JP2012184512A - 柔軟性と耐熱性に優れたアルミナ長繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化ホウ素成分を含有する柔軟性と耐熱性に優れたアルミナ長繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】アルミナ系長繊維前駆体の紡糸原液を調製するにあたり、アルミナ長繊維を構成する全アルミナ成分、シリカ成分、酸化ホウ素成分に対する割合が95/5〜70/30の範囲になるよう水溶性の非晶性完全ケン化ポリビニルアルコールを混合して紡糸原液を調製し、該紡糸原液を乾式紡糸して前駆体繊維を得、これを焼成してアルミナ長繊維を得る。
【選択図】なし
【解決手段】アルミナ系長繊維前駆体の紡糸原液を調製するにあたり、アルミナ長繊維を構成する全アルミナ成分、シリカ成分、酸化ホウ素成分に対する割合が95/5〜70/30の範囲になるよう水溶性の非晶性完全ケン化ポリビニルアルコールを混合して紡糸原液を調製し、該紡糸原液を乾式紡糸して前駆体繊維を得、これを焼成してアルミナ長繊維を得る。
【選択図】なし
Description
本発明は、柔軟性と耐熱性に優れたアルミナ長繊維の製造方法に関するものである。
現在使用されている耐熱性繊維としては、アルミナ繊維、ガラス繊維やシリカ繊維などのセラミック繊維、ステンレス繊維などの金属繊維がある。しかし、ガラス繊維はせいぜい400℃以下での使用が限界であり、シリカ繊維は800℃以上の耐熱性を有してはいるが、800℃以上の高温で長時間使用すると強度低下が起こりやすいなどの欠点がある。ステンレス繊維は600℃程度にも耐えることができるが、高価であるという欠点がある。一方、アルミナ繊維は耐熱性を有し、強度も大きく、また電気絶縁性に優れるなど多くの優れた特性を持っているため、高温耐熱材料として広い分野で使用されている。
一般に、アルミナ繊維と称されるものは、アルミナ成分が50%以上、シリカ成分が50%以下のものを云う。アルミナ成分とシリカ成分から成るアルミナ繊維の柔軟性と耐熱性の関係を説明すると、シリカ成分の含有量が多いほど繊維の柔軟性は増すが耐熱性は低下する。逆にシリカ成分が少ないほど、言い換えるとアルミナ成分が多いほど柔軟性に乏しくなるが耐熱性は増加することが分かっている。耐熱性のみ求めるならアルミナ成分が95%以上の繊維が好ましいが柔軟性に欠け、非常に脆弱な繊維となって好ましくない。
通常市販されているアルミナ繊維はアルミナ成分が60〜80%、シリカ成分が40〜20%のものが多く、この組成でも十分な耐熱性を有しており、耐熱性素材として有用に使用されている。さらに耐熱性を付与する手段として、第三成分としてホウ素成分を添加する方法が提案されている。
アルミナ繊維の前駆体を得る方法はいろいろあるが、紡糸に適した紡糸原液の粘度に調整するため水溶性ポリビニルアルコール系高分子化合物(以下、PVAと略記する)が用いられることが多い。しかしながら、PVAとホウ素化合物、例えばホウ酸は反応し、紡糸原液の粘度を上昇させ、極端な場合にはゲル化させて紡糸できないと云う事態を起こしていた。
このような事態の発生を回避するために、特公平1−14325号公報に記載されている発明では、水溶性のアルミニウム化合物、水溶性のシリカ化合物、水溶性のホウ素化合物を水に溶解し、紡糸に適した粘度に上げるために濃縮し、必要なら曳糸性向上のために若干の水溶性有機重合体を添加している。この発明では紡糸原液のゲル化は起こらないようである。
