JP2012183787A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷解像度の低下に伴う画質の劣化を抑制する技術の提供。
【解決手段】印刷媒体に対してインクを吐出する複数のノズルを備えた印刷ヘッドによって印刷を行うにあたり、前記印刷媒体上の画素毎の基準の記録位置に前記インクを記録するための基準タイミングと、前記基準の記録位置の間隔より小さな変位量を前記基準の記録位置から変位させた変位記録位置に前記インクを記録するための変位タイミングとで前記複数のノズルから前記インクを吐出させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ノズルからインクを吐出して印刷を行う印刷装置に関する。
ノズルからインクを吐出して印刷媒体に記録する、いわゆるインクジェット印刷装置においては、印刷媒体上で縦横に並ぶ複数の画素を形成するため、印刷ヘッドによって主走査および副走査を実行可能に構成するとともに、印刷ヘッドを主走査方向に移動させる過程において基準の記録位置にインクが記録されるように予め決められたタイミングでインクを吐出する。例えば、特許文献1に開示された技術においては、インク滴のサイズに応じて吐出タイミングをずらすことで、異なるインク滴のサイズの全てで記録位置が基準の記録位置に近づくように記録位置の制御がなされる。
特開2002−86766号公報
従来の技術においては、インクの記録位置が基準の記録位置になるように制御がなされる。従って、通常は、印刷媒体上に多数のインクを記録した場合に各インクが基準の記録位置に記録されて多数のインクが整然と配置される。しかし、低い印刷解像度で印刷を行う場合、インクが整然と配置されると、インク間のラインが視認されるようになるなど、インクの整然とした配置が画質の劣化要因となり得る。また、低い印刷解像度でインクが整然と配置されている印刷媒体をスキャナーによってスキャンする場合、基準の記録位置の周期に応じた周期的な画質劣化が生じ得る。例えば、ラインセンサーを移動させながら異なるタイミングで異なる色成分の色の階調値をスキャンするスキャナーにおいては、特定の色のラインが複数の色の複数のラインとしてスキャンされてしまうことがある。
本発明は前記課題にかんがみてなされたもので、印刷解像度の低下に伴う画質の劣化を抑制する技術を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては、印刷媒体上の画素毎の基準の記録位置に前記インクを記録するための基準タイミングで複数のノズルからインクを吐出させる基準駆動電圧と、基準の記録位置の間隔(最小間隔)より小さな変位量を基準の記録位置から変位させた変位記録位置にインクを記録するための変位タイミングで複数のノズルからインクを吐出させる変位駆動電圧とを生成する。そして、基準駆動電圧と変位駆動電圧とによって印刷ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出させて印刷媒体に印刷する。すなわち、基準の記録位置をターゲットとしたインクの記録と、変位記録位置をターゲットとしたインクの記録との双方を印刷装置にて実行する構成とする。この構成によれば、印刷媒体上で基準の記録位置と変位記録位置とにインクが配置されることになるため、基準の記録位置にインクが整然と配置される場合と比較して、画質の劣化が抑制される。また、スキャナーにて印刷媒体をスキャンした場合に、周期的な画質劣化が現れにくくなる。従って、印刷解像度が低い場合であっても、印刷解像度の低下に伴う画質の劣化を抑制することができる。
基準駆動電圧生成手段は、印刷媒体上の画素毎の基準の記録位置にインクを記録するための基準タイミングで複数のノズルからインクを吐出させる基準駆動電圧を生成することができればよい。基準の記録位置は、印刷媒体上で2次元的に配置される複数の画素の中心位置に相当し、印刷ヘッドを一方向に移動させながらインクを吐出する構成においては、任意のサイズのインクが基準の記録位置に記録されるように基準タイミングで印刷ヘッドからインクを吐出するように基準駆動電圧の電圧波形が設定される。
変位駆動電圧生成手段は、基準の記録位置の間隔より小さな変位量を基準の記録位置から変位させた変位記録位置にインクを記録するための変位タイミングで複数のノズルからインクを吐出させる変位駆動電圧を生成することができればよい。すなわち、ここでは、設計によって規定される基準の記録位置からあえてインクの記録位置を変位させた変位記録位置にもインクを記録できるように変位駆動電圧によって変位タイミングでインクを吐出可能に構成されていることになる。変位記録位置は、上下左右方向(あるいは斜め方向)に隣接する基準の記録位置の間隔より小さな変位量だけ基準の記録位置から変位した位置であれば良い。変位量の大きさは基準の記録位置の間隔の0%より大きく50%以下であることが好ましい。基準の記録位置からの変位方向は特に限定されないが、基準の記録位置に対して主走査方向あるいは副走査方向に平行な方向に変位させる構成が好ましい。
また、変位駆動電圧は、基準の記録位置から所定の変位量だけ変位した変位記録位置をターゲットとしてインクを吐出できればよく、これによって基準の記録位置に整然とインクが配置されることによる画質の劣化を抑制することができればよい。従って、変位記録位置に記録されるインクの数は複数であるとともに、印刷される画像の全体に当該変位記録位置に記録されるインクが配置されていることが好ましい。さらに、変位記録位置に記録されるインクの数を複数とする場合、各変位記録位置についての変位量を動的に変動させても良いし、固定の量であっても良い。後者であれば、変位記録位置に記録されるインクが周期的に配置される状態となる。
印刷ヘッド制御手段は、インクの記録位置が基準の記録位置となる基準タイミングと変位記録位置となる変位タイミングとでインクを吐出させるように基準駆動電圧と変位駆動電圧との双方でインクを吐出させることができればよい。すなわち、任意のノズルへの印加電圧を基準駆動電圧と変位駆動電圧とのいずれかから選択してノズルに印加すればよい。
