JP2019145342A - 診断装置及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成でリチウムイオン二次電池の充電時における金属リチウムの析出を検出する。【解決手段】密閉式の電池ケース2を有するリチウムイオン二次電池1の診断装置10は、電池ケース2の厚み寸法Lを検出する検出部11と、リチウムイオン二次電池1の充電時に検出部11で検出された厚み寸法Lに基づいて、リチウムイオン二次電池1の金属リチウムが析出しているか否かを判定する判定部15と、判定部15により金属リチウムが析出していると判定された場合に、異常充電であると診断する診断部16と、を備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、密閉式の電池ケースを有するリチウムイオン二次電池の充電時における金属リチウムの析出の有無を判定する診断装置と、この診断装置を搭載した制御装置とに関する。
近年、携帯電話機,スマートフォン,ディジタルカメラといった小型電子機器から電気自動車,ハイブリッド自動車等の車両に至るまで、幅広い分野でリチウムイオン二次電池(Lithium-ion Rechargeable Battery、以下「LIB」と表記する)が活用されている。LIBは、リチウムイオンの電極間移動により充放電を行う二次電池であり、他の二次電池と比較してエネルギー密度が大きいという特徴を持つ。LIBは、正極活物質が塗布された正極板と、負極活物質が塗布された負極板と、正極板及び負極板を絶縁するセパレータと、電解液とから構成される。
LIBは、一般的にグラファイト等のカーボン材料がその負極材として用いられることが多く、充電時にはカーボン材料中の層間にリチウムイオンが入り込むことで電位が変化する。しかしながら、LIBの充電状況によっては、負極表面上に金属リチウムが析出して正常に充電されない場合がある。そのため、このような異常充電状態を検知することで安全性を高めるようにした技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2012−181976号公報
しかしながら、特許文献1に記載の異常検出装置では、所定時間毎にLIBの充電又は放電の電気量Qと、所定時間毎の電気量の変化dQに対する、所定時間毎の電圧値の変化dVの割合であるdV/dQとを算出し、Q−dV/dQ曲線を作成して記憶するといった煩雑な処理を実行しなければならない。
本件の診断装置は、簡素な構成で、LIBの充電時における金属リチウムの析出を判別し、診断精度を高めることを目的の一つとする。また、本件の制御装置は、異常充電であると診断された場合に、金属リチウムの析出量の低減を図ることを目的の一つとする。なお、これらの目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示する診断装置は、密閉式の電池ケースを有するリチウムイオン二次電池の診断装置であって、前記電池ケースの厚み寸法を検出する検出部と、前記リチウムイオン二次電池の充電時に前記検出部で検出された前記厚み寸法に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の金属リチウムが析出しているか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記金属リチウムが析出していると判定された場合に、異常充電であると診断する診断部と、を備えている。
(2)前記診断装置は、前記リチウムイオン二次電池の充電時における前記厚み寸法を含む電池情報をモニタリングする監視部と、前記監視部でモニタリングされた前記電池情報を充電履歴として記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記充電履歴に含まれる直前の前記厚み寸法に基づいて前記判定部で使用する閾値を設定する設定部と、を備え、前記判定部は、前記厚み寸法に関するパラメータが前記設定部で設定された閾値未満である場合に、前記金属リチウムが析出していると判定することが好ましい。
(3)前記電池情報には、前記充電時の電流値及び前記充電時の電池温度が含まれることが好ましい。この場合、前記設定部は、前記充電履歴の中から、現在の前記充電時の電流値及び電池温度に近似した前記電池情報を所定数だけ選択し、選択した前記電池情報に含まれる前記厚み寸法に基づいて前記閾値を設定することが好ましい。
