JP2012195521A - 膜形成方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents

膜形成方法および半導体装置の製造方法 Download PDF

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理史 川越
Yayoi Shibafuji
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Abstract

【課題】担持体上に形成したポリシラザン膜を転写することにより、基板表面に良好な膜を形成することのできる技術を提供する。
【解決手段】ポリシラザン材料を含む塗布液PをシートフィルムFの表面に塗布し、溶剤を揮発させることでポリシラザン薄膜Rを得る。これを半導体基板に転写するのに先立って、UV光源202から拡散板203を介して強度を均一化したUV光Lを薄膜Rに照射する。これにより、薄膜Rの表面Raの粘度が選択的に増大し、基板転写時に、基板表面に形成されたトレンチを埋めることなくエアギャップを形成することができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、基板の表面にポリシラザン膜を形成する技術、および該技術を用いて半導体装置を製造する技術に関する。
例えばシリコン半導体基板のような基板の表面に良質の保護膜を形成する技術として、基板表面にポリシラザン膜を形成し、これを例えば加熱することによりシリコン酸化膜に変化させる技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、過水素化シラザン重合体溶液を半導体基板の表面に塗布して溶媒を揮発させることでポリシラザン膜を形成し、不純物除去後にアニール処理を行うことでポリシラザン膜をシリコン酸化膜に変化させている。
また、基板の表面に薄膜を形成する他の技術として、例えば樹脂製のシートフィルムからなる担持体の表面に薄膜を形成し、これを基板に密着させて加圧することで薄膜を基板に転写した後、基板に薄膜が転写されてなる積層体から担持体だけを剥離させる技術がある。例えば、特許文献2に記載の技術では、シートフィルム上に薄膜材料を塗布して乾燥させることによって薄膜を形成し、これを基板表面に押圧することで、基板に薄膜を転写している。
このような膜転写技術は、例えば特許文献3に記載されているように、半導体基板表面に設けた溝(トレンチ)を保護膜で覆うことによってエアギャップを形成する場合にも適用可能である。このような膜転写技術に用いる材料として、上記したポリシラザン膜を採用することが考えられる。
特開2010−171231号公報(例えば、段落0029) 特開2010−050183号公報(例えば、図2) 特開2009−135172号公報(例えば、図4)
しかしながら、ポリシラザン膜は材料自身が常温付近で高い流動性を有しているため、溝を設けた基板に膜を押圧した際に膜材料が溝の内部まで浸入し、溝が埋まってしまうことがあった。また、特許文献1等に記載されたポリシラザン膜を使用する技術では、加熱処理することで膜をシリコン酸化膜に変化させ硬化させることが用いられているが、このように硬化した後では該膜を基板に転写することが困難である。また、膜の担持体として例えば樹脂製のシートフィルムを用いる場合には加熱処理の条件が限定されてしまう。
このように、担持体上に形成したポリシラザン膜を基板表面に転写することで良質の膜を形成することができる可能性があるものの、具体的にそれを可能とする技術についてはこれまで確立されるに至っていなかった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板の表面にポリシラザン膜を形成する膜形成方法、および該方法を用いて半導体装置を製造する方法において、担持体上に形成したポリシラザン膜を転写することにより、基板表面に良好な膜を形成することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる膜形成方法は、上記目的を達成するため、ポリシラザンまたはその原料物質を含む塗布液をシート状の担持体に塗布して、前記担持体の表面にポリシラザンを含む膜を形成する塗布工程と、前記膜のうち前記担持体表面と接する側とは反対の表面に紫外線を照射して、該表面における粘度を増大させる照射工程と、前記膜の粘度が増大された前記表面を基板の表面に密着させて、前記膜を前記基板に転写する転写工程とを備えることを特徴としている。
