JP2012194321A - 液晶装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線硬化型のシール材を用いて素子基板と対向基板とを貼り合わせる場合でも、シール材からの未硬化成分の液晶層への侵入、および素子基板と対向基板との間の位置ずれの双方を解消することのできる液晶装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】液晶装置において、素子基板10と対向基板20とを紫外線硬化型のシール材107を用いて貼り合わせる際、シール材107を赤外線IRで加熱した後、紫外線照射を行う。従って、シール材107では、シール材107の温度が高い状態で紫外線UVによる硬化が進むので、シール材107の重合反応が完結する。また、シール材107を加熱するにあたって、シール材107に対して選択的に赤外線IRを照射するので、シール材107を十分加熱した場合でも、素子基板10の温度上昇を最小限に止めることができる。
【選択図】図3
【解決手段】液晶装置において、素子基板10と対向基板20とを紫外線硬化型のシール材107を用いて貼り合わせる際、シール材107を赤外線IRで加熱した後、紫外線照射を行う。従って、シール材107では、シール材107の温度が高い状態で紫外線UVによる硬化が進むので、シール材107の重合反応が完結する。また、シール材107を加熱するにあたって、シール材107に対して選択的に赤外線IRを照射するので、シール材107を十分加熱した場合でも、素子基板10の温度上昇を最小限に止めることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、素子基板と対向基板とがシール材により貼り合わされた液晶装置の製造方法に関するものである。
液晶装置の製造工程では、画素トランジスター、画素電極および配向膜等が形成された素子基板と、共通電極および配向膜等が形成された対向基板とがシール材によって貼り合わされたパネル構造を有しており、素子基板と対向基板との間のうち、シール材によって囲まれた領域内に液晶層が保持されている。かかる液晶装置を製造するにあたっては、素子基板および対向基板のうちの少なくとも一方の基板に熱硬化型あるいは紫外線硬化型のシール材を塗布した後、シール材を挟んで素子基板と対向基板とを重ね合わせてパネルを構成し、しかる後に、シール材を硬化させる方法が採用されている。その際、シール材として紫外線硬化型のシール材を用いると、未硬化成分が液晶層に侵入し、表示にシミ等を発生させるという問題が発生しやすい。そこで、シール材を硬化させる際、パネルを加熱ステージ上に載置し、シール材を加熱しながらシール材に紫外線を照射することによって、重合反応を完結させることを検討している。
一方、上記の目的とは相違するが、基板に塗布されたシール材を加熱する技術として赤外線を照射することが提案されている(特許文献1〜3参照)。かかる特許文献1〜3のうち、特許文献1には、一対の基板を重ねて配置させた後、赤外線を照射し、その後、赤外線を照射しながら紫外線を照射する旨が記載されている。また、特許文献2では、シール材を仮硬化させることを目的に赤外線を照射し、その後、一対の基板を重ねて紫外線を照射する旨が記載されている。また、特許文献3には、シール材を脱泡させるために赤外線を照射し、その後、一対の基板を重ねて紫外線を照射する旨が記載されている。
しかしながら、パネルを加熱ステージ上に載置して紫外線を照射する方法では、シール材が硬化する前に素子基板や対向基板が加熱されるので、素子基板や対向基板の熱膨張の影響で素子基板と対向基板との間に位置ずれが発生するという問題点がある。また、特許文献1に記載の方法のように、シール材が硬化する前にパネルに赤外線を照射する方法でも、シール材が硬化する前に素子基板や対向基板が加熱される結果、素子基板や対向基板の熱膨張の影響で素子基板と対向基板との間に位置ずれが発生するという問題点がある。また、特許文献2、3に記載の方法のように、素子基板と対向基板とを貼り合わせる前の状態で赤外線を照射する方法では、赤外線の照射によって一方の基板が加熱されて膨張した状態にあるので、一対の基板を重ね合わせた以降、加熱された基板が冷えると、素子基板と対向基板との間に位置ずれが発生するという問題点がある。
従って、液晶装置において紫外線硬化型のシール材を用いて素子基板と対向基板とを貼り合わせる場合、液晶層へのシール材の未硬化成分の侵入と、素子基板と対向基板との間の位置ずれとは、一方を解消すれば他方が発生するという二律背反の関係にある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、紫外線硬化型のシール材を用いて素子基板と対向基板とを貼り合わせる場合でも、シール材からの未硬化成分の液晶層への侵入、および素子基板と対向基板との間の位置ずれの双方を解消することのできる液晶装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶装置の製造方法は、配向膜が形成された素子基板、および配向膜が形成された対向基板のうちの少なくとも一方に紫外線硬化型のシール材を塗布するシール材塗布工程と、前記シール材を挟んで前記素子基板と前記対向基板とを重ねる重ね合わせ工程と、前記シール材に紫外線を照射して当該シール材を硬化させる紫外線照射工程と、前記シール材塗布工程の後、前記紫外線照射工程が完了する前に、前記シール材に対して選択的に赤外線を照射する赤外線選択照射工程と、を行うことを特徴とする。なお、本発明における「紫外線硬化型のシール材」とは、シール材が紫外線硬化性を備えていればよいことを意味しており、シール材が、紫外線硬化性のみを備えている場合の他、紫外線硬化性および熱硬化性の双方を備えていてもよい。
本発明においては、素子基板と対向基板とを紫外線硬化型のシール材を用いて貼り合わせる際、シール材を赤外線で加熱した後、紫外線照射による硬化を行う。従って、シール材の温度が高い状態で紫外線によるシール材の硬化が進行するので、シール材の重合反応が完結する。このため、硬化後のシール材から未硬化成分が液晶層中に侵入することを防止することができる。また、本発明では、シール材を加熱するにあたって、シール材に対して選択的に赤外線を照射するので、シール材を十分加熱した場合でも、基板の温度上昇を最小限に止めることができる。従って、基板の熱膨張に起因する素子基板と対向基板との間の位置ずれを防止することができる。それ故、本発明によれば、紫外線硬化型のシール材を用いて素子基板と対向基板とを貼り合わせる場合でも、シール材からの未硬化成分の液晶層への侵入、および素子基板と対向基板との間の位置ずれの双方を解消することができる。
