JP2012187543A - 嫌気処理装置及び嫌気処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 グラニュールを有し且つ該グラニュールによって有機物含有廃水が嫌気処理されることにより嫌気処理水を得る反応槽が備えられてなり、該反応槽の水面側から嫌気処理水が流出されることにより、嫌気処理水が該反応槽外に排出されるように構成されてなる嫌気処理装置であって、
該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、グラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも少ない分離処理水、及びグラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも多い濃縮水を得るように構成された濃縮水生成装置が備えられ、
該濃縮水が前記反応槽に返送されるように構成されてなることを特徴とする嫌気処理装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
このような嫌気処理においては、例えば、有機物含有廃水中の有機物(例えば、たんぱく質や多糖類等)が、加水分解による低分子化および酸生成菌による有機酸(例えば、酢酸等)の生成を経て、さらにメタン生成菌によりガス(例えば、メタンガス、炭酸ガス等)に分解されることで、有機物含有廃水から有機物が除去される。
この嫌気処理装置は、浮上したグラニュールからこのグラニュールの外部へガスを排出することができるため、グラニュールが沈降しやすくなり、グラニュールの流出が抑制されるという利点がある。
そして、グラニュールが細粒化されると、投影面積当たりの重量が小さくなって、グラニュールの沈降性が低下する。また、グラニュールが細粒化されると、破砕により球面形状であったグラニュールの形状が崩れて水の抵抗が増大することから、グラニュールの沈降性が低下する。さらに、グラニュールが細粒化されると、単位重量当たりの表面積が高まるため、嫌気処理により生成された気泡がグラニュール表面に付着する確率が高まる。その結果、グラニュールがかえって浮上しやすくなり、グラニュールが反応槽から流出されやすくなる。
このような問題に対して、細粒化したグラニュールを用いて廃水を生物処理することによって、該グラニュールの粒の大きさをより大きなものにしてグラニュールの沈降性を高めることが考えられるが、これには、時間を要するという問題がある。
従って、特許文献1〜4の嫌気処理装置は、依然として有機物含有廃水から有機物を効率良く除去することができないという問題を有している。
該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、グラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも少ない分離処理水、及びグラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも多い濃縮水を得るように構成された濃縮水生成装置が備えられ、
該濃縮水が前記反応槽に返送されるように構成されてなることを特徴とする嫌気処理装置にある。
即ち、本発明は、該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水、及び前記濃縮水を得るように構成された濃縮水生成装置が備えられ、該濃縮水が前記反応槽に返送されるように構成されてなることにより、グラニュールを前記嫌気処理水から効率よく回収して前記反応槽へ返送することができる。そして、前記反応槽内のグラニュール濃度を高く維持でき、有機物を効率良く除去しうるという利点がある。
なお、ガスを有するグラニュールが含有された嫌気処理水を加圧状態にすることによって、嫌気処理水中のグラニュールの沈降性が高まることは、後述の実施例から明らかである。このような現象が生じる理由は定かではないが、ガスを有するグラニュールが含有された嫌気処理水に圧力がかかることにより、該グラニュールにも圧力がかかり、グラニュール内部のガス及びグラニュール表面に付着したガスが水中に溶解されやすくなり、これらのガスがグラニュールから外れやすくなって、グラニュールの沈降性が高まるものと考えられる。
前記流下配管が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下して前記収容槽に移送するように構成され、
該流下配管の少なくとも一部が、前記収容槽よりも上位に配され、
前記流下配管が、前記収容槽と気密に連通され、
前記収容槽内の水位よりも前記流下配管内の水位が上位となるように前記流下配管内に前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽内の嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてなる。
前記流下配管が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下して前記収容槽に移送するように構成され、また、該流下配管の少なくとも一部が、前記収容槽よりも上位に配され、前記流下配管が、前記収容槽と気密に連通され、さらに、前記収容槽内の水位よりも前記流下配管内の水位が上位となるように前記流下配管内に前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽内の嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてなることで、以下の利点がある。
