JP6762895B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は鉛蓄電池に関するものであり、特に自動車等の移動体に用いられる鉛蓄電池の正極格子基板の耐久性向上に関するものである。
鉛蓄電池は二次電池の中でも安価かつ安全性に優れ、自動車や自動二輪など移動体用の電源として、あるいは産業用の据置電源として等、幅広い分野で使われている。これら鉛蓄電池は、主として鉛合金からなる格子基板にペースト状の活物質を充填した正極板及び負極板と、セパレータとが交互に積層された極板群を電槽内に収納し、電解液である希硫酸を注液する工程を経て製造される。
鉛蓄電池の寿命要因のうち、正極板に因んだ劣化現象として格子基板のグロースが知られている。前記グロースは、充電と放電を繰り返すうちに正極板の格子基板が腐食により伸びを生じて正極板全体が膨張する現象であり、該正極板の一部が折損しセパレータを突き破ったり、上方へ膨張した際に負極ストラップ等負極の一部と接触したりすることで、内部短絡を起こし鉛蓄電池が早期に寿命を迎えることが知られている。係る膨張が著しい場合は、極板群が電槽壁を圧迫して電槽に亀裂が入り、短寿命化が助長されることもあるため、鉛蓄電池を設計する際はこの様なグロースへの対策を講じる必要がある。
鉛蓄電池の極板群はストラップから延出する様に設けた電極極柱やセル間接続部によって電槽の上部に固定されているため、グロースが生じると正極板は先ず固定されていない左右方向と下方向に対して伸びる。ここで、正極板の左右への伸び代に比して下方への伸び代は小さくなる場合が多いが、これは前記極板群を支持するため、極板群の下端を電槽底面や該底面に設けた鞍部に当接させることに因る。したがって、グロースが生じると間もなく正極板の下方への伸びは上方への伸びに転じ、負極ストラップ等負極の一部に接触して短絡を生じるおそれがある。
正極格子基板の上方へのグロースによる短絡を防止する手段として、出願人は特許文献1及び特許文献2に開示の様に極板群を保持する電槽の鞍部をスポンジや発泡性樹脂で形成したことを特徴とする鉛蓄電池を提案している。この様に電槽の鞍部をスポンジや発泡樹脂で形成することで、正極格子基板にグロースが生じた際、下方への伸びを該鞍部が潰れて吸収するので、正極格子基板の上方への伸びによる負極ストラップ等への接触と短絡を防止できる。一方、特許文献3では正極板を宙吊り状態とし、該正極板下部が電槽底部に接触しない構造とすることで、グロースが生じた際に正極板が下方に優先的に伸びるため、上方への伸びとそれに伴う正極板と負極板との接触に因る短絡が抑制される。
上記の技術の他に、グロースによる正極板と負極板の接触を防ぐ手法として、特許文献4には正極格子基板の外格子の一部に切り欠きやくびれ部分等、機械的強度が低い箇所を設けた鉛蓄電池が開示されている。この様に、正極格子基板の外格子の一部を弱く形成することで、グロースが生じた際に、係る機械的強度の低い部分が優先的に破断し、正極格子全体の膨張が抑制される。
特開2001−351671号公報 実開平5−45901号公報 特開2012−079609号公報 特許第5103385号公報
しかしながら特許文献1乃至3に記載の鉛蓄電池は、静置した状態で使用される据置電源用の鉛蓄電池を想定したものであって、激しい振動が想定される用途、例えば移動体用の始動用電源としては耐久性に関して改良すべき点があった。なぜなら、上記特許文献1乃至3に記載の鉛蓄電池はいずれも、重量の大きい極板群が、ほぼ上部ストラップと接続した耳部のみで支持かつ保持された状態となるため、車載使用時等に激しい振動加わった場合、該極板群が耳部で破断してしまうからである。
他方、特許文献4に記載の様に正極格子基板の一部に切り欠きやくびれ部分を設けた場合、当該部分において電気抵抗が局所的に大きくなるため、充放電時の電位分布が不均一化して集電効率が低下し、出力特性等の悪化を招く。また、切り欠きやくびれ部分を設けたことで正極格子基板の製造に使用される金型の形状が複雑化し、製造コストの増大や歩留まりの悪化等を招く恐れがある。特に鋳造基板の製造においては、溶融した鉛合金の湯回り不良による目切れ等の鋳造欠陥も危惧される。
