JP2012187498A - 液状体の吐出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1軸方向に沿って並び、液状体を吐出する複数のノズルNと、前記1軸方向に沿って配置された予備ノズルNKが備えられ、前記複数のノズルNを副走査方向に移動させるときに、副走査前の前記複数のノズルNにおける吐出パターンと、副走査後の前記複数のノズルNにおける吐出パターンとが少なくとも1回の副走査において同一となるように、副走査前後で前記予備ノズルNKによる吐出を制御する。
【選択図】図3
Description
このような方法では、液状体に含まれる機能性材料を用いて、面内分布が少なく均一性が高い薄膜を被吐出体に形成するという観点から、複数のノズル間における液状体の吐出量は高い均一性を備えることが好ましい。吐出量の均一性が低いと、液状体の量や溶質の量にムラが生じるからである。
(第1実施形態)
図1は液状体を吐出する液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置100は、液状体10を液滴として吐出する吐出部が設けられた吐出ヘッド50、被吐出体としての基板Kに吐出して、所定の文字、図柄、画像、パターン、配線等を描画する装置である。本実施形態では、一定の周期を持つパターンで構成されるカラーフィルターや有機EL素子を主として描画対象としている。
液滴吐出装置100は、直線状に設けられた一対のガイドレール101と、ガイドレール101に設けられたエアースライダーとリニアモーター(図示せず)により一つの直線軸方向(本実施形態ではY軸方向とする)に移動する移動台103を備えている。移動台103上には、基板Kを載置するための載置テーブル105が設けられている。基板Kは、載置テーブル105に吸着固定されるように構成されている。
そして、液滴吐出装置100には、この一対のガイドレール102に沿って移動するキャリッジ120が備えられている。このキャリッジ120は、その両側にキャリッジ120と一体若しくは別体でキャリッジ移動台112が設けられ、ガイドレール102に設けられたエアースライダーとリニアモーター(いずれも図示せず)により、X軸方向に沿って移動可能に構成されている。
キャッピング装置130は、凹部が形成されたホルダー132に弾性部材からなるキャッピング部材131がはめ込まれている。キャッピング装置130は、この凹部内を吸引する吸引機構を備えている。また、ホルダー132が昇降可能に構成され、吐出ヘッド50まで移動可能に構成されている。
ワイピング装置150には、二つの回転ローラー151と、その間に配置された受け台154を備えている。回転ローラー151の間には布状のワイプ材155が配置され、ワイプ材155を間欠送りできる機構を備えている。そして、ワイピング装置150は、昇降可能に構成され、吐出ヘッド50の近傍まで移動して、吐出ヘッド50とワイプ材155とが接触可能に構成されている。
吐出ヘッド50が液滴吐出装置100に取り付けられた状態では、有効ノズル列58とノズルNKとは副走査方向に延在する。なお、有効ノズル列は1列に限らず2列以上設けられていても良いし、配列方向も副走査方向に対して傾いているなど、必ずしも副走査方向と一致しなくても差し支えない。
以下、予備ノズルNKを用いた吐出パターンの策定方法について図面を用いて説明する。図3は、予備ノズルを備えた有効ノズル列および予備ノズルの吐出パターン例を示す平面図である。ここでは、カラーフィルター250を形成する場合について例示している。ここで、ノズルNの数は説明を容易にするため、通常用いているノズル数よりもかなり少ない値で記載している。実際の吐出ヘッド50が備えるノズルNの数は、例えば180個あり、有効ノズル数は両端の10個分のノズルを使用しない条件、つまりノズルNの数は160個程度となる。なお、「改行」とは、ノズルNの端よりも外側に液滴121を吐出すべく、吐出ヘッド50を繰り返し周期の1周期分(例えば、有効ノズル列58と予備ノズルNKとを合わせた分)副走査方向に移動させた後、再び液滴121を有効ノズル列58を構成するノズルNや予備ノズルNKから吐出させる工程を指すものとする。
