JP2012199185A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】極柱の強度よりもブッシングの強度を大きくしても、車載走行時において高い耐振動性を示す鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】セパレータを介して正極と負極とを対峙させた極板群を電槽のセル室に収納して直列に接続し、一端の極板群の正極を一方の極柱と接続して正極性とし、他端の極板群の負極をもう一方の極柱と接続して負極性とし、蓋の上面から突出させた2つのブッシングに各々の極柱を挿入することで正極端子と負極端子とを構成する鉛蓄電池であって、Sn含有量が1.0〜5.0質量%、As含有量が0.095質量%以下であり、B含有量が0.001〜0.5質量%である鉛合金で極柱のうち少なくとも正極性の方を構成しかつその上面に窪みを設け、窪みを設けた極柱の強度よりもブッシングの強度を大きくし、窪みにブッシングの上面内側から垂下した突起を嵌合する。
【選択図】図3

Description

本発明は鉛蓄電池に関するものである。
自動車のセルスタータなどに広く用いられている鉛蓄電池は、電槽を覆う蓋の上面の両端から、それぞれ正極端子と負極端子とが取り出されている。これらの端子は、電槽の内部で直列に接続された極板群の一端の正極(あるいは負極)の集電部と接続された極柱を、蓋の上面から突出したブッシングに挿入し、ガスバーナーなどを用いて溶接することで形成される。
極柱とブッシングとを一体化して端子を製造する好適な方法として、特許文献1には、ブッシングに挿入する極柱の先端を砲弾状とすることで極柱の破損を防ぎつつ、ブッシングと極柱との溶接域の断面が略W字になるように弱火で溶接することで鉛の溶湯の飛散による溶接条件のバラツキを低減することが提案されている。
特開平09−045309号公報
セルスタータに用いられている鉛蓄電池は、自動車が悪路を走行する際などに強い振動に晒される。近年、鉛蓄電池の体積効率(一定体積下における電池容量)の向上や長寿命化などを目的として、極板の枚数やペーストの充填量を増加させた鉛蓄電池が汎用化しつつある。鉛蓄電池の極板群は極柱や接続体などの鉛部品によって電槽や蓋に固定されるので、極板群の重量増加に伴って、振動が加わった場合に鉛部品に掛かる負荷は大きくなる。
一方で近年、鉛蓄電池の耐食性を向上することを目的として、電解液が触れないブッシングには耐食性は低いが強度の大きいアンチモン−鉛合金(例えばPb−Sb)を用いつつ、電解液が触れる極柱には強度は小さいが耐食性が高い非アンチモン系鉛合金(例えばPb−Sn)を用いて端子を構成する仕様が汎用化しつつある。このような構成の場合、ブッシングと極柱の溶接箇所に一定以上の負荷が掛かると亀裂が生じ、極柱が破断したり亀裂から外部に電解液が漏出したりすることがわかった。またこの現象は、特許文献1の技術を用いても解決できないことがわかった。
本発明はこれらの課題を解決するものであって、極柱の強度よりもブッシングの強度を大きくしても、車載走行時において高い耐振動性を示す鉛蓄電池を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、隔壁によって複数のセル室に区切られた電槽の各々のセル室に、セパレータを介して正極と負極とを対峙させた極板群を収納し、これらの極板群を直列に接続し、一端の極板群の正極を一方の極柱と接続して正極性とし、他端の極板群の負極をもう一方の極柱と接続して負極性とし、蓋の上面から突出させた2つのブッシングにそれぞれの極柱を挿入することで正極端子と負極端子とを構成する鉛蓄電池であって、Sn含有量が1.0質量%〜5.0質量%、As含有量が0.095質量%以下であり、B含有量が0.001質量%〜0.5質量%である鉛合金で極柱のうち少なくとも正極性の方を構成しかつその上面に窪みを設け、窪みを設けた極柱の強度よりもブッシングの強度を大きくし、窪みにブッシングの上面内側から垂下した突起を嵌合したことを特徴とする。
