JP2012190600A - 電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な方法で電池の充電率(SOC)を得る。
【解決手段】電極体を内包したセルケース6の積層方向面の歪を検知することができる歪ゲージ9aと、歪ゲージ9aで検知される歪と二次電池1の充電率との関係を示す関係情報Fが記憶されているメモリ12と、歪ゲージ9aで実際に検知された歪と関係情報Fとを用いて、充電率を求める演算部CPU11と、を備えていることを特徴とする通電状態の差異の充電率も得ることができ、検知コストが抑制された、電気自動車に搭載できる二次電池システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極体及びこの電極体を内包した電池容器を有する二次電池を備えている電池システムに関する。
例えば、リチウムイオン二次電池に代表される二次電池では、二次電池の充放電等を制御するために、この二次電池の充電率(以下、SOC(State of Charge)とする)を監視する必要がある。
このSOCを得る方法としては、例えば、以下のような方法がある。
第一方法は、二次電池の端子に流れる電流値を常時検知し、この電流値を積算して、SOCを求める方法である。
また、第二方法は、例えば、以下の特許文献1に記載されているように、二次電池のOCV(Open Circuit Voltage)とSOCとの相関性に着目し、OCVを検知して、このOCVからSOCを求める方法である。OCVの値は、通電状態では電池インピーダンスによる過電圧により変化するため、この第二方法では、基本的に、二次電池が通電停止状態になっているときに、OCVを検知し、このOCVから通電停止状態の際のSOCを求めている。さらに、この第二方法では、通電状態の際のSOCを求めるため、通電状態の際の電池インピーダンス及びOCVを検知し、この電池インピーダンスでOCVを補正して、補正後のOCVからSOCを求めている。
特開2007−24673号公報
しかしながら、第一方法では、二次電池の端子を流れる電流の電流値レンジが、例えば、0.1A以下から100A以上と広い場合には、レンジの異なる複数の電流計が必要になり、コストが増加するという問題点もある。
また、第二方法でも、通電状態の際のSOCを得るために、OCVを検知する手段の他に、電池インピーダンスを検知する手段も必要になり、コストが増加するという問題点がある。
そこで、本発明は、通電状態の際のSOCに関しても、簡便な方法でSOCを得て、コストを抑えることができる二次電池システムを提供することを目的とする。
前記問題点を解決するための発明に係る二次電池システムは、
電極体、及び該電極体を内包した電池容器を有する二次電池と、前記電池容器の歪を検知することができる歪センサと、前記歪センサで検知される前記歪と前記二次電池の充電率との関係を示す関係情報が記憶されている記憶部と、前記歪センサで検知された前記歪と前記関係情報とを用いて、前記充電率を求める演算部と、を備えていることを特徴とする。
電池容器の歪と二次電池の充電率とには高い相関性がある。このため、当該二次電池システムでは、歪センサで検知された電池容器の歪から二次電池の充電率を得ることができる。
ここで、前記二次電池システムにおいて、前記二次電池は、積層された複数の前記電極体を有し、前記電池容器は、複数の前記電極体が積層されている積層方向を向く積層方向面を有し、前記歪センサは、前記電池容器の積層方向面の歪を検知してもよい。
また、前記二次電池システムにおいて、前記歪センサは、前記二次電池の充放電による前記電池容器の変形に対して、該歪センサが検出する歪の変化が大きいと予め想定した該電池容器中の位置の歪を検出してもよい。
当該二次電池システムでは、歪の変化が大きい位置の歪を歪センサで検知することになるため、歪の検知精度を高めることができ、結果として、充電率の精度を高めることができる。
本発明では、歪センサで検知された電池容器の歪から二次電池の充電率を得ることができる。このため、本発明によれば、通電状態の際の充電率も得ることができる上に、コストを抑えることができる。
