JP2012194044A - レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーダAにおけるビーム走査領域内の各々の分解能セルを検定セルに設定し、検定セル毎に目標の運動仮説を生成する運動仮説生成部4と、運動仮説生成部4により生成された目標の運動仮説にしたがって各々の検定セルに対応するレーダBにおけるビーム走査領域内の分解能セルを特定する分解能セル特定部5と、分解能セル特定部5により特定された分解能セルを中心とする一定領域内の分解能セルの中で、信号検波部2により検波された信号の振幅値が最大の分解能セルを積分セルに決定する探索型積分セル決定部7とを設ける。
【選択図】図1
Description
しかし、レーダAとレーダBが同一の領域を観測しているとは限らないため、対応関係がある分解能セルを特定することは困難である。
また、検出対象の目標が移動する目標である場合、レーダAとレーダBが同じ領域を観測するとしても、レーダAとレーダBの観測時間にずれがあると、その時間ずれの間に目標が移動してしまうため、対応関係がある分解能セルを特定することが困難である。
このため、従来のレーダ装置では、対応関係がある分解能セルにおける信号同士を加算することができず、目標の信号電力が大きくすることができていなかった。
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置を示す構成図である。
図1では、配置位置が異なる2台のレーダA,Bを用いるレーダ装置の例を示しているが、3台以上のレーダを用いるようにしてもよい。
図1において、信号処理部1はレーダAによるビーム走査毎に、ビーム走査領域内の各分解能セル(距離分解能とドップラ周波数分解能で分けられている2次元の分解能セル)を生成して、各分解能セルにおける信号を検波するとともに、その信号の振幅値を検出する処理を実施する。
信号処理部2はレーダBによるビーム走査毎に、ビーム走査領域内の各分解能セル(距離分解能とドップラ周波数分解能で分けられている2次元の分解能セル)を生成して、各分解能セルにおける信号を検波するとともに、その信号の振幅値を検出する処理を実施する。
なお、信号処理部1,2は信号検波手段を構成している。
運動仮説生成部4はレーダAにおけるビーム走査領域内の各々の分解能セル(分解能セル座標抽出部3により中心座標(R,E,A)が抽出された分解能セル)を検定セルに設定し、検定セル毎に検出対象の目標の運動に関する仮説(以下、「運動仮説」と称する)を生成する処理を実施する。
即ち、運動仮説生成部4は分解能セル座標抽出部3により抽出された分解能セルの中心座標(R,E,A)を用いて、検出対象の目標の運動仮説として、検出対象の目標の位置ベクトルと速度ベクトルの組み合わせを設定する処理を実施する。
なお、分解能セル座標抽出部3及び運動仮説生成部4から仮説生成手段が構成されている。
探索型積分セル決定部7は分解能セル特定部5により特定された分解能セルを中心とする一定領域内の分解能セルの中で、積分セル抽出部6により取得された振幅値が最大の分解能セルを積分セルに決定する処理を実施する。
なお、積分セル抽出部6及び探索型積分セル決定部7から積分セル決定手段が構成されている。
この実施の形態1では、説明の簡単化のため、配置位置が異なる2台のレーダA,Bを用いるものとして説明する。
図2は配置位置が異なる2台のレーダA,Bによる検出対象の目標の捜索領域(ビーム走査領域)の一例を示している。
なお、この実施の形態1では、レーダAのビーム走査領域内の各々の分解能セルを基準として、その分解能セルに対応するレーダBのビーム走査領域内の分解能セルを特定するものとする。
因みに、配置位置が異なるN台(Nは3以上の整数)のレーダを用いる場合にも、レーダAのビーム走査領域内の各々の分解能セルを基準として、その分解能セルに対応するN−1台のレーダ(レーダA以外のレーダ)のビーム走査領域内の分解能セルを特定する。
信号処理部1は、ビーム走査領域内で2次元の分解能セルを生成すると、各々の分解能セルにおける信号を検波するとともに、その信号の振幅値を検出する。
ここで、図3は信号処理部1による振幅値の検出処理の一例を示す説明図である。
