JP2012187760A - 射出成形装置 - Google Patents

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康太 梅村
Shigenori Hirota
茂則 廣田
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Abstract

【課題】加熱された気体をキャビティに供給可能な構成とするとともに、より簡易な構成の射出成形装置を提供する。
【解決手段】一対の成形型11間に形成されたキャビティC内に溶融樹脂を射出することで成形品を成形するものであって、加熱装置50と、可動型30に形成され、キャビティCと連通される気体供給孔31と、気体供給孔31を通じて、加熱装置50により加熱された気体をキャビティC内に送風可能な送風装置51と、可動型30に設けられ、気体供給孔31を開閉可能なバルブ60と、を備え、バルブ60は、気体供給孔31に挿通されることで気体供給孔31を閉止する閉位置と、気体供給孔31を開放する開位置との間で変位可能な構成とされ、バルブ60が閉位置から開位置側へ変位することで、バルブ60におけるキャビティC側の面60Aで車両用内装材14を押し出し可能な構成とされることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形装置に関する。
従来、射出成形装置においては、キャビティの表面(成形面)を加熱する構成のものが知られている。キャビティの表面を加熱することで、キャビティに射出された溶融樹脂の流動性がよくなり、外観不良を低減することができる。このような加熱手段としては、成形型内に温水や水蒸気などを循環させることで成形型を温める構成のものが知られている。しかしながら、このような構成では、成形型全体に熱が伝熱されやすく、熱効率が低下する。このため、加熱された気体を直接キャビティの表面に吹き付けることで、当該表面を温める構成のものが知られている(下記特許文献1参照)。
特開平08−244072号公報
上記特許文献1の構成においては、スプルーブッシュを前進させ、気体の供給路を閉止することでキャビティ内への気体の供給を停止する構成となっている。つまり、スプルーブッシュをバルブとして用いている。しかしながら、このような構成では、スプルーブッシュを駆動させるための機構が必要となり、複雑な構成となる。また、気体の供給箇所がスプルーブッシュの設置箇所に限定されてしまうという問題点がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、加熱された気体をキャビティに供給可能な構成とするとともに、より簡易な構成の射出成形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の射出成形装置は、互いに相対移動可能に配置される一対の成形型を備え、前記一対の成形型間に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を射出することで成形品を成形する射出成形装置であって、気体を加熱可能な加熱装置と、前記一対の成形型のうち、いずれか一方の成形型に形成され、前記キャビティと連通される気体供給孔と、前記気体供給孔を通じて、前記加熱装置により加熱された気体を前記キャビティ内に送風可能な送風装置と、前記一方の成形型に設けられ、前記気体供給孔を開閉可能なバルブと、を備え、前記バルブは、前記気体供給孔に挿通されることで前記気体供給孔を閉止する閉位置と、前記閉位置から前記キャビティ側へ突き出されることで前記気体供給孔を開放する開位置との間で変位可能な構成とされ、前記閉位置にある前記バルブにおける前記キャビティ側の面は、前記キャビティを構成する面と面一をなし、前記バルブが前記閉位置から前記開位置側へ変位することで、前記バルブにおける前記キャビティ側の面で前記成形品を押し出し可能な構成とされることに特徴を有する。
本発明においては、キャビティ内に加熱された気体を送風可能となっている。これにより、キャビティの表面を加熱することができる。このため、溶融樹脂の温度低下を抑制でき、キャビティ内へ射出された溶融樹脂の流動性を向上させることができ、成形品の外観不良を低減することができる。また、キャビティの表面形状(模様)が成形品に転写される前に溶融樹脂が固まる事態を抑制できる。これにより、成形品の表面の光沢性を高くすることができる。
そして、本発明では、気体供給孔を開閉するバルブによって、成形品を押圧可能な構成となっている。つまり、本発明におけるバルブは、気体供給孔を開閉する機能に加えて、成形品を押し出すための押し出しピンとしての機能を担っている。このため、押し出しピン(及びその駆動機構)を別途設ける必要がなく、より簡易な構成とすることができる。
