続いて、この発明に係る押圧検知センサ、入力装置及び電子機器の実施の形態について、図面を参照しながら説明をする。
図1は、第1の実施例としての押圧検知センサ100の構成例を示す斜視図である。図1に示す押圧検知センサ100は、電極パターン51,52、弾性導電体53、被覆シート54及びベースシート55を有して構成される。ベースシート55はベース部材の一例を構成し、所定の長さ及び幅を有し、かつ、所定の形状を有している。ベースシート55は絶縁性を有して、例えば、中央部位が開口部を成した額縁状を有している。押圧検知センサ100を額縁状に設定したのは、中央部位に液晶表示素子等の表示部を組み入れ、表示面を操作面とする入力装置を構成するためである。
電極パターン51は第1の導体の一例を構成し、所定の長さを有してベースシート55に配置されている。電極パターン52は第2の導体の一例を構成し、電極パターン51に対向してベースシート55に配置されている。電極パターン51と電極パターン52との間には導電性の接触体の一例を構成する弾性導電体53が配置され、外力に応じて当該電極パターン51及び電極パターン52間を電気的に接続するようになされる。弾性導電体53には、例えば、導電性のゴム部材が使用される。
被覆シート54は被覆部材の一例を構成し、内側に弾性導電体53を有して電極パターン51及び電極パターン52を含むベースシート55上を覆うように設けられている。被覆シート54は可撓性及び又は弾性を有している。この例で、弾性導電体53と被覆シート54とを同一の材質で構成してもよい。例えば、同一の金型で弾性導電体53と被覆シート54とを成形できるので、押圧検知センサ100の製造工程が簡略化できる。
この例で、電極パターン51の一端は第1の端子56に接続され、電極パターン52の一端は第2の端子57に接続され、電極パターン51及び電極パターン52の他端が共に開放されている。また、電極パターン51及び電極パターン52が配置されるベースシート55が額縁状を成している。
図2は、押圧検知センサ100の一辺の構成例を示す断面図である。図2において、ベースシート55の幅をwとしたとき、幅wは3〜5mm程度である。押圧検知センサ100の厚みをtとしたとき、tは0.5〜1.5mm程度である。ベースシート55には、厚みが0.05mm〜0.3mm程度のポリイミド系のシート状の樹脂材料が使用される。
ベースシート55上には電極パターン51と電極パターン52とは所定の間隔を保持して並設されている。電極パターン51及び電極パターン52には、銅(Cu)箔や、洋銀箔、青銅箔、黄銅箔が使用される。
被覆シート54は、例えば、上部ベースシート54a,外側スペースシート54b及び内側スペースシート54cを有して構成される。ベースシート55の両側に外側スペースシート54b及び内側スペースシート54cが設けられ、上部ベースシート54aとベースシート55とをスペーサとしての機能を有している。スペーサを設ける理由は、ベースシート55上の被覆シート54で囲まれた領域内部に空間を確保(作成)するためである。上部ベースシート54aには、厚みが0.05mm〜0.3mm程度のポリイミド系のシート状の樹脂材料が使用される。
この例で、上部ベースシート54a下(裏面)には弾性導電体53が垂下するように設けられ、上部ベースシート54aの押下時、ベースシート55上の電極パターン51及び電極パターン52に接触して導通状態を維持するようになされる。弾性導電体53には、厚みが0.05mm〜0.5m程度の導電ゴムが使用される。
弾性導電体53は、上部ベースシート54aを軽く押下された場合は、電極パターン51のエッジと電極パターン52のエッジに軽く触れるようになされる。弾性導電体53は、上部ベースシート54aを強く押下された場合は、電極パターン51と電極パターン52間にめり込むようになされる。接触抵抗は軽く触れられた場合よりも、大幅に低くなる。
なお、上部ベースシート54aが押下されないときは、ベースシート55上の電極パターン51と電極パターン52とが離間しており、電気的に絶縁状態を維持するようになされる。この例で、弾性導電体53、上部ベースシート54a、外側スペースシート54b及び内側スペースシート54cを同一の導電性のゴム部材で成形してもよい。
上部ベースシート54aの上部には、例えば、粘着シート58が設けられ、上部の部品を接着する際に使用される。粘着シート58には、アクリル系の接着剤が使用される。厚みは25〜300μm程度である。粘着シート58は上部に部品が積層されない場合は省略してもよい。
上部に積層する部品に関しては、本発明者らが現在出願中の触覚入力シート等の表面板が挙げられる。触覚入力シートとは、凹凸感を出すために円柱状又は円錐状を有した突起塊が、母材を成すベースシートのシート面に対して垂直方向に立設するように分布されたものをいう。
ベースシート55の下部には粘着シート59が設けられ、下部の部品を接着する際に使用される。下部に位置する部品に関しては、電子機器の筐体や、基板、表示パネル等が挙げられる。粘着シート59には、アクリル系の接着剤が使用される。厚みは25〜300μm程度である。粘着シート59は下部に部品が配置されない場合は省略してもよい。
図3は、押圧検知センサ100の組立例を示す斜視図である。図3に示す押圧検知センサ100によれば、額縁状のベースシート55を準備する。ベースシート55には、厚みが0.05mm〜0.3mm程度のポリイミド系のシート状の樹脂材料が使用される。
次にベースシート55に電極パターン51及び電極パターン52を所定の間隔を空けて配置する。片面銅箔基板の全面にレジスト材料を塗布し、額縁状の電極パターン51と電極パターン52とを描画したレチクルを介してレジスト材料を露光して現像し、その後、片面銅箔基板をレジスト膜をマスクにして不要部分の銅箔パターンをエッチング液に浸して除去する。電極パターン51及び電極パターン52には、銅箔の他に洋銀箔、青銅箔、黄銅箔が使用される。
一方で、被覆シート54に弾性導電体53を接合する。被覆シート54はC型に成形したものに四角環状の弾性導電体53を接着する方法や、被覆シート54及び弾性導電体53を象ったコア及びキャビティを有する金型を作成し、この金型に導電ゴム系の樹脂を封入して一体成形してもよい。その後、弾性導電体53付きの被覆シート54をベースシート55に覆被せるようにして熱接合する。この際の温度条件は100°C〜120°C程度である。これにより、図1に示したような押圧検知センサ100が完成する。
続いて、押圧検知センサ100の動作例について説明する。図4A〜Cは、電極パターン51、電極パターン52及び弾性導電体53の配置例を示す平面図及びその等価回路を示す図である。図5は押圧検知センサ100の動作例を示す表図である。
この例では、額縁状の電極パターン51、電極パターン52及び弾性導電体53の四隅をそれぞれA,B,C,D点とし、更に、A,B,C,D点の重心部位をE点としたとき、A,B,C,D,E点の各場所を各強さで押下した際の電極パターン51,電極パターン52,弾性導電体53の振る舞いを示している。
図4Aに示す電極パターン51、電極パターン52及び弾性導電体53の配置例によれば、斜線で示す電極パターン51が最外角に額縁状に配置され、白抜きで示す電極パターン52が最内角に配置され、梨地に示す弾性導電体53が電極パターン51、電極パターン52の間に額縁状に配置されている。
上述の額縁状の電極パターン51、電極パターン52及び弾性導電体53を直線状に延ばすと図4Bに示すようになる。電極パターン51、電極パターン52及び弾性導電体53の展開例によれば、左側に電極パターン52が配置され、中央部位に弾性導電体53が配置され、右側に電極パターン51が配置される。
図4Cに示す等価回路例によれば、押圧検知センサ100は、弾性導電体53の押下状態によって、電極パターン51と電極パターン52との間の抵抗値が可変する可変抵抗体VRを構成するようになる。
例えば、図5に示す動作表図において、A点を軽く押下した場合は、弾性導電体53は電極パターン51及び電極パターン52間に跨り接触して当該電極パターン51及び電極パターン52間を導通する。この際の抵抗値はR(I)である。A点を強く押下した場合は、弾性導電体53は電極パターン51及び電極パターン52間に食い込むように接触して当該電極パターン51及び電極パターン52間を導通する。この際の抵抗値はR(II)である。他のB,C,D点についても、軽く押下した場合は、抵抗値R(I)が得られ、これらを強く押下した場合は、抵抗値R(II)が得られる。
また、E点を軽く押下した場合は、弾性導電体53は電極パターン51及び電極パターン52間に跨り接触して当該電極パターン51及び電極パターン52間を導通する。この際の抵抗値は、A,B,C,D点を軽く押下した場合と同様にして、R(I)である。E点を強く押下した場合は、弾性導電体53は電極パターン51及び電極パターン52間に食い込むように接触して当該電極パターン51及び電極パターン52間を導通する。この際の抵抗値は、A,B,C,D点を強く押下した場合と同様にして、R(II)である。つまり、A,B,C,D,E点を軽く押下した場合の抵抗値R(I)と、A,B,C,D,E点を強く押下した場合の抵抗値R(II)との間には、R(I)>R(II)の関係にある。
このような関係から、押下位置に依存せず、抵抗値R(I),R(II)を読み取るだけで、ドライバICを介さずに、当該押圧検知センサ100で押圧力Fを検知できることが分かった。
図6は、押圧検知センサ100の検知回路例を示す回路図である。図6に示す押圧検知センサ100の検知回路例によれば、電極パターン51及び電極パターン52には、直流電源Edc及び電圧検出回路63が直列に接続される。電圧検出回路63は電圧計及び負荷抵抗RLから構成される。
この検知回路では、弾性導電体53の押下時、直流電源Edcから流出した電流iが電極パターン51、電極パターン52及び弾性導電体53から成る可変抵抗体VRを通って、負荷抵抗RLに流入する。負荷抵抗RLには電圧降下VLを生ずる。電圧降下VLは弾性導電体53の押下状態によって、アナログ電圧となる。このアナログ電圧を検出することで、押圧力Fを検知できるようになる(検知原理)。
図7A〜Cは、弾性導電体53の押下状態を示す概念図と、電極パターン51及び52間の抵抗値の変化例を示すグラフ図である。図7Cに示す縦軸は、弾性導電体53の押下時の電極パターン51及び電極パターン52間の抵抗値[Ω]である。同図の横軸は、弾性導電体53の押下時の押圧力F[N]である。
この例の電極パターン51及び電極パターン52間の抵抗値の変化例によれば、図7Aに示すように、操作者の指30a等で弾性導電体53を押圧力F1で押下した場合は、抵抗値R(I)となる。同様にして、弾性導電体53を押圧力F2で押下した場合は、抵抗値R(II)となる。抵抗値変化曲線は、押圧力が増加するほど、指数関数的に減少する傾向の特性が得られた。
図8A〜Eは、押圧検知センサ100の押下操作例を示す概念図と、押圧検知センサ100の出力特性例を示すグラフ図である。図8Eに示す縦軸は、押圧検知センサ100の押下時の出力電圧Vo[V]である。同図の横軸は、押圧検知センサ100の押下時の押圧力F[N]である。
この例で、押圧検知センサ100の出力特性曲線は、押圧力Fが増加するほど、指数関数的に増加し飽和する特性が得られた。このような出力特性曲線に、判定用の閾値電圧を設定すると、出力電圧Voから押圧力Fを判定できるようになる。この例では、2つの判定閾値電圧Vth1及びVth2を設定している(Vth1<Vth2)。
図8Aに示す指30aが押圧検知センサ100に接触していない場合、つまり、非操作時は、当然押圧力FはF0=0である。押圧検知センサ100の操作時、図8Bに示す指30aが押圧検知センサ100に軽く接触された場合は、判定閾値電圧Vth1以下の出力電圧Voが検知されることで、その押圧力FがほぼF1であることを判定できるようになる。
図8Cに示す指30aが押圧検知センサ100に強く接触された場合、例えば、判定閾値電圧Vth1を越え、判定閾値電圧Tth2以下の出力電圧Voが検知された場合は、押圧力FがほぼF2であることを判定できるようになる。更に、図8Dに示す指30aが押圧検知センサ100に更に強く接触された場合、例えば、判定閾値電圧Vth2を越える出力電圧Voが検知された場合は、押圧力FがほぼF3であることが判定できるようになる。
