JP2012195301A - 電磁接触器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2台の前記電磁接触器1a,1bを隣接配置し、これら電磁接触器に、可逆ユニット2を着脱自在に装着し、可逆ユニットに2台の補助接点ユニット4a,4bを着脱自在に装着するとともに、電磁接触器に、2台のサージ吸収ユニット3a,3bを着脱自在に装着した。
【選択図】図1
Description
しかし、上述した特許文献1の電磁接触器は、可逆ユニットのみを専用に装着する装置であり、他のサージ吸収ユニットや補助接点ユニットなどの他の付属ユニットを装着することができない。また、ユーザーの要望に合わせて、複数種類の付属ユニットのうち何れか2種類、例えば可逆ユニット及びサージ吸収ユニットを同時に装着できる電磁接触器が存在していなかった。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ユーザーの種々の要望に合わせて複数種類の付属ユニットを選択し、それらのうち一種類以上の付属ユニットを選択して簡単に装着することができる電磁接触器を提供することを目的としている。
この発明によると、2台の電磁接触器を可逆型として複数種類の付属ユニットを簡単に装着することができる。
この発明によると、補助接点ユニットを装着した状態で電磁接触器の動作を正確に確認することができる。
また、本発明は、前記サージ吸収ユニットが、前記可逆ユニットを跨いで前記電磁接触器に着脱自在に装着する。
この発明によると、サージ吸収ユニット及び可逆ユニットの装着を容易に行なうことができる。
図1は、三相の誘導電動機(不図示)の給電回路に接続され、誘導電動機の正逆運転制御する電磁接触器装置を示す斜視図であり、この装置は、2台の電磁接触器1a,1bと、1台の可逆ユニット2と、2台のサージ吸収ユニット3a,3bと、2台の補助接点ユニット4a,4bとで構成されている。
電磁接触器1aは、図2に示すように、接点をそれぞれ有する端子部10と、コイル端子部11を備えた装置であり、図3に示すように、本体ケース6内に、後述する接点部7、電磁石8及び駆動レバー9が収納されている。本体ケース6は、電磁石8を収納している下ケース6aと、接点部7を収納している上ケース6bと、上ケース6bの上部を覆っている消弧カバー6cとを有している。
第1〜第3連結孔12〜14は、四角形状に開口した孔である。第4及び第5連結孔15,16は、コイル端子部11近くの消弧カバー6cに、L字形状に開口して形成されている。
なお、他方の電磁接触器1bも、一方の電磁接触器1aと同一構造なので説明は省略する。
可逆ユニット2は、2台の電磁接触器1a,1bを隣接配置して固定するとともに、何らかの操作により2台の電磁接触器1a,1bの両者に動作信号が入力しても(2台の電磁接触器1a,1bの電磁石8が同時に動作しようとしても)、2台の電磁接触器1a,1bが同時に閉路(ON)状態となるのを機械的にロックする装置である。
一対のサージ吸収ユニット3a,3bは、電磁石8のコイル8aへの励磁が停止したときに発生するサージ電圧を吸収する素子を内蔵した装置である。
一方のサージ吸収ユニット3aは、図5(a)に示すように、前記素子を内蔵したユニット本体3a1と、このユニット本体3a1の一側から同一方向に突出している長尺な一対のサージ端子3a2,3a3と、これら一対のサージ端子3a2,3a3の内側においてユニット本体3a1の一側から突出している一対のフック部3a4,3a5と、一対のフック部3a4,3a5の間でユニット本体3a1の一側に設けた凹部3a6とを備えている。
上記構成の一方のサージ吸収ユニット3aは、図5(b)に示すように、一方のサージ端子3a2及びフック部3a4を一方の電磁接触器1aの第4連通孔15に挿入し、他方のサージ端子3a3及びフック部3a5を電磁接触器1aの第5連通孔16に挿入する。そして、一対のサージ端子3a2,3a3が、サージ端子挿入路17を弾性変形しながら通過してサージ用端子18に密接し、フック部3a4が第4連通孔15の開口周縁に係合し、フック部3a5が第5連通孔16の開口周縁に係合することで、一方の電磁接触器1aの電磁石8に電気的に接続される。