すなわち、重力によって流下する前記流下配管の嫌気処理水により、前記収容槽内の嫌気処理水に大気圧よりも大きな圧力を掛けることができるため、エネルギー効率良く前記収容槽内の嫌気処理水が加圧されるという利点がある。また、重力を用いて嫌気処理水を移送することができるため、エネルギー効率よく嫌気処理水を移送することができるという利点がある。
従って、斯かる嫌気処理装置は、有機物含有廃水から有機物をより一層効率良く除去し得る。
該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、グラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも少ない分離処理水、及びグラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも多い濃縮水を得る濃縮水生成工程と、該濃縮水を前記反応槽に返送する濃縮水返送工程とを実施することを特徴とする嫌気処理方法にある。
前記嫌気処理は、前記有機物含有廃水Aに含まれる有機物を嫌気状態で嫌気性微生物(例えば、酸生成菌、メタン生成菌等)により分解する処理を意味する。
また、本実施形態の嫌気処理装置1は、反応槽2で得られたガスDがガス貯留槽(図示せず)に移送され、前記反応槽2外に排出された嫌気処理水が前記濃縮水生成装置3に移送され、濃縮水生成装置3で得られた分離処理水Bが分離処理水貯留槽(図示せず)に移送され、濃縮水生成装置3で得られた濃縮水Cが反応槽2及び濃縮水貯留槽(図示せず)に移送され、濃縮水生成装置3で得られたガスDがガス貯留槽(図示せず)に移送されるように構成されてなる。
本発明に係る嫌気処理装置1は、前記流速が0.05m/秒以上であることにより、前記流下配管32を流下する嫌気処理水に含まれるグラニュールが、流下配管32で浮上するのを抑制することができるため、より多くのグラニュールが収容槽31まで移送される。その結果、より多くのグラニュールが反応槽2まで返送され、有機物含有廃水Aから有機物をより一層効率良く除去することができる。
また、本発明に係る嫌気処理装置1は、前記流速が2m/秒以下であることにより、前記流下配管32を嫌気処理水が流下する際の圧力損失が抑制され、水位差による圧力をより有効に収容槽31内の嫌気処理水の加圧に利用できるという利点がある。
該別体の槽33は、前記収容槽31で加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水B、前記濃縮水C、及び前記ガスDを得る分離槽33である。
また、P(t)は、具体的には、各グラニュール(ガスを有するグラニュール)が加圧され始めた加圧開始からの経過時間t(秒)における嫌気処理水中の該各グラニュールの圧力を意味する。また、T(秒)は、具体的には、各グラニュールに対する加圧状態の全時間を意味する。
なお、鉛直下方向に延び且つ水平方向にも延びる部分のうち、鉛直下方向から水平方向に水流が変わる変わり目部分は、鉛直配管部に含まれず、水平配管部に含まれるものとし、また、鉛直下方向に延び且つ水平方向にも延びる部分のうち、水平方向から鉛直下方向に水流が変わる部分は、水平配管部に含まれず、鉛直配管部に含まれるものとして、前記積分値を下記のように算出する。
(前記積分値のうちの前記鉛直配管部の成分)
前記鉛直配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力は、前記鉛直配管部内の嫌気処理水の圧力と同じとみなすことができる。また、前記鉛直配管部内の嫌気処理水の圧力は、深さ方向に向かうに連れて直線的に増加する。よって、前記鉛直配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力の平均値は、前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力を測定することにより、下記式で求められる。
前記鉛直配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力の平均値(MPa)= 前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力(MPa)×0.5
また、前記鉛直配管部を嫌気処理水が流下する所要時間(鉛直配管部の所要時間)(秒)は、鉛直配管部内の容量(m3 )(=鉛直配管部の断面積×鉛直配管部の長さ)と、該鉛直配管部を嫌気処理水が流下する流量(鉛直配管部の流量)(m3 /秒)から、下記式で求められる。
該鉛直配管部の所要時間(秒) = 該鉛直配管部内の容量(m3 )/該鉛直配管部の流量(m3 /秒)
従って、前記積分値のうちの前記鉛直配管部の成分は、下記式で求められる。
前記積分値のうちの前記鉛直配管部の成分(MPa・秒) = 前記鉛直配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力の平均値(MPa)×該鉛直配管部の所要時間(秒) = 前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力(MPa)×0.5×該鉛直配管部の容量(m3 )/該鉛直配管部の流量(m3 /秒)