このように第1の実施例としての押圧検知センサ100によれば、所定の長さ及び幅を有し、かつ、所定の形状を有したベースシート55上の電極パターン51及び電極パターン52間を電気的に接続する弾性導電体53を内側に有して、当該電極パターン51及び電極パターン52を含むベースシート55上を覆う被覆シート54を備え、被覆シート54は可撓性及び又は弾性を有するものである。
従って、押下操作時、弾性導電体53が電極パターン51及び電極パターン52の間を電気的に接続した位置における押圧力F(押し込み力)を確実に検知できるようになった。これにより、塵埃や水分等の侵入を防止可能な密閉構造でありながら、薄型かつ簡素な構造の額縁状の押圧検知センサ100を提供できるようになる。押圧検知センサ100は、単一の可変抵抗体VRの抵抗値を読むという非常に簡素なシステムによって提供されるものである。
続いて、押圧検知センサ100の他の構成例について説明する。図9A〜Cは、弾性導電体53の断面の形状例及び他の構成例を示す断面図である。図9Aに示す弾性導電体53’は、断面M状を有している。弾性導電体53’は、第1の実施例で説明した弾性導電体53、上部ベースシート54a、外側スペースシート54b及び内側スペースシート54cを一体化してM状に成形したものである。素材にはシリコンゴム等の導電性のゴム部材が使用される。弾性導電体53’は、幅がwで、厚みがtである。この例では、M状部位が押圧検知センサ100の額縁外周方向(長手方向)に沿って設けられている。このように弾性導電体53’を構成すると、形成工程が簡略化する他、弾性導電体53’が可撓性及び弾性を有するようになる。押圧検知センサ100の押下時に、断面M状内の空間部分が撓みを吸収するようになる。
図9Bに示す弾性導電体531は、断面矩形状を有している。弾性導電体531は、第1の実施例で説明した弾性導電体53、上部ベースシート54a、外側スペースシート54b及び内側スペースシート54cを一体化して矩形状に成形したものである。弾性導電体531は、例えば、ゴム部材532の素材内部に導電性の塊状の粒子(以下導電粒子533という)を含有(混入)させたものである。弾性導電体531は、幅がwで、厚みがtである。このように弾性導電体531を構成すると、ゴム部材532が可撓性及び弾性を有し、弾性導電体531を撓ませたとき、導電粒子533が電極パターン51,52間を導通するようになる。電極パターン51,52及び導電粒子533が成す接触抵抗が減少する。
図9Cに示す弾性導電体534は、断面櫛歯状を有している。弾性導電体534は、第1の実施例で説明した弾性導電体53、上部ベースシート54a、外側スペースシート54b及び内側スペースシート54cを一体化して櫛歯状に成形したものである。素材には導電性のゴム部材が使用される。櫛歯状部位の先端は、図10に示す電極パターン51’と電極パターン52’との接触を良くするために、例えば、球形状に加工されている。
この例では、図10で示すような押圧検知センサ100’の額縁外周方向(長手方向)に沿って櫛歯状部位が5列分だけ設けられている。弾性導電体534は、幅がwで、厚みがtである。このように弾性導電体534を構成すると、弾性導電体534が可撓性及び弾性を有するようになる。押圧検知センサ100’の押下時に、断面櫛歯状内の複数の空間部分が撓みを吸収するようになる。また、弾性導電体53’に比べて弾性導電体534が電極パターン51’及び電極パターン52’上でユニークな動きを示すようになる。例えば、弾性導電体534が電極パターン51’及び電極パターン52’の間に複数接触することで、接触面積が増大し、抵抗値が減少するようになる。
図10は、電極パターン51’及び52’の構成例を示す平面図である。この例では、図9Cに示した断面櫛歯状の弾性導電体534を組み合わせて押圧検知センサ100’を構成するようになる。 図10に示す押圧検知センサ100’の構成例によれば、図示しないベースシート55上に電極パターン51’及び電極パターン52’が平面櫛歯状に切り欠いた形態でパターニングされる。この例では、電極パターン51’や電極パターン52’の1つの櫛歯状部位は矩形状にパターニングされ、電極パターン51’の矩形状部位と電極パターン52’の矩形状部位とが入れ子状態に組み合わされる。
このように押圧検知センサ100’を構成すると、電極パターン51’と電極パターン52’とが対向する距離を見かけ上、電極パターン51及び52のように直線状に並設する場合に比べて増加させることができるばかりか、電極パターン51’と電極パターン52’との間に弾性導電体534が接触する面積を第1の実施例に比べて増加させることができる。これにより、電極パターン51’、電極パターン52’及び弾性導電体534との間において、極め細かい接触状態を検知できるようになる。なお、電極パターン51、電極パターン52及び弾性導電体53や、電極パターン51’、電極パターン52’及び弾性導電体534等の組み合わせは自由に設定してよい。
図11は、本発明に係る入力装置を備えた第2の実施例としての触覚入力機能付きの携帯電話機200の構成例を示す斜視図である。
図11に示す携帯電話機200は電子機器の一例を構成し、情報入力操作時に操作体(者)に触覚を提示する触覚入力機能付きの電子機器であって、本発明に係る押圧力検知機能付きの入力装置90を備え、電話機能の他に、音声及び映像処理を始め、各種データ処理をするものである。
携帯電話機200は、操作面を有した非折畳み式の筐体401及び、押圧力検知及び触覚入力機能付きの入力装置90を有している。入力装置90は、表示画面上の入力検出面における操作体の押下操作に対して情報を入力する装置である。筐体401は上面操作枠体(キャビネット)41及び下部容器42(ケース)を有して構成される。下部容器42は底付きの箱体を成している。
入力装置90は、上面操作枠体41内に嵌め込むように設けられ、操作者の指30a等による摺動及び押下操作によってX,Y,Z方向の3次元の情報を入力するようになされる。入力装置90は、例えば、表示部29、入力検出部45及び押圧検知部50を有して構成される。表示部29にはアイコン画像等の入力情報が表示される。入力検出部45は、操作面を有した表示部29に設けられて操作者30の指30a等の摺動位置を検出するようになされる。入力検出部45には、例えば、抵抗膜方式のタッチパネルが使用される。この例で、押圧検知部50には本発明に係る第1の実施例で説明した押圧検知センサ100又は100’が設けられる(図12参照)。
上面操作枠体41の表面の中央左上方には超小型のアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが設けられ、通話用のレシーバ(受話器)と触覚提示用のアクチュエータの機能を兼ね備えている。スピーカー36bには音声信号の他に、触覚提示用の200Hzの振動制御信号が入力される。
この例で、表示部29は表示領域が2つに分割され、その上部表示領域には、複数のボタンアイコン等の入力情報が表示され、下部表示領域には、操作パネル98が表示される。この例では、表示部29に表示された入力操作用のアイコン画像を指で操作すると、スピーカー36bからクリック音(サイバースイッチ操作音)と共に、表示画面上を触れている操作者の指に触覚を提示するようになされる。
この例で、表示部29に表示される操作パネル98は、複数の押しボタンスイッチ92から構成される。例えば、押しボタンスイッチ92は、「0」〜「9」数字キー、「*」や「#」等の記号キー、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等から構成される。表示部29の背面にはカメラ34が取り付けられ、被写体像を撮像するように操作される。上面操作枠体41の上面下方には、通話用のマイクロフォン93が取り付けられ、送話器として機能するようになされる。
なお、下部容器42の側面にはUSB端子などのコネクタ99が配置され、外部機器と通信処理が可能なようになされている。下部容器42の内側には、モジュール型のアンテナ96が取り付けられ、その内側周辺には、図示しない大音響用のスピーカーが設けられ、着信メロディや映像データに付加された音声(音楽)等を放音するようになされる。下部容器42の内部には回路基板97が設けられる。更に筐体内には、バッテリー94が内蔵され、回路基板97や表示部29等へ電源が供給される。
図12は、携帯電話機200の内部構成例を示す断面図である。図12に示す携帯電話機200は、底付き箱体を成した下部容器42に、蓋状を成す上面操作枠体41を閉めるように取り付けられる。
この例で、上面操作枠体41には部品取り付け用の凹部(段差部)41aが設けられる。凹部41aには表示窓部用の開口部43aが開口されている。開口部43aは表示部29の表示エリア29aを設定するようになされる。表示部29は、例えば、その外縁部が上面操作枠体41の裏面に取り付けられ、下部容器42内に垂下するように取り付けられる。これにより、表示画面を上方に向けた姿勢で表示部29が下部容器42内に配置され、入力情報を表示するようになされる。表示部29には厚み1.65mm程度のカラー液晶表示素子が使用される。
この例で、上面操作枠体41の凹部41aの段差面には、第1の実施例で説明したような押圧検知部50が取り付けられている。押圧検知部50は、所定の長さ及び幅を有し、かつ、中央部位が開口部を成した額縁状のベースシート55と、所定の長さを有してベースシート55に配置された電極パターン51と、電極パターン51に対向してベースシート55に配置された電極パターン52と、電極パターン51と電極パターン52との間に配置された弾性導電体53とを備えている。内側に弾性導電体53を有した被覆シート54は、電極パターン51及び電極パターン52を含むベースシート55上を覆うように設けられ、被覆シート54が可撓性及び弾性を有している。
押圧検知部50は、例えば、凹部41aの段差面に接着剤を介して接着される。押圧検知部50は、表示部29の周囲に額縁状に設けられ、操作体の押圧力Fに応じて電極パターン51及び電極パターン52間を電気的に接続し、当該操作体の押圧力Fを検知するようになされる。押圧検知部50の内側開口部は、表示エリア29aを成している。押圧検知部50は、また、上下の部材の締結機能も有している。
押圧検知部50の上部には入力検出部45が設けられる。入力検出部45は、表示部29の上部であって、額縁状の押圧検知部50上に設けられている。入力検出部45は、例えば、押圧検知部50の額縁状部位に接着剤を介して接着されている。入力検出部45は、表示部29上に入力検出面を有して、当該入力検出面における操作体の接触位置を検出するようになされる。
入力検出部45には、厚みが1.1mm〜1.5mm程度の表面板−抵抗膜一体式のタッチパネルが使用される。入力検出部45を成すタッチパネルには、例えば、ベースシート49上に設けられた抵抗膜用の導電フィルム47aと、導電フィルム47a上に設けられたスペーサ48a、48bと、このスペーサ48a、48bの上部に設けられた抵抗膜選択用の導電フィルム47bとを備えたものが使用される。導電フィルム47bの所定の領域には、黒色のシルク印刷46が施され、表示光を遮断するようになされている。表示部29と入力検出部45との間に空間が生じるが、この空間に特開2004−77887号に見られるような透明性の部材で充填してもよい。
また、表面板には例えば、現在本発明者らが出願中のアイコンタッチ用の触覚入力シートを使用するとよい。ここに触覚入力シートとは、表示部29に表示されたアイコン画像を手で触れると凹凸感を伴った入力操作が可能となるタッチシートをいう。もちろん、操作者の指30aに限られることはなく、ペン等の操作体を使用して入力操作をしてもよい。
図13は入力装置90の組立例を示す斜視図である。図13に示す入力装置90によれば、表示部29、アクチュエータ機能付きのスピーカー36b、上面操作枠体41、入力検出部45及び押圧検知部50を準備する。上面操作枠体41には、射出金型成形したものを使用する。例えば、表示窓部用の開口部43aや、スピーカー36bの装着用の開口部43bを象ったコア及びキャビティを有する金型を作成し、この金型にABC系の樹脂等を封入して上面操作枠体41を一体成形する。
