JP5759210B2 - 嫌気処理装置及び嫌気処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、嫌気処理装置及び嫌気処理方法に関し、例えば、有機物含有廃水をグラニュールによって嫌気処理する嫌気処理装置及び嫌気処理方法に関する。
従来、有機物含有廃水(例えば、し尿廃水、下水、工場廃水(食品工場、化学工場、電子産業工場、パルプ工場等の工場からの廃水)等)の浄化処理においては、嫌気処理装置が用いられており、この嫌気処理装置は、嫌気性微生物(例えば、酸生成菌、メタン生成菌等)を含有するグラニュール状の汚泥(「菌体グラニュール」や「グラニュール」ともいう。)を有し且つ該グラニュールによって有機物含有廃水が嫌気処理されることにより嫌気処理水を得る反応槽が備えられてなり、該反応槽の水面側から嫌気処理水が流出されることにより、嫌気処理水が該反応槽外に排出されるように構成されてなる。
このような嫌気処理においては、例えば、有機物含有廃水中の有機物(例えば、たんぱく質や多糖類等)が、加水分解による低分子化および酸生成菌による有機酸(例えば、酢酸等)の生成を経て、さらにメタン生成菌によりガス(例えば、メタンガス、炭酸ガス等)に分解されることで、有機物含有廃水から有機物が除去される。
しかるに、このような嫌気処理装置においては、生成したガスが、グラニュールの内部に溜まったり、又はグラニュール表面に付着することにより、グラニュールが反応槽の水面まで浮上してしまう場合がある。その結果、嫌気処理水とともにグラニュールが反応槽外へ排出され、反応槽内のグラニュールが減少し、有機物の除去能力が低下するという問題がある。
斯かる観点から、破砕装置を用いて、浮上したグラニュールを破砕する嫌気処理装置が提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
この嫌気処理装置は、浮上したグラニュールからこのグラニュールの外部へガスを排出することができるため、グラニュールが沈降しやすくなり、グラニュールの流出が抑制されるという利点がある。
特許第2884971号公報 特許第3175480号公報 特許第3358321号公報 特許第3358322号公報
しかしながら、特許文献1〜4の嫌気処理装置は、グラニュールが過度に破砕されて細粒化されるという問題がある。
そして、グラニュールが細粒化されると、投影面積当たりの重量が小さくなって、グラニュールの沈降性が低下する。また、グラニュールが細粒化されると、破砕により球面形状であったグラニュールの形状が崩れて水の抵抗が増大することから、グラニュールの沈降性が低下する。さらに、グラニュールが細粒化されると、単位重量当たりの表面積が高まるため、嫌気処理により生成された気泡がグラニュール表面に付着する確率が高まる。その結果、グラニュールがかえって浮上しやすくなり、グラニュールが反応槽から流出されやすくなる。
このような問題に対して、細粒化したグラニュールを用いて廃水を生物処理することによって、該グラニュールの粒の大きさをより大きなものにしてグラニュールの沈降性を高めることが考えられるが、これには、時間を要するという問題がある。
従って、特許文献1〜4の嫌気処理装置は、依然として有機物含有廃水から有機物を効率良く除去することができないという問題を有している。
本発明は、上記問題点及び要望点に鑑み、有機物含有廃水から有機物を効率良く除去し得る嫌気処理装置を提供することを課題とする。
本発明は、グラニュールを有し且つ該グラニュールによって有機物含有廃水が嫌気処理されることにより嫌気処理水を得る反応槽が備えられてなり、該反応槽の水面側から嫌気処理水が流出されることにより、嫌気処理水が該反応槽外に排出されるように構成されてなる嫌気処理装置であって、
該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、グラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも少ない分離処理水、及びグラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも多い濃縮水を得るように構成された濃縮水生成装置が備えられ、
該濃縮水が前記反応槽に返送されるように構成されてなることを特徴とする嫌気処理装置にある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、グラニュールを含む嫌気処理水を加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧することにより、該嫌気処理水のグラニュールの沈降性が高まることを見出し、この現象を利用した構成を有する本発明を想到するに至った。
即ち、本発明は、該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水、及び前記濃縮水を得るように構成された濃縮水生成装置が備えられ、該濃縮水が前記反応槽に返送されるように構成されてなることにより、グラニュールを前記嫌気処理水から効率よく回収して前記反応槽へ返送することができる。そして、前記反応槽内のグラニュール濃度を高く維持でき、有機物を効率良く除去しうるという利点がある。
