JP2012188577A - ディーゼル燃料製造用精製器および精製方法、これを用いたディーゼル燃料製造システムおよび製造方法 - Google Patents

ディーゼル燃料製造用精製器および精製方法、これを用いたディーゼル燃料製造システムおよび製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 原料油から分解油を作製する接触分解反応およびその後の軽質油等の分離処理に伴い発生する有機酸などの不純物を速やかに除去し、かつ簡易に再生可能な構成で、高い純度のディーゼル燃料が得られる。
【解決手段】 固体触媒を用いて原料油を炭化水素成分に変換させる接触分解法によって作製された分解油,該分解油を分離して作製された軽質油,あるいは該軽質油をさらに分離して作製された軽油留分のいずれかから、前記変換反応時において生成した不純物を除去し精製するディーゼル燃料製造用精製器Aであって、吸着剤としてアロフェンあるいはこれに加えて活性アルミナを使用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディーゼル燃料製造用精製器、これを用いたディーゼル燃料製造システムおよび製造方法に関する。特に、ディーゼル燃料の製造原料として、廃食油、植物系油脂、動物系油脂、各種鉱物油を単体または混合して用いることが可能な、接触分解法を用いたディーゼル燃料製造用精製器、これを用いたディーゼル燃料製造システムおよび製造方法に関するものである。
ディーゼル燃料油は、これまで、主に石油の軽油留分または残油の接触分解または熱分解の生成物から、必要に応じてリフォ−ミング、脱硫、脱窒素などの処理を行うことにより、製造されていた。一方、石油に代わる原料の確保等の観点から、ディーゼル燃料の製造原料として、廃食油、植物系油脂、動物系油脂、各種鉱物油を用いることが、研究され実用化されている。こうした廃食油からのディーゼル燃料油の製造には、従前の石油原料から製造する技術を適用することができなかったことから、例えば、図4に示すような構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。廃食油から固体物質を除去する前処理部101、廃食油を加熱し廃食油から水分および臭気物質を蒸発させて除去する脱水・脱臭部102、アルコールにアルカリ性物質からなる触媒を溶解させて触媒含有アルコール溶液を調製する触媒含有アルコール溶液調製部103、廃食油と触媒含有アルコール溶液とを混合させ撹拌して反応生成物を得る混合反応部104、反応生成物を軽液と重液とに分離させる液−液分離部105、軽液を固体吸着剤と混合させて軽液中の不純物を固体吸着剤に吸着させる精製処理部106、不純物を吸着した固体吸着剤を軽液から分離させて除去する固−液分離部107、および、重液を中和剤と混合させて重液中のアルカリ性物質からなる触媒を中和させる中和処理部108を備える。
一般的に、廃食油等の油脂からディーゼル燃料を製造する場合、原料由来の遊離脂肪酸が混入したり、加熱による熱分解や共存水分による加水分解により脂肪酸が発生するなどの原因で、製造したバイオディーゼル燃料に有機酸などの酸性成分が混入してしまう問題がある。ここでは、精製処理部106に用いられる吸着剤として、脂肪酸アルキルエステルが主成分となる軽液の精製には、活性炭、活性炭素繊維、活性白土、酸性白土、ベントナイト、珪藻土、活性アルミナおよびモレキュラーシーブからなる群より選ばれる1種類の吸着剤もしくは2種類以上の吸着剤の混合物が挙げられ、これらのうち、粘土類、特に硫酸で処理されたいわゆる酸性白土は、脱アルカリ効果、脱色効果および脱臭効果が共に優れており、好適な吸着剤であることが開示されている(特許文献1請求項11,段落0064参照)。
特開平10−245586号公報
しかし、上記のようなディーゼル燃料製造方法や製造装置では、以下に挙げるような問題点や課題が生じることがあった。
(i)ディーゼル燃料中に混入する有機酸などの酸性成分は、エンジンまたはその周辺部品に対して悪影響を及ぼすため、バイオディーゼル燃料混合軽油については、品質確保法によりその濃度は酸価として0.13以下と定められている。その対策として、アルカリによる中和処理、イオン交換樹脂などによる吸着処理、水素化による分解処理などが挙げられるが、それぞれアルカリ廃水の発生、イオン交換樹脂の再生薬剤の投入および再生廃油の発生、水素の投入および高圧設備の利用、などの課題があり、より安価で簡便な後処理方法が求められている。