さらに、基準の記録位置と変位記録位置との双方にインクを記録するための構成として、基準の記録位置にインクを記録するラインと変位記録位置にインクを記録するラインとの双方を印刷するように構成してもよい。例えば、基準駆動電圧によって複数のノズルからインクを吐出させる主走査と、変位駆動電圧によって複数のノズルからインクを吐出させる主走査とを実行する。この構成はライン単位で駆動電圧を選択することで実現可能であるため、簡易な構成によって印刷ヘッドからのインクの吐出タイミングを制御することが可能になる。
さらに、印刷ヘッドから複数の色のインクを吐出可能な場合に、基準の記録位置に記録される色と、変位記録位置に記録される色とを設ける構成としても良い。例えば、N色(Nは2以上の整数)のインクを吐出可能に印刷ヘッドが構成されている場合に、同一ライン上で1色のインクを基準駆動電圧によって基準タイミングで吐出させるとともに(N−1)色のインクを(N−1)個の変位駆動電圧によって(N−1)個の変位タイミングで吐出させる。さらに、この構成において、隣接するライン間では基準駆動電圧および(N−1)個の変位駆動電圧のそれぞれで吐出されるインクが異なる色となるように複数のノズルからインクを吐出させる構成とする。この構成によれば、色数が増えるほど基準の記録位置から変位した変位記録位置にインク滴を記録することが容易になるため、容易に画質の劣化を抑制することができる。
さらに、印刷解像度が低くなるほど基準の記録位置にインクが整然と配置されることによる画質低下が現れやすくなるため、印刷解像度に応じた制御を行う構成としても良い。例えば、基準の印刷解像度以下の印刷解像度で印刷媒体上にインクを記録する場合に基準駆動電圧と変位駆動電圧とによって複数のノズルからインクを吐出させ、基準の印刷解像度よりも高い印刷解像度で印刷媒体上にインクを記録する場合に基準駆動電圧によって複数のノズルからインクを吐出させる。すなわち、基準の印刷解像度以下で印刷する場合に変位記録位置にもインクが記録されるように印刷ヘッドを制御する。この構成によれば、画質の劣化が顕在化し得る印刷解像度で当該画質の劣化要因を抑制することができる。
なお、基準の印刷解像度は、画質の劣化が顕在化し得る解像度であれば良く、例えば、人間の目がコントラストを認識可能な空間周波数に基づいて決定することが可能であり、記録されたインクによって縞模様を形成した場合に、当該縞模様を認識可能な限界の空間周波数を統計的に特定し、当該限界の空間周波数における縞模様のピッチと基準の記録位置のピッチとが一致するように基準の印刷解像度を設定する構成を採用可能である。この場合、基準の印刷解像度は、500〜700dpi程度となるため、基準の印刷解像度を500,600,700dpi等に設定すればよい。
さらに、印刷媒体がスキャナーによって所定のスキャン解像度でスキャンされ、かつ、印刷媒体上での印刷解像度と整数との積がスキャン解像度と整数との積に等しくなる場合に、基準駆動電圧と変位駆動電圧とによって複数のノズルからインクを吐出させる構成としても良い。すなわち、印刷解像度と整数との積がスキャン解像度と整数との積に等しい場合、印刷媒体上でのインクの配置周期の整数倍とスキャンされた画素の周期の整数倍とが一致し得る状況となるため、モアレが発生しやすい状況となる。そこで、この状況において基準駆動電圧と変位駆動電圧とによって基準タイミングと変位タイミングとで複数のノズルからインクを吐出させることにより、モアレの発生を抑制することが可能になる。なお、ここでは、印刷解像度が上述の基準の解像度以下であり、かつ、印刷解像度と整数との積がスキャン解像度と整数との積に等しい場合に基準タイミングと変位タイミングとで複数のノズルからインクを吐出させる構成とすることが好ましい。この構成によれば、モアレが顕在化し得る状況でモアレの原因を抑制することができる。
さらに、印刷媒体が所定方向にラインセンサーを移動させながらスキャンを行うスキャナーによってスキャンされる場合の所定方向と変位記録位置が基準の記録位置に対して変位する変位方向とが平行となるように変位駆動電圧によって複数のノズルからインクを吐出させる構成としても良い。すなわち、所定方向にラインセンサーを移動させながらスキャンを行うスキャナーにおいては、所定方向にラインセンサーを移動させながら周期的なスキャンタイミングでスキャンを行う。このため、当該所定方向に周期的なパターンが印刷された印刷媒体をスキャンすると、モアレが発生しやすい。そこで、このような場合に、所定方向と変位方向とが平行となるように変位タイミングにおいて複数のノズルからインクを吐出させる構成とすれば、モアレの原因を抑制することができる。
なお、ラインセンサーの移動方向である所定方向と変位方向とを平行にするための構成としては、種々の構成を採用可能であり、印刷媒体をスキャンする予定のスキャナーにおいて当該印刷媒体をスキャンする場合の所定方向と印刷媒体上の印刷面との関係を予め特定しておき、当該所定方向と平行な方向に変位させた変位記録位置にインクを記録するように印刷ヘッドを制御する構成等を採用可能である。また、印刷媒体に印刷媒体をスキャンする際のスキャン方向(所定方向)を指示するアイコンを印刷し、また、印刷装置等のUIにおいて当該スキャン方向を指示する構成としても良い。さらに、印刷装置がスキャナーを備える複合機である場合、印刷媒体のサイズ毎に印刷媒体をスキャンする際のデフォルトのスキャン方向が予め決まるので、当該スキャン方向と変位方向とが平行になるように印刷ヘッドを制御する構成としても良い。
