JP2012192721A - 印刷物および印刷物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】印刷物1は、基材30と、該基材30の片面側に設けられた遮光層31とを備えている。また、印刷物1は、変形加工されて延伸する変形部41を有しており、印刷物1を視認する方向から見て、前記基材30の裏面側の前記変形部41を含む領域に設けられ、遮光性を有する遮光補正層32を備えている。また、印刷物1を視認する方向から見て、前記基材30の表面側に前記遮光層31が設けられ、前記基材30の裏面側に前記遮光補正層32が設けられている。
【選択図】図1
Description
ところで、加飾プレートに対して変形加工を行うと、その延伸した部位において、遮光層の厚さが薄くなり、遮光性が不十分となるという問題がある。
この場合、延伸する部位の近傍のみ、遮光層の厚さを厚くすれば、経済的であるが、その方法では、遮光層の厚さを厚くした部位において、表面に凹凸が形成され、加飾プレートの品位が著しく低下する。
本発明の印刷物は、基材と、該基材の片面側に設けられた遮光層とを備える印刷物であって、
当該印刷物は、変形加工されて延伸する変形部を有しており、
当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側の前記変形部を含む領域に設けられ、遮光性を有する遮光補正層を備えることを特徴とする。
これにより、遮光層全体の厚さを厚くすることなく、かつ、印刷物を視認する方向から見て、表面に凹凸が形成されることなく、十分な遮光性を有す印刷物を提供することができる。
これにより、印刷物を視認する方向から見て、遮光補正層が遮光層の裏面側に位置しているので、遮光補正層の色を遮光層と同一にする必要がなく、設計の自由度を広くすることができる。
これにより、印刷物を視認する方向から見て、遮光補正層が遮光層の裏面側に位置しているので、遮光補正層の色を遮光層と同一にする必要がなく、設計の自由度を広くすることができる。また、遮光層と遮光補正層とが、基材に対して同じ側に位置しているので、基材を引っ繰り返すことなく、遮光層と遮光補正層とを形成することができる。
当該印刷物を視認する方向と反対方向から見て、前記遮光補正層を覆うように、前記遮光層が設けられていることが好ましい。
これにより、遮光層と遮光補正層とが、基材に対して同じ側に位置しているので、基材を引っ繰り返すことなく、遮光層と遮光補正層とを形成することができる。
これにより、基材を引っ繰り返すことなく、遮光層と遮光補正層とを形成することができる。
本発明の印刷物では、当該印刷物に対して前記変形加工がなされたものであることが好ましい。
これにより、変形加工がなされた印刷物を提供することができる。
前記遮光補正層は、遮光補正層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、形成したものであることが好ましい。
これにより、精度良く形成された遮光層と遮光補正層とを有する印刷物を提供することができる。
前記遮光層は、前記遮光層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、放射線を照射して硬化させたものであり、
前記遮光補正層は、前記遮光補正層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、放射線を照射して硬化させたものであることが好ましい。
これにより、精度良く形成された遮光層と遮光補正層とを有する印刷物を提供することができる。
前記印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側の前記変形部を含む領域に、遮光性を有する遮光補正層を、前記基材の片面側に前記遮光層を、それぞれ形成することを特徴とする。
これにより、本発明の印刷物を容易かつ確実に製造することができる。
本発明の印刷物の製造方法では、前記印刷物に対して前記変形加工を行うことが好ましい。
これにより、本発明の印刷物を容易かつ確実に製造することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の印刷物の第1実施形態を示す断面図、図2は、本発明の印刷物の製造に用いる印刷装置の概略構成を示す斜視図、図3は、図2に示す印刷装置のキャリッジの概略構成を示す側断面図、図4は、図2に示す印刷装置のキャリッジの概略構成を示す底面図、図5は、液滴吐出ヘッドの概略構成図である。
なお、以下では、図1中の左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
まずは、遮光層形成用のインクおよび遮光補正層形成用のインクとして用いる第1のインクと、第2のインク、すなわちインクセットについて説明する。
印刷物1の製造、すなわち印刷に用いることができるインクセットは、特に限定されないが、(a−1)重合開始剤、及び、(b−1)重合性化合物を含有する放射線硬化型インクである第1のインクと、(a−2)重合開始剤、及び、(b−2)重合性化合物を含有する放射線硬化型インクである第2のインクとを備えている。第1のインクは、遮光層31の形成(印刷)に用いる遮光層形成用のインクおよび遮光補正層32の形成に用いる遮光補正層形成用のインクであり、(b−1)重合性化合物の総質量のうち、単官能重合性化合物が65質量%以上であることが好ましい。また、第2のインクは、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、多官能重合性化合物が50質量%以上であることが好ましい。遮光層形成用のインクと、遮光補正層形成用のインクとは、同一であってもよく、また、異なっていてもよい。なお、以下では、第1のインクと第2のインクとを区別しない場合は、単に、「インク」または「放射線硬化型インク」と言う。