(ii)このとき、上記のように、安価な吸着材として酸性白土や活性白土等を用いる方法があるが、こうした吸着剤は、吸着力は強い一方で飽和吸着量は小さいため、有機酸の含有濃度が高くなると破過速度が早くなり大量の吸着材が必要となってしまう。また、吸着剤を再生する場合も、エネルギー投入や薬品処理とそれに伴う廃棄物の発生は避けられないという課題があった。さらに、薬品を用いて再生処理された吸着剤では、被処理ディーゼル燃料へのアルカリ成分の溶解が起りやすいという課題があった。
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、原料油から分解油を作製する接触分解反応およびその後の軽質油等の分離処理に伴い発生する有機酸などの不純物を速やかに除去し、かつ簡易に再生可能な構成で、高い純度のディーゼル燃料が得られるディーゼル燃料製造用精製器および精製方法,これを用い高い収量のディーゼル燃料が得られるディーゼル燃料製造システムおよび製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示すディーゼル燃料製造用精製器および精製方法,これを用いたディーゼル燃料製造システムおよび製造方法によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、固体触媒を用いて原料油を炭化水素成分に変換させる接触分解法によって作製された分解油,該分解油を分離して作製された軽質油,あるいは該軽質油をさらに分離して作製された軽油留分のいずれかから、前記変換反応時において生成した不純物を除去し精製するディーゼル燃料製造用精製器であって、吸着剤としてアロフェンあるいはこれに加えて活性アルミナを使用することを特徴とする。
また、本発明は、固体触媒を用いて原料油を炭化水素成分に変換させる接触分解法によって分解油が作製され,該分解油を分離して軽質油が作製され,該軽質油をさらに分離して軽油留分が作製されるディーゼル燃料製造プロセスにおいて用いられる精製方法であって、前記軽質油,軽油留分あるいは前記軽質油のいずれかから、アロフェンあるいはこれに加えて活性アルミナを吸着剤として使用し、前記変換反応時において生成した不純物を除去することを特徴とする。
接触分解反応における反応生成物には、原料油に含まれるエステル化合物等の分解に伴う脂肪酸等の有機酸が含まれる。本発明は、こうした有機酸などの不純物を速やかに除去し、高純度のディーゼル燃料を作製するという課題に対し、
(a)反応生成物あるいは製品に対して化学的あるいは物理的な影響を与えない不純物の除去処理として、種々の検討の結果、吸着剤によることが好ましいとの知見を得た。
(b)具体的には、吸着剤として、有機酸等の不純物に対して高い吸着特性を有することが要求される。つまり、有機酸におけるカルボキシル基やエステル化合物におけるエステル基に対して大きな吸着力をする必要がある。種々の検討の結果、アルミニウム化合物系あるいはアルミナ系の吸着剤に、高い吸着特性を有する吸着剤があるとの知見を得た。
(c)また、吸着剤として、有機酸等の不純物に対して選択性の高い吸着特性を有することが要求される。つまり、軽質油等ディーゼル燃料の主成分となる炭化水素系成分に対して吸着力が弱く、有機酸等に対して吸着力の大きな吸着剤を選択する必要がある。種々の検討の結果、アロフェンおよび活性アルミナが高い選択性を有するとの知見を得た。
こうした知見を基にディーゼル燃料製造用精製器を検証した結果、吸着剤としてアロフェンあるいはこれに加えて活性アルミナを使用することによって、原料油から分解油を作製する接触分解反応およびその後の軽質油等の分離処理に伴い発生する有機酸などの不純物を速やかに除去し、かつ簡易に再生可能な構成で、高い純度のディーゼル燃料が得られるディーゼル燃料製造用精製器および精製方法を提供することができる。
本発明は、上記ディーゼル燃料製造用精製器であって、アロフェンを前記吸着剤として用い、前記分解油,軽質油,あるいは軽油留分のいずれかが、液化させた状態で導入されることを特徴とする。
接触分解反応は液相で行なわれる一方、反応生成物は製造プロセスにおいて気相で取り出され、液相の製品とされる。このとき、不純物を生成の初期段階で除去することが好ましい一方、除去手段として吸着剤を使用した場合、気相に適した素材と液相に適した素材がある。また、耐熱性あるいは再生可能性など、使用条件の適正も吸着剤として重要な特性となる。発明者の検証の結果、ディーゼル燃料製造プロセスにおいて、アロフェンは、液相のディーゼル燃料中の有機酸に対して非常に選択性の高い吸着特性を有することから、これを対象とする精製器に用いることによって、高い純度のディーゼル燃料が得られるディーゼル燃料製造用精製器を構成することが可能となった。
本発明は、上記ディーゼル燃料製造用精製器であって、前記吸着剤を充填する吸着層および再生ガス導入部を有し、該再生ガス導入部から導入される酸素含有の再生ガスによって、前記不純物を除去することを特徴とする。