さらに、複数のノズルのそれぞれから吐出されるインクの色毎に異なる印刷解像度で印刷媒体上にインクを記録可能な構成において、基準の印刷解像度以下の印刷解像度で印刷媒体上に記録される色のインクは基準駆動電圧と変位駆動電圧とによって複数のノズルから吐出させ、基準の印刷解像度よりも高い印刷解像度で印刷媒体上に記録される色のインクは基準駆動電圧によって複数のノズルから吐出させる構成としても良い。すなわち、色毎に異なる印刷解像度で印刷可能な場合、色によって画質の劣化が顕在化する色と顕在化しない色とが発生し得る。そこで、基準の印刷解像度以下の印刷解像度で印刷されることによって、画質の劣化が顕在し得る色が存在する場合には、その色のインクを印刷する場合に、基準駆動電圧と変位駆動電圧とによって基準タイミングと変位タイミングとでインクを吐出させる。この結果、必要最小限の調整で画質の劣化を抑制することが可能になる。
さらに、本発明のように、インクを基準の記録位置に記録するための基準タイミングと基準の記録位置の間隔より小さな変位量だけ基準の記録位置から変位した変位タイミングとでノズルから吐出させる手法は、装置やプログラムとしても適用可能である。また、以上のような装置、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複合的な機能を有する装置において共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。
本発明の実施形態にかかる印刷装置のブロック図である。 (2A)はピエゾ素子の駆動電圧の電圧波形を示す図、(2B)は印刷媒体上に記録されるインクを示す図、(2C)はスキャナーによるスキャン結果を示す図である。 (3A)はピエゾ素子の駆動電圧の電圧波形を示す図、(3B)は印刷媒体上に記録されるインクを示す図である。 (4A)は印刷ヘッドに形成されたノズルを示す図、(4B)(4C)は印刷媒体上に記録されるインクを示す図である。 (5A)(5B)は印刷媒体上に記録されるインクを示す図である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)第1実施形態:
(2)他の実施形態:
(1)第1実施形態:
図1は、本発明にかかる印刷装置の制御系の構成を示すブロック図である。印刷装置40は、RAM,ROM,CPU等を備える制御部41と印刷ヘッド42とキャリッジドライバー43と基準駆動電圧生成部44aと変位駆動電圧生成部44bとモータードライバー45とを備えたインクジェットプリンターであり、ROMに記録されたプログラムを制御部41で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとしてコンピューター10が印刷データ生成プログラム21の処理によって生成した印刷データを取得し、当該印刷データに基づいて印刷を実行する機能を実行可能である。当該印刷を実行する機能は、印刷解像度の低下に伴う画質の劣化を抑制しながら印刷を実行させる機能を含んでいる。
印刷装置40は、印刷媒体の搬送経路に沿って設置された図示しない搬送ローラーを備えており、当該搬送ローラーに接続された図示しないモーターの回転駆動力によって搬送ローラーを回転させ、印刷媒体を印刷ヘッド42とプラテンの間の印刷領域に搬送し、さらに、印刷後の印刷媒体を搬送して印刷装置40から排出させることが可能である。モータードライバー45は、当該モーターに対して印加する電圧を生成する回路を備えており、制御部41が出力する制御信号に応じて、制御部41が指示したタイミングおよび回転駆動力でモーターを回転させるための電圧を生成し、モーターに対して印加する。
印刷ヘッド42には、複数のノズルが形成されており、各ノズルからインク滴を吐出することができる。本実施形態においては、複数のノズルが一方向に並ぶように印刷ヘッド42に形成されている。複数のノズルは図示しないインクタンクに連結されたインク室の開口部であり、インク室の壁面はピエゾ素子の伸縮に応じて移動可能に構成されている。当該ピエゾ素子が伸縮すると、インク室の壁面の変動に連動してインク室の容積が変動し、インク室内のインクがノズルから吐出される。
複数のノズルに対応する複数のピエゾ素子には、基準駆動電圧生成部44aと変位駆動電圧生成部44bが接続されている。当該基準駆動電圧生成部44aと変位駆動電圧生成部44bは、所定の波形の周期的な電圧を、異なる位相で生成させる回路を備えている。図2Aは、横軸を時間、縦軸を電圧とした2個のグラフによって同一波形の周期的な電圧であって位相が異なる基準駆動電圧V0と変位駆動電圧V1とが生成される例を示している。すなわち、図2Aに示すように、基準駆動電圧V0は、時刻T01から時刻T02までの期間を周期とした実線で示す電圧波形であり、変位駆動電圧V1は時刻T11から時刻T12までの期間を周期とした破線で示す電圧波形である。また、同図に示すように、基準駆動電圧V0と変位駆動電圧V1とは一定電圧レベルからレベルが上昇し、その後下降して所定の上昇下降パターンを繰り返した後に再度一定レベルまで戻る共通の電圧パターンを含んでおり、基準駆動電圧V0と変位駆動電圧V1とでは当該電圧パターンの出現タイミングが時刻T01と時刻T11とで異なっているため、両者は位相が異なる。そして、当該電圧パターンがピエゾ素子に印加されることにより、当該ピエゾ素子が駆動してインク滴を吐出する。
制御部41は、基準駆動電圧生成部44aと変位駆動電圧生成部44bとに制御信号を出力することによって、ノズルに印加すべき駆動電圧を選択する。すなわち、制御部41は、基準駆動電圧生成部44aと変位駆動電圧生成部44bとが生成した基準駆動電圧と変位駆動電圧とを選択して任意のノズルのピエゾ素子に対して印加させることができる。なお、本実施形態においては、基準駆動電圧生成部44aと変位駆動電圧生成部44bによって、印刷解像度毎に予め決められたサイズのインク滴を吐出するための電圧が生成され、かつ、同じ波形で位相が異なる2種類のパターンで電圧が生成される。図2Aに示す基準駆動電圧V0および変位駆動電圧V1は300dpiの印刷解像度で印刷を行う場合の電圧波形である。
さらに、本実施形態において印刷ヘッド42は、図示しないキャリッジによって所定方向に往復動可能に構成されている。すなわち、キャリッジは、キャリッジドライバー43の制御によって、複数のノズルが並ぶ方向に対して垂直な方向に印刷ヘッド42を移動させることが可能である。また、ノズルが並ぶ方向に対して垂直な方向に移動可能な範囲の端部まで印刷ヘッド42が達した場合、制御部41は、モータードライバー45に対して制御信号を出力し、印刷ヘッド42の移動方向に対して垂直な方向に印刷媒体を単位距離だけ搬送する。