また請求項2に係る発明は、請求項1において、極柱を構成する鉛合金にさらに0.001質量%〜0.02質量%のAgを含有させたことを特徴とする。
また請求項3に係る発明は、請求項1において、極柱を構成する鉛合金にさらに0.001質量%〜0.02質量%のBiを含有させたことを特徴とする。
また請求項4に係る発明は、請求項1において、Sbを含む鉛合金で前記ブッシングを構成したことを特徴とする。
また請求項5に係る発明は、請求項1において、ブッシングと極柱との溶融物で突起を構成したことを特徴とする。
延性材料である鉛合金は、引張試験等を行ってもかなりの塑性変形(伸び)を伴って破断に至るため、特許文献1の技術を用いれば実質的に鉛部品を起点とした破損は生じないと考えられていた。しかし発明者らは、ブッシングよりも極柱の材料強度(ヤング率、疲労強度)が低い鉛蓄電池を車載した際の故障モードは、鉛部品に小さい負荷が繰り返し掛かることで、さほど大きな塑性変形を伴わずに鉛部品(特に極柱)が破損する、いわゆる疲労破壊であることを知見した。具体的には、鉛蓄電池を水平方向に繰り返し振動(車載時の揺れに相当)すれば、ブッシングと極柱の界面付近が支点となって極板群が揺動するために、界面付近に亀裂が生じて成長し、極柱が破損しやすくなることがわかった。
発明者らが鋭意検討した結果、極柱の強度よりもブッシングの強度の方が大きい場合、極柱の上面に窪みを設け、この窪みにブッシングの上面内側から垂下した突起を嵌合することで、鉛蓄電池を水平方向に繰り返し振動して極板群を揺動させても、支点となるブッシングと極柱の界面付近における応力が分散するため、界面付近に亀裂が生じにくく(あるいは生じた亀裂が成長し難く)なり、結果的に極柱が破損し難くなることを見出した。この構成は特許文献1において従来例として扱われているものと類似しているが、特許文献1とは異なり極柱の強度よりもブッシングの強度を大きくした場合、十分な溶接深さ(例えば4mm以上)があれば上述した構成の方が好ましいことを、発明者らは知見した。さらに極柱を、Sn含有量が1.0質量%〜5.0質量%、As含有量が0.095質量%以下であり、B含有量が0.001質量%〜0.5質量%である鉛合金で構成することで、Sb含む鉛合金(材料強度は大きいが電解液に腐食されやすい)に材料強度が近づくため、さらに著しい効果が得られることを、発明者らは知見した。なおB添加による効果は、SnとBが固溶体を形成してSnを微細化させるためだと考えられる。
本発明はこれらの知見を活用したものである。ここで極柱のうち少なくとも正極性の方に上述した構成を採用するのは、金属鉛を主体とするために柔軟な負極と比べて、二酸化鉛を主体とするために剛性が高い正極と接続された極柱の方が、ブッシングと極柱の界面付近における応力が大きくなるからである。ここで発明者らがAs含有量を0.095質量%以下とする鉛合金に拘るのは、Asおよびその無機化合物が特定第一種指定化学物質に指定されており、As含有量を削減(あるいはAsレス化)できれば、環境への負荷の少ない鉛蓄電池を提供できるからである。
なお0.001質量%〜0.02質量%のAgや0.001質量%〜0.02質量%のBiを、極柱を構成する鉛合金にさらに含有させることで、極柱の材料強度がより大きくなって本発明の効果が高まる。一方で電解液と接触しないブッシングにはSb含む鉛合金を用い、材料強度を大きくすることが好ましい。