放射線硬化型インクは、高画質の画像を形成するために高感度で硬化するものが求められている。
インクの高感度化を達成することにより、活性放射線の照射により高い硬化性が付与されるため、消費電力の低減や活性放射線発生装置への負荷軽減による高寿命化などの他、未硬化の低分子物質の揮発、形成された画像強度の低下などを抑制することができるなど、種々の利点をも有することになる。また、得られた画像(印刷物)がひび割れや剥離等を起こしにくく、硬化膜の耐傷性、柔軟性に富むインクが求められている。硬化膜が高い柔軟性、耐傷性を有することで、様々な環境下で長期間印刷物を高画質に保ったまま表示、保管でき、また、印刷物の取り扱いが容易になるなどのメリットがある。
前記第2のインクは、(a−2)重合開始剤、及び、(b−2)重合性化合物を含有し、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、多官能重合性化合物(以下、「多官能モノマー」ともいう。)が50質量%以上であることが好ましい。
前記「活性放射線」とは、その照射によりインク中において開始種を発生させ得るエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広く、α線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、インクは、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインクであることが好ましい。
(a)重合開始剤
重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤や公知のカチオン重合開始剤を使用することができる。重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とを併用してもよい。
また、インクは、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を使用する場合には、ラジカル重合開始剤を含有することが好ましく、重合性化合物としてカチオン重合性化合物を使用する場合には、カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び、アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。ラジカル重合開始剤は、単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
カチオン重合開始剤(光酸発生剤)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
また、インクに後述する増感剤を用いる場合、重合開始剤の総使用量は、重合開始剤:増感剤の質量比で、重合開始剤:増感剤=200:1〜1:200であることが好ましく、50:1〜1:50であることがより好ましく、20:1〜1:5であることがさらに好ましい。
インクは、重合性化合物を含有する。
重合性化合物は、分子量が1,000以下であることが好ましく、50〜800であることがより好ましく、60〜500であることがさらに好ましい。
また、重合性化合物は、何らかのエネルギー付与により、ラジカル重合反応やカチオン重合反応、アニオン重合反応等の重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができるが、特に、前記重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起する、光重合性化合物として知られる各種公知の重合性化合物を使用することができる。
また、重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物を好ましく例示できる。
ラジカル重合性化合物は、特に制限はなく、公知のラジカル重合性化合物を用いることができるが、エチレン性不飽和化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、N−ビニル化合物、及び/又は、ビニルエーテル化合物であることがより好ましく、(メタ)アクリレート化合物、及び/又は、N−ビニル化合物であることがさらに好ましい。なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの両方を意味する。
前記第2のインクにラジカル重合性化合物を使用する場合、前記第2のインクは、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、多官能ラジカル重合性化合物が55〜100質量%であることが好ましく、60〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることがさらに好ましく、100質量%、すなわち、(b−2)重合性化合物が全て多官能ラジカル重合性化合物であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる画像の耐傷性及び耐溶剤性に優れる。
単官能ラジカル重合性化合物としては、後述するN−ビニル化合物であることが好ましく、N−ビニルラクタム類であることがより好ましい。
また、前記第1のインクにおける(b−1)重合性化合物としてラジカル重合性化合物を使用する場合、前記第1のインクは、後述するN−ビニル化合物を含むことがさらに好ましく、N−ビニルラクタム類を含むことが特に好ましい。
