JP2012184187A - 農薬用効力増強剤組成物 - Google Patents

農薬用効力増強剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】農薬の湿展性(濡れ広がりやすさ)を向上させ、農薬の効力を効果的に増強できる農薬用効力増強剤組成物を提供する。
【解決手段】特定のエトキシレート型化合物、特定のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、特定のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、及び特定のアルキルサッカライドから選ばれる一種以上の化合物(A)、及び炭素数8〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルコールから選ばれる一種以上の化合物(B)を含有する農薬用効力増強剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、農薬用効力増強剤組成物及び農薬組成物に関する。
従来、農薬の効果を十分引き出すために、農薬含有組成物に各種界面活性剤が利用されている。例えば、陰イオン界面活性剤とキレート剤とを組み合わせることでビピリジニウム系除草剤に効果の高い農薬含有組成物が得られることが知られている(例えば特許文献1参照)。また、陽イオン界面活性剤にキレート剤を配合し、更に別の界面活性剤を添加することで、農薬の効果の高い農薬含有組成物が得られることも知られている(例えば特許文献2参照)。更に、濡れ性を向上させるためソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリエーテル変性シリコーンをイソプロピルアルコールに溶解してなる非水系の展着剤が提案されている(特許文献3参照)。また、特許文献4には、界面活性剤、引火点70℃以上の水溶性有機溶剤、消泡剤又は破泡剤を含有する非水系農薬用展着剤組成物が開示されている。また、特許文献5には、特定のアルコール化合物、特定のエーテル化合物及び特定のエステル化合物の少なくとも一種を有効成分として含有する農薬用効力増強剤が開示されている。
国際公開第95/31903号パンフレット 国際公開第95/17817号パンフレット 特開2000−1404号公報(特許請求の範囲その他) 特開2006−248994号公報 特開2002−249403号公報
しかしこれらの技術では、例えば、農薬の葉面散布において、植物の葉面上において液滴が十分に濡れ広がらない事により、その結果農薬の効果が十分に発揮されない場合があった。
本発明の課題は、農薬の湿展性(濡れ広がりやすさ)を向上させ、農薬の効力を効果的に増強できる農薬用効力増強剤組成物を提供することである。
本発明は、下記(A1)〜(A5)から選ばれる一種以上の化合物(A)〔以下、化合物(A)という〕、及び下記(B1)から選ばれる一種以上の化合物(B)〔以下、化合物(B)という〕を含有する農薬用効力増強剤組成物に関する。
(A1):下記一般式(A1)で示される化合物〔以下、化合物(A1)という〕
1aO−(EO)l−R2a (A1)
(式中、R1aは炭素数10〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、lはエチレンオキシ基の平均付加モル数であり、3〜40の数を示し、R2aは水素原子又はメチル基を示す。)
(A2):ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8〜16であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5〜40である。)〔以下、化合物(A2)という〕
(A3):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8〜16であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5〜40である。)〔以下、化合物(A3)という〕
(A4):(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8〜16であり、グリセリンの平均縮合度は1〜3である。)〔以下、化合物(A4)という〕
(A5):下記一般式(A5)で示されるアルキルサッカライド〔以下、化合物(A5)という〕
3a−O−(G)p (A5)
(式中、R3aは炭素数8〜16のアルキル基、Gは炭素数5〜6の還元糖を示し、pは1〜10の数を示す。)
(B1):下記一般式(B1)で示される脂肪族アルコール〔以下、化合物(B1)という〕
1b−OH (B1)
(式中、R1bは炭素数8〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
また、本発明は、化合物(A)と、化合物(B)と、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択される農薬原体とを含有する農薬組成物に関する。
また、本発明は、上記本発明の農薬用効力増強剤組成物と、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択される何れかの農薬原体とを植物に施す工程を含む、植物の生産方法に関する。
また、本発明は、上記本発明の農薬組成物を植物に施す工程を含む、植物の生産方法に関する。
本発明によれば、農薬の湿展性を向上させ、農薬の効力を効果的に増強できる農薬用効力増強剤組成物及び農薬組成物が提供される。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、化合物(A)と化合物(B)とを含有する。化合物(A)と化合物(B)とを併用することにより、農薬の湿展性(濡れ広がりやすさ)が向上する理由は明らかではないが、液滴と葉の界面に吸着し界面張力を低下させる化合物(B)と、液滴自体の表面張力を低下させる化合物(A)とが、構造的に類似することで相互作用を及ぼしあい、飛躍的に農薬の湿展性が向上するものと推定している。
<化合物(A)>
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、下記(A1)〜(A5)から選ばれる一種以上の化合物(A)を含有する。下記化合物(A1)〜(A5)のうち、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、(A1)、(A2)、(A4)が好ましく、(A1)、(A4)がより好ましい。
化合物(A1)は下記一般式(A1)で表される。
1aO−(EO)l−R2a (A1)
一般式(A1)において、R1aは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、炭素数10〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは炭素数10〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、より好ましくは炭素数10〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、さらに好ましくは炭素数12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、さらにより好ましくは炭素数12の直鎖アルキル基である。また、lは、エチレンオキシ基(EO)の平均付加モル数であり、湿展性を向上し、農薬の効力を増強する観点から、3〜40、好ましくは4〜30、より好ましくは4〜25、さらに好ましくは5〜20、さらにより好ましくは5〜15、さらにより好ましくは5〜12、さらにより好ましくは5〜10、さらにより好ましくは7〜10である。また、R2aは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、水素原子又はメチル基であり、好ましくは水素原子である。
