JP2012189203A - 駆動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁石による磁力以上の力で電磁クラッチのアーマチュアを軸方向に押し付けることが可能な駆動力伝達装置を提供する。
【解決手段】駆動力伝達装置1は、同軸上で相対回転可能なハウジング2及びインナシャフト3と、軸方向の推力を受けてハウジング2及びインナシャフト3をトルク伝達可能に連結するメインクラッチ4と、電磁石51の磁力によるアーマチュア52の軸方向一側への移動によって作動するパイロットクラッチ5と、パイロットクラッチ5によって伝達される回転力を受けるパイロットカム61、及びパイロットカム61との相対回転により回転力を推力に変換してメインクラッチ4に作用させるメインカム62を有する第1のカム機構6と、パイロットカム61とメインカム62との相対回転に基づいてメインカム62とアーマチュア52とを軸方向に離間させる推力を発生する第2のカム機構7とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】駆動力伝達装置1は、同軸上で相対回転可能なハウジング2及びインナシャフト3と、軸方向の推力を受けてハウジング2及びインナシャフト3をトルク伝達可能に連結するメインクラッチ4と、電磁石51の磁力によるアーマチュア52の軸方向一側への移動によって作動するパイロットクラッチ5と、パイロットクラッチ5によって伝達される回転力を受けるパイロットカム61、及びパイロットカム61との相対回転により回転力を推力に変換してメインクラッチ4に作用させるメインカム62を有する第1のカム機構6と、パイロットカム61とメインカム62との相対回転に基づいてメインカム62とアーマチュア52とを軸方向に離間させる推力を発生する第2のカム機構7とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば自動車における入力軸からの駆動力を出力軸に伝達する駆動力伝達装置に関する。
従来、例えば四輪駆動車のエンジンの駆動力を補助駆動輪へ伝達するトルク伝達経路に設けられ、入力軸から出力軸への伝達トルクを制御可能な駆動力伝達装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の駆動力伝達装置は、外側回転部材及び内側回転部材と、これら両回転部材の間に配置されたメインクラッチと、外側回転部材に対して相対回転不能に設けられた第1ピストンと、内側回転部材に対して相対回転不能に設けられた第2ピストンと、外側及び内側の2つのリングとを備え、第1ピストンと外側のリングとによって第1カム機構が構成され、第2ピストンと内側のリングとによって第2カム機構が構成されている。
また、内外2つのリングの間には、電磁力によって作動するパイロットクラッチが配置されている。このパイロットクラッチは、電磁石の磁力によって電磁石側に引き寄せられるアーマチュアと、このアーマチュアによって軸方向に押し付けられ、互いに摩擦摺動する複数のクラッチディスク及び複数のクラッチプレートとを有している。外側のリングには複数のクラッチディスクが、内側のリングには複数のクラッチプレートが、それぞれスプライン嵌合されている。
この駆動力伝達装置は、パイロットクラッチの作動によって内外2つのリングの相対回転を抑制し、第1ピストンと外側のリング、及び第2ピストンと内側のリングをそれぞれ相対回転させるトルクを発生させる。そして、パイロットクラッチによって発生するトルクが第1カム機構及び第2カム機構においてメインクラッチを押圧する推力に変換される。
しかしながら、パイロットクラッチの複数のクラッチディスク及び複数のクラッチプレートを押し付ける力は、アーマチュアに作用する磁力のみに起因するため、電磁石は、メインクラッチを押圧する推力に対応した磁力をアーマチュアに作用させる必要がある。このため、電磁石の小型化や省電力化には制約があった。
従って、本発明の目的は、電磁石による磁力以上の力で電磁クラッチのアーマチュアを軸方向に押し付け、この電磁クラッチによって伝達されるトルクを第1の回転部材及び第2の回転部材の間に配置された主クラッチの推力に変換することが可能な駆動力伝達装置を提供することにある。
[1]同軸上で相対回転可能な第1の回転部材及び第2の回転部材と、軸方向の推力を受けて前記第1の回転部材及び前記第2の回転部材をトルク伝達可能に連結する主クラッチと、電磁石の磁力を受けるアーマチュアを有し、前記磁力による前記アーマチュアの移動によって作動する電磁クラッチと、前記電磁クラッチによって伝達される回転力を受ける第1のカム部材、及び前記第1のカム部材との相対回転により前記回転力を前記推力に変換して前記主クラッチに作用させる第2のカム部材を有する第1のカム機構と、前記第1のカム部材と前記第2のカム部材との相対回転に基づいて前記第2のカム部材と前記アーマチュアとを軸方向に離間させる推力を発生する第2のカム機構とを備えた駆動力伝達装置。
[2]前記第2のカム機構は、前記第1のカム部材の前記第2のカム部材との相対回転に基づいて前記第2のカム部材に対して相対回転する第3のカム部材を備え、前記第2のカム部材及び前記第3のカム部材のそれぞれの対向部には、周方向に対して傾斜したカム面が形成されている前記[1]に記載の駆動力伝達装置。
[3]前記第2のカム機構は、前記第1のカム部材の前記第2のカム部材との相対回転に基づいて前記第3のカム部材を前記第2のカム部材に対して相対回転させる遊星歯車を備え、前記遊星歯車は、前記第1のカム部材に支持される軸部と、前記第2のカム部材及び前記第3のカム部材に共に噛み合うギヤ部とを有する前記[2]に記載の駆動力伝達装置。
[4]前記第2のカム機構は、前記第1のカム部材と前記第2のカム部材との相対回転に基づいて前記第3のカム部材を前記第2のカム部材に対して相対回転させる遊星歯車を備え、前記遊星歯車は、前記第2のカム部材に支持される軸部と、前記第1のカム部材及び前記第3のカム部材に共に噛み合うギヤ部とを有する前記[2]に記載の駆動力伝達装置。
[5]前記第1のカム部材は、その外周面に軸方向に沿って形成されたスプライン嵌合部を有し、前記アーマチュアは、前記第1のカム部材の前記スプライン嵌合部に軸方向移動可能に嵌合され、前記第3のカム部材は、その内周面に軸方向に沿って形成されたギヤ歯を有し、前記第3のカム部材のイナーシャが、前記第1のカム部材及び前記アーマチュアのイナーシャよりも大きい、前記[4]に記載の駆動力伝達装置。
[6]前記第1のカム部材は、その周面に軸方向に沿って形成されたスプライン嵌合部を有し、前記第3のカム部材は、前記第1のカム部材の前記スプライン嵌合部に軸方向移動可能に嵌合された前記[2]に記載の駆動力伝達装置。
[7]前記アーマチュアは、前記第1のカム部材の前記スプライン嵌合部に軸方向移動可能に嵌合され、前記第1のカム部材と前記第3のカム部材とのスプライン嵌合隙間は、前記第1のカム部材と前記アーマチュアとのスプライン嵌合隙間よりも大きい前記[6]に記載の駆動力伝達装置。
本発明によれば、電磁石による磁力以上の力で電磁クラッチのアーマチュアを軸方向に押し付け、この電磁クラッチによって伝達されるトルクを第1の回転部材及び第2の回転部材の間に配置された主クラッチの推力に変換することができる。
[第1の実施の形態]