また、多官能ラジカル重合性化合物としては、2官能ラジカル重合性化合物と、3官能以上のラジカル重合性化合物とを組み合わせて使用することが好ましく、2官能ラジカル重合性化合物と、3官能ラジカル重合性化合物とを組み合わせて使用することがより好ましい。
前記第2のインクにラジカル重合性化合物を使用する場合、前記第2のインクは、第2のインクの総質量のうち、多官能ラジカル重合性化合物が50〜98質量%であることが好ましく、55〜95質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる画像の耐傷性及び耐溶剤性に優れる。
〔単官能ラジカル重合性モノマー〕
ラジカル重合性化合物としては、単官能ラジカル重合性モノマーを使用することができる。
第1のインクが単官能ラジカル重合性モノマーを含有する場合、単官能ラジカル重合性モノマーは、単官能アクリレート化合物と単官能N−ビニル化合物とを、又は、単官能メタクリレート化合物と単官能N−ビニル化合物とを併用することが好ましく、単官能アクリレート化合物と単官能N−ビニル化合物とを併用することが特に好ましい。
また、好適に用いることができるラジカル重合性モノマーとしてエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
また、単官能ラジカル重合性モノマーとして、N−ビニル基を有し、環状構造を有する基を有するラジカル重合性モノマーを使用することが好ましい。中でもN−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルラクタム類を使用することが好ましく、N−ビニルラクタム類を使用することがさらに好ましい。
また、第1のインクにおいて、単官能N−ビニルラクタム類を、第1のインク全体の1〜40質量%含有することが好ましく、10〜35質量%含有することがより好ましく、12〜30質量%含有することがさらに好ましい。
ラジカル重合性化合物として、多官能ラジカル重合性モノマーを使用することができる。
多官能ラジカル重合性モノマーとしては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニルオキシ基、及び、N−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する多官能重合性モノマーを好ましく例示できる。多官能重合性モノマーを含有することで、高い硬化膜強度を有するインクが得られる。
これらの中でも、多官能ラジカル重合性モノマーとしては、以下のものを好ましく例示できる。
さらに、ラジカル重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましい。
上述したラジカル重合性化合物として列挙されているモノマーは、反応性が高く、粘度が低く、また、支持体への密着性に優れる。
カチオン重合性化合物としては、硬化性及び耐擦過性の観点から、オキセタン環含有化合物及びオキシラン環含有化合物が好適であり、オキセタン環含有化合物及びオキシラン環含有化合物の両方を含有する態様がより好ましい。
ここで、オキシラン環含有化合物(以下、「オキシラン化合物」ともいう。)とは、分子内に、少なくとも1つのオキシラン環(オキシラニル基、エポキシ基)を含む化合物であり、具体的にはエポキシ樹脂として通常用いられているものの中から適宜選択することができ、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。モノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれであってもよい。
前記第1のインクにカチオン重合性化合物を使用する場合、前記第1のインクは、(b−1)重合性化合物の総質量のうち、単官能カチオン重合性化合物が65〜95質量%であることが好ましく、65〜85質量%であることがより好ましく、65〜75質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる画像の柔軟性に優れる。
単官能カチオン重合性化合物としては、単官能オキシラン化合物、及び/又は、単官能オキセタン化合物であることが好ましい。
多官能カチオン重合性化合物としては、2官能カチオン重合性化合物であることが好ましい。また、多官能ラジカル重合性化合物としては、多官能オキシラン化合物、及び/又は、多官能オキセタン化合物であることが好ましく、多官能オキシラン化合物と多官能オキセタン化合物とを併用することがより好ましい。
前記第2のインクにカチオン重合性化合物を使用する場合、前記第2のインクは、第2のインクの総質量のうち、多官能カチオン重合性化合物が35〜90質量%であることが好ましく、38〜75質量%であることがより好ましく、40〜60質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる画像の耐傷性及び耐溶剤性に優れる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、支持体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
オキセタン化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インクジェット記録用液体の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの支持体との高い密着性を得ることができる。
また、インク中の重合性化合物の総質量は、インクの総質量に対し、55〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れ、また、粘度が適度である。