なお、ガスを有するグラニュールが含有された嫌気処理水を加圧状態にすることによって、嫌気処理水中のグラニュールの沈降性が高まることは、後述の実施例から明らかである。このような現象が生じる理由は定かではないが、ガスを有するグラニュールが含有された嫌気処理水に圧力がかかることにより、該グラニュールにも圧力がかかり、グラニュール内部のガス及びグラニュール表面に付着したガスが水中に溶解されやすくなり、これらのガスがグラニュールから外れやすくなって、グラニュールの沈降性が高まるものと考えられる。
また、本発明に係る嫌気処理装置は、好ましくは、前記濃縮水生成装置が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下する流下配管を備えてなる。
斯かる嫌気処理装置は、前記流下配管内の嫌気処理水に、より上側から流下する流下配管内の嫌気処理水から圧力がかかるため、エネルギー効率良く前記流下配管内の嫌気処理水が加圧されるという利点がある。また、前記嫌気処理水が前記流下配管を流下することにより、ガスを有するグラニュールが水面に浮上するのを抑制でき、より確実に該グラニュールに加圧することが可能となるという利点もある。
また、前記流下配管を有する嫌気処理装置は、好ましくは、前記濃縮水生成装置が、嫌気処理水を収容する収容槽を備え、
前記流下配管が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下して前記収容槽に移送するように構成され、
該流下配管の少なくとも一部が、前記収容槽よりも上位に配され、
前記流下配管が、前記収容槽と気密に連通され、
前記収容槽内の水位よりも前記流下配管内の水位が上位となるように前記流下配管内に前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽内の嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてなる。
斯かる嫌気処理装置は、前記濃縮水生成装置が、嫌気処理水を収容する収容槽を備え、
前記流下配管が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下して前記収容槽に移送するように構成され、また、該流下配管の少なくとも一部が、前記収容槽よりも上位に配され、前記流下配管が、前記収容槽と気密に連通され、さらに、前記収容槽内の水位よりも前記流下配管内の水位が上位となるように前記流下配管内に前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽内の嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてなることで、以下の利点がある。
すなわち、重力によって流下する前記流下配管の嫌気処理水により、前記収容槽内の嫌気処理水に大気圧よりも大きな圧力を掛けることができるため、エネルギー効率良く前記収容槽内の嫌気処理水が加圧されるという利点がある。また、重力を用いて嫌気処理水を移送することができるため、エネルギー効率よく嫌気処理水を移送することができるという利点がある。
従って、斯かる嫌気処理装置は、有機物含有廃水から有機物をより一層効率良く除去し得る。
また、前記収容槽及び前記流下配管を有する嫌気処理装置は、好ましくは、前記収容槽が、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得るように構成されてなる。
斯かる嫌気処理装置は、前記収容槽内で嫌気処理水を加圧状態にすることができ、さらに、加圧状態にされた嫌気処理水から、前記分離処理水及び前記濃縮水を得ることができることから、装置のコンパクトを図ることができるという利点がある。
さらに、前記収容槽及び前記流下配管を有する嫌気処理装置は、好ましくは、前記濃縮水生成装置が、前記収容槽と別体の槽を備え、該別体の槽が、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得る分離槽である。
斯かる嫌気処理装置は、斯かる構成を有することにより、前記収容槽で嫌気処理水を加圧状態にしつつ、前記分離槽ですでに加圧状態にされた嫌気処理水から、前記分離処理水及び前記濃縮水を得ることができることから、有機物含有廃水から有機物をより一層効率良く除去し得るという利点がある。
また、本発明に係る嫌気処理装置は、好ましくは、前記濃縮水生成装置が、反応槽外に排出された嫌気処理水を収容する収容部と、該収容部の嫌気処理水を加圧する加圧手段とを備え、該加圧手段が、ブロワ、コンプレッサー又はポンプである。
斯かる嫌気処理装置は、前記加圧手段により、確実に該嫌気処理水を加圧状態にすることができることから、有機物含有廃水から有機物をより一層効率良く除去し得るという利点がある。
さらに、本発明に係る嫌気処理装置は、好ましくは、加圧開始からの経過時間t(秒)における嫌気処理水のグラニュールにかかる圧力をP(t)(MPa)とし、加圧状態の全時間をT(秒)としたときに、P(t)(MPa)とT(秒)との関係が、下記式(1)の範囲内となるように構成されてなる。
Figure 0005759210
斯かる嫌気処理装置は、斯かる構成を有することにより、グラニュールを含む嫌気処理水を、より一層高い圧力でより長時間加圧状態にすることが可能となることから、該嫌気処理水のグラニュールの沈降性が高まり、有機物含有廃水から有機物をより一層効率良く除去し得るという利点がある。