本発明は、前記シール材が、カチオン重合性を備えている場合に適用すると特に効果的である。カチオン重合性を備えたシール材の場合は特に、重合率の温度依存性が大きいことから、加熱を行うことの効果が顕著である。なお、本発明における「シール材が、カチオン重合性を備えている」とは、シール材が、少なくともカチオン重合性を備えていればよいことを意味しており、シール材が、カチオン重合性のみを備えている場合の他、カチオン重合性およびラジカル重合性の双方を備えていてもよい。
本発明において、前記素子基板および前記対向基板に形成された前記配向膜は、無機配向膜である構成を採用することができる。シール材としてカチオン重合性を備えたシール材を用いれば、シール材を通しての水分透過を防止することができる。それ故、水分によって劣化しやすい無機配向膜を用いることができる。
本発明において、前記赤外線選択照射工程では、前記シール材と重なる部分に赤外線透過領域を備えたマスクを介して前記シール材に赤外線を照射することにより、当該シール材に赤外線を選択的に照射することが好ましい。かかる構成によれば、比較的簡素な構成でシール材に赤外線を選択的に照射することができる。
本発明において、前記赤外線選択照射工程では、ビーム幅あるいはビーム径を絞った赤外線ビームを前記シール材に照射することにより、当該シール材に赤外線を選択的に照射してもよい。かかる構成によれば、液晶装置の種類によってシール材の位置等が相違している場合でも容易に対応することができる。
本発明においては、前記赤外線選択照射工程を、前記シール材塗布工程の後、前記重ね合わせ工程の前に行うことが好ましい。かかる構成によれば、シール材に直接、赤外線を照射することができる。
本発明においては、前記赤外線選択照射工程を、前記重ね合わせ工程の後、前記紫外線照射工程の前に行ってもよい。
本発明においては、前記赤外線選択照射工程と前記紫外線照射工程とを同時に行うこともできる。かかる構成によれば、赤外線を照射する期間やそのための段取り期間を別途、設けなくてもよいので、貼り合わせに要する時間を短縮することができる。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
[実施の形態1]
(液晶装置の全体構成)
図1は、本発明が適用される液晶装置に用いた液晶パネルの説明図であり、図1(a)、(b)は各々、液晶パネルを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
(液晶装置の全体構成)
図1は、本発明が適用される液晶装置に用いた液晶パネルの説明図であり、図1(a)、(b)は各々、液晶パネルを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
図1(a)、(b)に示すように、液晶装置100は、素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされた液晶パネル3を有している。液晶パネル3において、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられており、素子基板10と対向基板20との間においてシール材107により囲まれた領域内に液晶層50が保持されている。
本形態において、シール材107は紫外線硬化樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。本形態では、シール材107として、紫外線硬化樹脂のうち、カチオン重合性を備えたエポキシ系樹脂が用いられている。かかるシール材107は、幅寸法が約0.05〜2.00mmであり、厚さは10μm程度である。なお、シール材107には途切れ部分107aがあり、かかる途切れ部分107aは、液晶の注入に用いられた後、封止材103により封止されている。
液晶パネル3の略中央には、画素領域1a(画像表示領域)が四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、シール材107の内周縁と画素領域1aの外周縁との間には、略四角形の周辺領域1bが額縁状に設けられている。素子基板10の一方側の基板面において、画素領域1aには、データ線、走査線、画素トランジスター(いずれも図示せず)や、画素電極9aがマトリクス状に形成されており、かかる画素電極9aの上層側には配向膜16(素子基板側配向膜)が形成されている。配向膜26は、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜26は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al2O3、In2O3、Sb2O3、Ta2O5等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜である。
素子基板10は、対向基板20の端部から一方側(Y方向)に張り出した張出領域105を備えており、かかる張出領域105には、素子基板10の端部に沿って複数の端子102が形成されている。素子基板10において張出領域105が位置する側には、データ線駆動回路101が形成されている。また、素子基板10において、他の端部に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
対向基板20において素子基板10と対向する一方面側には共通電極21が形成されており、共通電極21の上層には配向膜26(対向基板側配向膜)が形成されている。配向膜26は、配向膜16と同様、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜26は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al2O3、In2O3、Sb2O3、Ta2O5等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜である。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を垂直配向させ、液晶パネル3は、ノーマリブラックのVA(Vertical Alignment)モードとして動作する。
