JP2012185408A - 感光性樹脂組成物およびタッチパネル用絶縁膜 - Google Patents

感光性樹脂組成物およびタッチパネル用絶縁膜 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、基材や下地などとの密着性が良好であり、膜硬度、耐熱性および耐酸性が高く、かつ透過率が高く、特に波長400nm付近の透過率が高い感光性樹脂組成物と、それを用いたタッチパネル用絶縁膜を提供することを目的とする。
【解決手段】樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、多官能単量体(C)と、を含有する感光性樹脂組成物であって、樹脂(A)が一般式(1)で表される化合物(a1)と、化合物(a1)と共重合可能な他の化合物(a2)とを共重合してなる樹脂(A1)を含み、多官能単量体(C)が、1分子中に7個以上のエチレン性不飽和結合を有することを特徴とする感光性樹脂組成物によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は感光性樹脂組成物およびそれを用いたタッチパネル用絶縁膜に関する。
近年、電子機器の高機能化や多様化や小型軽量化が進むに伴い、液晶等の表示素子の前面に透明タッチパネルを装着し、この透明タッチパネルを通して表示素子に表示された文字や記号、絵柄などの視認、選択を行い、透明タッチパネルの操作によって機器の各機能の切り替えを行うものが増えている。
タッチパネルは、例えば、銀行ATM、自動販売機、携帯情報端末(PDA、UMPC)、複写機、ファクシミリ、携帯ゲーム機、案内板、カーナビゲーション、マルチメディアステーション(コンビニエンスストアに設置されている多機能端末)、携帯電話、鉄道車両のモニタ装置、クイズ番組などの回答用機器等の入力機器として急激に普及している。
既存のタッチパネルの方式としては、抵抗膜方式、光学方式、静電容量方式、超音波方式、圧力方式、電磁波誘導方式、画像認識方式、振動検出方式などに分けられる。
液晶などの表示装置上に配置されるタッチパネルとしての具体例としては、抵抗膜方式や静電容量方式があり、抵抗膜方式は押圧された位置を電圧によって検知する方式であり、静電容量方式は押圧することによって起きる静電容量の変化を捉えて位置を検出するものである。
静電容量方式は、特許文献1〜3などが開示され、接触した位置の誤認識を防ぐ為にその積層構造の中に絶縁膜や保護膜を設けることが行なわれている。
この絶縁膜や保護膜において要求される性能は、基材、下地、その他の層(ガラス、無機材料、金属材料、ITOなどの透明電極、有機材料など)との密着性、ITOのエッチング液などへの耐性(耐酸性)、300℃を超える焼成工程での耐熱性、積層基板にした際の透過率が求められている。
また、タッチパネル用途に用いられる絶縁膜や保護膜は高い表面硬度が要求され、特許文献4には、樹脂成分に無機酸化物微粒子を添加する方法が開示されている。しかし、このような方法では、高い表面硬度や密着性は得られるものの、高温での焼成工程後に黄変し、透過率が低くなるという欠点があった。
すなわち従来の感光性樹脂組成物では、基材との密着性や、膜硬度、耐性にも優れ、透過率など、すべてを満足することはできなかった。
特開2008−65748号公報 特開2009−15489号公報 特開2010−44453号公報 特開2000−281863号公報
本発明の目的は、基材や下地などとの密着性が良好であり、膜硬度、耐熱性および耐酸性が高く、かつ透過率が高く、特に波長400nm付近の透過率が高い塗膜を形成できる感光性樹脂組成物と、それを用いたタッチパネル用絶縁膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決しうる新たな手段について鋭意検討の結果、特定の構造を有する樹脂(A1)と、1分子中に7個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体(C)を含む感光性樹脂組成物により、前述の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、多官能単量体(C)と、を含有する感光性樹脂組成物であって、樹脂(A)が下記一般式(1)で表される化合物(a1)と、化合物(a1)と共重合可能な他の化合物(a2)とを共重合してなる樹脂(A1)を含み、多官能単量体(C)が、1分子中に7個以上のエチレン性不飽和結合を有することを特徴とする感光性樹脂組成物に関する。
一般式(1):
Figure 2012185408
[一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。]
また、本発明は、7個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体(C)が、下記一般式(2)で表される多官能単量体であることを特徴とする前記感光性樹脂組成物に関する。
一般式(2):
Figure 2012185408
[一般式(2)において、nは0~4の整数であり、R3はエーテル基、アルキレン基、トリレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、エステル基、および一般式(3)で表される構造を有する2価の基からなる群より選ばれるいずれかであり、R4は水素原子またはメチル基であり、R5はヒドロキシル基、カルボキシル基、および(メタ)アクリロイル基からなる群より選ばれるいずれかである。]
一般式(3):
Figure 2012185408
[一般式(3)において、R6は脂肪族、脂環式または芳香族の構造を表す。]
また、本発明は、7個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体(C)が、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカ(メタ)アクリレート、およびペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるいずれかであることを特徴とする前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、さらに、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素の無機酸化物微粒子(D)を含有することを特徴とする前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を用いて形成されるタッチパネル用絶縁膜に関する。
本発明の感光性樹脂組成物は、硬度が高く基材や下地などとの密着性が良好であり、また透過率が高く、特に波長400nm付近の透過率が高く、ITOエッチング液(王水)やMetalのエッチング液(硝酸−酢酸−リン酸の混合液)に対する耐性(耐酸性)に優れるため、「タッチパネル用絶縁膜」の形成に好適である。