上記の事情を鑑み、本発明は自動車等の移動体に用いられる鉛蓄電池の正極板の耐久性向上を目的とし、特に正極板のグロースによる内部短絡が防止された鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る鉛蓄電池は、上記の課題を解決するため、主として鉛合金からなる格子基板にペースト状の活物質が充填された正極板及び負極板が、セパレータを介して交互に積層された極板群を電槽内に収納して形成される鉛蓄電池において、電槽底部に設けられた鞍部の頂面に極板群が載置された際、正極格子基板の下外格子と該鞍部の頂面とが当接する位置が、該正極格子基板の隣り合う縦中格子の中間乃至、該正極板の縦外格子と隣り合う縦中格子の中間に位置することを特徴とする鉛蓄電池である。
この様に本発明の請求項1に係る鉛蓄電池は、正極格子基板の下外格子と電槽の鞍部の頂面とが当接する位置が、該正極格子基板の隣り合う縦中格子の中間乃至、該正極板の縦外格子と隣り合う縦中格子の中間に位置する様にしたので、該正極格子基板がグロースを起こした際、下外格子が鞍部の頂面との当接部を支点として下方へ湾曲する様に変形し、該正極格子基板の下方への伸び代となって変形を吸収するため、該正極格子基板の上方への伸びが抑制され、上部での負極ストラップ等負極板の一部との接触による短絡が防止される効果を奏する。
上記構成において中間とは、下外格子上で基準となる縦中格子から該縦中格子と隣接する縦中格子乃至縦外格子までの区間において両者の延長線上に接触しない位置であって、特にそれぞれの鞍部の頂面が下外格子と当接する位置が、該区間を二等分する中心に近いほどグロース抑制において好ましい効果を奏するものであり、すべての鞍部の頂面が前記区間の中央に位置する状態が最大のグロース抑制効果を発揮する。
更に、本発明の請求項2に係る鉛蓄電池は、前記負極板が袋状に形成されたセパレータに収納されていることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池である。ここで、前記袋状とは、矩形形状の負極板が収納可能な様に、一枚のセパレータを折り曲げる若しくは二枚のセパレータを当接させた状態で、一端が開口し他端が封止された状態を言う。
上記の様に本発明の請求項2に係る鉛蓄電池は、負極板が袋状に形成されたセパレータに収納されているので、正極板のグロースによって活物質が格子基板から脱落して電槽下部に堆積した場合でも、電槽下部において係る堆積物による正極板と負極板の接触を前記袋状セパレータが防ぎ、内部短絡をより確実に防止可能である。
もし正極板を該袋状セパレータに収納した場合、正極板がグロースした際の膨張を該袋状セパレータが制限し、該袋状セパレータの開口方向、すなわち上方への伸びを助長してしまう恐れがあり、そうでない場合でも、湾曲して破断した正極格子基板の一部が袋状セパレータを突き破る恐れがあり、正極板と負極板の接触を防止できず短絡を生じる可能性が高い。
加えて、本発明の請求項3に係る鉛蓄電池は、請求項1乃至請求項2に記載の鉛蓄電池において、正極格子基板が打抜基板であることを特徴とする。該打抜基板は、鉛または鉛合金の板を加圧プレス機等で打ち抜いて形成されるものである。この様な打抜基板は、一般的に鋳造による正極格子基板と比較してグロースが生じやすいため、本発明は打抜基板において、より高いグロース抑制効果を発揮する。
以上の通り、本発明の請求項1に係る鉛蓄電池は正極板がグロースして膨張した際、該正極の格子基板の下方への伸びが電槽の鞍部を支点とした下外格子の変形によって吸収されるので、上方への伸びが抑制され、上部での負極ストラップ等負極の一部に接触することによる内部短絡が防止される。また、本発明の請求項2に係る鉛蓄電池は負極板が袋状セパレータに収納されているので、正極板から脱落した活物質の堆積物と負極板との接触が防がれ、更に正極板のグロースによる膨張がセパレータに損傷を与えないので、内部短絡をより確実に防止可能である。更に本発明の請求項3に係る鉛蓄電池のように、打抜基板において本発明はより高いグロース抑制効果を奏する。
本発明実施形態の鉛蓄電池を示した断面部分側面図である。 比較のための鉛蓄電池を示した断面部分側面図である。