本発明に係る一実施形態における二次電池の斜視図である。 本発明に係る一実施形態における電池システムの構成図である。 電池の端子間電圧とセルケース(容器)の歪との関係を示すグラフである。 図1におけるIV−IV線断面図である。
以下、本発明に係る電池システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
図2に示すように、本実施形態の電池システム100は、二次電池である複数のリチウムイオン単電池(以下、単に電池とする)1を含む組電池101と、各電池1を制御する制御回路105と、組電池101が電力負荷111に供給する電流の値を検知する電流計109と、を備えている。この電池システム100は、例えば、電気自動車に搭載される。この場合、この電池システム100の電力負荷111は、モータ等である。
複数の電池1は、これら電極端子が相互にバスバー等で電気的に接続されて、前述の組電池101を構成している。
制御回路105は、複数の電池1毎に設けれ、当該電池1の動作状態を監視制御するCMU(Cell Monitoring Unit)10と、各CMU10の動作及び各電池の状態を管理するBMU(Battery Management Unit)20とを有している。電池1毎のCMU10は、バスによりパラレルにBMU20に接続され、このBMU20との間でデータの送受信を行う。
なお、ここでは、一つの電池1毎にCMU10を設けているが、いくつかの電池1毎にCMU10を設けてもよいし、組電池101全体で一つのCMU10を設けてもよい。また、ここでは、複数のCMU10とBMU20とをパラレルにバス接続しているが、複数のCMU10とBMU20とをシリアルにバス接続してもよい。
電池1には、この電池1の状態を検知するための各種センサ9が取り付けられている。本実施形態では、1つの電池1と、この電池1に対する各種センサ9と、この電池1に対するCMU10とで、電池モジュール108を成している。各種センサ9からの出力は、CMU10に入力する。CMU10は、各種センサ9からの出力データを必要に応じて、BMU20に送信する。
電力負荷111には、この電力負荷111の動作を制御する負荷制御装置112が接続されている。当該電池システム100が電気自動車に搭載される場合、この負荷制御装置112は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)である。BMU20は、この負荷制御装置112とバスで接続され、この負荷制御装置112との間でデータの送受信を行う。また、負荷制御装置112には、電力負荷111の制御指示等を行う入力装置113や、各電池1に関する情報を出力する出力装置114が接続されている。
入力装置113は、例えば、電力負荷111が設けられている装置の計器パネルのスイッチ類等である。また、出力装置114は、電力負荷111や各電池1に関する情報等を表示する表示装置、音声出力するスピーカー等である。
電池1は、図1に示すように、複数の正極板(正の電極体)4と、複数の負極板(負の電極体)2と、負極板2を覆うセパレータ3と、電解液と、これらを収納するセルケース6(電池容器)6と、を備えている。この電池1の電解液には、水溶液が使用されず、リチウムイオンの溶存した有機溶剤溶液が使われている。
各電極板2,4は、シート状の集電体に活物質等を塗工して形成したものである。集電体は、矩形シート状の本体と、矩形シート状の部分の縁から延びているタブを有している。活物質は、この集電体の本体に塗工されている。正極板4は、アルミニウム箔等の集電体の本体に正極用の活物質(例えば、マンガン酸リチウム:LiMn2O2や、3元系材料:LiNixCoyMnzO2 (x+y+z=1)等)が塗工された正極板本体4bと、この活物質が塗工されていない前述のタブ4tとを有している。また、負極板2は、銅箔等の集電体の本体に負極用の活物質(例えば、カーボンや人造黒鉛)が塗工された負極板本体2bと、この活物質が塗工されていない前述のタブ2tとを有している。
負極板2の負極板本体2bは、セパレータ3により完全に覆われ、負極板2のタブ2tは、一部がセパレータ3から露出している。セパレータ3は、絶縁性及び耐電解液性を有する樹脂、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン等で形成されている。