まず、上面操作枠体41に押圧検知部50を取り付ける。例えば、その凹部41aの段差面に接着剤を額縁状に塗布する。その後、押圧検知部50を凹部41aに位置合わせして、その凹部41aへ落とし込むようにして押圧検知部50を接着する。押圧検知部50には第1の実施例で説明したものを使用する。
そして、押圧検知部50上に入力検出部45を取り付ける。例えば、押圧検知部50の額縁状部位に接着剤を塗布する。その後、入力検出部45を凹部41aに位置合わせして、その凹部41aへ落とし込むようにして入力検出部45を押圧検知部50上に接着する。入力検出部45には、表面板−抵抗膜一体式のタッチパネルを使用する。
次に、入力検出部45にアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを取り付ける。例えば、上面操作枠体41の開口部43bを介して入力検出部45の所定の位置にスピーカー36bを配置し、接着剤を介して固定する。更に、上面操作枠体41の裏側に表示部29を取り付ける。例えば、上面操作枠体41の開口部43aの裏面側外周部に沿って接着剤を塗布する。その後、表示部29の表示エリア29aを開口部43aに位置合わせして、その開口部43aの裏面側外周部で表示部29を吊るようにして接着及び又はビス止めにより固定する。表示部29にはカラー液晶表示素子を使用する。
一方で、図示しない下部容器42を準備する。下部容器42には図示しない回路基板97及びコネクタ99等が実装されたものを使用する。例えば、図示しないコネクタ用の開口部や、バッテリー交換用の開口部を象ったコア及びキャビティを有する金型を作成し、この金型にABC系の樹脂等を封入して下部容器42を一体成形する。下部容器42内には回路基板や、メモリ等を実装する。そして、表面板−抵抗膜一体型のタッチパネル、押圧検知部50を備えた上面操作枠体41で下部容器42を閉じるように係合すると、図12に示したような入力装置付きの携帯電話機200が完成する。
次に、触覚入力機能付きの携帯電話機200の内部構成例及び感触フィードバック入力方法について説明をする。図14は、触覚入力機能付きの携帯電話機200の内部構成例を示すブロック図である。
図14に示す携帯電話機200は、下部容器42の回路基板97に各機能のブロックを実装して構成される。なお、図11〜図13に示した各部と対応する部分は、同一符号で示している。携帯電話機200は、制御部15、受信部18、送信部22、アンテナ共用器23、入力検出部45、押圧検知部50,アクチュエータ機能付きのスピーカー36b、表示部29、マイクロフォン13、電源ユニット33、カメラ34、記憶部35及び、映像画面上の操作パネル98を有している。
図14に示す入力検出部45は、図11〜図13では表示板−抵抗膜一体方式の入力デバイスを説明したが、カーソリングと選択の機能を区別できるものであれば何でも良く、例えば、静電容量方式、表面波弾性方式(SAW)、光方式、複数段方式タクトスイッチ等の入力デバイスであっても良く、好ましくは位置情報を制御部15に与えられる構成の入力デバイスであれば良い。上述の入力検出部45は操作者30の指30aの摺動位置を検出して少なくとも位置検出信号S1をA/Dドライバ31に出力する。
この例では、入力検出部45の他に押圧検知部50が設けられ、摺動位置における操作者30の指30aによる押し込み量を検知して押圧力F(入力量)を得るための押圧検知信号S2をA/Dドライバ31に出力する。押圧検知信号S2は押圧検知部50の可変抵抗体VRによる抵抗値変化を示すアナログの出力電圧Voから構成される。
制御部15は、A/Dドライバ31、CPU32、画像処理部26、映像&音声処理部44及びメモリ部37を有している。A/Dドライバ31には、入力検出部45からの位置検出信号S1および押圧検知部50からの押圧検知信号S2が供給される。A/Dドライバ31ではカーソリングとアイコン選択の機能を区別するために位置検出信号S1および押圧検知信号S2よりなるアナログ信号をデジタルデータに変換する。この他にA/Dドライバ31は、このデジタルデータを演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、カーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置情報D1または押圧検知情報D2をCPU32に供給するようになされる。これらの演算はCPU32内で実行してもよい。
A/Dドライバ31にはCPU32が接続される。CPU32はシステムプログラムに基づいて当該電話機全体を制御するようになされる。記憶部35には当該電話器全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。図示しないRAMはワークメモリとして使用される。CPU32は電源オンと共に、記憶部35からシステムプログラムデータを読み出してRAMに展開し、当該システムを立ち上げて携帯電話機全体を制御するようになされる。例えば、CPU32は、A/Dドライバ31からの入力情報D1〜D3を受けて所定の指令データDを電源ユニット33や、カメラ34、記憶部35、メモリ部37、映像&音声処理部44等のデバイスに供給したり、受信部18からの受信データを取り込んだり、送信部22へ送信データを転送するように制御する。
この例で、CPU32は、押圧検知部50から得られる押圧検知情報D2と予め設定された押下判定基準となる2つの判定閾値電圧Vth1及びVth2とを比較し、当該比較結果に基づいてアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを振動制御するようにメモリ部37を制御する。
例えば、入力検出部45の押下位置における入力検出面から伝播される触覚をA及びBとすると、触覚#aは、その押下位置における操作者の指30aの押圧力Fに応じた入力検出面を低周波数かつ小振幅の振動パターンから、高周波数かつ大振幅の振動パターンに変化させることによって得られる。また、触覚#bは、その押下位置における操作者の指30aの押圧力Fに応じた入力検出面を高周波数かつ大振幅の振動パターンから、低周波数かつ小振幅の振動パターンに変化させることよって得られる。
CPU32は、例えば、押圧検知部50が判定閾値電圧Vth2を越える押圧検知情報D2を検出したとき、触覚#aを起動し、その後、判定閾値電圧Vth1を下回る押圧検知情報D2を検出したとき、触覚#bを起動するようにメモリ部37を制御する。このようにすると、操作者の指30a等の”押圧力”に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる。
CPU32には、メモリ部37が接続され、CPU32からの制御情報Dcに基づいて振動制御データDaを発生する。振動制御データDaは、正弦波形からなる出力波形データを有している。メモリ部37には映像&音声処理部44が接続される。映像&音声処理部44には、スピーカー36a及びアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが接続されている。スピーカー36bは、各々の振動制御データDaに基づいて振動するようになされる。
この例で、記憶部35は、各アプリケーションに対応する判定閾値電圧Vth1及びVth2を記憶する。例えば、判定閾値電圧Vth1,Vth2はトリガーパラメータとして記憶部35に設けられたROM等に予め格納される。記憶部35は、CPU32は、図示しないRAM等に押圧検知情報D2を展開し、予め設定された判定閾値電圧Vth1,Vth2と、押圧検知情報D2から得られる押圧検知部50の出力電圧Voの情報とを比較する。図8Aに示したように、指30aが押圧検知部50に接触していない場合、つまり、非操作時は、当然押圧力FはF0=0である。
押圧検知部50の操作時、図8Bに示した指30aが押圧検知部50に軽く接触された場合は、判定閾値電圧Vth1以下の出力電圧Voが検知されることで、その押圧力FがほぼF1であることを判定できるようになる。また、図8Cに示した指30aが押圧検知部50に強く接触された場合、例えば、判定閾値電圧Vth1を越え、判定閾値電圧Tth2以下の出力電圧Voが検知された場合は、押圧力FがほぼF2であることを判定できるようになる。更に、図8Dに示した指30aが押圧検知部50に更に強く接触された場合、例えば、判定閾値電圧Vth2を越える出力電圧Voが検知された場合は、押圧力FがほぼF3であることが判定できるようになる。
この例で、押下判定基準に関して、判定閾値電圧Vth2に対応して第1の押下判定基準=100[gf]を設定して、クラシックスイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて入力検出面を振動するようになされる。また、判定閾値電圧Vth1に対応して第2の押下判定基準=20[gf]を設定して、サイバースイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて入力検出面を振動するようになされる。
CPU32にはアクチュエータ駆動部37の他に画像処理部26が接続され、ボタンアイコン等を3次元的に表示するための表示情報D4を画像処理するようになされる。画像処理後の表示情報D4を表示部29に供給するようになされる。
操作者30は、指30aに振動を受けて触感として、ボタンアイコン毎の振動を感じる。また、表示部29の表示内容は操作者の目による視覚により、スピーカー36a,36b等からの放音は、操作者の耳による聴覚により各機能を判断するようになされる。上述のCPU32には表示部29及び入力検出部45から、表示画面上にテンキー等により映像構成される操作パネル98(機能)が接続され、例えば、相手方の電話番号を手動入力する際に使用される。表示部29には上述のアイコン選択画面の他に映像信号Svに基づいて着信映像を表示するようにしてもよい。
また、図14に示すアンテナ16は、アンテナ共用器23に接続され、着呼時、相手方からの無線電波を基地局等から受信する。アンテナ共用器23には受信部18が接続され、アンテナ16から導かれる受信データを受信して映像や音声等を復調処理し、復調後の映像及び音声データDinをCPU32等に出力するようになされる。受信部18には、CPU32を通じて映像&音声処理部44が接続され、デジタルの音声データをデジタル/アナログ変換して音声信号Soutを出力したり、デジタルの映像データをデジタル/アナログ変換して映像信号Svを出力するようになされる。
映像&音声処理部44には大音響用及び受話器を構成するスピーカー36aが接続される。スピーカー36aは、着呼時、着信音や着信メロディ等を鳴動するようになされる。スピーカー36bは、アクチュエータ機能の他に、音声信号Sout1を入力して相手方の話声30d等を拡大するようになされる。この映像&音声処理部44にはスピーカー36a,36bの他に、送話器を構成するマイクロフォン13が接続され、操作者の声を集音して音声信号Sinを出力するようになされる。映像&音声処理部44は、発呼時、相手方へ送るためのアナログの音声信号Sinをアナログ/デジタル変換してデジタルの音声データを出力したり、アナログの映像信号Svをアナログ/デジタル変換してデジタルの映像データを出力するようになされる。
このように、表示部29の表示内容は操作者の目30bによる視覚により、スピーカー36a、36b等からの放音は、操作者の耳30cによる聴覚により各機能を判断するようになされる。
CPU32には受信部18の他に、送信部22が接続され、相手方へ送るための映像及び音声データDout等を変調処理し、変調後の送信データをアンテナ共用器23を通じアンテナ16に供給するようになされる。アンテナ16は、アンテナ共用器23から供給される無線電波を基地局等に向けて輻射するようになされる。
上述のCPU32には送信部22の他に、カメラ34が接続され、被写体を撮影して、例えば、静止画情報や動画情報を送信部22を通じて相手方に送信するようになされる。電源ユニット33は、バッテリー94を有しており、受信部18、送信部22、表示部29、CPU32、入力検出部45、アクチュエータ機能付きのスピーカー36b、カメラ34及び記憶部35にDC電源を供給するようになされる。