以下に図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1の要部断面側面図に示した様に、本発明の実施形態における鉛蓄電池1は、耳部を突設した矩形形状の外格子と、その内側に網目状に縦横に配した中格子とからなる格子基板に、活物質を充填した正極板2及び負極板3を、上方に開口した袋状セパレータ4に該開口部から負極耳部31を取り出した負極板3を収納した状態で、これらを交互に積層し極板群として電槽5内に収納したものである。ここで、前記極板群は電槽5底部に設けた鞍部51の頂面に載置され、上部の正極ストラップ22及び負極ストラップ32と下部の該鞍部51とで支持された状態となり、この時、正極格子基板6の下外格子61と該鞍部51の頂面とが当接する位置が、該正極格子基板6の隣り合う縦中格子62の中間に位置する様に調整した。
上記の様な構成をとることで、正極格子基板6がグロースした際、該正極格子基板6の下外格子61が鞍部51の頂面との当接部を支点として下方へ湾曲する様に変形し、該正極格子基板6の下方への伸び代となって変形を吸収するため、該正極格子基板6の上方への伸びが抑制され、上部での負極ストラップ32等負極板3の一部との接触による短絡が防止される効果を奏するものである。更に、負極板3が袋状セパレータ4に収納されているので、正極板から脱落した活物質の堆積物と負極板との接触が防がれ、更に正極板のグロースによる膨張がセパレータに損傷を与えず、内部短絡をより確実に防止可能である。
(正極板の製造)
本発明の実施形態の鉛蓄電池1において正極格子基板6は、鋳造またはエキスパンド方式や打ち抜き方式等により形成して良いが、ここではそれらを代表して、一般的にグロースの生じやすい打ち抜き方式による正極格子基板の製造方法を説明する。該打ち抜き方式では、正極格子基板6は圧延された鉛合金のシートをパンチングプレス機によって打ち抜いて形成される。鉛合金に混合する金属の選択や質量比は、耐食性や機械的強度、正極活物質の保持性能等を考慮して決定され、例えば鉛(Pb)にカルシウム(Ca)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)を所定の比率で混合したPb−Ca−Sn−Al系鉛合金や、更にバリウム(Ba)を添加したPb−Ca−Sn−Al−Ba系鉛合金などが使用できる。
なお図1では正極格子基板6の形状において、上外格子63の耳部付近から下方に向けて縦中格子62が放射状に広がるラジアル格子として図示したが、縦中格子62と中横格子64とを直行させ碁盤の目の様な形状とした縦横格子として設計しても良く、要は電槽5の鞍部51の頂面と正極格子基板6の下外格子61とが当接した際に、係る当接位置が隣り合う縦中格子62の中間になる様に設計すれば良い。
ここで、隣り合う縦中格子62同士の離間間隔は、鞍部51の頂面の厚み方向の幅より大きく設けることで、グロース時に鞍部51の頂面との当接部を支点として前記下外格子61を下方へ湾曲させ、正極格子基板6の下方への伸びを吸収する作用を生じる。
(鉛蓄電池の製造)
本発明の実施形態における鉛蓄電池1は、従来公知の方法によって製造される。まず、主として鉛合金からなる格子基板に鉛粉、水、硫酸、添加剤等を混練したペースト状の活物質を充填した後、熟成、乾燥を経て正極板2及び負極板3とする。次いで前記正極板2と袋状セパレータ4に収納した負極板3とを、それぞれ極板上部に設けた耳部が同極性同士のみ重なる様に交互に積層して極板群とした後、前記正極板2の耳部21及び負極格子基板3の耳部31をそれぞれストラップ溶接して、正極板2同士は正極ストラップ22で、負極板3同士は負極ストラップ32でそれぞれ電気的に接続した状態とする。ここで、前記正極ストラップ22及び負極ストラップ32には、セル間接続体23、33、または極柱端子を形成しておく。
次いで該極板群を樹脂製の電槽5に挿入した後、前記セル間接続体23、33を、電槽5内の隣接したセル間の隔壁に穿設したセル間連通孔52に挿通した状態で、抵抗溶接によって異極のセル間接続体23、33と溶接することで、セル同士を電気的に接続するとともに、極板群を電槽5上部に固定する。また、図1では省略したが、前記極柱端子は電槽蓋に穿設した貫通孔に挿通した後、外部機器へ電流を取り出せる様に導電部を露出させた状態で固定される。