図1は四輪駆動車の概略の構成例を示す。この四輪駆動車101は、駆動力伝達装置1,エンジン102,トランスアクスル103,左右の前輪104及び左右の後輪105を備えている。
図1は四輪駆動車の概略の構成例を示す。この四輪駆動車101は、駆動力伝達装置1,エンジン102,トランスアクスル103,左右の前輪104及び左右の後輪105を備えている。
駆動力伝達装置1は、四輪駆動車101における前輪側から後輪側に至る駆動力伝達経路に配置され、かつ四輪駆動車101の車体(図示せず)にディファレンシャルキャリア106を介して支持されている。
そして、駆動力伝達装置1は、プロペラシャフト(入力軸)107とドライブピニオンシャフト(出力軸)108とをトルク伝達可能に連結し、この連結状態においてエンジン102の駆動力を後輪105に伝達し得るように構成されている。駆動力伝達装置1の詳細については後述する。
駆動源であるエンジン102は、その駆動力をトランスアクスル103を介してフロントアクスルシャフト109に出力することにより、左右の前輪104を駆動する。
また、エンジン102は、その駆動力をトランスアクスル103を介してプロペラシャフト107,駆動力伝達装置1,ドライブピニオンシャフト108,リヤディファレンシャル110及びリヤアクスルシャフト111に出力することにより、左右の後輪105を駆動する。
〔駆動力伝達装置1の全体構成〕
図2は、駆動力伝達装置1の構成例を示す断面図である。この駆動力伝達装置1は、ディファレンシャルキャリア106(図1に示す)のカップリングケース106aに相対回転可能な第1の回転部材としてのハウジング2と、このハウジング2に同軸上で相対回転可能な第2の回転部材としてのインナシャフト3と、このインナシャフト3とハウジング2とを断続可能に連結する主クラッチとしてのメインクラッチ4と、このメインクラッチ4にその軸線に沿って並列する電磁クラッチからなるパイロットクラッチ5と、パイロットクラッチ5を介して伝達される回転力をメインクラッチ4の推力に変換する第1カム機構6とを備えている。
図2は、駆動力伝達装置1の構成例を示す断面図である。この駆動力伝達装置1は、ディファレンシャルキャリア106(図1に示す)のカップリングケース106aに相対回転可能な第1の回転部材としてのハウジング2と、このハウジング2に同軸上で相対回転可能な第2の回転部材としてのインナシャフト3と、このインナシャフト3とハウジング2とを断続可能に連結する主クラッチとしてのメインクラッチ4と、このメインクラッチ4にその軸線に沿って並列する電磁クラッチからなるパイロットクラッチ5と、パイロットクラッチ5を介して伝達される回転力をメインクラッチ4の推力に変換する第1カム機構6とを備えている。
またさらに、駆動力伝達装置1は、ハウジング2に伝達されるエンジン102の駆動力の一部を軸方向の推力に変換し、メインクラッチ4を軸方向に押し付ける押付力を増大させる第2カム機構7を備えている。
(ハウジング2の構成)
ハウジング2は、フロントハウジング21及びリヤハウジング22からなり、カップリングケース106a内に回転軸線Oを中心として回転可能に収容されている。そして、ハウジング2は、プロペラシャフト107(図1に示す)を介して伝達されるエンジン102(図1に示す)の駆動トルクを継手107aから受けて回転するように構成されている。
ハウジング2は、フロントハウジング21及びリヤハウジング22からなり、カップリングケース106a内に回転軸線Oを中心として回転可能に収容されている。そして、ハウジング2は、プロペラシャフト107(図1に示す)を介して伝達されるエンジン102(図1に示す)の駆動トルクを継手107aから受けて回転するように構成されている。
フロントハウジング21は、底部211及び円筒部212を一体に有する有底円筒状であり、円筒部212の内部には収容空間21aが形成されている。この収容空間21aには、図略の潤滑油が例えば80%の充填率で充填されている。また、フロントハウジング21は、カップリングケース106aの内面との間に配置された玉軸受81によって回転軸線Oの回りに回転可能に支持されている。
フロントハウジング21の円筒部212の内周面のうち、底部211側の領域には、回転軸線Oに沿って平行に延びるスプライン溝を有するストレートスプライン嵌合部212aが設けられている。また、底部211には、継手107aがボルト80によって固定されている。
リヤハウジング22は、フロントハウジング21の開口部の内周面にねじ結合され、かつカップリングケース106aに円錐ころ軸受82を介して回転可能に支持されている。また、リヤハウジング22には、メインクラッチ4側とは反対側に開口する円環状の収容空間22aが設けられている。
リヤハウジング22は、第1〜第3のリヤハウジングエレメント221〜223からなる。第1のリヤハウジングエレメント221は、リヤハウジング22の内周側に配置され、全体が軟鉄等の磁性材料からなる円筒部材によって形成されている。第1のリヤハウジングエレメント221の内周側には、ドライブピニオンシャフト108の外周面との間に玉軸受83が配置されている。
第2のリヤハウジングエレメント222は、リヤハウジング22の外周側に配置され、全体が第1のリヤハウジングエレメント221と同様に軟鉄等の磁性材料からなる円筒部材によって形成されている。
第3のリヤハウジングエレメント223は、第1のリヤハウジングエレメント221と第2のリヤハウジングエレメント222との間に介在し、全体がステンレス鋼等の非磁性材料からなるリヤハウジングエレメント連結用の円環部材によって形成されている。
(インナシャフト3の構成)
インナシャフト3は、フロントハウジング21の収容空間21aに収容され、大径の円筒部31及び小径の円筒部32を有している。大径の円筒部31と小径の円筒部32との間には、環状の段差面3aが形成されている。インナシャフト3は、フロントハウジング21の底部211との間に配置された玉軸受84によってハウジング2と同軸上で相対回転可能に支持されている。大径の円筒部31の外周面には、回転軸線Oに沿って平行に延びるストレートスプライン嵌合部31aが設けられている。
インナシャフト3は、フロントハウジング21の収容空間21aに収容され、大径の円筒部31及び小径の円筒部32を有している。大径の円筒部31と小径の円筒部32との間には、環状の段差面3aが形成されている。インナシャフト3は、フロントハウジング21の底部211との間に配置された玉軸受84によってハウジング2と同軸上で相対回転可能に支持されている。大径の円筒部31の外周面には、回転軸線Oに沿って平行に延びるストレートスプライン嵌合部31aが設けられている。
また、インナシャフト3の内周面には、回転軸線Oに沿って平行に延びるストレートスプライン嵌合部3bが設けられている。ストレートスプライン嵌合部3bには、ドライブピニオンシャフト108のストレートスプライン嵌合部108aが相対回転不能に嵌合されている。
(メインクラッチ4の構成)
メインクラッチ4は、複数のインナクラッチプレート40及び複数のアウタクラッチプレート41(本実施の形態では共に5枚)が軸方向に沿って交互に配置された摩擦式の多板クラッチからなる。また、メインクラッチ4は、ハウジング2とインナシャフト3との間に配置され、かつ収容空間21aに収容されている。そして、メインクラッチ4は、インナクラッチプレート40及びアウタクラッチプレート41のうち互いに隣り合うクラッチプレート同士を摩擦係合させ、またその摩擦係合を解除してハウジング2とインナシャフト3とを断続(トルク伝達)可能に連結するように構成されている。