続いて、携帯電話機200における情報処理例について説明をする。図15は、第2の実施例に係る携帯電話機200における情報処理例を示すフローチャートである。この例では、操作者の指30aで携帯電話機200の表示画面上の入力検出面を押下操作して情報を入力する場合を前提とする。携帯電話機200には、同一振動モード内において、操作者の指30a等による押圧力Fをパラメータにして波形を加工する機能(アルゴリズム)が備えられる。CPU32は、押圧検知情報D2から押圧力Fを示す出力電圧Voを読み出し、2つの判定閾値電圧Vth1,Vth2を基準にして判別を行い、その判別結果で、同一の振動モード内において、いかなる種類の入力に対しても、入力動作中の動きに対応した触覚を発生できるようにした。
これらを情報処理条件にして、CPU32は、図15に示すフローチャートのステップG1で電源オンを待機する。例えば、CPU32は電源オン情報を検出してシステムを起動する。電源オン情報は通常、時計機能等が稼働し、スリーピング状態にある携帯電話機等の電源スイッチをオンされたときに発生する。
そして、ステップG2に移行してCPU32は、アイコン画面を表示するように表示部29を制御する。例えば、CPU32は、表示部29に表示情報D4を供給して表示画面にテンキーや、アイコン画像等の入力情報を表示する。表示画面に表示された入力情報は、入力検出面を有した入力検出部45を通じて目視可能になされる。そして、ステップG3に移行してCPU32は、ボタンアイコン入力モード又はその他の処理モードに基づいて制御を分岐する。ボタンアイコン入力モードとは、アイコン画像選択時に入力検出面上のボタンアイコンを押下する入力操作をいう。
ボタンアイコン入力モードが設定された場合、ボタンアイコン等が押し込まれるので、ステップG4に移行してCPU32は押圧検知部50から押圧検知情報D2(押圧力F)を示す出力電圧Voを読み出し、この出力電圧Voに基づいて押圧力Fを検出する。このとき、押圧検知部50は、入力検出面における操作者の指30aの押下位置の押圧力Fを検出し、押圧検知信号S2をA/Dドライバ31に出力する。A/Dドライバ31は押圧検知信号S2をA/D変換し、そのA/D変換後の押圧検知情報D2をCPU32に転送する。
そして、ステップG5に移行して、CPU32は押圧検知情報D2が示す押圧検知部50の出力電圧Voと判定閾値電圧Vth2とを比較し、これらの関係がVo>Vth2となるか否かを判別する。これらの関係がVo>Vth2となる場合は、ステップG6に移行して触覚#aを起動する。触覚#aは、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bによって、操作者の指30aの押圧力Fに対応した振動パターンPaに基づいて入力検出面を振動することで得られる。例えば、触覚#aは、周波数をfxとし、振幅をAxとし、及び、回数Nxとしたとき、これに関して、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[50 5 2]の振動パターンで振動し、次の段階では、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[100 10 2]の振動パターンで振動する。このようにすると、操作者の”押圧力”に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる。
その後、ステップG7に移行してCPU32は更に押圧力Fを検出する。押圧力Fは、押圧検知部50によってボタンアイコンの押し込みに続いてボタンアイコンから離れる状態が検出される。このとき、押圧検知部50は、入力検出面における操作者の指30aの押下位置から離れるときの押圧力Fを検出し、押圧検知信号S2をA/Dドライバ31に出力する。A/Dドライバ31は押圧検知信号S2をA/D変換し、そのA/D変換後の押圧検知情報D2をCPU32に転送する。
そして、ステップG8に移行してCPU32は、押圧検知情報D2が示す押圧検知部50の出力電圧Voと判定閾値電圧Vth1とを比較し、これらの関係がVo<Vth1か否かを判別する。これらの関係がVo<Vth1となる場合は、触覚#bを起動する。触覚#bは、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bによって、操作者の指30aの押圧力Fに対応した振動パターンPbに基づいて入力検出面を振動することで得られる。そのボタンアイコンが放された触覚#bは、例えば、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[80 8 2]の振動パターンで振動し、次の段階では、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[40 8 2]の振動パターンで振動する。このようにすると、操作者の”押圧力F”に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる。
その後、ステップG10に移行して入力を確定する。このとき、入力検出部45は、当該押下位置に表示された入力情報を入力する。そして、ステップG12に移行する。なお、ステップG3で他の処理モードが選択された場合は、ステップG11に移行して他の処理モードを実行する。他の処理モードには、電話モードやメール作成、送信表示モード等が含まれる。電話モードには、相手方に電話を発信する操作が含まれる。ボタンアイコン等は、電話モード選択時の文字入力項目が含まれる。他の処理モードを実行した後は、ステップG12に移行する。
ステップG12でCPU32は終了判断をする。例えば、電源オフ情報を検出して情報処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップG2に戻って、メニュー等のアイコン画面を表示し、上述した処理を繰り返すようになされる。
このように第2の実施例としての携帯電話機200によれば、本発明に係る押圧検知センサ100又は100’が押圧検知部50に備えられるので、表示画面上の入力検出面における操作者の指30aの押下操作に対して情報を入力する場合に、電極パターン51及び電極パターン52の導体間が電気的に接続された位置の情報のみならず、押圧操作に応じて弾性導電体53が電極パターン51及び電極パターン52の導体間を電気的に接続する長さに対応した押圧力F(押し込み力)を確実に検知できるようになる。
しかも、押圧検知部50は、簡素な構造を有していながら、押下位置によらず、押圧力検知機能が安定している。従来方式の入力装置に比較して、押圧検知部50が操作表面の近くにあり、押圧検知部50と操作表面に介在する部品点数が圧倒的に低減できるようになった。また、押圧検知部50は、単一の可変抵抗体で構成され、それらを額縁状に形成し、これを上面操作枠体41の凹部枠上に接着する構造を採っているので、入力平面のどの位置であっても、安定的かつ正確に押圧力Fを検出できるようになった。
更に、従来方式の入力装置に比較して、押圧検知部50は、周囲の照度環境に左右されることなく、指30a等の操作体(物)が表面に触れてから押し込み操作を行った際に、押圧検知データが確実に変化を起こすため、安定的な押圧力Fを検知できるようになった。
また、押圧検知システムにおいて、押圧力Fの判定時、押圧検知部50の出力電圧Voをデジタル化した押圧検知情報D2がCPU32に出力され、押圧力Fの判定時、CPU32は、出力電圧Voと判定閾値電圧Vth1,Vth2を比較するだけなので、従来方式のドライバICが不要となる。ドライバICが不要となることからコストダウンを図ることができる。
更に、従来方式の撮像素子付き表示装置を備えた入力装置に比較して、押圧検知部50を備えた入力装置90の方が安価に提供できるため、入力装置自体および、当該入力装置を備えた電子機器のコストダウンを実現できるようになった。
また、入力装置90が外部から完全遮断された密閉構造の表示部29を有している。上述した例では、押圧検知部50が表示部29ではなく、上面操作枠体41そのものと入力検出部45とを締結する機能を有しつつ存在するので、表面板−抵抗膜方式のタッチパネル等の操作表面部材の内側および表示部29等は、外から隙間のない密閉構造とすることが実現でき、防水性及び防塵性を向上できるので、耐水性及び耐塵性に優れた携帯電話機200を組み立てることができる。
上面操作枠体41においては、透明性の入力検出部45を支持する構造が採られる。従来方式の押し込み検出機能が装備されていない入力装置においては、表示部29の上部には粘着テープを介して表面部材が設けられるが、この位置に、粘着テープの機能を兼ね備えた押圧検知部50を置き換えることができるので、入力装置90の組立性も従来方式の入力装置の構成に比べて容易となる。
これにより、従来方式の入力装置に比較して、押圧検知部50の上部に位置する部材構成を低減できるようになるので、押圧検知部50に、他部材から荷重が掛かることを回避するための設計を省略できる。従って、入力装置90の設計の自由度を増加できるようになった。これにより、従来方式に比べて、携帯電話機200の組立性及び容易性を向上できるようになった。従って、塵埃や水分等の侵入を防止可能な密閉構造でありながら、薄型かつ簡素な構造の額縁状の押圧検知部50を有した触覚入力機能付きの携帯電話機200を提供できるようになった。
図16は第3の実施例としての携帯電話機300の構成例を示す断面図である。この例で、表面板45’の下方には、静電容量方式のタッチパネル48を使用するようになされる。
図16に示す携帯電話機300は、第2の実施例と同様にして、底付き箱体を成した下部容器42に、蓋状を成す上面操作枠体41を閉めるように取り付けられる。この例でも、上面操作枠体41の凹部41aの段差面には、第1の実施例で説明したような可撓性及び弾性を有した押圧検知部50が取り付けられている。
押圧検知部50の上部には表面板45’が設けられる。表面板45’は、表示部29の上部であって、額縁状の押圧検知部50上に設けられている。表面板45’には、例えば、現在本発明者らが出願中のアイコンタッチ用の触覚入力シートを使用するとよい。もちろん、触覚入力シートに限られることはなく、透明性の部材、例えば、アクリル系の樹脂フィルムのようなものであってもよい。
表面板45’は、例えば、押圧検知部50の額縁状部位に接着剤を介して接着される。表面板45’の下方(裏面側)にはタッチパネル48が設けられ、表示部29上に入力検出面を有して、当該入力検出面における操作体の接触位置を検出するようになされる。タッチパネル48には、厚みが1.1mm〜1.5mm程度の静電容量式のタッチパネルが使用される。なお、第2の実施例と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有し、及び、同じ材料が使用されるので、その説明を省略する。
図17は入力装置901の組立例を示す斜視図である。図17に示す入力装置901によれば、表示部29、アクチュエータ機能付きのスピーカー36b、上面操作枠体41、表面板45’、静電容量方式のタッチパネル48及び押圧検知部50を準備する。上面操作枠体41には、第2の実施例で説明したような射出金型成形したものを使用する。
まず、第2の実施例で説明したように上面操作枠体41に押圧検知部50を取り付ける。押圧検知部50には第1の実施例で説明した押圧検知センサ100を使用する。そして、押圧検知部50上に表面板45’を取り付ける。表面板45’には、例えば、押圧検知部50の額縁状部位に接着剤を塗布する。その後、表面板45’を凹部41aに位置合わせして、その凹部41aへ落とし込むようにして表面板45’を押圧検知部50上に接着する。表面板45’には、本発明者らが現在出願中のアイコンタッチ用の触覚入力シートを使用するとよい。触覚入力シートには、凹凸感を出すために円柱状又は円錐状を有した突起塊が、母材を成すベースシートのシート面に対して垂直方向に立設するように分布したものを使用するとよい。
