JP2012188246A - エレベータの非常止め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】昇降体の異常速度での下降を制動する際に、常に所定の減速加速度以下に制御可能なエレベータの非常止め装置を得る。
【解決手段】ガイドレール1に対向して上動するように配置された制動クサビ2と、制動クサビ2のガイドレール1とは反対側の勾配面に対向配置され、移動可能に設けられた制動ガイド3と、制動クサビ2からガイドレール1への押圧力を発生する圧縮バネ5とを備え、制動クサビ2を上動させて制動ガイド3を介して圧縮バネ5を変位させ、圧縮バネ5の変位量に対応した押圧力により制動クサビ2とガイドレール1との間に摩擦力を生じさせるとともに、カゴ床6と非常止め機構との間に設置された弾性体7の変位に応じて制動ガイド3のガイドレール1とは反対側に設けられた制動抑制クサビ8を押下げることにより、圧縮バネ5の押圧力を弱める。
【選択図】図1
【解決手段】ガイドレール1に対向して上動するように配置された制動クサビ2と、制動クサビ2のガイドレール1とは反対側の勾配面に対向配置され、移動可能に設けられた制動ガイド3と、制動クサビ2からガイドレール1への押圧力を発生する圧縮バネ5とを備え、制動クサビ2を上動させて制動ガイド3を介して圧縮バネ5を変位させ、圧縮バネ5の変位量に対応した押圧力により制動クサビ2とガイドレール1との間に摩擦力を生じさせるとともに、カゴ床6と非常止め機構との間に設置された弾性体7の変位に応じて制動ガイド3のガイドレール1とは反対側に設けられた制動抑制クサビ8を押下げることにより、圧縮バネ5の押圧力を弱める。
【選択図】図1
Description
この発明は、エレベータのカゴ(昇降体)に設けられた非常止め装置に関し、特に、カゴが所定値を越えた速度で下降したときに動作するエレベータの非常止め装置に関するものである。
図5は一般的なエレベータの非常止め装置の構成を示しており、図5(a)はカゴの側面外壁下部を拡大して示す上面図、図5(b)は図1(a)内の制動クサビ2を詳細に示す側断面図である。
図5において、エレベータのカゴ床6の側面外壁下部には、ガイドレール1と、ガイドレール1に対向配置された制動クサビ2と、制動クサビ2と一体構成の引上げロッド2aと、ローラ4を介して制動クサビ2に対向配置された制動ガイド3と、制動ガイド3の端部に配設された圧縮バネ5とが設けられている。
エレベータのカゴが所定値を越えた速度で下降した場合、ガバナ手段(図示せず)の作動により、引上げロッド2aがガイドレール1に沿って上昇移動(破線矢印参照)するので、制動クサビ2は、引上げロッド2aとともに制動ガイド3の斜面に沿って上昇し、ガイドレール1に押圧されてガイドレール1を把持する。
また、制動クサビ2がガイドレール1を把持すると、制動ガイド3は、枠11に設けられた支点3aを中心として、圧縮バネ5を圧縮する方向に回転する(破線矢印参照)。これにより、カゴは、圧縮バネ5の押圧力によって生じる制動クサビ2とガイドレール1との間の摩擦力によって制動する。
図5に示した従来構成では、制動開始から制動停止までの平均減速度は、圧縮バネ5の押圧力を調整することにより任意に設定可能であるものの、瞬間的に発生する制動加速度に対しては制御することができない。
したがって、非常止め時の制動初期において、図6に示すように、過大な減速加速度により、カゴ内の乗客に対して1Gよりも大きい過大な加速度(慣性力)が発生するという問題があった。
したがって、非常止め時の制動初期において、図6に示すように、過大な減速加速度により、カゴ内の乗客に対して1Gよりも大きい過大な加速度(慣性力)が発生するという問題があった。
そこで、従来から、過大な減速加速度を回避するために、アクチュエータを用いて電気的に制動力を制御することにより、減速加速度を調整可能に構成したエレベータの非常止め装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