共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素に跨って形成されている。また、対向基板20において素子基板10と対向する一方面側には、共通電極21の下層側に遮光層108が形成されている。本形態において、遮光層108は、画素領域1aの外周縁に沿って延在する額縁状に形成されており、見切りとして機能する。ここで、遮光層108の外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にあり、遮光層108とシール材107とは重なっていない。なお、対向基板20において、遮光層108は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた領域と重なる部分等にも形成されることがある。
このように構成した液晶パネル3において、素子基板10には、シール材107より外側において対向基板20の角部分と重なる位置に、素子基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通用電極109が形成されている。かかる基板間導通用電極109には、導電粒子を含んだ基板間導通材109aが配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通材109aおよび基板間導通用電極109を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。
かかる構成の液晶装置100において、画素電極9aおよび共通電極21をITO(Indium Tin Oxide)膜等の透光性導電膜により形成すると、透過型の液晶装置を構成することができる。これに対して、共通電極21をITO膜等の透光性導電膜により形成し、画素電極9aをアルミニウム膜等の反射性電極として構成すると、反射型の液晶装置を構成することができる。液晶装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20には、カラーフィルター(図示せず)や保護膜が形成される。また、液晶装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル3に対して所定の向きに配置される。さらに、液晶装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各液晶装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
(液晶装置100の製造方法)
図2は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の製造工程を示す説明図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の製造工程のうち、貼り合わせ工程を示す説明図である。なお、本形態の液晶装置100を製造するにあたっては、素子基板10を多数取りできる大型の素子基板、および対向基板20を多数取りできる大型の対向基板を用いて途中までを行い、大型の素子基板と大型の対向基板とを貼り合わせた後、単品サイズに切断する方法が採用される。また、本形態の液晶装置100を製造するにあたっては、素子基板10を多数取りできる大型の素子基板を用いる一方、対向基板20について単品サイズの基板を用い、その後、大型の素子基板を単品サイズに切断する方法が採用される場合もある。但し、本発明は上記のいずれの方法にも適用できることから、大型の素子基板であるか単品サイズの素子基板であるかにかかわらず、素子基板10として説明し、大型の対向基板であるか単品サイズの対向基板であるかにかかわらず、対向基板20として説明する。なお、図3には、単品サイズの基板1枚分を示してある。
図2は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の製造工程を示す説明図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の製造工程のうち、貼り合わせ工程を示す説明図である。なお、本形態の液晶装置100を製造するにあたっては、素子基板10を多数取りできる大型の素子基板、および対向基板20を多数取りできる大型の対向基板を用いて途中までを行い、大型の素子基板と大型の対向基板とを貼り合わせた後、単品サイズに切断する方法が採用される。また、本形態の液晶装置100を製造するにあたっては、素子基板10を多数取りできる大型の素子基板を用いる一方、対向基板20について単品サイズの基板を用い、その後、大型の素子基板を単品サイズに切断する方法が採用される場合もある。但し、本発明は上記のいずれの方法にも適用できることから、大型の素子基板であるか単品サイズの素子基板であるかにかかわらず、素子基板10として説明し、大型の対向基板であるか単品サイズの対向基板であるかにかかわらず、対向基板20として説明する。なお、図3には、単品サイズの基板1枚分を示してある。
本形態の液晶装置100の製造方法では、図2に示すように、素子基板10に対して画素電極9a等の形成工程S1を行った後、斜方蒸着法によりシリコン酸化膜等の無機材料からなる配向膜16を形成する配向膜形成工程S2を行う。なお、配向膜16をポリイミド膜により形成した場合、配向膜形成工程S2の後、ラビング工程を行う。
一方、対向基板20に対しては、共通電極21等の形成工程S11を行った後、斜方蒸着法によりシリコン酸化膜等の無機材料からなる配向膜26を形成する配向膜形成工程S12を行う。なお、配向膜26をポリイミド膜により形成した場合、配向膜形成工程S12の後、ラビング工程を行う。
次に、素子基板10と対向基板20とをシール材107によって貼り合わせる貼り合わせ工程S20を行い、その後、素子基板10と対向基板20との間のうち、シール材107で囲まれた領域内に液晶を注入し、液晶層50を形成する液晶封入工程S30を行う。かかる貼り合わせ工程S20では、図2および図3を参照して以下に説明するように、素子基板10および対向基板20のうちの少なくとも一方にシール材107を塗布した後、シール材107を挟んで素子基板10と対向基板20とを重ね合わせ、しかる後に、シール材107を硬化させる。
より具体的には、まず、図3(a)に示すシール材塗布工程S21において、素子基板10に対して、未硬化のシール材107を塗布する。かかるシール材107の塗布は、ノズルからシール材107を吐出しながらノズルと素子基板10とを相対移動させて、図3(e)に示すように、シール材107を矩形枠状に描画する。シール材107は、幅寸法が約0.05〜2.00mmであり、厚さは10μm程度である。本形態では、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化樹脂を用いる。かかるカチオン重合性を備えた紫外線硬化樹脂としては、光カチオン重合開始剤と、カチオン重合開始剤の存在下でカチオン重合しうる重合性化合物とを含む組成物であれば、組成が限定されるものではない。カチオン重合性化合物としては、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基を有する公知慣用の化合物を用いることができ、本形態では、カチオン重合性を備えた紫外線硬化樹脂として、エポキシ系の紫外線硬化樹脂が用いられている。