(4)さらに、前記電池情報には、前記充電時の電圧値が含まれることが好ましい。この場合、前記設定部は、選択した前記所定数の前記電池情報に含まれる前記電圧値に対する前記厚み寸法をそれぞれグラフ化するとともに前記所定数のグラフを平均した平均カーブを算出し、前記平均カーブを前記閾値として設定することがより好ましい。
(5)前記診断装置は、前記診断部により異常充電であると診断された場合に警報を発する報知部を備えていることが好ましい。
(6)ここで開示する制御装置は、上記の(1)〜(5)の何れか一つに記載の診断装置を備えた制御装置であって、前記リチウムイオン二次電池を急速充電しているときに前記診断部により異常充電であると診断された場合には、前記急速充電を一時停止する。
(7)また、前記制御装置は、前記診断部により異常充電であると診断されたときの前記リチウムイオン二次電池の温度が負の値である場合には、前記リチウムイオン二次電池の充電を一時停止するとともに前記リチウムイオン二次電池の温度を高める制御を実施することが好ましい。
正常に充電ができていれば電池ケースは膨張するが、充電中に金属リチウムが析出している場合には電池ケースはほとんど膨張しない。開示の診断装置は、電池ケースの膨張(すなわち厚み)に着目し、電池ケースの厚み寸法に基づいて金属リチウムの析出の有無を判定する。このため、複雑な演算処理が不要であり、簡素な構成で金属リチウムの析出の有無を判別でき、診断精度を高めることができる。また、開示の制御装置によれば、金属リチウムの析出量の低減を図ることができる。
実施形態に係る診断装置が適用されたリチウムイオン二次電池の斜視図である。 図1のリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。 図1のリチウムイオン二次電池に内蔵されるエレメントの分解斜視図である。 実施形態に係る診断装置及び制御装置を例示するブロック図である。 図1のリチウムイオン二次電池の充放電時における電池ケースの厚み変化を説明するための模式図であり、(a)は正常時、(b)は金属リチウム析出時である。 図1のリチウムイオン二次電池の充電時における電圧変化に対する厚み寸法の変化を示すグラフの一例である。
図面を参照して、実施形態としての診断装置及び制御装置について説明する。本診断装置は、電気自動車やハイブリッド自動車といった車両に搭載されるリチウムイオン二次電池や、携帯端末(携帯電話機,スマートフォン等)やディジタルカメラといった小型電子機器に設けられるリチウムイオン二次電池の充電時における金属リチウムの析出を「異常充電」として検出するものである。本実施形態では、車両に搭載されるリチウムイオン二次電池を例示する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
[1.電池構成]
図1及び図2に、本実施形態のリチウムイオン二次電池1(以下「バッテリ1」という)の構造を例示する。バッテリ1は、密閉式の電池ケース2内に後述するエレメント4が収容されてなる密閉型の単位電池(セル)である。車両に搭載されるときには、複数のバッテリ1が直列接続されることでモジュール化され、さらに複数のモジュールが直列接続されて一つの電池パックとして構成される。電池パックのケース内には、バッテリ1の温度調節を行なう調節システム(例えばブロアファン,ヒータ,温度センサ等、いずれも図示略)が設けられる。
電池ケース2は、頂面に相当する上側部分が開放された直方体状(角形)の容器2Aと、容器2Aの頂面に溶接固定されて容器2Aを閉塞する蓋2Bとを有する。電池ケース2の素材としては、例えばステンレス鋼やメッキ処理された鋼材,強化プラスティック等が用いられる。電池ケース2は、気密,水密構造とされ、必要に応じて図示しないベント機構が設けられる。ベント機構は、バッテリ1の内部圧力を電池ケース2の外部に逃がす安全弁として機能する。また、電池ケース2の頂面には、一対の電極端子3が蓋2Bを貫通して設けられる。
エレメント4は、シート状の電極板等を積層した発電要素であり、充放電反応に係る電解質が溶解した有機溶媒系の電解液をその内部に含有する。エレメント4の形状は、例えばラミネート状(シート状),円柱状(巻物状),長円柱状(発電要素を楕円渦状,長円渦状となるように扁平に巻回したもの)等に形成される。図1及び図2中に示すエレメント4は長円柱状であり、発電要素の巻回軸方向についての一端側(図中左側)の外表面には正極が露出して設けられ、他端側(図中右側)の外表面には負極が露出して設けられる。
