JP2012199212A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】表示品位が高いプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】基板上に複数の略ストライプ状のアドレス電極、該アドレス電極を覆う背面板誘電体層ならびに該アドレス電極に略平行な主隔壁および該主隔壁と略直交する補助隔壁からなる格子状隔壁を有する背面板と、基板上に略ストライプ状のバス電極、該バス電極を覆う前面板誘電体層を少なくとも有する前面板とを貼り合わせてなるプラズマディスプレイパネルであって、少なくとも背面板主隔壁の最上部に全長にわたって設けられた接着層によって背面板と前面板が接着してなり、主隔壁長手方向の単位長さ当たりの主隔壁と前面板との接着面積が、主隔壁と補助隔壁が交差する隔壁交差部で最も大きいことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【選択図】図1
【解決手段】基板上に複数の略ストライプ状のアドレス電極、該アドレス電極を覆う背面板誘電体層ならびに該アドレス電極に略平行な主隔壁および該主隔壁と略直交する補助隔壁からなる格子状隔壁を有する背面板と、基板上に略ストライプ状のバス電極、該バス電極を覆う前面板誘電体層を少なくとも有する前面板とを貼り合わせてなるプラズマディスプレイパネルであって、少なくとも背面板主隔壁の最上部に全長にわたって設けられた接着層によって背面板と前面板が接着してなり、主隔壁長手方向の単位長さ当たりの主隔壁と前面板との接着面積が、主隔壁と補助隔壁が交差する隔壁交差部で最も大きいことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【選択図】図1
Description
本発明はプラズマディスプレイパネルに関する。
薄型・大型テレビに使用できるディスプレイとして、プラズマディスプレイが注目されている。図38は、プラズマディスプレイの1つの画素の構成の例を模式的に示した斜視図である。図38に示す例では、表示面となる前面板25側のガラス基板20上には、対をなす複数のサステイン電極21とスキャン電極22と(以下、サステイン電極とスキャン電極とを合わせてバス電極と呼ぶ)が、銀やクロム、アルミニウム、ニッケル等の材料で、表示領域の短辺の方向を縦方向、長辺の方向を横方向としたときに、横方向を長手方向とするストライプ状に形成されている。さらにサステイン電極21およびスキャン電極22を被覆してガラスを主成分とする誘電体層23が20〜50μmの厚みで形成され、誘電体層23を被覆して保護層24が形成されている。
一方、背面板32側のガラス基板26には、複数のアドレス電極27が、縦方向を長手方向とするストライプ状に形成され、アドレス電極27を被覆してガラスを主成分とする誘電体層28が形成されている。前記誘電体層28上に放電セルを仕切るために、縦方向を長手方向とする主隔壁29と、主隔壁29と略直交する補助隔壁30からなる格子状隔壁が形成され、隔壁と誘電体層28で形成された放電空間内に蛍光体層31が形成されてなる。フルカラー表示が可能なプラズマディスプレイにおいては、蛍光体層は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に発光するものにより構成される。前面板25側のサステイン電極21と背面板32側のアドレス電極27が互いに直交するように、前面板と背面板が封着され、それらの基板の間隙内にヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される希ガスが封入されプラズマディスプレイが形成される。スキャン電極22とアドレス電極27の交点を中心として画素セルが形成されるので、プラズマディスプレイは複数の画素セルを有し、画像の表示が可能になる。
プラズマディスプレイにおいて表示を行う際、選択された画素セルにおいて、発光していない状態からスキャン電極22とアドレス電極27との間に放電開始電圧以上の電圧を印加すると、電離によって陽イオンや電子が発生し、画素セルが容量性負荷であるために放電空間内を反対極性の電極へと向けて移動して保護層24の内壁に帯電し、内壁の電荷は保護層24の抵抗が高いために減衰せずに壁電荷として残留する。
次に、スキャン電極22とサステイン電極21の間に放電維持電圧を印加する。壁電荷のあるところでは、放電開始電圧より低い電圧でも放電することができる。放電により放電空間内のキセノンガスが励起され、147nmの紫外線が発生し、紫外線が蛍光体層31を形成する蛍光体を励起することにより、発光表示が可能になる。
一般に、プラズマディスプレイパネルは、前面板と背面板との間に隙間がある場合に、特に高地など気圧の低い場所で使用する際に、駆動時に前面板と背面板とが振動して、耳障りな振動音(ノイズ)が発生するという問題を有している。特に、プラズマディスプレイパネルの発光効率を向上させるために放電ガスの圧力を高くすると、前面板と背面板との間に隙間が生じやすく、駆動時の振動が発生しやすくなる。
駆動時の振動発生を抑制するためには、背面板の隔壁最上部に接着層を設け、前面板と背面板とを接着させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1にも示されるように前面板と背面板とを接着させるためには、隔壁最上部に接着層を設けた背面板と、前面板とが重ね合わされ、加熱される。加熱された際に接着層が溶融状態となり、この際、背面板と前面板とが押圧されることにより溶融状態にある接着層が前面板の最表面に位置する保護層に溶着されて、前面板と背面板とが接着される。
しかしながら、ストライプ状の主隔壁および主隔壁に略直交する補助隔壁からなる格子状の隔壁を有する背面板の場合、隔壁は主隔壁と補助隔壁が交差する隔壁交差部において最も強度が強く破壊しにくいが、隣接する隔壁交差部の間に存在する主隔壁直線部において強度が弱い。また、前面板は、バス電極部の誘電体と保護層が、保護層側に突出した凸形状になっているために、隔壁最上部に一様に接着層を設けた場合は、主隔壁直線部の、前面板バス電極と交差する部分で前面板の凸部により接着層が押し広げられて最も接着面積が大きくなり、強固に接着する。接着後の冷却工程や、接着後パネルが落下するなどしてパネルに大きな力がかかった場合に、主隔壁直線部の前面板バス電極と交差する部分で、接着が最も強固であるために応力が集中して、接着層および隔壁が破壊したり、欠けたりするという問題があり、接着層および隔壁が破壊された部分や欠けた部分において、パネル化した後に不灯などの表示不良が発生して問題となっていた。
