JP2012193815A - 歯車支持構造及び遊星歯車装置 - Google Patents

歯車支持構造及び遊星歯車装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012193815A
JP2012193815A JP2011059738A JP2011059738A JP2012193815A JP 2012193815 A JP2012193815 A JP 2012193815A JP 2011059738 A JP2011059738 A JP 2011059738A JP 2011059738 A JP2011059738 A JP 2011059738A JP 2012193815 A JP2012193815 A JP 2012193815A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
pinion
support structure
carrier
pinion gears
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011059738A
Other languages
English (en)
Inventor
Kento Aihara
建人 相原
Ichiro Taruya
一郎 樽谷
Takeshi Ishiwada
健 石和田
Kohei Momo
浩平 百々
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2011059738A priority Critical patent/JP2012193815A/ja
Publication of JP2012193815A publication Critical patent/JP2012193815A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gears, Cams (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】歯車支持構造において、ニードルのスキューにより発生するスラスト力を低減することである。
【解決手段】歯車支持構造である、第1ピニオンギヤ32の支持構造は、第1ピニオン軸42と、内側に中心孔56を有する第1ピニオンギヤ32であって、ニードル軸受46を介して第1ピニオン軸42の周囲に設けられた第1ピニオンギヤ32とを備える。第1ピニオンギヤ32は、径方向外側に外歯58を有する歯車本体部60の軸方向両端のうち、少なくとも軸方向一端に一体的に設けられた付加円筒部62を含む。ニードル軸受46は、少なくとも付加円筒部62の内側部分で、第1ピニオン軸42の周囲に設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、歯車軸と、内側に中心孔を有する歯車であって、ニードルローラ軸受を介して歯車軸の周囲に設けられた歯車とを備える歯車支持構造及び遊星歯車装置に関する。
従来から、エンジンまたはモータまたはそれらの両方を車両の駆動源として備える自動車等に使用される変速装置に、遊星歯車装置を使用することが考えられている。遊星歯車装置は、サンギヤと、サンギヤの周囲に噛合する複数のピニオンギヤと、サンギヤと同心に配置されたリングギヤとを備える。また、複数のピニオンギヤはキャリアによりそれぞれ自転可能及びサンギヤの中心軸を中心とする公転可能に支持されている。単純なシングルプラネタリ型の遊星歯車装置の場合、複数のピニオンギヤはリングギヤの内歯に噛合している。この場合、歯車であるピニオンギヤは、例えばニードルローラ軸受(以下、単に「ニードル軸受」という場合がある。)により歯車軸であるピニオン軸の周囲に回転可能に支持される場合がある。
例えば、特許文献1には、遊星歯車のピニオン支持構造が記載されている。図14は、遊星歯車装置の従来構造の一部の断面図である。図14に示すように、遊星歯車のピニオン支持構造は、ピニオンギヤ10を支持するピニオン軸12を支持固定する両側のキャリアプレート14と、両側のキャリアプレート14に圧入または鋳込みにより固着されたスラストリング16であって、外径がピニオンギヤ10の内径よりも小さく、かつ、ニードル軸受18の中心径よりも大きい、焼入れ処理を施した鋼製のスラストリング16と、ピニオンギヤ10の端面をキャリアプレート14に対してスラスト支持するスラストワッシャ20を、スラストリング16に圧入装着している。複数のピニオンギヤ10は、サンギヤと、リングギヤに対応するインターナルギヤとに噛合している。このような構造は、スラストリング16がニードル軸受18からのスラスト力を受けるので、ニードル軸受18からの局部的な力は、ピニオンギヤ10とキャリアプレート14との間に介在されたスラストワッシャ20には作用しない。このため、ニードル軸受18の支持剛性を向上できるとされている。この構成の場合、スラストワッシャ20の耐摩耗性を向上できる可能性がないとはいえない。