また、押し出しピン(気体供給孔)は、スプルーブッシュのように溶融樹脂の流動経路にさほど影響を及ぼすものではない。このため、その形成箇所は、スプルーブッシュと比較して容易に変更することができる。このため、気体供給孔を最適な箇所に容易に設けることができる。
上記構成において、前記バルブは、前記キャビティ内において射出された前記溶融樹脂同士が合流する箇所と対応する箇所に配されているものとすることができる。
キャビティ内における溶融樹脂の合流箇所では、成形品にウェルドラインが形成されやすく、強度の低下や外観不良が懸念される。この点、本発明においては、当該合流箇所にバルブを配する構成とした。これにより、当該合流箇所に対応した成形面を、加熱された気体によって効果的に加熱することができる。このため、合流した溶融樹脂同士をより確実に混融させることができ、ウェルドラインの発生を低減することができる。
また、前記一対の成形型は、前記キャビティに連通され、前記キャビティ内に前記溶融樹脂を射出するための一対のゲートを備え、前記バルブは、前記一対のゲートの中間位置に配されているものとすることができる。
一対のゲートを備えた成形型の場合、キャビティ内において一対のゲートの中間位置に対応する箇所は、各ゲートから射出された溶融樹脂が合流することとなる。このような溶融樹脂の合流箇所においては、成形品にウェルドラインが形成されやすく、剛性低下や外観不良が懸念される。この点、本発明においては、バルブを一対のゲートの中間位置に配する構成とした。これにより、加熱された気体によって溶融樹脂の合流箇所に対応した成形面を効果的に加熱することができ、合流箇所付近の溶融樹脂の温度低下を抑制できる結果、合流した溶融樹脂同士をより確実に混融させることができる。このため、ウェルドラインの発生を低減することができる。
前記一対の成形型には、前記キャビティ内に前記溶融樹脂を射出するためのゲートが設けられ、前記一対の成形型のうち、いずれか一方には前記キャビティ内へ向かって突出し、前記成形品に開口部を形成するための立壁部が形成され、前記バルブは、前記ゲートから射出された前記溶融樹脂が前記立壁部によって分岐された後、再度合流する箇所と対応する箇所に配されているものとすることができる。
本発明のように、立壁部を有する構成の場合、ゲートから溶融樹脂を射出すると、その溶融樹脂は立壁部によって分岐され、その後、立壁部を超えた箇所(立壁部に対して、ゲートから遠ざかる側)で合流する。このような溶融樹脂の合流箇所においては、成形品にウェルドラインが形成されやすい。この点、本発明においては、溶融樹脂が立壁部によって分岐された後、再度合流する箇所と対応する箇所にバルブを配する構成とした。これにより、加熱された気体によって溶融樹脂の合流箇所に対応した成形面を効果的に加熱することができ、合流箇所付近の溶融樹脂を加熱できる結果、合流した溶融樹脂同士をより確実に混融させることができる。このため、ウェルドラインの発生を低減することができる。
本発明によれば、加熱された気体をキャビティに供給可能な構成とするとともに、より簡易な構成の射出成形装置を提供することができる。
実施形態1に係る射出成形装置を示す断面図(バルブが閉位置にある状態)。 図1の射出成形装置において送風工程を示す断面図(バルブが開位置にある状態)。 図1の成形型において型を開いた状態を示す断面図。 図1の射出成形装置において脱型工程を示す断面図。 図1の成形型において水平方向に沿った断面構成を示す断面図(図1のA−A線で切断した図に対応)。 実施形態2に係る成形型において水平方向に沿った断面構成を示す断面図。 実施形態3に係る射出成形装置を示す断面図(バルブが開位置にある状態)。 図7の成形型において型を開いた状態を示す断面図。 実施形態4に係る射出成形装置を示す断面図。 バルブの変形例を示す図。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。図1は、本実施形態における射出成形装置10を示す断面図である。本実施形態の射出成形装置10は、例えば、車両のドアトリムなどの車両用内装材14(成形品)を成形する成形型であって、一対の成形型11(固定型20及び可動型30)と、加熱装置50と、送風装置51と、を備えている。
固定型20は、図示しない基台に対して固定されており、固定型20の成形面側とは反対側(図1では上側)には、射出装置12が設けられている。可動型30は、例えば油圧シリンダ(図示せず)によって固定型20に対して相対移動可能(図1の上下方向に移動可能)とされている。これにより、固定型20に対して、可動型30を移動させることで、型開き及び型閉じが可能な構成となっている。
固定型20における可動型30との対向面(下面)には凹部が形成されている。この凹部に対応して、可動型30における固定型20との対向面(上面)には凸部が形成されている。これにより、一対の成形型11を型閉じした状態では、固定型20の下面と可動型30の上面との間に、車両用内装材14を成形するためのキャビティCが形成される。