端子は通常、極柱をブッシングに挿入した後、ガスバーナーなどを用いて溶接して一体化することで構成される。そこで請求項5で示したように、ブッシングと極柱との溶融物で、突起を構成することもできる。具体的には筒状の(上面を有さない)ブッシングに極柱を挿入し、極柱の上端と周辺のブッシングに施す溶接の条件を工夫することで、溶融されなかった極柱の上面に形成された窪みに、ブッシングと極柱との溶融物から垂下した突起が嵌合する形を採ることもできる(詳細は後述する)。ここで溶融物は断面観察による金属組成がブッシングと類似しているため、本発明においてはブッシングの一部と見なす。
本発明によれば、極柱の強度よりもブッシングの強度を大きくしても、車載走行時において高い耐振動性を示す鉛蓄電池を提供することができるようになる。
本発明の鉛蓄電池を示す外観図 本発明の鉛蓄電池の端子の一態様を示す断面図 本発明の鉛蓄電池の端子の他の態様を示す断面図 従来の鉛蓄電池の端子の態様を示す断面図 本発明の鉛蓄電池の端子の作製方法を示す図
以下に、図を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の鉛蓄電池を示す外観図である。隔壁1aによって複数のセル室1bに区切られた電槽1の各々のセル室1bに、セパレータ2cを介して正極2aと負極2bとを対峙させた複数の極板群2を収納する。これらの極板群2を接続部品3にて直列に接続し、一端の極板群2の正極2aを一方の極柱4aと接続して正極性とし、他端の極板群2の負極2bをもう一方の極柱4aと接続して負極性とする。そして蓋5の上面から突出させた2つのブッシング4bにそれぞれの極柱4aを挿入することで、端子4(正極端子および負極端子)が構成される。ここで電解液が触れないブッシング4bは、腐食しやすいが強度は大きいがアンチモン−鉛合金(Pb−Sbなど)を用いており、電解液が触れる極柱4aには、強度は小さいが耐食性が高い非アンチモン系鉛合金の中でも強度が比較的高いもの(詳細は後述)を用いているものの、強度は極柱4aよりもブッシング4bの方が大きい。ここで「強度」とは、ヤング率の大きさや疲労強度を指す。
図2は、本発明の鉛蓄電池の端子4の一態様を示す断面図である。本発明の特徴は、少なくとも正極性の極柱4aの上面4cに窪み4dを設け、この窪み4dにブッシング4bの上面内側4eから垂下した突起4fを嵌合したことである。なお本発明において「嵌合」とは、突起4fが窪み4dを埋める形態を指すものであって、機械的な嵌合のみを指すものではない。
鉛蓄電池を水平方向に繰り返し振動すれば、ブッシング4bと極柱4aの界面付近が支点となって極板群2が揺動する。ここで極柱4aの強度よりもブッシング4bの強度の方が大きい場合、界面付近に亀裂が生じて成長し、極柱4aが破損しやすくなる。そこで少なくとも正極性の極柱4aの上面4cに窪み4dを設け、この窪み4dにブッシング4bの上面内側4eから垂下した突起4fを嵌合することで、鉛蓄電池を水平方向に繰り返し振動して極板群2を揺動させても支点となるブッシング4bと極柱4aの界面付近における応力が分散し、界面付近に亀裂が生じにくく(あるいは生じた亀裂が成長し難く)なり、極柱4aが破損し難くなる。
加えて極柱4aのうち少なくとも正極性の方を、Sn含有量が1.0質量%〜5.0質量%、As含有量が0.095質量%以下であり、B含有量が0.001質量%〜0.5質量%である鉛合金で構成すれば、ブッシング4bには及ばないものの極柱4aの強度が大きくなり、課題となる疲労破壊がさらに起こりにくくなる。なお0.001質量%〜0.02質量%のAgや0.001質量%〜0.02質量%のBiの一方あるいは双方を、極柱4aを構成する鉛合金にさらに含有させることで、極柱4aの強度はさらに大きくなり、本発明の効果が著しく高まる。