さらに、制御部41は、ノズルが並ぶ方向に対して垂直な方向に印刷ヘッド42が単位距離だけ移動する度に、基準駆動電圧生成部44aと変位駆動電圧生成部44bとのいずれかまたは双方に対して制御信号を出力して基準駆動電圧と変位駆動電圧とを選択してピエゾ素子に当該基準駆動電圧と変位駆動電圧とを印加してノズルからインクを吐出させる。本明細書においては、ノズルが並ぶ方向に対して垂直な方向に印刷ヘッド42を移動させる動作を主走査と呼ぶ。また、主走査の方向に垂直な方向に印刷媒体を搬送する動作を副走査と呼ぶ。
本実施形態においては、図2Aに示すように、基準駆動電圧V0において一定電圧レベルからレベルが上昇し始める時刻T01と基準駆動電圧V1において一定電圧レベルからレベルが上昇し始める時刻T11とは異なっており、当該時刻T01と時刻T11とには、電圧波形の周期の1/2の期間に相当するずれが設けられている。従って、主走査の過程で基準駆動電圧V0がノズルに印加され続けた場合に印刷媒体に記録されるインク滴の主走査方向の周期と、主走査の過程で基準駆動電圧V1がノズルに印加され続けた場合に印刷媒体に記録されるインク滴の主走査方向の周期とは一致する。しかし、両者では主走査方向の周期の1/2だけ主走査方向に記録位置がずれた状態となる。
本実施形態において、制御部41は、以上のような基準駆動電圧V0と基準駆動電圧V1とがライン毎に交互に印加されるように選択する。従って、当該構成により、本実施形態においては、主走査方向に並ぶ画素によって構成されるラインの全てにおいてインクの記録周期は一定であり、かつ、隣接するライン同士では記録位置が主走査方向に周期の1/2だけずれた状態となる。図2Aに示す基準駆動電圧V0の周期はノズルから吐出されるインク滴が300dpiの間隔で記録されるように設定された周期であり、基準駆動電圧V1の周期もノズルから吐出されるインク滴が300dpiの間隔で記録されるように設定された周期である。また、基準駆動電圧V0と基準駆動電圧V1とでは300dpiでインクを記録する周期の1/2、つまり、600dpiに相当するタイミングのずれが生じていることになる。
従って、図2Aに示す基準駆動電圧V0によって奇数番目ラインの画素を印刷する主走査を行い、基準駆動電圧V1によって偶数番目ラインの画素を印刷する主走査を行うと、図2Bに示すように印刷媒体上にインクが配置される。図2Bにおいては、基準駆動電圧V0によって記録されるインクを実線の丸、基準駆動電圧V1によって記録されるインクを破線の丸によって模式的に示しており、同図2Bに示すように、同一ライン内では主走査方向の解像度が300dpiとなるようにインクが記録され、異なるライン間では副走査方向の解像度が300dpi、主走査方向の解像度が600dpiとなるようにインクが記録される。
以上の構成において、実線の丸で示す位置を基準の記録位置とみなすと、破線の丸で示す位置が変位記録位置とみなすことができ、基準駆動電圧V0は基準の記録位置にインクを記録するための基準タイミングでノズルからインクを吐出させる波形となり、基準駆動電圧V1は変位記録位置にインクを記録するための変位タイミングでノズルからインクを吐出させる波形となる。そして、図2A,2Bに示す例において、変位記録位置は基準の記録位置から基準の記録位置の間隔L(300dpiの間隔)の1/2(50%)の変位量(L/2:600dpiの変位)が設けられた位置となる。以上の構成のように、印刷媒体上で基準の記録位置と変位記録位置とにインクが配置されると、基準の記録位置にインクが整然と配置され、変位記録位置にインクが記録されていない場合と比較して、インク間のラインが視認されづらくなり画質の劣化が抑制される。特に、図2Bに示すように、基準の記録位置の間隔の1/2である変位量を基準の記録位置から変位させた変位記録位置と基準の記録位置とにインクを記録すると、主走査方向に隙間なくインク滴を記録することができる。従って、基準の記録位置の印刷解像度が低い場合であっても、印刷解像度の低下に伴う画質の劣化を効果的に抑制することができる。
さらに、以上の構成で印刷が行われた印刷媒体をスキャナーでスキャンした場合、周期的な画質劣化であるモアレを低減することができる。図2Cは、ラインセンサーを移動させながら、所定の周期で色毎にスキャンを行うスキャナーで、低解像度(図2Cでは300dpi)にてインクが整然と並ぶ印刷物をスキャンした場合のスキャン結果を模式的に示す図である。図2Cにおいては、ラインセンサー上のあるセンサーについてのスキャン結果である階調値を縦軸、ラインセンサーが移動する方向に沿った位置を横軸としたグラフによってスキャン結果を模式的に示している。
同図2Cに示すスキャナーにおいては、RGB(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)各色の階調値をスキャンするために、同一色については一定の周期でスキャンを行い、異なる色については僅かずつ異なるタイミングでスキャンを行う。すなわち、図2Cに示すように、RGBの順でスキャンを行う。そして、このような方式でスキャンを行うスキャナーにおいて、スキャン解像度とインクの記録解像度が一致する場合、スキャンを行うタイミングとラインセンサーがインクの位置に到達するタイミングとが一致している色と、ずれてしまう色とが生じてしまう。例えば、図2Cに示す例においては、Gの階調値をスキャンするタイミングとラインセンサーがインクの位置に到達するタイミングとが一致しているが、Rの階調値をスキャンするタイミングはラインセンサーがインクの位置に到達するタイミングより早く、Bの階調値をスキャンするタイミングはラインセンサーがインクの位置に到達するタイミングより遅い。