化合物(A2)は、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。化合物(A2)における脂肪酸の炭素数は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、8〜16であり、10〜14が好ましく、10〜12がより好ましい。化合物(A2)における脂肪酸は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。化合物(A2)における脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等が挙げられる。また、化合物(A2)におけるエチレンオキシドの平均付加モル数は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、5〜40であり、5〜20が好ましく、6〜15がより好ましい。また、エステルはモノエステルが好ましい。
化合物(A3)は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。化合物(A3)における脂肪酸の炭素数は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、8〜16であり、10〜14が好ましく、10〜12がより好ましい。化合物(A3)における脂肪酸は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。化合物(A3)における脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等が挙げられる。また、化合物(A3)におけるエチレンオキシドの平均付加モル数は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、5〜40であり、5〜20が好ましく、6〜15がより好ましい。また、エステル化度は1が好ましい。
化合物(A4)は、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルである。ここで、「(ポリ)グリセリン」は、「グリセリン又はポリグリセリン」の意味である。化合物(A4)における脂肪酸の炭素数は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、8〜16であり、8〜12が好ましく、10〜12がより好ましく、12がさらに好ましい。化合物(A4)における脂肪酸は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等が挙げられる。また、化合物(A4)では、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、グリセリンの平均縮合度は1〜3であり、より好ましくは1〜2、さらに好ましくは2である。
化合物(A5)は、下記一般式(A5)で示されるアルキルサッカライドである。
3a−O−(G)p (A5)
式中、R3aは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、炭素数8〜16のアルキル基であり、好ましくは10〜14のアルキル基、より好ましくは10〜12のアルキル基、さらに好ましくは12のアルキル基である。Gは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、炭素数5〜6の還元糖、例えばリボース、アラビノース、キシロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、フルクトース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース等であり、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、より好ましくはグルコースである。pは湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、1〜10の数を示し、好ましくは1〜5の数、より好ましくは3〜5の数を示す。
<化合物(B)>
化合物(B1)は下記一般式(B1)で表される。
1b−OH (B1)
一般式(B1)において、R1bは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、炭素数8〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、好ましくは炭素数8〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、より好ましくは炭素数8〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数10の直鎖のアルキル基である。
<農薬用効力増強剤組成物の組成等>
本発明の農薬用効力増強剤組成物において、化合物(A)と化合物(B)の重量比は、(A)/(B)で、好ましくは0.03〜30、より好ましくは0.05〜20、更に好ましくは0.1〜10、さらにより好ましくは0.1〜8、さらにより好ましくは0.3〜8、さらにより好ましくは0.5〜2である。(A)/(B)重量比が前記範囲であれば、植物に対する散布液の湿展性及び農薬成分の浸透性が良好となり、優れた農薬効力増強効果が得られる。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、化合物(A)と化合物(B)とを合計で好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上、さらにより好ましくは40重量%以上、さらにより好ましくは60重量%以上、さらにより好ましくは80重量%以上、さらにより好ましくは90重量%以上含有する。取り得る上限値は100重量%である。化合物(A)と化合物(B)の合計含有量が前記範囲であれば、農薬と共に希釈して用いられる際に化合物(A)と化合物(B)の濃度が十分となり、良好な農薬効力増強効果が得られる。従って、農薬効力増強効果を得るために、通常と同様の農薬の希釈倍率で使用でき、費用及び作業性の面でも好ましいものとなる。
更に、本発明では、化合物(A)、化合物(B)による湿展性向上効果を損なわない範囲で、化合物(A)、化合物(B)以外の界面活性剤を併用することもできる。そのような界面活性剤としては、化合物(A)、化合物(B)以外の非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤、或いはそれらの混合物が挙げられる。