このように構成された発明では、担持体表面に形成されたポリシラザンを含む膜の表面、より具体的には転写工程において基板表面に密着する側の表面の粘度が紫外線照射によって増大されている。その粘度は紫外線の照射条件を適宜に設定することで調整することが可能であるため、該膜の転写対象である基板表面に対する良好な転写性を保った状態で基板に膜を転写することが可能である。また、加熱による硬化処理と異なり、紫外線照射によれば膜の表面の粘度を選択的に増大させることができるので、膜内部では流動性を保った状態とすることができ、基板表面へ膜をよく密着させることができる。
特に、エアギャップ構造を形成するべく表面に凹部あるいは他の立体構造が形成された基板にこの膜を転写する際、膜表面の流動性が低くなっているため、膜が凹部にまで入り込んでエアギャップが埋まってしまうことが効果的に防止される。
このように、本発明によれば、担持体表面に形成したポリシラザン膜の表面の粘度を紫外線照射により増大させた状態で基板に転写させることにより、基板表面に良好な膜を形成することが可能である。
この発明の塗布工程では、例えば、ポリシラザンの原料物質および溶剤を含む塗布液を担持体に塗布し、塗布後の塗布液から溶剤を揮発させてポリシラザン膜を生成させるようにしてもよい。このように溶剤を揮発させた後であってもポリシラザン膜は高い流動性を有しているため、基板に転写する前に紫外線照射により表面の粘度を増大させておくことが極めて有効である。
また、例えば、転写工程の後に、膜を酸素雰囲気中で加熱して、ポリシラザンを酸化シリコンに変化させるようにしてもよい。こうすることで、緻密で安定した酸化シリコン膜を基板表面に形成することができる。
また、転写工程の後には、基板に膜が転写されてなる積層体から担持体を剥離させる剥離工程を備えることが望ましい。なお、基板に転写された膜を加熱処理する場合においては、剥離工程の後に加熱処理を行うのが望ましい。
本発明において、膜を一時的に担持する担持体としては任意のものを使用可能であるが、例えばシートフィルム状のものを用いることができる。このようなシート状の担持体は、膜を基板に押圧したり、特に担持体から膜を剥離させる際の作業性において優れているので、本発明の担持体として好適に使用可能である。
この場合、照射工程において膜に紫外線を照射する間は、シートフィルムを緊張させた状態に保持することがより望ましい。こうすることにより、粘度の増大する膜にシワが寄ったりクラックが生じるのを未然に防止することが可能となる。
また、例えば、照射工程では、紫外線の照射条件を、担持体に形成された膜の全面に対して均一となるようにするのが好ましい。こうすることで、ポリシラザン膜の粘度の変化の程度が膜全体において均一となるので、転写工程または剥離工程において膜の不均一さに起因する膜の損傷を防止することができる。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記目的を達成するため、表面に凹部が設けられた半導体基板を前記基板として、上記したいずれかの膜形成方法により、前記半導体基板の前記凹部が形成された表面に前記膜を転写して、前記凹部の壁面および前記膜により囲まれたエアギャップを有する半導体装置を製造することを特徴としている。
このように構成された発明では、基板に転写される膜の表面の粘度が増大されているため、膜材料によりエアギャップが埋まることがなく、エアギャップを有する品質の良好な半導体装置を製造することが可能である。
この発明によれば、担持体表面に塗布によりポリシラザンを含む膜を形成し、紫外線照射によりその表面の粘度を増大させて基板に転写するので、基板表面に良好な膜を形成することができる。
この発明にかかる半導体装置の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 図1の各工程における処理内容を模式的に示す第1の図である。 図1の各工程における処理内容を模式的に示す第2の図である。 リング体の構造を示す分解組立斜視図である。 本実施形態による効果を模式的に示す図である。
図1はこの発明にかかる半導体装置の製造方法の一実施形態を示すフローチャートであり、図2および図3は図1の各工程における処理内容を模式的に示す図である。この半導体装置の製造方法は、表面にトレンチ(溝)を形成した半導体基板の表面をシリコン酸化膜で被覆して、トレンチの壁面およびシリコン酸化膜で囲まれたエアギャップを有する半導体装置を製造する方法である。そして、半導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成する前段階としてのポリシラザン膜を半導体基板の表面に形成するために、本発明にかかる膜形成方法が適用されている。