このような場合、印刷媒体上に記録されたインクによる発色と異なる色がスキャン結果として表れてしまい、モアレ等の画質劣化原因となる。しかし、本実施形態においては、奇数番目のラインと偶数番目のラインとで主走査方向に600dpiのドット間隔に相当する距離だけずれるようにインクが記録される。従って、このような印刷結果に対して、図2Bに示すように主走査と平行な方向をスキャン方向として300dpiのスキャン解像度でスキャンを行っても上述のような画質劣化は発生せず、印刷媒体上に記録されたインクによる発色に応じたスキャン結果を得ることができる。
なお、以上のようなスキャン結果における画質劣化は、印刷媒体上での印刷解像度と整数との積が前記スキャン解像度と整数との積に等しくなる場合に発生する。そこで、図2B,2Cに示すように印刷解像度とスキャン解像度とが等しい場合の他、印刷媒体上での印刷解像度と整数との積が前記スキャン解像度と整数との積に等しくなる場合に、基準タイミングと変位タイミングとでノズルからインクを吐出させて印刷を行うことで、スキャン結果における画質劣化を抑制することができる。
なお、図2Bにおいて、ラインセンサーの移動方向であるスキャン方向と変位記録位置が基準の記録位置から変位する変位方向である主走査方向とを平行にするための構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、印刷媒体をスキャンする予定のスキャナーにおいて当該印刷媒体をスキャンする場合のスキャン方向と印刷媒体上の印刷面との関係を予め特定する構成を採用可能である。より具体的には、フラットベッドスキャナーや紙送り機構を備えたスキャナー等の各種スキャナーにおいては、スキャン対象の媒体の大きさに応じてスキャナーへの配置方向や挿入方向が決まっており、当該配置方向や挿入方向によってスキャン対象の媒体のスキャン方向が決まる。そこで、印刷媒体の大きさ毎に決められたスキャン方向と平行な方向に主走査を行って主走査方向に位置を変位させた変位記録位置にインクを記録するように印刷ヘッドを制御すれば、スキャン方向と印刷装置における主走査方向とを平行にすることが可能である。
むろん、以上の構成の他にも各種の構成を採用可能であり、変位記録位置が基準の記録位置に対して変位する変位方向に平行なスキャン方向を示すアイコンを印刷媒体に印刷し、また、印刷装置等のUIにおいて当該スキャン方向を指示する構成としても良い。この構成においては、当該アイコンやUIの指示に従ってスキャンを行うことにより、変位方向に平行な方向をスキャン方向としたスキャンを行うことが可能である。さらに、印刷装置がスキャナーを備える複合機である場合、印刷媒体のサイズ毎に印刷媒体をスキャンする際のデフォルトのスキャン方向が予め決まるので、当該スキャン方向と変位方向とが平行になるように印刷ヘッドを制御する構成としても良い。
(2)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、インクを基準の記録位置に記録するための基準タイミングと基準の記録位置の間隔の1/2以下の変位量だけ基準の記録位置から変位した変位タイミングとでノズルから吐出させることができる限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、変位記録位置が基準の記録位置から変位する方向は主走査方向に限定されず、副走査方向に変位させる構成であっても良いし、主走査方向および副走査方向の双方に変位させる構成であっても良い。
また、基準タイミングと変位タイミングとでインクを吐出するための構成は、同一波形かつ位相の異なる電圧波形を利用する構成に限定されず、他にも種々の構成を採用可能である。例えば、印刷データを調整することによって異なるタイミングでインクを記録する構成としても良い。具体的には、300dpiの印刷を行うための画像データに対して主走査方向に1画素毎にダミー画素(インクを記録しない画素)を付加し、かつ、隣接するライン間ではダミー画素の位置が主走査方向にずれているように構成する。また、300dpiのインク滴サイズで600dpiの印刷を行う構成とする。この構成によれば、1画素毎にインクが記録される画素とインクが記録されない画素とが主走査方向、副走査方向の双方において交互に現れ、実質的に図2Bと同等の印刷を行うことができる。
さらに、印刷ヘッドから複数の色のインクを吐出可能な印刷装置において、基準の記録位置に記録される色と、変位記録位置に記録される色とを設ける構成としても良い。この構成は、図1に示す印刷装置40において、印刷ヘッド42が複数の色のインクを吐出可能なノズルを備える構成、例えば、各列に複数個のノズルが備えられた複数列のノズルにおいて列毎に異なる色のインクを吐出可能である構成となっていればよい。
この構成において、さらに、基準駆動電圧と変位駆動電圧との総数がインクの色数と一致するように変位駆動電圧の数を調整し、制御部41にて色毎に各駆動電圧を選択すればよい。図3Aは、3列のノズル列が形成された印刷ヘッド42において、CMY(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)の3色のインクを利用して印刷を行う印刷装置40で基準駆動電圧生成部44aと変位駆動電圧生成部44bが生成する基準駆動電圧と変位駆動電圧との例を示す図であり、横軸を時間、縦軸を電圧として示している。
また、図3Aにおいては、基準の記録位置にインクを記録する基準タイミングで印刷ヘッド42からインクを吐出させるための基準駆動電圧V10を実線で示している。同図3Aに示す基準駆動電圧V10は基準駆動電圧V0と同一の波形であり、時刻T01から時刻T02までの期間に相当する周期はノズルから吐出されるインク滴が300dpiの間隔で記録されるように設定された周期である。図3Aに示す変位駆動電圧V11および変位駆動電圧V12は基準駆動電圧V10と同一波形であるが、位相が異なる。すなわち、変位駆動電圧V11においては時刻T01よりも早いタイミングである時刻T11においてノズルからインクを吐出させるための電圧パターンが開始され、変位駆動電圧V12においては時刻T01よりも遅いタイミングである時刻T12においてノズルからインクを吐出させるための電圧パターンが開始される。本例において、これらの2個(3−1個)の変位駆動電圧V11および変位駆動電圧V12が変位記録位置にインクを記録する変位タイミングで印刷ヘッド42からインクを吐出させるための電圧波形となる。