化合物(A)、化合物(B)以外の界面活性剤を併用する場合、その含有量は、化合物(A)、化合物(B)による効果を妨げない範囲で適宜選択可能であるが、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、農薬用効力増強剤組成物の全界面活性剤中に占める化合物(A)及び化合物(B)の割合が50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく90重量%以上であることがさらに好ましい。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔但し、一般式(A1)に該当しないもの〕、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルソルビトールエステル、ポリオキシアルキレンアルキルグリセロールエステル、ポリオキシアルキレンブロック共重合体、ポリオキシアルキレンブロック共重合体アルキルグリセロールエステル、ポリオキシアルキレンアルキルスルホンアミド、ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシアルキレンアルキルポリグリコシドなど、及びこれらのうちの2種以上の混合物などが挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、アルキルアミンプロピレンオキサイド付加物、タローアミンエチレンオキサイド付加物、オレイルアミンエチレンオキサイド付加物、ソイアミンエチレンオキサイド付加物、ココアミンエチレンオキサイド付加物、合成アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、オクチルアミンエチレンオキサイド付加物、ジアルキルアミン誘導体など及びそれらの混合物が挙げられる。前記ジアルキルアミン誘導体としては、ジアルキルモノメチルヒドロキシエチルアンモニウムプロピオネート、ジアルキルモノメチルベンザルコニウムクロライド、ジアルキルモノメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ジアルキルモノメチルアミンオキサイド、ジアルキルモノメチルアミノカルボキシベタイン、ジアルキルモノメチルヒドロキシスルホベタインなどがある。
陽イオン界面活性剤としては、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、アルキルアミンプロピレンオキサイド付加物、ジアルキルアミン誘導体が好ましく、タローアミンエチレンオキサイド付加物、ジラウリルモノメチルベンザルコニウムクロライドがより好ましい。
陰イオン界面活性剤のうち、典型的なものは、水溶液或いは固体状態で入手され得るが、その例としては、モノ−及びジ−アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル硫酸塩、モノ−及びジ−アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホネートのホルムアルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、オレフィニックスルホン酸塩、モノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリカルボン酸塩、脂肪酸塩、直鎖及び分岐アルキルポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、アルケニルポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、直鎖及び分岐アルキルアミドポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、ステアリン酸及びその塩、オレイン酸及びその塩、N−メチル脂肪酸タウリド(taurides)、これらのうちの2種以上の混合物など(ナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアミン塩を含む)が挙げられる。陰イオン界面活性剤としては、乳化分散性向上の観点から、脂肪酸塩が好ましく、オレイン酸、ヒマシ油脂肪酸等の高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩がより好ましく、オレイン酸カリウムがより好ましい。
また、両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、アルモックス(Armox)C/12、アミンオキサイド、モナテリックス(Monaterics)、ミラノール(Miranols)、ベタイン、ロンザイン(Lonzaines) 、他のアミンオキサイド、これらの混合物などがある。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、化合物(A)及び化合物(B)からなるものであってもよいが、化合物(A)及び化合物(B)以外の成分を含むこともできる。化合物(A)及び化合物(B)以外の成分は、水及び/又は有機溶媒が好ましい。水及び/又は有機溶媒を含有する該組成物は、該組成物の低温又は高温安定性に優れ、更に長期保存安定性に優れる。また、水及び/又は有機溶媒を含有する組成物は、希釈時の化合物(A)及び化合物(B)の希釈媒体(水及び/又は有機溶媒)への分散及び溶解が容易となるため、農薬効力増強効果を高めることができる。好ましい有機溶媒としては、イソブタノール、イソプロパノール、エタノール、ジエチレングリコール、エチル乳酸、ブチルセルソルブ、ポリエチレングリコール(重量平均分子量200〜400)、ジメチルスルホキシド、N−ブチルカルビトール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、エチルカルビトールが挙げられるが、農薬の湿展性向上及び農薬の効力増強の観点からエチル乳酸、ジエチレングリコール、更にジエチレングリコールが好ましい。
本発明の農薬用効力増強剤組成物中に占める水及び/又は有機溶媒の含有量は、特に制限されないが、農薬用効力増強剤組成物中に占める化合物(A)及び化合物(B)が、50重量%以上となる量で使用することが好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上となるよう使用することが好ましい。水及び/又は有機溶媒の含有量は、組成物中、50重量%未満、例えば1〜50重量%未満、更に5〜30重量%が好ましい。
<農薬組成物>
本発明の農薬組成物は、上記化合物(A)と、化合物(B)と、農薬原体とを含有するものである。ここで、農薬原体とは農薬の有効成分をいう。本発明の農薬組成物としては、本発明の農薬用効力増強剤組成物と、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択される何れかの農薬原体とを含有するものが挙げられる。なお、農作物への影響を考慮すると、本発明の農薬組成物は、(i)酸化水素及び水中で過酸化水素を放出する化合物、並びに(ii)次亜塩素酸、次亜塩素酸塩及び水中で次亜塩素酸を放出する化合物、から選ばれる1種以上の化合物の含有量が少ない、例えば、次亜塩素酸又は過酸化水素として組成物中0.1重量%以下、更に0.01重量%以下であるもの、特には含有しないものが好ましい。これは、後述する農薬製剤や散布用の農薬製剤などにおいても同様である。
本発明の農薬組成物において、化合物(A)と農薬原体との重量比は、農薬の湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(A)/農薬原体=0.05〜50であることが好ましく、0.1〜20であることがより好ましい。
また、本発明の農薬組成物において、化合物(B)と農薬原体との重量比は、農薬の湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(B)/農薬原体=0.05〜50であることが好ましく、0.1〜20であることがより好ましい。
さらに、本発明の農薬組成物において、化合物(A)及び化合物(B)の合計と、農薬原体との重量比は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(A)及び化合物(B)の合計重量/農薬原体の重量=0.1〜100であることが好ましく、0.2〜40であることがより好ましい。