特開昭63−288217号公報記載の発明では、ケン化度80〜98モル%の低ケン化PVAを用い、紡糸原液がゲル化することを回避している。これは残存酢酸基が多いためPVAの結晶化度が低く、例えホウ素と反応してもゲル化が起こり難いためだと考えられる。このように紡糸原液のゲル化を抑制し、安定に紡糸することができるようになったのであるが、得られる前駆体繊維は吸湿性が強く、含有水分率によって物性に変化が起こるため、巻取り部の湿度調整に注意しなければならないと云う困難があったし、得られた前駆体繊維は弱いため焼成炉に導くまでの張力管理に苦労しなければならないと云う困難があった。また、使用する低ケン化PVAは原液調製時に発泡しやすいため、消泡剤を添加しなければならないと云う欠点もあった。
これらの欠点を回避するため、特開2007−277744号記載の発明では、PVAの代わりにプルランのような水溶性多糖類を使用している。この方法で紡糸原液のゲル化を防ぐことができるが、PVAを使用する場合に比べ、得られた繊維は強度が低く、脆かったため、毛羽が多く、扱いが困難であった。
そこで、ホウ素化合物を添加してもゲル化を起こさない紡糸原液を調製し、安定に乾式紡糸して前駆体繊維を得ることができ、焼成することで従来のアルミナ繊維より優れた柔軟性と耐熱性を有するアルミナ繊維を得る方法の開発が待たれていた。
本発明者らはこれらの課題を解決するため鋭意研究した結果、紡糸助剤である水溶性高分子化合物として重合度300〜2000、ケン化度98モル%以上の非晶性完全ケン化を用いることにより、紡糸原液の粘度を上昇させることなく、またゲル化も生じることのない紡糸原液を得ることができ、通常の乾式紡糸法で前駆体繊維を得、焼成することで柔軟性と耐熱性に優れたアルミナ長繊維が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨とするところは、「アルミナ成分が65〜80%、シリカ成分が15〜40%、酸化ホウ素成分が0.5〜5%からなるアルミナ長繊維を製造するにあたり、紡糸助剤として紡糸原液調製時に重合度300〜2000、ケン化度98モル%以上の水溶性非晶性完全ケン化PVAを、前記アルミナ長繊維を構成する全酸化物に対する割合が95/5〜70/30の範囲になるよう混合して紡糸原液を調製し、該紡糸原液を乾式紡糸して得られたアルミナ長繊維前駆体を焼成することを特徴とするアルミナ長繊維の製造方法」である。
本発明により、紡糸原液中にホウ酸などのホウ素化合物が添加されても、紡糸原液の粘度上昇やゲル化が生じることもなく良好に紡糸でき、かつ、焼成工程でも問題なく柔軟性と耐熱性に優れたアルミナ長繊維を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で云うアルミナ長繊維とは、アルミナ成分(酸化アルミニウム、Al2O3)の他にシリカ成分(二酸化ケイ素、SiO2)やホウ素成分(酸化ホウ素、B2O3)から構成されているアルミナ長繊維のことである。一般にアルミナ繊維とは、アルミナ成分が重量比で50%以上のものを云うが、60%以上のものを云うことが多い。本発明ではアルミナ成分が65〜80%、シリカ成分が15〜40%、ホウ素成分が0.5〜5%の範囲で構成されている。従って、紡糸原液中の酸化物の配合比も前駆体繊維中の酸化物の構成比も、焼成した後、アルミナ成分、シリカ成分、ホウ素成分の構成比が上記のようになるよう調製されている。
本発明で用いられるアルミナ成分を構成する化合物としては、焼成された後、酸化アルミニウムを生成する化合物なら何でも使用することができる。焼成後、アルミナ成分となる化合物としては塩基性アルミニウムが挙げられ、具体的には塩基性酢酸アルミニウム、塩基性硝酸アルミニウムなど、これら塩基性塩から選ばれた1種または2種以上のものを用いることができるが、塩酸水溶液にアルミニウム粉末を添加して調製したオキシ塩化アルミニウムが好ましく用いられる。
シリカ成分として使用される化合物としては、焼成後、酸化ケイ素として繊維中に残るものであれば良く、微細なシリカを水中に分散させたコロイド溶液(シリカゾル)、水溶性シリコンなどを使用できる。
ホウ素成分として使用されるホウ素化合物としては、焼成後、酸化ホウ素として繊維中に残るものであれば良く、ホウ酸、無水ホウ酸、ホウ酸アンモニウムなどが挙げられる。