他方のサージ吸収ユニット3aは、図6に示すように、一方のサージ端子3b2及びフック部3b4を他方の電磁接触器1bの第4連通孔15に挿入し、他方のサージ端子3b3及びフック部3b5を電磁接触器1bの第5連通孔16に挿入する。そして、一対のサージ端子3b2,3b3が、サージ端子挿入路17を弾性変形しながら通過してサージ用端子18に密接し、フック部3a4が第4連通孔15の開口周縁に係合し、凹部3b6が可逆ユニット2の首部2mを囲むことで、可逆ユニット2を跨ぎながら他方の電磁接触器1bの電磁石8に電気的に接続される。
これにより、一対のサージ吸収ユニット3a,3bは、一対の電磁接触器1a,1bの電磁石8が発生するサージ電圧を吸収する。
補助接点ユニット4a,4bは、図1に示すように、補助回路端子25を備えた装置である。
図7に示すように、一方の補助接点ユニット4aは、本体ケース19内に接点部(不図示)を有しているとともに、本体ケース19の一側から同一方向に突出している3箇所のフック部20a,20b,20cを備えている。
2箇所のフック部20b,20cは本体ケース19に一体形成されたものであり、フック部20b,20cに対して離間している1箇所のフック部20aは、フック可動レバー21の押圧操作により2箇所のフック部20b、20cに近接する方向に移動可能な構造とされている。このフック部20aは、フック可動レバー21の押圧操作を解除すると、図示しないばね部材のばね付勢力により、2箇所のフック部20b、20cから離間する元の位置に戻る。
上記構成の電磁接触器によると、簡単な構成で2台の電磁接触器1a,1bに、1台の可逆ユニット2と、2台のサージ吸収ユニット3a,3bと、2台の補助接点ユニット4a,4bとを装着することができ、ユーザーの要望に合わせて誘導電動機の正逆運転制御する装置を提供することができる。
この場合、フック可動レバー21を押圧操作してフック部20aをフック部20b,20c側に近接させ、それらフック部20a,20b,20cを、電磁接触器1aの第1〜第3連結孔12,13,14に挿入し、表示片係合部22aを電磁接触器1aの動作表示片7a1に嵌め込む。そして、フック可動レバー21の押圧操作を解除して第1〜第3連結孔12,13,14にの開口周縁に係合することで、補助接点ユニット4aが電磁接触器1aに装着することができる。
したがって、本発明は、ユーザの種々の要望に合わせて付属ユニットを組み合わせた電磁接触器1a,1bを提供することができる。
次に、図12から図19を参照して電磁接触器1aの全体構成を説明する。なお、他方の電磁接触器1bも同一構成なので説明は省略する。
図12に示すように、電磁接触器1aの本体ケース6を構成する絶縁性を有する合成樹脂材で形成した上ケース6bには、接点をそれぞれ有する端子部10a〜10dが配置されているとともに、電磁石8のコイル端子部11を収納するコイル端子部収納室10eが設けられている。また、上ケース6bには、後述する可動接点支え7aを密閉状態で収納する消弧カバー6cと、接点をそれぞれ有する端子部10a〜10d及び電磁石のコイル端子部11を覆う端子カバー5とが装着されている。
可動接点支え7aは、可動接点支えベース7a2と、この可動接点支えベース7a2に被着結合される可動接点支えカバー7a3とを備え、可動接点支えベース7a2には、複数組の可動接点7a4が接触スプリング7a8と組み合わせて配置されている。また、上ケース6bに装着した接点をそれぞれ有する端子部10a〜10dには接点片10eが設けられており、これら接点片10eに設けた固定接点(不図示)が各可動接点7a4に対向している。
駆動レバー9は板状部材であり、図12に示すように、長手方向の一端を回動支点部9aとし、長手方向の他端側に可動コア連結部9bが形成され、長手方向の中央部に可動接点支え連結部9cが設けられているとともに、可動接点支え連結部9cより回動支点部9a側に寄った位置に一対の被支持部9dが形成されている。