また、本発明の農薬組成物の製剤型は、乳剤、液剤、水和剤、粒剤、粉剤、フロアブル製剤等いずれでもよく、製剤型は問わない。従って、その製剤型に応じた他の添加剤、例えば乳化剤、溶剤、分散剤、担体等を含有するものであってもよい。本発明に係わる農薬用効力増強剤組成物の使用方法は、農薬用効力増強剤組成物を含有する上記各種剤型の農薬組成物を使用する方法と、農薬(本発明の農薬用効力増強剤組成物を含有しないもの)希釈使用時に別添の農薬用効力増強剤組成物を使用する方法があるが、どちらの方法にても本発明の目的とする効力増強作用が得られる。
本発明の農薬組成物の製剤中に必要に応じてキレート剤、pH調節剤、無機塩類、増粘剤を加えてもよい。
本発明に使用し得るキレート剤としては、アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、エーテルポリカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤(例えばイミノジメチルホスホン酸(IDP)、アルキルジホスホン酸(ADPA)等である)、又はジメチルグリオキシム(DG)、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤、高分子電解質系(含オリゴマー)キレート剤等であり、これらは酸のまま或いはナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩の形のものであってもよい。キレート剤は農薬用効力増強剤組成物中の(B)成分に対して、0.01〜30倍モルの割合で配合されるのが好ましい。
アミノポリカルボン酸系キレート剤としては、
a)RNX2型化合物
b)NX3型化合物
c)R-NX-CH2CH2-NX-R型化合物
d)R-NX-CH2CH2-NX2型化合物及び
e)X2N-R'-NX2型化合物
の全てが使用できる。上記式中Xは-CH2COOH又は-CH2CH2COOHを表し、Rは水素原子、アルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基又はこの種の公知のキレート化合物を表す置換基を表し、R'はアルキレン基、シクロアルキレン基及びこの種の公知のキレート化合物を表す基を表す。これらの代表例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸(HIMDA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(EDTA−OH)及びグリコールエーテルジアミンテトラ酢酸(GEDTA)並びにこれらの塩等が挙げられる。
本発明に使用し得る芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤は、シュウ酸、コハク酸、ピルビン酸又はアントラニル酸及びこれらの塩等である。また、本発明に使用し得るアミノ酸系キレート剤はグリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、システイン、エチオニン、チロシン又はメチオニン及びこれらの塩及び誘導体等である。また、本発明に使用し得るヒドロキシカルボン酸系キレート剤としては、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、ヘプトン酸、酢酸及びこれらの塩等である。更に、本発明に使用し得るエーテルポリカルボン酸系キレート剤としては、例えば次式で表される化合物並びにその類似化合物及びその塩(特にNa塩等)が挙げられる。
Figure 2012184187
本発明に使用し得る高分子電解質系(含オリゴマー)キレート剤としては、アクリル酸重合体、無水マレイン酸重合体、α−ヒドロキシアクリル酸重合体、イタコン酸重合体及びこれらの共重合体、エポキシコハク酸重合体等が挙げられる。
本発明に使用し得るpH調節剤としてはクエン酸、リン酸(ピロリン酸)、グルコン酸等或いはこれらの塩である。
本発明に使用し得る無機塩類としては、無機鉱物塩として例えば無機塩クレー、タルク、ベントナイト、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ホワイトカーボン等が挙げられ、無機アンモニウム塩として例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム等が挙げられる。
また本発明に使用し得る増粘剤としては、天然、半合成及び合成の水溶性増粘剤は何れも使用でき、天然粘質物では、微生物由来のキサンタンガム、ザンフロー、植物由来のペクチン、アラビアガム、グアーガムなどが、半合成粘質物では、セルロース又はでんぷん誘導体のメチル化物、カルボキシアルキル化物、ヒドロキシアルキル化物(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどを含む)、ソルビトールなどが、また合成粘質物では、ポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリビニルピロリドン、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物などが具体例として挙げられる。
次に本発明の農薬組成物に用いられる農薬原体の例を挙げるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の農薬用効力増強剤組成物は種々の作物に対して薬害はなく安全に使用できるものである。
殺菌剤としては、硫黄系のジネブ(亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、マンネブ(マンガンエチレンビスジチオカーバメート)、チウラム(ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルファイド)、マンゼブ (亜鉛イオン配位マンガニーズエチレンビスジチオカーバメート) 、ポリカーバメート(ビスジメチルジチオカルバモイル亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、プロピネブ(亜鉛プロピレンビスジチオカーバメート)、ベンズイミダゾール系としてはベノミル (メチル−1− (ブチルカルバモイル)−2−ベンズイミダゾールカーバメート) 、チオファネートメチル(1,2−ビス (3−メトキシカルボニル−2−チオウレイド)ベンゼン) 、ジカルボキシイミド系のビンクロゾリン(3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチル−5−ビニル−1,3−オキサゾリジン−2,4 −ジオン) 、イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル) −N −イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)、プロシミドン(N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシイミド) 、他にトリアジン(2,4−ジクロロ−6− (2−クロロアニリノ) −1,3,5−トリアジン)、トリフミゾール((E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N − (1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン) −o−トルイジン)、メタラキシル(メチル−N − (2−メトキシアセチル)−N −(2,6−キシリル)−D,L −アラニネート)、ビテルタノール(オール−ラック−1−(ビフェニル−4−イロキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル) −2−ブタン−2−オール) 