上述のように主隔壁直線部における接着層および隔壁の破壊や欠けを抑制するためには、例えば、特許文献2に提案されているように隔壁の交差部のみに接着層を設けて、主隔壁直線部における接着層および隔壁の破壊や欠けを抑制する方法が考えられるが、特許文献2に提案されている方法では、接着する面積が限られるため、前面板と背面板との接着力が充分でなく、特に気圧の低い場所で使用する場合に、ノイズが発生する問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、隔壁の破壊や欠けが発生せず、不灯などの表示不良がなく表示品位の高いプラズマディスプレイを提供することにある。
本発明の課題は、基板上に複数の略ストライプ状のアドレス電極、該アドレス電極を覆う背面板誘電体層ならびに該アドレス電極に略平行な主隔壁および該主隔壁と略直交する補助隔壁からなる格子状隔壁を有する背面板と、基板上に、前記アドレス電極と略直交するように配置された略ストライプ状のバス電極、該バス電極を覆う前面板誘電体層および前記前面板誘電体層を覆う保護層を有する前面板とを貼り合わせてなるプラズマディスプレイパネルであって、前記主隔壁の最上部に前記主隔壁の全長にわたり設けられた接着層を介して前記主隔壁と前面板が接着してなり、前記主隔壁と前記補助隔壁が交差する隔壁交差部における前記主隔壁長手方向の単位長さ当たりの前記主隔壁と前記前面板との接着面積が、隣接する隔壁交差部間に存在する主隔壁直線部における前記主隔壁長手方向の単位長さ当たりの前記主隔壁と前記前面板との接着面積よりも大きいことを特徴とするプラズマディスプレイパネルによって解決することが出来る。
本発明により、隔壁の破壊や欠けが発生せず、不灯などの表示不良がなく表示品位の高いプラズマディスプレイを提供することが出来る。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明のプラズマディスプレイパネルの一態様を前面板側から観察した上面図である。また、図2に、図1に示すプラズマディスプレイパネルの図1のV−V面の断面を、図3には図1に示すプラズマディスプレイパネルの図1のH−H面での断面を示す。
図1は本発明のプラズマディスプレイパネルの一態様を前面板側から観察した上面図である。また、図2に、図1に示すプラズマディスプレイパネルの図1のV−V面の断面を、図3には図1に示すプラズマディスプレイパネルの図1のH−H面での断面を示す。
本発明のプラズマディスプレイパネルは、基板9上に複数の略ストライプ状のアドレス電極4、アドレス電極4を覆う背面板誘電体層10ならびにアドレス電極4に略平行な主隔壁1および主隔壁1と略直交する補助隔壁2からなる格子状隔壁を有する背面板15と、基板6上に、アドレス電極4と略直交するように配置された略ストライプ状のバス電極5、バス電極5を覆う前面板誘電体層7、および前面板誘電体層7を覆う保護層8を有する前面板14とを貼り合わせてなるプラズマディスプレイパネルであって、主隔壁1の最上部に主隔壁1の全長にわたり設けられた接着層3を介して主隔壁1と前面板14が接着してなり、主隔壁1と補助隔壁2が交差する隔壁交差部12(図4等に図示)における主隔壁長手方向の単位長さ当たりの主隔壁1と前面板14との接着面積が、隣接する隔壁交差部間に存在する主隔壁直線部13(図4等に図示)における主隔壁長手方向の単位長さ当たりの主隔壁1と前面板14との接着面積よりも大きいことを特徴とする。図2、図3に示すように、隔壁で区画された放電空間内(セル内)に蛍光体層11が付与されている。
また、図4には図1に示すプラズマディスプレイパネルの背面板15の隔壁と接着層3の形状を示す。図4に示すように、本発明では、隔壁1と補助隔壁2が交差する隔壁交差部12における主隔壁長手方向の単位長さ当たりの主隔壁1と前面板14との接着面積が、隣接する隔壁交差部12間に存在する主隔壁直線部13における主隔壁長手方向の単位長さ当たりの主隔壁1と前面板14との接着面積よりも大きいことを特徴とする。すなわち、図4に示すように、隔壁交差部12における接着面の平均幅が、主隔壁直線部13における接着面の平均幅より大きいことが必要である。このように隔壁交差部12での接着面積を大きくすることで、前面板14と背面板15との接着強度を隔壁交差部12の接着部分で最も強固にすることが出来る。前述のように隔壁交差部はそのほかの部分の隔壁と比較して隔壁の強度が高いために、接着後の冷却工程や、接着後にパネルが落下するなどして、パネルに大きな力が掛かっても、隔壁交差部における主隔壁の単位長さあたりの接着面積を大きくしておくことで隔壁の破壊や欠けなどが発生することを防ぐことができる。
本発明では、接着層3は主隔壁1の全長にわたり設けられている。接着層3を主隔壁1の全長にわたり設けることによって、接着層3と前面板14との接着面積を確保し、充分な接着強度を得ることができる。例えば、図37に示すように隔壁交差部12の主隔壁最上部のみに接着層3を形成した場合などは、接着層3と前面板との接着面積が充分広くないために、接着強度が充分でなく、高地など気圧の低い場所で使用する際に、駆動時に前面板と背面板とが振動してノイズが発生するという問題がある。
なお、本発明においては、主隔壁1の最上部に設けられた接着層3の全域で前面板14と接着している必要はなく、一部、前面板14と接着していない接着層3の部分があってもよい。
次に、隔壁交差部12における主隔壁1の単位長さあたりの接着面積を大きくするための方法について説明する。
図7は、一般的なプラズマディスプレイパネルの前面板の断面形状を示した模式図である。前面板の最表面に位置する保護層8の表面は平坦ではなく、バス電極5が存在する位置においては誘電体層7が凸状になり、保護層8の表面においても他の位置よりも高い、すなわち背面板側に段差Aだけ突出した形状となっている。
図5は、図7に示す一般的なプラズマディスプレイパネルの前面板と、主隔壁1の最上部に平坦な表面の接着層3を有する背面板とを配置した状態を示す模式図である。接着層3の表面が平坦な場合、加熱封着を行う際にバス電極5の上部で保護層8が突出した位置において接着層3が押し広げられることになり、封着前の接着層3の幅が一定である場合は、図34に示すように主隔壁直線部13における主隔壁長手方向の単位長さ当たりの主隔壁1と前面板との接着面積が、隔壁交差部12における主隔壁長手方向の単位長さ当たりの主隔壁1と前面板との接着面積よりも大きくなってしまい、背面板と前面板とを貼り合わせた後、前面板と背面板とが接着するまでの間、あるいは接着後の冷却工程や、接着後パネルが落下するなどして、パネルに大きな力がかかった場合に、隔壁強度の弱い主隔壁直線部13の前面板バス電極と交差する部分において応力が集中するために、接着層3および隔壁の破壊や欠けが発生しやすくなり、接着層3および隔壁が破壊された部分や欠けた部分において、パネル化した後に不灯などの表示不良が発生する。