キャビティCは、例えば、断面視コの字状をなし、キャビティCを構成する成形面のうち上側(固定型20側)は、車両用内装材14の意匠面を成形する固定型側成形面C1とされ、キャビティCを構成する成形面のうち下側(可動型30側)は、車両用内装材14の裏面を成形する可動型側成形面C2とされる。
固定型20の内部には、図1に示すように、射出装置12のノズル13から射出された溶融樹脂をキャビティC内に送り込むランナー21が配設されている。ランナー21の周囲には、ヒーター(図示せず)が設置されており、このヒーターによってランナー21内の溶融樹脂が冷えて固まる事態を防止している。
ランナー21の途中には、ランナー21に比して小径の制限ゲート22が設けられており、ランナー21は、制限ゲート22で二手に枝分かれしている。枝分かれした各ランナー21の先端部は、それぞれゲート23A,23B(一対のゲート)と連通されている。各ゲート23A,23Bは、それぞれキャビティCと連通されている。これにより、射出装置12から射出された溶融樹脂は、ランナー21によって分岐された後、各ゲート23A,23Bから、それぞれキャビティC内に射出される構成となっており、キャビティC内に車両用内装材14を成形可能な構成となっている。
固定型20の固定型側成形面C1には、複数の温度センサ24が設けられている。各温度センサ24は、例えば熱電対によって構成されており、固定型側成形面C1の延設方向に沿って配列されている。温度センサ24は熱電対以外の構成であってもよく、例えば、赤外線によって温度を検出する方式のものであってもよい。
可動型30の内部には、気体供給孔31が設けられている。気体供給孔31は、円形状をなしており、略L字状に屈曲される形で延びている。以下の説明では、気体供給孔31のうち、可動型30の移動方向(図1の上下方向)に延び、キャビティCと連通される部分を第1供給孔32と呼び、気体供給孔31のうち、可動型30の移動方向と交差する方向に延び、送風装置51と接続される部分を第2供給孔33と呼ぶこととする。
送風装置51は、例えば空気を供給可能な気体供給源52(例えば、ルーツブロアやコンプレッサなど)と、気体供給孔31(第2供給孔33)と接続されるノズル53と、気体供給源52とノズル53とを接続する配管54と、を備えている。
加熱装置50は、図1に示すように、ノズル53と気体供給源52との間に介在されており、配管54を介してノズル53及び気体供給源52とそれぞれ接続されている。加熱装置50は、例えば、電気ヒータなどの加熱手段を有している。これにより、気体供給源52から供給された空気(気体)は加熱装置50によって加熱された後、ノズル53から気体供給孔31に噴出可能となっている。なお、加熱装置50及び気体供給源52は、図2〜図5においては図示を省略してある。
また、可動型30には、気体排出孔41が形成されている。気体排出孔41は一端側において気体供給孔31と連通されており、他端側において可動型30の外部空間と連通されている。
気体供給孔31の第1供給孔32には、これを開閉するためのバルブ60が設けられている。バルブ60は、図2及び図5に示すように、キャビティCから遠ざかる方向(図2の下側)に向かうにつれて、その径が小さくなる円錐台形状をなしている。つまり、バルブ60の下面は、上方に向かうにつれて外方に傾斜する傾斜面とされる。
また、気体供給孔31の第1供給孔32において、キャビティC側の孔縁部32Aは、図2に示すように、キャビティCから遠ざかる方向(図2の下側)に向かうにつれて、その径が小さくなる円錐台形状をなしている。この孔縁部32Aには、バルブ60が上方から嵌合可能とされ、これにより、バルブ60と孔縁部32Aとがその全周に亘って隙間なく接触する構成となっている。
バルブ60は、シリンダ65によって変位することで、第1供給孔32を開閉可能とされる。シリンダ65は、ロッド63を有し、可動型30に取り付けられている。より具体的には、シリンダ65は、ロッド63の延設方向が、気体供給孔31の第1供給孔32の延設方向に沿う形で取り付けられている。つまり、ロッド63の大部分は、第1供給孔32内に収容されている。
なお、ロッド63の外径は、バルブ60の外径、及び気体供給孔31の第1供給孔32の孔径よりも小さく設定されており、ロッド63の外周面と、第1供給孔32の内周面との間には、隙間が生じる構成となっている。これにより、当該隙間を気体が通過可能となっている。
シリンダ65は、その内部にエア供給装置(図示せず)からのエアが供給されることで、ロッド63を第1供給孔32の延設方向(図1の上下方向)に沿って進退可能な構成となっている。バルブ60は、ロッド63の先端に取り付けられている。これにより、シリンダ65を駆動させ、ロッド63を進退させることで、バルブ60を図1に示す閉位置と、図2に示す開位置との間で変位可能な構成となっている。