ここで、カラーフィルター250の配置に合わせて調整した複数のノズルNの吐出パターンとの間にずれが生じた場合、調整された有効パターン182を崩すこととなる。有効パターン182を崩すと各ノズルNからの吐出量のむらが増えるが、予備ノズルNKを用いて吐出パターン184を調整することで有効パターン182内での吐出パターンを変更することなくカラーフィルター250を形成することが可能となる。
図3では、吐出パターン184として有効パターン182の両端に予備ノズルNKを3つ配置したものを図示している。この場合には、予備ノズルNKの一つを吐出させることで、ピクセル251を、改行を介することなく、一回の吐出で形成することができる。吐出パターン184を繰り返して副走査を行うとピクセル251を、改行を介さず、かつ容易に調整しうる繰り返しパターンを用いて吐出を行えることから、ピクセル251の形成時に生じる吐出量のばらつきや、改行によるむらの発生を抑えることができる。換言すれば、複数のノズルNから基板Kに液状体10(共に図1参照)を吐出した後、副走査して移動させ、同じ有効パターン182が使えるように予備ノズルNKによって制御されているこことなる。
このことから、ばらつきの少ないカラーフィルター250を提供することができる。また、ピクセル251のピッチと、吐出パターン184とのピッチとのずれが生じた場合でも、予備パターンNKの吐出パターンを変更することで対応できる。即ち、調整した有効パターン182の吐出パターンの変更を抑えることが可能となるので、吐出量のばらつきによる品質低下を抑制することができる。
以下、比較例として、予備ノズルNKを用いない場合の吐出パターンの策定方法について図面を用いて説明する。図4(a)は、ピクセルが形成される領域に液滴を吐出するよう吐出パターンを策定した平面図である。この場合、図4(a)に示すように、ピクセル251の描画中に改行が行われる(190A)。また、吐出パターン190を用いて描画し、副走査方向に改行した後、最初の吐出パターン190と異なる吐出パターン190Gで描画することが必要となる。さらに、次の改行後にも異なる吐出パターン190Hを必要とする。
このような場合、各々の吐出パターンに対して吐出量の調整をすることは極めて困難である。また、ピクセル251の形成には改行を伴うものがあるため、前述したようにピクセル251同士のむらも大きくなってしまう。また、多数のパターンに対しての吐出量の調整は困難であり、各ピクセル251間の吐出量の精度は低くなる。そして改行を伴うピクセル251の製造工程を用いていることから、筋むら等を抑えたカラーフィルター250を得るのは極めて困難となる。
しかし、この場合においてもピクセル251の描画中に改行が必要となるため、前述したようにピクセル251にむらが生じる。また、ピクセル251のピッチと、吐出パターン192は必ずしも同期しているわけではないので、ピクセル251の描画に際して吐出パターン192を変えないと対応できない場合が発生するが、この場合には吐出パターン192を変更することが必要となる。しかも、ピッチのずれ具合により、複数の吐出パターンが必要となる。そのため、各吐出パターンに合わせた吐出量の調整が必要となり、調整に要する負荷が大きくなる。
以下、第2実施形態として、ノズルの乾燥防止方法について図面を用いて説明する。図5は、有効パターン内で2通りの吐出パターンを備える吐出パターンの平面図である。吐出ヘッド265が備えるノズルNは、複数の吐出パターンとしての2通りの吐出パターンに対して吐出量ばらつきを低減させるべく調整されている(求められている)。
例えばカラーフィルター250を連続して形成する場合、図3に示すように、調整された吐出パターン184で吐出し、着弾させ続けることとなる。
図5(a)は、調整された有効パターンの一例を示す平面図であり、図5(b)は、図5(a)の有効パターンと異なる一例を示す平面図である。図5(b)は、図5(a)の有効パターン201を反転させた吐出パターンを備えている。そして、図5(c)は、各々のノズルの吐出量を各々の描画パターンに対して調整した後、描画したパターンの一例を示す平面図である。
複数の基板に対してこのような有効パターンを形成する場合には、基板毎に吐出パターンを変えることで、各ノズルNの乾燥状態等を揃えた状態で液滴121を吐出でき、各ノズルNの吐出状況を安定した状態に保つことができる。また、各ノズルN副走査前後で有効パターン201と有効パターン202を変えても良い。また、ノズルNの吐出回数を基準として切り替えを行っても良い。