アロフェンあるいは活性アルミナは、有機酸等の不純物に対して高い吸着特性を有するとともに、再生可能な吸着剤である点において優位である。つまり、分解油や製品油の精製に使用された吸着剤表面には、主として分解反応の副生成物である有機酸が付着する。吸着剤表面における有機酸の酸基は、吸着剤あるいは担持された担体に対して破損あるいは吸着活性の低下を招くとともに、吸着剤の再生機能が損なわれ、再生できなくなることから、所定期間の使用後に再生処理を行う必要がある。発明者の検証の結果、アロフェンあるいは活性アルミナは、こうした影響を受けにくく、また、吸着した有機酸に対しては、不純物の除去手段として、空気あるいは酸素を含有するガスにより燃焼させて除去することによって吸着特性を回復させることができるとの知見を得た。
本発明は、上記ディーゼル燃料製造用精製器を第1精製器および第2精製器として用いたディーゼル燃料製造システムであって、
原料油を貯留する原料タンクと、前記原料タンクから供給される前記原料油を炭化水素からなる分解油に変換するための触媒を有する反応器と、前記反応器で得られた前記分解油を精製する前記第1精製器と、前記第1精製器で精製された前記分解油から軽質油および軽油留分を含む軽油成分を分離する分留器と、前記分留器で分離された前記軽油成分を冷却して精製前粗油にする冷却器と、前記冷却器で作製された前記精製前粗油を精製して製品油にする第2精製器と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記ディーゼル燃料製造用精製器を第1精製工程および第2精製工程に用いたディーゼル燃料製造方法であって、
原料油を触媒に接触させて炭化水素からなる分解油に変換する接触分解工程と、前記接触分解工程で得られた前記分解油を精製する第1精製工程と、前記第1精製工程で精製された前記分解油から軽質油および軽油留分を含む軽油成分を分離する分留工程と、前記分留工程で分離された軽油成分を冷却して精製前粗油にする冷却工程と、前記冷却工程で冷却された前記精製前粗油を精製して製品油にする第2精製工程と、を備えることを特徴とする。
ディーゼル燃料製造プロセスにおいては、本発明に係る精製用吸着剤は、上記(a)〜(c)および気相あるいは液相という吸着剤と対象物との接触条件についての知見を基に構成される。つまり、当該プロセスは、気相の分解油から液相の製品油が作製される。これを1つ吸着剤ではなく、例えば第1段階の気相の分解油の精製処理には活性アルミナを用い、第2段階の液相の製品油の精製処理にはアロフィンを用いることによって、それぞれの好適な使用条件を満たしながら各精製器の負担を軽減することができる。さらに。こうした構成は、各精製器の精製効率向上を図ることができることから、最終製品として高純度のディーゼル燃料を得ることができる。
本発明は、上記ディーゼル燃料製造システムであって、前記分留器を、前記分解油から前記軽質油を分離する第1分留器と、前記軽質油から前記軽油留分を回収する第2分留器で構成するとともに、前記原料タンクから前記反応器に供給される前記原料油を、前記冷却器、前記第2分留器および前記第1分留器の順に熱媒体として利用してから前記反応器に供給可能にする原料油供給ラインを備え、前記原料油供給ラインは、前記原料油を下流側に供給するための原料油供給ポンプと、前記冷却器と前記第2分留器との間に設置されて前記原料油を加熱する第1予熱器と、前記第2分留器と前記第1分留器との間に設置されて前記原料油を加熱する第2予熱器と、を有することを特徴とする。
こうした構成によって、原料油からより高い収量の分解油を作製し、さらにより高い収量のディーゼル燃料が得ることができる。また、熱媒体として原料油を用い、冷却器、第2分留器および第1分留器の順に熱利用する構成としたことで、分留器と冷却器の冷却熱量により原料油の予熱量をまかなうことができ、消費熱量を低減できる。さらに、原料油の予熱により、各分留器内の温度幅が小さくなるとともに、運転立ち上げ時から定常運転まで安定した温度制御が可能となる。このように従前にないエネルギー効率の高いディーゼル燃料製造システムを構成することができる。
本発明に係る精製器の基本構成を例示する全体構成図。 本発明に係る1のディーゼル燃料製造システムを示す構成図。 本発明に係る他のディーゼル燃料製造システムを示す構成図。 従来技術に係る廃食油を原料としてディーゼル燃料油製造方法の全体構成をブロック図的に示す概略図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係るディーゼル燃料製造用精製器(以下「精製器」という)は、固体触媒(以下「触媒」という)を用いて原料油を炭化水素成分に変換させる接触分解法によって作製された分解油,該分解油を分離して作製された軽質油,あるいは該軽質油をさらに分離して作製された軽油留分のいずれかから、変換反応時において生成した不純物を除去し精製する精製器である。