まず、本発明の感光性樹脂組成物について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、多官能単量体(C)と、を含有する感光性樹脂組成物であって、樹脂(A)が下記一般式(1)で表される化合物(a1)と、化合物(a1)と共重合可能な他の化合物(a2)とを共重合してなる樹脂(A1)を含み、多官能単量体(C)が、1分子中に7個以上のエチレン性不飽和結合を有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
一般式(1):
Figure 2012185408
[一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。]
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表すものとする。
本発明の感光性樹脂組成物の各種構成成分について説明する。
<樹脂(A)>
本発明の感光性樹脂組成物における樹脂(A)は、下記一般式(1)で示される化合物(a1)と、化合物(a1)と共重合可能な他の化合物(a2)とを共重合してなる樹脂(A1)を含むことを特徴とし、樹脂(A1)を含むことにより透過率(透明性)に優れた塗膜を得ることができる。
(樹脂(A1))
樹脂(A1)は、化合物(a1)と共重合可能な他の化合物(a2)とを共重合してなる樹脂である。
[化合物(a1)]
化合物(a1)は、下記一般式(1)で表わされる化合物である。
一般式(1):
Figure 2012185408
[一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。]
一般式(1)中、R1およびR2で表される、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい炭化水素基が耐熱性の点で好ましい。なお、R1およびR2は、同種の炭化水素基であってもよいし、異なる炭化水素基であってもよい。
化合物(a1)の具体例としては、例えば、ジメチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましく、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
化合物(a1)と共重合可能な他の化合物(a2)とを共重合して樹脂(A1)を得る際に、重合と同時に化合物(a1)の環化反応が進行してテトラヒドロフラン環構造が形成される。
樹脂(A1)を得る際の単量体成分中における化合物(a1)の割合は、特に制限されないが、全単量体成分中2〜60重量%、好ましくは5〜55重量%、さらに好ましくは5〜50重量%であるのがよい。化合物(a1)の量が多すぎると共重合の際、低分子量のものを得ることが困難になったり、あるいはゲル化し易くなったりするおそれがあり、一方、少なすぎると、透明性や耐熱性などの塗膜性能が不充分となるおそれがある。
[化合物(a2)]
他の化合物(a2)としては、化合物(a1)と共重合可能であればとくに制限は無いが、アルカリ可溶性を付与するために酸基を導入するための単量体(a2−1)を含むことが好ましく、その他、ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体(a2−2)、側鎖型環状エーテル含有単量体(a2−3)が好ましい。
・酸基を導入するための単量体(a2−1)
樹脂(A1)は、酸基を有する樹脂であることが好ましい。これにより、得られる硬化性樹脂組成物は、酸基とエポキシ基あるいは水酸基が反応してエステル結合が生じることを利用した架橋反応が可能な硬化性樹脂組成物、あるいは未硬化部をアルカリ現像液で現像可能な組成物、とすることができる。前記酸基としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基等が挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
樹脂(A1)に酸基を導入するには、例えば、酸基を有するモノマーおよび/または重合後に酸基を付与しうるモノマーを、単量体成分として重合するようにすればよい。なお、重合後に酸基を付与しうるモノマーを単量体成分として酸基を導入する場合には、重合後に例えば後述するような酸基を付与するための処理が必要となる。
前記酸基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー、N−ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられるが、これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。前記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー等が挙げられる。
これら酸基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
樹脂(A1)を得る際の単量体成分が前記酸基を導入するための単量体をも含む場合、その含有割合は、特に制限されないが、全単量体成分中5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%であるのがよい。
・ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体(a2−2)
樹脂(A1)にラジカル重合性二重結合を導入するには、例えば、後述する方法(i)や方法(ii)のような処理を行えばよい。
《方法(i)》
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、ラジカル重合性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、ラジカル重合性二重結合および酸基(カルボキシル基)を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、ラジカル重合性二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にラジカル重合性二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、ラジカル重合性二重結合および酸基(カルボキシル基)を導入する方法がある。
《方法(ii)》
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
・側鎖型環状エーテル含有単量体(a2−3)
側鎖型環状エーテル含有単量体(a2−3)としては、たとえば、テトラヒドロフラン骨格、フラン骨格、テトラヒドロピラン骨格、ピラン骨格、ラクトン骨格の郡から選ばれる少なくとも1つの骨格を含有する不飽和化合物である。
テトラヒドロフラン骨格としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラン−3−イルエステルなど;