その後、前記電槽5に電槽蓋を冠着させ当接部を熱溶着して密閉し、該電槽蓋に穿設された注液孔から電解液である希硫酸を注液し、注液栓を勘合して封口し、その後化成を行うことで本発明実施形態の鉛蓄電池1が得られる。なお、図1では簡単のため活物質を図示していないが、該活物質は所定の充填量及び密度で少なくとも格子基板の外格子及び中格子に囲繞される空間に充填されているものとし、活物質の充填量を増やしたい場合には、例えば該格子基板の表面を覆うように塗着されていても良い。
以下に、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。本発明の鉛蓄電池は、極板群を電槽の鞍部に載置して該鞍部と正極格子基板の下外格子とが当接した際に、係る当接位置が該正極格子基板の隣り合う縦中格子の中間になる様に構成したが、その他の基本的な構成要素の製造方法は従来の鉛蓄電池と同様である。
(実施例1)
本発明の鉛蓄電池は、従来公知の方法により以下の様に作製した。
正極板用の正極格子基板は、まずCaが0.06質量%、Snが1.6質量%、Alが0.02質量%、残部がPbからなるPb−Ca−Sn−Al系鉛合金をスラブの素材に用い、スラブ鋳造工程、圧延工程を経て厚さ1.0mmの圧延シートを作成した後、該圧延シートをパンチングプレス機によりプレス打ち抜きを行って形成した打抜基板である。
前記正極格子基板の形状について詳述すると、以下の通りである。該正極格子基板は、前記圧延シートを打ち抜いた際、耳部を外側に向けて突設した上外格子の幅が1.8mm、下外格子の幅が1.3mm、2本の側部外格子の幅がそれぞれ1.5mmとなり、これらが長方形の四辺を成す様に互いに直角または平行に組み合わされ、耳部を除いた高さが120.0mm、幅が137.0mmである矩形形状の枠体を形成した外格子を有するとともに、上外格子と下外格子もしくは側部外格子とを架設した幅が0.8mmの縦中格子と、側部外格子同士を架設した幅が0.8mmの横中格子とが、互いに交差して複数の開口部を形成する様に前記外格子に網目形状に配した中格子を有する。また、下外格子上において隣り合う縦中格子同士の離間間隔は、両端の中縦格子と側部外格子とが成す離間部分を除き、8.2mmとなるように形成した。
その後、常法に従って作製した正極活物質ペーストを、前記正極格子基板に充填し、一方、負極板用としてPbを主成分としCa、Snを含む鉛合金を連続鋳造によって正極板と同じ高さと幅にし、厚みを0.8mmとし、耳部位置を反対としたラジアル形状の格子基板には、常法に従って作製した負極活物質ペーストを充填した。次いで、常法に従ってこれらを熟成及び乾燥して、それぞれ未化成の正極板及び負極板を作製した。また、該負極板はポリエチレン樹脂製の袋状セパレータへ収納し、該袋状セパレータの開口部から該負極板の耳部を取り出した状態とした。これら正極板7枚及び負極板8枚を、主にガラス繊維を抄造して成るリテーナマットを介して交互に積層して、同極性同士の極板の耳部をストラップ溶接により接続し正極ストラップ及び負極ストラップとし、極板群を形成した。また、該正極ストラップ及び負極ストラップには、セル間接続体または極柱端子を設けた。
続いて、電槽の製造方法について説明する。本発明の実施例1の鉛蓄電池の電槽は、耐酸性及び耐衝撃性、加工コスト等に優れるポリプロピレンを主原料とし、上方へ開口した外形直方体形状の箱形の外装体を、セル間連通孔を穿設した隔壁で区切り、6セルのモノブロック式電槽として射出成型法を用いて形成した。該電槽の底面には、高さが9.2mm、頂面の幅が1.7mm、根本部分の幅が2.0mmの断面テーパー形状である鞍部を、33.0mmの等間隔で互いに平行に並ぶ様に4条形成した。また、電槽蓋は電槽に冠着しこれを封止するため、該電槽との密着性や耐酸性、耐衝撃性、加工コスト等を考慮し、ポリプロピレンを主原料として製造した。なお該電槽蓋には、注液孔や極柱挿通孔、排気孔等、必要な貫通孔を穿設した。
上記の通り作製した電槽に、前記極板群を所定の群圧で圧迫しながら収納した際、該極板群は該電槽の底面に形成した鞍部に載置され、この時、該極板群の正極格子基板の下外格子と該鞍部の頂面とが当接する位置が、すべて該正極格子基板の縦中格子の延長線上から外れる様に調整し、隣り合う縦中格子の中央に位置する様にした。なお、実施例ではグロース抑制効果が最大となる様に鞍部の頂面を隣り合う縦中格子の中央に位置させたが、すべての鞍部の頂面がいずれの縦中格子の延長線上にも接触しない中間に位置していれば、本発明のグロース抑制効果が得られるものである。