(前記積分値のうちの前記水平配管部の成分)
前記水平配管部では、グラニュールは、前記水平配管部の水面(上端)に浮上し得るから、前記水平配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力は、前記水平配管部の水面における嫌気処理水の圧力と同じとみなすことができる。よって、前記水平配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力は、前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力を測定することにより、下記式で求められる。
前記水平配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力(MPa) = 前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力(MPa) − 前記流下配管32の下端と水平配管部の水面との水頭差の絶対値(MPa)
また、前記水平配管部を嫌気処理水が移動する所要時間(水平配管部の所要時間)(秒)は、水平配管部内の容量(m3 )(=水平配管部の断面積×水平配管部の長さ)と、該水平配管部を嫌気処理水が移動する流量(水平配管部の流量)(m3 /秒)から、下記式で求められる。
該水平配管部の所要時間(秒) = 該水平配管部の容量(m3 )/該水平配管部の流量(m3 /秒)
従って、前記積分値のうちの前記水平配管部の成分は、下記式で求められる。
前記積分値のうちの前記水平配管部の成分(MPa・秒) = 前記水平配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力(MPa)×該水平配管部の所要時間(秒) = (前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力(MPa) − 前記流下配管32の下端と水平配管部との水頭差の絶対値(MPa))×該水平配管部の容量(m3 )/該水平配管部の流量(m3 /秒)
(前記積分値のうちの前記収容槽の成分)
前記積分値のうちの前記収容槽の成分は、前記積分値のうちの前記水平配管部の成分と同様な方法で算出することができる。
(積分値)
そして、前記積分値は、前記積分値のうちの前記鉛直配管部の成分と、前記積分値のうちの前記水平配管部の成分と、前記積分値のうちの前記収容槽の成分との合計から求めることができる。
なお、前記流下配管32が、前記鉛直配管部及び前記水平配管部に加えて、水平方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜配管部を含む場合には、前記積分値のうちの前記傾斜配管部の成分は、前記鉛直配管部と同様な方法で算出することができる。そして、前記積分値は、前記積分値のうちの前記鉛直配管部の成分と、前記積分値のうちの前記水平配管部の成分と、前記積分値のうちの前記傾斜配管部の成分と、前記積分値のうちの前記収容槽の成分との合計から求めることができる。
具体的には、本実施形態の嫌気処理方法では、前記反応槽2内で該グラニュールによって有機物含有廃水を嫌気処理して嫌気処理水を得、該反応槽2の水面側から嫌気処理水を流出することにより嫌気処理水を該反応槽2外に排出する嫌気処理工程と、該反応槽2外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽2外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水、及び前記濃縮水を得る濃縮水生成工程と、該濃縮水を前記反応槽2に返送する濃縮水返送工程とを実施する。
斯かる嫌気処理装置1は、前記収容槽31で得られた濃縮水Cが反応槽2及び濃縮水貯留槽(図示せず)に移送されるように構成されてなる。また、前記立ち上がり配管34は、前記分離処理水移送経路4dに直接接続されてなる。
さらに、斯かる嫌気処理装置1は、前記流下配管32内に前記収容槽31よりも上位まで前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽31内の嫌気処理水の水位よりも前記流下配管32内の水位が上位となり、且つ前記流下配管32の水面及び前記立ち上がり配管34の水面が同じ高さとなるように構成されてなることにより、前記収容槽31内の嫌気処理水が加圧されるように構成されてなる。
また、図示していないが、本発明の嫌気処理装置1は、前記濃縮水生成装置3が前記分離槽33を備える態様の場合には、前記濃縮水生成装置3が、前記立ち上がり配管34の代わりに、前記収容槽31で得られた嫌気処理水を前記分離槽33に移送する嫌気処理水移送経路(図示せず)を備え、該嫌気処理水移送経路(図示せず)が該嫌気処理水移送経路(図示せず)内の流路を開閉する圧力調整弁を備えるように構成されてもよい。
具体的には、本発明の嫌気処理装置は、前記濃縮水生成装置が、反応槽外に排出された嫌気処理水を収容する収容部と、該収容部の嫌気処理水の水面上に空気を吹き付けるブロワとを備え、該ブロワから吹き付けられる空気で該嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてもよい。