なお、本実施形態の製造方法を実施するための製造装置としては、例えば前記した特許文献2(特開2010−050183号公報)に記載の装置と、公知の紫外線照射装置および加熱処理装置とを組み合わせたものを用いることが可能である。そこで、以下では、図1のフローチャートに沿って本発明にかかる半導体装置の製造方法における処理の流れを主に説明し、各工程を実施するための装置構成については詳しい説明を省略することとする。
図1の処理では、まず最初に、一時的なポリシラザン膜の担持体として機能する樹脂製のシートフィルムを準備する。そして、シートフィルムの一方表面にポリシラザンまたはその原料物質を含む塗布液をスピンコート法により塗布して、シートフィルム表面にポリシラザン膜を形成する(ステップS101;塗布工程)。ポリシラザンは、
−(SiH−NH)−
を基本構造とする高分子材料である。シートフィルムとしては、化学的に安定な樹脂材料、例えばポリエチレン(PE)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを好適に用いることができる。
塗布工程では、図2(a)に示すように、上面が平坦に形成されて回転支軸102に連結されたステージ101の上面にシートフィルムFを載置し、ステージ101を回転させる。そして、ステージ101の回転軸の上方に設けられたセンターノズル103から塗布液PをシートフィルムFに向けて所定量供給することにより、シートフィルムF上に薄く均一な塗布液の層を形成する。
塗布液の塗布後、続いてエッジリンス処理を行う。ステージ101の周縁部上方にはエッジリンスノズル104が設けられており、該ノズル104からシートフィルムFの周縁部に向けて洗浄液を供給して、シートフィルムFの周縁部に付着した塗布液を洗い流す。このとき、エッジリンスノズル104からの洗浄液の吐出方向をステージ101の回転中心から見て径方向外向きにすることで、周縁部以外に洗浄液が付着するのを防止することができる。
エッジリンス処理の終了後、塗布液を乾燥させる。すなわち、図2(b)に示すように、洗浄液の供給停止後もステージ101を回転させつつしばらく放置することで、シートフィルムFに塗布された塗布液に含まれる溶剤を揮発させる。これにより、シートフィルムFには、その周縁部を除く表面(上面)にポリシラザンを含む薄膜Rが担持されることとなる。
溶剤の大部分が揮発した状態であっても、一般的にポリシラザン膜は常温で高い流動性を有する。したがって、この状態のまま薄膜Rを基板に密着させた場合、基板表面に形成されたトレンチの内部まで膜材料が入り込み、トレンチが埋まってしまうおそれがある。また、ポリシラザンは例えば酸素雰囲気中で加熱することによりシロキサンに変化し化学的に安定するが、同時に表面の硬化が進むため基板への転写性が著しく低下してしまう。
そこで、この実施形態では、シートフィルムFを適宜のUV照射装置に移動させ(ステップS102)、塗布後の膜に対して所定の波長および強度を有するUV光(紫外線)を所定時間照射することによって、ポリシラザン膜の少なくとも表面部分の粘度を増大させる処理を実施する(ステップS103;照射工程)。これにより、ポリシラザン膜を基板に密着させたときに膜がトレンチ内部に侵入するのを抑制する。UV照射によりポリシラザン膜の粘度が増大するのは、UV光のエネルギーによって膜中の酸素原子が活性化され材料の重合が促進されるためと考えられる。また、後述するように、UV光の照射条件(波長、強度、照射時間など)を適宜に設定することによって、膜へのUV光の浸透深さを調整可能であり、内部の流動性を損なうことなく表面部分のみ粘度を増大させることができる。
なお、前述の特許文献1にはポリシラザン膜の形成過程においてUV光を用いることが記載されているが、これは周囲雰囲気の酸素ガスからオゾンを発生させる目的のものであり、膜にはUV光が直接照射されないように構成されたものであり、本実施形態におけるUV照射はこれとは目的、構成とも異なるものである。
UV照射装置では、図2(c)に示すように、ポリシラザンを含む薄膜Rが形成されたシートフィルムFをステージ201に載置し、シートフィルムFに接する面とは反対側の露出表面Ra側から薄膜RにUV光Lを照射する。UV光源202としては例えば低圧水銀ランプを1個または複数個並べて用いることができる。光源202と薄膜Rとの間には、例えば石英製の拡散板203を設置するのが好ましい。これにより、光源202から照射されるUV光が拡散されて、薄膜Rの表面Ra全体に対して強度の均一なUV光Lを照射することができる。これにより、表面の粘度の増大の程度が膜全体において均一となり、後の転写および剥離工程において膜の不均質に起因するシワや破れ、クラックなどの発生を未然に防止することが可能となる。また、光源202から放射される熱を遮断して膜の硬化が進みすぎるのを防止する意味においても、拡散板203を設ける意義がある。