連結穴8eは、図18に示すように可動コア8dを上面から見て、可動コア8dの一方の移動方向に設けた第1内面8e1が、可動コア8dの他方の移動方向に設けた第2内面8e2より内面幅(移動方向に直交する幅)が小さく、第1内面8e1から連続して第2内面8e2側に傾いた傾斜面8e3を設けた6角形状の穴として形成されている。
駆動レバー9の可動接点支え連結部9cは膨出部を設けており、図13に示すように、可動接点支え7aの一端側で上下に貫通するレバー連結穴7a5を通過する。ここで、レバー連結穴7a5は、図13の右側に、可動接点支え連結部9cに当接可能なレバー係合壁7a7を設けている。
駆動レバー9の回動支点部9aは、消弧カバー6cの下面に設けた支点凹部6c1に入り込んで回動自在に連結されている。そして、上ケース6bに消弧カバー6cを装着すると、支点凹部6c1は、駆動レバー9の回動支点部9aを保持するとともに、一対の被支持部9dを可動接点支え7aの上端面7a6に押し付ける。
ここで、可動接点支え7aのレバー連結穴7a5に連結する駆動レバー9の可動接点支え連結部9cは、図13に示すように、復帰ばね7bの作用線(軸線Pの延長線)上に位置している。
本実施形態の電磁接触器1は、電磁石8の励磁コイル8aが非励磁状態のときには、図13に示すように、固定コア8c及び可動コア8dの間に吸引力が作用せず、可動接点支え7aは、復帰ばね7bの付勢力によって図13の右方に位置している(以下、可動接点支え7aの初期位置)。このとき、可動接点支え7aのa接点の可動接点7a4は固定接点と離間し、b接点の可動接点7a4は固定接点と接触している。
ここで、過電流が流れることで動作位置に位置している可動接点支え7aのa接点の可動接点7a4と固定接点とが微溶着すると、復帰ばね7bの付勢力の作用により初期位置に向けて移動した可動接点支え7aが釈放途中で停止してしまう。
また、図19(b)で示したように、駆動レバー9の可動コア連結部9bは、先細の先端部9b1を備えているので、可動コア8dの連結穴8eに向けて可動コア連結部9bを挿入する動作を容易に行なうことができる。
さらに、図13で示したように、消弧カバー6cに形成した支点凹部6c1は、駆動レバー9の一端部である回動支点部9aを内部に抱え込んで支持しているので、簡便な構造で回動支点部9aを軸支することができる。
次に、隣接配置した2台の電磁接触器1a,1bへの可逆ユニット2の誤装着を防止する他の実施形態について図20から図29を参照して説明する。
図20から図22は、可逆ユニット2の誤装着を防止する第1実施形態の構造を示すものである。
図20に示すように、可逆ユニット2には、ユニット本体2a内部にロック機構を構成する一対のロックプレート2tが収納されており、一方のロックプレート2tに、表示片係合部2g1及び可逆ユニット動作表示片2g2が突出して形成されている。
この進入規制部28は、図22に示すように、可逆ユニット2の筒状の表示片係合部2g1が動作表示片7a1に嵌合可能な正規位置NPに位置しているときには、表示窓6c2への表示片係合部2g1の進入を許容し、図21に示すように、正規位置NPから外れた位置から表示片係合部2g1が表示窓6c2に進入しようとすると、表示片係合部2g1の先端に当接して表示窓6c2への進入を阻止する部材である。
これにより、本実施形態は、可動接点支え7aに形成した進入規制部28が、初期位置が保持されていない表示片係合部2h1,2g1を備えた可逆ユニット2に対して、正規位置NP以外の位置から表示片係合部2h1,2g1が表示窓6c2に進入しようとするのを阻止し、表示片係合部2h1,2g1が動作表示片7a1に正常に連結されない状態を確実に防止することができ、可逆ユニット2の誤装着が防止されることで、誘導電動機の正逆運転制御を安全性を高めて行なうことができる。
本実施形態は、図23に示すように、可動接点支え7aの表示窓6c2に対向する面に2箇所の凹部7e,7fが形成されている。これら凹部7e,7fは、動作表示片7a1の周囲に形成されている。