さらに、本発明は、グラニュールを有する反応槽内で該グラニュールによって有機物含有廃水を嫌気処理して嫌気処理水を得、該反応槽の水面側から嫌気処理水を流出することにより嫌気処理水を該反応槽外に排出する嫌気処理方法において、
該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、グラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも少ない分離処理水、及びグラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも多い濃縮水を得る濃縮水生成工程と、該濃縮水を前記反応槽に返送する濃縮水返送工程とを実施することを特徴とする嫌気処理方法にある。
本発明によれば、有機物含有廃水から有機物をより一層効率良く除去し得る。
一実施形態に係る嫌気処理装置の概略図。 一実施形態に係る嫌気処理装置の概略図。 一実施形態に係る嫌気処理装置の概略図。 一実施形態に係る嫌気処理装置の概略図。 積分値(MPa・秒)と沈降割合(%)との関係を示す図。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の嫌気処理装置1は、グラニュールを有し且つ該グラニュールによって有機物含有廃水Aが嫌気処理されることにより嫌気処理水及びガスDを得る反応槽2が備えられてなる。また、本実施形態の嫌気処理装置1は、該反応槽2の水面側から嫌気処理水が流出されることにより、嫌気処理水が該反応槽2外に排出されるように構成されてなる。
前記嫌気処理は、前記有機物含有廃水Aに含まれる有機物を嫌気状態で嫌気性微生物(例えば、酸生成菌、メタン生成菌等)により分解する処理を意味する。
また、本実施形態の嫌気処理装置1は、該反応槽2外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽2外に排出されて嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、グラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも少ない分離処理水B、及びグラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも多い濃縮水C、及びガスDを得るように構成された濃縮水生成装置3が備えられてなる。
さらに、本実施形態の嫌気処理装置1は、前記濃縮水生成装置3で得られた濃縮水Cが前記反応槽2に返送されるように構成されてなる。
さらに、本実施形態の嫌気処理装置1は、前記反応槽2の下部に有機物含有廃水Aが供給されるように構成されてなる。
また、本実施形態の嫌気処理装置1は、反応槽2で得られたガスDがガス貯留槽(図示せず)に移送され、前記反応槽2外に排出された嫌気処理水が前記濃縮水生成装置3に移送され、濃縮水生成装置3で得られた分離処理水Bが分離処理水貯留槽(図示せず)に移送され、濃縮水生成装置3で得られた濃縮水Cが反応槽2及び濃縮水貯留槽(図示せず)に移送され、濃縮水生成装置3で得られたガスDがガス貯留槽(図示せず)に移送されるように構成されてなる。
また、本実施形態の嫌気処理装置1は、有機物含有廃水Aを反応槽2に移送する廃水移送経路4aと、ガスを反応槽2からガス貯留槽(図示せず)に移送する第1ガス移送経路4bと、反応槽2外に排出された嫌気処理水を濃縮水生成装置3に移送する嫌気処理水移送経路4cと、分離処理水Bを分離処理水貯留槽(図示せず)に移送する分離処理水移送経路4dと、濃縮水Cを反応槽2に移送(返送)する第1濃縮水移送経路(濃縮水返送経路)4eと、濃縮水Cを濃縮水貯留槽(図示せず)に移送する第2濃縮水移送経路4fと、ガスを濃縮水生成装置3からガス貯留槽(図示せず)に移送する第2ガス移送経路4gとを備えてなる。
前記有機物含有廃水Aは、前記嫌気性微生物により生物分解され得る有機物等を含有する廃水であれば、特に限定されるものではないが、該有機物含有廃水Aとしては、例えば、し尿廃水、下水、工場廃水(食品工場、化学工場、電子産業工場、パルプ工場等の工場からの廃水)等が挙げられる。前記反応槽2入口(有機物含有廃水Aの反応槽2内への流入口)における有機物含有廃水AのBOD濃度は、例えば、10〜10,000mg/Lであり、より具体的には20〜2,000mg/Lである。また、前記反応槽2入口における有機物含有廃水AのCODcr濃度は、20〜20,000mg/Lであり、より具体的には40〜4,000mg/Lである。
さらに、本実施形態の嫌気処理装置1は、前記反応槽2に於いて、グラニュールが、好ましくは、運転時(廃水供給時)に、底から水面の高さの3/4以上充填され、より好ましくは前記反応槽2内の略全体に充填されるように構成されてなる。
また、本実施形態の嫌気処理装置1は、前記反応槽2には、水面下のグラニュールの濃度が、好ましくは20,000〜100,000mg−SS/L、より好ましくは30,000〜100,000mg−SS/Lとなるようにグラニュールが存在するように構成されてなる。
さらに、本実施形態の嫌気処理装置1は、前記反応槽2の下部に供給された有機物含有廃水Aが、反応槽2内を上方に移流されながら嫌気処理されて、嫌気処理水が生成されるように構成されてなる。また、嫌気処理水中のグラニュールからガスを取り除く処理が反応槽2内で意図的には行われずに、反応槽2の上部から前記嫌気処理水が排出されるように構成されてなる。即ち、前記反応槽2が、槽内の嫌気処理水から、グラニュール及びガスDを分離する気固液分離機構(図示せず)を備えない構成となっている。