図3の例では、レーダAから信号が空間に放射された後、空間に存在する目標に反射して戻ってきた信号を受信すると、その受信信号に対するパルス圧縮処理と不要信号の抑圧処理を実施し、その処理結果をヒット方向にコヒーレント積分することで、受信信号の振幅値を検波している。
なお、図4は信号処理部1により生成される2次元の分解能セルを示す説明図である。
信号処理部2は、ビーム走査領域内で2次元の分解能セルを生成すると、信号処理部1と同様の方法で、各々の分解能セルにおける信号を検波するとともに、その信号の振幅値を検出する。
ただし、RはレーダAから距離分解能セルの中心座標までの距離、EはレーダAから距離分解能セルに対する仰角、AはレーダAから距離分解能セルに対する方位角である。
即ち、運動仮説生成部4は、下記の式(1)に示すように、分解能セル座標抽出部3により抽出された距離分解能セルの中心座標(R,E,A)と、予め設定されている一定のステップ幅(r,e,a)とを用いて、検出対象の目標の位置ベクトルR(k),E(k),A(k)を設定する。
式(2)において、k=1,2,・・・,Kであり、1つの検定セルについて、K個の速度ベクトルVx(k),Vy(k),Vz(k)が設定される。
式(3)において、PRFはレーダAにおけるパルス(送信信号)の繰り返し周期である。
これにより、検定セルに設定されるレーダAの分解能セルを構成する距離分解能セルは、位置ベクトルR(k),E(k),A(k)で表されるセルであり、レーダAの分解能セルを構成するドップラ周波数分解能セルは、fd(k)で表されるセルである。
そこで、分解能セル特定部5は、下記の式(5),(6)に示すように、直交座標系での位置x(k),y(k),z(k)について、目標の速度ベクトルVx(k),Vy(k),Vz(k)を用いて、不確定時間T秒分の外挿処理を実施するとともに、外挿処理後の位置x2(k),y2(k),z2(k)と、レーダA,Bが設置されている位置(xr1,yr1,zr1),(xr2,yr2,zr2)とから、運動補償後の位置x3(k),y3(k),z3(k)を算出する。
即ち、分解能セル特定部5は、下記の式(7)に示すように、運動補償後の位置x3(k),y3(k),z3(k)を逆直交座標変換して、検定セルに対応するレーダBの距離分解能セルを示す位置ベクトルR2(k),E2(k),A2(k)を算出する。
式(8)において、PRFはレーダBにおけるパルス(送信信号)の繰り返し周期である。
ただし、検定セルは、分解能単位での粗い情報であり、また、運動仮説は量子化されているため、その検定セルに対応するレーダBの分解能セルには不確定性が存在している。
そこで、後述する積分セル抽出部6及び探索型積分セル決定部7では、その分解能セルの不確定性を解消している。
ここで、図5は検定セルに対応するレーダBの分解能セルの特定処理を示す説明図であり、図5の例では、分解能セル特定部5により特定された分解能セルを中心に含む9個の分解能セルを積分セルの候補に設定し、9個の分解能セルにおける信号の振幅値を取得している。
図5の例では、9個の分解能セル(積分セルの候補)における信号の振幅値を相互に比較して、その振幅値が最大の分解能セルを積分セルに決定している。
ここでは、分解能セルにおける信号の振幅値を評価値として、その振幅値が最大の分解能セルを積分セルに決定しているが、評価値は信号の振幅値に限るものではなく、分解能セルにおける信号の尤度比を評価値として、その尤度比が最大の分解能セルを積分セルに決定するようにしてもよい。
また、インコヒーレント積分処理部8は、信号処理部1により検波されたレーダAのビーム走査による信号の中から、その検定セルの信号を取得する。
インコヒーレント積分処理部8は、その検定セルの信号と積分セルの信号を取得すると、下記の式(9)に示すように、その検定セルの信号と積分セルの信号とのインコヒーレント積分を実施して、信号電力を大きくする。
式(9)において、X(1)は検定セルの信号、Y(2)は積分セルの信号である。
なお、図6はレーダ装置の処理内容の概略を示す説明図であり、レーダAの検定セルに対応するレーダBの積分セルを特定する様子を示している。