このような問題を解決するためには、背面板の主隔壁1の最上部に設ける接着層3の表面形状を調整することが好ましい。図8は、封着前のプラズマディスプレイ用背面板の好ましい断面形状を示した模式図である。図8に示すように、隔壁交差部において、前面板の保護層の段差Aより大きい段差Bだけ突出した形状とすることが好ましい。図6は、図7に示す一般的なプラズマディスプレイパネルの前面板と、図8に示す好ましい形状のプラズマディスプレイパネルの背面板とを配置した状態を示す模式図である。図6に示すように、加熱封着を行う際に、接着層3は隔壁交差部において大きく押し広げられることになり、接着後の接着層3の形状は、図4に示すように隔壁交差部12における主隔壁長手方向の単位長さ当たりの主隔壁1と前面板との接着面積が、主隔壁直線部13における主隔壁長手方向の単位長さ当たりの主隔壁1と前面板との接着面積よりも大きくなり、前面板と背面板とが接着するまでの間や、接着後の冷却工程や、接着後パネルが落下するなどして、パネルに大きな力がかかった場合であっても、接着層3および隔壁の破壊や欠けが発生しにくくなり、パネル化した後の不灯などの表示不良が発生しにくくなる。また、前面板と背面板が強固に接着することになるため、気圧の低い場所で使用する際にもノイズが発生しにくいという効果も得ることができる。また、もし仮に隔壁交差部12付近で小規模な破壊や欠けが隔壁交差部で発生したとしても、発光部分から遠く離れているために、不灯などの表示不良を引き起こすことはない。
前面板と背面板とを貼り合わせる際に、前面板のバス電極5の直下に位置する接着層3の高さと、隔壁交差部12の隔壁高さとの差は、1〜30μmであることが好ましい。1μmよりも小さいと、バス電極5の上部の保護層8の凸形状部により接着層3が押し広げられてしまうため、主隔壁直線部12における接着層3および隔壁の破壊や欠けの発生を完全には無くすことが出来ないため、効果が不十分である。30μmよりも大きいと、主隔壁1の全長にわたり接着することができなくなり、気圧の低い場所で使用した場合にノイズが発生したり、主隔壁直線部13において主隔壁1と前面板の間に隙間ができてしまい、補助隔壁方向に隣り合うセル同士で誤放電が発生したりする問題を発生するおそれがある。
本発明における背面板の隔壁交差部12は、隔壁交差部12を中心とする円、楕円、菱形、正方形、長方形、多角形、およびこれらを組み合わせた形状の柱状構造のうち、少なくとも1つを有していてもよく、隔壁交差部12がこのような形状を有することで、隔壁交差部12の強度をより強固にすることができ、隔壁の破壊や欠けによる不灯などの表示不良の発生を無くすことが出来る。また、背面板の製造工程で隔壁が断線する断線不良も減らすこともできる。
本発明における背面板では、補助隔壁2上にも接着層を形成してもよく、補助隔壁2上に接着層3を形成することで、補助隔壁2と前面板との隙間を小さくすることが出来るので、主隔壁1方向に隣り合うセル同士の誤放電などを防止することが出来る。また更に、本発明では、補助隔壁2上に形成された接着層3と、前面板とが接着してもよい。補助隔壁2上に形成された接着層3と、前面板とが接着すれば、主隔壁1方向に隣り合うセル同士の誤放電などを防止することができるし、接着面積が増加するので、更に強固な接着強度を得ることができる。
以下、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法について説明する。
本発明においてプラズマディスプレイパネル用背面板に用いる基板としては、ソーダガラスなどを用いることができ、具体的にはプラズマディスプレイパネル用の耐熱ガラスである旭硝子(株)製のPD200や日本電気硝子(株)製のPP8などが挙げられる。
本発明においてプラズマディスプレイパネル用背面板に用いる基板としては、ソーダガラスなどを用いることができ、具体的にはプラズマディスプレイパネル用の耐熱ガラスである旭硝子(株)製のPD200や日本電気硝子(株)製のPP8などが挙げられる。
基板上には、銀やアルミニウム、クロム、ニッケルなどの金属によりストライプ状のアドレス電極が形成される。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷でパターン印刷し、400〜600℃に加熱・焼成して金属パターンを形成する方法や、金属粉末と感光性有機成分を含む感光性金属ペーストを塗布した後に、フォトマスクを用いてパターン露光後、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに400〜600℃に加熱、焼成して金属パターンを形成する感光性ペースト法を用いることができる。また、ガラス基板上にクロムやアルミニウム等の金属をスパッタリングした後にレジストを塗布し、レジストをパターン露光、現像した後にエッチングにより不要な部分の金属を取り除くエッチング法を用いることもできる。電極厚みは1.0〜10μmが好ましく、1.5〜5μmがより好ましい。アドレス電極の幅は好ましくは30〜240μm、より好ましくは35〜150μmである。さらに、アドレス電極は表示セル(画素の各RGBを形成する領域)に応じたピッチで形成される。通常のプラズマディスプレイでは100〜500μm、高精細プラズマディスプレイにおいては100〜400μmのピッチで形成するのが好ましい。
前記アドレス電極を被覆して、背面板誘電体層が形成される。背面板誘電体層はガラス粉末と有機バインダーを主成分とするガラスペーストを、アドレス電極を覆う形で塗布した後に、400〜600℃で焼成することにより形成することができる。背面板誘電体層に用いるガラスペーストには、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも1種類以上を含有し、これらを合計で10〜80質量%含有する低融点ガラス粉末を好ましく用いることができる。該配合物を10質量%以上とすることで、600℃以下での焼成が容易になり、80質量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過率の低下を防止する。
次に、本発明における接着層、主隔壁および補助隔壁の形成方法について説明する。接着層、主隔壁および補助隔壁は、感光性ペースト法(フォトリソグラフィー法)により形成する方法が好ましく用いられる。すなわち、背面板誘電体層上に第一の感光性ガラスペーストを塗布し、乾燥し、第一の露光動作を実施し、さらに第二の感光性ガラスペーストを塗布し、乾燥し、第二の露光動作を実施し、現像することで所望のパターンが形成されるが、第二の感光性ガラスペーストに接着層用の低融点ガラスを用いることで、接着層を含む主隔壁と補助隔壁パターンを形成することができる。