前記濃縮水生成装置3は、前記反応槽2外に排出された嫌気処理水を重力によって流下する流下配管32を備えてなる。また、前記濃縮水生成装置3は、嫌気処理水を収容する収容槽31を備えてなる。さらに、前記濃縮水生成装置3は、前記流下配管32が、前記反応槽2外に排出された嫌気処理水を重力によって流下して前記収容槽31に移送するように構成されてなる。
また、前記濃縮水生成装置3は、前記流下配管32を流下する嫌気処理水の鉛直下向きの流速が、収容槽31との境界で、好ましくは0.05m/秒以上、より好ましくは0.2〜2m/秒、更により好ましくは0.5〜1.5m/秒となるように構成されてなる。
本発明に係る嫌気処理装置1は、前記流速が0.05m/秒以上であることにより、前記流下配管32を流下する嫌気処理水に含まれるグラニュールが、流下配管32で浮上するのを抑制することができるため、より多くのグラニュールが収容槽31まで移送される。その結果、より多くのグラニュールが反応槽2まで返送され、有機物含有廃水Aから有機物をより一層効率良く除去することができる。
また、本発明に係る嫌気処理装置1は、前記流速が2m/秒以下であることにより、前記流下配管32を嫌気処理水が流下する際の圧力損失が抑制され、水位差による圧力をより有効に収容槽31内の嫌気処理水の加圧に利用できるという利点がある。
さらに、前記濃縮水生成装置3は、該流下配管32の少なくとも一部が、前記収容槽31よりも上位に配され、前記流下配管32が、前記収容槽31と気密に連通され、前記収容槽31内の嫌気処理水の水位よりも前記流下配管32内の嫌気処理水の水位が上位となるように前記流下配管32内に前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽31内の嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてなる。また、前記濃縮水生成装置3は、斯かる構成を有することにより、前記流下配管32内の嫌気処理水にも、より上側から流下する流下配管32内の嫌気処理水から圧力がかかるため、エネルギー効率良く前記流下配管32内の嫌気処理水も加圧される。
また、前記濃縮水生成装置3は、前記収容槽31内で得られたガスDがガス貯留槽(図示せず)に移送されるように構成されてなる。また、前記濃縮水生成装置3は、前記収容槽31内で得られたガスDをガス貯留槽(図示せず)に移送する第2−1ガス移送経路4g1を備えてなる。
さらに、前記濃縮水生成装置3は、前記収容槽31と別体の槽33を備えてなる。
該別体の槽33は、前記収容槽31で加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水B、前記濃縮水C、及び前記ガスDを得る分離槽33である。
また、前記濃縮水生成装置3は、前記分離槽33内で得られたガスDがガス貯留槽(図示せず)に移送されるように構成されてなる。また、前記濃縮水生成装置3は、前記分離槽33内で得られたガスDをガス貯留槽(図示せず)に移送する第2−2ガス移送経路4g2を備えてなる。
さらに、前記濃縮水生成装置3は、前記収容槽31で加圧状態にされた嫌気処理水を前記分離槽33に移送するように構成されてなる立ち上がり配管34を備えてなる。該立ち上がり配管34は、少なくとも一部が、前記収容槽31よりも上位に配されてなる。
また、前記濃縮水生成装置3は、前記流下配管32及び前記分離槽33が前記収容槽31及び前記立ち上がり配管34を介して連通するように構成されてなる。また、前記濃縮水生成装置3は、前記流下配管32内に前記収容槽31よりも上位まで前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽31内の嫌気処理水の水位よりも前記流下配管32内の水位が上位となり、且つ前記流下配管32の水面及び前記分離槽33の水面が同じ高さとなるように構成されてなることにより、前記収容槽31内の嫌気処理水が加圧されるように構成されてなる。
また、前記濃縮水生成装置3は、加圧開始からの経過時間t(秒)における嫌気処理水のグラニュールにかかる圧力をP(t)(MPa)とし、加圧状態の全時間をT(秒)としたときに、P(t)(MPa)とT(秒)との関係が、下記式(1)の範囲内となるように構成されてなる。
Figure 0005759210
なお、本実施形態の圧力の値は、ゲージ圧を意味する。
また、P(t)は、具体的には、各グラニュール(ガスを有するグラニュール)が加圧され始めた加圧開始からの経過時間t(秒)における嫌気処理水中の該各グラニュールの圧力を意味する。また、T(秒)は、具体的には、各グラニュールに対する加圧状態の全時間を意味する。
例えば、前記流下配管32が、鉛直下方向に延びる鉛直配管部と、水平方向に延びる水平配管部とを備え、且つ前記流下配管32の水面が一定である(流下配管の下端における嫌気処理水の圧力が一定である)場合には、以下のようにして、上記式(1)の左辺の値(以下、「積分値」ともいう。)を求めることができる。
なお、鉛直下方向に延び且つ水平方向にも延びる部分のうち、鉛直下方向から水平方向に水流が変わる変わり目部分は、鉛直配管部に含まれず、水平配管部に含まれるものとし、また、鉛直下方向に延び且つ水平方向にも延びる部分のうち、水平方向から鉛直下方向に水流が変わる部分は、水平配管部に含まれず、鉛直配管部に含まれるものとして、前記積分値を下記のように算出する。