紡糸原液中に添加されたホウ素化合物は、乾式紡糸されて前駆体繊維中に残る。この前駆体繊維を焼成するとホウ素化合物は酸化ホウ素として繊維中に残り、α−アルミナへの転移および結晶成長を抑制する作用をするため、耐熱性に優れた高性能のアルミナ繊維が得られるのである。
以上の3成分の混合率は、アルミナ成分が65〜80%、シリカ成分が15〜40%、ホウ素成分が0.5〜5%である。ホウ素化合物の添加量は、酸化ホウ素として0.5〜5%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3%の範囲である。0.5%未満では本発明の効果を十分に発揮させることができず、5%を越えると紡糸原液の粘度が上昇しやすく、曳糸性が低下し、安定な紡糸ができなくなるので好ましくない。
本発明では紡糸助剤としてPVAを使用する。しかし、合成繊維製造用途で使用されているような通常のPVAは使用できない。なぜなら、本発明の前駆体繊維製造用の紡糸原液中にはホウ素化合物が含まれており、PVAの水酸基と架橋反応を生成し、紡糸原液のゲル化が起こるからである。従って、どのタイプのPVAを選定するのかが非常に大事な要因で、ゲル化を起こさないタイプのPVAを選定したことが本発明の特徴である。
一般的に完全ケン化PVAと呼ばれるようなケン化度の高いPVAの場合には、分子内に結晶部分が多く存在し、低温の水には溶解しにくく、ゲル化もし易い。逆に、部分ケン化PVAと呼ばれるようなケン化度が高くないPVAの場合には、分子内に非晶部分が多く存在しているので低温の水にも簡単に溶解し、室温でもゲル化しにくいが発泡しやすいと云う特性を持っている。PVAは結晶部分と非晶部分が交互に繋がった構造を取っている。結晶部分に存在している水酸基は他の化合物と反応し難い。これは結晶部分が緻密な構造であるため他の化合物が結晶部分の内部まで入り込めないためである。これに対し、非晶部分はルーズな構造であるため、他の化合物も侵入し易いので非晶部分に存在している水酸基と容易に反応するのである。
先にも述べたように、通常のPVAはホウ素と架橋反応を起こしゲル化すると云う性質を持っている。しかし、本発明で使用する非晶性完全ケン化PVAはゲル化しない。この原因は明確ではないが、通常のPVAは分子内に結晶部分を持っており、PVAの非晶部分の水酸基とホウ素との反応で生じた反応部分は両側の結晶部分の存在で自由度が制限され、結果としてゲル化が起こり易くなるのに対し、本発明で使用する非晶性完全ケン化PVAは結晶部分を持っておらず、非晶部分のPVA分子内の水酸基とホウ素が架橋反応を起こしても、両側に結晶部分が無いので反応で生じた部分の自由度が制限されることが無く、結果としてゲル化現象が起こらないのではないかと考えられる。
本発明で紡糸助剤として使用するPVAは、重合度300〜2000、ケン化度98モル%以上の非晶性完全ケン化PVAである。このPVAは分子内に結晶部分を持っておらず、すべて非晶部分から成っている特殊なタイプのPVAである。このため、低温の水に簡単に溶解し、放置しておいても粘度の変化が無い。低ケン化PVA溶液のように発泡もしない。重合度は特に限定されるものではないが、300〜1700が好ましい。重合度が高いと粘度が高くなり、紡糸時の伸びが悪く、安定な紡糸ができなくなるし、重合度が低いと焼成前の前駆体の強度が低くなり、焼成中に糸条が切断し易くなって好ましくない。
次いで紡糸原液の調製法について説明する。先に説明したように焼成後、アルミナ成分、シリカ成分、ホウ素成分が所定の割合になるよう水溶性の3成分を混ぜた液に紡糸助剤として非晶性完全ケン化PVAを加えて紡糸原液を調製する。非晶性完全ケン化PVAはアルミナ繊維の全酸化物の混合比、すなわちアルミナ繊維の全酸化物/非晶性完全ケン化PVAは固形分基準で95/5〜70/30の範囲になるよう添加するのが好ましく、より好ましくは90/10〜80/20の範囲である。混合比が95/5を超えると紡糸原液の曳糸性が低下するとともに、得られる前駆体繊維が脆弱なるので実用性に欠け、70/30未満では紡糸性は向上するがアルミナ繊維の強度と柔軟性が不足してくるので好ましくない。