、ピリフェノックス(2,4−ジクロロ−2−(3−ピリジル)アセトフェノン−(EZ)−O −メチルオキシム)、フェナリモル(2,4−ジクロロ−α−(ピリジン−5イル)ベンズヒドリル=アルコール)、トリホリン(1,4-ビス- (2,2,2−トリクロロ−1−ホルムアミドエチル)ピペラジン)、イミノクタジン酢酸塩(1,1−イミニオディ(オクタメチレン)ジグアニジウムトリアセテート)、有機銅(Oxine-copper)、水酸化第二銅(コサイドボルドー等)、抗生物質系殺菌剤(ストレプトマイシン系、テトラサイクリン系、ポリオキシ系、ブラストサイジンS、カスガマイシン系、バリダマイシン系)、トリアジメホン (1− (4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノン) 、イソプロチオラン (ジイソプロピル−1,3−ジチオラン−2−イリデンマロネート)、TPN (テトラクロルイソフタロニトリル) 、パンソイル(5−エトキシ−3−トリクロルメチル−1,2,4−チアジアゾール) 、フサライド(4,5,6,7−テトラクロルフタロリド) 、キタジンP (O,O−ジイソプロピル−S −ベンジルチオホスフェート)、ヒノザン(O−エチル−S,S −ジフェニルジチオホスフェート) 、プロベナゾール(3−アリロキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−1,1−ジオキサイド) 、キャプタン(N−トリクロロメチルチオ−テトラヒドロフタルイミド)、ホセチル(アルミニウム=トリス(エチル=ホスナート))等があり、好適なものとしては、有機銅(Oxine-copper)、水酸化第二銅、トリフミゾール( (E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N − (1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン) −o−トルイジン),イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル) −N −イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)が挙げられる。
殺虫剤の場合、ピレスロイド系殺虫剤としては、ペルメトリン((3-フェノキシベンジル=(1RS,3RS)-(1RS,3RS)-3-(2,2- ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート) 、シベルメトリン((RS)-α-シアノ-3-フェノキシベンジル=(1RS,3RS)-(1RS,3RS)-3-(2,2- ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート) 、フェンバレレエート(α−シアノ−3−フェノキシベンジル−2− (4−クロロフェニル)−3−メチルブタノエート) 、バイスロイド (シアノ(4−フルオロ−3−フェノキシフェニルメチル−3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2 −ジメチルシクロプロパンカルボキシレート) 、有機リン系殺虫剤としては、CYAP(O,O-ジメチル-O-p- シアノフェニル=チオホスフェート)、DMTP(O,O-ジメチル-S[ 5-メトキシ-1,3,4- チアジアゾル−2(3H)オニル-(3)- メチル] ジチオホスフェート)、BRP(ジメチル-1,2- ジブロム-2,2- ジクロロエチルホスフェート) 、サリチオン(2-メトキシ-4H-1,3,2-ベンゾジオキサホスホリン-2- スルフィド)、DDVP( ジメチル 2,2−ジクロルビニルホスフェート)、スミチオン(MEP) (O,O−ジメチル−O −(3−メチル−4−ニトロフェニル) チオフォスフェート) 、マラソン(S−〔1,2,−ビス (エトキシカルボニル)エチル〕ジメチルホスホロチオールチオネート)、ジメトエート(ジメチル S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート) 、エルサン( S−〔α−(エトキシカルボニル)ベンジル〕ジメチルホスホロチオールチオネート) 、バイジット(O,O−ジメチル−O −(3−メチル−4−メチルチオフェニルチオホスフェート))、カーバメート系殺虫剤としては、バッサ(O-sec- ブチルフェニルメチルカーバメート)、MTMC(m−トリルメチルカーバメート)、メオパール(3,4−ジメチルフェニル−N −メチルカーバメート)、NAC(1−ナフチル−N −メチルカーバメート) 、メソミル(S メチル−N 〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミド)、カルタップ(1,3−ビス(カルバモイルチオ)−2−(N,N−ジメチルアミノ)プロパンハイドロクロライド)等があり、好適なものとしては、ペルメトリン,DDVP( ジメチル 2,2−ジクロルビニルホスフェート)、メソミル(S メチル−N 〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミド)が挙げられる。
更に、天然系殺虫剤としては、除虫菊由来のピレトリン剤、ピペロニルブトキシド剤、マメ科のかん木デリス由来のロテノン剤、ニコチン剤(3−(1−メチル−2−ピルロリジニル)ピリジンサルフェート)等が挙げられる。昆虫成長制御剤(IGR剤)としては、ジフルベンズロン(1−(4クロロフェニル)−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素)、テフルベンズロン(1−(3,5 −ジクロロ−2,4 −ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素)、クロルフルアズロン(1−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素、ブプロフェジン(2−ターシャリーブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,3,5−チアジアジン−4−オン)、フェノキシカルブ(エチル−2−(4−フェノキシフェノキシ)エチルカルバマート)等が挙げられる。
また殺ダニ剤としては、CPCBS(パラクロロフェニルパラクロロベンゼンスルホネート) 、フェニソブロモレート(4,4'-ジブロムベンジル酸イソプロピル)、テトラジホン(2,4,5,4'-テトラクロロジフェニルスルホン) 、フェノチオカルブ(S-4- フェノキシブチル=ジメチルチオカーバメート)、フェンピロキシメート(tert−ブチル=(E)-α-(1,3-ジメチル−5−フェノキシピラゾール-4- イルメチレンアミノオキシ)-p-トルアート) 、フルアシナム(3-クロロ-N-(3-クロロ-5- トリフルオロメチル-2-ピリジル)-α,α,α-トリフルオロ-2,6-ジニトロ-p-トルイジン) 、クロフェンテジン(3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン)、DPC(ジニトロメチルヘプチルフェニルクロトネート) 、ピリダベン(2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン)、アクリシッド(2,4−ジニトロ−6−セカンダリ−ブチルフェニルジメチルアクリレエート)、クロルマイト(イソプロピル−4,4 −ジクロルベンジレエート)、クロルベンジレート(エチル−4,4 −ジクロルベンジレエート)、ケルセン(1,1−ビス(p−クロルフェニル)−2,2,2 −トリクロルエタノール)、ベンゾメート(エチル−O −ベンゾイル−3−クロル−2,6 −ジメトキシベンゾハイドロキシメイト) BPPS (2−(p−tert−ブチルフェノキシ)−シクロヘキシル−2−プロピニルスルファイト)、酸化フェンブタスズ(ヘキサキス(β,β−ジメチルフェニルエチル)ジスタンノキサン)、ヘキシチアゾクス(トランス−5−(4−クロロフェニル)−N −シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソチアゾリジン−3−カルボキサミド)、アミトラスズ(3−メチル−1,5−ビス(2,4−キシリル)−1,3,5 −トリアザペンタ−1,4 −ジエン)等があり、好適なものとしては、フェニソブロモレート(4,4'-ジブロムベンジル酸イソプロピル),アミトラスズ(3−メチル−1,5−ビス(2,4−キシリル)−1,3,5 −トリアザペンタ−1,4 −ジエン),フェンピロキシメート(tert−ブチル=(E)-α-(1,3-ジメチル-5- フェノキシピラゾール-4- イルメチレンアミノオキシ)-p-トルアート) が挙げられる。