フラン骨格としては、2−メチル−5−(3−フリル)−1−ペンテン−3−オン、フルフリル(メタ)アクリレート、1−フラン−2−ブチル−3−エン−2−オン、1−フラン−2−ブチル−3−メトキシ−3−エン−2−オン、6−(2−フリル)−2−メチル−1−ヘキセン−3−オン、6−フラン−2−イル−ヘキシ−1−エン−3−オン、アクリル酸2−フラン−2−イル−1−メチル−エチルエステル、6−(2−フリル)−6−メチル−1−ヘプテン−3−オンなど;
テトラヒドロピラン骨格としては、(テトラヒドロピラン−2−イル)メチルメタクリレート、2,6−ジメチル−8−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−オクト−1−エン−3−オン、2−メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルエステル、1−(テトラヒドロピラン−2−オキシ)−ブチル−3−エン−2−オンなど;
ピラン骨格としては、4−(1,4−ジオキサ−5−オキソ−6−ヘプテニル)−6−メチル−2−ピロン、4−(1,5−ジオキサ−6−オキソ−7−オクテニル)−6−メチル−2−ピロンなど;
ラクトン骨格としては、2−プロペン酸2−メチル−テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニルエステル、2−プロペン酸2−メチル−7−オキソ−6−オクサビシクロ[3.2.1]オクト−2−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−7−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−テトラヒドロ−2−オキソ−2H−ピラン−3−イルエステル、2−プロペン酸(テトラヒドロ−5−オキソ−2−フラニル)メチルエステル、2−プロペン酸ヘキサヒドロ−2−オキソ−2,6−メタノフロ[3,2−b]−6−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−2−(テトラヒドロ−5−オキソ−3−フラニル)エチルエステル、2−プロペン酸2−メチル−デカヒドロ−8−オキソ−5,9−メタノ−2H−フロ[3,4−g]−1−ベンゾピラン−2−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−2−[(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イル)オキシ]エチルエステル、2−プロペン酸3−オキソ−3−[(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニル)オキシ]プロピルエステル、2−プロペン酸2−メチル−2−オキシ−1−オクサスピロ[4.5]デク−8−イルエステルなどが挙げられる。
これらのうちテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが着色、入手性の点から好ましい。これら側鎖型環状エーテル含有単量体は単独で用いても2種以上を複合して用いても構わない。
樹脂(A1)を得る際の単量体成分中における前記側鎖型環状エーテル含有単量体(a2−3)の割合は、特に制限されないが、全単量体成分中10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは30〜60重量%であるのがよい。側鎖型環状エーテル含有単量体の量が多すぎると、親水性が強くなりすぎてアルカリ現像時に表面が白化したり、パターンが欠けたり、ガラスへの密着性が低下し易くなったりするおそれがあり、一方、少なすぎると、耐熱性などの性能が不充分となる恐れがある。
・化合物(a2)として使用できるその他の共重合可能な単量体
化合物(a2)として使用できるその他の共重合可能な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類;ブタジエン、イソプレン等のブタジエンまたは置換ブタジエン化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレンまたは置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレンが、透明性が良好で、耐熱性を損ないにくい点で好ましい。これら共重合可能な他の単量体は、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
前記単量体成分の重合反応の方法としては、特に制限はなく、従来公知の各種重合方法を採用することができるが、特に、溶液重合法によることが好ましい。なお、重合温度や重合濃度(重合濃度=[単量体成分の全重量/(単量体成分の全重量+溶媒重量)]×100とする)は、使用する単量体成分の種類や比率、目標とするポリマーの分子量によって異なるが、好ましくは、重合温度40〜150℃、重合濃度5〜50%とするのがよく、さらに好ましくは、重合温度60〜130℃、重合濃度10〜40%とするのがよい。
樹脂(A1)は、感光性樹脂組成物の固形分の合計100重量%中、10〜60重量%の量で用いることが好ましい。樹脂(A1)が10重量%より少ない場合、充分な密着性良化、高透過率の効果を得られず、60重量%より多い場合、光硬化成分量の含有量が少なくなり、充分な塗膜の硬度を得る事が難しい。
(その他の樹脂(A2))
本発明の感光性樹脂組成物の樹脂(A)は、樹脂(A1)に加えて、その他の樹脂(A2)を含んでいても良い。その他の樹脂(A2)が共重合体である場合は、樹脂(A1)の化合物(a1)を共重合成分として含まないものに相当し、なかでも前述した酸基を導入するための単量体あるいはラジカル重合性二重結合を導入するための単量体を共重合成分として含むものが好ましい。また、その他の樹脂(A2)は熱硬化性樹脂であっても良い。
<光重合開始剤(B)>
光重合開始剤(B)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられ、これらを単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
なかでもアセトフェノン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤は感度が高く、添加量が少なくて良いため、透過率が高くなることから、好ましい。
また、アセトフェノン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤のなかでも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]、とりわけ、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]は、加熱工程時に黄変しないため、絶縁膜としての透過率が高く、特に波長400nm付近の透過率が高い感光性樹脂組成物を提供することができるため、より好ましい。これらはそれぞれを単独で用いても良く、ともに含んでいても良い。