特開平10−103418号公報
ニードル軸受によりピニオン軸の周囲にピニオンギヤを回転可能に支持している等の歯車支持構造の場合、ピニオンギヤがリングギヤやサンギヤ等の別の歯車と噛み合うことで通常、噛み合い反力によって生じるモーメントにより、ピニオン軸に対してピニオンギヤがいずれかの方向に傾いて、それに伴ってニードルがスキューする、すなわち傾くため、ピニオンギヤに軸方向の片側に作用するスラスト力が発生する可能性がある。このスラスト力が作用すると、ピニオンギヤが片側に大きな力で移動し、片側でピニオンギヤに対向するスラストワッシャ等の歯車対向部材に大きな力で押し付けられ、摩擦力が発生して損失が生じる可能性がある。例えば、ピニオンギヤがスラストワッシャと接触することによりピニオンギヤを含む歯車装置の動力伝達効率が悪化する可能性がある。また、ピニオンギヤの傾きが噛み合い反力によって変動するため、この変動が歯車装置の振動や騒音発生の原因となる。
これに対して、上記の特許文献1に記載された構造では、スラストリング16がニードルから加わるスラスト力を受けることでスラストワッシャ20の耐摩耗性向上を図れる可能性がないとはいえない。ただし、ニードルのスキューにより発生したスラスト力をスラストリング16が受けることになるので、スラストリング16に摩擦力が発生して損失が生じる可能性があり、根本的な解決にはならない。すなわち、スラストリング16とニードルとの間で摩擦による損失が発生し、この結果、複数のギヤ間同士での動力伝達効率が悪化する可能性がある。また、スラストリング16はスラスト力を受けることにより摩耗が生じる可能性がある。
このような事情から、ピニオン軸の周囲にニードル軸受によりピニオンギヤを回転可能に支持している歯車支持構造において、ニードルのスキューによるピニオンギヤやニードルでのスラスト力を低減することが望まれている。また、上記では、遊星歯車装置のピニオンギヤ支持構造について説明したが、はすば歯車等により一対の歯車を噛合させる等の他の歯車支持構造についても同様の不都合が生じる可能性がある。この場合も歯車軸の周囲にニードル軸受を介して歯車が回転可能に設けられる場合がある。
本発明は、歯車支持構造及び歯車支持構造を含む遊星歯車装置において、歯車支持構造を構成するニードルのスキューにより発生するスラスト力を低減することを目的とする。
本発明に係る歯車支持構造は、歯車軸と、内側に中心孔を有する歯車であって、ニードルローラ軸受を介して前記歯車軸の周囲に設けられた前記歯車とを備える歯車支持構造であって、前記歯車は、径方向外側に外歯を有する歯車本体部の軸方向両端のうち、少なくとも軸方向一端に一体的に設けられた中空筒部を含み、前記ニードルローラ軸受は、少なくとも前記中空筒部の内側部分で、前記歯車軸の周囲に設けられていることを特徴とする歯車支持構造である。
また、本発明に係る遊星歯車装置は、サンギヤと、前記サンギヤの周囲に噛合する複数のピニオンギヤと、前記サンギヤと同心に配置されたリングギヤとを備える遊星歯車装置であって、前記複数のピニオンギヤの支持構造は、上記の本発明に係る歯車支持構造であることを特徴とする遊星歯車装置である。
また、本発明に係る遊星歯車装置において、好ましくは、前記サンギヤは、互いに軸方向にずれて配置される回転可能なフロントサンギヤ及びリアサンギヤであり、前記フロントサンギヤの周囲に複数の第1ピニオンギヤが噛合しており、前記リアサンギヤの周囲に複数の第2ピニオンギヤが噛合しており、前記リングギヤは、少なくとも前記複数の第2ピニオンギヤの周囲に配置されており、前記複数の第1ピニオンギヤは、それぞれ第1キャリア及び第2キャリアに支持された第1歯車軸に回転可能に支持されるとともに、前記第2ピニオンギヤと噛合しており、前記複数の第2ピニオンギヤは、それぞれ第1キャリア及び第2キャリアに支持された第2歯車軸に回転可能に支持されるとともに、前記リアサンギヤ及び前記リングギヤと噛合し、第1キャリア及び第2キャリアは連結されて共通化されている、ラビニヨ型である。