メインクラッチ4は、複数のインナクラッチプレート40及び複数のアウタクラッチプレート41(本実施の形態では共に5枚)が軸方向に沿って交互に配置された摩擦式の多板クラッチからなる。また、メインクラッチ4は、ハウジング2とインナシャフト3との間に配置され、かつ収容空間21aに収容されている。そして、メインクラッチ4は、インナクラッチプレート40及びアウタクラッチプレート41のうち互いに隣り合うクラッチプレート同士を摩擦係合させ、またその摩擦係合を解除してハウジング2とインナシャフト3とを断続(トルク伝達)可能に連結するように構成されている。
インナクラッチプレート40は、その内周部にストレートスプライン嵌合部40aを有し、ストレートスプライン嵌合部40aをストレートスプライン嵌合部31aに嵌合させてインナシャフト3に相対回転不能かつ軸方向移動可能に連結されている。複数のインナクラッチプレート40のうちパイロットクラッチ側最端部のインナクラッチプレート40は、メインクラッチ4の入力部として機能し、第1のカム機構6のメインカム62(後述)からメインクラッチ4側に推力を受けると、この推力による押し付け方向への移動によって他のインナクラッチプレート40とアウタクラッチプレート41とを摩擦係合させるように構成されている。
アウタクラッチプレート41は、その外周部にストレートスプライン嵌合部41aを有し、ストレートスプライン嵌合部41aをストレートスプライン嵌合部212aに嵌合させてフロントハウジング21(ハウジング2)に相対回転不能かつ軸方向移動可能に連結されている。
(パイロットクラッチ5の構成)
図3(a)は、パイロットクラッチ5、第1カム機構6、及び第2カム機構7の構成例を示す図2の部分拡大図である。この図では、電磁石51に励磁電流が供給されていない非作動の状態を示している。
図3(a)は、パイロットクラッチ5、第1カム機構6、及び第2カム機構7の構成例を示す図2の部分拡大図である。この図では、電磁石51に励磁電流が供給されていない非作動の状態を示している。
パイロットクラッチ5は、リヤハウジング22の収容空間22aに収容された環状のコイルからなる電磁石51と、電磁石51の磁力を受けるアーマチュア52と、アーマチュア52をリヤハウジング22から離れる方向に押し付けるウェーブワッシャ54とを有している。
電磁石51は、図略の制御装置から励磁電流が供給され、励磁電流に応じた大きさの磁力を発生させる。この電磁石51は、カップリングケース106aに固定された磁性材料からなるヨーク50に支持されている。
アーマチュア52は、環状の磁性材料からなり、収容空間21a内にて、ハウジング2に対して相対回転可能かつ軸方向移動可能に配置されている。アーマチュア52は、リヤハウジング22側の一側面がリヤハウジング22と摩擦接触する摩擦面52aとして形成されている。また、アーマチュア52の内周面には、回転軸線Oに沿ったスプライン溝を有するスプライン嵌合部52bが形成されている。
ウェーブワッシャ54は、例えばバネ鋼製の平座金を波型に曲げて周方向のうねりを有するように形成された弾性体である。このウェーブワッシャ54は、第2のリヤハウジングエレメント222に設けられた環状の凹部222aに収容され、アーマチュア52をリヤハウジング22から離れる方向に押し付けている。
(第1カム機構6の構成)
第1カム機構6は、パイロットクラッチ5のアーマチュア52によって伝達されるハウジング2の回転力を受けるパイロットカム61と、パイロットカム61との相対回転によりハウジング2の回転力を軸方向の推力に変換してメインクラッチ4を押し付けるメインカム62と、パイロットカム61とメインカム62の対向部にそれぞれ形成されたカム面を転動する転動体としてのカムボール63とを有して構成されている。パイロットカム61は本発明の第1のカム部材の一例であり、メインカム62は本発明の第2のカム部材の一例である。
第1カム機構6は、パイロットクラッチ5のアーマチュア52によって伝達されるハウジング2の回転力を受けるパイロットカム61と、パイロットカム61との相対回転によりハウジング2の回転力を軸方向の推力に変換してメインクラッチ4を押し付けるメインカム62と、パイロットカム61とメインカム62の対向部にそれぞれ形成されたカム面を転動する転動体としてのカムボール63とを有して構成されている。パイロットカム61は本発明の第1のカム部材の一例であり、メインカム62は本発明の第2のカム部材の一例である。
パイロットカム61は、その外周端面にアーマチュア52のスプライン嵌合部52bに嵌合するスプライン嵌合部61aが形成されたトルク受部611と、カムボール63を転動させるカム面61bが形成されたカム部612とを有している。
パイロットカム61は、リヤハウジング22の第1のリヤハウジングエレメント221との間に配置されたスラスト軸受85によって軸方向の移動が規制されている。
メインカム62は、メインクラッチ4を押し付ける環状の押付部621と、パイロットカム61のカム面61bに軸方向に対向するカム面62bが形成された第1カム部622と、カム部材71(後述)のカム面711aに軸方向に対向するカム面623aが形成された第2カム部623と、第1カム部622から軸方向に鍔状に突出してカムボール63の外側に設けられたギヤ部624とを一体に有している。
第2カム部623は、その径方向外側の押付部621と、径方向内側の第1カム部622との間に設けられている。第1カム部622と第2カム部623は、軸方向に並列し、第2のカム部623が第1カム部622よりもメインクラッチ4側に設けられている。また、ギヤ部624の外周面には、平歯車からなるギヤ歯624aが形成されている。
第2カム部623の内周面には、インナシャフト3のストレートスプライン嵌合部31aに嵌合するスプライン嵌合部62aが設けられている。これにより、メインカム62は、インナシャフト3に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に連結されている。また、第1カム部622とインナシャフト3の段差面3aとの間には、メインカム62をリヤハウジング22側に押し付けるウェーブワッシャ64が配置されている。
カムボール63は、パイロットカム61(カム部612)のカム面61bと、メインカム62(第1カム部622)のカム面62bとの間に挟まれて保持され、パイロットカム61とメインカム62の相対回転によって両カム面61b,62bを転動する。カムボール63は、パイロットカム61とメインカム62との間に周方向に沿って複数(例えば6個)配置されている。これら複数のカムボール63は、保持器630によって等間隔に保持されている。
(第2カム機構7の構成)
第2カム機構7は、メインカム62とアーマチュア52との間に配置されたカム部材71と、メインカム62の第2カム部623と、カム部材71とメインカム62の第2カム部623との間に介在する転動体としてのカムボール72と、パイロットカム61に回転可能に支持され、カム部材71及びメインカム62に共に噛み合う遊星ギヤ9とから構成されている。カム部材71は、本発明の第3のカム部材の一例である。