以下、感光性ペースト法について詳述する。
感光性ペースト法で用いる隔壁および接着層形成用感光性ペーストは、無機微粒子と感光性有機成分を主成分とし、必要に応じて光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤を含有する。
感光性ペースト法で用いる隔壁および接着層形成用感光性ペーストは、無機微粒子と感光性有機成分を主成分とし、必要に応じて光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤を含有する。
隔壁および接着層形成用感光性ペーストの無機微粒子としては、ガラス、セラミック(アルミナ、コーディライトなど)などを用いることができる。特に、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、または、アルミニウム酸化物を必須成分とするガラスやセラミックスが好ましい。
無機微粒子の粒子径は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれるが、体積分布曲線における50%粒子径が、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは、1〜5μmである。体積分布曲線における50%粒子径を10μm以下とすることで、表面凸凹が生じるのを防ぐことができる。また、1μm以上とすることで、ペーストの粘度調整を容易にすることができる。さらに、比表面積0.2〜3m2/gのガラス微粒子を用いることが、パターン形成において特に好ましい。
隔壁および接着層は、好ましくは熱軟化点の低いガラス基板上にパターン形成されるため、無機微粒子として、熱軟化温度が350〜600℃の低融点ガラス微粒子を60質量%以上含む無機微粒子を用いることが好ましい。接着層に使用する場合は特に、熱軟化温度が350〜500℃の低融点ガラス微粒子を60質量%以上含む無機微粒子を用いることが好ましい。
また、熱軟化温度が600℃より高い高融点ガラス微粒子やセラミック微粒子からなるフィラー成分を添加することによって、焼成時の収縮率を抑制することができるが、その量は、無機微粒子の合計量に対して40質量%以下が好ましい。隔壁に用いる低融点ガラス微粒子としては、焼成時にガラス基板にそりを生じさせないためには線膨脹係数が50×10−7〜90×10−7K−1、さらには、60×10−7〜90×10−7K−1の低融点ガラス微粒子を用いることが好ましい。一方、接着層は隔壁の上層部に設けられるため、線熱膨張係数の許容範囲が隔壁よりも広い。具体的には接着層に用いる低融点ガラス微粒子としては、線膨張係数が50×10−7〜150×10−7K−1の低融点ガラス微粒子を用いることが好ましい。
低融点ガラス微粒子としては、ケイ素および/またはホウ素の酸化物を含有したガラスが好ましく用いられる。
酸化ケイ素は、3〜60質量%の範囲で配合されていることが好ましい。3質量%以上とすることで、ガラス層の緻密性、強度や安定性が向上し、また、熱膨脹係数を所望の範囲内とし、ガラス基板との熱膨張係数の差によるそり発生の問題を防ぐことができる。また、60質量%以下にすることによって、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き付けが可能になるなどの利点がある。
酸化ホウ素は、5〜50質量%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨脹係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上することができる。50質量%以下とすることでガラスの安定性を保つことができる。
さらに、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうちの少なくとも1種類を合計で2〜50質量%含有させることによって、ガラス基板上にパターン加工するのに適した温度特性を有するガラスペーストを得ることができる。特に、酸化ビスマスを5〜50質量%含有するガラス微粒子を用いると、ペーストのポットライフが長いなどの利点が得られる。ビスマス系ガラス微粒子としては、次の組成をからなるガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化ビスマス:10〜40質量%
酸化ケイ素:3〜50質量%
酸化ホウ素:10〜40質量%
酸化バリウム:8〜20質量%
酸化アルミニウム:10〜30質量%
酸化ビスマス:10〜40質量%
酸化ケイ素:3〜50質量%
酸化ホウ素:10〜40質量%
酸化バリウム:8〜20質量%
酸化アルミニウム:10〜30質量%
また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち、少なくとも1種類を3〜20質量%含むガラス微粒子を用いてもよい。アルカリ金属酸化物の添加量は、20質量%以下、好ましくは、15質量%以下にすることによって、ペーストの安定性を向上することができる。上記3種のアルカリ金属酸化物の内、酸化リチウムがペーストの安定性の点で、特に好ましい。リチウム系ガラス微粒子としては、例えば次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化リチウム:2〜15質量%
酸化ケイ素:15〜50質量%
酸化ホウ素:15〜40質量%
酸化バリウム:0.5〜15質量%
酸化アルミニウム:6〜25質量%
酸化リチウム:2〜15質量%
酸化ケイ素:15〜50質量%
酸化ホウ素:15〜40質量%
酸化バリウム:0.5〜15質量%
酸化アルミニウム:6〜25質量%
また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛のような金属酸化物と酸化リチウム,酸化ナトリウム、酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の両方を含有するガラス微粒子を用いれば、より低いアルカリ金属含有量で、熱軟化温度や線膨脹係数を容易にコントロールすることができる。
また、ガラス微粒子中に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど、特に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化亜鉛を添加することにより、加工性を改良することができるが、熱軟化点、熱膨脹係数の点からは、その含有量は、40質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