次に、本形態では、図3(b)に示す赤外線選択照射工程S22において、素子基板10に塗布したシール材107全体に選択的に赤外線IRを照射し、シール材107を加熱する。本形態では、シール材107と重なる部分に赤外線透過領域151を備えたマスク150を介してシール材107に赤外線IRを照射することにより、シール材107のみに赤外線IRを選択的に照射し、素子基板10には赤外線IRを照射しない。かかる赤外線IRの照射時間は数秒間である。また、赤外線透過領域151の幅寸法は、シール材107の幅寸法と等しいか、シール材107の幅寸法より狭くなっている。ここで、赤外線IRの照射は、素子基板10においてシール材107が設けられている側とは反対側から素子基板10を介して行ってもよいが、本形態では、素子基板10においてシール材107が設けられている側からシール材107に直接、赤外線IRを照射する。
次に、図3(c)に示す重ね合わせ工程S23では、シール材107の温度が低下しないうちに、シール材107を挟んで素子基板10と対向基板20とを重ねる。その際、素子基板10および対向基板20の各々に設けたアライメントマーク(図示せず)を基準に素子基板10と対向基板20との位置を合わせる。
次に、図3(d)に示す紫外線照射工程S24では、シール材107の温度が低下しないうちに、シール材107に紫外線UVを照射してシール材107を硬化させる。かかる紫外線UVの照射時間は約10秒間である。紫外線UVは、シール材107に対して選択的に照射してもよいが、基板全面に照射してもよい。また、紫外線UVの照射は、素子基板10側あるいは対向基板20側のいずれの側から行ってもよいが、本形態では、対向基板20の側からシール材107に紫外線UVを照射する。
しかる後に、液晶封入工程S30において、シール材107の途切れ部分107aから液晶を真空注入した後、途切れ部分107aを封止材103により封止する(図1参照)。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態においては、素子基板10と対向基板20とを紫外線硬化型のシール材107を用いて貼り合わせる際、シール材107を赤外線IRで加熱した後、紫外線照射を行う。従って、シール材107では、シール材107の温度が高い状態で紫外線UVによる硬化が進むので、シール材107の重合反応が完結する。このため、硬化後のシール材107から未硬化成分が液晶層50中に侵入して画像にシミ等を発生させることを防止することができる。特に本形態では、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化型の樹脂(接着剤)を用い、かかるシール材107は、重合率の温度依存性が高いという傾向がある。しかるに本形態では、シール材107を赤外線IRで加熱した後、紫外線照射を行うため、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化型の樹脂を用いた場合でも、紫外線照射工程S24が完了した時点では、シール材107に光カチオン重合開始剤等の未硬化成分がほとんど残らない。それ故、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化型の樹脂を用いた場合でも、硬化後のシール材107から未硬化成分が液晶層50中に侵入して画像にシミ等を発生させるという事態が発生しない。
以上説明したように、本形態においては、素子基板10と対向基板20とを紫外線硬化型のシール材107を用いて貼り合わせる際、シール材107を赤外線IRで加熱した後、紫外線照射を行う。従って、シール材107では、シール材107の温度が高い状態で紫外線UVによる硬化が進むので、シール材107の重合反応が完結する。このため、硬化後のシール材107から未硬化成分が液晶層50中に侵入して画像にシミ等を発生させることを防止することができる。特に本形態では、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化型の樹脂(接着剤)を用い、かかるシール材107は、重合率の温度依存性が高いという傾向がある。しかるに本形態では、シール材107を赤外線IRで加熱した後、紫外線照射を行うため、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化型の樹脂を用いた場合でも、紫外線照射工程S24が完了した時点では、シール材107に光カチオン重合開始剤等の未硬化成分がほとんど残らない。それ故、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化型の樹脂を用いた場合でも、硬化後のシール材107から未硬化成分が液晶層50中に侵入して画像にシミ等を発生させるという事態が発生しない。
また、本形態では、シール材107を加熱するにあたって、シール材107に対して選択的に赤外線IRを照射するので、シール材107を十分加熱した場合でも、素子基板10の温度上昇を最小限に止めることができる。従って、シール材107を十分加熱した場合でも、素子基板10には熱膨張が発生しない。それ故、シール材107の温度が低下しないうちに素子基板10と対向基板20とを重ね合わせても、シール材107が硬化するまでの間に、素子基板10が収縮して素子基板10と対向基板20との間に位置ずれが起こるという事態が発生しない。
また、本形態では、シール材107に選択的に赤外線IRを照射するにあたって、シール材107と重なる部分に赤外線透過領域151を備えたマスク150を用いる。このため、比較的簡素な構成でシール材107に赤外線IRを選択的に照射することができる。
また、本形態では、重ね合わせ工程S23を行う前に赤外線選択照射工程S22を行うため、素子基板10においてシール材107が設けられている側からシール材107に直接、赤外線IRを照射することができる。それ故、短時間でシール材107を選択的に加熱することができる。