除草剤としては、酸アミド系除草剤として、例えばスタム(3,4−ジクロルプロピオンアニリド、DCPA)、アラクロール(2−クロロ−2',6' −ジエチル−N −(メトキシメチル)アセトアニリド)等が挙げられる。尿素系除草剤として、例えば、DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1 −ジメチルウレア)、リニュロン(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチルウレア)等が挙げられる。ビピリジリウム系除草剤としては、例えばパラコート(1,1'−ジメチル-4,4'-ビピリジウムジクロライド)、ジクワット(6,7-ジヒドロジピリド[1,2-a:2',1'c]ピラジンディウムジブロマイド)等が挙げられる。ダイアジン系除草剤としては、例えばブロマシル(5−ブロモ -3-sec-ブチル−6−メチルウラシル)等が挙げられる。トリアジン系除草剤としては、例えばシマジン(2−クロロ-4,6- ビス(エチルアミノ)-1,3,5- トリアジン)、シメトリン(2,4-ビス(エチルアミノ)−6−メチルチオ-1,3,5- トリアジン)等が挙げられる。ニトリル系除草剤としては、例えばDBN (2,6-ジクロロベンゾニトリル)等が挙げられる。ジニトロアニリン系除草剤としては、例えばトリフルラリン(α,α,α−トリフルオロ-2,6- ジニトロ-N,N- ジプロピル−p−トルイジン)等が挙げられる。カーバメート系除草剤としては、例えばベンチオカーブ(サターン)(S−p−クロロベンジル-N,N- ジエチルチオカーバメート)、MCC (メチル-3,4- ジクロロカーバニレート)等が挙げられる。ジフェニルエーテル系除草剤としては、例えばNIP (2,4-ジクロロフェニル−p−ニトロフェニルエーテル)等が挙げられる。フェノール系除草剤としては、例えばPCP (ソディウム ペンタクロロフェノキシド)等が挙げられる。安息香酸系除草剤としては、例えばMDBA(ジメチルアミン-3,6- ジクロロ−o−アニセート)等が挙げられる。フェノキシ系除草剤としては、例えば 2,4-Dナトリウム塩(ソディウム 2,4- ジクロロフェノキシアセテート)、マピカ([(4-クロロ−o−トルイル)オキシ] アセト−o−クロロアニリド)等が挙げられる。アミノ酸除草剤としては、例えばグリホセート(N-(ホスホノメチル) グリシン又はその塩)、ビアラホス(ソディウム・ソルト・オブ L−2−アミノ−4−〔(ヒドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチリル−L −アラニル−L −アラニン)、グリホシネート(アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート)等が挙げられる。また脂肪族系除草剤としては、例えばTCA ナトリウム塩(ソディウム・トリクロロアセテート)あり、好適なものとしては、DBN (2,6-ジクロロベンゾニトリル),DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1 −ジメチルウレア),パラコート(1,1'−ジメチル-4,4'-ビピリジウムジクロライド)、ジクワット(6,7-ジヒドロジピリド[1,2-a:2',1'c]ピラジンディウムジブロマイド)が挙げられる。
更に、本発明の農薬組成物には上記以外の植物成長調節剤、肥料、防腐剤等の1種以上を混合して用いることもできる。
本発明では、殺菌、殺虫、殺ダニ、除草又は植物成長調節を目的として、本発明の農薬用効力増強剤組成物を含有し、該農薬用効力増強剤組成物を重量基準で農薬原体の0.03〜50倍、好ましくは0.1〜50倍、更に好ましくは0.3〜35倍含有する農薬組成物を用いる。
本発明の農薬組成物を散布する場合、散布用の農薬製剤中の化合物(A)及び化合物(B)の含有量の合計は、好ましくは30ppm〜50000ppm、より好ましくは50ppm〜25000ppm、更に好ましくは100ppm〜20000ppm、更により好ましくは300〜15000ppm、更により好ましくは500〜12000ppm、更により好ましくは600〜10000ppmである。含有量が下限値以上であれば、植物表面への液滴の湿展性及び農薬の植物への浸透性が良好となり、優れた農薬効力増強効果が得られる。また、含有量が上限値以下であれば、液滴の湿展性が適切となり植物体へ液滴が付着して流れ落ち難くなるため農薬効力増強効果を十分に発揮できる。なお、前記農薬製剤の残部は水が好ましい。
本発明の農薬組成物を散布する場合、散布用の農薬製剤中の化合物(A)及び化合物(B)の含有量の合計が前記範囲にあれば、好ましくは1L〜500L/10a、より好ましくは5L〜200L/10a、更に好ましくは5L〜100L/10a、さらにより好ましくは5L〜50L/10a、さらにより好ましくは5L〜30L/10aの割合で散布することができる。散布量が下限値以上であれば十分な濡れ性を得ることができ良好な農薬効力増強効果が得られ、また、上限値以下であれば適度な濡れが実現でき、液滴が葉面上より流れ落ち難くなる。すなわち、本発明によれば、本発明の農薬組成物(本発明の農薬組成物から調製した農薬製剤)を上記の割合で散布する、農薬組成物の散布方法もしくは植物の栽培方法も提供される。
本発明の農薬用効力増強剤組成物を用いた農薬製剤としては、本発明の農薬用効力増強剤組成物の分包包装体と、農薬成分の分包包装体とからなる農薬製剤が挙げられる。また、化合物(A)と化合物(B)の分包包装体と、化合物(A)と化合物(B)以外の界面活性剤の分包包装体と、農薬成分の分包包装体とからなる農薬製剤とすることも可能である。尚、ここで、分包包装体となる農薬成分とは、農薬原体と任意成分とを任意の割合で含んでいてもよい、乳剤、水和剤等の形態のものを意味する。各分包包装体中の形態は限定されず、用途、目的に応じて調製される。
本発明により、化合物(A)と、化合物(B)と、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択される何れかの農薬原体とを混合する、農薬組成物の製造方法を提供することができる。この製造方法では、農薬用効力増強剤組成物や農薬組成物で説明した割合で化合物(A)、化合物(B)及び農薬原体を用いることが好ましい。