なお窪み4dの断面は、図2(a)のように半円状でもよく、図2(b)のように複数の段を持った形状でもよく、図2(c)のように細長い矩形でもよい。要するに窪み4dは極柱4aの上面4cから下方向に窪んでいればよく、この窪み4dの形状に相応した突起4fがブッシング4bの上面内側4eから垂下してこの窪み4dに嵌合していれば、本発明の効果は得られる。この中で最も本発明の効果が高いのは、窪み4dの断面が図2(a)のように半円状の場合である。
極柱4aの上面4cに窪み4dを設けるには、上面4cを切削したり、所望の形状を有する鋳型に溶湯を流し込んだりすれば良い。このような極柱4aを筒状の(上面を有さない)ブッシング4bに挿入し、極柱4aの上端にブッシング4bと同じ組成の鉛合金の溶湯を流し込めば、本発明に用いる端子4が構成できる。
図3は、本発明の鉛蓄電池の端子4の他の態様を示す断面図である。この態様の特徴は、突起4fがブッシング4bと極柱4aとの溶融物4gで構成されていることである。具体的には、筒状の(上面を有さない)ブッシング4bに極柱4aを挿入し、極柱4aの上端の略中心にガスバーナーからの炎を集中的に浴びせることで、溶融された極柱4aの上面4cの一部が窪んで、窪み4dが形成される。さらに極柱4aとブッシング4bとが溶融して溶融物4gが形成され、この溶融物4gの一部が窪み4dに嵌合するように垂下して突起4fが形成され、図3に示す構成となる。ちなみにブッシング4bの円状の上端に沿ってガスバーナーからの炎を浴びせれば、図4(a)に示すように窪み4dも突起4fも実質的に有さない構成となり、ブッシング4bの円状の上端に沿って浴びせるガスバーナーからの炎を小さくすれば、図4(b)に示すように溶融物4gに窪み4dがあり極柱4aに突起4fがある構成となる。この他にも、特開2007−035307号公報に開示された技術を活用して、先端を半円状に突起させた加熱棒をバーナーで加熱して極柱4aおよびブッシング4bの上端に当接すれば、図3の構成となる。溶融物4gは断面観察による金属組成がブッシング4bと類似しているため、本発明においてはブッシング4bの一部と見なす。
まず、以下に示す予備試験を行った。
(電池1A01)
鉛粉を中心とした正極活物質を、Pb−Ca−Sn合金製の格子に充填して正極2aを作製した。一方、鉛粉からなる負極活物質にカーボン、硫酸バリウムおよびリグニン化合物を添加したものを、Pb−Ca−Sn合金製の格子に充填して負極2bを作製した。8枚の正極2aと8枚の負極2bとを、ポリエチレンからなるセパレータ2cを介して対峙させることで、極板群2を作製した。
6つの極板群2を、隔壁1aによって複数のセル室1bに区切られたポリプロピレン製の電槽1の各々のセル室1bに収納し、極板群2を接続部品3にて直列に接続し、一端の極板群2の正極2aを一方の極柱4a(直径7mm)と接続して正極性とし、他端の極板群2の負極2bをもう一方の極柱4aと接続して負極性とした。そしてポリプロピレン製の蓋5の上面から突出させた2つのブッシング4bにそれぞれの極柱4aを挿入しつつ電槽1と蓋5とを溶着した。
正極性の端子4(極柱4aおよびブッシング4b)の詳細な構成は図2(a)に示す通りである。断面が半円状である窪み4dを上面4cに切削して設けたPb−Sn合金(Sn含有量は2.5質量%)製の極柱4a(直径7mm)を、筒状の(上面を有さない)Pb−Sb合金製のブッシング4b(外周厚1.9mm)に挿入し、図3に示すようにブッシング4bの上端外側にJIS D 5301記載のテーパ端子(細端子)と同じ形状と寸法の治具6を嵌め込んでPb−Sb合金の溶湯7を流し込むことで、ブッシング4bの上面内側4eから断面が半円状の突起4fが垂下し、この突起4fが極柱4aの上面4cに設けた窪み4dに嵌合して一体化した構造の端子4を得た。
最後に比重1.28g/mlの電解液を注入することで、極板群の総重量が1300gであるB24サイズの鉛蓄電池を構成した。これを電池1A01とする。
(電池1B01)