感光性有機成分としては、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少なくとも1種類を含有することが好ましい。
感光性モノマーは、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、単官能および多官能性の(メタ)アクリレート類、ビニル系化合物類、アリル系化合物類などのアクリル系モノマーを用いることが好ましい。これらは1種または2種以上使用することができる。
感光性オリゴマー、感光性ポリマーとしては、炭素−炭素2重結合を有するモノマーのうちの少なくとも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリマーを用いることができる。好ましくは上記アクリル系モノマーのうち少なくとも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリマーであって、前記モノマーの含有率が、10質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上になるように、他の感光性のモノマーと共重合することができる。ポリマーやオリゴマーに不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、または、これらの酸無水物などが挙げられる。こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマー、もしくは、オリゴマーの酸価(AV)は、50〜180の範囲が好ましく、70〜140の範囲がより好ましい。以上に示したポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性をもつ感光性ポリマーや感光性オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
光重合開始剤の具体的な例として、ベンゾフェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性成分に対し、好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜5質量%の範囲で添加される。重合開始剤の量が少な過ぎると、光感度が低下する傾向にあり、光重合開始剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さくなり過ぎる傾向にある。
光吸収剤を添加することも有効である。紫外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添加することによって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。光吸収剤としては、有機系染料からなるものが好ましく用いられる、具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は、焼成後の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でも、アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は、0.05〜5質量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜1質量%である。
増感剤は、感度を向上させるために好ましく添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添加する場合、その添加量は、感光性成分に対して通常0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。
有機溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
隔壁形成用感光性ペーストおよび接着層形成用感光性ペーストは、通常、上記の無機微粒子や有機成分を所定の組成になるように調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散し作製する。次いで感光性ペーストの塗布、乾燥、露光、現像等を行う。
隔壁形成用感光性ペーストおよび接着層形成用感光性ペーストを塗布する方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどを用いることができる。
また、塗布後の乾燥は、通風オーブン、ホットプレート、IR(赤外線)炉などを用いることができる。
露光で使用される活性光源は、例えば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられる。これらの中で紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。露光条件は、塗布厚みによって異なるが、1〜100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.1〜10分間露光を行う。
ここで、フォトマスクと感光性ペーストの塗布膜表面との距離(以下ギャップ量という)は50〜500μm、さらには70〜400μmに調整することが好ましい。ギャップ量を50μm以上、さらに好ましくは70μm以上とすることにより、感光性ペースト塗布膜とフォトマスクの接触を防ぎ、双方の破壊や汚染を防ぐことができる。また500μm以下、さらに好ましくは400μm以下とすることにより、シャープなパターニングが可能となる。
第一の露光動作で使用されるフォトマスクのパターンは特に限定されるものではないが、隔壁交差部に対応する部分に、隔壁交差部を中心とする円、楕円、菱形、正方形、長方形、多角形、およびこれらを組み合わせた形状の透光パターンを有していてもよい。隔壁交差部のマスクパターンにこのような形状の透光部を設けることで、隔壁交差部に、隔壁交差部を中心とする円、楕円、菱形、正方形、長方形、多角形、およびこれらを組み合わせた形状の柱状構造を形成することができ、隔壁の強度を向上させることができる。また、隔壁交差部を中心とする円、楕円、菱形、正方形、長方形、多角形、およびこれらを組み合わせた形状の透光パターンを介して露光を行うと、感光性ペーストの硬化収縮により、露光された部分が隔壁交差部を最低部とする椀状の窪み形状になる。その後、接着層となる第二の感光性ペーストを塗布し、乾燥し、露光し、現像し、焼成すると、隔壁上に形成された接着層は、隔壁よりも低い融点を有するガラスを含むために、隔壁よりも早く軟化し、椀状になった隔壁交差部に集まってくる。このため、隔壁交差部には多くの接着層が集まるため、その他の部分よりも接着層を含む隔壁高さを高くすることができる。