また、本形態では、シール材107としてカチオン重合性を備えた紫外線硬化樹脂を用いたため、シール材107を通しての水分透過を防止することができる。従って、配向膜16、26に、水分によって劣化しやすい無機配向膜を用いることができる。それ故、配向膜16、26としてポリイミドを用いた場合と違って、紫外線照射工程S24では、シール材107に選択的に紫外線UVを照射しなくても、配向膜16、26が紫外線UVによって劣化することがない。それ故、紫外線照射工程S24では、紫外線UVをパネル全体に照射してもよいので、作業性に優れている。また、配向膜16、26が無機配向膜であれば、液晶装置100を投射型表示装置等に用いた際の熱や光によって、配向膜16、26が劣化することがないので、液晶装置100の信頼性を向上することができる。
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2に係る液晶装置100の製造工程を示す説明図である。図5は、本発明の実施の形態2に係る液晶装置100の製造工程のうち、貼り合わせ工程を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図4は、本発明の実施の形態2に係る液晶装置100の製造工程を示す説明図である。図5は、本発明の実施の形態2に係る液晶装置100の製造工程のうち、貼り合わせ工程を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図4に示すように、本形態の液晶装置100の製造方法でも、実施の形態1と同様、配向膜形成工程S2、S12を行った後、素子基板10と対向基板20とをシール材107によって貼り合わせる貼り合わせ工程S20を行う。より具体的には、まず、図5(a)に示すシール材塗布工程S21において、素子基板10に対して、未硬化のシール材107を塗布する。かかるシール材107の塗布は、ノズルからシール材107を吐出しながらノズルと素子基板10とを相対移動させて、シール材107を矩形枠状に描画する。本形態では、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化樹脂を用いる。
次に、本形態では、図5(b)に示す重ね合わせ工程S23において、シール材107を挟んで素子基板10と対向基板20とを重ねる。その際、素子基板10および対向基板20の各々に設けたアライメントマーク(図示せず)を基準に素子基板10と対向基板20との位置を合わせる。その結果、図5(e)に示すように、素子基板10と対向基板20との間には、矩形枠状のシール材107が介在することになる。
次に、図5(c)に示す赤外線選択照射工程S25において、シール材107に選択的に赤外線IRを照射し、シール材107を加熱する。本形態では、シール材107と重なる部分に赤外線透過領域151を備えたマスク150を介してシール材107に赤外線IRを照射することにより、シール材107に赤外線IRを選択的に照射する。かかる赤外線IRの照射時間は数秒間である。また、赤外線透過領域151の幅寸法は、シール材107の幅寸法と等しいか、シール材107の幅寸法より狭くなっている。ここで、赤外線IRの照射は、素子基板10側あるいは対向基板20側のいずれの側から行ってもよいが、本形態では、対向基板20の側からシール材107に赤外線IRを照射する。
次に、図5(d)に示す紫外線照射工程S24では、シール材107の温度が低下しないうちに、シール材107に紫外線UVを照射してシール材107を硬化させる。かかる紫外線UVの照射時間は約10秒間である。また、紫外線UVは、シール材107に対して選択的に照射してもよいが、基板全面に照射してもよい。また、紫外線UVの照射は、素子基板10側あるいは対向基板20側のいずれの側から行ってもよいが、本形態では、対向基板20の側からシール材107に紫外線UVを照射する。
しかる後に、液晶封入工程S30において、シール材107の途切れ部分107aから液晶を真空注入した後、途切れ部分107aを封止材103により封止する(図1参照)。
以上説明したように、本形態においても、実施の形態1と同様、素子基板10と対向基板20とを紫外線硬化型のシール材107を用いて貼り合わせる際、シール材107を赤外線IRで加熱した後、紫外線照射を行う。従って、シール材107では、シール材107の温度が高い状態で紫外線UVによる硬化が進むので、シール材107の重合反応が完結する。このため、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化型の樹脂を用いた場合でも、紫外線照射工程S24が完了した時点では、シール材107に未硬化成分がほとんど残らない。それ故、硬化後のシール材107から未硬化成分が液晶層50中に侵入して画像にシミ等を発生させるという事態が発生しない。
また、本形態では、シール材107を加熱するにあたって、シール材107に対して選択的に赤外線IRを照射するので、シール材107を十分加熱した場合でも、素子基板10および対向基板20の温度上昇を最小限に止めることができる。従って、シール材107を十分加熱した場合でも、素子基板10および対向基板20には熱膨張が発生しない。それ故、素子基板10と対向基板20とを重ね合わせた状態で赤外線IRを照射しても、シール材107が硬化するまでの間に、素子基板10が収縮して素子基板10と対向基板20との間の位置ずれが起こるという事態が発生しない等、実施の形態1と略同様な効果を奏する。
[実施の形態3]
図6は、本発明の実施の形態3に係る液晶装置100の製造工程を示す説明図である。図7は、本発明の実施の形態3に係る液晶装置100の製造工程のうち、貼り合わせ工程を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1、2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態3に係る液晶装置100の製造工程を示す説明図である。図7は、本発明の実施の形態3に係る液晶装置100の製造工程のうち、貼り合わせ工程を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1、2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図6に示すように、本形態の液晶装置100の製造方法でも、実施の形態1と同様、配向膜形成工程S2、S12を行った後、素子基板10と対向基板20とをシール材107によって貼り合わせる貼り合わせ工程S20を行う。より具体的には、まず、図7(a)に示すシール材塗布工程S21において、素子基板10に対して、未硬化のシール材107を塗布する。かかるシール材107の塗布は、ノズルからシール材107を吐出しながらノズルと素子基板10とを相対移動させて、シール材107を矩形枠状に描画する。本形態では、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化樹脂を用いる。