また、重合性化合物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法により合成することができる。また、入手可能な場合は、市販品を使用してもよい。
インクには、形成された画像部の視認性を向上させるため着色剤を含有させることができる。
着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。インクに好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、
緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、
黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、
白色顔料としては、Pigment White 6,18,21
などが目的に応じて使用できる。
着色剤は、インクの調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤又はラジカル重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散或いは溶解させた後、配合することもできる。
インクは、顔料をインク中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。
分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、「高分子分散剤」とは、質量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
インク中における分散剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク全体の質量に対し、それぞれ0.05〜15質量%であることが好ましい。
インクには、必要に応じて、前記成分以外の他の成分を添加することができる。
その他の成分としては、例えば、増感剤、共増感剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等が挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の支持体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
[印刷装置]
図2に示すように、印刷装置(印刷物製造装置)1は、基材30上に放射線硬化型インクを吐出した上で、吐出した放射線硬化型インクに放射線照射を行って該放射線硬化型インクを硬化させ、基材30上に文字・数字や各種の絵柄などを描画するものである。
図3及び図4に示すように、キャリッジ4は、送り装置5に移動可能に取り付けられた矩形板状のもので、底面4a側に複数(本実施形態では10個)の液滴吐出ヘッド(成膜装置)9を、Y方向に沿って配列させた状態で保持したものである。
Y(イエロー)に対応する液滴吐出ヘッド9Yには、チューブ10を介してY(イエロー)用の放射線硬化型インクを充填・貯蔵した第1タンク11Yが接続されており、これによって液滴吐出ヘッド9Yには、この第1タンク11YからY(イエロー)用の放射線硬化型インクが供給されるようになっている。
ここで、放射線硬化型インクは、前述したように、例えば紫外線硬化型インクなど、所定波長の放射線を受けて硬化するタイプのものである。なお、放射線硬化型インクは、通常はその成分(配合)等によって吸収する放射線(紫外線)の波長域等が異なることから、硬化する波長の最適値、すなわち最適硬化波長も、インク毎に異なっている。
図5(a)に示すように、液滴吐出ヘッド9は、複数(例えば180個)のノズルNをY方向と交差する方向、本実施形態ではX方向に配列しており、これら複数のノズルNによってノズル列NAを形成している。なお、図では1列分のノズルを示したが、液滴吐出ヘッド9に設けるノズル数及びノズル列数は任意に変更可能であり、例えばX方向に配列したノズル列NAをY方向に複数列設けてもよい。
また、キャリッジ4には、図3及び図4に示すように、配列する複数(図では10個)の液滴吐出ヘッド9を挟んで両側に放射線照射手段12が隣り合って配置されている。すなわち、放射線照射手段12は、Y方向に配列された液滴吐出ヘッド9の配列方向に沿って、その両側にそれぞれ配置されている。
印刷装置1aは、以上のような構成となっている。
図1および図2に示すように、印刷物1は、基材30と、基材30上に直接または間接的に設けられた遮光層31および遮光補正層32とを有している。
本実施形態では、印刷物1は、基材30と反対側、すなわち遮光層31側から視認されるよう構成されており、印刷物1は、基材30と、基材30の片面側に設けられた遮光層31と、その印刷物1を視認する方向から見て、基材30の裏面側に設けられた遮光性を有する遮光補正層32とを備えている。すなわち、印刷物1を視認する方向から見て、基材30の表面側に遮光層30が設けられ、基材30の裏面側に遮光補正層32が設けられている。
前記遮光補正層32を設けることにより、遮光層31全体の厚さを厚くすることなく、かつ、印刷物1を視認する方向から見て、表面に凹凸が形成されることなく、十分な遮光性を確保することができる。
また、前述したように、遮光層31の形成に用いる遮光層形成用のインクと、遮光補正層32の形成に用いる遮光補正層形成用のインクとしては、それぞれ、第1のインクを用い、その遮光層形成用のインクと、遮光補正層形成用のインクとは、同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