ここで言う閉位置とは、バルブ60が気体供給孔31の第1供給孔32に挿通されることで、孔縁部32Aの全周に亘って当接し、気体供給孔31(第1供給孔32)を閉止する位置のことである。また、開位置とは、バルブ60が閉位置からキャビティC側へ突き出されることで気体供給孔31(第1供給孔32)を開放する位置のことである。つまり、開位置においては、バルブ60の下面と孔縁部32Aとの間に隙間が生じ、気体供給孔31からキャビティC内に気体が送風可能となる。
また、閉位置にあるバルブ60は気体供給孔31の孔縁部32Aに嵌合されており、バルブ60におけるキャビティC側の面60Aが、可動型側成形面C2と面一をなす形で配されている。
また、バルブ60(ひいては、気体供給孔31の第1供給孔32)は、図5に示すように、平面視において、一対のゲート23A,23Bの中間位置に配されている。上述したように、本実施形態では、一対のゲート23A,23Bから、それぞれキャビティC内に溶融樹脂が射出される構成となっている。つまり、バルブ60はキャビティC内において、溶融樹脂が合流する箇所P1(図5において網掛けで示す箇所)に対応して配されている。なお、図5においては、一対のゲート23A,23Bから射出される溶融樹脂の流れをそれぞれ矢線A1、A2で示してある。
以上の構成から、本実施形態においては、送風装置51及び加熱装置50を駆動させるとともに、シリンダ65によってバルブ60を開位置に変位させることで、加熱された空気を気体供給孔31を通じて、キャビティC内に送風することができる。
また、送風装置51,加熱装置50,シリンダ65,温度センサ24は、制御装置(図示せず)とそれぞれ電気的に接続されている。これにより、温度センサ24によって検出されたキャビティC内の温度に基づいて、送風装置51,加熱装置50,シリンダ65の駆動を制御することで、キャビティC内へ送風される空気の圧力、温度、送風時間を制御することができる。
具体的には、送風装置51によってキャビティC内へ送風される空気の圧力を制御することができ、加熱装置50によって、キャビティC内へ送風される空気の温度を制御することができる。そして、シリンダ65によってバルブ60を開く時間を制御することで、キャビティC内へ送風される空気の送風時間を制御することができる。このような構成とすれば、外気温などの変化に関わらず、キャビティC内の温度を制御することができ、成形不良を低減できる。
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用及び効果を説明する。本実施形態では、キャビティC内に加熱された気体を送風する工程(送風工程)と、一対の成形型11が型閉じした状態において、キャビティC内に溶融樹脂を射出して成形する工程(射出成形工程)と、一対の成形型11の型開き後、成形品を脱型する工程(脱型工程)との3つの工程を経て車両用内装材14が成形される。以下、これら3つの工程について、図1ないし図4の図面を参照しながら説明する。
<送風工程>
まず、一対の成形型11を型閉じした状態において、キャビティCに溶融樹脂を射出する前に、図2に示すように送風装置51及び加熱装置50を駆動させるとともに、シリンダ65を駆動させ、バルブ60を開位置(キャビティC側、固定型側成形面C1側)に変位させる。これによって、加熱装置50によって加熱された空気が送風装置51によって、バルブ60から気体供給孔31に送風される。そして、送風された空気は、気体供給孔31を通じて、キャビティC内に送風される。なお、図2においては、送風装置51によって送風された空気の流れを矢線B1で示してある。また、バルブ60の下面は、上方に向かうにつれて外方に傾斜する傾斜面となっているため、送風を妨げる事態を抑制できる。
これによって、加熱された空気がキャビティC内に充填され、キャビティCを構成する固定型側成形面C1及び可動型側成形面C2が加熱される。なお、固定型側成形面C1の温度は、温度センサ24によって検出され、当該温度が所定の温度となるまで、空気の送風が持続される。
なお、キャビティC内に送風される空気の温度は、例えば、160℃〜200℃の間で設定され、固定型側成形面C1の温度が、例えば、90℃〜110℃となるまで加熱することが好ましい。なお、送風される空気の温度及び加熱される固定型側成形面C1の温度は、これらの値に限定されるものではなく適宜変更可能である。
固定型側成形面C1及び可動型側成形面C2が所定の温度まで加熱された後、送風装置51及び加熱装置50の駆動を停止する。その後、キャビティC内に充填された空気は気体排出孔41を通じて型外に排出される。
<射出成形工程>