第2カム機構7は、メインカム62とアーマチュア52との間に配置されたカム部材71と、メインカム62の第2カム部623と、カム部材71とメインカム62の第2カム部623との間に介在する転動体としてのカムボール72と、パイロットカム61に回転可能に支持され、カム部材71及びメインカム62に共に噛み合う遊星ギヤ9とから構成されている。カム部材71は、本発明の第3のカム部材の一例である。
カム部材71は、メインカム62のカム面623aに対向するカム面711aが形成されたカム部711と、アーマチュア52の摩擦面52aとは反対側の面に接触してアーマチュア52をリヤハウジング22側に押し付ける押付部712と、遊星ギヤ9に噛み合うギヤ歯71aが内周面に形成されたギヤ部713とを一体に有している。カム部711とギヤ部713は軸方向に並列し、押付部712はギヤ部713の径方向外側に設けられている。
カム部材71とアーマチュア52との間には、カム部材71をアーマチュア52から離れる方向に押し付ける弾性体としての皿バネ74が配置されている。皿バネ74がカム部材71を押し付ける力は、ウェーブワッシャ54がアーマチュア52をリヤハウジング22から離れる方向に押し付ける力よりも弱く設定されている。
カムボール72は、カム部材71(カム部711)のカム面711aと、メインカム62(第2カム部623)のカム面623aとの間に挟まれて保持され、カム部材71とアーマチュア52の相対回転によって両カム面711a,623aを転動する。また、カムボール72は、カム部材71とアーマチュア52との間に周方向に沿って複数(例えば6個)配置され、保持器73によって等間隔に保持されている。
図4は、遊星ギヤ9の外観を示す斜視図である。遊星ギヤ9は、パイロットカム61に回転可能に支持される軸部91と、カム部材71及びメインカム62に共に噛み合うギヤ部92とを一体に有している。軸部91は、パイロットカム61に設けられた貫通孔に保持され、かつ抜け止めされている。軸部91の抜け止めは、軸部91に形成された環状の凹部91aに係合するスナップリング93(図3(a)に示す)によって行うことができる。ギヤ部92は、外周面に平歯車からなるギヤ歯92aを有し、メインカム62のギヤ部624の外周面、及びカム部材71のギヤ部713の内周面の間に配置され、これら両ギヤ部に噛み合っている。
この構成により、遊星ギヤ9は、パイロットカム61,メインカム62,及びカム部材71の3つの部材のうち、2つの部材の相対回転によって軸部91を中心として回転(自転)しながら回転軸線Oを中心として回転(公転)し、残りの1部材を回転軸線Oを中心として回転させる。遊星ギヤ9は、ギヤ部92がメインカム62のギヤ部624及びカム部材71のギヤ部713に噛み合った状態で、メインカム62及びカム部材71に対して軸方向に移動可能である。また、遊星ギヤ9は、回転軸線Oを中心とする周方向に沿って複数(例えば3個)配置されている。
図3(b)は第1カム機構6の周方向断面図であり、図3(c)は第2カム機構7の周方向断面図である。
図3(b)に示すように、メインカム62の第1カム部622のカム面62b及びパイロットカム61のカム部612のカム面61bは、周方向に沿って軸方向の深さが変化する傾斜面として形成されている。図3(b)に示す中立状態(第1カム機構6の非作動状態)では、カムボール63がカム面62b及びカム面61bの最深部に位置している。カム面62b及びカム面61bのカム角(回転軸線Oの周方向に対するカム面の傾斜角度)は共にφ1である。
また、図3(c)に示すように、メインカム62の第2カム部623のカム面623a及びカム部材71のカム部711のカム面711aは、周方向に沿って軸方向の深さが変化する傾斜面として形成されている。図3(c)に示す中立状態(第2カム機構7の非作動状態)では、カムボール72がカム面623a及びカム面711aの最深部に位置している。カム面623a及びカム面711aのカム角は共にφ2である。
第2カム機構7のカム角φ2は、第1カム機構6のカム角φ1よりも大きく形成されている。カム角φ2は、例えば10〜14°であり、カム角φ1は、例えば8〜12°である。また、カム角φ2は、アーマチュア52とリヤハウジング22との摩擦力、及びメインカム62とメインクラッチ4との摩擦力によって第2カム機構7がセルフロックしない角度に設定されている。なお、ここでセルフロックとは、第2カム機構7の推力によってアーマチュア52及びメインカム62に作用する摩擦力が増大し、電磁石51への励磁電流の供給を遮断しても第2カム機構7が中立状態に戻らなくなることをいう。
〔駆動力伝達装置1の動作及び作用〕
次に、図1〜図5を参照して駆動力伝達装置1の動作及び作用を説明する。
図5は、駆動力伝達装置1の作動状態における各部の構成を示し、(a)はパイロットクラッチ5、第1カム機構6、及び第2カム機構7を、(b)は第1カム機構6を、(c)は第2カム機構7を、それぞれ示す。
次に、図1〜図5を参照して駆動力伝達装置1の動作及び作用を説明する。
図5は、駆動力伝達装置1の作動状態における各部の構成を示し、(a)はパイロットクラッチ5、第1カム機構6、及び第2カム機構7を、(b)は第1カム機構6を、(c)は第2カム機構7を、それぞれ示す。
電磁石51に励磁電流が供給されていないときは、アーマチュア52に電磁石51の磁力が作用せず、図3(a)に示すように、ウェーブワッシャ54の弾性力によってアーマチュア52がリヤハウジング22から離れ、アーマチュア52とリヤハウジング22との間に軸方向の隙間Sが形成されている。
この場合、フロントハウジング21からのトルクがパイロットカム61のトルク受部611に伝達されないため、メインカム62とパイロットカム61とを相対回転させる回転力が作用せず、第1カム機構6は非作動状態となる。この状態では、ウェーブワッシャ64の弾性力によってメインカム62がメインクラッチ4から離れる方向に押し付けられており、メインクラッチ4のインナクラッチプレート40とアウタクラッチプレート41とが摩擦係合しない。
一方、電磁石51に励磁電流が供給されると、ヨーク50、第2のリヤハウジングエレメント222、アーマチュア52、及び第1のリヤハウジングエレメント221を磁路とする回転磁界が発生し、アーマチュア52がリヤハウジング22側に磁力によって吸引される。
これにより、図5(a)に示すように、アーマチュア52の摩擦面52aがリヤハウジング22に接触し、アーマチュア52とリヤハウジング22との間に摩擦力が発生する。
この状態でハウジング2とインナシャフト3が差動回転すると、ハウジング2の回転力がアーマチュア52とリヤハウジング22との間の摩擦力によってパイロットカム61に伝達される。すると、図5(b)に示すように、パイロットカム61がメインカム62に対して相対回転し、カムボール63がカム面62b,61bを転動して、メインカム62がパイロットカム61から軸方向に離間する。
このように、第1カム機構6は、伝達された回転力をメインクラッチ4を押し付ける推力に変換し、メインカム62がウェーブワッシャ64の弾性力に抗してメインクラッチ4を押し付ける。これによりメインクラッチ4のインナクラッチプレート40とアウタクラッチプレート41とが摩擦係合し、ハウジング2とインナシャフト3との間で駆動力が伝達される。