また、可逆ユニット2の表示片係合部2g1の下端には、一対の凸部2u1,2u2が形成されており、これら一対の凸部2u1,2u2は、図25に示すように、互いに平行に延在して形成されている。
また、他方の電磁接触器1bも、同様の動作で、可逆ユニット2のユニット窓2iから突出した表示片係合部2h1と動作表示片7a1との連結可能、或いは連結不可能な状態となる。
本実施形態は、図26に示すように、電磁接触器1aの表示窓6c2を形成している内壁に第1係合進入規制部29が突出して形成されている。この第1係合進入規制部29は、可逆ユニット2の表示片係合部2g1が動作表示片7a1に嵌合可能な正規位置NPから外れた位置の表示窓6c2の内壁のみに形成されている。
また、図示しないが、他方の電磁接触器1bの表示窓6c2にも第1係合進入規制部29が形成されているとともに、可逆ユニット2の表示片係合部2h1にも、第2係合進入規制部30が形成されている。
これにより、本実施形態も、表示窓6c2を形成している内壁に形成した第1係合進入規制部29及び表示片係合部2h1,2g1の下部から突出した第2係合進入規制部30が、初期位置が保持されていない表示片係合部2h1,2g1を備えた可逆ユニット2に対して、正規位置NP以外の位置から表示片係合部2h1,2g1が表示窓6c2に進入しようとするのを阻止し、表示片係合部2h1,2g1が動作表示片7a1に正常に連結されない状態を確実に防止することができ、可逆ユニット2の誤装着が防止されることで、誘導電動機の正逆運転制御を安全性を高めて行なうことができる。
次に、図12で示した電磁石8のコイル端子部11の具体的な構造について、図30から図33を参照して説明する。
電磁石8のコイル端子部11は、図30に示すように、コイル枠8bの一端側(可動コア8dを配置した側)に互いに離間して一体形成された一対のコイル端子台31と、これらコイル端子台31に圧入される端子32とで構成されている。
この際、図31に示すように、被圧入片32bののこぎり歯形状の係合歯32b1が、端子圧入部31bの一対の板状係合部31b1,31b2の内面に圧入しながら係合する。そして、端子部32aが矩形筒状部31aの上端に当接したときに、端子圧入部31bの段差部31b5に、被圧入片32bの狭幅部32fが対面する。
上記構成の電磁石8のコイル端子部11は、図32及び図33に示すように、上ケース6bに設けた一対の隔壁33,34の間のコイル端子部収納室10eに収納される。
コイル端子部収納室10eに収納されたコイル端子部11は、一対の隔壁33,34の内壁に形成した抜け止め段差部35が、端子32の端子部32aの上面に当接する。
これにより、端子32は、端子部32aと、巻線からげ部32eと、被圧入片32b,21bとを一体化した構造としているので、部品点数の増大を防止することができる。
また、端子32は、被圧入片32bが端子圧入部31b内に圧入されながら装着されていくが、被圧入片20bの係合歯20b1が、端子圧入部31bの一対の板状係合部31b1,31b2の内面に圧入しながら係合するので、端子32を、端子圧入部31bに強固に圧入することができる。
また、上ケース6bのコイル端子部収納室10eに電磁石8のコイル端子部11を収納すると、一対の隔壁33,34の内壁に形成した抜け止め段差部35が、端子32の端子部32aの上面に当接するので、コイル端子32の抜けを確実に防止することができ、信頼性の高い電磁接触器1を提供することができる。
次に、図12で示した接点をそれぞれ有する端子部10a〜10dの具体的な構造について、図34から図39を参照して説明する。
図34に示すように、2箇所の端子部10a,10bは、上ケース6bの上部に並列に形成した端子室36に固定接触子37が装着されている。
各端子室36は、上ケース6bに互いに平行に離間配置した複数の隔壁33と、各隔壁33,33の間に配置されて可動接点支え7aを配置した消弧室Sを仕切る仕切り壁38とで形成されている。