<精製器の構成例>
精製器の1つの実施態様として、概略全体構成を、図1に示す。精製器Aは、被精製物を精製する吸着剤が充填された充填層A1,被精製物が導入される導入部A2,精製処理された処理物が供出される供出部A3,再生ガスが導入される再生ガス導入部A4、精製処理に使用された再生ガス(排ガス)が排出されるガス排出部A5を備える。また、加熱条件下での再生処理を行うために、精製器Aの周囲に加熱手段A6が設けられる。
精製器Aは、分解反応後の分解油を精製処理する場合には、高温で比較的高圧の条件下に耐えうる金属製の圧力容器が好ましく、一般に、縦型円筒状の炭素鋼またはステンレス(SUS)製の耐圧容器が用いられる。また、精製器Aや充填層A1の配置や寸法、または加熱手段A6の容量や配置等、精製器Aの構成は、被精製物の導入量や特性(油の種類や用途等),反応条件および経済的な条件(被精製物の大きさ)から決定される。
精製器Aに充填される吸着剤は、アロフェンおよび活性アルミナが好ましい。アロフェン,活性アルミナは、後述する検証結果を含めた種々の検討の結果、上記(a)〜(c)に示すような、有機酸等の不純物に対する選択的吸着特性や優れた再生機能を有することを見出したもので、ディーゼル燃料製造プロセスにおいて、その特性を利用することによって、高純度のディーゼル燃料を得ることができる。特に、アロフェンは、液相のディーゼル燃料中の有機酸に対して非常に選択性の高い吸着特性を有することから、例えば液相の軽油留分や製品油の吸着処理を行う精製器に用いることが好ましい。吸着剤の形状は、流通抵抗が小さく表面積が十分に確保できれば、特に制限されず、例えば粒径φ2〜5mmの粒状体やペレット状体あるいはハニカム形状等が用いられる。また、吸着剤の使用温度は、特に制限はないが、吸着特性から低温(例えば常温)が好ましい。吸着剤の吸着特性は、所定の濃度の有機酸等の不純物を含む分解油を準備し、充填層A1を流通させた後の分解油の酸度によって評価される(後述する検証結果を参照)。
〔吸着剤の再生機能〕
分解油や製品油の精製に使用された吸着剤表面には、主として分解反応の副生成物である有機酸が付着する。吸着剤表面における有機酸の堆積は、吸着機能の低下を招くとともに、吸着剤の再生機能が損なわれ再生できなくなることから、所定期間の使用後に再生処理を行う必要がある。精製器Aにおいては、酸素を所定量含む再生ガスを充填層A1に導入し、主として有機酸等を酸化,燃焼させて除去することによって、再生できるとの知見を得た。ここで、精製器Aに充填される吸着剤の再生は、空気のように酸素を含有する清浄な再生ガスを用いることが好ましい。また、再生処理温度は、約200〜500℃に設定されることが好ましく、約300〜400℃が、より好ましい。再生ガスが充填層A1内を通過しながら加熱された吸着剤と接触することによって、吸着剤表面に付着した有機酸が、酸化反応(燃焼反応)により二酸化炭素(CO)や水(HO)に変換され、吸着活性を回復させることができる。200℃未満では、酸化反応の効率および脱離効率が低下することがあり、500℃を超えると、酸化反応に伴う反応熱によって吸着剤表面に局部的な過熱が生じ、吸着特性の劣化を生じることがある。充填層A1の温度は、精製器Aの周囲に設けられた加熱手段A6による加熱を制御することによって維持され、その均一化を図ることができる。加熱手段A6の構成は、特に制限されず、例えば、電気ヒータ、バーナ、または熱風、スチーム、廃ガス廃熱等を用いた熱交換器等が挙げられる。
<精製器を用いたディーゼル燃料製造システム>
次に、上記精製器を用いたディーゼル燃料製造システム(以下「本システム」という)を詳述する。本システムは、原料タンク、反応器、第1精製器、分留器、冷却器、および第2精製器を備えることを特徴とし、反応器によって作製された気相の分解油を精製する第1精製器と、冷却器によって冷却された精製前粗油を精製して製品油にする第2精製器が構成される。本システムは、上記精製器の有する優れた機能を生かすことによって、原料油からより高い収量の分解油を作製し、さらにより高い収量のディーゼル燃料を得ることができる。