また、補助隔壁上に接着層を形成する場合は、主隔壁上の接着層に加えて、補助隔壁上の接着層も焼成の際、隔壁交差部に集まってくるので、上記のように隔壁交差部に円、楕円、菱形、正方形、長方形、多角形、およびこれらを組み合わせた形状の透光パターンを持つフォトマスクを介して露光をしなくても、隔壁交差部の接着層を含む隔壁の高さをその他の部分よりも高くすることができる。
第一の露光に用いるフォトマスクは、隔壁交差部以外に、主隔壁および補助隔壁に対応する任意の位置に円、楕円、菱形、正方形、長方形、多角形、およびこれらを組み合わせた形状の透光パターンを有していてもよい。隔壁交差部に透光パターンを設けた場合と同じ理由で、これらの任意に設けたパターン部の隔壁高さを高くすることができる。
現像は、露光部と非露光部の現像液に対する溶解度差を利用して行う。現像は、浸漬法やスプレー法、ブラシ法等で行うことができる。
現像液は、感光性ペースト中の溶解させたい有機成分、すなわち、ネガ型感光性ペーストの場合は露光前の感光性有機成分が、ポジ型感光性ペーストの場合は露光後の有機成分が溶解可能である溶液を用いる。溶解させたい有機成分にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像することができる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液などの無機アルカリ水溶液を使用することが好ましいが、有機アルカリ水溶液を用いることもできる。有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は、通常、0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
次に、現像により得られた主隔壁及び補助隔壁のパターンは焼成炉にて焼成される。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やローラーハース式の連続型焼成炉を用いることができる。焼成温度は、400〜800℃で行うと良い。ガラス基板上に直接隔壁を形成する場合は、450〜620℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行うと良い。
次いで所定のアドレス電極と平行方向に形成された主隔壁間に、赤(R)、緑(G)、青(B)各色に発光する蛍光体層を形成する。蛍光体層は、蛍光体粉末、有機バインダーおよび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の主隔壁間に塗着させ、乾燥し、必要に応じて焼成することにより形成することができる。
蛍光体ペーストを所定の主隔壁間に塗着させる方法としては、スクリーン印刷版を用いてパターン印刷するスクリーン印刷法、吐出ノズルの先端から蛍光体ペーストをパターン吐出するディスペンサー法、また、蛍光体ペーストに前述の感光性有機成分を用いた感光性ペースト法により各色の蛍光体ペーストを所定の場所に塗着させることができるが、コストの理由からスクリーン印刷法、ディスペンサー法が本発明では好ましく適用される。
この背面板と前面板とを位置合わせして重ね合わせ、加熱して、押圧し、背面板と前面板との接着と、封着が行われる。前背面の基板間隔に形成された空間に、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される放電ガスを封入後、駆動回路を装着してプラズマディスプレイを作製できる。前面板は、基板上に所定のパターンで透明電極、バス電極、誘電体、保護層を形成した部材である。背面板上に形成されたRGB各色蛍光体層に一致する部分にカラーフィルター層を形成しても良い。また、コントラストを向上するために、ブラックストライプを形成してもよい。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。まず、評価方法について説明する。
<接着面積最大位置>
接着後のパネルを前面板側からマイクロスコープ(キーエンス社製VH−5500)で観察し、接着層と前面板との接着面積が主隔壁のどの位置で最大になっているかを判定した。
接着後のパネルを前面板側からマイクロスコープ(キーエンス社製VH−5500)で観察し、接着層と前面板との接着面積が主隔壁のどの位置で最大になっているかを判定した。
<不灯>
作製したプラズマディスプレイパネル(PDP)のスキャン電極に140V、サステイン電極に200V、アドレス電極に70Vの電圧を印加してR、G、Bを単色で順に点灯させ、点灯しなかったセルの個数を数え、以下基準で判定した。
○:不灯セル数が1パネルあたり5個以下(良品レベル)
△:不灯セル数が1パネルあたり6〜10個(やや劣るが良品レベル)
×:不灯セル数が1パネルあたり11個以上(不良品レベル)
作製したプラズマディスプレイパネル(PDP)のスキャン電極に140V、サステイン電極に200V、アドレス電極に70Vの電圧を印加してR、G、Bを単色で順に点灯させ、点灯しなかったセルの個数を数え、以下基準で判定した。
○:不灯セル数が1パネルあたり5個以下(良品レベル)
△:不灯セル数が1パネルあたり6〜10個(やや劣るが良品レベル)
×:不灯セル数が1パネルあたり11個以上(不良品レベル)
<ノイズ>
作製したPDPのスキャン電極に140V、サステイン電極に200V、アドレス電極に70Vの電圧を印加して白色を点灯させた。次にPDPの設置された環境の外気圧を下げて、ノイズが発生した外気圧を測定し、以下基準で判定した。
◎:ノイズ発生外気圧からPDP内ガス圧を引いた値が−33000Pa以下
○:ノイズ発生外気圧からPDP内ガス圧を引いた値が−33000Paより大きく、−20000Pa以下
△:ノイズ発生外気圧からPDP内ガス圧を引いた値が−20000Paより大きく、−7000Pa以下
×:ノイズ発生外気圧からPDP内ガス圧を引いた値が−7000Paより大きい
作製したPDPのスキャン電極に140V、サステイン電極に200V、アドレス電極に70Vの電圧を印加して白色を点灯させた。次にPDPの設置された環境の外気圧を下げて、ノイズが発生した外気圧を測定し、以下基準で判定した。
◎:ノイズ発生外気圧からPDP内ガス圧を引いた値が−33000Pa以下
○:ノイズ発生外気圧からPDP内ガス圧を引いた値が−33000Paより大きく、−20000Pa以下