例えば、硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材をシート状に形成したベース部材を準備する。ベース部材は、シリコンゴム部材を熱ロール成型や、射出金型成形により、厚みt=0.01[mm]乃至5[mm]程度に成形することで得る。次に、ベース部材に触覚用の凹凸感を形成する部位を画定するための開孔部又は穴部を形成する。開孔部又は穴部は、アイコン画面のキー映像に対応した位置に形成する。開孔部は打ち抜き加工により形成する。もちろん、射出金型成形時に、開孔部又は穴部の反転パターンを象ったコア及びキャビティを作成し、ベース部材と穴部等とを一挙に成形してもよい。
その後、開孔部又は穴部に触覚用の要素部材を埋め込む。要素部材には、例えば、硬度60乃至80°の透明性のシリコンゴム部材を使用する。開孔部又は穴部への要素部材の埋め込み方法は、射出金型成形による二色成形(ダブルモールド)や、塗布工程により行う。二色成形によれば、ベース部材及び要素部材を成す異材質(材料)同士を組み合わせて当該ベース部材及び要素部材を一体成形するようになされる。これにより、図示しない触覚入力シートが得られる。
次に、表面板45’にアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを取り付ける。スピーカー36bは、第2の実施例と同様にして、上面操作枠体41の開口部43bを介して表面板45’の所定の位置に配置し、接着剤を介して固定する。
更に、上面操作枠体41の裏側に第2の実施例と同様にして表示部29を取り付ける。例えば、上面操作枠体41の開口部43aの裏面側外周部に沿って接着剤を塗布する。その後、表示部29の表示エリア29aを開口部43aに位置合わせして、その開口部43aの裏面側外周部で表示部29を吊るようにして接着及び又はビス止めにより固定する。表示部29にはカラー液晶表示素子を使用する。
一方で、第2の実施例と同様にして、図示しない下部容器42を準備する。下部容器42には回路基板や、メモリ等を実装する。そして、表面板45’、静電容量式のタッチパネル48及び、押圧検知部50を備えた上面操作枠体41で下部容器42を閉じるように係合すると、図16に示したような入力装置付きの携帯電話機300が完成する。
このように第3の実施例としての携帯電話機300によれば、表面板45’の下方には、静電容量方式のタッチパネル48が設けられると共に、本発明に係る押圧検知部50が備えられるので、表示画面上の入力検出面における操作者の指30aの押下操作に対して情報を入力する場合に、タッチパネル48による押下位置の情報のみならず、押圧操作に応じて弾性導電体53が電極パターン51及び電極パターン52の間を電気的に接続した位置の押圧力F(押し込み力)を確実に検知できるようになる。
また、入力装置901が外部から完全遮断された密閉構造の表示部29を有しているので、防水性及び防塵性に優れた携帯電話機300を組み立てることができる。上面操作枠体41においては、透明性の触覚入力シート等の表面板45’を支持する構造が採られるので、今までと同様にして、携帯電話機200の組立容易性が向上する。これにより、塵埃や水分等の侵入を防止可能な密閉構造でありながら、薄型かつ簡素な構造の額縁状の押圧検知部50を有した触覚入力機能付きの携帯電話機300を提供できるようになった。
図18は入力装置902を備えた第4の実施例としての携帯電話機400の構成例を示す断面図である。この例で、表示部29’には、タッチパネル内蔵の液晶表示装置を使用するようになされる。
図18に示す携帯電話機400は、第2及び第3の実施例と同様にして、底付き箱体を成した下部容器42に、蓋状を成す上面操作枠体41を閉めるように取り付けられる。この例でも、上面操作枠体41の凹部41aの段差面には、第1の実施例で説明したような可撓性及び弾性を有した押圧検知部50が取り付けられている。
押圧検知部50の上部には表面板45’が設けられる。表面板45’は、表示部29’の上部であって、額縁状の押圧検知部50上に設けられている。表面板45’には、第3の実施例で説明したような本発明者らが現在出願中のアイコンタッチ用の触覚入力シートを使用するようになされる。触覚入力シートの代わりにアクリル系の透明性の樹脂フィルムを使用してもよい。表面板45’は、押圧検知部50の額縁状部位に接着剤を介して接着される。
表面板45’の下方(裏面側)には表示部29’が取り付けられる。表示部29’には、タッチパネル内蔵の液晶表示装置が使用される。表示部29’は、液晶表示素子の上層部位にタッチパネル部29bを有しており、当該タッチパネル部29bの入力検出面における操作体の接触位置を検出するようになされる。表示部29’には、厚みが1.5mm〜2.0mm程度のカラーの液晶表示素子が使用される。なお、第2及び第3の実施例と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有し、及び、同じ材料が使用されるので、その説明を省略する。
図19は入力装置902の組立例を示す斜視図である。図19に示す入力装置902によれば、タッチパネル内蔵型の表示部29’、アクチュエータ機能付きのスピーカー36b、上面操作枠体41、表面板45’、及び押圧検知部50を準備する。上面操作枠体41には、第2及び第3の実施例で説明したような射出金型成形したものを使用する。
まず、第2及び第3の実施例で説明したように上面操作枠体41に押圧検知部50を取り付ける。押圧検知部50には第1の実施例で説明した押圧検知センサ100や100’等を使用する。そして、押圧検知部50上に表面板45’を取り付ける。例えば、押圧検知部50の額縁状部位に接着剤を塗布した後、表面板45’を凹部41aに位置合わせして、その凹部41aへ落とし込むようにして表面板45’を押圧検知部50上に接着する。表面板45’には、本発明者らが現在出願中のアイコンタッチ用の触覚入力シートを使用するとよい。触覚入力シートには、凹凸感を出すために円柱状又は円錐状を有した突起塊が、母材を成すベースシートのシート面に対して垂直方向に立設するように分布したものを使用するとよい。
次に、表面板45’にアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを取り付ける。スピーカー36bは、第2及び第3の実施例と同様にして、上面操作枠体41の開口部43bを介して表面板45’の所定の位置に配置し、接着剤を介して固定する。更に、上面操作枠体41の裏側にタッチパネル内蔵型の表示部29’を取り付ける。例えば、上面操作枠体41の開口部43aの裏面側外周部に沿って接着剤を塗布する。その後、表示部29’の表示エリア29aを開口部43aに位置合わせして、その開口部43aの裏面側外周部で表示部29’を吊るようにして接着及び又はビス止めにより固定する。表示部29’にはカラー液晶表示素子を使用する。
一方で、第2及び第3の実施例と同様にして、図示しない下部容器42を準備する。下部容器42には回路基板や、メモリ等を実装する。そして、タッチパネル内蔵型の表示部29’、表面板45’及び押圧検知部50を備えた上面操作枠体41で下部容器42を閉じるように係合すると、図18に示したような入力装置付きの携帯電話機400が完成する。
このように第4の実施例としての携帯電話機400によれば、表面板45’の下方には、タッチパネル内蔵型の表示部29’が設けられると共に、本発明に係る押圧検知部50が備えられるので、表示画面上の入力検出面における操作者の指30aの押下操作に対して情報を入力する場合に、表示部29’のタッチパネル部29bによる押下位置の情報のみならず、押圧操作に応じて弾性導電体53が電極パターン51及び電極パターン52の間を電気的に接続した位置の押圧力F(押し込み力)を確実に検知できるようになる。
また、入力装置902が外部から完全遮断された密閉構造の表示部29’を有しているので、防水性及び防塵性に優れた携帯電話機400を組み立てることができる。上面操作枠体41においては、透明性の触覚入力シート等の表面板45’を支持する構造が採られるので、今までと同様にして、携帯電話機400の組立容易性が向上する。これにより、塵埃や水分等の侵入を防止可能な密閉構造でありながら、薄型かつ簡素な構造の額縁状の押圧検知部50を有した触覚入力機能付きの携帯電話機400を提供できるようになった。
図20は入力装置903を備えた第5の実施例としての携帯電話機500の構成例を示す断面図である。この例で、入力装置903は、プログラム可能な電極パターン構造を有する押圧検知部50’を備え、位置情報検知及び押圧力検知機能を可変制御するようになされる。この例では、押圧検知部50’の電極パターンの接続プログラムと、アプリケーションとを連動させて、複数点の入力操作に対して個別に押圧力Fを判別できるようにした。
図20に示す携帯電話機500は、第2及び第3の実施例と同様にして、底付き箱体を成した下部容器42に、蓋状を成す上面操作枠体41を閉めるように取り付けられる。この例では、上面操作枠体41の凹部41aの段差面に、第1〜第4の実施例と構造の異なった押圧検知部50’が配置される。押圧検知部50’も第1〜第4の実施例の押圧検知部50と同様にして可撓性及び弾性を有している。
押圧検知部50’の上部には表面板45’が設けられる。表面板45’は、表示部29の上部であって、額縁状の押圧検知部50’上に設けられている。表面板45’には、第3の実施例で説明したような本発明者らが現在出願中のアイコンタッチ用の触覚入力シートを使用するようになされる。触覚入力シートの代わりにアクリル系の透明性の樹脂フィルムを使用してもよい。表面板45’は、押圧検知部50’の額縁状部位に接着剤を介して接着される。表面板45’の下方(裏面側)には表示部29が取り付けられる。表示部29には、液晶表示装置が使用される。表示部29には、厚みが1.1mm〜1.7mm程度のカラーの液晶表示素子が使用される。
上述の押圧検知部50’は、プログラム可能な電極パターン構造を有しており、位置情報検知及び押圧力検知機能を有している。押圧検知部50’は入力操作面を有しており、当該入力操作面における操作体の接触位置を検出するようになされる。なお、携帯電話機500の外観形状及び制御系の構成例は、第2の実施例で説明した形態がそのまま適用できるので、その説明を省略する。
次に、図21〜図23を参照して、押圧検知部50’の構成例及びその機能例について説明する。
図21〜図23は押圧検知部50’における電極パターンの構成例及びその機能例(その1〜3)を示す平面図である。
図21に示す押圧検知部50’の構成例によれば、図示しない額縁状の基板の四辺の各々を折半するL状の領域A,B,C,Dには、第1の導体の一例を構成する電極パターン51a,51b,51c,51dと、第2の導体の一例を構成する電極パターン52a,52b,52c,52dと、弾性導電体53a,53b,53c及び53dが配置されている。例えば、領域Aには電極パターン51a,52a及び弾性導電体53aが配置され、領域Bには電極パターン51b,52b及び弾性導電体53bが配置され、領域Cには電極パターン51c,52c及び弾性導電体53cが配置され、領域Dには電極パターン51d,52d及び弾性導電体53cが各々配置されている。
電極パターン51aの一端は開放され、他端は端子1に接続され、電極パターン51bの一端は開放され、他端は端子4に接続され、電極パターン51cの一端は開放され、他端は端子5に接続され、電極パターン51dの一端は開放され、他端は端子8に各々接続される。また、電極パターン52aの一端は開放され、他端は端子2に接続され、電極パターン52bの一端は開放され、他端は端子3に接続され、電極パターン52cの一端は開放され、他端は端子6に接続され、電極パターン52dの一端は開放され、他端は端子7に各々接続される。
この例で、2つの隣接する電極パターン51a,51b、すなわち、端子6−7間の各々のスイッチSWa、端子1−8間のスイッチSWb、端子2−3間のスイッチSWcが接続され、電極パターン52a,52b、すなわち、端子2−3間に図示しないスイッチSWbが接続され、電極パターン51b,51c、すなわち、端子4−5間に図示しないスイッチSWcが接続され、電極パターン52c,52d、すなわち、端子6−7間に図示しないスイッチSWdが各々接続される。この例では、これらのスイッチSWa〜SWdをサンプリング周波数に基づいてオン及びオフ制御して押圧検知機能を可変するようになされる。