以下、本システムの一例として、図2に示す構成例に基づき、その詳細を説明する。本システムは、原料油を貯留する原料タンク2と、原料タンク2から供給される原料油を炭化水素からなる分解油に変換するための触媒を有する反応器1と、反応器1で得られた分解油を精製する第1精製器Aaと、第1精製器Aaで精製された分解油から軽質油および軽油留分(合せて「軽油成分」という)を回収する分留器3と、分留器3で回収された軽油成分を冷却して精製前粗油を作製する冷却器4と、冷却器4で作製された精製前粗油を精製する第2精製器Abと、第2精製器Abで精製された製品油(ディーゼル燃料)を貯蔵する製品油タンク5を備える。
原料タンク2の原料油は、原料油供給ポンプ6によって流路Loから反応器1に供給される。反応器1に導入される原料油は、例えば、廃食油、植物系油脂、動物系油脂、各種鉱物油を単体または混合したものである。廃食油としては、例えば、てんぷら油、から揚げ油等である。植物系油脂としては、菜種油、大豆油、ゴマ油、紅花油、綿実油、米油、落花生油、ひまわり油、とうもろこし油、オリーブ油、パーム油、ココナッツ油、ジャトロファ油、ピーナッツ油等が挙げられる。動物系油脂としては、例えば、牛脂(ヘット)、豚油(ラード)等が挙げられる。鉱物油としては、炭化水素系の各種鉱物油が挙げられる。原料油は、触媒の被毒や流路の閉塞等を防止するために、予め除塵あるいは脱水等の前処理が施された状態で、反応槽1に導入されることが好ましい。
接触分解法を用いた反応器1に充填される触媒は、無機系の固体触媒(以下「触媒」という)が好ましい。特に、アルカリ金属系あるいはアルカリ土類金属系の金属化合物を触媒として用いた場合には、油脂のエステル結合部を開裂する脱炭酸分解反応により、軽油性状の分解油と二酸化炭素、プロパンなどの軽質ガスに分解することができ、従来のエステル交換法のようにアルコールや苛性カリなどの薬品類が不要で、グリセリンや廃水など廃棄物の発生がなく、市販軽油と同等のバイオディーゼル燃料を製造することができるなどの特徴を有する。分解油として、例えば炭素数9〜20のオレフィン・パラフィンを主成分とする炭化水素混合物を得ることができる。具体的な触媒としては、例えばゼオライト、イオン交換樹脂、石灰、クレー、金属酸化物、金属炭酸塩、SiO−MgOやSiO−CaO等の複合酸化物または担持金属酸化物等が挙げられ、特にSiO−MgOの担持金属酸化物が好ましい。このSiO−MgOの担持金属酸化物を用いた場合、得られるディーゼル燃料(軽油)の収率が60%以上となり好ましい。触媒の形状は、流通抵抗が小さく表面積が十分に確保できれば、特に制限されず、例えば粒径φ2〜5mmの粒状体やペレット状体等が用いられる。反応器1は、固定部材に触媒を固定する構成等種々の態様が可能である。
反応器1での反応温度は、例えばアルカリ金属系あるいはアルカリ土類金属系触媒を用いた場合、約400〜500℃に設定されることが好ましく、約400〜450℃が、より好ましい。400℃未満では反応効率が低下することがあり、500℃を超えると分解反応に伴う反応熱によって触媒表面に局部的な過熱が生じ、触媒の劣化を生じることがある。反応器1は、加熱条件下で触媒表面のコークを酸化処理するように、酸素を含有する再生ガスを供給することによって再生されることが好ましい。ただし、触媒表面の過熱を防止するように、再生ガス中の酸素濃度は、1〜10%が好ましい。反応器1の再生は、反応器1への原料油の供給を停止した状態で再生ガスを導入し、加熱条件下で再生ガスを触媒と接触することによって、触媒活性を回復させることができる。
原料タンク2から反応器1へ送られる原料油の温度は、例えば300〜350℃が好ましい。原料タンク2や流路Lo、あるいは別途予熱器に加熱手段(図示せず)を設けられる。反応器1内の温度は、例えば400〜450℃にして、原料油を触媒に接触させて分解反応を行い、気相の分解油が得られる。得られた分解油は、第1精製器Aaに導入されて精製(第1次精製)される。第1精製器Aaに送られる分解油の温度は、例えば380〜420℃である。精製された分解油は、流路Laを通じて分留器3へ送られる。分留器3に送られる分解油の温度は、第1精製器Aaに送られる分解油とほぼ同様、例えば380〜420℃である。分留器3には、熱交換器が設けられ、導入される冷媒によって分解油が冷却される。分解油は、分留器3内で分留されて、軽質油ガスおよび軽油留分からなる軽油成分と、分留残り分(例えば可燃性ガス、ナフサ、灯油等)とに分離される。分留残り分は、流路Leを通じて分留器3から排出され、軽油成分は、流路Lcを通じて冷却器4に送られる。冷却器4に送られる軽油成分の温度は(分留残り分も同様)、例えば150〜200℃である。冷却器4には、熱交換器が設けられ、導入される冷媒によって分軽油成分が冷却される。軽油成分は、冷却器4内で冷却されて液体の精製前粗油となる。精製前粗油は、流路Ldを通じて第2精製器Abへ送られる。第2精製器Abに送られる精製前粗油の温度は、例えば常温〜50℃である。精製前粗油は、第2精製器Abにおいて精製され(第2次精製)、製品油(ディーゼル燃料)が得られる。得られた製品油は、製品油タンク5に送られて回収される。このような原料油からディーゼル燃料を得るための、最適な処理・反応条件を設定することによって、高い収量の気相の分解油,軽質油ガス,軽油留ガスを作製し、さらにより高い収量のディーゼル燃料を得ることができる。