得られた混合液を乾式紡糸法で紡糸できるよう濃縮して粘度調整を行う。紡糸原液の粘度は20℃において10〜1000Pa・sに調整する必要がある。10Pa・s未満では紡糸原液が紡糸ノズル表面に接着し、ノズル離れが悪くなって前駆体繊維の製造面から好ましくなく、一方、粘度が1000Pa・sを超えると吐出圧力が大きくなり、ノズル出口での膨らみが大きくなって安定した紡糸が困難になるので好ましくない。本発明では20℃における粘度は20〜500Pa・sの範囲が紡糸安定性の面から特に好ましい。このような粘度に調整するには、紡糸原液の減圧濃縮温度または時間を変えることにより容易に行うことができる。
紡糸して得られる前駆体繊維の水分率は、糸条の取扱い性とアルミナ繊維の強度に影響するため重要である。水分をほとんど含まない前駆体繊維は剛直で脆く、取扱いが困難である。水分率が高い前駆体繊維から得たアルミナ繊維は強度が低く、柔軟性に乏しいものになる。このため、紡糸以降の前駆体繊維の水分率は5〜15%が好ましく、より好ましくは8〜12%に保持する必要がある。そのためには、紡糸工程での前駆体繊維の巻取り部の雰囲気を相対湿度30〜60%、より好ましくは40〜50%に管理することが必要で、この範囲外では本発明の高性能アルミナ繊維を得ることは困難である。
このようにして得られた前駆体繊維を約1000〜1600℃、好ましくは1000〜1300℃の空気中で焼成することにより本発明のアルミナ繊維を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また本発明で使用する非晶性完全ケン化PVAは前述の特徴以外の性質として従来おPVAとほぼ同様の性質を有していることから、従来のPVAを用いて問題おないアルミナ長繊維の紡糸原液に対しても使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
アルミナ成分/シリカ成分/酸化ホウ素成分の比が70/28/2、無機固形分/有機固形分の比が80/20となるようにオキシ塩化アルミニウムと、シリカゾル、ホウ酸、および非晶性完全ケン化PVA(日本合成工業株式会社製、商品名ニチゴーGポバール)を混合し、その混合液を減圧濃縮機で粘度200Pa・s程度になるまで濃縮して紡糸原液とした。この濃縮原液を160ホールのノズルより熱風中に押出したところ、良好に紡糸できた。また、粘度200Pa・sの濃縮原液は20℃にて2週間放置しても粘度は変化せず安定であった。
アルミナ成分/シリカ成分/酸化ホウ素成分の比が70/28/2、無機固形分/有機固形分の比が80/20となるようにオキシ塩化アルミニウムと、シリカゾル、ホウ酸、および非晶性完全ケン化PVA(日本合成工業株式会社製、商品名ニチゴーGポバール)を混合し、その混合液を減圧濃縮機で粘度200Pa・s程度になるまで濃縮して紡糸原液とした。この濃縮原液を160ホールのノズルより熱風中に押出したところ、良好に紡糸できた。また、粘度200Pa・sの濃縮原液は20℃にて2週間放置しても粘度は変化せず安定であった。
得られた前駆体繊維を空気雰囲気中、1260℃で焼成したところ、モノフィラメント径約10μmで構成されたしなやかなヤーンが得られた。得られたアルミナ長繊維の引張強度は1760MPaを示し、製紐も可能であった。また1300℃で24時間加熱した後の引張強度保持率は加熱前の90%を示し、耐熱性も良好であった。
(実施例2)