複数の正極板4と、それぞれがセパレータ3で覆われている複数の負極板2とは、タブ4t,2tが設けられている側が互いに同じ側になるよう、交互に重ね合わされて、電極積層体5を形成している。
セルケース6は、アルミニウム等の金属で形成されている。このセルケース6は、電極積層体5が入る直方体状の収納凹部が形成されているケース本体6mと、このケース本体6mの開口を塞ぐ蓋6nと、を有している。
セルケース6の蓋6nには、正負の電極端子7a,7bが絶縁材を介して固定されている。さらに、この蓋6nには、安全弁(不図示)等も固定されている。正負の電極端子7a,7bは、蓋6nを貫通した状態で蓋6nに固定され、セルケース6の内側及び外側に突出している。
正極端子7aには、正極板4のタブ4tに接合されたリード8aがビス(不図示)で接続されている。また、正極端子7bには、負極板2のタブ2tに接続されたリード8bがビス(不図示)で接続されている。
直方体状の収納凹部が形成されているケース本体6mを形成する各壁面のうち、このケース本体6mに収納されている複数の電極体2,4の積層方向Lを向く壁面6aには、前述の各種センサ9のうちの1つのセンサである歪ゲージ9aが取り付けられている。
この歪ゲージ9aは、CMU10と信号線で接続されている。CMU10は、各種演算を行うCPU11と、CPU11が実行するプログラムや各種データ等が記憶されているメモリ12と、外部との間で信号を受送信するためのインタフェース14a,14bと、を有している。メモリ12内には、歪ゲージ9aで検出される歪とこの電池1の充電率(以下、SOC(State of Charge)とする)との関係を示す関係情報Fが記憶されている。
ところで、図3に示すように、電池1の端子間電圧とセルケース6の歪とには、高い相関性がある。具体的には、電池1の端子間電圧が最大のときにはセルケース6の歪が最大になり、電池1の端子間電圧が最大値から低くなれば、これに伴ってセルケース6の歪も小さくなる。また、電池1の端子間電圧と電池1のSOCとの間に高い相関性があることは周知の事実である。従って、電池1のSOCとセルケース6の歪との間にも高い相関性がある。
本実施形態の電池1では、充電中、正極板4からLiイオンが離脱し、このLiイオンが負極板2に挿入されるため、これら電極板4,2を有して構成されている電極積層体5は膨張、特に、これら電極板4,2の積層方向Lに膨張する。逆に、放電中では、電極積層体5は縮小、特に、これら電極板4,2の積層方向Lに縮小する。セルケース6は、図4に示すように、この電極積層体5の膨張・縮小に対応して、膨張・縮小する。このように、電池1の充放電により、セルケース6が膨張・縮小するため、前述したように、電池1のSOCとセルケース6の歪との間に高い相関性がある。
そこで、本実施形態では、電池1の充放電によるセルケース6の変形で、セルケース6を形成する各壁面のうちで最も歪が大きくなる壁面6a、つまりセルケース6中で積層方向Lを向く壁面6aに歪ゲージ9aを設け、制御回路105のCMU10が、この歪ゲージ9aからの出力、つまりセルケース6の歪からSOCを求めるようにしている。
CMU10のメモリ12には、前述したように、歪ゲージ9aで検出される歪とこの電池1のSOCとの関係を示す関係情報Fが予め記憶されている。この関係情報Fは、例えば、試験によって、実際に電池1を充放電させることで得ることができる。この関係情報Fは、電池1のSOCとセルケース6の歪との関係を示す関数の形式の情報でもよいし、電池1のSOC毎のセルケース6の歪をテーブル形式で示す情報でもよい。CMU10の演算部であるCPU11は、この関係情報Fと、歪ゲージ9aで検知された歪とを用いて、SOCを求める。
CMU10のCPU11は、求めたSOCを一端メモリ12に記憶して、このSOCを必要に応じてBMU20に送る。CMU10又はBMU20は、このSOCに応じて、電池1の充放電制御等を行う。
以上のように、本実施形態では、セルケース6の歪からSOCを求めているので、電池1が通電状態でも通電停止状態でもSOCを得ることができる。
また、本実施形態では、レンジの異なる複数の電流計や、OCV(Open Circuit Voltage)を検知する手段及び電池インピーダンスを検知する手段を設けなくても、歪ゲージ9aを設けることでSOCを得ることができるので、電池1の製造コストを抑えることができる。