なお、シートフィルムFがUV光にさらされることで表面の性質、例えば塗布液に対する接触角が変化する可能性がある。しかしながら、この時点ではシートフィルム表面には既に塗布液が付着しており、しかも塗布液に含まれていた溶剤成分は大部分が揮発しているため、このような変質が膜に与える影響はほとんどない。
UV照射が終了すると、シートフィルムFを適宜の転写装置に搬送し(ステップS104)、薄膜Rを別途準備した半導体基板に転写する(ステップS105;転写工程)。具体的には、図3(a)に示すように、薄膜Rが形成されたシートフィルムFを、薄膜Rを上向きにして平坦なステージ302に載置する。また、基板Wのトレンチ形成面を下向きにして薄膜Rに密着させ、ステージ302と加圧プレート301とでこれらを押圧することにより、薄膜Rを基板Wに転写する。
続いて、こうして一体化された、シートフィルムF、薄膜Rおよび基板Wからなる積層体から、シートフィルムFのみを剥離させる(ステップS106;剥離工程)。具体的には、図3(b)に示すように、積層体Aの一方端からシートフィルムFを引き剥がし、これを他方端側(図の矢印方向)へ引っ張ることにより、薄膜Rを基板W側に残した状態でシートフィルムFのみを剥離させる。こうして基板Wと薄膜Rからなる積層体Bが得られる。このとき薄膜R内においてUV照射条件にばらつきがあると、薄膜Rの一部がシートフィルムF側に付随し破れてしまうおそれがある。これを防止するために、UV照射条件を均一化することが有効である。また、柔軟性のある樹脂製のシートフィルムFを薄膜の担持体として用いることで、剥離作業が容易となる。
次に、こうして得られた、基板Wの表面に薄膜Rを積層してなる積層体Bを適宜の熱処理装置に移動させ(ステップS107)、加熱処理を行う(ステップS108)。具体的には、図3(c)に示すように、積層体Bをステージ401に載置し、ヒーター403を内蔵した加熱プレート402を昇温させて基板W上の薄膜Rに近接配置するとともに、薄膜Rの周囲雰囲気に酸素ガスおよび/または水蒸気を供給する。加熱温度は最高で450℃程度とするのが好ましい。シートフィルムFは高熱に耐えないため転写前の熱処理は困難であるが、転写・剥離後であればこのような高温での熱処理が可能である。
これにより、ポリシラザンからシロキサンへの化学反応が進み、薄膜Rは非常に緻密な酸化シリコン膜に変化する。こうして形成された酸化シリコン膜は、機械的強度および耐電圧に優れた絶縁膜として機能する。
なお、ここでは基板W上に転写された薄膜Rに昇温された加熱プレート402を配置しているが、ステージ401自体をホットプレートとして基板Wを介して薄膜Rを加熱するようにしてもよい。
上記の各工程のうち少なくとも照射工程、より好ましくは塗布液の塗布終了から転写工程を開始するまでの期間においては、シートフィルムFを緊張させた状態に維持することが好ましい。シートフィルムFが折れ曲がったり撓んだりすると、表面に形成された薄膜Rも変形したり断裂したりするおそれがあるからである。これを防止するために、緊張させたシートフィルムFの周囲を適宜のフレームに固定した状態で搬送することが好ましい。次に示す例では、シートフィルムFを上下2分割可能なリング体によって支持する。このリング体は特許文献2に記載された薄膜形成システムでも扱うことができるものである。
図4はリング体の構造を示す分解組立斜視図である。このリング体RFは、上部リングRupと下部リングRdwとで樹脂製のシートフィルムFの周縁部を挟み込むことによってシートフィルムFを保持したものである。上部リングRupおよび下部リングRdwは例えばアルミニウムにより同一径に形成された円環であり、このうち上部リングRup上面の一部には4枚の磁性体(例えば鉄または鉄系合金)材料からなるプレート91が取り付けられている。
また、上部リングRupには上記プレート91とは異なる位置に複数の永久磁石92が埋め込まれる一方、下部リングRdwにも同数の永久磁石93が埋め込まれている。永久磁石92と永久磁石93とは、上部リングRupと下部リングRdwとを重ね合わせたときに互いに相対する位置に取り付けられるとともに、互いに引き合う極性となっている。このため、上部リングRupおよび下部リングRdwが直接またはシートフィルムFを挟んで重ね合わせられると、永久磁石の吸着力によって上下リングが一体化される。
上部リングRupおよび下部リングRdwの外周面の各1箇所に、位置決め用の切り込み部94,95が設けられている。また、上部リングRupには複数の貫通孔96が穿設される一方、下部リングRdwにも複数の貫通孔97が設けられている。上部リングRupの貫通孔96と、下部リングRdwの貫通孔97とは互いに異なる位置に設けられており、上部リングRupと下部リングRdwとを一体化させたときにそれぞれの貫通孔が重なり合うことがないようになっている。このように配置された貫通孔96,97に突き出しピン(図示せず)を挿入し押圧することで、永久磁石の吸着力に打ち勝って上下リングを分離させることができる。