そして、基準駆動電圧V10と変位駆動電圧V11との位相の差は300dpiの1/3、つまり900dpiに相当する差である。同様に基準駆動電圧V10と変位駆動電圧V12との位相の差は300dpiの1/3、つまり900dpiに相当する差である。従って、基準の記録位置を中心に、主走査方向に沿って900dpiのドット間隔分変位した変位記録位置と主走査方向と逆方向に沿って900dpiのドット間隔分変位した変位記録位置とにインクを記録することが可能になる。
以上のような、基準駆動電圧V10を基準駆動電圧生成部44aによって生成し、変位駆動電圧V11と変位駆動電圧V12とを変位駆動電圧生成部44bによって生成している状態において、制御部41は、基準駆動電圧生成部44aと変位駆動電圧生成部44bに制御信号を出力し、同一ライン上で1色のインクを基準タイミングで吐出させるとともに他の2色のインクを2個の変位タイミングのそれぞれで吐出させる。さらに、制御部41は、基準駆動電圧生成部44aと変位駆動電圧生成部44bに制御信号を出力し、隣接するライン間では基準タイミングおよび2個の変位タイミングのそれぞれで吐出されるインクが異なる色となるようにノズル列からインクを吐出させる。
図3Bは、このような制御を行って記録されるインクの配置を例示する図であり、基準タイミングでインクを吐出させる基準駆動電圧V10によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを実線の丸によって示している。また、変位タイミングでインクを吐出させる変位駆動電圧V11によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを一点鎖線の丸によって示しており、変位タイミングでインクを吐出させる変位駆動電圧V12によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを破線の丸によって示している。同図3Bにおいて、例えば、一番上のラインでは、基準駆動電圧V10によって吐出されたインクがMインク、変位駆動電圧V11によって吐出されたインクがCインク、変位駆動電圧V12によって吐出されたインクがYインクである。従って、同一ライン上でMインクは基準タイミングで吐出され続け、C,Yインクは変位タイミングで吐出され続けることになる。また、同一ライン上で同一の色のインクは300dpiの間隔Lで記録され、異なる色のインクは900dpiの間隔L/3で記録されることになる。
さらに、隣接するライン間、例えば、一番上のラインと二番目のラインとを比較すると、一番上のラインにおいて基準タイミングで吐出されるインクはMインク、二番目のラインにおいて基準タイミングで吐出されるインクはCインクとなっており、一番上のラインでのインクの色の配置の順序を維持しながら主走査方向にインクの記録位置をずらした状態で二番目のラインのインクが記録されている。従って、隣接するライン間では基準タイミングおよび2個の変位タイミングのそれぞれで吐出されるインクが異なる色となる。以上の構成においては、解像度が300dpiなどの低解像度であっても主走査方向の実質的な解像度は3倍となるため、効果的に画質の劣化を抑制することが可能である。
さらに、同一ライン上で異なる色のインク同士を基準の記録位置の間隔であるLの1/3だけずらした変位記録位置に記録することにより、同一ライン上で基準の記録位置に対して主走査方向と主走査方向の逆方向とにL/3ずつずれた位置にインクが記録されることになる。例えば、図3Bに示す基準の記録位置Psに対して主走査方向にL/3だけずれた変位記録位置Pd1と主走査方向の逆方向にL/3だけずれた変位記録位置Pd2とにインクが記録される。従って、主走査方向に隙間なくインク滴を記録することができ、基準の記録位置の解像度が低い場合であっても、印刷解像度の低下に伴う画質の劣化を効果的に抑制することができる。
さらに、上述のような画質の劣化は、印刷解像度の低下に伴って基準の記録位置にインクが整然と配置された状態が視認されやすくなることによって生じるため、画質の劣化が現れる印刷解像度である場合に基準タイミングと変位タイミングとでインクを吐出させる構成としても良い。例えば、画質の劣化が顕在化し得る解像度として基準の印刷解像度を予め設定する。そして、基準の印刷解像度以下の印刷解像度で印刷媒体上にインクを記録する場合に基準タイミングと変位タイミングとで複数のノズルからインクを吐出させ、基準の印刷解像度よりも高い印刷解像度で印刷媒体上にインクを記録する場合に基準タイミングで複数のノズルからインクを吐出させる構成とする。この構成によれば、画質の劣化が顕在化し得る印刷解像度で当該画質の劣化要因を抑制することができる。なお、基準の印刷解像度の上限としては、500〜700dpi程度になることが考えられる。従って、上述の実施形態のように300dpiで印刷を行う場合に基準タイミングと変位タイミングとでインクを吐出させる構成に加え、500dpi以下、または600dpi以下、または700dpi等の場合に、基準タイミングと変位タイミングとでインクを吐出させる構成としてもよい。
さらに、複数のノズルのそれぞれから吐出されるインクの色毎に異なる印刷解像度で印刷媒体上にインクを記録可能な構成において、基準の印刷解像度以下の印刷解像度で印刷媒体上に記録される色のインクは基準タイミングと変位タイミングとで複数のノズルから吐出させ、基準の印刷解像度よりも高い印刷解像度で印刷媒体上に記録される色のインクは基準タイミングで複数のノズルから吐出させる構成としても良い。図4Aは、1回の主走査で色毎に副走査方向に異なる印刷解像度でインクを吐出させることが可能な印刷ヘッド42の模式図である。