本発明に係る歯車支持構造及び遊星歯車装置によれば、歯車は、径方向外側に外歯を有する歯車本体部の軸方向両端のうち、少なくとも軸方向一端に一体的に設けられた中空筒部を含み、中空筒部の内側にニードルローラ軸受が設けられているので、歯車に傾斜させる力が加わる場合でも、歯車本体部の噛み合い部から軸方向にずれた中空筒部の内側のニードルローラ軸受でモーメントに基づく力を効果的に受け止めることができ、歯車の傾きを抑制し、ニードルのスキューを防止できるので、ニードル及び歯車に発生するスラスト力を低減できる。このため、歯車支持構造を組み込んだ装置での動力伝達効率の向上を図れる。また、歯車に作用するスラスト力を受けるスラストワッシャ等の歯車対向部材を設けた場合でも、この歯車対向部材の摩耗を低減できる。
本発明の第1の実施の形態の歯車支持構造を備えるラビニヨ型遊星歯車装置を示す概略斜視図である。 図1の断面図である。 図1の遊星歯車装置の構成図である。 図1の歯車支持構造である、第1ピニオン軸の周囲に配置された第1ピニオンギヤを示す図である。 従来から考えられている歯車支持構造を備える遊星歯車装置の1例を示す概略斜視図である。 図5の歯車支持構造である、第1ピニオン軸の周囲に配置された第1ピニオンギヤを示す図である。 第1の実施の形態において、軸長の大きいニードル軸受を使用した別例を示す、図2のA部に対応する図である。 本発明の第2の実施の形態の歯車支持構造を示す、図4に対応する図である。 図8の断面図である。 第2の実施の形態において、軸長の大きいニードル軸受を使用した別例を示す、図9に対応する図である。 本発明の効果確認のためのシミュレーション結果を示す図であり、歯車部分に対する付加円筒部の長さと、ニードルスキューにより発生するスラスト力との関係を示す図である。 本発明の第3の実施の形態の歯車支持構造を備えるシングルプラネタリ型の遊星歯車装置を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態の歯車支持構造を備えるシングルプラネタリ型の遊星歯車装置を示す断面図である。 遊星歯車装置の従来構造の一部の断面図である。
[第1の発明の実施の形態]
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図4は、本発明の第1の実施の形態を示している。本実施の形態は、歯車支持構造をラビニヨ型の遊星歯車装置に組み込んでいる。まず、この遊星歯車装置の基本構成を中心に説明し、その後、この遊星歯車装置に組み込んだ本実施の形態の歯車支持構造であるピニオンギヤの支持構造について詳しく説明する。
図1、図2に示すように、ラビニヨ型の遊星歯車装置26は、サンギヤであり、互いに同心に設けられたフロントサンギヤ28及びリアサンギヤ30と、フロントサンギヤ28の周囲に噛合する複数の第1ピニオンギヤ32と、複数の第1ピニオンギヤ32の周囲に、フロントサンギヤ28及びリアサンギヤ30と同心に配置されたリングギヤ34とを備える。また、フロントサンギヤ28及びリアサンギヤ30は、中心軸である入力軸31に互いに軸方向にずれて配置されるように外嵌され、それぞれ回転可能とされている。また、リアサンギヤ30は、入力軸31に固定されているが、フロントサンギヤ28のみ、またはフロントサンギヤ28及びリアサンギヤ30の両方を入力軸31に固定することもできる。
フロントサンギヤ28の周囲に複数のショートピニオンギヤに対応する、第1ピニオンギヤ32が噛合しており、リアサンギヤ30の周囲に複数のロングピニオンギヤに対応する第2ピニオンギヤ36が噛合している。また、リングギヤ34は、複数の第1ピニオンギヤ32と複数の第2ピニオンギヤ36との軸方向片側半部の周囲に配置されている。
図2に示すように、複数の第1ピニオンギヤ32は、それぞれ第1キャリアであるフロントキャリア38及び第2キャリアであるリアキャリア40に両端部が支持固定された複数の第1歯車軸である第1ピニオン軸42に回転可能に支持されるとともに、図1に示すように、第2ピニオンギヤ36と噛合している。なお、図1、図2では、第1ピニオンギヤ32を1のみ図示しているが、実際には複数の第1ピニオンギヤ32が設けられている。また、図1では、フロントキャリア及びリアキャリアの図示を省略している。図2に示すように、複数の第2ピニオンギヤ36は、それぞれフロントキャリア38及びリアキャリア40に両端部が支持固定された複数の第2歯車軸である第2ピニオン軸44に回転可能に支持されるとともに、リアサンギヤ30と噛合している。このように、第1ピニオンギヤ32は、フロントサンギヤ28及び第2ピニオンギヤ36と噛合し、第2ピニオンギヤ36は、リアサンギヤ30及びリングギヤ34と噛合する。フロントキャリア38及びリアキャリア40は、環状形状となっている。また、フロントキャリア38及びリアキャリア40は連結され、共通化されている。