ここで、第1精製器Aaには、吸着剤として活性アルミナを充填し、第2精製器Abには、吸着剤としてアロフェンを充填することが好適である。第1次精製は、気相の分解油を対象し、機酸等の不純物が比較的有多く含まれるとともに、500℃に近い高温条件で行なわれる。従って、比較的高濃度の不純物に対する選択的吸着特性を有するとともに、高い耐熱性が要求される。一方、第2次精製は、液相の精製前粗油を対象とし、比較的低濃度の有機酸の除去が重要であり、常温に近い温度条件で使用される。後述するように、アロフェンは、液相のディーゼル燃料中の有機酸に対して非常に選択性の高い吸着特性を有するとともに、使用温度が低いほど再生機能が高いとの検証結果が得られた。また、活性アルミナは、有機酸に対して選択性の高い吸着特性を有することの検証結果とあわせ、高沸点の炭化物や炭化水素等の不純物に対する高い除去機能を有することが従前から広く知られている。本システムでは、こうした知見を基に、原料油から製品油までの製造プロセスにおける2つの段階において、対象とする被精製物の性状に応じた適正な吸着剤を使い分けることによって、安定的に高い純度のディーゼル燃料を得ることが可能となった。
なお、ここでは、第1精製器Aaと第2精製器Abという2つの精製器を用いた構成を例示して説明したが、いずれか一方の精製器のみ、あるいはさらに3以上の精製器を用いることも可能である。また、1つの精製器に活性アルミナとアロフェンの混合物を充填することも可能であり、さらに第1精製器Aaに活性アルミナを多く充填し、第2精製器Abにアロフェンを多く充填することによって、2つの吸着剤の特性を活かしつつ相互に補完しあえる構成とすることも可能である。また、1の第1精製器Aaと第2精製器Abではなく、2基の第1精製器Aa,Aaと第2精製器Ab,Abを並列に配置し、一方の第1精製器Aaと第2精製器Abで非精製物の精製を行い、他方の第1精製器Aaと第2精製器Abで吸着剤の再生処理を行うように構成することが可能である。
〔本システムの他の構成例〕
次に、上記本システムにおいて、分留器を、分解油から軽質油を分離する第1分留器と軽質油から油留分を回収する第2分留器で構成するとともに、原料タンクから反応器に供給される原料油を、冷却器、第2分留器および第1分留器の順に熱媒体として利用することを特徴とする構成例を挙げる。原料油からより高い収量の分解油を作製し、さらにより高い収量のディーゼル燃料が得ることができる。また、熱媒体として原料油を用い、冷却器、第2分留器および第1分留器の順に熱利用する構成としたことで、分留器と冷却器の冷却熱量により原料油の予熱量をまかなうことができ、消費熱量を低減できる。さらに、原料油の予熱により、各分留器内の温度幅が小さくなるとともに、運転立ち上げ時から定常運転まで安定した温度制御が可能となる。このように従前にないエネルギー効率の高いディーゼル燃料製造システムを構成することができる。
具体的な実施態様を、図3に示す。製品油を作製するラインとして、反応器1で得られた分解油を精製する第1精製器Aaと、第1精製器Aaで精製された分解油から軽質油を分離する第1分留器3aと、第1分留器3aで得られた軽質油から軽油留分を回収する第2分留器3bと、第2分留器3bで回収された軽油留分を冷却して精製前粗油を作製する冷却器4と、冷却器4で作製された精製前粗油を精製する第2精製器Abと、第2精製器Abで精製された製品油を貯蔵する製品油タンク5を備える。一方、原料タンク2から原料油を反応器1に供給する原料油供給ラインは、原料油を下流側に供給するための原料油供給ポンプ6と、冷却器4と第2分留器3bとの間に設置されて原料油を加熱する第1予熱器7aと、第2分留器3bと第1分留器3aとの間に設置されて原料油を加熱する第2予熱器7bと、を備える。
原料タンク2の原料油は常温(周辺環境温度)であり、常温のまま冷却器4の熱媒体として送られ、ここで、第2分留器3bで得られた軽油留分(例えば150〜200℃)と熱交換されて第1予熱器7aに送られる。冷却器4を通過し第1予熱器7aに送られる原料油の温度は、例えば50〜80℃である。次いで、原料油は、第1予熱器7aで加熱され(あるいは加熱されずに)、第2分留器3bの熱媒体として送られ、ここで、第2分留器3b内のガス成分(軽質油ガス)と熱交換されて第2予熱器7bに送られる。第2分留器3bを通過して第2予熱器7bに送られる原料油の温度は、例えば150〜240℃である。次いで、原料油は、第2予熱器7bで加熱され(あるいは加熱されずに)、第1分留器3aの熱媒体として送られ、ここで、第1分留器3a内のガス成分(気相の分解油)と熱交換されて反応器1に送られる。第1分留器3aを通過し反応器1へ送られる原料油の温度は、例えば300〜350℃である。