従来のエレベータの非常止め装置は、瞬間的に発生する制動加速度に起因した過大な減速加速度(慣性力)を抑制するために、たとえば特許文献1に記載のように、電気的な部品を非常止め装置に使用することが考えられているが、電気的部品の使用が現在の法規で認められていないことから大臣認定が必要となるので、実用的でないうえ、部品コストが高く、且つ構造も複雑になるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、安価で実用的な機械的手段により減速加速度を調整可能にしたエレベータの非常止め装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの非常止め装置は、昇降体の昇降位置をガイドするガイドレールと、ガイドレールに対向するように昇降体の外壁部に設けられた非常止め機構と、昇降体が所定速度を越えて下降した際の非常止め時に非常止め機構を作動させるガバナ手段と、からなり、非常止め機構は、ガイドレールに沿って上昇移動可能に配置された制動クサビと、制動クサビの勾配面に対向配置された制動ガイドと、制動クサビの上昇移動時に、制動ガイドを介して、制動クサビをガイドレールに押し付けるための付勢力を発生する付勢部材と、を含み、ガバナ手段は、非常止め時に昇降体を制動するために、制動クサビをガイドレールに沿って上昇移動させるエレベータの非常止め装置であって、昇降体と非常止め機構との間に介在され、昇降体に作用する所定値以上の減速加速度に応じて変位する弾性体と、制動ガイドに対向配置され、弾性体の変位量に応じて下降動作して付勢部材の付勢力を軽減させる制動抑制クサビと、を備え、非常止め時において、制動クサビの上昇移動により制動ガイドを押圧して付勢部材を変位させ、付勢部材の変位量に対応した押圧力により制動クサビとガイドレールとの間に摩擦力を生じさせるとともに、弾性体の変位量に応じた制動抑制クサビの下降動作により、昇降体に作用する減速加速度を所定の減速加速度以下に制御するものである。
この発明によれば、昇降体の異常速度での下降を制動するための非常止め時に、制動初期に発生する過大な減速加速度による弾性体の変位量に応じて、制動抑制クサビが押下げられて付勢部材の押圧力を軽減させることにより、昇降体の減速加速度を常に所定値以下に制御することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの非常止め装置の構成を示しており、図1(a)はカゴの側面外壁下部に設けられた非常止め機構を拡大して示す上面図、図1(b)は図1(a)内の制動クサビ2および制動抑制クサビ8を詳細に示す側断面図、図1(c)は図1(b)内の枠11の一部を除去して制動抑制クサビ8を詳細に示す正面図である。また、図2は図1(b)内の1点鎖線枠内を拡大して示す側断面図である。
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの非常止め装置の構成を示しており、図1(a)はカゴの側面外壁下部に設けられた非常止め機構を拡大して示す上面図、図1(b)は図1(a)内の制動クサビ2および制動抑制クサビ8を詳細に示す側断面図、図1(c)は図1(b)内の枠11の一部を除去して制動抑制クサビ8を詳細に示す正面図である。また、図2は図1(b)内の1点鎖線枠内を拡大して示す側断面図である。
図1において、エレベータのカゴ床6の側面外壁下部には、前述と同様の構成として、カゴ(昇降体)の昇降位置をガイドするガイドレール1と、ガイドレール1に対向配置された制動クサビ2と、制動クサビ2と一体構成の引上げロッド2aと、第1のローラ4(以下、単に「ローラ4」という)を介して制動クサビ2に対向配置された制動ガイド3と、制動ガイド3の端部に配設された圧縮バネ5とが設けられている。
また、この発明の実施の形態1(図1)においては、追加構成として、カゴ床6の底面と枠11との間に介在された弾性体7と、制動ガイド3と枠11との間に介在された制動抑制クサビ8と、制動抑制クサビ8と補助ガイド10との間に介在された第2のローラ9(以下、単に「ローラ9」という)と、を備えている。
制動ガイド3は、枠11内において、支点3aを回転中心として回転自在に収納されている。
制動抑制クサビ8は、図1(a)に示すように、支点3aを挟んで、制動クサビ2とは反対側に配設されており、下降動作時に圧縮バネ5の付勢力を相殺するように作用する。
制動抑制クサビ8は、図1(a)に示すように、支点3aを挟んで、制動クサビ2とは反対側に配設されており、下降動作時に圧縮バネ5の付勢力を相殺するように作用する。
また、制動抑制クサビ8は、圧縮バネ5よりも外側に位置するカゴ床6の下面側において、制動ガイド3と枠11との間で、補助ガイド10およびローラ9を介して設置されている。
さらに、制動抑制クサビ8の上面は、弾性体7の上面よりもギャップdだけ低い位置に設定されており、弾性体7が過度の減速加速度で変形した場合のみに、制動抑制クサビ8が下降動作するようになっている。