なお、本実施形態では、歪ゲージ9aでセルケース6の歪を検知しているが、セルケース6の歪を検知することができれば、如何なるセンサを用いてもよく、例えば、図4に示すように、光変位計9bを歪センサとして用いてもよい。
光変位計9bでセルケース6の歪を検知する場合、セルケース6中で積層方向Lを向く壁面6aのうち、この壁面6aで、積層方向Lに垂直な方向Xにおける中央部の変位(歪)を検知できるように、この光変位計9bをセットすることが好ましい。これは、この壁面6a中で方向Xにおける中央部が最も変位(歪)量が大きいからである。
一方、本実施形態では、この壁面6a中で方向Xにおける端側の部分に歪ゲージ9aを設けている。歪ゲージ9aは、歪ゲージ9aが取り付けられている領域、つまり、限られた歪検知領域Dの歪を検知するセンサである。前述したように、セルケース6の壁面a中で方向Xにおける中央部が最も最も変位(歪)量が大きいものの、この中央部が歪検知領域Dである場合、この歪検知領域D内の歪ε1は小さく、逆に、壁面6a中で方向Xにおける端側の部分が歪検知領域Dである場合、この歪検知領域D内の歪ε2は大きい。このため、本実施形態では、歪検知領域D内の歪が大きいセルケース6中の部分、つまり、セルケース6の壁面6a中で方向Xにおける端側の部分に、歪ゲージ9aを設けている。
また、本実施形態では、セルケース6中の一箇所の歪のみからSOCを求めているが、セルケース6を温度も検知し、この温度と歪とからSOCを求めてもよいし、セルケース6中の複数箇所の歪からSOCを求めてもよい。
セルケース6の弾性係数は温度により変化するため、セルケース6の温度変化によりセルケース6の歪を変化する。このため、セルケース6の温度を検知する温度計を設けると共に、セルケース6の温度及び歪みとSOCとの関係を示す関係情報Fをメモリ12に記憶しておき、実際に検知されたセルケース6の温度及び歪みと関係情報Fとを用いて、SOCを求めるようにしてもよい。
セルケース6中で予め想定した検知位置の歪を検知するようにしても、同一条件下での検知位置の歪は、セルケース6の製造誤差等により、個々のセルケース6で微妙に異なる。このため、製造誤差等による歪のバラツキを平準化するために、複数の歪センサを設けると共に、セルケース6の検知位置毎の歪みとSOCとの関係を示す関係情報Fをメモリ12に記憶しておき、実際に検知された検知位置毎の歪みと関係情報Fとを用いて、SOCを求めるようにしてもよい。
また、本実施形態では、CMU10がセルケース6の歪からSOCを求めているが、BMU20がセルケース6の歪からSOCを求めるようにしてもよい。
1:電池、2:負極板、3:セパレータ、4:正極板、5:電極積層体、6:セルケース、6a:壁面、6m:ケース本体、6n:蓋、9a:歪ゲージ、9b:光変位計、100:電池システム、101:組電池、105:制御回路

Claims (3)

  1. 電極体、及び該電極体を内包した電池容器を有する二次電池と、
    前記電池容器の歪を検知することができる歪センサと、
    前記歪センサで検知される前記歪と前記二次電池の充電率との関係を示す関係情報が記憶されている記憶部と、
    前記歪センサで検知された前記歪と前記関係情報とを用いて、前記充電率を求める演算部と、
    を備えていることを特徴とする二次電池システム。
  2. 請求項1に記載の二次電池システムにおいて、
    前記二次電池は、積層された複数の前記電極体を有し、
    前記電池容器は、複数の前記電極体が積層されている積層方向を向く積層方向面を有し、
    前記歪センサは、前記電池容器の積層方向面の歪を検知する、
    ことを特徴とする二次電池システム。
  3. 請求項1又は2に記載の二次電池システムにおいて、
    前記歪センサは、前記二次電池の充放電による前記電池容器の変形に対して、該歪センサが検出する歪の変化が大きいと予め想定した該電池容器中の位置の歪を検出する、
    ことを特徴とする二次電池システム。
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