上記実施の形態1では、2次元の分解能セルを構成している全てのドップラ周波数分解能セルが検定セルに設定されるものを示したが、1つの距離分解能セルに対応する複数のドップラ周波数分解能セルの中で、信号の振幅値が最大のドップラ周波数分解能セルだけを検定セルに設定して、検定セルに対応する積分セルの探索空間を削減するようにしてもよい。
最大電力抽出部11はレーダAにおける各々の距離分解能セルに対応する複数のドップラ周波数分解能セルの中で、信号処理部1により検波された信号の振幅値が最大のドップラ周波数分解能セルを検出する処理を実施する。なお、最大電力抽出部11は仮説生成手段を構成している。
この場合、信号の振幅値が最大のドップラ周波数分解能セルが代表周波数とみなされて、そのドップラ周波数分解能セルが検定セルに設定される。
この場合、信号の振幅値が最大のドップラ周波数分解能セルが代表周波数とみなされて、そのドップラ周波数分解能セルが積分セルの候補に設定される。
信号処理部1は、上記実施の形態1と同様に、レーダAによるビーム走査毎に、ビーム走査領域内の各分解能セル(距離分解能セル、ドップラ周波数分解能セル)を生成する。
信号処理部1は、ビーム走査領域内で2次元の分解能セルを生成すると、各々の分解能セルにおける信号を検波するとともに、その信号の振幅値を検出する。
信号処理部2は、ビーム走査領域内で2次元の分解能セルを生成すると、各々の分解能セルにおける信号を検波するとともに、その信号の振幅値を検出する。
したがって、レーダAにおける2次元の分解能セルの個数がM×N個である場合(M=距離分解能の数、N=ドップラ周波数分解能の数)、距離分解能毎に、N個のドップラ周波数分解能セルの中から、1個のドップラ周波数分解能セルが選択される。
このため、上記実施の形態1では、検定セルに設定される分解能セルの個数がM×N個であったが、この実施の形態2では、検定セルに設定される分解能セルの個数がM個に減少する。
即ち、運動仮説生成部4は、下記の式(10)に示すように、分解能セル座標抽出部3により抽出された距離分解能セルの中心座標(R,E,A)と、予め設定されている一定のステップ幅(r,e,a)とを用いて、検出対象の目標の位置ベクトルR(k),E(k),A(k)を設定する。
式(11)において、k=1,2,・・・,Kであり、1つの検定セルについて、K個の速度ベクトルVx(k),Vy(k),Vz(k)が設定される。
そこで、分解能セル特定部5は、下記の式(13),(14)に示すように、直交座標系での位置x(k),y(k),z(k)について、目標の速度ベクトルVx(k),Vy(k),Vz(k)を用いて、不確定時間T秒分の外挿処理を実施するとともに、外挿処理後の位置x2(k),y2(k),z2(k)と、レーダA,Bが設置されている位置(xr1,yr1,zr1),(xr2,yr2,zr2)とから、運動補償後の位置x3(k),y3(k),z3(k)を算出する。
即ち、分解能セル特定部5は、下記の式(15)に示すように、運動補償後の位置x3(k),y3(k),z3(k)を逆直交座標変換して、検定セルに対応するレーダBの距離分解能セルを示す位置ベクトルR2(k),E2(k),A2(k)を算出する。
したがって、レーダBにおける2次元の分解能セルの個数がM×N個である場合(M=距離分解能の数、N=ドップラ周波数分解能の数)、距離分解能毎に、N個のドップラ周波数分解能セルの中から、1個のドップラ周波数分解能セルが選択される。
このため、分解能セル特定部5により算出された位置ベクトルR2(k),E2(k),A2(k)で表れる距離分解能セルと、最大電力抽出部12により検出された信号振幅値最大のドップラ周波数分解能セルとからなる分解能セルが、検定セルに対応するレーダBの分解能セルとなる。
ただし、検定セルは、分解能単位での粗い情報であり、また、運動仮説は量子化されているため、その検定セルに対応するレーダBの分解能セルには不確定性が存在している。
そこで、後述する積分セル抽出部6及び探索型積分セル決定部7では、その分解能セルの不確定性を解消している。
例えば、分解能セル特定部5により特定された分解能セルと、その分解能セルより距離分解能で1つ左側の分解能セル(セル1つ分だけ距離が短い分解能セル)と、分解能セル特定部5により特定された分解能セルより距離分解能で1つ右側の分解能セル(セル1つ分だけ距離が長い分解能セル)とを振幅値の取得対象として、信号の振幅値を取得する。