電池1A01に対して、窪み4dの断面が複数の段を持った形状となるように極柱4aの上面4cを切削し、正極性の端子4の詳細な構成を図2(b)に示すものとしたこと以外は、電池1A01と同様に構成した鉛蓄電池を電池1B01とする。
(電池1C01)
電池1A01に対して、窪み4dの断面が細長い矩形となるように極柱4aの上面4cを切削し、正極性の端子4の詳細な構成を図2(c)に示すものとしたこと以外は、電池1A01と同様に構成した鉛蓄電池を電池1C01とする。
(電池1D01)
電池1A01に対して、正極性の端子4の詳細な構成を図3に示すものとしたこと以外は、電池1A01と同様に構成した。具体的には電池1A01と同様に極柱4aの上面4cに断面が半円状である窪み4dを切削して設け、溶湯7の組成をPb−Sn(極柱4aと同じ):Pb−Sb(ブッシング4bと同じ)=1:1としたこと以外は、電池1A01と同様に構成した。この鉛蓄電池を電池1D01とする。
この電池1D01は、以下の2つの方法で作製することもできる。
第1の方法について示す。特開2007−035307号公報に開示された技術を活用して、筒状の(上面を有さない)ブッシング4bに極柱4aを挿入し、先端を半円状に突起させた加熱棒をバーナーで加熱して極柱4aおよびブッシング4bの上端に当接する。これによって、溶融された極柱4aの上面4cに窪み4dが形成し、ブッシング4bと極柱4aとの溶融物4gから垂下した突起4fが窪み4dに嵌合して、一体化する態様となる。
第2の方法について示す。筒状の(上面を有さない)ブッシング4bに極柱4aを挿入し、ブッシング4bの上端外側を治具6と同じもので覆い、極柱4aの上面4cの中心に、酸素:LPG=4:1(圧力比)で作製した火炎を集中的に浴びせることで、溶融された極柱4aの上面4cに窪み4dが形成し、ブッシング4bと極柱4aとの溶融物4gから垂下した突起4fが窪み4dに嵌合して、一体化する態様となる。
(電池1E01)
電池1D01に対して、正極性の端子4の詳細な構成を図4(a)に示すものとしたこと以外は、電池1D01と同様に構成した。具体的には極柱4aの上面4cが平坦な状態で電池1D01と同じ組成の溶湯7を流し込んだこと以外は、電池1D01と同様に構成した。この鉛蓄電池を電池1E01とする。
この電池1E01は、以下の2つの方法で作製することもできる。
第1の方法について示す。特開2007−035307号公報に開示された技術を活用して、筒状の(上面を有さない)ブッシング4bに極柱4aを挿入し、先端を平坦にした加熱棒をバーナーで加熱して極柱4aおよびブッシング4bの上端に当接する。これによって、窪み4dも突起4fも実質的に有さず、極柱4aの上面4c、溶融物4gの下面ともに略平面のまま、一体化する態様となる。
第2の方法について示す。筒状の(上面を有さない)ブッシング4bに極柱4aを挿入し、ブッシング4bの上端外側を治具6と同じもので覆い、極柱4aの上面4cの外周に沿って、酸素:LPG=4:1(圧力比)で作製した火炎を旋回して浴びせることで、窪み4dも突起4fも実質的に有さず、極柱4aの上面4c、溶融物4gの下面ともに略平面のまま、一体化する態様となる。
(電池1F01)
電池1D01に対して、正極性の端子4の詳細な構成を特許文献1と同じ図4(b)に示すものとしたこと以外は、電池1D01と同様に構成した。具体的には断面が半円状である突起4fを上面4cに切削して設け、電池1Dと同じ組成の溶湯7を流し込んだこと以外は、電池1D01と同様に構成した。この鉛蓄電池を電池1F01とする。
この電池1F01は、以下の2つの方法で作製することもできる。