また、パイロットカム61とメインカム62とが相対回転することにより、遊星ギヤ9が回転し、カム部材71をメインカム62に対して回転させる。これにより、図4(c)に示すように第2カム機構7が作動し、メインカム62とカム部材71とが軸方向に離間し、カム部材71がアーマチュア52側に移動する。
カム部材71が、非作動状態におけるアーマチュア52とリヤハウジング22との間の隙間S(図3(a)に示す)の距離だけ移動すると、カム部材71がアーマチュア52に接触し、アーマチュア52には電磁石51の磁力による力に加えてカム部材71による押付力が作用する。これにより、アーマチュア52がリヤハウジング22により強く押し付けられ、アーマチュア52とリヤハウジング22との間の摩擦力が増大する。
また、第2カム機構7のカム角φ2は、第1カム機構6のカム角φ1よりも大きく形成されているため、カム部材71がアーマチュア52をリヤハウジング22に押し付けた後にさらにメインカム62とカム部材71との相対回転角度が大きくなると、メインカム62は主として第2カム機構7の推力によってメインクラッチ4を押付する。
図5は、電磁石51の励磁電流と駆動力伝達装置1による伝達トルクとの関係を示すグラフである。このグラフに示すように、励磁電流が所定値I1未満の場合は、カム部材71がアーマチュア52を押付せず、メインカム62は第1カム機構6の推力によってメインクラッチ4を軸方向に押し付ける。
励磁電流がI1以上となると、カム部材71がアーマチュア52を押付し、メインカム62は主として第2カム機構7の推力によってメインクラッチ4を軸方向に押し付ける。この際、伝達トルクはステップ状に大きくなる。また、励磁電流がI1以上の場合における励磁電流の増加分に対する伝達トルクの増分は、励磁電流がI1未満の場合における励磁電流の増加分に対する伝達トルクの増分よりも大きくなる。
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
(1)電磁石51による磁力以上の力でパイロットクラッチ5のアーマチュア52をリヤハウジング22に押し付け、アーマチュア52とリヤハウジング22との摩擦力によって伝達されるトルクをメインクラッチ4の推力に変換することができ、ハウジング2とインナシャフト3との間で伝達することが可能な駆動力の最大値を高めることができる。
(2)アーマチュア52とリヤハウジング22との間にはクラッチプレートが存在しないため、例えば電磁クラッチにアウタクラッチプレート及びインナクラッチプレートを交互に配置した場合に比較して、非作動時における潤滑油の粘性等による引き摺りトルクを減少させることができる。
(3)高トルク領域(励磁電流がI1以上の領域)では、第2カム機構7を有しない場合に比較して、少ない励磁電流でメインクラッチ4を押し付けることができるので、電磁石51の消費電力を低減することができる。
(4)低トルク領域(励磁電流がI1未満の領域)では、励磁電流に対する伝達トルクの変化量が小さいので、伝達トルクを高精度に制御することができる。
(5)カム部材71は、第1カム機構6のカムボール63が配置された位置の径方向外側に設けられているので、駆動力伝達装置1の軸方向の長さの増大が抑制される。つまり、カム部材71は、カムボール63の外周部に形成される空間に配置されているので、カム部材71やカムボール72を配置するスペースを確保するために駆動力伝達装置1の軸方向寸法が長くなることが抑えられている。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7及び図8を参照して説明する。これらの図において、第1の実施の形態について説明したものと共通の機能を有する構成要素については、同一の又は対応する符号を付してその重複した説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7及び図8を参照して説明する。これらの図において、第1の実施の形態について説明したものと共通の機能を有する構成要素については、同一の又は対応する符号を付してその重複した説明を省略する。
図7は、本実施の形態に係る駆動力伝達装置1Aの非作動状態における要部断面図、図8は、本実施の形態に係る駆動力伝達装置1Aの作動状態における要部断面図である。
第1の実施の形態では、遊星ギヤ9の軸部91がパイロットカム61に回転可能に支持されていたが、本実施の形態では、遊星ギヤ9の軸部91がメインカム62Aに回転可能に支持されている。より具体的には、遊星ギヤ9の軸部91は、メインカム62Aの第1カム部622の外周側に突出して形成された突起部625に形成された貫通孔に挿入され、スナップリング93によって抜け止めされている。また、遊星ギヤ9のギヤ部92は、パイロットカム61A及びカム部材71Aに共に噛み合っている。
パイロットカム61Aには、その外周端面にスプライン嵌合部61aが形成され、このスプライン嵌合部61aにアーマチュア52のスプライン嵌合部52b、及び遊星ギヤ9のギヤ部92のギヤ歯92aが共に軸方向移動可能かつ相対回転不能に嵌合している。また、ギヤ部92のギヤ歯92aは、カム部材71Aの内周面に形成されたギヤ歯71aにも噛み合っている。すなわち、パイロットカム61Aのスプライン嵌合部61aをサンギヤ、カム部材71Aのギヤ歯71をインターナルギヤ、メインカム62Aをキャリヤとして遊星歯車機構が構成されている。
パイロットカム61Aのカム面61b、メインカム62Aのカム面62b,623a、及びカム部材71Aのカム面711aは、第1の実施の形態と同様に形成されている。
電磁石51に励磁電流が供給されると、ヨーク50、第2のリヤハウジングエレメント222、アーマチュア52、及び第1のリヤハウジングエレメント221を磁路とする回転磁界が発生し、アーマチュア52がリヤハウジング22側に磁力によって吸引される。これにより、図8に示すように、アーマチュア52の摩擦面52aがリヤハウジング22に接触し、アーマチュア52とリヤハウジング22との間に摩擦力が発生する。
この状態でハウジング2とインナシャフト3が差動回転すると、ハウジング2の回転力がアーマチュア52とリヤハウジング22との間の摩擦力によって、パイロットカム61Aに伝達される。すると、パイロットカム61Aがメインカム62Aに対して相対回転し、カムボール63がカム面61b,62bを転動して、メインカム62Aがパイロットカム61Aから軸方向に離間し、メインクラッチ4を押し付ける。
また、パイロットカム61Aとメインカム62Aとの相対回転により遊星ギヤ9が自転(軸部91の中心軸を回転軸とするギヤ部92の回転)し、カム部材71Aをメインカム62Aに対して回転させる。これにより、第2カム機構7Aが作動し、メインカム62Aとカム部材71Aとが軸方向に離間して、カム部材71Aがアーマチュア52をリヤハウジング22押し付ける。この結果、アーマチュア52とリヤハウジング22との間の摩擦力が増大し、第1カム機構6A及び第2カム機構7Aの作動によって、メインクラッチ4がより強く押し付けられる。
また、本実施の形態では、カム部材71Aのイナーシャがアーマチャ52及びパイロットカム61Aのイナーシャよりも大きくなるように、カム部材71A,アーマチャ52,及びパイロットカム61Aが形成されている。より望ましくは、カム部材71Aのイナーシャとアーマチャ52及びパイロットカム61Aのイナーシャとの比が、カム部材71Aのギヤ歯71aの歯数とパイロットカム61Aのスプライン嵌合部61aの歯数(スプライン歯の数)の比と同等であるとよい。
