有限期間にわたり正常の電力レベルで一斉報知するので、加入者ユニット25が最大強度のパイロット信号137を捕捉する可能性が高まる。受信電力レベル最大のBSU69が内蔵モデム135全部を活性状態(送信用であるか受信用であるかを問わず)にしている場合は、加入者ユニット25はそれを無視して次の最大電力レベルパイロット信号137の捕捉を試みる。
BSU69の各々は独自のグローバルパイロット信号137の送信のために独自の符号を必要とする。パイロット信号137の各々につき共通のシードをBSU69すべてに供給するが、BSU69の各々に独自の符号を実効的に生ずるように符号をz千チップだけずらして独自の識別番号を生成する。単一の共通グローバルパイロットシードからBSU69の各々のための複数の独自符号を生成する。
図6、図7Aおよび図7Dを参照すると、増設可能なモジュール式基地局61は少なくとも一つ、必要に応じて二つ(図示の場合)または複数のBSUを備える。
AAM67の各々に配置してある可変受信遅延ユニット119が受信信号A,B,C,Dの到着時間をシフトさせる。一つのBSU69で二つの受信信号到着時間調整をユニット119により行い、その出力を加算器145で加算し、信号147、すなわち互いに異なる遅延を伴う二つの受信信号複製出力を生ずる。
セクタ化または多数の加入者ユニット25に対処する構成にしたモジュール式基地局61は複数のBSU69を備える。この構成に伴うAAM67はすべてBSU69の各々に受信信号を共通に供給する。個々のアンテナ121からの出力はBSU69のそれぞれのBTM93に配置した加算器145,149に加える。
可変遅延ユニット119の出力を加算してBSU69の各々に入力し、互いに異なる遅延を受けたy(整数)個の受信信号複製を含む信号を生ずる。AAM67の各々に対応する可変遅延ユニット119は互いに異なる所定の遅延時間を有する。少なくとも2チップ、すなわち信号強度の正味増加を達成するための追加処理を可能にする少なくとも2チップの遅延を遅延ユニット119の各々で与えるのが好ましい。
CDMA通話の各々は独自の符号に関連している。AIM99のモデム135は多数のCDMA通話の同時並行処理、すなわち各モデムが互いに異なるCDMA符号関連の通話を処理する同時並行処理を可能にする。信号x個と既知の歪とを組み合わせることによって所要電力レベルの低下が可能になり、所与の基地局に収容できる加入者局25の数(同時並行通話の数)を増加させることができる。
2トランク構成で最大数のBSUを備えるセルラー基地局を図8に示す。故障に備えて、BSU69相互間に現用予備関係を形成してある。PCM音声68回線までを搬送できる単一のE1回線111が無線分配ユニット(RDU)153から二つのBSU69に接続してある。この構成によって単一BSUモードの際の故障の影響を解消し、モジュール相互間の信号スループットを上げる。
この発明を好ましい実施例について上に述べてきたが、請求の範囲記載のこの発明の範囲内で上記以外の諸変形が可能であることは当業者に明らかであろう。
15 CDMA通信システム
17,19,21,23 セル
17',19',21',23' 基地局送受信機
25 加入者ユニット
61 増設可能なモジュール式基地局
63 ディジタル基地局筺体(DBC)
65 基地局電源モジュール(BSPM)
67 増幅器付きアンテナモジュール(AAM)
69 基地局ユニット
73 蓄電池
75 整流器/インバータ
83 カードラック
85 共通背面板
87 高速パラレルデータバス
91 システム制御モジュール(SCM)
93 基地局送受信機モジュール(BTM)
95 電源モジュール(PSM)
97 無線周波数制御モジュール(RFC)
99 無線インタフェースモジュール(AIM)
101 送信/受信モジュール
103 コネクタ
105 バスポート
107 通信バス
111 従来型E1回線
113 アップコンバータ
115 ダウンコンバータ
121 アンテナ
123 指向性アンテナ
125 大電力送受切換器
127 低電力送受切換器
129 送信電力増幅器
131 低雑音増幅器
135 モデム
137 グローバルパイロットチャネル
139 高速報知チャネル
141 低速報知チャネル
145,149 加算器
153 無線分配ユニット

Claims (3)

  1. 符号分割多重アクセス(CDMA)基地局であって、
    多数の加入者ユニットと通信するように構成された回路と、
    利用可能なセル容量を改善するために不連続の時間間隔に関して最大電力レベルで前記加入者ユニットに複数の同期化信号を送信するように構成された回路であって、異なる同期化信号はそれぞれ不連続の時間間隔で送信される、回路と、
    報知チャネルを前記加入者ユニットに送信するように構成された回路と、
    前記報知チャネルから抽出される複数のコードをアクセス手順において加入者ユニットから受信するように構成された回路と
    を備えることを特徴とする基地局。
  2. 前記同期化信号のそれぞれは、コードを有することを特徴とする請求項1に記載の基地局。
  3. 前記同期化信号のそれぞれは、パイロット信号であることを特徴とする請求項1に記載の基地局。
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