制動抑制クサビ8の外周部に配設されたローラ9は、図2に示すように、補助ガイド10と制動抑制クサビ8との間において、軸方向の両側に挟み込むように配設された1対の側板12により回転自在に保持されている。
制動クサビ2、制動ガイド3、ローラ4、圧縮バネ5、弾性体7、制動抑制クサビ8、ローラ9、補助ガイド10および枠11は、カゴ床6(カゴの側面外壁下部)に設けられた非常止め機構を構成している。
また、制動クサビ2と一体構成された引上げロッド2aは、ガバナ手段の一部を構成している。
また、制動クサビ2と一体構成された引上げロッド2aは、ガバナ手段の一部を構成している。
なお、図1、図2では、煩雑さを回避するために、制動クサビ2、制動ガイド3、圧縮バネ5、弾性体7および制動抑制クサビ8は、それぞれ単一構成で示しているが、非常止め時の制動力が平衡に印加されるように、それぞれ対称位置関係の1対構成からなるものとする。たとえば、制動クサビ2は、ガイドレール1に対向して上動するように配置された1対の制動クサビ2により構成されている。
次に、図3および図4を参照しながら、図1、図2に示したこの発明の実施の形態1に係るエレベータの非常止め装置の動作について、特に弾性体7および制動抑制クサビ8に注目して説明する。
図3はこの発明の実施の形態1の制動動作状態を示す側断面図であり、図3(a)は制動初期での制動クサビ2の上昇移動による押圧状態(破線矢印A)を示し、図3(b)は弾性体7の下降変位(制動抑制クサビ8の下降)により低減された制動クサビ2の押圧状態(破線矢印B)を示している。
図4はこの発明の実施の形態1による制動動作時の加速度を示す説明図である。
図4はこの発明の実施の形態1による制動動作時の加速度を示す説明図である。
前述と同様に、エレベータのカゴ(昇降体)が所定値を越えた速度で下降した際には、非常止め装置が作動してカゴが制動され、これにより、カゴ床6にも加速度が作用する。
このとき、図3(a)のように、制動クサビ2には、ガイドレール1に対する把持力として、圧縮バネ5の押圧力(破線矢印)が前述と同様に作用する。
このとき、図3(a)のように、制動クサビ2には、ガイドレール1に対する把持力として、圧縮バネ5の押圧力(破線矢印)が前述と同様に作用する。
ただし、この場合、カゴ床6の底面と枠11との間に弾性体7が介在されているので、カゴ床6に下降方向の加速度が作用すると、加速度に応じて、弾性体7が圧縮されて変位する。このように、弾性体7が変位すると、図3(b)のように、カゴ床6は、弾性体7の変位量δの分だけ、制動抑制クサビ8を押し下げることになる。
このとき、制動抑制クサビ8は、図1(a)に示すように、制動ガイド3を挟んで圧縮バネ5の反対側に位置し、かつ支点3aを挟んで制動クサビ2の反対側に位置するので、カゴ床6によって押し下げられた際に、制動ガイド3の先端側を押圧して、支点3aを中心に、圧縮バネ5に付勢力に抗して制動ガイド3を回転させる。
したがって、制動ガイド3のレバー比(制動抑制クサビ8の位置)に応じて、弾性体7の変位量δの分だけ、制動クサビ2に作用する圧縮バネ5の押圧力を弱めることになる。
図3(b)においては、制動ガイド3から制動クサビ2に対して印加される押圧力の減少量を、図3(a)内の破線矢印Aと比較して、破線矢印Bの幅を小さくすることにより表している。
図3(b)においては、制動ガイド3から制動クサビ2に対して印加される押圧力の減少量を、図3(a)内の破線矢印Aと比較して、破線矢印Bの幅を小さくすることにより表している。
このとき、弾性体7の変位によって制動抑制クサビ8が制動ガイド3を押す力、つまり制動クサビ2に作用する圧縮バネ5の押圧力を弱める力は、弾性体7の変位量δ(カゴ床6に作用する過大な減速加速度)の大きさに比例する。
図3(b)のように、制動抑制クサビ8の変位量δによって制動クサビ2に作用する押圧力が弱められると、制動クサビ2とガイドレール1との間で発生する摩擦力(把持力)が低減されるので、非常止め装置の制動力は低減する。
図3(b)のように、制動抑制クサビ8の変位量δによって制動クサビ2に作用する押圧力が弱められると、制動クサビ2とガイドレール1との間で発生する摩擦力(把持力)が低減されるので、非常止め装置の制動力は低減する。
以下、制動力が低減されると、カゴに作用する減速加速度が弱まるので、弾性体7の変位量δは小さくなり、変位量δの減少分だけ制動抑制クサビ8が上昇し、図3(b)のように弱められていた制動力が、図3(a)のように強められることになる。