光重合開始剤(B)は、感光性樹脂組成物の固形分の合計100重量%中、1〜30重量%の量で用いることが好ましく、透過率の観点から1〜10重量%の量で用いることがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
増感剤は、光重合開始剤(B)100重量部に対して、0.1〜150重量部の量で用いることができる。
<多官能単量体(C)>
本発明の多官能単量体(C)は、1分子中に7個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体を含み、これを含むことで、鉛筆硬度、耐溶剤性に優れるものとなる。また透過率の維持、鉛筆硬度と密着性のバランスなどの観点から7〜16個のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体であることが好ましく、さらに7〜12個である場合、鉛筆硬度と密着性に優れるため、より好ましい。
7個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体として例えば、下記一般式(2)で表される多官能単量体であることが好ましい。
一般式(2):
Figure 2012185408
[一般式(2)において、nは0~4の整数であり、R3はエーテル基、アルキレン基、トリレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、エステル基、および一般式(3)で表される構造を有する2価の基からなる群より選ばれるいずれかであり、R4は水素原子またはメチル基であり、R5はヒドロキシル基、カルボキシル基、および(メタ)アクリロイル基からなる群より選ばれるいずれかである。]
一般式(3):
Figure 2012185408
[一般式(3)において、R6は脂肪族、脂環式または芳香族の構造を表す。]
一般式(2)で表される化合物の中でも、R3はエーテル基、または一般式(3)で表される構造を有する2価の基であることが、鉛筆硬度と密着性において好ましい。
3がエーテル基であるものとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと四塩基酸二無水物を反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと多官能エポキシ化合物を反応させて得られる化合物等を挙げることができる。
多官能イソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、四塩基酸二無水物の具体例としては、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテートモノアセテート)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキシセンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
また、多官能エポキシ化合物の具体例としては、トリス(グリシジルフェニル)メタン、トリグリシジルイソシアヌレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
一般式(2)においてR3がエーテル基である多官能性単量体の中でも、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカ(メタ)アクリレート、またはペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレートが好ましい。
これらのなかでも、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、またはペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレートが最も好ましく、これらを混合して含むものであっても良い。
このような多官能単量体(C)として市販品では、例えば、ビスコート#802(トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、テトラペンタエリスリトールデカアクリレート、およびペンタペンタエリスリトールドデカアクリレートの混合物、大阪有機化学工業株式会社製)を挙げることができる。
3が、一般式(3)で表される構造を有する2価の基である場合、さらにn=1でかつR5が(メタ)アクリロイル基であれば、鉛筆硬度の面でより好ましい。
一般式(3)
Figure 2012185408
[一般式(3)において、R6は脂肪族、脂環式または芳香族の構造を表す。]
このような多官能単量体(C)として市販品では、例えば、TO−2323、TO−2324、TO−2325、TO−2326、TO−2327及びTO−2328(東亜合成株式会社製) を挙げることができる。
多官能単量体(C)の含有量としては感光性樹脂組成物の固形分の合計100重量%中、5〜80重量%の量で用いることが好ましい。この場合、5重量%より多官能単量体(C)が少ないと、鉛筆硬度アップや耐溶剤性付与という効果が得られず、80重量%より多いと透過率の低下、密着性の低下が起こりやすい。より好ましくは、10〜50重量%である。
<その他の多官能単量体>
本発明においては、上記の多官能単量体(C)に加えて、他の多官能単量体を含んでいても良く、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。
また、酸性基を有する多官能モノマーを含んでも良く、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。具体例としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレートまたはモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレートまたはモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等を挙げることができる。
また、下記一般式(4)により表わされる化合物も好ましく使用できる。
一般式(4):
(H2C=C(R7)COO)m−X−(OCOCH(R7)CH2S(R8)COOH)q
[一般式(4)中、R7は水素原子またはメチル基、R8は炭素数1〜12の炭化水素基、Xは(m+q)価の炭素数3〜60 の有機基、mは2〜18の整数、qは1〜3の整数を示す。]
ここで、一般式(4)で表される化合物は、例えば、以下の方法により容易に得ることができる。
(1)Xで表される有機基を与える化合物をアクリル酸とエステル化してアクリル化させた後、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法
(2)Xで表される有機基を与える化合物をポリイソシアネート化合物で変性させた後、得られた化合物に水酸基を有するアクリレート化合物でアクリル化させた後、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法