△:ノイズ発生外気圧からPDP内ガス圧を引いた値が−20000Paより大きく、−7000Pa以下
×:ノイズ発生外気圧からPDP内ガス圧を引いた値が−7000Paより大きい
<隔壁強度>
作製したPDPを30cmの高さから落下させた後、隔壁が破壊された箇所を調べ、以下基準で判定した。
◎:隔壁破壊箇所が1パネルあたり5個以下
○:隔壁破壊箇所が1パネルあたり6〜10個
△:隔壁破壊箇所が1パネルあたり11〜15個
×:隔壁破壊箇所が1パネルあたり16個以上
作製したPDPを30cmの高さから落下させた後、隔壁が破壊された箇所を調べ、以下基準で判定した。
◎:隔壁破壊箇所が1パネルあたり5個以下
○:隔壁破壊箇所が1パネルあたり6〜10個
△:隔壁破壊箇所が1パネルあたり11〜15個
×:隔壁破壊箇所が1パネルあたり16個以上
(実施例1〜8、比較例1、2)
ガラス基板として、590×964×1.8mmの42インチサイズのPD−200(旭硝子(株)製)を使用した。この基板上に、書き込み電極として、平均粒径2.0μmの銀粉末を70重量部、Bi2O3/SiO2/Al2O3/B2O3=69/24/4/3(質量%)からなる平均粒径2.2μmのガラス粉末2重量部、アクリル酸、メチルメタクリレート、スチレンの共重合ポリマー8重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート7重量部、ベンゾフェノン3重量部、ブチルカルビトールアクリレート7重量部、ベンジルアルコール3重量部からなる感光性銀ペーストを用いて、フォトリソグラフィー法により、ピッチ240μm、線幅100μm、焼成後厚み3μmのストライプ状電極を形成した。
ガラス基板として、590×964×1.8mmの42インチサイズのPD−200(旭硝子(株)製)を使用した。この基板上に、書き込み電極として、平均粒径2.0μmの銀粉末を70重量部、Bi2O3/SiO2/Al2O3/B2O3=69/24/4/3(質量%)からなる平均粒径2.2μmのガラス粉末2重量部、アクリル酸、メチルメタクリレート、スチレンの共重合ポリマー8重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート7重量部、ベンゾフェノン3重量部、ブチルカルビトールアクリレート7重量部、ベンジルアルコール3重量部からなる感光性銀ペーストを用いて、フォトリソグラフィー法により、ピッチ240μm、線幅100μm、焼成後厚み3μmのストライプ状電極を形成した。
この基板に、Bi2O3/SiO2/Al2O3/ZnO/B2O3=78/14/3/3/2(質量%)からなる体積平均粒子径2μmの低融点ガラス微粒子を60重量部、平均粒子径0.3μmの酸化チタン粉末を10重量部、エチルセルロース15重量部、テルピネオール15重量部からなる誘電体ペーストを塗布した後、580℃で焼成して、厚み10μmの誘電体層を形成した。
隔壁形成用の感光性ペーストは以下の成分を配合、分散して用いた。
ガラス粉末:Bi2O3/SiO2/Al2O3/ZnO/B2O3=82/6/3/6/3(質量%)からなる平均粒径2μmのガラス粉末 67重量部
フィラー:平均粒径0.2μmの酸化チタン 3重量部
ポリマー:”サイクロマー”P(ACA250、ダイセル化学工業社製) 10重量部
有機溶剤(1):ベンジルアルコール 4重量部
有機溶剤(2):ブチルカルビトールアセテート 3重量部
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8重量部
光重合開始剤:ベンゾフェノン 3重量部
酸化防止剤:1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 1重量部
有機染料:ベージックブルー26 0.01重量部
チキソトロピー付与剤:N,N’−12−ヒドロキシステアリン酸ブチレンジアミン:0.5重量部
界面活性剤:ポリオキシエチレンセチルエーテル:0.49重量部。
ガラス粉末:Bi2O3/SiO2/Al2O3/ZnO/B2O3=82/6/3/6/3(質量%)からなる平均粒径2μmのガラス粉末 67重量部
フィラー:平均粒径0.2μmの酸化チタン 3重量部
ポリマー:”サイクロマー”P(ACA250、ダイセル化学工業社製) 10重量部
有機溶剤(1):ベンジルアルコール 4重量部
有機溶剤(2):ブチルカルビトールアセテート 3重量部
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8重量部
光重合開始剤:ベンゾフェノン 3重量部
酸化防止剤:1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 1重量部
有機染料:ベージックブルー26 0.01重量部
チキソトロピー付与剤:N,N’−12−ヒドロキシステアリン酸ブチレンジアミン:0.5重量部
界面活性剤:ポリオキシエチレンセチルエーテル:0.49重量部。
接着層形成用の感光性ペーストは以下の成分を配合、分散して用いた。
ガラス粉末:軟化点480℃、平均粒径2μmのガラス粉末 67重量部
ポリマー:”サイクロマー”P(ACA250、ダイセル化学工業社製) 10重量部
有機溶剤(1):ベンジルアルコール 4重量部
有機溶剤(2):ブチルカルビトールアセテート 3重量部
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8重量部
光重合開始剤:ベンゾフェノン 3重量部
酸化防止剤:1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 1重量部
有機染料:ベージックブルー26 0.01重量部
チキソトロピー付与剤:N,N’−12−ヒドロキシステアリン酸ブチレンジアミン:0.5重量部
界面活性剤:ポリオキシエチレンセチルエーテル:0.49重量部。
ガラス粉末:軟化点480℃、平均粒径2μmのガラス粉末 67重量部
ポリマー:”サイクロマー”P(ACA250、ダイセル化学工業社製) 10重量部
有機溶剤(1):ベンジルアルコール 4重量部
有機溶剤(2):ブチルカルビトールアセテート 3重量部
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8重量部
光重合開始剤:ベンゾフェノン 3重量部
酸化防止剤:1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 1重量部
有機染料:ベージックブルー26 0.01重量部
チキソトロピー付与剤:N,N’−12−ヒドロキシステアリン酸ブチレンジアミン:0.5重量部
界面活性剤:ポリオキシエチレンセチルエーテル:0.49重量部。