以下、巻回軸の延在方向を電池ケース2及びエレメント4等の「幅方向」とする。幅方向は、矩形状の容器2Aの底面及び蓋2Bの長手方向に相当する。また、矩形状の容器2Aの底面及び蓋2Bの短手方向に相当する方向(幅方向に直交する方向)を「厚み方向」とする。
電池ケース2の内部には、エレメント4内の正極及び負極と電極端子3とを接続する一対の集電体8が収納される。図2に示すように、それぞれの集電体8は、エレメント4の一端部,他端部を挟み込んだ状態でエレメント4に固定される。エレメント4は、その幅方向両端部を集電体8によって堅固に挟持された状態で、電池ケース2内に収容される。また、それぞれの集電体8の上端部には、電極端子3が固定される。電極端子3の外周には絶縁部が形成され、蓋2Bに対して絶縁される。なお、集電体8及び電極端子3は、図1及び図2に示すように、電池ケース2の上面において、幅方向両端部に配置される。
エレメント4は、図3に示すように、いずれも帯状の正極板5及び負極板6と、これら正極板5及び負極板6の間に挟まれる帯状のセパレータ9とを有する。エレメント4は、正極板5,セパレータ9,負極板6,セパレータ9,正極板5,…の順に積層し、これを扁平に巻回した構造とされる。なお、図1及び図2には、電池ケース2内に一つのエレメント4が収容されたバッテリ1を例示しているが、電池ケース2内に複数のエレメント4が収容されていてもよい。
セパレータ9はシート状に形成された微多孔膜であり、正極板5と負極板6とを電気的に絶縁しつつ、リチウムイオンの通過を許容するものである。セパレータ9の膜厚は、例えば数μm〜数十μmに形成される。セパレータ9の素材としては、例えばポリオレフィン系材料(ポリエチレン,ポリプロピレン),ポリフッ化ビニリデン樹脂,不織布,セルロース繊維等が挙げられる。セパレータ9の膜構造は単層,複層のどちらでもよく、表面に耐熱コートや耐アルカリコート,補強コート等が施されたものであってもよい。
正極板5(正極電極板)は、正極集電箔の表面に、図3中にドット模様で示す正極活物質層5aが形成されたものである。正極集電箔は、板状又は箔状に形成された導電体(例えば、アルミニウム,アルミ合金等)であり、例えば数μm〜数十μmのほぼ均一な厚みを持つ。正極活物質層5aは、正極集電箔の表面に正極活物質(リチウム複合酸化物)やバインダー物質,導電材等が結着されてなる部位であり、例えば数十μm〜数百μmの厚みとされる。また、正極活物質層5aは、正極集電箔を挟んでその両面に形成される。これにより、正極板5と負極板6とが交互に積層されたエレメント4の内部では、正極板5の両側面でリチウムイオンの授受がなされる。なお、正極活物質の具体例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)やマンガンスピネル(LiMn2O4)等が挙げられる。
正極活物質層5aは、正極集電箔の長手方向に伸びる二辺のうち、片側の一辺に沿って形成される。反対に、正極集電箔の他辺の側には、正極活物質層5aが形成されない部分が残存する。正極活物質層5aが形成された面は、バッテリ1の充電時にリチウムイオンを負極板6側に供給し、放電時にリチウムイオンを受け取る部位となる。一方、正極活物質層5aが形成されない面は、集電体8によってその端部が束ねられた状態で挟持される部位であり、バッテリ1の電極端子3(プラス端子)に接続される。
負極板6(負極電極板)は、負極集電箔の表面に、図3中にドット模様で示す負極活物質層6aが形成されたものである。負極集電箔は、板状又は箔状に形成された導電体(例えば、銅,ニッケル等)であり、例えば数μm〜数十μmのほぼ均一な厚みを持つ。負極活物質層6aは、負極集電箔の表面に負極活物質やバインダー物質,導電材等が結着されてなる部位であり、例えば数十μm〜数百μmの厚みとされる。また、負極活物質層6aは、正極活物質層5aと同様に、負極集電箔を挟んでその両面に形成される。なお、負極活物質の具体例としては、グラファイトをはじめとするカーボン材料やケイ素系合金材料等が挙げられる。
負極活物質層6aも、負極集電箔の長手方向に伸びる二辺のうち、片側の一辺に沿って形成される。したがって、負極集電箔の他辺の側には、負極活物質層6aが形成されない部分が残存する。負極活物質層6aが形成された面は、バッテリ1の放電時にリチウムイオンを正極板5側に供給し、充電時にリチウムイオンを受け取る部位となる。一方、負極活物質層6aが形成されない面は、集電体8によってその端部が束ねられた状態で挟持される部位であり、バッテリ1の電極端子3(マイナス端子)に接続される。