次に、本形態では、図7(b)に示す重ね合わせ工程S23において、シール材107を挟んで素子基板10と対向基板20とを重ねる。その際、素子基板10および対向基板20の各々に設けたアライメントマーク(図示せず)を基準に素子基板10と対向基板20との位置を合わせる。その結果、図7(d)に示すように、素子基板10と対向基板20との間には、矩形枠状のシール材107が介在することになる。
次に、シール材107に選択的に赤外線IRを照射し、シール材107を加熱する赤外線選択照射工程と、シール材107に紫外線UVを照射し、シール材107を硬化させる紫外線照射工程とを行う。かかる工程を行うにあたって、本形態では、赤外線選択照射・紫外線照射工程S26において、赤外線選択照射工程と紫外線照射工程とを同時に行う。
より具体的には、図7(c)に示すように、シール材107と重なる部分に赤外線および紫外線の双方を透過させる赤外線透過領域151を備えたマスク150を介してシール材107に赤外線IRと紫外線UVを同時に照射する。ここで、赤外線透過領域151の幅寸法は、シール材107の幅寸法と等しいか、シール材107の幅寸法より狭くなっている。このため、シール材107には赤外線IRが選択的に照射されるとともに、シール材107には紫外線UVが選択的に照射される。
なお、シール材107を加熱するのに必要な赤外線IRの照射時間は数秒間であるのに対して、シール材107を硬化させるのに必要な紫外線UVの照射時間は約10秒間である。従って、図7(c)に示すように赤外線IRと紫外線UVとを同時に照射した後は、赤外線IRの照射を停止し、紫外線UVのみを照射すればよい。なお、紫外線UVのみを照射する際は、マスク150を設けたままでもよいし、マスク150を除去して行ってもよい。また、赤外線IRおよび紫外線UVの照射は、素子基板10側あるいは対向基板20側のいずれの側から行ってもよいが、本形態では、対向基板20の側からシール材107に赤外線IRおよび紫外線UVを照射する。
しかる後に、液晶封入工程S30において、シール材107の途切れ部分107aから液晶を真空注入した後、途切れ部分107aを封止材103により封止する(図1参照)。
以上説明したように、本形態においても、実施の形態1と同様、素子基板10と対向基板20とを紫外線硬化型のシール材107を用いて貼り合わせる際、シール材107を赤外線IRで加熱しながら、紫外線UVの照射を行い、その後、紫外線UVのみの照射を行う。従って、シール材107では、シール材107の温度が高い状態で紫外線UVによる硬化が進むので、シール材107の重合反応が完結する。このため、シール材107として、カチオン重合性を備えた紫外線硬化型の樹脂を用いた場合でも、紫外線UVの照射が完了した時点では、シール材107に未硬化成分がほとんど残らない。それ故、硬化後のシール材107から未硬化成分が液晶層50中に侵入して画像にシミ等を発生させるという事態が発生しない。
また、本形態では、シール材107を加熱するにあたって、シール材107に対して選択的に赤外線IRを照射するので、シール材107を十分加熱した場合でも、素子基板10および対向基板20の温度上昇を最小限に止めることができる。従って、シール材107を十分加熱した場合でも、素子基板10および対向基板20には熱膨張が発生しない。それ故、素子基板10と対向基板20とを重ね合わせた状態で赤外線IRを照射しても、シール材107が硬化するまでの間に、素子基板10が収縮して素子基板10と対向基板20との間の位置ずれが起こるという事態が発生しない等、実施の形態1と略同様な効果を奏する。
また、本形態においては、赤外線選択照射工程と紫外線照射工程とを同時に行うため、赤外線IRを照射する期間やそのための段取り期間を別途、設けなくてもよい。それ故、貼り合わせ工程S20に要する時間を短縮することができる。
[他の実施の形態]
図8は、本発明のその他の実施の形態に係る液晶装置100の製造方法を示す説明図である。実施の形態1〜3では、シール材107に選択的に赤外線IRを照射するにあたって、マスク150を用いたが、図8に示すように、ビーム幅あるいはビーム径を絞った赤外線ビームBIRをシール材107に照射することにより、シール材107に赤外線IRを選択的に照射してもよい。かかる構成によれば、液晶装置100の種類によってシール材107の位置等が相違している場合でも容易に対応することができる。
図8は、本発明のその他の実施の形態に係る液晶装置100の製造方法を示す説明図である。実施の形態1〜3では、シール材107に選択的に赤外線IRを照射するにあたって、マスク150を用いたが、図8に示すように、ビーム幅あるいはビーム径を絞った赤外線ビームBIRをシール材107に照射することにより、シール材107に赤外線IRを選択的に照射してもよい。かかる構成によれば、液晶装置100の種類によってシール材107の位置等が相違している場合でも容易に対応することができる。
なお、シール材塗布工程S21において、図1に示すシール材107を、途切れ部分107aを設けずに形成した後、シール材107で囲まれた領域内に液晶を滴下し、その後、貼り合わせ工程S20において、対向基板20を重ね、シール材107で貼り合わせることもある。かかる方法を採用した場合に本発明を適用してもよい。この場合、貼り合わせ工程S20と液晶封入工程S30とが同時に行われることになる。
[電子機器への搭載例]
上述した実施形態に係る液晶装置100を備えた電子機器について説明する。図9は、本発明を適用した液晶装置100を用いた投射型表示装置の概略構成図であり、図9(a)、(b)は各々、透過型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図、および反射型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図である。
上述した実施形態に係る液晶装置100を備えた電子機器について説明する。図9は、本発明を適用した液晶装置100を用いた投射型表示装置の概略構成図であり、図9(a)、(b)は各々、透過型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図、および反射型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図である。
(投射型表示装置の第1例)
図9(a)に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117(液晶装置100)と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119と、リレー系120とを備えている。