圧入空間39は、図34及び図35に示すように、隔壁33、端子室36を形成する底面から立ち上がる圧入隔壁41a、仕切り壁38及び前面壁(仕切り壁38に対面している壁)42とで囲まれた上部に開口する袋状の空間である。この圧入空間39を形成している隔壁33及び前面壁42は、下部の壁間隔が狭く、且つ、上部の壁間隔が広く設定され、図35に示すように、壁間隔が異なる部位に段差面43a,43bが形成されている。
端子室36に装着される固定接触子37は、図36に示すように、雌ねじ穴を形成した平面視四角形状の端子ねじ37aと、この端子ねじ37aの一側から折り曲げ形成された被圧入片37bと、端子ねじ37aの他側から被圧入片37bと同一方向に折り曲げ形成された折曲片37cと、折曲片37cの一端に形成した固定接点37dとを備えている。
端子ねじ37aの上面には、径方向に突出する配線抜け止め条37fが形成されている。
また、被圧入片37bは、一対の連結杆37b1,37b2から板幅寸法を急激に小さくした狭幅部37gが設けられており、この狭幅部37gから端部に向かう板幅方向の縁部にのこぎり歯形状の係合歯37hが形成されている。
そして、図37に示すように、この固定接触子31の端子ねじ37aに、座金44付きねじ45が螺合している。ここで、座金44には、端子ねじ37aの配線抜け止め条37fに入り込む凹条44aが形成されている。
被圧入片37bは、図35に示すように、のこぎり歯形状の係合歯37hが、隔壁33及び前面壁42の内面に圧入しながら係合する。この際、被圧入片37bの狭幅部37gが、圧入空間39に形成した段差面43a,43bに対面する。
さらに、図34に示すように、上ケース6bに消弧カバー6cを装着すると、消弧カバー6cに設けた固定接触子押圧部46が、端子室36に装着した固定接触子37の端子ねじ37aに上面から当接するようになっている。
また、上ケース6bに消弧カバー6cを装着すると、消弧カバー6cに設けた固定接触子押圧部46が、固定接触子37の端子ねじ37aに上面から当接するので、固定接触子37の抜け止めをさらに確実に行なうことができる。
さらに、固定接触子37の端子ねじ37aには、配線抜け止め条37fが形成されているので、端子ねじ37aにねじ45を螺合して外部配線を接続する際に、外部配線を座金44と挟み込むことで確実に配線でき、外部配線の接続作業を容易に行なうことができる。
本実施形態の固定接触子47は、平面視四角形状の端子ねじ47aと、この端子ねじ47aの一側から折り曲げ形成された被圧入片47bと、被圧入片47bを形成した位置に対して90°ずれた端子ねじ47aの他側から被圧入片47bと同一方向に折り曲げ形成された折曲片47cと、折曲片47cの一端に形成した固定接点47dとを備えている。被圧入片47bの板幅方向の縁部には、のこぎり歯形状の係合歯47hが形成されている。
本実施形態の固定接触子47は、被圧入片47b及び折曲片47cを、端子室36の圧入空間50及び固定接点挿入空間51に挿入していく。
また、折曲片47cを固定接点挿入空間51に挿入すると、折曲片47cの一端側がスリット38aに嵌まり込み、折曲片47cの一端に形成した固定接点47dが消弧室Sに位置し、接点部7の複数の可動接点7cの移動方向に対向して配置される。
次に、図12で示した電磁接触器1aの上ケース6bに装着されている消弧カバー6cの具体的な構造について、図40から図50を参照して説明する。なお、電磁接触器1bの消弧カバー6cも同一構成なので説明は省略する。
消弧カバー6cは、図40及び図41に示すように、電磁接触器1aの取付け姿勢において正面側となる矩形状のカバー本体60と、このカバー本体60の長辺側縁部から互いに対向して形成された一対の長辺壁部61と、カバー本体60の短辺側縁部から互いに対向して形成された一対の短辺壁部62,63と、各短辺壁部62,63の長辺壁部61に近接する両端側にそれぞれ形成された一対の係合脚部64と、各係合脚部64の先端に形成されたフック部65と、各長辺壁部61の一方の短辺壁部62に近接する位置から突出して形成された一対のボス軸66とを備えている。