(3)Xで表される有機基を与える化合物をアクリル酸とエステル化してアクリル化させた後、ポリイソシアネート化合物で変性させ、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法。
Xで表される有機基を与える化合物としては、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物、ペンタエリスリトールのポリイソシアネート変性物、及びジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物、ジペンタエリスリトールのポリイソシアネート変性物を挙げることができる。
メルカプト化合物としては、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、o−メルカプト安息香酸、2−メルカプトニコチン酸、メルカプトコハク酸などが挙げられる。
<無機酸化物微粒子(D)>
本発明の感光性樹脂組成物には無機酸化物微粒子(D)を含むことが好ましい。無機酸化物微粒子は、得られる硬化性組成物の硬化被膜の無色性の観点から、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物粒子であることが好ましい。なかでも透過率の観点から、ケイ素、ジルコニウム、またはアルミニウムの酸化物粒子が好ましく、とくにケイ素の酸化物粒子が好ましい。
無機酸化物微粒子(D)を用いることで、さらに硬度を高くすることが出来、耐酸性の高い塗膜を得ることができる。
無機酸化物微粒子は、分散液中あるいは塗布液中で、分散安定化を図るために、あるいはバインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていても良い。
無機酸化物粒子の平均一次粒子径は、1nm〜1000nmが好ましく、3nm〜100nmがさらに好ましく、5nm〜30nmが特に好ましい。平均一次粒子径が1000nmを超えると、硬化物としたときの透明性が低下したり、被膜としたときの表面状態が悪化する傾向がある。また、粒子の分散性を改良するために各種の界面活性剤やアミン類を添加してもよい。
無機酸化物微粒子の平均一次粒子径は、たとえばBET法を用いて測定される。具体的には、BET法にて得られた無機酸化物微粒子の比表面積を得、無機酸化物の比重を用いて体積と表面積の比を算出し、粒子を真球であると仮定して、これらの比から粒子径を求め、平均一次粒子径とする方法がある。
無機酸化物粒子は、有機溶媒分散物として用いるのが好ましい。有機溶媒分散物として用いる場合、他の成分との相溶性、分散性の観点から、分散媒は、有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類; アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類; 酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類; エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類; ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類; ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。
本発明に特に好ましく用いられるケイ素の酸化物微粒子分散液として市販されている商品としては、日産化学工業(株)製MA−ST−MS、IPA−ST、IPA−ST−MS、IPA−ST−L、IPA−ST−ZL、IPA−ST−UP、EG−ST、NPC−ST−30、MEK−ST、MEK−ST−L、MIBK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等、触媒化成工業(株)製中空シリカCS60−IPA等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製E220A、E220、富士シリシア(株)製SYLYSIA470、日本板硝子(株)製SGフレ−ク等を挙げることができる。
本発明に好ましく用いられるジルコニアの酸化物微粒子分散液として市販されている商品としては、日産化学工業(株)製ZR−40BL、ZR−30BS、ZR−30AL、ZR−30AH等、住友大阪セメント(株)製HXU−110JCを挙げることができる。
本発明に好ましく用いられるアルミニウムの酸化物微粒子分散液として市販されている商品としては、日産化学工業(株)製アルミナゾル−100、アルミナゾル−200、アルミナゾル−520、住友大阪セメント(株)製AS−150I、AS−150Tが挙げられる。
その他、本発明に好ましく用いられる無機酸化物微粒子分散液を以下に示す。アンチモンの酸化物微粒子分散液では日産化学工業(株)製セルナックスCX−Z330H、アルミニウム、チタニウム、スズ、インジウム、亜鉛等の酸化物微粒子分散液としては、シーアイ化成(株)製ナノテック等を挙げることができる。
無機酸化物微粒子の添加量は感光性組成物における固形分合計100重量%中、10〜40重量%が好ましく、15〜35重量%がさらに好ましい。添加量が10重量%未満である場合は鉛筆硬度、耐酸性の向上などの効果が得られにくく、一方で40重量%を超える場合は、密着性が低下するなどの問題のおこることがある。
<密着促進添加剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに密着促進添加剤を含むことでガラス基材、ITOなどとの密着性が向上するために好ましい。
密着促進添加剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
中でもシラン系の添加剤を含むとガラス基材、ITOなどとの密着性が向上するため好ましく、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
密着促進添加剤は、感光性樹脂組成物の固形分の合計100重量%中、0.1〜10重量%の量で用いることが好ましい。密着性の観点から0.1重量%未満では密着促進添加剤量が少ないために密着性改善効果が得られにくく、10重量%を超える場合は感光性樹脂組成物中の樹脂や多官能単量体、光重合開始剤などが相対的に減少するため、密着性や硬度などの特性が悪化する傾向がある。
<その他の成分>
本発明の感光性樹脂組成物には、その他必要に応じて溶剤、界面活性剤、貯蔵安定剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤などを使用することもできる。
(溶剤)
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