各第2ピニオンギヤ36は、第2ピニオン軸44の周囲に軸方向両側に配置された2のニードル軸受46により回転可能に支持されている。また、各第1ピニオンギヤ32は、第1ピニオン軸42の周囲に軸方向両側に配置された2のニードル軸受46により回転可能に支持されている。各ニードル軸受46は、複数のニードルローラ(本明細書全体で、単に「ニードル」という場合もある。)を軸の周囲に周方向に並んで配置されることにより構成される総ころ軸受である。なお、各ニードル軸受46は、総ころ軸受以外の構成とすることもできる。また、第1ピニオンギヤ32及び第2ピニオンギヤ36の軸方向両端側で、フロントキャリア38またはリアキャリア40との間部分のそれぞれに、それぞれに対応するピニオン軸42,44の周囲に設けられたスラストワッシャ48が配置されている。なお、第1ピニオンギヤ32の支持構造については、後で詳しく説明する。
このような遊星歯車装置26は、例えば図3に示すような使用形態で使用する。図3は、図1の遊星歯車装置の構成図である。なお、図3では、図1、図2で示した要素と同一の要素に同一の符号を付している。図3の例は、例えば自動車の変速装置として使用されるもので、リアサンギヤ30にエンジン等の動力源の回転軸を同心に結合し、動力源からリアサンギヤ30に動力の入力を可能とする。また、リングギヤ34及びフロントサンギヤ28は、第1ブレーキ50と第2ブレーキ52とによりそれぞれ制動可能とされている。また、リアキャリア40に同心に出力軸54を結合し、リアキャリア40から出力を取り出し可能としている。
このような遊星歯車装置26の使用時には、例えば、第1ブレーキ50及び第2ブレーキ52の一方または両方によるリングギヤ34及びフロントサンギヤ28の一方または両方の制動状態を、図示しない制御部により制御する等により変速の切換を可能としている。なお、遊星歯車装置26の使用例はこのような例に限定するものではなく、種々の方法で使用できる。いずれにしてもラビニヨ型の遊星歯車装置26は、小型で、かつ、変速段を多く設定できるので有効である。
次に、図1、図2に戻り、複数の第1ピニオンギヤ32の支持構造について説明する。複数の第1ピニオンギヤ32は、上記の図2に示したように、フロントキャリア38及びリアキャリア40に支持された第1ピニオン軸42の周囲にニードル軸受46を介して回転可能に支持されている。この場合、第1ピニオンギヤ32は、内側に自身の中心軸に対し同心の円筒面である中心孔56を有する。また、第1ピニオンギヤ32は、径方向外側に外歯58を有する歯車本体部60の軸方向両端のうち、軸方向一端(図2の左端)に同心に一体成形により一体的に設けられた中空筒部である付加円筒部62を含んでいる。付加円筒部62の外周面には単なる円筒面が設けられている。また、付加円筒部62の外径は外歯58の歯先円の直径よりも小さくなっている。なお、付加円筒部62は、第1ピニオンギヤ32の歯車本体部60の軸方向一端(図2の左端)に同心に、別の部材を結合することで一体的に設けられたものでもよい。そして、第1ピニオン軸42の周囲であって、歯車本体部60と付加円筒部62との内側にニードル軸受46がそれぞれ設けられている。すなわち、第1ピニオンギヤ32の支持構造において、ニードル軸受46は、付加円筒部62の内側部分と、歯車本体部60の内側部分とで、第1ピニオン軸42の周囲に設けられている。
このように構成されるので、図4に示すように、第1ピニオンギヤ32の支持構造は、第1ピニオン軸42の周囲に配置された第1ピニオンギヤ32を備え、第1ピニオンギヤ32は、歯車本体部60の軸方向一端から軸方向に突出する付加円筒部62を含んでいる。付加円筒部62は、例えば歯車本体部60の軸方向長さDを約30mmとした場合に、付加円筒部62の軸方向長さL1を約30mmとし、全体の軸長Laを約60mmとする。なお、付加円筒部62に対応する中空筒部は、径方向外側に外歯が設けられていなければよく、本発明を逸脱しない範囲において、種々の形状及び寸法を採用できる。ただし、好ましくは、中空筒部の軸方向長さは、歯車本体部の軸方向長さの40%以上で120%以下とする。中空筒部の軸方向長さが歯車本体部の軸方向長さの40%未満であると、スラスト力の低減効果が中空筒部がない場合に比べて50%未満と小さく、120%を超えるとそれ以上伸ばしても効果がほとんど変わらないからである。