(前記積分値のうちの前記鉛直配管部の成分)
前記鉛直配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力は、前記鉛直配管部内の嫌気処理水の圧力と同じとみなすことができる。また、前記鉛直配管部内の嫌気処理水の圧力は、深さ方向に向かうに連れて直線的に増加する。よって、前記鉛直配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力の平均値は、前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力を測定することにより、下記式で求められる。
前記鉛直配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力の平均値(MPa)= 前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力(MPa)×0.5
また、前記鉛直配管部を嫌気処理水が流下する所要時間(鉛直配管部の所要時間)(秒)は、鉛直配管部内の容量(m3 )(=鉛直配管部の断面積×鉛直配管部の長さ)と、該鉛直配管部を嫌気処理水が流下する流量(鉛直配管部の流量)(m3 /秒)から、下記式で求められる。
該鉛直配管部の所要時間(秒) = 該鉛直配管部内の容量(m3 )/該鉛直配管部の流量(m3 /秒)
従って、前記積分値のうちの前記鉛直配管部の成分は、下記式で求められる。
前記積分値のうちの前記鉛直配管部の成分(MPa・秒) = 前記鉛直配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力の平均値(MPa)×該鉛直配管部の所要時間(秒) = 前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力(MPa)×0.5×該鉛直配管部の容量(m3 )/該鉛直配管部の流量(m3 /秒)
(前記積分値のうちの前記水平配管部の成分)
前記水平配管部では、グラニュールは、前記水平配管部の水面(上端)に浮上し得るから、前記水平配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力は、前記水平配管部の水面における嫌気処理水の圧力と同じとみなすことができる。よって、前記水平配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力は、前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力を測定することにより、下記式で求められる。
前記水平配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力(MPa) = 前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力(MPa) − 前記流下配管32の下端と水平配管部の水面との水頭差の絶対値(MPa)
また、前記水平配管部を嫌気処理水が移動する所要時間(水平配管部の所要時間)(秒)は、水平配管部内の容量(m3 )(=水平配管部の断面積×水平配管部の長さ)と、該水平配管部を嫌気処理水が移動する流量(水平配管部の流量)(m3 /秒)から、下記式で求められる。
該水平配管部の所要時間(秒) = 該水平配管部の容量(m3 )/該水平配管部の流量(m3 /秒)
従って、前記積分値のうちの前記水平配管部の成分は、下記式で求められる。
前記積分値のうちの前記水平配管部の成分(MPa・秒) = 前記水平配管部内の嫌気処理水のグラニュールの圧力(MPa)×該水平配管部の所要時間(秒) = (前記流下配管32の下端における嫌気処理水の圧力(MPa) − 前記流下配管32の下端と水平配管部との水頭差の絶対値(MPa))×該水平配管部の容量(m3 )/該水平配管部の流量(m3 /秒)
(前記積分値のうちの前記収容槽の成分)
前記積分値のうちの前記収容槽の成分は、前記積分値のうちの前記水平配管部の成分と同様な方法で算出することができる。
(積分値)
そして、前記積分値は、前記積分値のうちの前記鉛直配管部の成分と、前記積分値のうちの前記水平配管部の成分と、前記積分値のうちの前記収容槽の成分との合計から求めることができる。
なお、前記流下配管32が、前記鉛直配管部及び前記水平配管部に加えて、水平方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜配管部を含む場合には、前記積分値のうちの前記傾斜配管部の成分は、前記鉛直配管部と同様な方法で算出することができる。そして、前記積分値は、前記積分値のうちの前記鉛直配管部の成分と、前記積分値のうちの前記水平配管部の成分と、前記積分値のうちの前記傾斜配管部の成分と、前記積分値のうちの前記収容槽の成分との合計から求めることができる。
さらに、前記濃縮水生成装置3は、前記P(t)(MPa)と前記T(秒)との関係が、より好ましくは下記式(2)、さらに好ましくは下記式(3)の範囲内となるように構成されてなる。
Figure 0005759210
Figure 0005759210
本実施形態の嫌気処理装置1は、上記の如く構成されてなるが、本実施形態の嫌気処理方法は、本実施形態の嫌気処理装置1を用いて、有機物含有廃水Aから有機物を除去する方法である。