アルミナ成分/シリカ成分/酸化ホウ素成分の比が70/27/3、無機固形分/有機固形分の比が80/20となるようにオキシ塩化アルミニウムと、シリカゾル、ホウ酸、および非晶性完全ケン化PVA(日本合成工業株式会社製、商品名ニチゴーGポバール)を混合し、その混合液を減圧濃縮機で粘度200Pa・s程度になるまで濃縮して紡糸原液とした。この濃縮原液を160ホールのノズルより熱風中に押出したところ、良好に紡糸できた。また、粘度200Pa・sの濃縮原液は20℃にて2週間放置しても粘度は変化せず安定であった。
アルミナ成分/シリカ成分/酸化ホウ素成分の比が70/27/3、無機固形分/有機固形分の比が80/20となるようにオキシ塩化アルミニウムと、シリカゾル、ホウ酸、および非晶性完全ケン化PVA(日本合成工業株式会社製、商品名ニチゴーGポバール)を混合し、その混合液を減圧濃縮機で粘度200Pa・s程度になるまで濃縮して紡糸原液とした。この濃縮原液を160ホールのノズルより熱風中に押出したところ、良好に紡糸できた。また、粘度200Pa・sの濃縮原液は20℃にて2週間放置しても粘度は変化せず安定であった。
得られた前駆体繊維を空気雰囲気中、1260℃で焼成したところ、モノフィラメント径約10μmで構成されたしなやかなヤーンが得られた。得られたアルミナ長繊維の引張強度は1760MPaを示し、製紐も可能であった。また1300℃で24時間加熱した後の引張強度保持率は加熱前の90%を示し、耐熱性も良好であった。
(比較例1)
紡糸助剤として部分ケン化PVA(電気化学工業株式会社製を使用した他は実施例1と同様にして紡糸原液を調製した。この紡糸原液を使用して乾式紡糸したところ、毛羽立ちが多く、紡糸も非常に不安定であった。
紡糸助剤として部分ケン化PVA(電気化学工業株式会社製を使用した他は実施例1と同様にして紡糸原液を調製した。この紡糸原液を使用して乾式紡糸したところ、毛羽立ちが多く、紡糸も非常に不安定であった。
本発明により製造されるアルミナ長繊維は1000℃以上の耐熱性と柔軟性を有しているため、織物状や紐状などに加工することができ、加熱炉の断熱材や構成材料の保護材、スペーサー、絶縁材、熱電対の被覆材などとして耐熱性の必要な分野で利用される。
Claims (2)
- アルミナ成分が65〜80%、シリカ成分が15〜40%、酸化ホウ素成分が0.5〜5%からなるアルミナ長繊維を製造するにあたり、紡糸助剤として紡糸原液調製時に水溶性非晶性完全ケン化ポリビニルアルコールを、前記アルミナ長繊維を構成する全酸化物に対する割合が95/5〜70/30の範囲になるよう混合して紡糸原液を調製し、該紡糸原液を乾式紡糸して得られたアルミナ長繊維前駆体を焼成することを特徴とするアルミナ長繊維の製造方法。
- 水溶性非晶性完全ケン化ポリビニルアルコールが重合度300〜2000、ケン化度98モル%以上であることを特徴とする請求項1記載のアルミナ長繊維の製造方法。
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JP2011046146A JP2012184512A (ja) | 2011-03-03 | 2011-03-03 | 柔軟性と耐熱性に優れたアルミナ長繊維の製造方法 |
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Cited By (1)
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JP2017179619A (ja) * | 2016-03-28 | 2017-10-05 | 株式会社ニチビ | アルミナ系酸化物連続繊維及びその製造方法 |
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2011
- 2011-03-03 JP JP2011046146A patent/JP2012184512A/ja not_active Withdrawn
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