このようなピニオンギヤ支持構造及び遊星歯車装置26によれば、各第1ピニオンギヤ32は、径方向外側に外歯58を有する歯車本体部60の軸方向両端のうち、軸方向一端に一体的に設けられた付加円筒部62を含み、付加円筒部62の内側にニードル軸受46が設けられている。このため、トルク伝達時の第1ピニオンギヤ32と相手歯車であるフロントサンギヤ28や第2ピニオンギヤ36との噛み合いに基づくモーメントの作用や、噛合部でのがたつきの存在等により、第1ピニオンギヤ32に傾斜させる力が加わる場合でも、歯車本体部60の噛み合い部から軸方向にずれた付加円筒部62の内側のニードル軸受46でモーメントに基づく力を効果的に受け止めることができる。したがって、第1ピニオンギヤ32の第1ピニオン軸42に対する傾きを幾何学的な関係で抑制できて、ニードルのスキューを抑制できるので、ニードル及び第1ピニオンギヤ32に発生するスラスト力を低減できる。このため、ピニオンギヤ支持構造を組み込んだ遊星歯車装置26での動力伝達効率の向上を図れる。また、本実施の形態のように、第1ピニオンギヤ32に作用するスラスト力を受ける歯車対向部材であるスラストワッシャ48を設けた場合でも、このスラストワッシャ48の摩耗を低減でき、高寿命化を図れる。さらに、噛み合い反力による第1ピニオンギヤ32の傾きの変動振幅を低減できるので、第1ピニオンギヤ32の支持構造を含む遊星歯車装置26の振動及び騒音の低減を図れる。
また、本実施の形態では、ラビニヨ型の遊星歯車装置26が、上記の第1ピニオンギヤ32の支持構造を含んでいるので、第1ピニオンギヤ32に付加円筒部62を設けたことで全長が大きくなっても、本来、ロングピニオンギヤである第2ピニオンギヤ36が設けられているので、遊星歯車装置26全体が過度に大型化することを防止しつつ、ニードル及び第1ピニオンギヤ32に発生するスラスト力を低減することが可能となる。
これを説明するために、本発明の範囲から外れる、従来から考えられている遊星歯車装置26を図5、図6を用いて説明する。図5は、従来から考えられている歯車支持構造を備える遊星歯車装置の1例を示す概略斜視図である。図6は、図5の歯車支持構造である、ピニオン軸の周囲に配置されたピニオンギヤを示す図である。図5、図6に示す従来構造の場合、第1ピニオンギヤ32aの支持構造以外は、上記の図1、図2に示した本実施の形態と同様である。この従来構造の場合、各第1ピニオンギヤ32aには付加円筒部62(図1、図2、図4参照)を設けず、第1ピニオンギヤ32aの全長を短くしている。具体的には、図6に示すように、第1ピニオンギヤ32aは、外周部に外歯58を有する歯車本体部60のみより構成されている。図6の歯車本体部60の軸方向長さDは、図4に示した実施の形態の第1ピニオンギヤ32を構成する歯車本体部60の軸方向長さDとほぼ同じである。この場合、第1ピニオン軸42aの軸方向両端部のうち、リアサンギヤ30(図5)側の端部は、フロントキャリア38(図2参照)及びリアキャリア40(図2参照)の間に配置された図示しない別の中間キャリアにより支持する。この従来構造では、上記の図14に示した従来構造の場合と同様に、中空筒部である付加円筒部62が設けられていないので、第1ピニオンギヤ32aに噛み合いに基づくスラスト力が発生しやすくなる。これに対して、上記の本実施の形態によれば、このような不都合をなくせる。また、本実施の形態では、図5を図1と比較すれば容易に理解されるように、付加円筒部62を第1ピニオンギヤ32に設けることで第1ピニオンギヤ32の全長が大きくなっても、第1ピニオンギヤ32の全長を第2ピニオンギヤ36の全長と同等以下とすることで、遊星歯車装置26全体が過度に大型化することを防止できる。
なお、本実施の形態では、図7に示すように、第1ピニオンギヤ32の内側に設けるニードル軸受46を、軸方向全長を大きくした1のニードル軸受46のみとすることもできる。この場合、ニードル軸受46の一部は、付加円筒部62の内側に配置されるようにする。
[第2の発明の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態の歯車支持構造を示す、図4に対応する図である。図9は、図8の断面図である。図8、図9に示す本実施の形態の場合、第1ピニオンギヤ32の軸方両端部に中空筒部である付加円筒部62がそれぞれ設けられている。すなわち、第1ピニオンギヤ32は、径方向外側に外歯58を有する歯車本体部60の軸方向両端に同心に一体成形により、または一体的に結合されることにより、一体的に設けられた付加円筒部62を含んでいる。そして、図9に示すように、第1ピニオン軸42の周囲であって、両側の付加円筒部62の内側にニードル軸受46がそれぞれ設けられている。すなわち、第1ピニオンギヤ32の支持構造において、ニードル軸受46は、両側の付加円筒部62の内側部分で、第1ピニオン軸42の周囲に設けられている。このように第1ピニオンギヤ32の支持構造を構成する場合でも、上記の第1の実施の形態と同様に、ニードル及び第1ピニオンギヤ32に発生するスラスト力を低減できる。
なお、図10に示すように、第1ピニオンギヤ32の内側に、全長の長い1のニードル軸受46のみを設けてもよいことは、上記の図7に示した例の場合と同様である。その他の構成及び作用は、上記の第1の実施の形態と同様である。