図4Aにおいては、ノズル開口部側から印刷ヘッド42を眺めた状態を示し、ノズルを実線の丸によって示している。同図4Aに示すように、印刷ヘッド42においては、複数のノズルが副走査方向に並んでノズル列を形成するとともに、ノズル列が主走査方向に複数個並べられ、かつ、一番右に配置されたノズル列は他のノズル列におけるノズル間隔の1/2の距離だけ副走査方向にずれた位置に形成されている。また、本実施形態において、同一のノズル列からは同一色のインクが吐出されるように設計されており、図4Aに示す例においては、左側のノズル列からCインク、Mインク、Yインク、Kインク、Kインクを吐出するためのノズル列となっている。すなわち、Kインクは2個のノズル列から吐出可能である。
以上の構成においては、Kインクを吐出するためのノズル列が2列であるとともに副走査方向にノズル間隔の1/2の距離だけ互いにずれた位置に形成されている。従って、1回の主走査において、全ノズルからインクを吐出する動作を想定した場合、Kインクの副走査方向の印刷解像度はCMYインクの副走査方向の印刷解像度よりも高くなる。従って、CMYインクを吐出するためのノズルの副走査方向の印刷解像度が基準の印刷解像度以下である場合、全ノズルから基準タイミングでインクを吐出させると、CMYインクで印刷される色においては画質の劣化が顕在化し易く、Kインクで印刷される色においては画質の劣化が顕在化しにくい状態となる。そこで、CMYインクを吐出するノズル列からは基準タイミングと変位タイミングとでインクを吐出させ、Kインクを吐出するノズル列からは基準タイミングでインクを吐出させる構成とする。この構成によれば、必要最小限の調整で画質の劣化を抑制することが可能になる。
さらに、変位記録位置は、基準の記録位置の間隔より小さな変位量を基準の記録位置から変位させた位置であれば良く、変位量は上述の例以外にも種々の量とすることができる。例えば、変位量を基準の記録位置の間隔の1/4(25%)となるように構成するのであれば、基準駆動電圧に対して、位相が1/4ずれた変位駆動電圧を生成する構成とすればよい。そして、基準駆動電圧よりも位相が1/4遅い変位駆動電圧と1/4早い変位駆動電圧とを生成すれば、3色のインクを利用する印刷装置において色毎に異なる基準記録位置および変位記録位置にインクを記録する態様を実現可能である。
図4Bは、このような基準駆動電圧と変位駆動電圧とで記録されるインクの配置を例示する図であり、基準駆動電圧によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを実線の丸によって示している。また、基準駆動電圧よりも位相が1/4遅い変位駆動電圧によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを一点鎖線の丸によって示しており、基準駆動電圧よりも位相が1/4早い変位駆動電圧によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを破線の丸によって示している。すなわち、同一ライン上で同一の駆動電圧によって記録される色のインクは300dpiの間隔Lで記録され、異なる駆動電圧によって記録される色のインクは1200dpiの間隔L/4で記録されることになる。
以上の構成においては、同一ライン上で基準の記録位置に対して主走査方向と主走査方向の逆方向とにL/4ずつずれた位置にインクが記録されることになる。従って、主走査方向に隙間が発生することを抑制しつつ、画素毎の色の分解を抑制しながらインク滴を記録することができ、基準の記録位置の解像度が低い場合であっても、印刷解像度の低下に伴う画質の劣化を効果的に抑制することができる。
さらに、基準駆動電圧と、基準駆動電圧よりも位相が1/4早い変位駆動電圧とを生成し、ライン間での記録位置を主走査方向にずらす構成としても良い。図4Cは、このような基準駆動電圧と変位駆動電圧とで記録されるインクの配置を例示する図であり、基準駆動電圧によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを実線の丸によって示している。また、基準駆動電圧よりも位相が1/4早い変位駆動電圧によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを破線の丸によって示している。すなわち、同一ライン上では同一の駆動電圧によってインクが記録され、各インク滴の間隔Lは300dpiとなり、異なるライン上では異なる駆動電圧によってインクが記録され、主走査方向のずれはL/4(1200dpiの間隔)となる。
以上の構成においては、異なるライン上で基準の記録位置に対して主走査方向にL/4ずつずれた位置にインクが記録されることになる。従って、主走査方向に隙間が発生することを抑制しつつインク滴を記録することができ、基準の記録位置の解像度が低い場合であっても、印刷解像度の低下に伴う画質の劣化を効果的に抑制することができる。
さらに、1回の印刷ジョブを開始してから終了するまでの間に、変位量を変動させても良い。図5Aは、基準駆動電圧によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを実線の丸によって示し、基準駆動電圧よりも位相が1/4早い、あるいは遅い変位駆動電圧によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを一点鎖線の丸によって示しており、基準駆動電圧よりも位相が1/3早い、あるいは遅い変位駆動電圧によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを破線の丸によって示している。同図5Aに示すように、同一ライン内で、基準の記録位置よりも主走査方向に沿ってL/3あるいはL/4だけ前後にずれて記録されるインクが混在するように構成すれば、主走査方向に隙間が周期的に発生することを抑制しつつ、画素毎の色の分解が周期的に発生することを抑制することが可能である。