ここで、図21に示す電極パターン51a,51b,51c,51d、電極パターン52a,52b,52c,52dの配置平面にXY座標系を設定し、XY座標に直交するZ方向に、押圧検知部50’の押下(押圧)方向を定義したとき、Z方向の押圧力Fを読む場合は、端子6−7間のスイッチSWaがオンされ、電極パターン52c,52dが直列接続され、端子1−8間のスイッチSWbがオンされ、電極パターン51a,51dが直列接続される。更に、端子2−3間のスイッチSWcがオンされ、電極パターン52a,52bが直列接続される。端子4−5間のスイッチSWcがオフされる。
押圧操作時、弾性導電体53aが電極パターン51a,52a間を接続してオン状態となり、弾性導電体53bが電極パターン51b,52b間を接続してオン状態となり、弾性導電体53cが電極パターン51c,52c間を接続してオン状態となり、又は、弾性導電体53dが電極パターン51d,52d間を接続してオン状態となる。この4つのいずれかのオン状態を端子4−5間の抵抗値R45を測定することで、Z方向の押圧力Fを検知できるようになる。
Z方向の押圧力Fは、抵抗値R45(4→3→2→1→8→7→6→5)を読み出すことで得られるが、この例では、図14に示したCPU32によるスイッチSWa,SWb,SWc,SWdのサンプリング周波数に基づくオンオフ制御や、アプリケーションの種類・状況によって、それらのスイッチSWa,SWb,SWc,SWdがオン又はオフされることで、押圧検知部50’により検出される抵抗値の内容が変化するようになる。
また、図22に示す押圧検知部50’でX方向の押圧力Fを読む場合は、端子2−3間のスイッチSWcがオンされ、電極パターン52a,52bが直列接続され、端子7−6間のスイッチSWaがオンされ、電極パターン52c,52dが直列接続される。端子1−8間のスイッチSWb及び、端子4−5間のスイッチSWdがオフされる。このように、電極パターン51a,51b,51c,51dと、電極パターン52a,52b,52c,52dを2つの押圧検知領域に区分すると、X方向の位置情報を検知できるようになる。
押圧操作時、弾性導電体53aが電極パターン51a,52a間を接続してオン状態となり、弾性導電体53bが電極パターン51b,52b間を接続してオン状態となり、弾性導電体53cが電極パターン51c,52c間を接続してオン状態となり、又は、弾性導電体53dが電極パターン51d,52d間を接続してオン状態となる。この4つのいずれかのオン状態を端子1−4間の抵抗値R14及び、端子5−8間の抵抗値R58を測定することでX方向の押圧力Fを検知できるようになる。このように、X方向の押圧力Fは、抵抗値R14(1→2→3→4)を読み出し、かつ、抵抗値R58(5→6→7→8)を読み出すことで得られる。
この例では、図22に示すXY座標系でX軸上で携帯電話機500等の商品上で定義したい左端の点を原点とし、その座標を「0」、右端の点の座標をXmaxとし、また、定数をαとしたとき、位置検出座標Xdは、(1)式、すなわち、
Xd=Xmax×α×R14/(R14+R54)・・・・・(1)
により演算される。(1)式はCPU32又は専用のドライバICによって演算される。
また、図23に示す押圧検知部50’でY方向の押圧力Fを読む場合は、端子1−8間のスイッチSWbがオンされ、電極パターン51a,51dが直列接続され、端子4−5間のスイッチSWdがオンされ、電極パターン51b,51cが直列接続される。端子2−3間のスイッチSWc及び、端子6−7間のスイッチSWaがオフされる。このように、電極パターン51a,51b,51c,51dと、電極パターン52a,52b,52c,52dを2つの押圧検知領域に区分すると、Y方向の位置情報を検知できるようになる。
押圧操作時、弾性導電体53aが電極パターン51a,52a間を接続してオン状態となり、弾性導電体53bが電極パターン51b,52b間を接続してオン状態となり、弾性導電体53cが電極パターン51c,52c間を接続してオン状態となり、又は、弾性導電体53dが電極パターン51d,52d間を接続してオン状態となる。この4つのいずれかのオン状態を端子3−6間の導通抵抗R36及び、端子2−7間の導通抵抗R27を測定することでY方向の押圧力Fを検知できるようになる。このように、Y方向の押圧力Fは、抵抗値R36(3→4→5→6)を読み出し、かつ、抵抗値R27(2→1→8→7)を読み出すことで得られる。
この例では、図23に示すXY座標系でY軸上で携帯電話機500等の商品上で定義したい下端の点を原点とし、その座標を「0」とし、上端の点の座標をYmaxとし、また、定数をβとしたとき、位置検出座標Ydは、(2)式、すなわち、
Yd=Ymax×β×R36/(R36+R27)・・・・・(2)
により与えられる。(2)式はCPU32又は専用のドライバICによって演算される。
なお、2点以上の押し込み操作を検知する場合(多点押し込みモード)において、X及びY方向に関して、押圧検知部50’から得られる2つの押圧検知データを個別に読み込むことで、2種類の押圧検知データを得られるようになる。もちろん、更に、個別に押圧検知データを読み出して、4種類又はそれ以上の押圧検知データを得るようにしてもよい。
例えば、押圧検知部50’でXY方向の押圧力Fを読む場合は、端子6−7間のスイッチSWa、端子1−8間のスイッチSWb、端子2−3間のスイッチSWc、端子4−5間のスイッチSWdの4つのいずれもオフしたままで、電極パターン51a,52a、電極パターン51b,52b、電極パターン51c,52c、電極パターン51d,52dの各々ペア間のオン状態を検出する。このように、電極パターン51a,51b,51c,51dと、電極パターン52a,52b,52c,52dを4つの押圧検知領域に区分すると、XY方向の位置情報を検知できるようになる。
押圧操作時、弾性導電体53aが電極パターン51a,52a間を接続してオン状態となり、弾性導電体53bが電極パターン51b,52b間を接続してオン状態となり、弾性導電体53cが電極パターン51c,52c間を接続してオン状態となり、又は、弾性導電体53dが電極パターン51d,52d間を接続してオン状態となる。これら4つのオン状態を端子1−2間の抵抗値R12、端子3−4間の抵抗値R34、端子5−6間の抵抗値R56、端子7−8間の抵抗値R78を各々測定することでXY方向の押圧力Fを検知できるようになる。なお、第2〜第4の実施例と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有し、及び、同じ材料が使用されるので、その説明を省略する。
続いて、入力装置903の組立例について説明する。図24は入力装置903の組立例を示す斜視図である。図24に示す入力装置903によれば、表示部29、アクチュエータ機能付きのスピーカー36b、上面操作枠体41、表面板45’、及び押圧検知部50’を準備する。上面操作枠体41には、第2〜第4の実施例で説明したような射出金型成形したものを使用する。
まず、第2〜第4の実施例で説明したように上面操作枠体41に押圧検知部50’を取り付ける。押圧検知部50’には図21〜図23で説明した電極パターン構造のものを使用する。そして、押圧検知部50’上に表面板45’を取り付ける。例えば、押圧検知部50’の額縁状部位に接着剤を塗布した後、表面板45’を凹部41aに位置合わせして、その凹部41aへ落とし込むように表面板45’を押圧検知部50’上に接着する。表面板45’には、本発明者らが現在出願中のアイコンタッチ用の触覚入力シートを使用するとよい。触覚入力シートには、例えば、凹凸感を出すために円柱状又は円錐状を有した突起塊が、母材を成すベースシートのシート面に対して垂直方向に立設するように分布したものを使用するとよい。
次に、表面板45’にアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを取り付ける。スピーカー36bは、第2〜第4の実施例と同様にして、上面操作枠体41の開口部43bを介して表面板45’の所定の位置に配置し、接着剤を介して固定する。更に、上面操作枠体41の裏側に表示部29を取り付ける。例えば、上面操作枠体41の開口部43aの裏面側外周部に沿って接着剤を塗布する。その後、表示部29の表示エリア29aを開口部43aに位置合わせして、その開口部43aの裏面側外周部で表示部29を吊るようにして接着及び又はビス止めにより固定する。表示部29にはカラー液晶表示素子を使用する。
一方で、第2〜第4の実施例と同様にして、図示しない下部容器42を準備する。下部容器42には回路基板や、メモリ等を実装する。そして、タッチパネル内蔵型の表示部29、表面板45’及び押圧検知部50’を備えた上面操作枠体41で下部容器42を閉じるように係合すると、図19に示したような入力装置付きの携帯電話機500が完成する。
続いて、押圧検知部50’における押下操作時の抵抗変化を出力電圧Voとして検知する例について説明する。図25は、押圧検知部50’の等価回路例及び、その出力電圧Voの検知例を示す回路図である。
図25に示す押圧検知部50’の等価回路例によれば、4つの可変抵抗体VRa,VRb,VRc,VRd及び4つのオン・オフ用のスイッチSWa,SWb,SWc,SWdを有して構成される。これらは端子4−5間において、可変抵抗体VRc、スイッチSWa、可変抵抗体VRd、スイッチSWb、可変抵抗体VRa、スイッチSWc、可変抵抗体VRbの順に直列に接続され、スイッチSWdが端子4−5間に接続されている。
可変抵抗体VRaは端子1−2間の電極パターン51a,52a及び弾性導電体53aから構成され、可変抵抗体VRbは端子3−4間の電極パターン51b,52b及び弾性導電体53bから構成され、可変抵抗体VRcは端子5−6間の電極パターン51c,52c及び弾性導電体53cから構成され、可変抵抗体VRdは端子7−8間の電極パターン51d,52d及び弾性導電体53dから構成される。
また、押圧検知部50’の電圧検出例によれば、4つの切り替え用のスイッチSWe〜SWhと、2つの直流電源DC1及びDC2と、2つの電圧検知回路61,62を有して構成される。端子5及び6には、例えば、切り替え用のスイッチSWeが接続される。スイッチSWeには2回路1選択スイッチが使用される。スイッチSWeの中点は直流電源DC1に接続される。その接点「1」は端子5に接続され、接点「2」は端子6に各々接続される。
端子7及び8には、切替え用のスイッチSWfが接続される。スイッチSWfには3回路1選択スイッチが使用される。スイッチSWfの中点は第1の電圧検知回路61に接続される。その接点「1」は端子7に接続され、接点「2」は端子8に各々接続される。その接点「3」は空き、すなわち、無接続「OFF」である。
端子1及び2には、切替え用のスイッチSWgが接続される。スイッチSWgには2回路1選択スイッチが使用される。スイッチSWgの中点は直流電源DC2に接続される。その接点「1」は端子1に接続され、接点「2」は端子2に各々接続される。
端子3及び4には、切替え用のスイッチSWhが接続される。スイッチSWhには2回路1選択スイッチが使用される。スイッチSWhの中点は第2の電圧検知回路62に接続される。その接点「1」は端子3に接続され、接点「2」は端子4に各々接続される。上述の電圧検知回路61は負荷抵抗RL及び電圧検出素子Vaから構成され、電圧検知回路62は負荷抵抗RL及び電圧検出素子Vbから構成される。各々の電圧検出素子Va,Vbは負荷抵抗RLに発生する電圧降下を測定するようになされる。
次に、表1を参照して、図25に示した押圧検知部50’の押下操作時の電圧検知例について説明する。
表1によれば、押圧検知部50’でZ方向の押圧力Fを読む場合は、スイッチSWa,SWb,SWcがオンされ、スイッチSWdがオフされる。スイッチSWeは「1」側を選択して端子5に直流電源DC1を接続する。スイッチSWfは「3」側を選択してOFFする。スイッチSWgは「3」側を選択してOFFする。スイッチSWhは「2」側を選択して端子4に電圧検知回路62を接続する。これにより、抵抗値R45(4→3→2→1→8→7→6→5)を読み出すことができ、抵抗値R45の変化を電圧検知回路62の出力電圧Voから判別できるようになる。