次に、本発明の効果確認のためのシミュレーションを行った結果を説明する。このシミュレーションでは、上記の図1、図2に示した第1の実施の形態と同様の構成を用いて、第1ピニオンギヤ32の付加円筒長さを種々に異ならせて、ニードルスキューにより発生するスラスト力を、機構運動解析としてのシミュレーションで求めた。このシミュレーション結果を図11に示している。なお、以下では、図1、図2に示した要素と同一の符号には同一の符号を付して説明する。図11で、横軸に示す「歯車部分に対する付加円筒長さ」は、歯車本体部60の軸方向長さDに対する付加円筒部62の軸方向長さL1の割合である、L1/Dをパーセント割合で示している。また、図11では縦軸で、付加円筒部62がない場合のスラスト力を100%とし、このスラスト力に対する割合をパーセント割合で示している。図11のシミュレーション結果から明らかなように、付加円筒部62の長さが大きくなるほど、第1ピニオンギヤ32に発生するスキュー力を小さくできる。また、L1/Dを40%以上とすることでスラスト力の低減効果を50%以上にでき、120%を超えるとそれ以上伸ばしても効果がほとんど変わらないことが分かる。
[第3の発明の実施の形態]
図12は、本発明の第3の実施の形態の歯車支持構造を備えるシングルプラネタリ型の遊星歯車装置を示す断面図である。本実施の形態では、ピニオンギヤが1種類しかないシングルプラネタリ型の遊星歯車装置64に本発明を適用している。すなわち、遊星歯車装置64は、中心軸である入力軸66の周囲に固定されたサンギヤ68と、サンギヤ68と同心に配置されたリングギヤ70と、サンギヤ68及びリングギヤ70に噛合するように、サンギヤ68の周囲でリングギヤ70の内側に配置された複数のピニオンギヤ72とを備える。複数のピニオンギヤ72は、ピニオン軸74の周囲にニードル軸受46により回転可能に支持されており、ピニオン軸74は、両側に設けられた2のキャリア76に支持固定されている。
また、各ピニオンギヤ72の支持構造は、上記の図1、図2に示した第1の実施の形態の第1ピニオンギヤ32の支持構造と同様である。すなわち、本実施の形態では、各ピニオンギヤ72は、歯車本体部60の軸方向一端に一体的に設けられた中空筒部である、付加円筒部62を含んでいる。ニードル軸受46は、付加円筒部62の内側及び歯車本体部60の内側で、ピニオン軸74の周囲に設けられている。このような構成の場合も、上記の第1の実施の形態と同様に、ニードル及びピニオンギヤ72に発生するスラスト力を低減できる。ただし、本実施の形態では、上記の第1の実施の形態のラビニヨ型の場合と比べて、付加円筒部62を設けることで遊星歯車装置64の軸長が大きくなりやすい。ただし、この場合でもニードルのスキューの抑制により、スラスト力を低減でき、遊星歯車装置64での動力伝達効率の向上を図れる等、種々の効果を得られる。その他の構成及び作用は、上記の第1の実施の形態と同様である。
[第4の発明の実施の形態]
図13は、本発明の第4の実施の形態の歯車支持構造を備えるシングルプラネタリ型の遊星歯車装置を示す断面図である。本実施の形態では、上記の図12に示した第3の実施の形態において、歯車支持構造である、ピニオンギヤ72の支持構造において、ピニオンギヤ72は、軸方向両端部に付加円筒部62が設けられた構造としている。このピニオンギヤ72の構造は、上記の図8、図9に示した第2の実施の形態の第1ピニオンギヤ32の構造と同様である。その他の構成及び作用は、上記の第3の実施の形態と同様である。
なお、上記の図12、図13に示した実施形態において、ピニオンギヤ72の内側に設けるニードル軸受46として、上記の図7、図10のように軸方向の全長を大きくした1のニードル軸受46のみを設けてもよいのは勿論である。
なお、上記の各実施形態では、遊星歯車装置に組み込む第1ピニオンギヤ32やピニオンギヤ72(図1、12等)の支持構造に本発明を適用した場合を説明したが、本発明の歯車支持構造は、このような構成に適用する場合に限定するものではなく、例えば、はすば歯車である一対の歯車を噛合させて動力を伝達する構造で本発明を実施することもできる。この場合、各歯車には本来的にトルク伝達時にスラスト力が発生するが、各歯車の支持構造に本発明を適用することで、噛み合い部のギャップ等に基づくがたつきが発生する等による本来予定しない、余分なスラスト力を低減できるという効果が得られる。