隔壁形成用感光性ペーストをダイコーターにより250μmの厚みに塗布した後、クリーンオーブンにて100℃、40分の乾燥を行い、塗布膜を形成し、塗布膜を形成した。形成塗布膜に対し、第一のフォトマスクを用いて第一の露光動作を実施した。その上に、接着層形成用感光性ペーストをダイコーターにより80μmの厚みに塗布した後、クリーンオーブンにて100℃、40分の乾燥を行い、塗布膜を形成した。形成塗布膜に対し、第二のフォトマスクを用いて第二の露光動作を実施した。
また、第一のフォトマスクを用いた第一の露光動作、第二のフォトマスクを用いた第二の露光動作ともに塗布膜面とフォトマスクとのギャップを150μmとし、積算露光量が400mJ/cm2となるように露光を実施した。
上記のようにして形成した露光済み基板を0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、隔壁パターンを形成した。パターン形成終了済み基板を560℃で15分間焼成を行った。
形成された隔壁間に各色蛍光体ペーストをディスペンサー塗布法により塗布、乾燥、焼成(500℃、30分)して隔壁の側面および底部に蛍光体層を形成した。
次に、前面板を以下の工程によって作製した。まず、ガラス基板として590×964×2.8mmの42インチサイズのPD−200(旭硝子(株)製)を用い、このガラス基板上にITOをスパッタ法で形成後、レジスト塗布し、露光、現像処理、エッチング処理によって厚み0.1μm、線幅200μmの透明電極を形成した。また、黒色銀粉末からなる感光性銀ペーストを用いてフォトリソグラフィー法により、焼成後厚み5μmのスキャン電極とサステイン電極を形成した。電極はそれぞれピッチ500μm、線幅80μmのものを作製した。
次に、酸化鉛を75質量%含有する低融点ガラスの粉末を70重量部、エチルセルロース20重量部、テルピネオール10重量部を混練して得られたガラスペーストをスクリーン印刷により、表示部分のバス電極が覆われるように50μmの厚みで塗布した後に、570℃、15分間の焼成を行って前面誘電体を形成した。
誘電体を形成した基板上に、保護膜として、電子ビーム蒸着により厚み0.5μmの酸化マグネシウム層を形成して前面板を作製した。
作製した前面板と背面板とを封着ガラスを用いて封着して、Xe15%含有のNeガスを内部ガス圧85000Paになるように封入し、駆動回路を実装することによりプラズマディスプレイパネルを作製した。
それぞれの実施例、比較例で使用した第一、第二のフォトマスクおよび、完成したパネルの評価結果を表1に示す。また、各実施例、比較例における、第一の露光で使用したフォトマスクの透光パターン、第二の露光で使用したフォトマスクの透光パターン、接着後の接着層の上面からの観察結果を、図9〜図37にそれぞれ示す。
表1に示すように、本発明によれば、不灯、ノイズ、隔壁強度の各評価項目において、良好なレベルの製品を得ることができる。
1:主隔壁
2:補助隔壁
3:接着層
4:アドレス電極
5:バス電極
6:基板
7:前面板誘電体層
8:保護層
9:基板
10:背面板誘電体
11:蛍光体層
12:隔壁交差部
13:主隔壁直線部
14:前面板
15:背面版
20:ガラス基板
21:サステイン電極
22:スキャン電極
23:誘電体層
24:保護層
25:前面板
26:ガラス基板
27:アドレス電極
28:誘電体層
29:主隔壁
30:補助隔壁
31:蛍光体層
32:背面板
A:前面板の保護層の段差
B:背面板の接着層の段差
2:補助隔壁
3:接着層
4:アドレス電極
5:バス電極
6:基板
7:前面板誘電体層
8:保護層
9:基板
10:背面板誘電体
11:蛍光体層
12:隔壁交差部
13:主隔壁直線部
14:前面板
15:背面版
20:ガラス基板
21:サステイン電極
22:スキャン電極
23:誘電体層
24:保護層
25:前面板
26:ガラス基板
27:アドレス電極
28:誘電体層
29:主隔壁
30:補助隔壁
31:蛍光体層
32:背面板
A:前面板の保護層の段差
B:背面板の接着層の段差
Claims (3)
- 基板上に複数の略ストライプ状のアドレス電極、該アドレス電極を覆う背面板誘電体層ならびに該アドレス電極に略平行な主隔壁および該主隔壁と略直交する補助隔壁からなる格子状隔壁を有する背面板と、基板上に、前記アドレス電極と略直交するように配置された略ストライプ状のバス電極、該バス電極を覆う前面板誘電体層および前記前面板誘電体層を覆う保護層を有する前面板とを貼り合わせてなるプラズマディスプレイパネルであって、前記主隔壁の最上部に前記主隔壁の全長にわたり設けられた接着層を介して前記主隔壁と前記前面板が接着してなり、前記主隔壁と前記補助隔壁が交差する隔壁交差部における前記主隔壁長手方向の単位長さ当たりの前記主隔壁と前記前面板との接着面積が、隣接する隔壁交差部間に存在する主隔壁直線部における前記主隔壁長手方向の単位長さ当たりの前記主隔壁と前記前面板との接着面積よりも大きいことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
- 前記補助隔壁上にも接着層が設けられ、前記主隔壁と前記補助隔壁が交差する隔壁交差部における前記補助隔壁長手方向の単位長さ当たりの前記補助隔壁と前記前面板との接着面積が、隣接する隔壁交差部間に存在する補助隔壁直線部における前記補助隔壁長手方向の単位長さ当たりの前記補助隔壁と前記前面板との接着面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 背面板の隔壁交差部が、隔壁交差部を中心とする円、楕円、菱形、正方形、長方形、多角形、およびこれらを組み合わせた形状の柱状構造のうち、少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014102143A (ja) * | 2012-11-20 | 2014-06-05 | Nipro Corp | ヘモグロビン測定装置およびヘモグロビン測定方法 |
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2011
- 2011-03-23 JP JP2011064234A patent/JP2012199212A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014102143A (ja) * | 2012-11-20 | 2014-06-05 | Nipro Corp | ヘモグロビン測定装置およびヘモグロビン測定方法 |
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