なお、振幅値の取得対象の分解能セルは、当該距離分解能において、信号の振幅値が最大のドップラ周波数分解能セルである。
ここでは、分解能セルにおける信号の振幅値を評価値として、その振幅値が最大の分解能セルを積分セルに決定しているが、評価値は信号の振幅値に限るものではなく、分解能セルにおける信号の尤度比を評価値として、その尤度比が最大の分解能セルを積分セルに決定するようにしてもよい。
また、インコヒーレント積分処理部8は、信号処理部1により検波されたレーダAのビーム走査による信号の中から、その検定セルの信号を取得する。
インコヒーレント積分処理部8は、その検定セルの信号と積分セルの信号を取得すると、下記の式(16)に示すように、その検定セルの信号と積分セルの信号とのインコヒーレント積分を実施して、信号電力を大きくする。
式(16)において、X(1)は検定セルの信号、Y(2)は積分セルの信号である。
Claims (7)
- 複数のレーダによるビーム走査毎に、ビーム走査領域内の各分解能セルにおける信号を検波する信号検波手段と、複数のレーダの中の或るレーダにおけるビーム走査領域内の各々の分解能セルを検定セルに設定し、検定セル毎に検出対象の目標の運動に関する仮説を生成する仮説生成手段と、上記仮説生成手段により生成された目標の運動に関する仮説にしたがって各々の検定セルに対応する上記レーダ以外のレーダにおけるビーム走査領域内の分解能セルを特定する分解能セル特定手段と、上記分解能セル特定手段により特定された分解能セルを中心とする一定領域内の分解能セルの中で、上記信号検波手段により検波された信号の評価値が最大の分解能セルを積分セルに決定する積分セル決定手段と、上記積分セル決定手段により決定された積分セルの信号と上記検定セルの信号とをインコヒーレント積分するインコヒーレント積分手段とを備えたレーダ装置。
- 仮説生成手段は、検出対象の目標の運動に関する仮説として、上記目標の位置ベクトルと速度ベクトルの組み合わせを設定することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 積分セル決定手段は、一定領域内の分解能セルにおける信号の振幅値を評価値として、上記信号の振幅値が最大の分解能セルを積分セルに決定することを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ装置。
- 積分セル決定手段は、一定領域内の分解能セルにおける信号の尤度比を評価値として、上記信号の尤度比が最大の分解能セルを積分セルに決定することを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ装置。
- 仮説生成手段は、或るレーダにおけるビーム走査領域内の各々の分解能セルが、距離分解能とドップラ周波数分解能で分けられている場合、各々の距離分解能セルに対応する複数のドップラ周波数分解能セルの中で、信号検波手段により検波された信号の振幅値が最大のドップラ周波数分解能セルを検定セルに設定し、検定セル毎に検出対象の目標の運動に関する仮説を生成することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のレーダ装置。
- 積分セル決定手段は、或るレーダ以外のレーダにおけるビーム走査領域内の各々の距離分解能セルに対応する複数のドップラ周波数分解能セルの中で、信号検波手段により検波された信号の振幅値が最大のドップラ周波数分解能セルを特定し、分解能セル特定手段により特定された分解能セルを中心とする一定領域内の上記ドップラ周波数分解能セルの中で、上記信号検波手段により検波された信号の振幅値が最大のドップラ周波数分解能セルを積分セルに決定することを特徴とする請求項5記載のレーダ装置。
- 複数のレーダの中の或るレーダのビーム走査によって、検出対象の目標に反射された反射信号を上記レーダ以外のレーダが受信することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のレーダ装置。
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