10 ピニオンギヤ、12 ピニオン軸、14 キャリアプレート、16 スラストリング、18 ニードル軸受、20 スラストワッシャ、22 サンギヤ、24 インターナルギヤ、26 遊星歯車装置、28 フロントサンギヤ、30 リアサンギヤ、31 入力軸、32,32a 第1ピニオンギヤ、34 リングギヤ、36 第2ピニオンギヤ、38 フロントキャリア、40 リアキャリア、42 第1ピニオン軸、44 第2ピニオン軸、46 ニードル軸受、48 スラストワッシャ、50 第1ブレーキ、52 第2ブレーキ、54 出力軸、56 中心孔、58 外歯、60 歯車本体部、62 付加円筒部、64 遊星歯車装置、66 入力軸、68 サンギヤ、70 リングギヤ、72 ピニオンギヤ、74 ピニオン軸、76 キャリア。

Claims (3)

  1. 歯車軸と、
    内側に中心孔を有する歯車であって、ニードルローラ軸受を介して前記歯車軸の周囲に設けられた前記歯車とを備える歯車支持構造であって、
    前記歯車は、径方向外側に外歯を有する歯車本体部の軸方向両端のうち、少なくとも軸方向一端に一体的に設けられた中空筒部を含み、
    前記ニードルローラ軸受は、少なくとも前記中空筒部の内側部分で、前記歯車軸の周囲に設けられていることを特徴とする歯車支持構造。
  2. サンギヤと、前記サンギヤの周囲に噛合する複数のピニオンギヤと、前記サンギヤと同心に配置されたリングギヤとを備える遊星歯車装置であって、前記複数のピニオンギヤの支持構造は、請求項1に記載の歯車支持構造であることを特徴とする遊星歯車装置。
  3. 請求項2に記載の遊星歯車装置において、
    前記サンギヤは、互いに軸方向にずれて配置される回転可能なフロントサンギヤ及びリアサンギヤであり、
    前記フロントサンギヤの周囲に複数の第1ピニオンギヤが噛合しており、
    前記リアサンギヤの周囲に複数の第2ピニオンギヤが噛合しており、
    前記リングギヤは、少なくとも前記複数の第2ピニオンギヤの周囲に配置されており、
    前記複数の第1ピニオンギヤは、それぞれ第1キャリア及び第2キャリアに支持された第1歯車軸に回転可能に支持されるとともに、前記第2ピニオンギヤと噛合しており、
    前記複数の第2ピニオンギヤは、それぞれ第1キャリア及び第2キャリアに支持された第2歯車軸に回転可能に支持されるとともに、前記リアサンギヤ及び前記リングギヤと噛合しており、第1キャリア及び第2キャリアは連結されて共通化されている、ラビニヨ型であることを特徴とする遊星歯車装置。
JP2011059738A 2011-03-17 2011-03-17 歯車支持構造及び遊星歯車装置 Pending JP2012193815A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011059738A JP2012193815A (ja) 2011-03-17 2011-03-17 歯車支持構造及び遊星歯車装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011059738A JP2012193815A (ja) 2011-03-17 2011-03-17 歯車支持構造及び遊星歯車装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012193815A true JP2012193815A (ja) 2012-10-11

Family

ID=47085893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011059738A Pending JP2012193815A (ja) 2011-03-17 2011-03-17 歯車支持構造及び遊星歯車装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012193815A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105485175A (zh) * 2015-12-29 2016-04-13 宁波新大地轴承有限公司 一种轴承组件

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56127857A (en) * 1980-03-12 1981-10-06 Aisin Seiki Co Ltd Bearing device in transmission machine
JPH03130955U (ja) * 1990-04-16 1991-12-27
JPH08509797A (ja) * 1993-04-23 1996-10-15 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 変速装置ハウジングの配置構造