第1の方法について示す。特開2007−035307号公報に開示された技術を活用して、筒状の(上面を有さない)ブッシング4bに極柱4aを挿入し、先端を半円状に窪ませた加熱棒をバーナーで加熱して極柱4aおよびブッシング4bの上端に当接する。これによって、溶融された極柱4aの上端付近が突起4fとなって上面4cから隆起し、ブッシング4bと極柱4aとの溶融物4gに形成された窪み4dにこの突起4fが嵌合して、一体化する態様となる。
第2の方法について示す。基本的には電池1Eの第2の方法を踏襲しつつ、筒状の(上面を有さない)ブッシング4bに極柱4aを挿入し、極柱4aの上面4cの外周に沿って、酸素:LPG=4:1(圧力比)の混合ガスの流量を小さくすることで弱めた火炎を浴びせることで、溶融された極柱4aの上端付近が突起4fとなって上面4cから隆起し、ブッシング4bと極柱4aとの溶融物4gに形成された窪み4dにこの突起4fが嵌合して、一体化する態様となる。
(電池2A01〜2F01、3A01〜3F01)
極柱4aの上面4cより僅か下に、深さが0.25mmあるいは0.5mmの切り欠きを故意に設けた。この切り欠きは、以降に詳述する試験を加速させるために、亀裂を想定して設けたものである。電池1A01に対して極柱4aに深さ0.25mmおよび0.5mmの切り欠きを設けたものを電池2A01および3A01、電池1B01に対して極柱4aに深さ0.25mmおよび0.5mmの切り欠きを設けたものを電池2B01および3B01、電池1C01に対して極柱4aに深さ0.25mmおよび0.5mmの切り欠きを設けたものを電池2C01および3C01、電池1D01に対して極柱4aに深さ0.25mmおよび0.5mmの切り欠きを設けたものを電池2D01および3D01、電池1E01に対して極柱4aに深さ0.25mmおよび0.5mmの切り欠きを設けたものを電池2E01および3E01、電池1F01に対して極柱4aに深さ0.25mmおよび0.5mmの切り欠きを設けたものを電池2F01および3F01とする。
(振動評価試験)
上述した電池1A01〜3F01を満充電状態にし、短側面に沿って並ぶ極板群2を揺動させるため、短側面に沿って水平に振動(加速度:39.2m/s2、周波数:28Hz)を加えながら、0.05C放電を行った。電池からの放電電流が途絶えた時点で、正極性の極柱4aが破断した(亀裂が発生、成長して破断に至った)ものとし、試験を止めた。極柱4aが破断するまでの回数を、耐振動性の尺度として、各電池の構成条件とともに(表1)に示す。
Figure 2012199185
正極性の端子4を従来の構成とした電池1E01に対して、電池1A01〜1D01は高い耐振動性を示した。このことは、試験加速のために極柱4aに切り欠きを故意に設けた場合により顕著であった(電池2A01〜2D01と2E01との対比、および電池3A01〜3D01と3E01との対比)。一方、正極性の端子4を特許文献1に示す構成とした電池1F01は、電池1E01よりも耐振動性が低くなることがわかった。
なお電池1A01や1B01が電池1C01よりも耐振動性が高いことから、窪み4dの断面形状は、半円状(電池1A01)や段をもったもの(電池1B01)のように、極柱4aの上面4cから下に向かって徐々に細くなるものの方がよいと推察できる。
引続き、以下に示す本試験を行った。極柱4aに用いる鉛合金の組成を、ビッカース硬度とともに(表2)に示す。ここで電池の振動評価試験の条件は上述した予備試験と同一なので、ここでは電池構成条件の差異のみを示すようにする。
Figure 2012199185
(電池3A02〜3A43)
電池3A01に対して、極柱4aに用いる鉛合金の組成を(表2)の合金No.02〜42としたこと以外は、電池3A01と同様に構成した鉛蓄電池を電池3A02〜3A43とする。振動評価試験の結果を(表3)に示す。
Figure 2012199185
(電池3B02〜3B43)