特に溶剤の乾燥性を考慮し、ダイコートや印刷法などにおいては160℃以上の高沸点溶剤を含むことが好ましく、たとえば、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(bp174℃)、1,3−ブタンジオール(bp203℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(bp203℃)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(bp213℃)、ジイソブチルケトン(bp168.1℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp171.2℃)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(bp208.1℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(bp191.5℃)、エチレングリコールジブチルエーテル(bp203.3℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp194.0℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp202.0℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(bp188.4℃)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(bp207.3℃)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(bp170.2℃)、プロピレングリコールジアセテート(bp190.0℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp187.2℃)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(bp197.8℃)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(bp212.0℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp175℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp206.3℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(bp169.7℃)、3−メトキシブチルアセテート(bp172.5℃)、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート(bp188℃)、γ−ブチロラクトン(bp204℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(bp166.1℃)、N−メチルピロリドン(bp202℃)、p−クロロトルエン(bp162.0℃)、o−ジエチルベンゼン(bp183.4℃)、m−ジエチルベンゼン(bp181.1℃)、p−ジエチルベンゼン(bp183.8℃)、o−ジクロロベンゼン(bp180.5℃)、m−ジクロロベンゼン(bp173.0℃)、n−ブチルベンゼン(bp183.3℃)、sec−ブチルベンゼン(bp178.3℃)、tert−ブチルベンゼン(bp169.1℃)、シクロヘキサノール(bp161.1℃)、シクロヘキシルアセテート(bp173℃)、メチルシクロヘキサノール(bp174℃)等が挙げられ、160℃以上の高沸点溶剤は溶剤の全量を基準として5〜50重量%が好ましい。
溶剤は、感光性樹脂組成物中の固形分合計100重量部に対して、200〜4000重量部の量で用いることができる。
(貯蔵安定剤)
貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、感光性樹脂組成物の合計100重量%中、0.1〜5重量%の量で用いることができる。
(レベリング剤)
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−330などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、感光性樹脂組成物の合計100重量%中、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
(酸化防止剤)
本発明の感光性樹脂組成物には加熱工程を経ることによる黄変等による透過率の低下を抑制するため、酸化防止剤を含有させることができる。酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
<感光性樹脂組成物の製法>
本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂(A)、光重合開始剤(B)、多官能単量体(C)、および必要に応じて無機酸化物微粒子(D)、溶剤等を攪拌・混合して得ることが出来る。
本発明の感光性樹脂組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵、異物の除去を行うことが好ましい。
<タッチパネル用絶縁膜>
本発明による感光性樹脂組成物をガラス基材、ITO上、金属膜上、有機膜上などにスピンコートなどの回転塗布、ダイコートなどの流延塗布、ロールコートによる塗布、ロール転写法による塗布などにより塗膜を形成する。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、絶縁膜用途、保護膜用途、平坦膜用途のいずれで使用されても良く、さらに各々の用途において、フォトリソグラフィによりパターン形成されていても構わない。
以下に、実施例により本発明を説明する。なお、実施例中の「部」および「%」とは、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
実施例に先立ち、樹脂の重量平均分子量、および酸価の測定方法について説明する。
(樹脂の重量平均分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフ測定装置(「Shodex GPC System−21H」昭和電工製)を用い、ポリスチレン換算で測定した。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1gに、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
続いて、樹脂(A1)溶液、樹脂(A2)溶液の製造方法について説明する。
<樹脂(A1)溶液の製造方法>