図9(a)に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117(液晶装置100)と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119と、リレー系120とを備えている。
光源112は、赤色光、緑色光及び青色光を含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光を透過させると共に緑色光及び青色光を反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光及び青色光のうち青色光を透過させると共に緑色光を反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光と緑色光と青色光とに分離する色分離光学系を構成する。
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121及び偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、液晶パネル115c及び第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光は、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル115cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光を変調し、変調した赤色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて射出する構成となっている。
なお、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。そして、液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、液晶パネル116c及び第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光は、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、液晶パネル116cは、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光を変調し、変調した緑色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて射出する構成となっている。
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。そして、液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、液晶パネル117c及び第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光は、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル117cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光を変調し、変調した青色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて射出する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a及び第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光の光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光をリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光を液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光を反射して緑色光を透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光を反射して緑色光を透過する膜である。したがって、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117のそれぞれで変調された赤色光と緑色光と青色光とを合成し、投射光学系118に向けて射出するように構成されている。
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を有効に合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光及び青色光をs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光をp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
(投射型表示装置の第2例)
図9(b)に示す投射型表示装置1000は、光源光を発生する光源部1021と、光源部1021から出射された光源光を赤、緑、青の3色に分離する色分離導光光学系1023と、色分離導光光学系1023から出射された各色の光源光によって照明される光変調部1025とを有している。また、投射型表示装置1000は、光変調部1025から出射された各色の像光を合成するクロスダイクロイックプリズム1027(合成光学系)と、クロスダイクロイックプリズム1027を経た像光をスクリーン(不図示)に投射するための投射光学系である投射光学系1029とを備えている。
図9(b)に示す投射型表示装置1000は、光源光を発生する光源部1021と、光源部1021から出射された光源光を赤、緑、青の3色に分離する色分離導光光学系1023と、色分離導光光学系1023から出射された各色の光源光によって照明される光変調部1025とを有している。また、投射型表示装置1000は、光変調部1025から出射された各色の像光を合成するクロスダイクロイックプリズム1027(合成光学系)と、クロスダイクロイックプリズム1027を経た像光をスクリーン(不図示)に投射するための投射光学系である投射光学系1029とを備えている。