図5は本実施形態による効果を模式的に示す図である。半導体用途向けに市販されているペルヒドロポリシラザン溶液を塗布液として用い、図1に示す製造方法の照射工程において、シートフィルムFに塗布後の膜に対して下記の照射条件、
UV主波長:254nmまたは185nm(低圧水銀ランプの主波長)、
UV強度:10〜200W/m2
照射時間:10sec、
でUV照射を行った。これを電子顕微鏡で観察したところ、図5(a)に示すように、基板W表面に形成された種々の開口寸法を有するトレンチT1、T2、T3の開口部を覆うように酸化シリコン膜R1が形成されて、これらのトレンチの壁面と酸化シリコン膜とで囲まれるエアギャップG1、G2、G3が形成された。これは、ポリシラザン膜表面の粘度が予め増大されているため、基板Wに密着・押圧されたときにも膜表面がその押圧力に抗し、形状を保持したことによるものと考えられる。
一方、図1の製造方法において照射工程(ステップS103)を省き、溶剤揮発後のポリシラザン膜をそのまま基板Wに転写した比較例では、図5(b)に示すように、トレンチが酸化シリコン膜R2によって埋められており、エアギャップを形成することができなかった。これは、トレンチが形成された基板Wに対してポリシラザン膜が押圧された際に、流動性の高い状態が維持されたポリシラザン膜がトレンチの底部にまで流れ込んでしまったためと考えられる。
以上のように、この実施形態では、担持体としてのシートフィルムF上にポリシラザンを含む膜を形成し、これを基板に転写するのに際して、転写に先立って膜にUV照射を行い、これにより膜表面の粘度を増大させている。このため、膜表面の流動性は小さく、かつ膜内部の流動性は依然として高い状態とすることができ、基板の表面に良好な転写性で転写することができる。転写対象である基板の表面にトレンチやデバイスパターン、配線パターンなどの凹凸が形成された場合でも凹部が膜材料で埋まってしまうことが抑制されているため、この製造方法は、エアギャップ構造を形成するのに特に好適である。
これまで、ポリシラザンを硬化させて酸化シリコン膜を形成する方法としては、基板に直接塗布したポリシラザン膜を加熱処理するものが一般的であり、このような技術では膜が完全に硬化してしまうため転写技術に応用することができなかった。本実施形態では、UV照射によって膜表面を選択的に粘度増大させることができるので、基板への転写性を損なうことなく、またトレンチを埋めることなく良好な被膜を形成することができる。
本実施形態におけるUV照射は、ポリシラザン膜全体を硬化させるものではなく、その表面、より詳しくは、シートフィルムFと接する側とは反対側の面であって転写時に基板Wと密着する側の露出表面の粘度を調整するためのものである。この意味において、UV光は膜の深部まで浸透しないことが望ましく、短波長のUV光を用いることが望ましい。
ポリシラザン膜を形成するための材料としては種々のものがあるが、UV照射条件(波長、強度、照射時間)を適宜に設定することによって、膜表面および内部の粘度をある程度個別に調整することが可能である。そのため、基板への密着性、トレンチを塞がない表面の形状保持性、シートフィルムからの剥離性などを兼ね備えた膜を形成することが可能となっている。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態ではUV光の光源として低圧水銀ランプを用いているが、これに限定されず他のUV光源、例えば高圧水銀ランプやLED(発光ダイオード)などを光源として用いてもよい。また膜材料に応じてこれらの各種光源を選択使用するようにしてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、樹脂製のシートフィルムFにポリシラザン膜を形成し、該シートフィルムを本発明の「担持体」として機能させているが、担持体はこのようなフィルム状のものに限定されない。またその材料も上記実施形態に限定されない。例えば、円盤状の樹脂板、石英板などを本発明の担持体として機能させることが可能である。ただし、本実施形態のシートフィルムのような柔軟な材料でないものを用いる場合、膜の硬化が進みすぎると担持体と膜との間での剥離性が大きく低下してしまうと考えられ、したがってUV照射条件についてはより厳密な管理が必要となる。