このようにカム部材71A,アーマチャ52,及びパイロットカム61Aを形成することで、四輪駆動車101の前輪104のみに駆動力が伝達される二輪駆動状態(電磁石51に励磁電流が供給されない状態)で急加速した際に、第1カム機構6A及び第2カム機構7Aがイナーシャによって作動してしまうことを抑止することができる。つまり、遊星ギヤ9を自転させる荷重が作用する位置は、カム部材71A(ギヤ歯71)よりもパイロットカム61A(スプライン嵌合部61a)の方が内側であるので、この荷重作用点の回転軸線Oからの距離の違いにより、カム部材71Aのイナーシャがアーマチャ52及びパイロットカム61Aのイナーシャよりも小さいと、アーマチャ52及びパイロットカム61Aのイナーシャによって遊星ギヤ9が自転してしまう。
換言すれば、インナシャフト3の回転の加速時に、アーマチャ52及びパイロットカム61Aの慣性によって遊星ギヤ9を第1の方向に自転させるトルクが、カム部材71Aの慣性によって遊星ギヤ9を第2の方向に自転させるトルクよりも大きくなり、このトルクの差によって遊星ギヤ9が第1の方向に自転する。
遊星ギヤ9が自転すると、前述のように第2カム機構7Aが作動し、カム部材71がアーマチュア52をリヤハウジング22側に移動させ、この移動量が大きくなるとアーマチュア52がリヤハウジング22に接触する。アーマチュア52とリヤハウジング22との接触によりアーマチュア52が摩擦力を受けると、この摩擦力によりパイロットカム61Aがメインカム62Aに対して相対回転し、第1カム機構6Aが作動して、メインカム62Aがメインクラッチ4を軸方向に押し付ける。この結果、フロントハウジング21とインナシャフト3との間で意図しないトルク伝達が行われてしまう。
一方、カム部材71Aのイナーシャがアーマチャ52及びパイロットカム61Aのイナーシャよりも大きければ、遊星ギヤ9を自転させる荷重が作用する位置(回転軸線Oからの半径)の違いにより、カム部材71Aのイナーシャがアーマチャ52及びパイロットカム61Aのイナーシャよりも小さい場合に比較して、遊星ギヤ9の自転を抑制することができる。
カム部材71A,アーマチャ52,及びパイロットカム61Aのイナーシャは、四輪駆動車101が発生し得る最大の加速度で加速した場合にも、第2カム機構7Aの作動によってアーマチュア52がリヤハウジング22に接触しないように設定されていることが望ましい。例えば、カム部材71AのイナーシャをJ1、アーマチャ52及びパイロットカム61AのイナーシャをJ2、カム部材71Aのギヤ歯71aの歯数をN1、パイロットカム61Aのスプライン嵌合部61aの歯数をN2としたとき、(J1×N2)/(J2×N1)の値が0.8以上1.2以下、さらに望ましくは0.9以上1.1以下であるとよい。
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態について述べた(1)〜(5)の効果に加え、四輪駆動車101の二輪駆動状態での急加速時に、第1カム機構6A及び第2カム機構7Aが作動してしまうことを抑止することができる。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態について述べた(1)〜(5)の効果に加え、四輪駆動車101の二輪駆動状態での急加速時に、第1カム機構6A及び第2カム機構7Aが作動してしまうことを抑止することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について図9〜図11を参照して説明する。これらの図において、第1の実施の形態について説明したものと共通の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施の形態について図9〜図11を参照して説明する。これらの図において、第1の実施の形態について説明したものと共通の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9は、本実施の形態に係る駆動力伝達装置1Bの構成例を示す断面図である。この駆動力伝達装置1Bは、第1のカム機構6B及び第2のカム機構7Bの構成が第1の実施の形態に係る第1のカム機構6及び第2のカム機構7とは異なり、第1の実施の形態における遊星ギヤ9は設けられていない。
図10(a)は、パイロットクラッチ5、第1カム機構6B、及び第2カム機構7Bの構成例を示す図9の部分拡大図である。この図では、電磁石51に励磁電流が供給されていない非作動の状態を示している。
(第1カム機構6Bの構成)
第1カム機構6Bは、アーマチュア52によって伝達されるハウジング2の回転力を受けるパイロットカム65と、パイロットカム65との相対回転によりハウジング2の回転力を軸方向の推力に変換してメインクラッチ4を押し付けるメインカム66と、パイロットカム65とメインカム66の対向部にそれぞれ形成されたカム面を転動する転動体としてのカムボール63とを有して構成されている。
第1カム機構6Bは、アーマチュア52によって伝達されるハウジング2の回転力を受けるパイロットカム65と、パイロットカム65との相対回転によりハウジング2の回転力を軸方向の推力に変換してメインクラッチ4を押し付けるメインカム66と、パイロットカム65とメインカム66の対向部にそれぞれ形成されたカム面を転動する転動体としてのカムボール63とを有して構成されている。
パイロットカム65は、その外周面にアーマチュア52のスプライン嵌合部52b、及びカム部材75(後述)のスプライン嵌合部75aに共に嵌合するスプライン嵌合部65aが形成されたトルク受部651と、カムボール63を転動させるカム面65bが形成されたカム部652とを一体に有している。
メインカム66は、メインクラッチ4を押付する環状の押付部661と、パイロットカム65のカム面65bに軸方向に対向するカム面66bが形成された第1カム部662と、第2カム機構7Bのカム部材75(後述)のカム面751aに軸方向に対向するカム面663aが形成された第2カム部663とを一体に有している。第2カム部663の内周面には、インナシャフト3のストレートスプライン嵌合部31aに嵌合するスプライン嵌合部66aが設けられている。
カムボール63は、パイロットカム65(カム部652)のカム面65bと、メインカム66(第1カム部662)のカム面66bとの間に挟まれて保持され、パイロットカム65とメインカム66の相対回転によって両カム面65b,66bを転動する。
(第2カム機構7Bの構成)
第2カム機構7Bは、メインカム66とアーマチュア52との間に配置されたカム部材75と、メインカム66の第2カム部663と、カム部材75とメインカム66の第2カム部663との間に介在する転動体としてのカムボール72とから構成されている。
第2カム機構7Bは、メインカム66とアーマチュア52との間に配置されたカム部材75と、メインカム66の第2カム部663と、カム部材75とメインカム66の第2カム部663との間に介在する転動体としてのカムボール72とから構成されている。