具体的には、本実施形態の嫌気処理方法では、前記反応槽2内で該グラニュールによって有機物含有廃水を嫌気処理して嫌気処理水を得、該反応槽2の水面側から嫌気処理水を流出することにより嫌気処理水を該反応槽2外に排出する嫌気処理工程と、該反応槽2外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽2外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水、及び前記濃縮水を得る濃縮水生成工程と、該濃縮水を前記反応槽2に返送する濃縮水返送工程とを実施する。
尚、本実施形態の嫌気処理装置1及び嫌気処理方法は、上記構成を有するものであったが、本発明の嫌気処理装置1及び嫌気処理方法は、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。
例えば、本実施形態の嫌気処理装置1は、前記濃縮水生成装置3が分離槽33を有してなるが、図2に示すように、本発明の嫌気処理装置1は、前記濃縮水生成装置3が前記分離槽33を有さずに、前記収容槽31が、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水B、前記濃縮水C及び前記ガスDを得るように構成されてもよい。
斯かる嫌気処理装置1は、前記収容槽31で得られた濃縮水Cが反応槽2及び濃縮水貯留槽(図示せず)に移送されるように構成されてなる。また、前記立ち上がり配管34は、前記分離処理水移送経路4dに直接接続されてなる。
さらに、斯かる嫌気処理装置1は、前記流下配管32内に前記収容槽31よりも上位まで前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽31内の嫌気処理水の水位よりも前記流下配管32内の水位が上位となり、且つ前記流下配管32の水面及び前記立ち上がり配管34の水面が同じ高さとなるように構成されてなることにより、前記収容槽31内の嫌気処理水が加圧されるように構成されてなる。
また、図2の実施形態の嫌気処理装置1は、前記濃縮水生成装置3が立ち上がり配管34を備えてなるが、図3に示すように、本発明の嫌気処理装置1は、前記収容槽31が、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水B、前記濃縮水C及び前記ガスDを得るように構成されている態様の場合には、前記分離処理水移送経路4dが、前記収容槽31で得られた分離処理水Bを分離処理水貯留槽(図示せず)に移送するように構成され、該分離処理水移送経路4d内の流路を開閉する圧力調整弁4d1を備えるように構成されてもよい。斯かる嫌気処理装置1は、前記圧力調整弁4d1により前記分離処理水移送経路4dの流路が閉状態となり、前記流下配管32内に前記収容槽31よりも上位まで前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽31内の嫌気処理水が加圧されるように構成されてなる。
また、図示していないが、本発明の嫌気処理装置1は、前記濃縮水生成装置3が前記分離槽33を備える態様の場合には、前記濃縮水生成装置3が、前記立ち上がり配管34の代わりに、前記収容槽31で得られた嫌気処理水を前記分離槽33に移送する嫌気処理水移送経路(図示せず)を備え、該嫌気処理水移送経路(図示せず)が該嫌気処理水移送経路(図示せず)内の流路を開閉する圧力調整弁を備えるように構成されてもよい。
さらに、本実施形態の嫌気処理装置1は、前記濃縮水生成装置3が前記収容槽31を備えてなるが、図4に示すように、前記濃縮水生成装置3が前記収容槽31を備えない態様であってもよい。
本実施形態の嫌気処理装置1は、水位差を利用して嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてなるが、本発明の嫌気処理装置は、前記濃縮水生成装置が、反応槽外に排出された嫌気処理水を収容する収容部と、該収容部の嫌気処理水を加圧する加圧手段とを備え、該加圧手段が、ブロワ、コンプレッサー又はポンプであってもよい。
具体的には、本発明の嫌気処理装置は、前記濃縮水生成装置が、反応槽外に排出された嫌気処理水を収容する収容部と、該収容部の嫌気処理水の水面上に空気を吹き付けるブロワとを備え、該ブロワから吹き付けられる空気で該嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてもよい。
さらに、本発明の嫌気処理装置は、前記濃縮水生成装置が、前記収容部と、空気を圧縮するコンプレッサーとを備え、該コンプレッサーで圧縮された空気を嫌気処理水の水面上に吹き付けることにより、前記嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてもよい。
また、本発明の嫌気処理装置は、前記濃縮水生成装置が、前記収容部と、反応槽外に排出された嫌気処理水を該収容部に圧送するポンプを備え、該ポンプにより前記収容部に嫌気処理水を圧送することにより、前記嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてもよい。
前記収容部は、管状に形成されたものであってもよく、槽であってもよい。