また、上記実施形態では、低圧水銀ランプを複数並べてなる光源202からのUV光を拡散板203によって均一化し薄膜Rに照射するようにしている。しかしながら、このように拡散板を用いたものに限定されず、薄膜Rに対する照射条件を面内全体で均一にすることができるものであれば他の技術を用いてもよい。例えば、光源から発せられるUV光を光ファイバで導光し膜に照射するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、基板Wに薄膜Rを転写しシートフィルムFを剥離させた後に熱処理を行っている。これ以外にも例えば、図3(a)に示す転写装置のステージ302または加圧プレート301にヒーターを内蔵させて、加熱・加圧しつつ転写を行うようにしてもよい。この場合、加熱温度はシートフィルムFにダメージを与えないように、例えば100℃程度とするのが好ましい。なお、こうして転写時に加熱する場合でも、ポリシラザンをシロキサンに変化させるための熱処理工程は、依然として実施されることが望ましい。
また、上記実施形態では、枚葉状のシートフィルムFを上下リングRup,Rdwで挟み込むことでシートフィルムFを緊張させた状態に保持しているが、これに限定されず、例えば長尺状のシートフィルムをローラー等に張架することでシートに張力を与えるようにしてもよい。
また、上記したUV照射条件の数値は、本願発明者が実験に使用した材料において良好な結果が得られた1つの例を示したものにすぎず、本発明のUV照射条件がこれらの数値に限定されるものではない。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などを含む基板全般を処理対象とし、これらの基板にポリシラザン膜を転写する技術に好適に適用することができる。特に、エアギャップ構造を有する半導体装置を膜転写により製造する技術に好適なものである。
103…センターノズル
104…エッジリンスノズル
201…ステージ
202…UV光源
203…拡散板
F…シートフィルム
R…薄膜
Rup…上部リング
Rdw…下部リング
W…基板

Claims (8)

  1. ポリシラザンまたはその原料物質を含む塗布液をシート状の担持体に塗布して、前記担持体の表面にポリシラザンを含む膜を形成する塗布工程と、
    前記膜のうち前記担持体表面と接する側とは反対の表面に紫外線を照射して、該表面における粘度を増大させる照射工程と、
    前記膜の粘度が増大された前記表面を基板の表面に密着させて、前記膜を前記基板に転写する転写工程と
    を備えることを特徴とする膜形成方法。
  2. 前記塗布工程ではポリシラザンの原料物質および溶剤を含む前記塗布液を前記担持体に塗布し、塗布後の前記塗布液から溶剤を揮発させてポリシラザン膜を生成させる請求項1に記載の膜形成方法。
  3. 前記転写工程後に、前記膜を酸素雰囲気中で加熱して、ポリシラザンを酸化シリコンに変化させる請求項1または2に記載の膜形成方法。
  4. 前記転写工程後に、前記基板に前記膜が転写されてなる積層体から前記担持体を剥離させる剥離工程を備える請求項1ないし3のいずれかに記載の膜形成方法。
  5. 前記担持体がシートフィルムである請求項1ないし4のいずれかに記載の膜形成方法。
  6. 前記照射工程において前記膜に紫外線を照射する間、前記シートフィルムを緊張させた状態に保持する請求項5に記載の膜形成方法。
  7. 前記照射工程では、紫外線の照射条件を、前記担持体に形成された前記膜の全面に対して均一となるようにする請求項1ないし6のいずれかに記載の膜形成方法。
  8. 表面に凹部が設けられた半導体基板を前記基板として、請求項1ないし7のいずれかに記載の膜形成方法により、前記半導体基板の前記凹部が形成された表面に前記膜を転写して、前記凹部の壁面および前記膜により囲まれたエアギャップを有する半導体装置を製造することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9431291B2 (en) 2014-08-28 2016-08-30 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of making openings in a semiconductor device with reduced residue by transferring layers
US9437476B2 (en) 2014-03-12 2016-09-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of manufacturing semiconductor device including air gap between patterns

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