JP2004132440A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Nissan Motor Co Ltd 動力伝達装置の潤滑構造
JP2010190289A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Aichi Mach Ind Co Ltd 変速機およびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56127857A (en) * 1980-03-12 1981-10-06 Aisin Seiki Co Ltd Bearing device in transmission machine
JPH03130955U (ja) * 1990-04-16 1991-12-27
JPH08509797A (ja) * 1993-04-23 1996-10-15 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 変速装置ハウジングの配置構造
JP2004132440A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Nissan Motor Co Ltd 動力伝達装置の潤滑構造
JP2010190289A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Aichi Mach Ind Co Ltd 変速機およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105485175A (zh) * 2015-12-29 2016-04-13 宁波新大地轴承有限公司 一种轴承组件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4818787B2 (ja) 揺動内接噛合遊星歯車装置
JP4847892B2 (ja) 揺動内接噛合遊星歯車装置及びその偏心体軸の製造方法
JP6156135B2 (ja) ハイブリッド車両の駆動装置
WO2013018121A1 (ja) 複合転がり軸受付き内歯歯車ユニットおよび波動歯車装置
WO2008041496A1 (fr) Démultiplicateur oscillant excentrique et dispositif d'entraînement en rotation d'arbre stabilisateur utilisant le démultiplicateur oscillant excentrique
JP2011085210A (ja) 車両用動力伝達装置
JP7186171B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
CN101749411A (zh) 摆线针轮减速机的行星架结构
JP2008019922A (ja) 建設機械用遊星歯車減速機の遊星歯車支持構造
JP2012193815A (ja) 歯車支持構造及び遊星歯車装置
US20210356028A1 (en) Differential gear for a motor vehicle
US10663037B2 (en) Helical gear device
JP2005201310A (ja) 偏心揺動型遊星歯車装置
JP5353060B2 (ja) 歯車機構
JP2017067259A (ja) やまば歯車の支持構造
JP4513635B2 (ja) リングギヤフランジ
JP2010216592A (ja) 車両用変速装置の遊星歯車装置
JP2013199999A (ja) 減速機
JP2012132523A (ja) 歯車伝動装置
JP2011214656A (ja) 遊星歯車機構
WO2023022068A1 (ja) 変速機
JP2012102799A (ja) ウォーム減速装置
JP2008064139A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2018066450A (ja) 遊星歯車装置
JP2016200218A (ja) 遊星ローラ式の動力伝達装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20140205

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150909

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160301