かかる投射型表示装置1000において、光源部1021は、光源1021aと、一対のフライアイ光学系1021d、1021eと、偏光変換部材1021gと、重畳レンズ1021iとを備えている。本形態においては、光源部1021は、放物面からなるリフレクタ1021fを備えており、平行光を出射する。フライアイ光学系1021d、1021eは、システム光軸と直交する面内にマトリックス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって光源光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材1021gは、フライアイ光学系1021eから出射した光源光を、例えば図面に平行なp偏光成分のみに変換して光路下流側光学系に供給する。重畳レンズ1021iは、偏光変換部材1021gを経た光源光を全体として適宜収束させることにより、光変調部1025に設けた複数の液晶装置100を各々均一に重畳照明可能とする。
色分離導光光学系1023は、クロスダイクロイックミラー1023aと、ダイクロイックミラー1023bと、反射ミラー1023j、1023kとを備える。色分離導光光学系1023において、光源部1021からの略白色の光源光は、クロスダイクロイックミラー1023aに入射する。クロスダイクロイックミラー1023aを構成する一方の第1ダイクロイックミラー1031aで反射された赤色(R)の光は、反射ミラー1023jで反射されダイクロイックミラー1023bを透過して、入射側偏光板1037r、p偏光を透過させ、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032r、および光学補償板1039rを介して、p偏光のまま、赤色(R)用の液晶装置100に入射する。
また、第1ダイクロイックミラー1031aで反射された緑色(G)の光は、反射ミラー1023jで反射され、その後、ダイクロイックミラー1023bでも反射されて、入射側偏光板1037g、p偏光を透過させ、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032g、および光学補償板1039gを介して、p偏光のまま、緑色(G)用の液晶装置100に入射する。
これに対して、クロスダイクロイックミラー1023aを構成する他方の第2ダイクロイックミラー1031bで反射された青色(B)の光は、反射ミラー1023kで反射されて、入射側偏光板1037b、p偏光を透過させ、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032b、および光学補償板1039bを介して、p偏光のまま、青色(B)用の液晶装置100に入射する。
なお、光学補償板1039r、1039g、1039bは、液晶装置100への入射光および出射光の偏光状態を調整することで、液晶層の特性を光学的に補償している。
このように構成した投射型表示装置1000において、光学補償板1039r、1039g、1039bを経て入射した3色の光は各々、各液晶装置100において変調される。その際、液晶装置100から出射された変調光のうち、s偏光の成分光は、ワイヤーグリッド偏光板1032r、1032g、1032bで反射し、出射側偏光板1038r、1038g、1038bを介してクロスダイクロイックプリズム1027に入射する。クロスダイクロイックプリズム1027には、X字状に交差する第1誘電体多層膜1027aおよび第2誘電体多層膜1027bが形成されており、一方の第1誘電体多層膜1027aはR光を反射し、他方の第2誘電体多層膜1027bはB光を反射する。従って、3色の光は、クロスダイクロイックプリズム1027において合成され、投射光学系1029に出射される。そして、投射光学系1029は、クロスダイクロイックプリズム1027で合成されたカラーの像光を、所望の倍率でスクリーン(図示せず。)投射する。
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
(他の電子機器)
本発明を適用した液晶装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
本発明を適用した液晶装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
3・・液晶パネル、9a・・画素電極、10・・素子基板、16・・配向膜(素子基板側配向膜)、20・・対向基板、21・・共通電極、26・・配向膜(対向基板側配向膜)、50・・液晶層、100・・液晶装置、107・・シール材
Claims (8)
- 配向膜が形成された素子基板、および配向膜が形成された対向基板のうちの少なくとも一方に紫外線硬化型のシール材を塗布するシール材塗布工程と、
前記シール材を挟んで前記素子基板と前記対向基板とを重ねる重ね合わせ工程と、
前記シール材に紫外線を照射して当該シール材を硬化させる紫外線照射工程と、
前記シール材塗布工程の後、前記紫外線照射工程が完了する前に、前記シール材に対して選択的に赤外線を照射する赤外線選択照射工程と、
を行うことを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 前記シール材は、カチオン重合性を備えていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記素子基板および前記対向基板に形成された前記配向膜は、無機配向膜であることを特徴とする請求項2に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記赤外線選択照射工程では、前記シール材と重なる部分に赤外線透過領域を備えたマスクを介して前記シール材に赤外線を照射することにより、当該シール材に赤外線を選択的に照射することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記赤外線選択照射工程では、ビーム幅あるいはビーム径を絞った赤外線ビームを前記シール材に照射することにより、当該シール材に赤外線を選択的に照射することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記赤外線選択照射工程を、前記シール材塗布工程の後、前記重ね合わせ工程の前に行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記赤外線選択照射工程を、前記重ね合わせ工程の後、前記紫外線照射工程の前に行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記赤外線選択照射工程と前記紫外線照射工程とを同時に行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の液晶装置の製造方法。
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