さらに、本発明の嫌気処理装置1が、前記ブロワ、前記コンプレッサー若しくは前記ポンプを備える態様である場合には、前記濃縮水生成装置は、P(t)(MPa)とT(秒)との関係が、好ましくは下記式(1)の範囲内となるように構成されてなる。ここで、該圧力は、前記収容部内の最上位の水位における圧力を意味する。前記収容部内の最上位の水位付近に、浮上するグラニュールが集まるため、該最上位の水位に所定の圧力をかける必要があるからである。
Figure 0005759210
さらに、本実施形態の嫌気処理装置1は、前記反応槽2内に前記気固液分離機構を備えないように構成されてなるが、本発明の嫌気処理装置は、前記反応槽内に前記気固液分離機構を備えてもよい。例えば、前記反応槽は、一般的なUASB(上向流スラッジブランケット)方式の反応槽であってもよい。また、前記反応槽は、EGSB(展開粒状汚泥床)方式の反応槽であってもよい。
次に、試験例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
<試験例1>
(加圧例1)
ガスが付着して浮上しやすいグラニュールを含む嫌気処理水1,000mLを密閉容器に入れた。次に、コンプレッサーで圧縮した圧縮空気によって、該密閉容器内の嫌気処理水の水面部分の圧力(ゲージ圧)を、0MPa(常圧)の状態から0.05MPaになるまで0.05MPa/秒の一定の割合で1秒間上昇させた。そして、該水面部分の圧力が0.05MPaに到達後は、該水面部分の圧力を0.05MPaに保持して嫌気処理水に圧力をかけた。
この加圧状態の際に、圧力をかけ始めてから1秒後、11秒後、及び31秒後における沈降割合(加圧によって沈んだグラニュールの粒子数/加圧前の浮上グラニュールの粒子数)をそれぞれ求めた。
ここで、水面付近に浮かんでいるグラニュールを浮上グラニュールとし、その他のグラニュールを沈んだグラニュールとした。また、グラニュールの粒子数は、目視で数えた。
(加圧例2)
密閉容器内の嫌気処理水の水面部分の圧力(ゲージ圧)を、0MPa(常圧)の状態から0.10MPaになるまで0.05MPa/秒の一定の割合で2秒間上昇させたこと、水面部分の圧力が0.10MPaに到達後は、該水面部分の圧力を0.10MPaに保持して嫌気処理水に圧力をかけたこと、加圧状態の際に、圧力をかけ始めてから2秒後、12秒後、及び32秒後における沈降割合をそれぞれ求めたこと以外は、加圧例1と同様にして沈降割合を求めた。
(加圧例3)
密閉容器内の嫌気処理水の水面部分の圧力(ゲージ圧)を、0MPa(常圧)の状態から0.15MPaになるまで0.05MPa/秒の一定の割合で3秒間上昇させたこと、水面部分の圧力が0.15MPaに到達後は、該水面部分の圧力を0.15MPaに保持して嫌気処理水に圧力をかけたこと、加圧状態の際に、圧力をかけ始めてから3秒後、13秒後、33秒後、63秒後、及び303秒後における沈降割合をそれぞれ求めたこと以外は、加圧例1と同様にして沈降割合を求めた。
(加圧例4)
密閉容器内の嫌気処理水の水面部分の圧力(ゲージ圧)を、0MPa(常圧)の状態から0.20MPaになるまで0.05MPa/秒の一定の割合で4秒間上昇させたこと、水面部分の圧力が0.20MPaに到達後は、該水面部分の圧力を0.20MPaに保持して嫌気処理水に圧力をかけたこと、加圧状態の際に、圧力をかけ始めてから4秒後、14秒後、及び34秒後における沈降割合をそれぞれ求めたこと以外は、加圧例1と同様にして沈降割合を求めた。
圧力をかけ始めた時点(0秒)から沈降割合を測定した時点まで経過した時間(T秒)で、時間変化した圧力P(t)を積分した値(積分値)と、沈降割合との関係を表1及び図5に示す。
なお、加圧例1において、圧力をかけ始めてから11秒経過した時間で、時間変化した圧力P(t)を積分した値は、下記式のようにして求められる。
Figure 0005759210
Figure 0005759210
図5及び表1に示すように、積分値が1.5MPa・秒となるように加圧すると、沈降割合が48.9%となった。また、積分値が1.7MPa・秒となるように加圧すると沈降割合が60.7%となった。さらに、積分値が3.1MPa・秒となるように加圧すると沈降割合が79.2%となった。また、積分値が9.2MPa・秒となるように加圧すると沈降割合が93.8%となった。
このように、積分値が1.5MPa・秒以上となるように加圧することにより、48.9%以上のグラニュールを沈降させることが可能となり、積分値が3.1MPa・秒以上となるように加圧することにより、79.2%以上のグラニュールを沈降させることが可能となる。
なお、常圧(ゲージ圧:0MPa)に戻す前の加圧状態で沈降したグラニュールは、密閉容器の底部に沈降していた。
<試験例2>
ガスが付着して浮上しやすいグラニュールを含む嫌気処理水が流下配管を流下する際に、該グラニュールが流下に逆らって浮上してしまうのを抑制することができる、嫌気処理水の流下速度を求めるべく下記試験を行った。
すなわち、水が収容された円筒状の容器(直径:50mm)内の下側部分に、ガスが付着して浮上しやすいグラニュールを入れ、グラニュール(鉛直方向の速度が0.00m/秒であるグラニュール)が500mm浮上するのに要する時間を測定することで、該グラニュールの浮上速度を算出した。
20個のグラニュールに対してグラニュールの浮上速度を求めた結果、最も大きかったグラニュールの浮上速度は0.05m/秒であった。