また、図43及び図44に示すように、上ケース6bの一対のケース外壁33a,33bには、消弧カバー6cの一対の短辺壁部62,63側にそれぞれ一対ずつ形成した一対の係合脚部64のフック部65に係合する係合穴69が形成されている。
ここで、本実施形態の消弧カバー6cは、一方の短辺壁部62側が、一対の係合脚部64のフック部65及び一方のケース外壁33aの係合穴69が係合し、且つ、一対のボス軸66が仕切り壁38に形成した一対のボス穴69に嵌合しており、他方の短辺壁部63側が、一対の係合脚部64のフック部65及び他方のケース外壁33bの係合穴69の係合のみのとしているので、他方の短辺壁部63側の上ケース6bに対する係止力が、一方の短辺壁部62側の上ケース6bに対する係止力より弱い構造となっている。
したがって、他方の短辺壁部63側が浮き上がると、他方の短辺壁部63の下端面と他方のケース外壁33bの上端面との間に隙間70が形成され、この隙間70がガス抜き穴となって消弧室S内のアークガスが外部に放出され、消弧室Sの内圧が減少して消弧カバー6cの吹き飛びが防止される。
また、本実施形態の消弧カバー6cは、上ケース6bに対して係止力が強い部位及び弱い部位を設けて上ケース6bに装着されており、アークガスにより消弧室Sの内圧が過大に上昇する際には、係止力が弱い部位の係合状態を先に外すことでガス抜き穴となる隙間70を形成し、消弧室Sの内圧を減少させることで消弧カバー6cの吹き飛びを確実に防止することができる。
一方、図46から図50は、他の実施形態の上ケース6bに装着される消弧カバー6cの構造を示すものである。
本実施形態の消弧カバー6cを構成する一対の短辺壁部62,63には、図46及び図48に示すように、長辺壁部61に近接する両端側にそれぞれ一対のフック部65が形成されているとともに、図47及び図49に示すように、一対のフック部65の間に、一対の係合穴67が形成されている。
本実施形態の消弧カバー6cは、一方の短辺壁部62側が、フック部65及び一方のケース外壁33aの係合穴69が係合し、且つ、係合穴67及び一方のケース外壁33aの第1ケース側フック部71が係合しており、他方の短辺壁部63側が、フック部65及び他方のケース外壁33bの係合穴69が係合しているが、第2ケース側フック部72が係合穴67との間に隙間を設けて配置されているだけなので、他方の短辺壁部63側の上ケース4に対する係止力が、一方の短辺壁部62側の上ケース4に対する係止力より弱い構造となっている。
他方の短辺壁部63が浮き上がると、他方のケース外壁33bの第2ケース側フック部72との間に隙間を設けていた係合穴67が、第2ケース側フック部72に係合するので、他方の短辺壁部63の下端面と他方のケース外壁33bの上端面との間に隙間73が形成され、この隙間73がガス抜き穴となって消弧室S内のアークガスが外部に放出され、消弧室Sの内圧が減少して消弧カバー6cの吹き飛びが防止される。
また、本実施形態の消弧カバー6cは、上ケース6bに対して係止力が強い部位及び弱い部位を設けて上ケース6bに装着されており、アークガスにより消弧室Sの内圧が過大に上昇する際には、係止力が弱い部位の係合状態を先に外すことでガス抜き穴となる隙間73を形成し、消弧室Sの内圧を減少させることで消弧カバー6cの吹き飛びを確実に防止することができる。
ここで、上述した実施形態では、例えば図12に示したように、交流操作形の電磁石8を収納した電磁接触器1a,1bを説明したが、図51から図66に示すように、直流操作型の有極電磁石80を収納した電磁接触器1a,1bであってもよい。
有極電磁石80は、図51及び図53に示すように、電磁石を構成する励磁コイル110を巻装したスプール111を有する。このスプール111は、図54〜図57に示すように、円筒部112と、この円筒部112の両端に一体に形成された左右鍔部113及び114とで構成されている。左鍔部113は、励磁コイル110の端部を規制する方形のコイル押え板部113aと、このコイル押え板部113aの外側に各辺の中央部位置で連結された方形枠状のアーマチュア収納部113bとで構成されている。このコイル押え板部113aの外側面には、図56に示すように、円筒部112に対応する位置決め用突起としての円環状突起113cと、この円環状突起113cから外方に延長する格子状突起113dとが突出形成されている。ここで、格子状突起113dによって区画された4隅に後述する内側ヨーク122の第2の対向板部122d及び122eを挿通保持するヨーク保持部113eが形成されている。