カム部材75は、メインカム66のカム面663aに対向するカム面751aが形成されたカム部751と、アーマチュア52の摩擦面52aとは反対側の面に接触してアーマチュア52をリヤハウジング22側に押し付ける押付部752と、パイロットカム65のスプライン嵌合部65aにスプライン嵌合するスプライン嵌合部75aが形成された連結部753とを一体に有している。カム部751と連結部753は軸方向に並列し、押付部752は連結部753の径方向外側に設けられている。カム部材75は、連結部753によって、パイロットカム65との相対回転が制限され、かつパイロットカム65に対して軸方向移動可能に連結されている。
カムボール72は、カム部材75(カム部751)のカム面751aと、メインカム66(第2カム部663)のカム面663aとの間に挟まれて保持され、カム部材75とメインカム66の相対回転によって両カム面751a,663aを転動する。
図10(b)は、パイロットカム65のトルク受部651とアーマチュア52との嵌合部を軸方向から見た断面図である。パイロットカム65のスプライン嵌合部65aとアーマチュア52のスプライン嵌合部52bとの間には、回転軸線Oの周方向に対してθ1(θ1=θ11+θ12)のスプライン嵌合隙間(周方向のガタ)が存在し、このθ1の範囲でのみ相対回転が許容されている。また、このスプライン嵌合隙間により、アーマチュア52はパイロットカム65に対して軸方向移動可能である。θ1は、例えば1°以下である。
図10(c)は、パイロットカム65のトルク受部651とカム部材75の連結部753との嵌合部を軸方向から見た断面図である。パイロットカム65のスプライン嵌合部65aとカム部材75のスプライン嵌合部75aとの間には、回転軸線Oの周方向に対してθ2(θ2=θ21+θ22)のスプライン嵌合隙間が存在し、カム部材75はパイロットカム65に対してθ2の範囲で相対回転可能である。θ2は、パイロットカム65とアーマチュア52とのスプライン嵌合隙間θ1よりも大きく形成されている。θ2は、例えば10°以下である。
図10(d)は第1カム機構6Bの周方向断面図であり、図10(e)は第2カム機構7Bの周方向断面図である。図10(d)に示すように、メインカム66の第1カム部662のカム面66b及びパイロットカム65のカム部652のカム面65bは、周方向に沿って軸方向の深さが変化する傾斜面として形成され、そのカム角は共にφ1である。また、図10(e)に示すように、メインカム66の第2カム部663のカム面663a及びカム部材75のカム部751のカム面751aは、周方向に沿って軸方向の深さが変化する傾斜面として形成され、そのカム角は共にφ2である。カム角φ2は、カム角φ1よりも大きく形成されている。
〔駆動力伝達装置1Bの動作及び作用〕
次に、図9〜図11を参照して駆動力伝達装置1Bの動作及び作用を説明する。
図11(a)〜(d)は、図10(a)〜(d)にそれぞれ対応した各部の作動状態を示している。
次に、図9〜図11を参照して駆動力伝達装置1Bの動作及び作用を説明する。
図11(a)〜(d)は、図10(a)〜(d)にそれぞれ対応した各部の作動状態を示している。
電磁石51に励磁電流が供給されていないときは、アーマチュア52に電磁石51の磁力が作用せず、図10(a)に示すように、ウェーブワッシャ54の弾性力によってアーマチュア52がリヤハウジング22から隙間Sをもって離れている。このためパイロットカム65とメインカム66とを相対回転させる回転力が作用せず、第1カム機構6Bは非作動状態となる。
一方、電磁石51に励磁電流が供給されると、アーマチュア52がリヤハウジング22側に磁力によって吸引され、図11(a)に示すように、アーマチュア52の摩擦面52aがリヤハウジング22に接触し、アーマチュア52とリヤハウジング22との間に摩擦力が発生する。
この状態でハウジング2とインナシャフト3が差動回転すると、ハウジング2の回転力がアーマチュア52とリヤハウジング22との間の摩擦力によってパイロットカム65に伝達され、図10(d)に示すように、パイロットカム65がメインカム66に対して相対回転し、メインカム66がメインクラッチ4を軸方向に押し付ける。
また、パイロットカム65とメインカム66との相対回転の角度がスプライン嵌合隙間θ1とθ2との角度の差以上に大きくなると、図11(c)に示すように、パイロットカム65のスプライン嵌合部65a及びカム部材75のスプライン嵌合部75aの突起同士が周方向に接触し、パイロットカム65の回転力がカム部材75に伝達されるようになる。これにより、カム部材75がパイロットカム65の回転に伴ってメインカム66と相対回転する。これにより、図11(e)に示すように、第2カム機構7Bが作動し、メインカム66とカム部材75とが軸方向に離間し、カム部材75がアーマチュア52側に移動する。
カム部材75が非作動状態におけるアーマチュア52とリヤハウジング22との間の隙間Sの距離だけ移動すると、カム部材75がアーマチュア52に接触し、アーマチュア52には電磁石51の磁力による力に加えてカム部材75による押付力が作用する。これにより、アーマチュア52がリヤハウジング22により強く押し付けられ、アーマチュア52とリヤハウジング22との間の摩擦力が増大する。
また、第2カム機構7Bのカム角φ2は、第1カム機構6Bのカム角φ1よりも大きく形成されているため、カム部材75がアーマチュア52をリヤハウジング22に押し付けた後にさらにメインカム66とカム部材75との相対回転角度が大きくなると、メインカム66は主として第2カム機構7Bの推力によってメインクラッチ4を押し付ける。
これにより、第1の実施の形態について図5を参照して説明したのと同様に、電磁石51の励磁電流がI1未満の場合は、メインカム66は第1カム機構6Bの推力のみによってメインクラッチ4を軸方向に押し付ける。励磁電流がI1以上となると、カム部材75がアーマチュア52をリヤハウジング22側に押し付け、メインカム66は主として第2カム機構7Bの推力によってメインクラッチ4を軸方向に押し付ける。
[第3の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態について述べた(1)〜(5)の効果に加え、遊星歯車機構を備えていないので、さらなる小型化及び部品数の削減が可能となる。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態について述べた(1)〜(5)の効果に加え、遊星歯車機構を備えていないので、さらなる小型化及び部品数の削減が可能となる。
以上、本発明の駆動力伝達装置を上記第1乃至第3の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
(1)上記第1の実施の形態では、カム部材71が、カム部711,押付部712,及びギヤ部713を一体に有する場合について説明したが、これら各部は相対回転及び軸方向移動が規制された複数の部材から構成されていてもよい。同様に、上記第2の実施の形態では、カム部材75が、カム部751,押付部752,及び連結部753を一体に有する場合について説明したが、これら各部は相対回転及び軸方向移動が規制された複数の部材から構成されていてもよい。
(2)上記第1乃至第3の実施の形態では、第1カム機構6,6A,6B及び第2カム機構7,7A,7Bがカムボール63及びカムボール72を有する場合について説明したが、これに限らず、第1カム機構6,6A,6B及び第2カム機構7,7A,7Bのカム面同士が直接接触して摺動するように構成してもよい。