次に、開位置にあるバルブ60をシリンダ65によって閉位置へ変位させ、一対の成形型11が型閉じした状態で、射出装置12のノズル13からランナー21、ゲート23A,23Bを通って、キャビティC内に溶融樹脂を充填する。このとき、固定型側成形面C1及び可動型側成形面C2は、送風工程において予め加熱されているため、溶融樹脂の流動性が低下することがなく、容易にキャビティC内に充填させることができる。その後、キャビティC内に充填された溶融樹脂が冷却されて固化することで、車両用内装材14が成形される。
<脱型工程>
車両用内装材14が成形された後、一対の成形型11を開く(図3の状態)。そして、気体供給孔31への送風を停止した状態で、シリンダ65を駆動させ、閉位置にあるバルブ60をキャビティC側(開位置側、固定型側成形面C1側)に変位させる(図4の状態)。なお、この時(脱型工程時)のバルブ60のキャビティC側への変位量は、例えば、上述した送風工程におけるバルブ60の同方向への変位量よりも大きいものとされる。つまり、バルブ60は、開位置(図2に示すバルブ60の位置)よりもさらに固定型側成形面C1側に変位される。
これにより、車両用内装材14の裏面(意匠面と反対側)が、バルブ60におけるキャビティC側の面60Aに押圧される。この結果、バルブ60によって車両用内装材14が上方に押し出され、脱型される。つまり、バルブ60におけるキャビティC側の面60Aは、車両用内装材14を押圧可能な押圧面とされる。
以上、説明したように、本実施形態の射出成形装置10は、互いに相対移動可能に配置される一対の成形型11を備え、一対の成形型11間に形成されたキャビティC内に溶融樹脂を射出することで成形品を成形するものであって、気体を加熱可能な加熱装置50と、可動型30に形成され、キャビティCと連通される気体供給孔31と、気体供給孔31を通じて、加熱装置50により加熱された気体をキャビティC内に送風可能な送風装置51と、可動型30に設けられ、気体供給孔31を開閉可能なバルブ60と、を備え、バルブ60は、気体供給孔31に挿通されることで気体供給孔31を閉止する閉位置と、閉位置からキャビティC側へ突き出されることで気体供給孔31を開放する開位置との間で変位可能な構成とされ、閉位置にあるバルブ60におけるキャビティC側の面60Aは、キャビティCを構成する面と面一をなし、バルブ60が閉位置から開位置側へ変位することで、バルブ60におけるキャビティC側の面60Aで車両用内装材14を押し出し可能な構成とされる。
本実施形態においては、加熱された気体をキャビティC内に送風可能となっている。これにより、キャビティCの表面を加熱することができる。このため、キャビティC内へ射出された溶融樹脂の流動性を向上させることができ、成形品の外観不良を低減することができる。また、キャビティCの表面形状(模様)が車両用内装材14に転写される前に溶融樹脂が固まる事態を抑制できる。これにより、車両用内装材14の表面の光沢性を高くすることができる。
そして、本実施形態では、気体供給孔31を開閉するバルブ60によって、車両用内装材14を押圧可能な構成となっている。つまり、本実施形態におけるバルブ60は、気体供給孔31を開閉する機能に加えて、車両用内装材14を押し出すための押し出しピンとしての機能を担っている。このため、押し出しピン(及びその駆動機構)を別途設ける必要がなく、より簡易な構成とすることができる。
また、押し出しピン(気体供給孔31)は、スプルーブッシュのように溶融樹脂の流動経路にさほど影響を及ぼすものではない。このため、その形成箇所は、スプルーブッシュと比較して容易に変更することができる。このため、気体供給孔31を最適な箇所に容易に設けることができる。
上記構成において、バルブ60は、キャビティC内において射出された溶融樹脂同士が合流する箇所と対応する箇所に配されている。
キャビティC内における溶融樹脂の合流箇所では、成形品(車両用内装材14)にウェルドラインが形成されやすく、強度の低下や外観不良が懸念される。この点、本実施形態においては、当該合流箇所にバルブ60(つまり、空気の噴出口)を配する構成とした。これにより、当該合流箇所に対応した成形面を、加熱された空気によって効果的に加熱することができる。このため、合流箇所付近の溶融樹脂を加熱できる結果、合流した溶融樹脂同士をより確実に混融させることができ、ウェルドラインの発生を低減することができる。なお、キャビティC内において溶融樹脂同士が合流する箇所は、例えば、CAEによる解析を行うことで特定すればよい。
また、一対の成形型11は、キャビティCに連通され、キャビティC内に溶融樹脂を射出するための一対のゲート23A,23Bを備え、バルブ60は、一対のゲート23A,23Bの中間位置に配されている。