[2.診断装置の構成]
次に、図4〜図6を用いて、本実施形態の診断装置10について説明する。診断装置10は、上述した密閉式の電池ケース2を有するバッテリ1の充電中に、金属リチウムが負極の表面に析出していたら「異常充電」と診断(検出)する電子制御装置(コンピュータ)である。診断装置10の内部には、バスを介して互いに接続されたプロセッサ,メモリ,インタフェイス装置等(いずれも図示略)が内蔵される。なお、後述する車載の制御装置20の内部に診断装置10の機能を内蔵させてもよい。
プロセッサは、例えば制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ)などを内蔵する処理装置である。また、メモリは、プログラムや作業中のデータが格納される記憶装置であり、ROM,RAM,不揮発メモリなどを含む。診断装置10で実施される制御の内容は、ファームウェアやアプリケーションプログラムとしてメモリに記録,保存されており、プログラムの実行時にはプログラムの内容がメモリ空間内に展開されプロセッサで実行される。
図4中の診断装置10は、その機能をブロック図で模式的に表したものである。本実施形態の診断装置10には、検出部11,監視部12,記憶部13,設定部14,判定部15,診断部16,報知部17が設けられる。本実施形態では、これらの要素の各機能がソフトウェアで実現されるものとする。ただし、各機能の一部又は全部をハードウェア(電子制御回路)で実現してもよく、あるいはソフトウェアとハードウェアとを併用して実現してもよい。
検出部11は、電池ケース2の厚み寸法L(厚み方向の長さ)を検出するものである。検出部11は、例えば図4に示すように、電池ケース2の表面に貼り付けたひずみゲージ18からの信号(検出値)に基づき厚み寸法Lを検出する。なお、厚み寸法Lの検出手法は特に限られず、例えば圧力センサやレーザ等を使用する手法であってもよい。検出部11による厚み寸法Lの検出は、少なくとも充電中に実施される。
バッテリ1を充電すると、リチウムイオンが正極から負極へと移動し、負極活物質層6aの層間(例えばグラファイト層間)に入り込んで溜まっていく。このため、正常に充電が進行している場合には、図5(a)に示すように、バッテリ1が膨張して電池ケース2の厚み寸法Lが増加する(長くなる)。一方で、リチウムイオンが層間に入り込まず、負極の表面に金属リチウムとして析出してしまう場合には、図5(b)に示すようにバッテリ1がほとんど膨張せず、電池ケース2の厚み寸法Lの変化(増加量)は正常時に比べて小さい。なお、図5(b)に示す状態(異常充電)となるのは、例えば極低温状態での充電時にリチウムイオンが層間に入りにくくなる場合や、急速充電時にリチウムイオンを層間に溜め込むスピードが間に合わない場合が挙げられる。
本診断装置10は、この厚み寸法Lに基づいて、バッテリ1の充電が正常に行われているか、あるいは、金属リチウムが析出する異常充電であるのかを診断する。例えば、バッテリ1の厚み寸法Lが所定値Ld(閾値)以上であれば「正常」と診断し、バッテリ1の厚み寸法Lが所定値Ld未満であれば「異常」と診断する。なお、所定値Ldは、充電前の厚み寸法L0よりも大きな値である。また、充電前からの厚み寸法Lの増加量(=L−L0)や増加率{=(L−L0)/L0}を所定の閾値と比較することで充電状態を診断してもよい。
監視部12は、バッテリ1の充電時における電池情報をモニタリングするものである。ここでモニタリングされる電池情報には、少なくとも電池ケース2の厚み寸法Lが含まれる。さらに、本実施形態の電池情報には、充電時の電圧値,充電時の電流値,充電時の電池温度が含まれる。これらの情報は、各バッテリ1に設けられた各種センサ(いずれも図示しない電圧センサ,電流センサ,温度センサ)から取得してもよいし、複数のバッテリ1を統括管理する電子制御装置(例えばバッテリマネジメントユニット、図示略)から取得してもよい。
記憶部13は、監視部12でモニタリングされた電池情報を充電履歴として記憶するものである。すなわち、充電時における厚み寸法Lや電圧値等を含む電池情報は、その時の充電が完了したあとも履歴として記憶される。なお、記憶部13は、電池情報を記憶する際に、例えば「新品時から何回目の充電である」,「現時点から何回前の充電である」といった回数情報や日付情報を紐付ける。