次いで、反応器1内の温度を例えば400〜450℃にして、原料油を触媒層2内の触媒に接触させて分解反応を行い、気相の分解油が得られる。得られた分解油は、第1精製器Aaに導入されて精製(第1次精製)される。第1精製器Aaに送られる分解油の温度は、例えば380〜420℃である。精製された分解油は、流路Laを通じて第1分留器3aへ送られる。第1分留器3aに送られる気相の分解油の温度は、第1精製器Aaに送られる分解油とほぼ同様、例えば380〜420℃である。分解油は、第1分留器3a内で分留されて軽質油ガスが得られ、この軽質油ガスは流路Lbを通じて第2分留器3bへ送られる。第2分留器3bへ送られる軽質油ガスの温度は、例えば250〜300℃である。第2分留器3bにおいて、軽質油ガスを軽油留分と分留残り分とに分離され、この分留残り分は流路Leを通じて第2分留器3bから排出され、軽油留分は、流路Lcを通じて冷却器4に送られる。冷却器4に送られる軽油留分の温度は、例えば150〜200℃である。次いで、軽油留分は、冷却器4内で冷却されて液体の精製前粗油となる。精製前粗油は、流路Ldを通じて第2精製器Abへ送られる。第2精製器Abに送られる精製前粗油の温度は、例えば常温〜50℃である。精製前粗油は、第2精製器Abにおいて精製され(第2次精製)、製品油が得られる。得られた製品油は、製品油タンク5に送られて回収される。このような原料油からディーゼル燃料を得るための、最適な処理・反応条件を設定することによって、高い収量の気相の分解油,軽質油ガス,軽油留ガスを作製し、さらにより高い収量のディーゼル燃料(製品油)を得ることができる。特に、第1,第2分留器3a,3bと冷却器4の冷却熱量により原料油の予熱量をまかなうことができ、消費熱量を低減できる。また、原料油の予熱により、各分留器内の温度幅が小さくなるとともに、運転立ち上げ時から定常運転まで安定した温度制御が可能となる。
〔実施例1〕
上記ディーゼル燃料の製造プロセスにおいては、精製器の有機酸等の不純物の除去効率が重要である。ここでは、精製器に充填される吸着剤の有機酸等の吸着特性(吸着能)を、種々の吸着剤を用いて実証し、その技術的効果を検証した。
(1)実験条件
上記構成例に係る精製器を用い、下表1に示す各種吸着剤の吸着能の比較・検証を行った。具体的には、有機酸を含むバイオディーゼル燃料(BD燃料,酸価10mgKOH/g)100mlに、各吸着剤を10Wt%となるように添加し、常温常圧下において1昼夜放置後、BD燃料の酸価を測定し、吸着剤の酸吸着能力を評価した。酸価の測定は、JIS K 2501−2003(石油製品及び潤滑油−中和価試験方法)に準じて行った。具体的には、酸価測定試薬キット(株式会社チヒロ販売:Kittiwake,型式:FG−K24743−KW)を用いた。
(2)実証結果
各吸着剤について、有機酸の吸着能測定結果を、下表1に示す。アルカリ性の吸着剤は、吸着ではなく、アルカリ成分と有機酸の中和反応が起こり、BD燃料にアルカリ成分が溶解・懸濁するため、吸着能を測定不能であった。アロフェンおよび活性アルミナを用いた場合は、吸着能が他の吸着剤に比べて4倍以上高くなる結果であった。また、BD燃料へのアルカリ成分の溶解は見られなかった。
Figure 2012188577
※ 中和反応(アルカリ成分によるケン化反応)により測定不能
〔実施例2〕
上記ディーゼル燃料の製造プロセスに使用される精製器は、有機酸等の吸着能の高さとともに、長期間使用できるための再生機能を有することが重要である。ここでは、〔実施例1〕において高い吸着能を示した活性アルミナとアロフェンについて、再生ガスによる再生処理前後の吸着能を実証し、その技術的効果を検証した。
(1)実験条件
反応器の後段に第1構成例に係る精製器を配設し、各吸着剤について、下表2に示すように、再生回数が1,5回を含む再生前後の各吸着剤の吸着能の比較・検証を行った。具体的には、有機酸を含むBD燃料(酸価10mgKOH/g)100mlを、各吸着剤を10Wt%となるように充填された精製器に導入し、出口で回収されたBD燃料の酸価の測定を行い、各吸着剤の酸吸着性能を評価した。吸着剤の充填層は、300℃とした。吸着剤は、使用後に空気供給による再生を行った後に再度評価した(再生回数1回:使用回数2回、再生回数5回:使用回数6回)。
(2)実証結果