次いで、前記極板群を電槽に収納した後、該電槽の開口部に前記電槽蓋を冠着しこれを溶着し、比重を1.240に調整した希硫酸電解液を該電槽蓋に穿設した注液孔より所定量注入し、注液栓と排気栓を螺合して電槽内部を封止した後、所定の電流値、温度、時間に基づいて化成を行った。化成終了後、電解液を補液し、補充電を実施して、5時間率容量で52Ahの85D23型の実施例1の鉛蓄電池を得た。
(比較例1)
正極格子基板の下外格子と電槽の鞍部の当接位置を、縦中格子の直下に位置する様に調整したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の鉛蓄電池を得た。
(従来例1)
底面に鞍部のない電槽を使用したこと以外は実施例1と同様にして、従来例1の鉛蓄電池を得た。
(実施例及び比較例、従来例の結果)
本発明の実施例1、比較例1、従来例1の鉛蓄電池について、以下の手順に従って高温過充電寿命試験を行い、上方へのグロース率と寿命サイクル数の抑制効果について結果を表1にまとめた。本試験は75℃環境下において、実施例1、比較例1、従来例1の鉛蓄電池を放電電流25Aで2分間放電し、その後、充電電圧14.8V、最大充電電流25Aで10分間充電する工程を繰り返した。更に前記行程を480サイクル繰り返す毎に放電電流272Aで30秒間放電し、30秒目電圧が7.2Vにまで低下した時点で寿命とした。また、試験後に電槽蓋の頂面との距離から正極格子基板の上外格子の高さ位置hを計測し、試験前の正極格子基板の上外格子の高さ位置hとの差分を求め、試験前の正極格子基板の耳部を除いた高さ120.0mmと次式(1)に基づき、上方へのグロース率R[%]を算出した。
(表1)
表1より、実施例1が最も長寿命となり、従来例1の寿命が最も短く、次いで比較例1が短い結果となった。実施例1は、鞍部の頂面が正極格子基板の隣接する縦中格子の中間部分に当接しているため、該正極格子基板がグロースした際に、下外格子が鞍部の頂面との当接部を支点として下方へ湾曲する様に変形し、該正極格子基板の下方への伸び代となって変形を吸収するため、該正極格子基板の上方への伸びが抑制され、上部での負極ストラップ等負極板の一部との接触による短絡が防止されたものと推定される。一方、従来例1は鞍部の無い電槽の底面に極板群を収納したものであり、正極格子基板がグロースした際に下方向への伸び代がほとんど無い為、係るグロースが下方から上方への伸びへと転じ、極板群の上部の負極ストラップと接触し短寿命となったものと考えられる。他方、比較例1は電槽に鞍部を設けたため、従来例1よりも下方への伸びが吸収されたものの、鞍部を縦中格子の延長線上に位置させたため、下外格子の下方への湾曲が不十分となり、下方への伸びが上方への伸びに転じ、実施例1よりも短寿命となったものと推定される。
1 鉛蓄電池
2 正極板
3 負極板
4 袋状セパレータ
5 電槽
51 鞍部
6 正極格子基板
61 下外格子
62 縦中格子

Claims (3)

  1. 主として鉛合金からなる格子基板にペースト状の活物質が充填された正極板及び負極板が、セパレータを介して交互に積層された極板群を電槽内に収納して形成される鉛蓄電池において、電槽底部に設けられた鞍部の頂面に極板群を載置した際、正極格子基板の下外格子と該鞍部頂面とが当接する位置が、該正極格子基板の隣り合う縦中格子の中間乃至、該正極板の縦外格子と隣り合う縦中格子の中間に位置することを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記負極板が袋状のセパレータに収納されていることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記正極格子基板が、打抜基板であることを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の鉛蓄電池。
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