設定部14は、記憶部13に記憶された充電履歴に含まれる直前の厚み寸法Lに基づいて、判定部15で使用する閾値を設定するものである。ここでいう「閾値」は、上述したように、厚み寸法Lそのものと比較する所定値Ldや、厚み寸法Lの増加量又は増加率と比較する判定閾値を意味する。つまり、本実施形態の閾値は、厚み寸法Lに応じて変化する可変値とされる。バッテリ1は、充電を繰り返していくと電解液が分解することでガスが発生し、このガスの影響によっても徐々に膨張していく。このため、充電履歴に含まれる厚み寸法L(しかも直前の値)に基づいて閾値を設定(更新)することで、バッテリ1の劣化に伴う厚み寸法Lの増加に影響されない判定が可能となる。
設定部14は、充電履歴の中から直前の一回の充電履歴だけを選択してもよいし、直前から数回前までの所定数の充電履歴を選択してもよい。本実施形態の設定部14は、充電履歴の中から、現在の充電状態(充電時における電流値及び電池温度)に近似した電池情報を所定数だけ選択し、選択した電池情報に含まれる厚み寸法Lに基づいて閾値を設定する。すなわち設定部14は、現在実施している充電状態とよく似た充電状態が過去にあった場合には、その充電時に記憶された履歴(過去の電池情報)に含まれる厚み寸法Lに基づいて閾値を設定する。なお、近似しているか否かは、例えば、現在の電流値,電池温度を挟んだ所定の電流値範囲,電池温度範囲を定めて、範囲内であれば「近似」と判定できる。
設定部14は、所定数の充電履歴を参照する場合には、各充電履歴に含まれる厚み寸法Lやその増加量,増加率の平均値を算出し、この平均値に基づいて閾値を設定することが好ましい。例えば、選択した所定数の電池情報に含まれる「電圧値に対する厚み寸法」をそれぞれグラフ化するとともに、所定数のグラフを平均した平均カーブ(図6中に実線で示すグラフ)を算出して、平均カーブを閾値として設定してもよい。なお、充電履歴を遡るほど、これに含まれる厚み寸法Lは減少する。言い換えると、充電回数が増えるほど厚み寸法Lは増加するため、閾値は、充電回数が増えるほど増加方向に更新される。
判定部15は、バッテリ1の充電時に検出部11で検出された厚み寸法Lに基づいて、バッテリ1の金属リチウムが析出しているか否かを判定するものである。本実施形態の判定部15は、厚み寸法Lに関するパラメータが設定部14で設定された閾値未満である場合に、金属リチウムが析出していると判定し、このパラメータが閾値以上である場合に、金属リチウムが析出していない(すなわち正常である)と判定する。ここでいう「厚み寸法Lに関するパラメータ」とは、厚み寸法Lそのものや、厚み寸法Lの増加量,増加率が挙げられる。
例えば、設定部14により、図6に示す平均カーブ(電圧値に対する厚み寸法Lの変化)が閾値として設定された場合には、判定部15は、電圧値に対する厚み寸法Lをパラメータとして用いる。この場合、パラメータ(電圧値に対する厚み寸法L)が図6中に破線のグラフで表現されるとすると、破線グラフが実線グラフ(閾値)を下回ったときに「金属リチウムが析出している」と判定される。すなわち、この場合には、グラフ化されたパラメータと平均カーブとが比較されて上記判定が行われる。
診断部16は、判定部15により金属リチウムが析出していると判定された場合に、異常充電であると診断するものである。また、報知部17は、診断部16により異常充電であると診断された場合に警報を発するものである。バッテリ1が車両に搭載される場合には、車室内に設けられた警報灯やディスプレイ等にバッテリ1の異常を知らせる内容(警報)を表示してもよいし、ブザー音や音声によって異常を知らせてもよい。なお、報知部17は、バッテリ1が小型電子機器に内蔵される場合にも同様に、視覚あるいは聴覚でユーザが確認できる手法で報知する。
[3.制御装置の構成]
図4に示すように、車両に搭載される制御装置20は、様々な車載機器を制御する機能を持った電子制御装置(コンピュータ)であり、車両の車載ネットワークに接続される。車載ネットワーク上には、上記の診断装置10のほか、図示しない補機類や各種センサ類なども接続される。制御装置20の内部には、バスを介して互いに接続されたプロセッサ,メモリ,インタフェイス装置などが内蔵される。