基材30の構成材料としては、変形加工を行うことができるものであれば、特に限定されず、例えば、各種樹脂等を用いることができる。
また、図1(a)に示す加工前の印刷物1は、変形加工されて延伸する変形部41を有している。すなわち、図1(b)に示す加工後の印刷物1は、変形加工がなされて延伸した変形部41を有している。この、図1(a)に示す加工前の印刷物1と、図1(b)に示す加工後の印刷物1とのいずれも、本発明の印刷物に含まれる。
前記遮光層31および遮光補正層32は、それぞれ、印刷により形成されたものである。本実施形態では、遮光層31および遮光補正層32は、それぞれ、印刷装置1aを用いて、インクジェット法によりインクを付与(塗布)して形成されたものである。すなわち、遮光層31は、第1のインクである遮光層形成用のインクをインクジェット方式でノズルNから液滴として吐出して供給し、放射線を照射して硬化させたものである。また、遮光補正層32は、第1のインクであるである遮光補正層形成用のインクをインクジェット方式でノズルNから液滴として吐出して付与し、放射線を照射して硬化させたものである。
なお、印刷物1としては、特に限定されず、例えば、スピードメーター等の自動車の内装部品、電気製品の外装部品、お面、看板等が挙げられる。
印刷物1の製造には、前記印刷装置1aを用いる。
まず、図2に示すように、基材30をワークステージ6上に載置する。
次いで、印刷装置1aを作動させ、基材30上の遮光層31の形成領域に遮光層形成用のインクを吐出して付与し、放射線照射手段12により、付与された遮光層形成用のインクに対し、放射線を照射し、硬化させ、遮光層31を形成する。
次いで、印刷物1に対し、絞り加工を行ない、変形部41を形成する。なお、この絞り加工は、加熱しつつ行う。
以上説明したように、この印刷物1によれば、遮光補正層32を設けることにより、遮光層31全体の厚さを厚くすることなく、かつ、印刷物1を視認する方向から見て、表面に凹凸が形成されることなく、十分な遮光性を確保することができる。
図6は、本発明の印刷物の第2実施形態を示す断面図である。なお、以下では、図6中の左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
また、遮光層31と遮光補正層32とが、基材30に対して同じ側に位置している。これにより基材30を引っ繰り返すことなく、遮光層31と遮光補正層32とを形成することができる。
図7は、本発明の印刷物の第3実施形態を示す断面図である。なお、以下では、図7中の左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
以下、第3実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
Claims (10)
- 基材と、該基材の片面側に設けられた遮光層とを備える印刷物であって、
当該印刷物は、変形加工されて延伸する変形部を有しており、
当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側の前記変形部を含む領域に設けられ、遮光性を有する遮光補正層を備えることを特徴とする印刷物。 - 当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の表面側に前記遮光層が設けられ、前記基材の裏面側に前記遮光補正層が設けられている請求項1に記載の印刷物。
- 当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側に前記遮光層が設けられ、該遮光層の裏面側に前記遮光補正層が設けられている請求項1に記載の印刷物。
- 当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側に前記遮光補正層が設けられ、
当該印刷物を視認する方向と反対方向から見て、前記遮光補正層を覆うように、前記遮光層が設けられている請求項1に記載の印刷物。 - 前記遮光層と前記遮光補正層とが、前記基材に対して同じ側に位置している請求項1に記載の印刷物。
- 当該印刷物に対して前記変形加工がなされたものである請求項1ないし5のいずれかに記載の印刷物。
- 前記遮光層は、遮光層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、形成したものであり、
前記遮光補正層は、遮光補正層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、形成したものである請求項1ないし6のいずれかに記載の印刷物。 - 前記遮光層形成用のインクおよび前記遮光補正層形成用のインクは、それぞれ、放射線硬化型インクであり、
前記遮光層は、前記遮光層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、放射線を照射して硬化させたものであり、
前記遮光補正層は、前記遮光補正層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、放射線を照射して硬化させたものである請求項1ないし7のいずれかに記載の印刷物。 - 基材と、該基材の片面側に設けられた遮光層とを備え、変形加工されて延伸する変形部を有する印刷物の製造方法であって、
前記印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側の前記変形部を含む領域に、遮光性を有する遮光補正層を、前記基材の片面側に前記遮光層を、それぞれ形成することを特徴とする印刷物の製造方法。 - 前記印刷物に対して前記変形加工を行う請求項9に記載の印刷物の製造方法。
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