一対のゲート23A,23Bを備えた成形型の場合、キャビティ内において一対のゲート23A,23Bの中間位置に対応する箇所は、各ゲート23A,23Bから射出された溶融樹脂が合流することとなる。このような溶融樹脂の合流箇所においては、成形品にウェルドラインが形成されやすく、剛性低下や外観不良が懸念される。この点、本実施形態においては、バルブ60を一対のゲート23A,23Bの中間位置に配する構成とした。これにより、加熱された気体によって溶融樹脂の合流箇所に対応した成形面を効果的に加熱することができ、合流箇所付近の溶融樹脂を加熱できる結果、合流した溶融樹脂同士をより確実に混融させることができる。このため、ウェルドラインの発生を低減することができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図6によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態の射出成形装置110においては、一対の成形型11の構成が上記実施形態と相違する。
上記実施形態においては、一対のゲート23A,23Bを有する構成とした。これに対して、本実施形態においては、一箇所のゲート23Aから溶融樹脂が射出される構成となっている。また、可動型30には、可動型側成形面C2からキャビティC内へ向かって突出する立壁部135が形成されている。この立壁部135は、車両用内装材14に開口部(又は凹部)を形成するためのものである。
そして、バルブ60は、立壁部135に対してゲート23Aから遠い側(図6の左側)に配されている。本実施形態のように、立壁部135を有する構成の場合、ゲート23Aから溶融樹脂を射出すると、その溶融樹脂は立壁部135によって分岐され、その後、立壁部を超えた箇所(立壁部135に対して、ゲート23Aから遠ざかる側)で合流する。なお、図6においては、ゲート23Aから射出された溶融樹脂の流れを矢線A3で示してある。
溶融樹脂が合流する箇所においては、成形品にウェルドラインが形成されやすい。この点、本実施形態においては、溶融樹脂が立壁部135によって分岐された後、再度合流する箇所と対応する箇所にバルブ60を配してある。これにより、加熱された気体によって溶融樹脂の合流箇所に対応した成形面を効果的に加熱することができ、合流箇所付近の溶融樹脂の温度低下を抑制できる結果、合流した溶融樹脂同士をより確実に混融させることができる。このため、ウェルドラインの発生を低減することができる。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図7ないし図8によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態の射出成形装置210においては、可動型の構成が上記実施形態と相違する。
本実施形態の可動型230においては、図7に示すように、一対の成形型11をわずかに開くことでキャビティC内に送風された空気を外部に排出する構成となっている(図8参照)。これにより、上記実施形態における気体排出孔41を設ける必要がなく、より簡易な構成とすることができる。なお、図8においては、キャビティCから排出される空気の流れを矢線B2で示してある。
なお、本実施形態においては、一対の成形型11を開いた状態でキャビティC内へ加熱された空気を送風する構成としてもよいし、一対の成形型11を閉じた状態でキャビティC内へ加熱された空気を送風し、加熱された空気がキャビティC内へ充填された後、一対の成形型11を開くことで排気を行う構成としてもよい。
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図9によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態の射出成形装置310では、可動型の構成が上記実施形態と相違する。
本実施形態の可動型330においては、2つのバルブ360A,360Bを備えている。このため、バルブ360A,360Bを同時に駆動させることによって、車両用内装材14を2箇所で押圧することができ、より安定した状態で脱型させることができる。
本実施形態では、気体供給孔331と気体排出孔341とが、それぞれL字状をなす形で延びている。気体供給孔331は、その一端側において送風装置51と接続され、他端側においてキャビティCと連通されている。また、気体排出孔341は、その一端側においてキャビティCと接続され、他端側において可動型330の外部空間と連通されている。そして、バルブ360Aによって気体供給孔331が開閉され、バルブ360Bによって気体排出孔341が開閉される構成となっている。
このような構成とすれば、バルブ360AをキャビティC側へ突き出し、気体供給孔331を開くことでキャビティC内へ空気を送風することが可能となる。また、バルブ360BをキャビティC側へ突き出し、気体排出孔341を開くことで、キャビティC内の空気を外部空間に排出することが可能となる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、成形品として車両用内装材14を例示したが、これに限定されない。成形品は射出成形によって成形するものであればよく、その形状、用途などは、適宜変更可能である。