プロセッサは、例えば制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ)などを内蔵する処理装置である。また、メモリは、プログラムや作業中のデータが格納される記憶装置であり、ROM,RAM,不揮発メモリなどを含む。制御装置20で実施される制御の内容は、ファームウェアやアプリケーションプログラムとしてメモリに記録,保存されており、プログラムの実行時にはプログラムの内容がメモリ空間内に展開されプロセッサで実行される。
制御装置20は、バッテリ1を急速充電しているときに、診断装置10の診断部16により異常充電であると診断された場合には、急速充電を一時停止する。これにより、析出した金属リチウムが層間に入り込む時間が確保される。なお、急速充電から普通充電への切り替えが可能な充電設備によって充電されている場合には、急速充電を一時停止したのち普通充電を開始してもよい(すなわち、急速充電から普通充電に切り替えてもよい)。なお、バッテリ1を外部の充電設備によって充電する場合には、充電設備側のコンピュータと車両の制御装置20との間で通信を行なうため、この通信内容に基づき充電形態(急速充電か普通充電か)を判断できる。
本実施形態の制御装置20は、診断装置10の診断部16により異常充電であると診断されたときのバッテリ1の温度が負の値である場合には、バッテリ1の充電を一時停止するとともに、バッテリ1の温度を高めるための制御を実施する。これにより、析出した金属リチウムが層間に入り込みやすくなる。なお、バッテリ1の温度を高める制御としては、例えば、電池パックのケースに内蔵されたヒータを作動させることが挙げられる。
[4.効果]
(1)上述した診断装置10では、「正常に充電ができていればバッテリ1は膨張するが、充電中に金属リチウムが析出している場合にはバッテリ1はほとんど膨張しない」ことに着目し、バッテリ1の充電時における電池ケース2の厚み寸法Lに基づいて金属リチウムの析出の有無を判定する。このため、複雑な演算処理が不要であり、簡素な構成で金属リチウムの析出の有無を判別でき、診断精度を高めることができる。
(2)また、バッテリ1の充電中に電池情報をモニタリングするとともに充電履歴として記憶しておき、直前の充電履歴に含まれる厚み寸法Lに基づいて閾値を設定することで、バッテリ1の劣化に伴う厚み寸法Lの増加を排除した判定を行うことができる。すなわち、金属リチウムの析出の有無を判定する閾値を適切に設定できるため、診断精度をより高めることができる。
(3)さらに、充電履歴の中から、現在の充電状態(電流値及び電池温度)に近似した電池情報を複数選択して、これらに含まれる厚み寸法Lに基づき閾値を設定することで、診断精度をさらに高めることができる。
(4)また、閾値を、充電時の電圧値に対して変化する可変値として設定することで、診断精度をさらに向上させることができる。
(5)上述した診断装置10では、異常充電であると診断されたら警報が発せられるため、充電が正常に行われていないことをユーザが認識でき、例えば充電を一時的に中断する等の適切な処置を取れるようになる。
(6)上述した制御装置20によれば、診断装置10によって、バッテリ1の急速充電中に異常充電であると判定されると、急速充電を一時停止するため、析出した金属リチウムが層間に入り込む時間を確保できる。これにより、金属リチウムの析出量の低減を図ることができる。
(7)また、急速充電か普通充電かによらず、異常充電であると判定されたときのバッテリ1の温度がマイナスである場合には、充電が一時停止されるとともにバッテリ1の温度を高めるための制御が実施されるため、析出した金属リチウムが層間に入り込みやすくなり、金属リチウムの析出量の低減を図ることができる。
[5.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態等に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上述した診断装置10の構成は一例であって、上述したものに限られない。例えば、報知部17を省略し、ユーザに報知する代わりに診断装置内でダイアグとして記録しておいてもよい。また、設定部14を省略し、判定に用いる閾値を固定値としてもよい。この場合には、監視部12及び記憶部13も省略可能であり、制御構成を一層簡素化できる。
上述したバッテリ1の構成は一例であって、上述したものに限られない。少なくとも密閉式の電池ケースを有するリチウムイオン二次電池であれば、上述した診断装置によって金属リチウムの析出の有無を判別することができる。