また、押圧検知部50’でX方向の位置を読む場合は、スイッチSWa,SWcがオンされ、スイッチSWb,SWdがオフされる。スイッチSWeは「1」側を選択して端子5に直流電源DC1を接続する。スイッチSWfは「2」側を選択して端子8に電圧検知回路61を接続する。スイッチSWgは、「1」側を選択して端子1に直流電源DC2を接続する。スイッチSWhは、「2」側を選択して端子4に電圧検知回路62を接続する。
これにより、抵抗値R14(1→2→3→4)及び、抵抗値R58(5→6→7→8)を読み出すことができる。抵抗値R14の変化を電圧検知回路62の出力電圧Voから判別でき、抵抗値R58の変化を電圧検知回路61の出力電圧Voから判別できるようになる。
更に、押圧検知部50’でY方向の位置を読む場合は、スイッチSWa,SWcがオフされ、スイッチSWb,SWdがオンされる。スイッチSWeは「2」側を選択して端子6に直流電源DC1を接続する。スイッチSWfは「1」側を選択して端子7に電圧検知回路61を接続する。スイッチSWgは「2」側を選択して端子2に直流電源DC2を接続する。スイッチSWhは「1」側を選択して端子3に電圧検知回路62を接続する。これにより、抵抗値R36(3→4→5→6)及び抵抗値R27(2→1→8→7)を読み出すことができる。抵抗値R36の変化を電圧検知回路62の出力電圧Voから判別でき、抵抗値R27の変化を電圧検知回路61の出力電圧Voから判別できるようになる。
図26は、押圧検知部50’における抵抗値Rvのキャリブレーション時の特性例を示すグラフ図である。この例では、押圧検知部50’における判定閾値用の抵抗値Rs’(判定閾値電圧Vthでもよい)を更新するOFFモードが設けられる。
図26に示す縦軸は、押圧検知部50’における抵抗値Rvであり、電極パターン51a,51b,51c,51dと、電極パターン52a,52b,52c,52dと、弾性導電体53a,53b,53c及び53dから構成される可変抵抗体VRa,VRb,VRc,VRd等の値である。横軸は押圧力Fであり、押下操作時に、弾性導電体53a,53b,53c及び53dに加えられる外力である。
実線は、出荷時の抵抗値対押圧力特性曲線Iaである。破線は、キャリブレーション時の抵抗値対押圧力特性曲線IIbである。この例で、キャリブレーション時の抵抗値対押圧力特性曲線IIbは、出荷時の抵抗値対押圧力特性曲線Iaに比べてグラフが下方に移行している。このようにキャリブレーション時のグラフが下方に移行しているのは、常時、押圧検知部50’に荷重が加わった状態で長時間保管された場合等において、電極パターン51a,52aと弾性導電体53a等が塑性変形し、操作前の状態で、ある程度、抵の抗値Rvが低下するようになるためと考えられる。
そこで、OFFモードを実行して押圧検知部50’における判定閾値用の抵抗値Rs’を更新するようになされる。OFFモードでは、例えば、工場出荷時、無負荷での端子間抵抗をRvとし、また、アプリケーション側(サイド)で決められた入力機能のON/OFFの判定閾値用の抵抗値をRsとし、OFFモード実行時の端子間の抵抗値をRnとし、更新後の判定閾値用の抵抗値をRs’としたとき、Rs’の値を次の計算式(3)、すなわち、
Rs’=Rs×Rn/Rv・・・・・(3)
によって演算し更新するようになされる。但し、端子間の抵抗値Rnは、OFFモード実行時に、各端子1−2,3−4,5−6,7−8間の抵抗値を測定して得るようになされる。
このように、判定閾値用の抵抗値Rsをキャリブレーションによって抵抗値Rs’に更新することで、その抵抗値Rnがアプリケーション側で設けた判定閾値用の抵抗値Rsを下回った場合であっても、誤動作しなくなくなる。これにより、勝手に入力されてしまう、又は、入力位置がずれる等の不都合を防止できるようになる。なお、キャリブレーション時の抵抗値更新処理は毎回実行しなくてもよい。また、判定閾値用の抵抗値Rsに限られることはなく、判定閾値電圧Vth1,Vth2等を更新するようにしてもよい。
図27は、押圧検知部501における弾性導電体53a’〜53d’の配置例を示す平面図である。以下の変形例では、いずれのバリエーションも、押圧検知部501は枠状(額縁状)を有しており、電子機器に組み込まれる配設位置は変わらないものである。 図27に示す弾性導電体53a’〜53d’の配置例によれば、電極パターン51a,52a、電極パターン51b,52b、電極パターン51c,52c、電極パターン51d,52dの配線が8本で、押圧検知領域が4つ以上存在する場合であって、弾性導電体53a’,53b’,53c’,53d’を4隅の角部のみに配置するようになされる点に特徴を有している。このように弾性導電体53a’〜53d’をパターニングすると、図21に示した弾性導電体53a〜53dに比べて導電性のゴム部材を省略できるばかりか、X,Yモード入力機能の実行時の押圧検知精度を向上できるようになる。
図28は、押圧検知部502における電極パターン51a’〜51d’及び電極パターン52a’〜52d’の配置例を示す平面図である。図28に示す電極パターンの配置例によれば、4隅の角部周辺のみに電極パターン51a’,51b’,51c’,51d’及び電極パターン52a’,52b’,52c’,52d’及び、弾性導電体53a’,53b’,53c’,53d’を配置するようになされる。
このように電極パターン51a〜51d’及び電極パターン52a’〜52d’及び、弾性導電体53a’〜53d’をパターニングすると、図28に示した弾性導電体53a〜53dに比べて導電性のゴム部材を省略できるばかりか、電極パターン51a’〜51d’及び電極パターン52a’〜52d’のX,Yモード入力機能の実行時の押圧検精度を向上できるようになる。
続いて、携帯電話機500における押圧操作時の8つの動作モードについて説明する。以下の例では、押圧操作時の動作モードとアプリケーションとが予め対応付けられている場合を例に挙げる。
図29は、携帯電話機500におけるXモード入力機能例を示す平面図である。図29に示すXモード入力機能例によれば、携帯電話機500を横長に置き、又は、横長に持って、表示部29を横長に表示する(横スタイル)。この横スタイルでのWEB回覧アプリケーションの実行時、縦スクロール機能として押圧検知部50’がX方向での摺動検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、Xモードを実行するとき、X方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。押圧検知部50’の動作例については、図22及び図25を参照されたい。
図30A及びBは、携帯電話機500におけるYモード入力機能例を示す平面図である。図30Aに示すYモード入力機能例によれば、携帯電話機500を縦長に置き、又は、縦長に持って、表示部29を縦長に表示する(縦スタイル)。この縦スタイルでのWEB回覧アプリケーションの実行時、縦スクロール機能として押圧検知部50’が機能する。
又は、図30Bに示すように携帯電話機500を横長き、又は、横長に持って、表示部29を横長に表示する。この横スタイルでの映像再生アプリケーションの実行時、再生位置操作機能として押圧検知部50’がY方向での摺動検知動作を実行する。表示部29には例えば、音量調整用のバー29cが表示され、ユーザはこのバー29c上を左から右へ摺動すると、音量が増加したり、反対に、このバー29c上を右から左へ摺動すると、音量が減少したりできるようになる。いずれの場合も、CPU32又は専用のドライバICは、Yモードを実行するとき、Y方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。押圧検知部50’の動作例については、図23及び図25を参照されたい。
図31は、携帯電話機500におけるZモード入力機能例を示す平面図である。図31に示すZモード入力機能例によれば、携帯電話機500を縦長き、又は、縦長に持って、待機状態からの起動スイッチ機能として押圧検知部50’がZ方向での押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、Zモードを実行するとき、Z方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。押圧検知部50’の動作例については、図21及び図25を参照されたい。
図32は、携帯電話機500におけるX+Yモード入力機能例を示す平面図である。図32に示すX+Yモード入力機能例によれば、携帯電話機500を横長に置き、又は、横長に持って、表示部29を横長に表示する。この横スタイルで、例えば、地図回覧アプリケーションの実行時、位置移動操作等のX及びY方向での十字スクロール機能として押圧検知部50’がX及びY方向での摺動及び押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、X+Yモードを実行するとき、X方向の座標状態とY方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
図33は、携帯電話機500におけるX+Zモード入力機能例を示す平面図である。図33に示すX+Zモード入力機能例によれば、携帯電話機500を横長に置き、又は、横長に持って、表示部29を横長に表示する。この横スタイルで、例えば、各種項目の選択アプリケーションの実行時、選択決定機能として(電話帳や、音楽生成機能でリスト表示から楽曲を選ぶアプリケーション)、押圧検知部50’がX方向での摺動及びZ方向での押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、X+Zモードを実行するとき、X方向の座標状態とZ方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
図34は、携帯電話機500におけるY+Zモード入力機能例を示す平面図である。図34に示すY+Zモード入力機能例によれば、携帯電話機500を縦長に置き、又は、縦長に持って、縦スタイルで各種項目の選択アプリケーションの実行時、選択決定機能として(電話帳や、音楽生成機能でリスト表示から楽曲を選ぶアプリケーション)、押圧検知部50’がY方向での摺動及びZ方向での押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、Y+Zモードを実行するとき、Y方向の座標状態とZ方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
図35は、携帯電話機500におけるX+Y+Zモード入力機能例を示す平面図である。図35に示すX+Y+Zモード入力機能例によれば、携帯電話機500を縦長き、又は、縦長に持って、縦スタイルでテンキーや十字キー等の操作機能として、押圧検知部50’がX,Y方向での摺動及びZ方向での押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、X+Y+Zモードを実行するとき、X方向の座標状態とY方向の座標状態とZ方向の座標状態とをサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
図36は、携帯電話機500における多点モード入力機能例を示す平面図である。図36に示す多点モード入力機能例によれば、携帯電話機500を横長き、又は、横長に持って、横スタイルでゲームアプリケーションの実行時、両手選択操作機能として、押圧検知部50’が左右のZ方向での押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、多点モードを実行するとき、サンプリング周波数毎に各個別の抵抗値を読み込むようになされる。
続いて、携帯電話機500における動作モード切替例について説明する。図37〜図39は、携帯電話機500における動作モード切替例(その1〜3)を示すフローチャートである。この例では、アプリケーションの実行命令が有った場合に、動作モードに関して、Xモード→Yモード→Zモード→X+Yモード→X+Zモード→Y+Zモード→X+Y+Zモード→OFFモードの順に選択候補を切り替える場合を例に挙げる。
これらを切替条件にして、図37に示すフローチャートのステップST1でアプリケーションの実行命令を待機する。アプリケーションの実行命令が有った場合は、ステップST2に移行して当該アプリケーション及び動作モード情報を読み込む。動作モード情報は予めアプリケーションに対応付けられている。アプリケーションの実行命令が有ると、当該アプリケーションに対応付けられた動作モード情報を判別できるようになされている。