電池3B01に対して、極柱4aに用いる鉛合金の組成を(表2)の合金No.02〜42としたこと以外は、電池3B01と同様に構成した鉛蓄電池を電池3B02〜3B43とする。振動評価試験の結果を(表4)に示す。
Figure 2012199185
(電池3C02〜3C43)
電池3C01に対して、極柱4aに用いる鉛合金の組成を(表2)の合金No.02〜42としたこと以外は、電池3C01と同様に構成した鉛蓄電池を電池3C02〜3C43とする。振動評価試験の結果を(表5)に示す。
Figure 2012199185
(電池3D02〜3D43)
電池3D01に対して、極柱4aに用いる鉛合金の組成を(表2)の合金No.02〜42としたこと以外は、電池3D01と同様に構成した鉛蓄電池を電池3D02〜3D43とする。振動評価試験の結果を(表6)に示す。
Figure 2012199185
振動評価試験の結果から、極柱4aおよびブッシング4bの形状が図2および3に示すものであり、かつSn含有量が1.0質量%〜5.0質量%、As含有量が0.095質量%以下、B含有量が0.001質量%〜0.5質量%である鉛合金を極柱4aに用いた鉛蓄電池は、Pb−Snのみで構成された鉛合金を極柱4aに用いた鉛蓄電池(振動評価試験結果は(表1)を参照)よりも、極柱4aに用いる鉛合金のビッカース硬度が向上したため、より高い耐振動性を示すことがわかる。中でも極柱4aを構成する鉛合金に、0.001質量%〜0.02質量%のAgや0.001質量%〜0.02質量%のBiをさらに含有させた鉛蓄電池は、極柱4aの材料強度(ビッカース硬度)がより大きくなって、耐振動性が著しく大きくなることがわかる。
本発明の鉛蓄電池は、耐振動性に優れる上に環境への負荷が小さいため、大きな振動が掛かりやすく汎用性の高い車載用のセルスタータおよび駆動電源として好ましく、利用可能性は極めて高い。
1 電槽
1a 隔壁
1b セル室
2 極板群
2a 正極
2b 負極
2c セパレータ
3 接続部品
4 端子
4a 極柱
4b ブッシング
4c (極柱4aの)上面
4d 窪み
4e (ブッシング4bの)上面内側
4f 突起
4g 溶融物
5 蓋
6 治具
7 溶湯

Claims (5)

  1. 隔壁によって複数のセル室に区切られた電槽の各々のセル室に、セパレータを介して正極と負極とを対峙させた極板群を収納し、これらの極板群を直列に接続し、一端の極板群の正極を一方の極柱と接続して正極性とし、他端の極板群の負極をもう一方の極柱と接続して負極性とし、蓋の上面から突出させた2つのブッシングにそれぞれの極柱を挿入することで正極端子と負極端子とを構成する鉛蓄電池であって、
    Sn含有量が1.0質量%〜5.0質量%、As含有量が0.095質量%以下であり、B含有量が0.001質量%〜0.5質量%である鉛合金で前記極柱のうち少なくとも正極性の方を構成しかつその上面に窪みを設け、
    前記ブッシングの強度を、前記窪みを設けた前記極柱の強度よりも大きくし、
    前記窪みに前記ブッシングの上面内側から垂下した突起を嵌合したことを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記極柱を構成する前記鉛合金に、さらに0.001質量%〜0.02質量%のAgを含有させたことを特徴とする、請求項1記載の鉛蓄電池。
  3. 前記極柱を構成する前記鉛合金に、さらに0.001質量%〜0.02質量%のBiを含有させたことを特徴とする、請求項1記載の鉛蓄電池。
  4. Sbを含む鉛合金で前記ブッシングを構成したことを特徴とする、請求項1記載の鉛蓄電池。
  5. 前記ブッシングと前記極柱との溶融物で、前記突起を構成したことを特徴とする、請求項1記載の鉛蓄電池。
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