(2)上記各実施形態では、一対の成形型11のうち可動型30に気体供給孔31、バルブ60、立壁部135を設ける構成としたが、気体供給孔31、バルブ60、立壁部135は、固定型20に設けてもよい。また、温度センサ24を可動型30に設けてもよい。
(3)上記実施形態では、送風装置51によって、キャビティCに送風する気体の一例として空気を挙げたが、これに限定されない。キャビティCに送風する気体としては、空気以外の気体であってもよく、例えば、窒素のみを送風してもよい。このようにすれば、一対の成形型11の酸化を抑制することができ、好適である。
(4)ゲート23及びバルブ60の設置数及び設置個所は上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。
(5)バルブ60の形状は、上記実施形態の形状(円錐台形状)に限定されず、気体供給孔31を閉止可能な形状であれば適宜変更可能である。例えば、図10に示すように、バルブ460を円板状とし、第1供給孔32の孔縁部432Aを段差状とすることで、バルブ460を孔縁部432Aに嵌合可能な構成としてもよい。
(6)上記実施形態1では、脱型工程時のバルブ60のキャビティC側への変位量が、送風工程時のバルブ60の同方向への変位量よりも大きいものとしたが、これに限定されない。脱型工程時においてバルブ60は、閉位置よりも開位置側へ変位すればよく、その変位量は、適宜変更可能である。
10,110,210,310…射出成形装置、11…一対の成形型、14…車両用内装材(成形品)、23A,23B…一対のゲート、30,230,330…可動型(一対の成形型のうち、いずれか一方の成形型)、31,331…気体供給孔、50…加熱装置、51…送風装置、60,360A,360B,460…バルブ、60A…バルブにおけるキャビティ側の面、135…立壁部、C…キャビティ

Claims (4)

  1. 互いに相対移動可能に配置される一対の成形型を備え、
    前記一対の成形型間に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を射出することで成形品を成形する射出成形装置であって、
    気体を加熱可能な加熱装置と、
    前記一対の成形型のうち、いずれか一方の成形型に形成され、前記キャビティと連通される気体供給孔と、
    前記気体供給孔を通じて、前記加熱装置により加熱された気体を前記キャビティ内に送風可能な送風装置と、
    前記一方の成形型に設けられ、前記気体供給孔を開閉可能なバルブと、を備え、
    前記バルブは、前記気体供給孔に挿通されることで前記気体供給孔を閉止する閉位置と、前記閉位置から前記キャビティ側へ突き出されることで前記気体供給孔を開放する開位置との間で変位可能な構成とされ、
    前記閉位置にある前記バルブにおける前記キャビティ側の面は、前記キャビティを構成する面と面一をなし、
    前記バルブが前記閉位置から前記開位置側へ変位することで、前記バルブにおける前記キャビティ側の面で前記成形品を押し出し可能な構成とされることを特徴とする射出成形装置。
  2. 前記バルブは、前記キャビティ内において射出された前記溶融樹脂同士が合流する箇所と対応する箇所に配されていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置。
  3. 前記一対の成形型は、前記キャビティに連通され、前記キャビティ内に前記溶融樹脂を射出するための一対のゲートを備え、
    前記バルブは、前記一対のゲートの中間位置に配されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出成形装置。
  4. 前記一対の成形型には、前記キャビティ内に前記溶融樹脂を射出するためのゲートが設けられ、
    前記一対の成形型のうち、いずれか一方には前記キャビティ内へ向かって突出し、前記成形品に開口部を形成するための立壁部が形成され、
    前記バルブは、前記ゲートから射出された前記溶融樹脂が前記立壁部によって分岐された後、再度合流する箇所と対応する箇所に配されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の射出成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113134955A (zh) * 2021-05-06 2021-07-20 莫颖乐 一种具有冷凝作用的注塑模具

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