各条件の各吸着剤について、有機酸の吸着能測定結果を、下表2に示す。ブランク(吸着剤なし)に対して、各吸着剤ともに酸価が大きく低減され、高温域でも優れた酸除去性能を示した。また、空気添加による再生後も変わらず高い性能を維持した。さらに、アロフェンに比較して活性アルミナの再生能力が高いことが判った。
Figure 2012188577
1 反応器
2 原料タンク
3 分留器
3a,3b 第1,第2分留器
4 冷却器
5 製品油タンク
6 原料油供給ポンプ
7a,7b 第1,第2予熱器
A 精製器
Aa,Ab 第1,第2精製器
A1 充填層
A2 導入部
A3 供出部
A4 再生ガス導入部
A5 ガス排出部
A6 加熱手段
Lo,La,Lb,Lc,Ld,Le,L1,L2,L3 流路

Claims (7)

  1. 固体触媒を用いて原料油を炭化水素成分に変換させる接触分解法によって作製された分解油,該分解油を分離して作製された軽質油,あるいは該軽質油をさらに分離して作製された軽油留分のいずれかから、前記変換反応時において生成した不純物を除去し精製する精製器であって、吸着剤としてアロフェンあるいはこれに加えて活性アルミナを使用することを特徴とするディーゼル燃料製造用精製器。
  2. アロフェンを前記吸着剤として用い、液状の前記分解油,軽質油,あるいは軽油留分のいずれかが、導入されることを特徴とする請求項1記載のディーゼル燃料製造用精製器。
  3. 前記吸着剤を充填する吸着層および再生ガス導入部を有し、該再生ガス導入部から導入される酸素含有の再生ガスによって、前記不純物を除去することを特徴とする請求項1または2記載のディーゼル燃料製造用精製器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のディーゼル燃料製造用精製器を第1精製器および第2精製器として用いたディーゼル燃料製造システムであって、
    原料油を貯留する原料タンクと、
    前記原料タンクから供給される前記原料油を炭化水素からなる分解油に変換するための触媒を有する反応器と、
    前記反応器で得られた前記分解油を精製する前記第1精製器と、
    前記第1精製器で精製された前記分解油から軽質油および軽油留分を含む軽油成分を分離する分留器と、
    前記分留器で分離された前記軽油成分を冷却して精製前粗油にする冷却器と、
    前記冷却器で作製された前記精製前粗油を精製して製品油にする第2精製器と、
    を備えることを特徴とするディーゼル燃料製造システム。
  5. 前記分留器を、前記分解油から前記軽質油を分離する第1分留器と、前記軽質油から前記軽油留分を回収する第2分留器で構成するとともに、
    前記原料タンクから前記反応器に供給される前記原料油を、前記冷却器、前記第2分留器および前記第1分留器の順に熱媒体として利用してから前記反応器に供給可能にする原料油供給ラインを備え、
    前記原料油供給ラインは、前記原料油を下流側に供給するための原料油供給ポンプと、
    前記冷却器と前記第2分留器との間に設置されて前記原料油を加熱する第1予熱器と、
    前記第2分留器と前記第1分留器との間に設置されて前記原料油を加熱する第2予熱器と、を有することを特徴とする請求項4記載のディーゼル燃料製造システム。
  6. 固体触媒を用いて原料油を炭化水素成分に変換させる接触分解法によって分解油が作製され,該分解油を分離して軽質油が作製され,該軽質油をさらに分離して軽油留分が作製されるディーゼル燃料製造プロセスにおいて、前記軽質油,軽油留分あるいは前記軽質油のいずれかから、アロフェンあるいはこれに加えて活性アルミナを吸着剤として使用し、前記変換反応時において生成した不純物を除去することを特徴とする精製方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載のディーゼル燃料製造用精製器あるいは請求項6記載の精製方法を第1精製工程および第2精製工程に用いたディーゼル燃料製造方法であって、
    原料油を触媒に接触させて炭化水素からなる分解油に変換する接触分解工程と、
    前記接触分解工程で得られた前記分解油を精製する第1精製工程と、
    前記第1精製工程で精製された前記分解油から軽質油および軽油留分を含む軽油成分を分離する分留工程と、
    前記分留工程で分離された軽油成分を冷却して精製前粗油にする冷却工程と、
    前記冷却工程で冷却された前記精製前粗油を精製して製品油にする第2精製工程と、
    を備えることを特徴とするディーゼル燃料製造方法。
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