また、本発明の植物の生産方法は、本発明の農薬用効力増強剤組成物と、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択される何れかの農薬原体とを植物に施す工程を含む。また、本発明の植物の生産方法は、前記本発明の農薬組成物を植物に施す工程を含む方法であってもよい。農薬用効力増強剤組成物、農薬原体、又は農薬組成物を植物に施す方法は、特に限定されず、前述したように、本発明の農薬用効力増強剤組成物を含む農薬用組成物を葉面、茎、果実等に直接散布したり、水耕栽培やロックウールのように根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して根表面等に供給(塗布)する方法が挙げられる。本発明の農薬用効力増強剤組成物の効果(有効成分の植物への付着性を向上させる効果)を有効に発揮させるには、農薬用効力増強剤組成物又は農薬組成物を植物に施す方法として、植物の地上部へ散布する方法が好ましく、葉面に散布する方法がより好ましい。また、本発明の農薬用効力増強剤組成物と農薬原体とを、前記した方法で別々に植物に施すこともできる。
本発明では、農薬用効力増強剤組成物(該組成物と水を含有する散布用製剤も含む)と農薬原体(農薬原体と水を含有する散布用製剤も含む)とを、又は農薬組成物(農薬組成物から調製した散布用製剤も含む)を、植物の水に対する接触角が50〜180度である部分、例えば葉、茎などに、滴下する、散布する等により接触させることが好ましい。植物表面は一般的にエピクチクラワックス、クチクラワックス、クチンなどに覆われ疎水性の特性を有する。それ故、農薬を含有した水溶液を植物へ散布した際、散布水滴が疎水性表面にはじかれ濡れないことにより、農薬が付着せずまたは浸透せず、除草剤、殺虫剤、殺菌剤等の効果を低下させることが問題となっている。本発明の農薬用効力増強剤組成物と農薬原体とを、又は農薬組成物を、植物の疎水性が高い部分に散布して接触、付着させることで、高い農薬増強効果を示す。
植物表面の疎水性を示す指標として水の接触角がある。本発明の農薬効力増強効果がより発揮される植物の接触角として、50度〜180度が好ましく、より好ましくは70度〜180度、さらにより好ましくは90度〜180度である。接触角測定方法は、25℃において、水5μLを施用対象となる植物の表面(例えば、第3葉の表面)に滴下し、横からマイクロスコープにより滴下10秒後の液滴の状態を撮影し、画像処理により対象面と水滴との接触角を測定する。
上記範囲の接触角を示す部分を有する代表的な植物は以下のとおりであるが、これらに限定されるものではない。雑草としては、ギョウギシバ、タツノツメガヤ、コヒメビエ、イヌビエ、オヒシバ、メヒシバ、チガヤ、タイワンアシカキ、アゼガヤ、ハイキビ、ネピアグラス、ツノアイアシ、コツブキンエノコロ、タマガヤツリ、コゴメガヤツリ、ハマスゲ、クロタマガヤツリ、クサネム、カッコウアザミ、ツルノゲイトウ、アオビユ、マルバツユクサ、シマツユクサ、ホテイアオイ、シマニシキソウ、ナンバンルリソウ、ニオイニガグサ、ナンゴクデンジソウ、オジギソウ、コナギ、スベリヒユ、コトブキギク、ベルベットリーフ、スギナなどが挙げられる。本発明の農薬効力増強効果がより発揮される好ましい雑草としては、ギョウギシバ、コヒメビエ、イヌビエ、オヒシバ、メヒシバ、チガヤ、タイワンアシカキ、アゼガヤ、ハイキビ、コツブキンエノコロ、クサネム、ナンゴクデンジソウ、オジギソウ、ベルベットリーフ、スギナが挙げられ、より好ましくは、ギョウギシバ、コヒメビエ、イヌビエ、オヒシバ、メヒシバ、チガヤ、クサネム、ベルベットリーフ、スギナが挙げられる。
また、作物としては、オオムギ、エンドウ、イネ、コムギ、キャベツ、サトイモ、イチゴ、メロン、ナス、トマト、ネギ、アブラナ、ダイズ、インゲンマメ、サツマイモ、キュウリ、ハクサイ、リンゴ、ナシ、モモ、カキ、カンキツなどが挙げられる。本発明の農薬効力増強効果がより発揮される好ましい作物としては、オオムギ、エンドウ、イネ、コムギ、キャベツ、ハクサイ、サトイモ、イチゴ、メロン、ナス、トマト、ネギ、アブラナ、ダイズ、キュウリ、インゲンマメであり、より好ましくは、イネ、コムギ、キャベツ、ハクサイ、ダイズ、ネギ、インゲンマメ、キュウリである。
なお、農薬用効力増強剤組成物ならびに農薬組成物に含有される化合物(A)及び化合物(B)は、組成物の調製後であっても、ガスクロマトグラフィーにより分離し、FID検出器にて検出することができる。例えば、農薬用効力増強剤組成物又は農薬組成物をエタノール等の適当な溶媒で希釈した後、以下の条件で測定することにより、農薬用効力増強剤組成物又は農薬組成物中の化合物(A)及び化合物(B)の存否を定量的に確認することができる。
装置:ガスクロマトグラフィー分析システム(Agilent Technologies 6850 Series II)
カラム:DB5((5%-Phenyl)-Methylpolysiloxane)
カラムサイズ:12m×200μm×0.33μm、
ヘリウムガス流量:1.0mL/min、圧力:85.0kPa、
カラム温度条件(初期カラム温度:60℃、2minホールド→10℃/min昇温→300℃、14minホールド)
実施例1及び比較例1
表1、2に、以下の実施例、比較例で用いた化合物(A)及び化合物(B)、並びに比較化合物を示す。
表1、2の化合物を表3、4の組み合わせで用いて表3、4の農薬用効力増強剤組成物〔表1、2の化合物が100重量%を占めるもの、又は表1、2の化合物と溶媒を含有するもの〕を調製し、以下の方法で湿展性試験、殺草試験、殺虫試験、殺ダニ試験、及び殺菌試験を行った。表1中A−11、A−12、A’−7以外の化合物及び表2中の全ての化合物は花王(株)製であり、表1中のA−11、A−12、A’−7は太陽化学(株)製である。なお、表4では、化合物(A)、化合物(B)に該当しない化合物も便宜的にそれぞれの欄に示した。また、表4中、実施例1−33では水10重量%を、実施例1−34ではエチル乳酸10重量%を、実施例1−35ではジエチレングリコール10重量%を、それぞれ溶媒として使用した。
[湿展性試験]
試験植物としてイヌビエを用いた。予め12cmポットにイヌビエを生育させ、8葉期の植物体を試験に供した。イヌビエの第5葉を採取し、農薬用効力増強剤組成物を化合物(A)及び化合物(B)の濃度が表3、4に示す農薬散布液中の濃度になるよう水と混合した試験液(農薬を含まないもの)を葉の中央部に5μL滴下した。なお、イヌビエ葉面の水に対する接触角は130度であった。滴下1分後、液滴の長径と短径をノギスで計測し、長方形として液滴の広がった面積を計測することで、液滴の疎水葉面における湿展性を評価した。反復は5反復である。その結果、表3、4に示すように本発明の農薬用効力増強剤組成物によれば、その湿展性を飛躍的に向上できることが確認された。
[殺草試験]
12cmポットにイヌビエを生育させ、草丈が18cm程度の植物体を試験に供した。水1Lにラウンドアップ液剤(日産化学工業社製除草剤;グリホサートイソプロピルアミン塩として有効分41重量%)を4.8gと、散布時の濃度が表3、4に示す通りとなる量の農薬用効力増強剤組成物〔化合物(A)及び化合物(B)〕とを混合し、農薬散布液(農薬組成物)を作製した。農薬散布液を、表3、4に示す散布量で前記植物体全体にかかるように葉面散布し、殺草効力を評価した。なお、イヌビエ葉面の水に対する接触角は130度であった。殺草効力の評価は散布後14日目に地上部重量を量り、無処理区の地上部生重量を基準とした殺草率を下記式に基づき算出した。殺草率の数値が高いほど、農薬効力(殺草効果)が高いことを示す。ここで無処理区とは農薬及び農薬効力増強剤組成物との希釈混合物(農薬散布液)を散布していない区のことである(他の試験でも同様)。
殺草率(%)=(無処理区の地上部重量−処理区の地上部重量)/無処理区の地上部重量×100
表3、4の結果から、本発明の農薬組成物によれば、その殺草効果を向上できることが確認された。
[殺虫試験]