さらに、本発明の嫌気処理装置は、前記濃縮水生成装置が、前記収容部と、空気を圧縮するコンプレッサーとを備え、該コンプレッサーで圧縮された空気を嫌気処理水の水面上に吹き付けることにより、前記嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてもよい。
また、本発明の嫌気処理装置は、前記濃縮水生成装置が、前記収容部と、反応槽外に排出された嫌気処理水を該収容部に圧送するポンプを備え、該ポンプにより前記収容部に嫌気処理水を圧送することにより、前記嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてもよい。
前記収容部は、管状に形成されたものであってもよく、槽であってもよい。
さらに、本発明の嫌気処理装置1が、前記ブロワ、前記コンプレッサー若しくは前記ポンプを備える態様である場合には、前記濃縮水生成装置は、P(t)(MPa)とT(秒)との関係が、好ましくは下記式(1)の範囲内となるように構成されてなる。ここで、該圧力は、前記収容部内の最上位の水位における圧力を意味する。前記収容部内の最上位の水位付近に、浮上するグラニュールが集まるため、該最上位の水位に所定の圧力をかける必要があるからである。
(加圧例1)
ガスが付着して浮上しやすいグラニュールを含む嫌気処理水1,000mLを密閉容器に入れた。次に、コンプレッサーで圧縮した圧縮空気によって、該密閉容器内の嫌気処理水の水面部分の圧力(ゲージ圧)を、0MPa(常圧)の状態から0.05MPaになるまで0.05MPa/秒の一定の割合で1秒間上昇させた。そして、該水面部分の圧力が0.05MPaに到達後は、該水面部分の圧力を0.05MPaに保持して嫌気処理水に圧力をかけた。
この加圧状態の際に、圧力をかけ始めてから1秒後、11秒後、及び31秒後における沈降割合(加圧によって沈んだグラニュールの粒子数/加圧前の浮上グラニュールの粒子数)をそれぞれ求めた。
ここで、水面付近に浮かんでいるグラニュールを浮上グラニュールとし、その他のグラニュールを沈んだグラニュールとした。また、グラニュールの粒子数は、目視で数えた。
密閉容器内の嫌気処理水の水面部分の圧力(ゲージ圧)を、0MPa(常圧)の状態から0.10MPaになるまで0.05MPa/秒の一定の割合で2秒間上昇させたこと、水面部分の圧力が0.10MPaに到達後は、該水面部分の圧力を0.10MPaに保持して嫌気処理水に圧力をかけたこと、加圧状態の際に、圧力をかけ始めてから2秒後、12秒後、及び32秒後における沈降割合をそれぞれ求めたこと以外は、加圧例1と同様にして沈降割合を求めた。
密閉容器内の嫌気処理水の水面部分の圧力(ゲージ圧)を、0MPa(常圧)の状態から0.15MPaになるまで0.05MPa/秒の一定の割合で3秒間上昇させたこと、水面部分の圧力が0.15MPaに到達後は、該水面部分の圧力を0.15MPaに保持して嫌気処理水に圧力をかけたこと、加圧状態の際に、圧力をかけ始めてから3秒後、13秒後、33秒後、63秒後、及び303秒後における沈降割合をそれぞれ求めたこと以外は、加圧例1と同様にして沈降割合を求めた。
密閉容器内の嫌気処理水の水面部分の圧力(ゲージ圧)を、0MPa(常圧)の状態から0.20MPaになるまで0.05MPa/秒の一定の割合で4秒間上昇させたこと、水面部分の圧力が0.20MPaに到達後は、該水面部分の圧力を0.20MPaに保持して嫌気処理水に圧力をかけたこと、加圧状態の際に、圧力をかけ始めてから4秒後、14秒後、及び34秒後における沈降割合をそれぞれ求めたこと以外は、加圧例1と同様にして沈降割合を求めた。
なお、加圧例1において、圧力をかけ始めてから11秒経過した時間で、時間変化した圧力P(t)を積分した値は、下記式のようにして求められる。
このように、積分値が1.5MPa・秒以上となるように加圧することにより、48.9%以上のグラニュールを沈降させることが可能となり、積分値が3.1MPa・秒以上となるように加圧することにより、79.2%以上のグラニュールを沈降させることが可能となる。
なお、常圧(ゲージ圧:0MPa)に戻す前の加圧状態で沈降したグラニュールは、密閉容器の底部に沈降していた。
ガスが付着して浮上しやすいグラニュールを含む嫌気処理水が流下配管を流下する際に、該グラニュールが流下に逆らって浮上してしまうのを抑制することができる、嫌気処理水の流下速度を求めるべく下記試験を行った。
すなわち、水が収容された円筒状の容器(直径:50mm)内の下側部分に、ガスが付着して浮上しやすいグラニュールを入れ、グラニュール(鉛直方向の速度が0.00m/秒であるグラニュール)が500mm浮上するのに要する時間を測定することで、該グラニュールの浮上速度を算出した。
20個のグラニュールに対してグラニュールの浮上速度を求めた結果、最も大きかったグラニュールの浮上速度は0.05m/秒であった。
Claims (14)
- グラニュールを有し且つ該グラニュールによって有機物含有廃水が嫌気処理されることにより嫌気処理水を得る反応槽が備えられてなり、該反応槽の水面側から嫌気処理水が流出されることにより、嫌気処理水が該反応槽外に排出されるように構成されてなる嫌気処理装置であって、