(樹脂溶液(A1−1)の調製)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート40部、メタクリル酸60部、メタクリル酸メチル20部、メタクリル酸シクロヘキシル80部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂製「パーブチルO」)4部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」と称する場合がある)40部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール8部、PGMEA32部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA395部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。3時間110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル56部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。その後、PGMEA128部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにPGMEAを添加して樹脂溶液(A1−1)を得た。樹脂の重量平均分子量は16000、固形分当たりの酸価は70mgKOH/gであった。
(樹脂溶液(A1−2)の調製)
冷却管付きセパラブルフラスコに、PGMEA100重量部を仕込み、窒素置換した後、90℃に昇温した。他方、滴下槽1にジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレンビス)]−2−プロピオネート10.0部、シクロヘキシルアクリレート40.1部、アクリル酸メチル28.2部、アクリル酸20.7部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2.0部、PGMEA80部を混合した。また、滴下槽2に、β−メルカプトプロピオン酸3.1部、PGMEA6部を混合した。反応温度を90℃に保ちながら、滴下槽1及び2から、反応槽に2.5時間かけて等速で滴下を行った。滴下終了後、30分90℃を保った後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部を投入し、更に90℃で30分、反応を継続した。その後、反応温度を115℃に昇温し、1.5時間反応を継続した。一旦室温まで冷却した後、メタクリル酸グリシジル24.7部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.038部、ジメチルベンジルアミン0.38部を投入し、酸素濃度7%に調整した窒素・空気混合ガスをバブリングしながら110℃に昇温し、6時間反応を行った。その後、115℃に昇温し2時間反応させ、反応を完結させ、室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにPGMEAを添加して樹脂溶液(A1−2)を得た。樹脂の重量平均分子量は10000、固形分当たりの酸価は71mgKOH/gであった。
<その他の樹脂(A2)溶液の製造方法>
(樹脂溶液(A2−1)の調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の当量)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の当量)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにPGMEAを添加してアクリル樹脂溶液(A2−1)を調製した。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
[実施例1〜7、比較例1〜5]
表1、2に示した組成、および配合量の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、実施例1〜7、比較例1〜5にそれぞれ相当する感光性樹脂組成物1〜12(R1〜R12)を得た。
Figure 2012185408
Figure 2012185408
《無機酸化物微粒子分散液》
・ZR−40BL(日産化学社製);ジルコニアの酸化物微粒子の水酸化テトラメチルアンモニウム分散液(固型分40%)
・PMA−ST(日産化学社製);ケイ素の酸化物微粒子のPGMEA分散液(固型分30%)
《多官能単量体》
・V#802;ビスコート#802(大阪有機化学社製)
トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、テトラペンタエリスリトールデカアクリレート、およびペンタペンタエリスリトールドデカアクリレートの混合物
・トリペンタエリスリトールオクタアクリレート
・A−TMMT;NKエステルA−TMMT(新中村化学社製)
ペンタエリスリトールテトラアクリレート
・DPCA30;カヤキュア DPCA30(日本化薬社製)
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
アロニックス M−402(東亜合成社製);ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
《密着性促進添加剤》
・KBM−803(信越化学社製);3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
・KBM−403(信越化学社製);3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・KBM−503(信越化学社製);3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
《光重合開始剤(B)》
・イルガキュアOXE−01(チバ・ジャパン社製);1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム) ]
・イルガキュア907(チバ・ジャパン社製);2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン
・イルガキュア369(チバ・ジャパン社製);2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン
《レベリング剤》
・BYK−330 2%(ビックケミー社製);ポリエーテル構造含有ジメチルシロキサンのPGMEA溶液(固型分1%に調整)
《溶剤》
・PGMEA;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<感光性樹脂組成物の評価>
以下に示す評価方法にて感光性樹脂組成物(R1〜R15)をそれぞれ評価した。結果を表3に示す。
(透過率の測定・感度の評価)