その後、ステップST3に移行してXモード又はそれ以外のモードが設定されているかによって制御を分岐する。当該アプリケーションの動作モード情報がXモードである場合は、ステップST4に移行してCPU32は動作モードをXモードに切り替えて、表示部29は当該アプリケーションを実行する。例えば、図29に示したXモード入力機能例によれば、携帯電話機500が横長に置かれ、又は、横長に持たれて、表示部29が横長に映像を表示する。この横スタイルでCPU32はWEB回覧アプリケーションを実行する。押圧検知部50’は、縦スクロール機能としてX方向での摺動検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、X方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
そして、ステップST5に移行してCPU32は当該アプリケーションの終了を判別する。当該アプリケーションの終了命令が無い場合は、ステップST4に戻って表示部29は当該アプリケーションを継続する。当該アプリケーションの終了命令が有った場合は、ステップST1に戻って、表示部29は次のアプリケーションの実行命令を待機する。
上述のステップST3でXモード以外のモードが設定されている場合は、ステップST6に移行してXモードを除く、Yモード又はそれ以外のモードが設定されているかによってCPU32は制御を分岐する。当該アプリケーションの動作モード情報がYモードである場合は、ステップST7に移行してCPU32は動作モードをYモードに切り替えて、表示部29は当該アプリケーションを実行する。
例えば、図30Aに示したYモード入力機能例によれば、携帯電話機500が縦長に置かれ、又は、縦長に持たれて、表示部29は縦長に映像を表示する。この縦スタイルでCPU32はWEB回覧アプリケーションを実行する。押圧検知部50’は縦スクロール機能としてY方向での摺動検知動作を実行する。又は、図30Bに示した横スタイルでCPU32は映像再生アプリケーションを実行する。押圧検知部50’は、再生位置操作機能としてY方向での摺動検知動作を実行する。いずれの場合も、CPU32又は専用のドライバICは、Y方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
そして、ステップST8に移行してCPU32は当該アプリケーションの終了を判別する。当該アプリケーションの終了命令が無い場合は、ステップST7に戻って表示部29は当該アプリケーションに基づく表示を継続する。当該アプリケーションの終了命令が有った場合は、ステップST1に戻って、表示部29は次のアプリケーションの実行命令を待機する。
上述のステップST6でX,Yモード以外のモードが設定されている場合は、図38に示すステップST9に移行してX,Yモードを除く、Zモード又はそれ以外のモードが設定されているかによってCPU32は制御を分岐する。当該アプリケーションの動作モード情報がZモードである場合は、ステップST10に移行してCPU32は動作モードをZモードに切り替えて、表示部29は当該アプリケーションを実行する。
例えば、図31に示したZモード入力機能例によれば、携帯電話機500の縦スタイルで、押圧検知部50’は、待機状態からの起動スイッチ機能としてZ方向での押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、Z方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
そして、ステップST11に移行してCPU32は当該アプリケーションの終了を判別する。当該アプリケーションの終了命令が無い場合は、ステップST10に戻って当該アプリケーションを継続する。当該アプリケーションの終了命令が有った場合は、ステップST1に戻って、次のアプリケーションの実行命令を待機する。
上述のステップST9でX,Y,Zモード以外のモードが設定されている場合は、ステップST12に移行してX,Y,Zモードを除く、X+Yモード又はそれ以外のモードが設定されているかによってCPU32は制御を分岐する。当該アプリケーションの動作モード情報がX+Yモードである場合は、ステップST13に移行してCPU32は動作モードをX+Yモードに切り替えて、表示部29は当該アプリケーションを実行する。
例えば、図32に示したX+Yモード入力機能例によれば、携帯電話機500の横スタイルにおいて、CPU32が地図回覧アプリケーションを実行するとき、押圧検知部50’は位置移動操作等のX及びY方向での十字スクロール機能として、X及びY方向での摺動及び押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、X方向の座標状態とY方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
そして、ステップST14に移行してCPU32は当該アプリケーションの終了を判別する。当該アプリケーションの終了命令が無い場合は、ステップST13に戻って表示部29は当該アプリケーションを継続する。当該アプリケーションの終了命令が有った場合は、ステップST1に戻って、表示部29は次のアプリケーションの実行命令を待機する。
上述のステップST12でX,Y,Z,X+Yモード以外のモードが設定されている場合は、ステップST15に移行してX,Y,Z,X+Yモードを除く、X+Zモード又はそれ以外のモードが設定されているかによってCPU32は制御を分岐する。当該アプリケーションの動作モード情報がX+Zモードである場合は、ステップST16に移行してCPU32は動作モードをX+Zモードに切り替え、表示部29は当該アプリケーションを実行する。
例えば、図33に示したX+Zモード入力機能例によれば、携帯電話機500の横スタイルで、CPU32が各種項目の選択アプリケーションを実行するとき、押圧検知部50’は、選択決定機能として、X方向での摺動及びZ方向での押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、X方向の座標状態とZ方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
そして、ステップST17に移行してCPU32は当該アプリケーションの終了を判別する。当該アプリケーションの終了命令が無い場合は、ステップST16に戻って表示部29は当該アプリケーションに基づく表示を継続する。当該アプリケーションの終了命令が有った場合は、ステップST1に戻って、表示部29は次のアプリケーションの実行命令を待機する。
上述のステップST15でX,Y,Z,X+Y,X+Zモード以外のモードが設定されている場合は、ステップST18に移行してX,Y,Z,X+Y,X+Zモードを除く、Y+Zモード又はそれ以外のモードが設定されているかによってCPU32は制御を分岐する。当該アプリケーションの動作モード情報がY+Zモードである場合は、ステップST19に移行してCPU32は動作モードをY+Zモードに切り替えて当該アプリケーションを実行する。例えば、図34に示したY+Zモード入力機能例によれば、携帯電話機500の縦スタイルで、CPU32が各種項目の選択アプリケーションを実行するとき、押圧検知部50’が選択決定機能として、Y方向での摺動及びZ方向での押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、Y方向の座標状態とZ方向の座標状態をサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
そして、ステップST20に移行してCPU32は当該アプリケーションの終了を判別する。当該アプリケーションの終了命令が無い場合は、ステップST19に戻って表示部28は当該アプリケーションに基づく映像表示を継続する。当該アプリケーションの終了命令が有った場合は、ステップST1に戻って、表示部29は次のアプリケーションの実行命令を待機する。
上述のステップST18でX,Y,Z,X+Y,X+Z,Y+Zモード以外のモードが設定されている場合は、図39に示すステップST21に移行してX,Y,Z,X+Y,X+Z,Y+Zモードを除く、X+Y+Zモード又はそれ以外のモードが設定されているかによってCPU32は制御を分岐する。当該アプリケーションの動作モード情報がX+Y+Zモードである場合は、ステップST22に移行してCPU32は動作モードをX+Y+Zモードに切り替え、表示部29は当該アプリケーションを実行する。
例えば、図35に示したX+Y+Zモード入力機能例によれば、携帯電話機500の縦スタイルで、押圧検知部50’がテンキーや十字キー等の操作機能として、X,Y方向での摺動及びZ方向での押圧力Fの検知動作を実行する。CPU32又は専用のドライバICは、X方向の座標状態とY方向の座標状態とZ方向の座標状態とをサンプリング周波数毎に読み込むようになされる。
そして、ステップST23に移行してCPU32は当該アプリケーションの終了を判別する。当該アプリケーションの終了命令が無い場合は、ステップST22に戻って表示部29は当該アプリケーションを継続する。当該アプリケーションの終了命令が有った場合は、ステップST1に戻って、表示部29は次のアプリケーションの実行命令を待機する。
上述のステップST21でX,Y,Z,X+Y,X+Z,Y+Z、X+Y+Zモード以外のOFFモードが設定されている場合は、ステップST24に移行してCPU32は動作モードをOFFモードに切り替えてキャリブレーションを実行する。例えば、押圧検知部50’の各端子1−2,3−4,5−6,7−8間の抵抗値が測定され、端子間の抵抗値Rnを得るようになされる。そして、図26に示したキャリブレーション時の判定閾値用の抵抗値Rs’の更新例によれば、工場出荷時、無負荷での端子間の抵抗値Rv、アプリケーション側で決められた入力機能のON/OFFの判定閾値用の抵抗値Rs、OFFモード実行時の端子間の抵抗値Rnを(3)式に代入して更新後の判定閾値用の抵抗値Rs’を演算するようになされる。
そして、ステップST25に移行してCPU32は当該キャリブレーションの終了を判別する。当該キャリブレーションの終了命令が無い場合は、ステップST24に戻ってCPU32は当該キャリブレーションを継続する。当該キャリブレーションの終了命令が有った場合は、ステップST1に戻って、CPU32は次のアプリケーションの実行命令を待機する。
このように第5の実施例としての携帯電話機500によれば、表面板45’の下方には、表示部29が設けられると共に、本発明に係る押圧検知部50’が備えられるので、表示画面上の入力検出面における操作者の指30aの押下操作に対して情報を入力する場合に、押圧検知部50’による押下位置の情報のみならず、押圧操作に応じて弾性導電体53aが電極パターン51a及び電極パターン52aの間、弾性導電体53bが電極パターン51b及び電極パターン52bの間、弾性導電体53cが電極パターン51c及び電極パターン52cの間又は及び、弾性導電体53dが電極パターン51d及び電極パターン52dの間を電気的に接続した位置の押圧力F(押し込み力)を確実に検知できるようになる。
また、入力装置903が外部から完全遮断された密閉構造の表示部29を有しているので、防水性及び防塵性に優れた携帯電話機500を組み立てることができる。上面操作枠体41においては、透明性の触覚入力シート等の表面板45’を支持する構造が採られるので、今までと同様にして、携帯電話機500の組立容易性が向上する。これにより、塵埃や水分等の侵入を防止可能な密閉構造でありながら、薄型かつ簡素な構造の額縁状の押圧検知部50’を有した触覚入力機能付きの携帯電話機500を提供できるようになった。
上述の実施例では、電子機器に関して携帯電話機200〜500の場合について説明したが、これに限られることはなく、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、自動現金受け払い機等において入力装置90,901〜903を有した電子機器であれば、同様な効果が得られる。