また、上述した実施形態では、車両に搭載されるバッテリ1を例示したが、携帯端末やディジタルカメラといった小型電子機器に設けられるリチウムイオン二次電池に、上述した診断装置を適用してもよい。
また、これら小型電子機器に設けられる制御装置が、上述した診断装置10を備えていてもよい。この場合の制御装置は、上述した制御装置20と同様に、リチウムイオン二次電池を急速充電しているときに「異常充電である」と診断されたら急速充電を一時停止することが好ましい。さらに、この制御装置は、上述した制御装置20と同様に、「異常充電である」と診断されたときのリチウムイオン二次電池の温度が負の値であれば充電を一時停止するとともに、その温度を高めるための制御を実施することが好ましい。これらの構成であれば、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
1 バッテリ(リチウムイオン二次電池)
2 電池ケース
2A 容器
2B 蓋
3 電極端子
4 エレメント
5 正極板
5a 正極活物質
6 負極板
6a 負極活物質
8 集電体
9 セパレータ
10 診断装置
11 検出部
12 監視部
13 記憶部
14 設定部
15 判定部
16 診断部
17 報知部
L,L0 厚み寸法
Ld 所定値(閾値)

Claims (7)

  1. 密閉式の電池ケースを有するリチウムイオン二次電池の診断装置であって、
    前記電池ケースの厚み寸法を検出する検出部と、
    前記リチウムイオン二次電池の充電時に前記検出部で検出された前記厚み寸法に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の金属リチウムが析出しているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部により前記金属リチウムが析出していると判定された場合に、異常充電であると診断する診断部と、を備えた
    ことを特徴とする、診断装置。
  2. 前記リチウムイオン二次電池の充電時における前記厚み寸法を含む電池情報をモニタリングする監視部と、
    前記監視部でモニタリングされた前記電池情報を充電履歴として記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記充電履歴に含まれる直前の前記厚み寸法に基づいて前記判定部で使用する閾値を設定する設定部と、を備え、
    前記判定部は、前記厚み寸法に関するパラメータが前記設定部で設定された閾値未満である場合に、前記金属リチウムが析出していると判定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の診断装置。
  3. 前記電池情報には、前記充電時の電流値及び前記充電時の電池温度が含まれ、
    前記設定部は、前記充電履歴の中から、現在の前記充電時の電流値及び電池温度に近似した前記電池情報を所定数だけ選択し、選択した前記電池情報に含まれる前記厚み寸法に基づいて前記閾値を設定する
    ことを特徴とする、請求項2記載の診断装置。
  4. 前記電池情報には、前記充電時の電圧値が含まれ、
    前記設定部は、選択した前記所定数の前記電池情報に含まれる前記電圧値に対する前記厚み寸法をそれぞれグラフ化するとともに前記所定数のグラフを平均した平均カーブを算出し、前記平均カーブを前記閾値として設定する
    ことを特徴とする、請求項3記載の診断装置。
  5. 前記診断部により異常充電であると診断された場合に警報を発する報知部を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の診断装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の診断装置を備えた制御装置であって、
    前記リチウムイオン二次電池を急速充電しているときに前記診断部により異常充電であると診断された場合には、前記急速充電を一時停止する
    ことを特徴とする、制御装置。
  7. 前記診断部により異常充電であると診断されたときの前記リチウムイオン二次電池の温度が負の値である場合には、前記リチウムイオン二次電池の充電を一時停止するとともに前記リチウムイオン二次電池の温度を高める制御を実施する
    ことを特徴とする、請求項6記載の制御装置。
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