そして、スプール111の円筒部112と左右鍔部113及び114のコイル押え板部113a及び114aとの間に図52及び図60に示すように励磁コイル110が巻装されている。
さらに、外側ヨーク121の平板部121dと内側ヨーク122の第1の対向板部122aとの間に永久磁石124が配設されている。
各主回路端子部133のそれぞれには、図63に示すように、主回路端子133a〜133dを有し、主回路端子133a及び133bには、それぞれ内側右端側から内方に可動接点収納部132内に突出する接点片133eを有し、この接点片133eの先端右側面に固定接点TNOが形成されている。また、主回路端子133c及び133dには、それぞれ内側右端から内方に可動接点収納部132内に突出する接点片133fを有し、この接点片133fの先端左側面に固定接点TNCが形成されている。
今、コイル端子部114d及び114eに通電されていない状態では、励磁コイル110が非励磁状態となって、プランジャ115を駆動する駆動力は発生されない。しかしながら、接点部7は、復帰ばね141によって可動接点支え137が右方に付勢されているので、可動接点支え137がその可動接点138c及び138dが固定接点TNCに接触し、さらに接点ばね140を圧縮する。このとき、復帰ばね141は、可動接点支え137が右動し、接点ばね140を圧縮して可動接点138c及び138dが固定接点TNCに所定圧で接触する状態となる開極位置の近傍で復帰ばね141が自由長となるように設定されている。このため、復帰ばね141によって可動接点支え137が右動し、可動接点138c及び138dが固定接点TNCに接触して2つの接点ばね140が圧縮される前までは、可動接点支え137が復帰ばね141のばね荷重によってスムーズに右動される。ところが、図65に示すように、開極位置に達する直前で、復帰ばね141のばね荷重が2つの接点ばね140の破線で示すばね荷重と一致することになり、これ以上の接点ばね140の圧縮を行うことはできなくなる。
また、上記実施形態においては、可動接点部135をそれぞれ2つの開接点及び閉接点を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、3相4線式のR相、S相、T相及びN相用の接点構成や他の任意の接点構成とすることができる。
さらに、本発明で採用している電磁接触器1aを、配電盤などの盤内に敷設したレールに取付ける構造について、図69から図73を参照して説明する。なお、電磁接触器1bをレールに取付ける際にも同一構成なので説明は省略する。
図69の符号75は、配電盤などの盤内に敷設したレールであり、電磁接触器1aが係合する上下一対の係合縁75a,75bが互いに平行に延在している。
図70に示すように、電磁接触器1aの下ケース6aの底面6a1には、第1係合部76a,76b、第2係合部76c,76d、線バネ77及びバネ保持部78が設けられている。
一対の線バネ挟持部78a,78bは、第1係合部76a,76bの間の上端側壁部から底面6a1の下端に向けて庇状に突き出て形成されており、これら一対の線バネ挟持部78a,78bの隙間に、線バネ77の被係止部77cに近接する一対の押圧バネ部77a,77bが挟み込んで保持される。
線バネ横ずれ防止部78dは、一対の線バネ挟持部78a,78bの間の上端側壁部から底面6a1に対して直交する方向に凸条に突出した部材であり、一対の線バネ挟持部78a,78bに挟持された線バネ77の被係止部77cの内側に当接する。