図5Bは、基準駆動電圧によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを実線の丸によって示している。また、基準駆動電圧よりも位相が1/4あるいは1/2早い変位駆動電圧によって吐出されて印刷媒体上に記録されたインクを破線の丸によって示している。同図5Bに示すように、基準の記録位置にインクが記録されるラインと、基準の記録位置よりも主走査方向にL/4あるいはL/2ずれた位置に記録されるインクが混在するように構成すれば、モアレの発生確率を低減することができる。
10…コンピューター、21…印刷データ生成プログラム、40…印刷装置、41…制御部、42…印刷ヘッド、43…キャリッジドライバー、44…駆動電圧生成部、45…モータードライバー

Claims (8)

  1. 印刷ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出して印刷媒体に印刷する印刷装置であって、
    前記印刷媒体上の画素毎の基準の記録位置に前記インクを記録するための基準タイミングで前記複数のノズルから前記インクを吐出させる基準駆動電圧を生成する基準駆動電圧生成手段と、
    前記基準の記録位置の間隔より小さな変位量を前記基準の記録位置から変位させた変位記録位置に前記インクを記録するための変位タイミングで前記複数のノズルから前記インクを吐出させる変位駆動電圧を生成する変位駆動電圧生成手段と、
    前記基準駆動電圧と前記変位駆動電圧とによって前記印刷ヘッドに備えられた前記複数のノズルから前記インクを吐出させる印刷ヘッド制御手段と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記印刷ヘッド制御手段は、
    前記印刷ヘッドを制御して、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体とを相対的に移動させながら前記複数のノズルから前記インクを吐出させる主走査を実行することが可能であるとともに、
    前記基準駆動電圧によって前記複数のノズルから前記インクを吐出させる前記主走査と、前記変位駆動電圧によって前記複数のノズルから前記インクを吐出させる前記主走査とを実行することを特徴とする、
    請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記印刷ヘッドは、N色(Nは2以上の整数)の前記インクを吐出可能であり、
    前記印刷ヘッド制御手段は、
    同一ライン上で1色の前記インクを前記基準駆動電圧によって前記基準タイミングで吐出させるとともに(N−1)色の前記インクを(N−1)個の前記変位駆動電圧によって(N−1)個の前記変位タイミングで吐出させ、
    隣接するライン間では前記基準駆動電圧および前記(N−1)個の前記変位駆動電圧のそれぞれで吐出される前記インクが異なる色となるように前記複数のノズルから前記インクを吐出させることを特徴とする、
    請求項1に記載の印刷装置。
  4. 前記印刷ヘッド制御手段は、
    基準の印刷解像度以下の印刷解像度で前記印刷媒体上に前記インクを記録する場合に前記基準駆動電圧と前記変位駆動電圧とによって前記複数のノズルから前記インクを吐出させ、
    前記基準の印刷解像度よりも高い印刷解像度で前記印刷媒体上に前記インクを記録する場合に前記基準駆動電圧によって前記複数のノズルから前記インクを吐出させることを特徴とする、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 前記印刷ヘッド制御手段は、
    前記印刷媒体がスキャナーによって所定のスキャン解像度でスキャンされ、前記印刷媒体上での印刷解像度と整数との積が前記スキャン解像度と整数との積に等しくなる場合に、前記基準駆動電圧と前記変位駆動電圧とによって前記複数のノズルから前記インクを吐出させることを特徴とする、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 前記印刷ヘッド制御手段は、
    前記印刷媒体が所定方向にラインセンサーを移動させながらスキャンを行うスキャナーによってスキャンされる場合の前記所定方向と前記変位記録位置が前記基準の記録位置に対して変位する変位方向とが平行となるように前記変位駆動電圧によって前記複数のノズルから前記インクを吐出させることを特徴とする、
    請求項1〜請求項5に記載の印刷装置。
  7. 前記印刷ヘッドは、前記複数のノズルのそれぞれから吐出されるインクの色毎に異なる印刷解像度で前記印刷媒体上に前記インクを記録可能であり、
    前記印刷ヘッド制御手段は、
    基準の印刷解像度以下の印刷解像度で前記印刷媒体上に記録される色の前記インクは前記基準駆動電圧と前記変位駆動電圧とによって前記複数のノズルから吐出させ、
    前記基準の印刷解像度よりも高い印刷解像度で前記印刷媒体上に記録される色の前記インクは前記基準駆動電圧によって前記複数のノズルから吐出させることを特徴とする、
    請求項1〜請求項6のいずれかに記載の印刷装置。
  8. 印刷ヘッドに備えられた複数のノズルからインクを吐出して印刷媒体に印刷する印刷方法であって、
    前記印刷媒体上の画素毎の基準の記録位置に前記インクを記録するための基準タイミングで前記複数のノズルから前記インクを吐出させる基準駆動電圧を生成する基準駆動電圧生成工程と、
    前記基準の記録位置の間隔より小さな変位量を前記基準の記録位置から変位させた変位記録位置に前記インクを記録するための変位タイミングで前記複数のノズルから前記インクを吐出させる変位駆動電圧を生成する変位駆動電圧生成工程と、
    前記基準駆動電圧と前記変位駆動電圧とによって前記印刷ヘッドに備えられた前記複数のノズルから前記インクを吐出させる印刷ヘッド制御工程と、
    を含むことを特徴とする印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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