(3)上記第1の実施の形態では、遊星ギヤ9は、パイロットカム61に回転可能に支持されているが、メインカム62又はカム部材71に回転可能に支持されてもよい。要するに、パイロットカム61,メインカム62,カム部材71の3つの部材で遊星歯車機構が構成されていればよい。
(4)上記実施の形態では、駆動力伝達装置1,1A,1Bを四輪駆動車101のプロペラシャフト107とリヤディファレンシャル110に連結されたドライブピニオンシャフト108との間に配置したが、これに限らない。例えば、駆動力伝達装置1,1A,1Bをリヤディファレンシャル110の出力部材とリヤアクスルシャフト111との間に配置してもよい。また、駆動力伝達装置1,1A,1Bを自動車の駆動力を伝達するための用途以外の用途に用いてもよい。
1,1A,1B…駆動力伝達装置、2…ハウジング、3…インナシャフト、3a…段差面、3b…ストレートスプライン嵌合部、4…メインクラッチ、5…パイロットクラッチ、6,6A,6B…第1カム機構、7,7A,7B…第2カム機構、9…遊星ギヤ、21…フロントハウジング、21a…収容空間、22…リヤハウジング、22a…収容空間、31…大径の円筒部、31a…ストレートスプライン嵌合部、32…小径の円筒部、40…インナクラッチプレート、40a…ストレートスプライン嵌合部、41…アウタクラッチプレート、41a…ストレートスプライン嵌合部、50…ヨーク、51…電磁石、52…アーマチュア、52a…摩擦面、52b…スプライン嵌合部、54…ウェーブワッシャ、61,61A…パイロットカム、61a…スプライン嵌合部、61b…カム面、62,62A…メインカム、62a…スプライン嵌合部、62b…カム面、63…カムボール、64…ウェーブワッシャ、65…パイロットカム、65a…スプライン嵌合部、65b…カム面、66…メインカム、66a…スプライン嵌合部、66b…カム面、71,71A…カム部材、71a…ギヤ歯、72…カムボール、73…保持器、74…皿バネ、75…カム部材、75a…スプライン嵌合部、80…ボルト、81,83,84…玉軸受、82…円錐ころ軸受、85…スラスト軸受、91…軸部、91a…凹部、92…ギヤ部、92a…ギヤ歯、93…スナップリング、101…四輪駆動車、102…エンジン、103…トランスアクスル、104…前輪、105…後輪、106…ディファレンシャルキャリア、106a…カップリングケース、107…プロペラシャフト、107a…継手、108…ドライブピニオンシャフト、108a…ストレートスプライン嵌合部、109…フロントアクスルシャフト、110…リヤディファレンシャル、111…リヤアクスルシャフト、211…底部、212…円筒部、212a…ストレートスプライン嵌合部、221〜223…第1〜第3のリヤハウジングエレメント、222a…凹部、521…摩擦部、522…カム部、611…トルク受部、612…カム部、621…押付部、622…第1カム部、623…第2カム部、623a…カム面、624…ギヤ部、624a…ギヤ歯、625…突起部、630…保持器、651…トルク受部、652…カム部、661…押付部、662…第1カム部、663…第2カム部、663a…カム面、711…固定部、711a…カム面、712…押付部、713…ギヤ部、751…カム部、752…押付部、753…連結部、751a…カム面、O…回転軸線、S…隙間、φ1,φ2…カム角
Claims (7)
- 同軸上で相対回転可能な第1の回転部材及び第2の回転部材と、
軸方向の推力を受けて前記第1の回転部材及び前記第2の回転部材をトルク伝達可能に連結する主クラッチと、
電磁石の磁力を受けるアーマチュアを有し、前記磁力による前記アーマチュアの移動によって作動する電磁クラッチと、
前記電磁クラッチによって伝達される回転力を受ける第1のカム部材、及び前記第1のカム部材との相対回転により前記回転力を前記推力に変換して前記主クラッチに作用させる第2のカム部材を有する第1のカム機構と、
前記第1のカム部材と前記第2のカム部材との相対回転に基づいて前記第2のカム部材と前記アーマチュアとを軸方向に離間させる推力を発生する第2のカム機構と
を備えた駆動力伝達装置。 - 前記第2のカム機構は、前記第1のカム部材の前記第2のカム部材との相対回転に基づいて前記第2のカム部材に対して相対回転する第3のカム部材を備え、
前記第2のカム部材及び前記第3のカム部材のそれぞれの対向部には、周方向に対して傾斜したカム面が形成されている請求項1に記載の駆動力伝達装置。 - 前記第2のカム機構は、前記第1のカム部材の前記第2のカム部材との相対回転に基づいて前記第3のカム部材を前記第2のカム部材に対して相対回転させる遊星歯車を備え、
前記遊星歯車は、前記第1のカム部材に支持される軸部と、前記第2のカム部材及び前記第3のカム部材に共に噛み合うギヤ部とを有する請求項2に記載の駆動力伝達装置。 - 前記第2のカム機構は、前記第1のカム部材と前記第2のカム部材との相対回転に基づいて前記第3のカム部材を前記第2のカム部材に対して相対回転させる遊星歯車を備え、
前記遊星歯車は、前記第2のカム部材に支持される軸部と、前記第1のカム部材及び前記第3のカム部材に共に噛み合うギヤ部とを有する請求項2に記載の駆動力伝達装置。 - 前記第1のカム部材は、その外周面に軸方向に沿って形成されたスプライン嵌合部を有し、
前記アーマチュアは、前記第1のカム部材の前記スプライン嵌合部に軸方向移動可能に嵌合され、
前記第3のカム部材は、その内周面に軸方向に沿って形成されたギヤ歯を有し、
前記第3のカム部材のイナーシャが、前記第1のカム部材及び前記アーマチュアのイナーシャよりも大きい、請求項4に記載の駆動力伝達装置。 - 前記第1のカム部材は、その周面に軸方向に沿って形成されたスプライン嵌合部を有し、
前記第3のカム部材は、前記第1のカム部材の前記スプライン嵌合部に軸方向移動可能に嵌合された請求項2に記載の駆動力伝達装置。 - 前記アーマチュアは、前記第1のカム部材の前記スプライン嵌合部に軸方向移動可能に嵌合され、
前記第1のカム部材と前記第3のカム部材とのスプライン嵌合隙間は、前記第1のカム部材と前記アーマチュアとのスプライン嵌合隙間よりも大きい請求項6に記載の駆動力伝達装置。
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JP2011035969 | 2011-02-22 | ||
JP2011209376A JP2012189203A (ja) | 2011-02-22 | 2011-09-26 | 駆動力伝達装置 |
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Family Applications (1)
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JP2011209376A Withdrawn JP2012189203A (ja) | 2011-02-22 | 2011-09-26 | 駆動力伝達装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2012189203A (ja) |
-
2011
- 2011-09-26 JP JP2011209376A patent/JP2012189203A/ja not_active Withdrawn
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