図70に示すように、線バネ77をバネ保持部78に向けて矢印方向にスライドさせていくと、被係止部77cが線バネ保持ボス78cを乗り越え、一対の線バネ挟持部78a,78bが被係止部77cに近接する一対の押圧バネ部77a,77bを挟み込んで保持する。そして、一対の押圧バネ部77a,77bは、多少撓んだ状態で第1係合部76a,76bの間の底面6a1に沿って配置され、線バネ77の組み付け作業が完了する。
また、線バネ77の長手方向に外力が作用しても、線バネ横ずれ防止部78dが線バネ77の被係止部77cの内側に当接しているので、線バネ77の長手方向の移動が拘束される。
先ず、図71に示すように、第1係合部76,76bをレール75の上部係合縁75aに引っ掛け、電磁接触器1aに下方荷重を加えることで、上部係合縁75aに当接した一対の押圧バネ部77a,77bが上り傾斜(山の傾斜角度)が緩やかになる形状にして線バネ77を弾性変形させる。次いで、第3係合突起76c,76dを、レール75の下部係合縁75bの下方に押し付ける。
そして、図73に示すように、電磁接触器1aは、第1係合部76a,76bがレール75の上部係合縁75aに嵌まり込み、第2係合部76c,76dがレール75の下部係合縁75bに嵌まり込み、線バネ77の一対の押圧バネ部77a,77bがレール75の上部係合縁75aにバネ付勢力を作用し、第2係合部76c,76dがレール75の下部係合縁75bの端面を押圧した状態で、電磁接触器1aがレール75に装着される。
また、線バネ77は、被係止部77cに近接する一対の押圧バネ部77a,77bが、一対の線バネ挟持部78a,78bに挟持されているので、一対の押圧バネ部77a,77bが上り傾斜(山の傾斜角度)が緩やかになる形状に容易に弾性変形することができる。
さらに、線バネ77の両端(端部77a1,77b1)は、第1係合部76a,76bより内側に位置しており、上り傾斜が緩やかになるように一対の押圧バネ部77a、77bが弾性変形しても、端部77a1,77b1が第1係合部76a,76bに接触しないので、線バネ77の変形時のスペースを十分に確保することができる。
Claims (5)
- 本体ケース内に、可動接点支えと、コイルを励磁することで前記可動接点支えを移動させる電磁石と、種類が異なる一種類以上の付属ユニットを同時に装着することができるケース側装着部と、前記可動接点支えに一体形成され、前記ケース側装着部に設けた表示窓から外部に露出している動作表示片とを配置した電磁接触器において、
2台の前記電磁接触器を隣接配置し、これら前記電磁接触器のケース側装着部に、前記付属ユニットとして前記2台の電磁接触器の同時投入を禁止する可逆ユニットのユニット側装着部を着脱自在に装着して前記2台の電磁接触器を連結したことを特徴とする電磁接触器。 - 前記可逆ユニットに設けたユニット間装着部に、前記付属ユニットとして補助回路端子を設けた1台又は2台の補助接点ユニットのユニット側装着部を着脱自在に装着し、
前記電磁接触器のケース側装着部に、前記付属ユニットとして前記電磁石で発生するサージ電圧を吸収する1台又は2台のサージ吸収ユニットのユニット側装着部を着脱自在に装着したことを特徴とする請求項1記載の電磁接触器。 - 前記可逆ユニットは、ユニットケース内に、前記電磁接触器の前記動作表示片に連結可能に設けられ、前記ユニットケースに設けた表示窓から外部に露出する可逆ユニット動作表示片を設けていることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁接触器。
- 前記補助接点ユニットは、ユニットケース内に、前記可逆ユニットの前記可逆ユニット動作表示片と連結可能に設けられ、前記ユニットケースに設けた表示窓から外部に露出する補助接点ユニット動作表示片を設けていることを特徴とする請求項3記載の電磁接触器。
- 前記サージ吸収ユニットは、前記可逆ユニットを跨いで前記電磁接触器に着脱自在に装着することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の電磁接触器。
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