上記動作を繰り返すことにより、カゴ制動時において、図4に示すように、所定の減速加速度αr(<1G)以下でカゴを制動することができる。
上記動作を繰り返すことにより、カゴ制動時において、図4に示すように、所定の減速加速度αr(<1G)以下でカゴを制動することができる。
すなわち、設計要求に応じて、弾性体7のバネ定数、制動抑制クサビ8の角度およびストロークを適度に調整することにより、非常止め制動時にカゴに作用する減速加速度を常に任意の減速加速度以下に設定し、図4に示すように、過大な減速加速度の発生を回避したエレベータの非常止め装置を得ることができる。
以上のように、この発明の実施の形態1(図1〜図4)に係るエレベータの非常止め装置は、カゴ(昇降体)の昇降位置をガイドするガイドレール1と、ガイドレール1に対向するようにカゴの外壁部に設けられた非常止め機構と、カゴが所定速度を越えて下降した際の非常止め時に非常止め機構を作動させるガバナ手段により構成されている。
非常止め機構は、ガイドレール1に沿って上昇移動可能に配置された制動クサビ2と、制動クサビ2の勾配面に対向配置された制動ガイド3と、制動クサビ2の上昇移動時に、制動ガイド3を介して、制動クサビ2をガイドレール1に押し付けるための付勢力を発生する圧縮バネ5(付勢部材)と、を含む。
引上げロッド2aを含むガバナ手段は、非常止め時にカゴを制動するために、制動クサビ2をガイドレール1に沿って上昇移動させる。
引上げロッド2aを含むガバナ手段は、非常止め時にカゴを制動するために、制動クサビ2をガイドレール1に沿って上昇移動させる。
また、この発明の実施の形態1に係るエレベータの非常止め装置は、カゴと非常止め機構との間に介在され、カゴに作用する所定値以上の減速加速度に応じて変位する弾性体7と、制動ガイド3に対向配置され、弾性体7の変位量に応じて下降動作して圧縮バネ5の付勢力を軽減させる制動抑制クサビ8と、を備えている。
非常止め時においては、制動クサビ2の上昇移動により制動ガイド3を押圧して圧縮バネ5を変位させ、圧縮バネ5の変位量に対応した押圧力により制動クサビ2とガイドレール1との間に摩擦力を生じさせるとともに、弾性体7の変位量に応じた制動抑制クサビ8の下降動作により、カゴに作用する減速加速度を所定の減速加速度αr以下に制御する。
また、非常止め機構は、カゴ床6(カゴの床部)に設けられて制動ガイド3を回転自在に収納する枠11を含む。
制動クサビ2は、非常止め機構のガイドレール1側において、制動ガイド3の回転中心となる支点3aに対して一端側に位置するように配設されている。
制動クサビ2は、非常止め機構のガイドレール1側において、制動ガイド3の回転中心となる支点3aに対して一端側に位置するように配設されている。
圧縮バネ5は、非常止め機構のガイドレール1側において、支点3aから見て他端側に位置するように配設されている。
弾性体7は、カゴ床6と枠11との間に配設され、制動抑制クサビ8は、制動ガイド3の他端側において、圧縮バネ5と対向するように、制動ガイド3と枠11との間に配設されている。
弾性体7は、カゴ床6と枠11との間に配設され、制動抑制クサビ8は、制動ガイド3の他端側において、圧縮バネ5と対向するように、制動ガイド3と枠11との間に配設されている。
これにより、図3(b)のように、カゴの異常速度での下降を制動するための非常止め時に、制動初期に発生する過大な減速加速度による弾性体7の変位量に応じて、制動抑制クサビ8が押下げられて圧縮バネ5の押圧力を軽減させることができる。
したがって、安価で実用的な機械的手段からなる非常止め機構により、カゴの減速加速度を常に所定値(所定の減速加速度αr)以下に制御することができ、減速加速度を調整可能にしたエレベータの非常止め装置を実現することができる。
したがって、安価で実用的な機械的手段からなる非常止め機構により、カゴの減速加速度を常に所定値(所定の減速加速度αr)以下に制御することができ、減速加速度を調整可能にしたエレベータの非常止め装置を実現することができる。
また、この発明の実施の形態1によれば、補助ガイド10は、制動抑制クサビ8の勾配面に対向配置するように制動ガイド3および枠11に設けられており、ローラ4(第1のローラ)は、制動ガイド3と制動クサビ2との間に介在され、ローラ9(第2のローラ)は、補助ガイド10と制動抑制クサビ8との間に介在されている。
これにより、制動抑制クサビ8は、制動クサビ2と同様に、ガイドレール1の延長方向に沿って円滑に昇降移動することができ、応答性のよい制動抑制動作を実現することができる。