以下、第3の実施形態について説明する。図6は、副走査方向に対して移動してきた吐出ヘッドのノズル列と、隣の吐出ヘッドの始点でのノズル列と一部が重なる場合についての対応を説明する平面図である。
本実施形態では、吐出ヘッド270で複数回副走査を行う場合、吐出ヘッド270の有効ノズル列300や予備ノズル列300Aと、隣にある吐出ヘッド271の始点における有効ノズル列301や予備ノズル列301Aとの吐出パターンが重なる場合がある。この場合には、予備ノズル列300A、または予備ノズル列301Aのいずれかの吐出を止めることが必要となる。この場合、有効ノズル列300と予備ノズル列300A、または有効ノズル列301と予備ノズル列301Aのうち、吐出に関与するノズル数が等しく、かつ改行の問題が発生しない場合には、どちらの吐出を止めても良い。また、図6に示すように、有効ノズル列301と予備ノズル列301Aの方が吐出に関与するノズル数の和が多い場合、吐出量変動を緩和すべく、予備ノズル列300Aを用いてピクセル251に合わせたパターンに対応させるように吐出を行わせることが好適である。この場合、吐出ヘッド270と吐出ヘッド271との吐出量バランスが良好となるのでむらの発生を抑えることができる。また、予備ノズル列300Aや予備ノズル列301Aの片方を用いた場合、ピクセル251の途中で改行が発生する場合には、改行を発生させない方を選ぶことで、上述したピクセル251の不良発生を抑制することができる。
以下、第4実施形態として、吐出パターンの設計手順について説明する。図7は、上記した手順をまとめたフローチャートである。
そして、ステップS5で、ステップS3でNoであった場合の分岐と合流する。このステップでは、ピクセル251の幅とピクセル251間の間隔との整数倍を改行幅として設定する。このように設定することで、ピクセル251内での改行は防止される。そのため、1回の液滴121の吐出工程でピクセルを形成することが可能となり、ピクセル251を均一な特性で形成することができる。
ノズル毎の吐出量は、隣り合うノズルの吐出の有無等でも影響を受ける。そこで、上記した描画データを用いて校正することで、吐出に関わる種々のばらつき要素を加味して吐出量を校正することができる。吐出量の測定等は、例えば白色干渉計等を用いて行えば良い。このようにすることで、上記した描画データに特化した校正を行うことができる。
Claims (4)
- 1軸方向に沿って並び、液状体を吐出する複数のノズルと、
前記液状体の吐出を受ける、前記複数のノズルと対向配置された被吐出体と、
を備え、
前記複数のノズルから前記液状体を前記被吐出体に吐出した後、
前記複数のノズルと前記被吐出体とを相対的に副走査して移動させ、再び前記複数のノズルから前記液状体を前記被吐出体に吐出し、前記液状体の吐出パターンを前記被吐出体に形成する液状体の吐出方法であって、
前記1軸方向に沿って並んだ前記複数のノズルの少なくとも片側に、前記1軸方向に沿って配置された予備ノズルが備えられ、
前記複数のノズルを副走査方向に移動させるときに、
副走査前の前記複数のノズルにおける吐出パターンと、副走査後の前記複数のノズルにおける吐出パターンとが少なくとも1回の副走査において同一となるように、副走査前後で前記予備ノズルによる吐出を制御することを特徴とする液状体の吐出方法。 - 請求項1に記載の液状体の吐出方法であって、前記被吐出体でのパターン描画は、各前記パターンに対して、一回の吐出工程で描画されるよう、副走査前後で前記予備ノズルからの吐出動作を制御することを特徴とする液状体の吐出方法。
- 請求項1または2に記載の液状体の吐出方法であって、前記複数のノズルにおける吐出パターンは、複数の吐出パターンに対して対応すべく前記複数のノズル毎の吐出条件が求められており、前記複数のノズルにおける吐出回数に応じて、吐出パターンを切り替えることを特徴とする液状体の吐出方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液状体の吐出方法であって、副走査前に吐出を行う前記予備ノズル数と、副走査後に吐出を行う前記予備ノズルの数の差を低減すべく演算を行い、副走査前に吐出を行う前記予備ノズル数と、副走査後に吐出を行う前記予備ノズル数との差を低減させることを特徴とする液状体の吐出方法。
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