該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、グラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも少ない分離処理水、及びグラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも多い濃縮水を得るように構成された濃縮水生成装置が備えられ、
該濃縮水が前記反応槽に返送されるように構成されてなることを特徴とする嫌気処理装置。 - 前記濃縮水生成装置が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下する流下配管を備えてなる請求項1記載の嫌気処理装置。
- 前記濃縮水生成装置が、嫌気処理水を収容する収容槽を備え、
前記流下配管が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下して前記収容槽に移送するように構成され、
該流下配管の少なくとも一部が、前記収容槽よりも上位に配され、
前記流下配管が、前記収容槽と気密に連通され、
前記収容槽内の水位よりも前記流下配管内の水位が上位となるように前記流下配管内に前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽内の嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてなる請求項2記載の嫌気処理装置。 - 前記収容槽は、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得るように構成されてなる請求項3記載の嫌気処理装置。
- 前記濃縮水生成装置が、前記収容槽と別体の槽を備え、該別体の槽が、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得る分離槽である請求項3記載の嫌気処理装置。
- 前記濃縮水生成装置が、反応槽外に排出された嫌気処理水を収容する収容部と、該収容部の嫌気処理水を加圧する加圧手段とを備え、該加圧手段が、ブロワ、コンプレッサー又はポンプである請求項1記載の嫌気処理装置。
- グラニュールを有する反応槽内で該グラニュールによって有機物含有廃水を嫌気処理して嫌気処理水を得、該反応槽の水面側から嫌気処理水を流出することにより嫌気処理水を該反応槽外に排出する嫌気処理方法において、
該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、グラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも少ない分離処理水、及びグラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも多い濃縮水を得る濃縮水生成工程と、該濃縮水を前記反応槽に返送する濃縮水返送工程とを実施することを特徴とする嫌気処理方法。 - 前記濃縮水生成工程では、該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得る濃縮水生成装置によって、該反応槽外に排出された嫌気処理水から、前記分離処理水及び前記濃縮水を得、
前記濃縮水生成装置が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下する流下配管を備えてなる請求項8記載の嫌気処理方法。 - 前記濃縮水生成装置が、嫌気処理水を収容する収容槽を備え、
前記流下配管が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下して前記収容槽に移送するように構成され、
該流下配管の少なくとも一部が、前記収容槽よりも上位に配され、
前記流下配管が、前記収容槽と気密に連通され、
前記濃縮水生成工程では、前記収容槽内の水位よりも前記流下配管内の水位が上位となるように前記流下配管内に前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽の嫌気処理水を加圧状態にする請求項9記載の嫌気処理方法。 - 前記濃縮水生成工程では、前記収容槽内で、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得る請求項10記載の嫌気処理方法。
- 前記濃縮水生成装置が、前記収容槽と別体の槽である分離槽を備え、
前記濃縮水生成工程では、該分離槽内で、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得る請求項10記載の嫌気処理方法。 - 前記濃縮水生成工程では、該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得る濃縮水生成装置によって、該反応槽外に排出された嫌気処理水から、前記分離処理水及び前記濃縮水を得、
前記濃縮水生成装置が、反応槽外に排出された嫌気処理水を収容する収容部と、該収容部の嫌気処理水を加圧する加圧手段とを備え、該加圧手段が、ブロワ、コンプレッサー又はポンプであり、
前記濃縮水生成工程では、前記加圧手段により、前記収容部の嫌気処理水を加圧する請求項8記載の嫌気処理方法。
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