感光性樹脂組成物(R1〜R13)を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)に、スピンコーターを用いて230℃20分加熱後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布した基板を得た。次に、減圧乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて、照度20mW/cm2、露光量50mJ/cm2で紫外線露光を行った。塗布基板を230℃で20分加熱、放冷後、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて、得られた塗膜の波長400nmにおける透過率を求めた。膜厚は、アルバック社製の触針式膜厚計DECTAC−3で測定した。
○;透過率 97%以上 :良好なレベル
△;透過率 95%以上97%未満 :○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×;透過率 95%未満 :実用には適さないレベル
(追加ベーク後の透過率の測定)
透過率の測定用に作製したものと同じ方法で得た感光性樹脂組成物塗布基板を250℃60分加熱、放冷後、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて、得られた塗膜の波長400nmにおける透過率を求めた。
○;透過率 97%以上 :良好なレベル
△;透過率 95%以上97%未満 :○と比較すると劣るが実用可能なレベル
×;透過率 95%未満 :実用には適さないレベル
(ガラス、ITOおよびMoに対する密着性の測定)
透過率の測定用に作製したものと同じ方法で得た感光性樹脂組成物塗布基板をJIS K5600−5−6に準じた付着性(クロスカット法)試験により塗膜の密着性を評価し、碁盤目25個中の剥離個数を数えた。
基材はコーニング社製ガラス イーグル2000、三容真空工業社製 ITO膜、東邦化研社製Mo膜を使用した。
◎;碁盤目の剥離個数 0個
○;碁盤目の剥離個数 1個
△;碁盤目の剥離個数 2個以上10個以下
×;碁盤目の剥離個数 10個より多い
(鉛筆硬度の測定)
透過率の測定用に作製したものと同じ方法で得た感光性樹脂組成物塗布基板について、JIS K5600−5−4に準じた引っかき硬度(鉛筆法)試験により絶縁膜の表面硬度を測定した。この値が4Hまたはそれより硬いとき、表面硬度は良好といえる。硬度が3Hの場合は、実用可能な最低限の硬度、2H以下は実用には適さない硬度である。
○;4H以上
△;3H
×;2H以下
(耐酸性後密着性)
透過率の測定用に作製したものと同じ方法で得た基板を王水(硝酸:塩酸=1/3)に室温で5分間浸漬し、純水にて洗浄後、48時間放置した。得られた基板をJIS K5600−5−6に準じた付着性(クロスカット法)試験により塗膜の密着性を評価し、碁盤目25個中の剥離個数を数えた。
◎;碁盤目の剥離個数 0個
○;碁盤目の剥離個数 1個
△;碁盤目の剥離個数 2個以上10個以下
×;碁盤目の剥離個数 10個より多い
(耐酸性後膜硬度)
透過率の測定用に作製したものと同じ方法で得た基板を王水(硝酸:塩酸=1/3)に室温で5分間浸漬し、純水にて洗浄後、48時間放置した。得られた基板についてJIS K5600−5−4に準じた引っかき硬度(鉛筆法)試験により絶縁膜の表面硬度を測定した。この値が4Hまたはそれより硬いとき、表面硬度は良好といえる。硬度が3Hの場合は、実用可能な最低限の硬度、2H以下は実用には適さない硬度である。
○;4H以上
△;3H
×;2H以下
Figure 2012185408
表3に示すように本発明の特徴である樹脂(A1)と、1分子中に7個以上のエチレン性不飽和結合を含有する多官能単量体(C)とを含む感光性樹脂組成物は、透過率、耐酸性、密着性、鉛筆硬度においていずれも良好あるいは実用上差し支えのない結果となった。
なかでも実施例1、3、4を比較すると、無機酸化物微粒子(D)を含む実施例3、4は無機酸化物微粒子(D)を含まない実施例1と比較してより硬度が高く、良好であった。また、無機酸化物微粒子(D)がケイ素の酸化物粒子である実施例3の感光性樹脂組成物については特に透過率、耐酸性、密着性、鉛筆硬度が良好な結果となった。
さらに、実施例1、5、6を比較すると密着性促進添加剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを用いた実施例1の場合には密着性が特に優れる結果となった。

Claims (5)

  1. 樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、多官能単量体(C)と、を含有する感光性樹脂組成物であって、樹脂(A)が下記一般式(1)で表される化合物(a1)と、化合物(a1)と共重合可能な他の化合物(a2)とを共重合してなる樹脂(A1)を含み、多官能単量体(C)が、1分子中に7個以上のエチレン性不飽和結合を有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
    一般式(1):
    Figure 2012185408
    [一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。]
  2. 7個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体(C)が、下記一般式(2)で表される多官能単量体であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
    一般式(2):
    Figure 2012185408
    [一般式(2)において、nは0~4の整数であり、R3はエーテル基、アルキレン基、トリレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、エステル基、および一般式(3)で表される構造を有する2価の基からなる群より選ばれるいずれかであり、R4は水素原子またはメチル基であり、R5はヒドロキシル基、カルボキシル基、および(メタ)アクリロイル基からなる群より選ばれるいずれかである。]
    一般式(3):
    Figure 2012185408
    [一般式(3)において、R6は脂肪族、脂環式または芳香族の構造を表す。]
  3. 7個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体(C)が、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカ(メタ)アクリレート、およびペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項2記載の感光性樹脂組成物。
  4. さらに、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素の無機酸化物微粒子(D)を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されるタッチパネル用絶縁膜。
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