これにより、制動抑制クサビ8は、制動クサビ2と同様に、ガイドレール1の延長方向に沿って円滑に昇降移動することができ、応答性のよい制動抑制動作を実現することができる。
また、制動抑制クサビ8の上面は、弾性体7の上面よりもギャップdだけ低い位置に設定されているので、非常止め時に、弾性体7の変形量がギャップdよりも大きくなる過大な減速加速度が発生した場合のみに、制動抑制クサビ8を作用させることができる。
さらに、制動クサビ2、制動ガイド3、圧縮バネ5、弾性体7および制動抑制クサビ8は、それぞれ対称位置関係の1対構成を有するので、非常止め時のカゴに対する制動力を均等(平衡)にすることができる。
1 ガイドレール、2a ロッド、2 制動クサビ、3a 支点、3 制動ガイド、4 第1のローラ、5 圧縮バネ、6 カゴ床、7 弾性体、8 制動抑制クサビ、9 第2のローラ、10 補助ガイド、11 枠、12 側板、d 弾性体の上面と制動抑制クサビの上面とのギャップ、αr 減速加速度、δ 制動抑制クサビの変位量。
Claims (5)
- 昇降体の昇降位置をガイドするガイドレールと、
前記ガイドレールに対向するように前記昇降体の外壁部に設けられた非常止め機構と、
前記昇降体が所定速度を越えて下降した際の非常止め時に前記非常止め機構を作動させるガバナ手段と、からなり、
前記非常止め機構は、
前記ガイドレールに沿って上昇移動可能に配置された制動クサビと、
前記制動クサビの勾配面に対向配置された制動ガイドと、
前記制動クサビの上昇移動時に、前記制動ガイドを介して、前記制動クサビを前記ガイドレールに押し付けるための付勢力を発生する付勢部材と、を含み、
前記ガバナ手段は、前記非常止め時に前記昇降体を制動するために、前記制動クサビを前記ガイドレールに沿って上昇移動させるエレベータの非常止め装置であって、
前記昇降体と前記非常止め機構との間に介在され、前記昇降体に作用する所定値以上の減速加速度に応じて変位する弾性体と、
前記制動ガイドに対向配置され、前記弾性体の変位量に応じて下降動作して前記付勢部材の付勢力を軽減させる制動抑制クサビと、を備え、
前記非常止め時において、
前記制動クサビの上昇移動により前記制動ガイドを押圧して前記付勢部材を変位させ、前記付勢部材の変位量に対応した押圧力により前記制動クサビと前記ガイドレールとの間に摩擦力を生じさせるとともに、
前記弾性体の変位量に応じた前記制動抑制クサビの下降動作により、前記昇降体に作用する減速加速度を所定の減速加速度以下に制御することを特徴とするエレベータの非常止め装置。 - 前記非常止め機構は、前記昇降体の床部に設けられて前記制動ガイドを回転自在に収納する枠を含み、
前記制動クサビは、前記非常止め機構の前記ガイドレール側において、前記制動ガイドの回転中心となる支点に対して一端側に位置するように配設され、
前記付勢部材は、前記非常止め機構の前記ガイドレール側において、前記支点から見て他端側に位置するように配設された圧縮バネからなり、
前記弾性体は、前記昇降体の床部と前記枠との間に配設され、
前記制動抑制クサビは、前記制動ガイドの前記他端側において、前記付勢部材と対向するように、前記制動ガイドと前記枠との間に配設されたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの非常止め装置。 - 前記制動抑制クサビの勾配面に対向配置するように前記制動ガイドおよび前記枠に設けられた補助ガイドと、
前記制動ガイドと前記制動クサビとの間に介在された第1のローラと、
前記補助ガイドと前記制動抑制クサビとの間に介在された第2のローラと、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載のエレベータの非常止め装置。 - 前記制動抑制クサビの上面は、前記弾性体の上面よりも低い位置に設定されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエレベータの非常止め装置。
- 前記制動クサビ、前記制動ガイド、前記付勢部材、前記弾性体および前記制動抑制クサビは、それぞれ対称位置関係の1対構成を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のエレベータの非常止め装置。
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