1:嫌気処理装置、2:反応槽、3:濃縮水生成装置、4a:廃水移送経路、4b:第1ガス移送経路、4c:嫌気処理水移送経路、4d:分離処理水移送経路、4d1:圧力調整弁、4e:第1濃縮水移送経路(濃縮水返送経路)、4f:第2濃縮水移送経路、4g:第2ガス移送経路、4g1:第2−1ガス移送経路、4g2:第2−2ガス移送経路、31:収容槽、32:流下配管、33:収容槽と別体の槽(分離槽)、34:立ち上がり配管、A:有機物含有廃水、B:分離処理水、C:濃縮水、D:ガス

Claims (4)

  1. グラニュールを有し且つ該グラニュールによって有機物含有廃水が嫌気処理されることにより嫌気処理水を得る反応槽が備えられてなり、該反応槽の水面側から嫌気処理水が流出されることにより、嫌気処理水が該反応槽外に排出されるように構成されてなる嫌気処理装置であって、
    該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、グラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも少ない分離処理水、及びグラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも多い濃縮水を得るように構成された濃縮水生成装置が備えられ、
    該濃縮水が前記反応槽に返送されるように構成されてなり、
    前記濃縮水生成装置が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下する流下配管を備えてなり、
    前記濃縮水生成装置が、嫌気処理水を収容する収容槽を備え、
    前記流下配管が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下して前記収容槽に移送するように構成され、
    該流下配管の少なくとも一部が、前記収容槽よりも上位に配され、
    前記流下配管が、前記収容槽と気密に連通され、
    前記収容槽内の水位よりも前記流下配管内の水位が上位となるように前記流下配管内に前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽内の嫌気処理水を加圧状態にするように構成されてなり、
    前記濃縮水生成装置が、前記収容槽と別体の槽を備え、該別体の槽が、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得る分離槽であることを特徴とする嫌気処理装置。
  2. 加圧開始からの経過時間t(秒)における嫌気処理水のグラニュールにかかる圧力をP(t)(MPa)とし、加圧状態の全時間をT(秒)としたときに、P(t)(MPa)とT(秒)との関係が、下記式(1)の範囲内となるように構成されてなる請求項1に記載の嫌気処理装置。
    Figure 0005759210
  3. グラニュールを有する反応槽内で該グラニュールによって有機物含有廃水を嫌気処理して嫌気処理水を得、該反応槽の水面側から嫌気処理水を流出することにより嫌気処理水を該反応槽外に排出する嫌気処理方法において、
    該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、グラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも少ない分離処理水、及びグラニュールの含有率が該嫌気処理水よりも多い濃縮水を得る濃縮水生成工程と、該濃縮水を前記反応槽に返送する濃縮水返送工程とを実施し、
    前記濃縮水生成工程では、該反応槽外に排出された嫌気処理水を気密に加圧状態にして、該反応槽外に排出された嫌気処理水に含まれるグラニュールを加圧し、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得る濃縮水生成装置によって、該反応槽外に排出された嫌気処理水から、前記分離処理水及び前記濃縮水を得、
    前記濃縮水生成装置が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下する流下配管を備えてなり、
    前記濃縮水生成装置が、嫌気処理水を収容する収容槽を備え、
    前記流下配管が、前記反応槽外に排出された嫌気処理水を重力によって流下して前記収容槽に移送するように構成され、
    該流下配管の少なくとも一部が、前記収容槽よりも上位に配され、
    前記流下配管が、前記収容槽と気密に連通され、
    前記濃縮水生成工程では、前記収容槽内の水位よりも前記流下配管内の水位が上位となるように前記流下配管内に前記嫌気処理水が満たされることにより、前記収容槽の嫌気処理水を加圧状態にし、
    前記濃縮水生成装置が、前記収容槽と別体の槽である分離槽を備え、
    前記濃縮水生成工程では、該分離槽内で、加圧状態にされた嫌気処理水から、沈降分離により、前記分離処理水及び前記濃縮水を得ることを特徴とする嫌気処理方法。
  4. 前記濃縮水生成工程では、加圧開始からの経過時間t(秒)における嫌気処理水のグラニュールにかかる圧力をP(t)(MPa)とし、加圧状態の全時間をT(秒)としたときに、P(t)(MPa)とT(秒)との関係を、下記式(1)の範囲内となるようにする請求項3に記載の嫌気処理方法。
    Figure 0005759210
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