12cmポットに草丈15cmになるまでイネ苗を生育させた。イネ1株に、羽化後3〜5日経過したウンカを10個体、3反復にて供試し培養した。水1Lにスミチオン乳剤(住友化学社製殺虫剤;フェニトロチオンとして有効分50重量%)0.3gと、散布時の濃度が表3、4に示す通りとなる量の農薬用効力増強剤組成物〔化合物(A)及び化合物(B)〕とを混合し、農薬散布液(農薬組成物)を作製した。農薬散布液を、表3、4に示す散布量でウンカが付着したイネ苗へ葉面散布した。なお、イネ苗葉面の水に対する接触角は135度であった。風乾後、金網円筒をかぶせ、その3日後、生存虫数を測定し、下記式により殺虫率を算出した。殺虫率の数値が高いほど、農薬効力(殺虫効果)が高いことを示す。
殺虫率(%)=(無処理区の生存虫数−処理区の生存虫数)/無処理区の生存虫数×100
表3、4の結果から、本発明の農薬組成物によれば、その殺虫効果を向上できることが確認された。
[殺ダニ試験]
12cmポットに5葉期になるまでインゲンマメを生育させた。1株あたりカンザワハダニ30匹を3反復にてうえつけた。水1Lにニッソラン水和剤(日本曹達社殺ダニ剤;ヘキシチアゾクスとして有効分10重量%)0.3gと、散布時の濃度が表3、4に示す通りとなる量の農薬用効力増強剤組成物〔化合物(A)及び化合物(B)〕とを混合し、農薬散布液(農薬組成物)を作製した。農薬散布液を、表3、4に示す散布量でインゲンマメへ葉面散布した。なお、インゲンマメ葉面の水に対する接触角は100度であった。風乾後、金網円筒をかぶせ、3日後に生存ダニ数を測定し、下記式により殺ダニ率を算出した。殺ダニ率の数値が高いほど、農薬効力(殺ダニ効果)が高いことを示す。
殺ダニ率(%)=(無処理区の生存ダニ数−処理区の生存ダニ数)/無処理区の生存ダニ数×100
表3、4の結果から、本発明の農薬組成物によれば、その殺ダニ効果を向上できることが確認された。
[殺菌試験]
12cmポットに3葉期になるまでキュウリを栽培した。殺菌剤抵抗性菌であるキュウリ灰色カビ病菌(Botrytis cinerea)の胞子懸濁液(菌数は107個/mL)を、キュウリに50mL/10aの散布量で散布した。その後、25℃、90%相対湿度下に静置し、菌を感染させた。3日後、水1Lにベンレート水和剤(住友化学社製殺菌剤;ベノミルとして有効分50重量%)0.5gと、散布時の濃度が表3、4に示す通りとなる量の農薬用効力増強剤組成物〔化合物(A)及び化合物(B)〕とを混合し、農薬散布液(農薬組成物)を作製した。農薬散布液を、表3、4に示す散布量でキュウリに葉面散布した。なお、キュウリ葉面の水に対する接触角は90度であった。次いで、ポットを25℃、85%相対湿度下に静置し、一週間後、病斑数を数え、以下の式を用いて防除価を算出した。防除価の数値が高いほど、農薬効力(殺菌効果)が高いことを示す。
防除価(%)={1−(処理区の病斑数/無処理区の病斑数)}×100
表3、4の結果から、本発明の農薬組成物によれば、その殺菌効果を向上できることが確認された。
Figure 2012184187
Figure 2012184187
Figure 2012184187
Figure 2012184187

Claims (7)

  1. 下記(A1)〜(A5)から選ばれる一種以上の化合物(A)、及び下記(B1)から選ばれる一種以上の化合物(B)を含有する農薬用効力増強剤組成物。
    (A1):下記一般式(A1)で示される化合物
    1aO−(EO)l−R2a (A1)
    (式中、R1aは炭素数10〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、lはエチレンオキシ基の平均付加モル数であり、3〜40の数を示し、R2aは水素原子又はメチル基を示す。)
    (A2):ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8〜16であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5〜40である。)
    (A3):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8〜16であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5〜40である。)
    (A4):(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8〜16であり、グリセリンの平均縮合度は1〜3である。)
    (A5):下記一般式(A5)で示されるアルキルサッカライド
    3a−O−(G)p (A5)
    (式中、R3aは炭素数8〜16のアルキル基、Gは炭素数5〜6の還元糖を示し、pは1〜10の数を示す。)
    (B1):下記一般式(B1)で示される脂肪族アルコール
    1b−OH (B1)
    (式中、R1bは炭素数8〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
  2. 化合物(A)及び化合物(B)の重量比が(A)/(B)で0.03〜30である請求項1の農薬用効力増強剤組成物。
  3. 水及び/又は有機溶媒を含有する請求項1又は2の農薬用効力増強剤組成物。
  4. 下記(A1)〜(A5)から選ばれる一種以上の化合物(A)と、下記(B1)から選ばれる一種以上の化合物(B)と、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択される何れかの農薬原体とを含有する農薬組成物。
    1aO−(EO)l−R2a (A1)
    (式中、R1aは炭素数10〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、lはエチレンオキシ基の平均付加モル数であり、3〜40の数を示し、R2aは水素原子又はメチル基を示す。)
    (A2):ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8〜16であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5〜40である。)
    (A3):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8〜16であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5〜40である。)
    (A4):(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8〜16であり、グリセリンの平均縮合度は1〜3である。)
    (A5):下記一般式(A5)で示されるアルキルサッカライド
    3a−O−(G)p (A5)
    (式中、R3aは炭素数8〜16のアルキル基、Gは炭素数5〜6の還元糖を示し、pは1〜10の数を示す。)
    (B1):下記一般式(B1)で示される脂肪族アルコール
    1b−OH (B1)
    (式中、R1bは炭素数8〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
  5. 請求項1〜3の何れか1項記載の農薬用効力増強剤組成物と、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択される何れかの農薬原体とを植物に施す工程を含む、植物の生産方法。
  6. 請求項4記載の農薬組成物を植物に施す工程を含む、植物の生産方法。
  7. 農薬用効力増強剤組成物と農薬原体とを、又は農薬組成物を、植物の水に対する接触角が50〜180度である部分に接触させる、請求項5又は6に記載の植物の生産方法。
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