JP2012183646A - 樹脂射出成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒部1と、その先端に当該円筒部の他部分より外径が大きい山状の膨出部2とを有する樹脂射出成形品であって、離型時に低い引抜力での無理抜きを可能とし、膨出部2に外観不良が残りにくい樹脂射出成形品を提供する。
【解決手段】少なくとも前記膨出部2に対応する内周形状が、円筒軸に対して垂直な面である径方向断面において凹凸を繰り返す鋸歯形状3とし、更に凹部に半径R2の丸みを付与することで、外形を変えずに無理抜き時のたわみを吸収して、成形品が円筒半径方向にすぼまりやすくなり、引抜力が低減されて膨出部2に発生する応力も低減させることができる。鋸歯形状3は凹凸を繰り返す形状であり、円筒軸方向に向う側である凸部と円筒軸方向から遠ざかる側である凹部とから構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、円筒部を有する樹脂射出成形品に関する。ことに、円筒先端部に当該円筒部の他部分より外径が大きい山状の膨出部を設けた樹脂射出成形品に関する。本発明の成形品は、成形後の離型を無理抜きにより行うのに適している。
従来、円筒部の外周に膨出部を設けたいわゆるアンダーカット形状の樹脂射出成形品を製造するための方法としては、分割可能な金型いわゆる割型を用いた成形が行われているが、アンダーカットが比較的小さい場合等においては、成形後にアンダーカット部分を変形させて離型させるいわゆる「無理抜き」と呼ばれる技術が用いられている。ここで無理抜きとは、成形品が金型のアンダーカット部を乗り越えて円筒の軸方向へ引抜かれることである。膨出部は、アンダーカット形状を乗り越えるため引抜き時に成形品の内側に変形する必要がある。
無理抜きによる離型を行うに際し、成形品の膨出部の変形を容易にする技術が特許文献1に開示されている。この技術は、円筒先端部に膨出部を有するアンダーカット形状の樹脂射出成形品の内周形状を波形状とすることで、外形を変えずに、無理抜き時のたわみを吸収して弾性変形の限界を上げ、膨出部に変形が残りにくい樹脂射出成形品を得るものである。
特開2007−55058号公報
上記のように、特許文献1の技術では、内周形状に付与するパターンを波形とすることで無理抜き時の弾性変形の限界を上げ、膨出部に変形が残りにくい樹脂射出成形品を提案しているが、無理抜き時の引抜きに要する力については追求されておらず、当該樹脂射出成形品の無理抜きには依然として大きな引抜力が必要とされる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、円筒部と、その先端に当該円筒部の他部分より外径が大きい山状の膨出部とを有する樹脂射出成形品を対象として、無理抜きによる離型時に必要な引抜力を低減でき、膨出部に外観不良が残りにくい樹脂射出成形品を得ることである。
上記課題を解決するために、本発明に係る樹脂射出成形品は、円筒部と、その先端に当該円筒部の他部分より外径が大きい山状の膨出部とを有する樹脂射出成形品において、少なくとも前記膨出部に対応する内周形状が、円筒軸に対して垂直な面である径方向断面において凹凸を繰り返す鋸歯形状であって、鋸歯形状の凸部先端の半径R1が0.2mm以下であり、鋸歯形状の高さに対するピッチの比が、12以下である。また、前記鋸歯形状の凹部に半径R2=1.2mm〜6.9mmの範囲内の丸みをつけたことを特徴とする。鋸歯形状は凹凸を繰り返す形状であり、円筒軸方向に向う側である凸部と円筒軸方向から遠ざかる側である凹部とから構成される。
上述のように、本発明に係る樹脂射出成形品は、円筒先端部に当該円筒部の他の部分より外形が大きい膨出部とを有するアンダーカット形状の樹脂射出成形品において、より低い引抜力での無理抜きによる離型が可能であると同時に、成形品の膨出部に発生する応力を低減できる。これにより、成形品の離型時に発生する膨出部における外観不良を抑制することもできる。特に、成形品の外形を変えることなく、内周形状を変更することで、無理抜きを容易に行うことができる。
本発明に係る樹脂射出成形品の実施形態を示し、当該樹脂成形品の主要部斜視図である。 図1における樹脂射出成形品の円筒先端部を円筒軸に対して垂直な断面で見た図である。 樹脂温度150℃におけるPA9T(ポリアミド9T;株式会社クラレ製ジェネスタG1300)の応力−歪カーブを示す図である。 鋸歯形状の有無における引抜経過時間に対する引抜力を示す図である。 実施例1における内周面の円筒軸に対して垂直な面である径方向断面が凹凸を繰り返す鋸歯形状の各形状を示す図である。 各鋸歯形状における引抜経過時間に対する引抜力を示す図である。 各鋸歯形状の樹脂射出成形品先端部断面における円周方向の応力分布を示す図である。 鋸歯形状のピッチに対する最大引抜力を示す図である。 鋸歯形状の高さに対する最大引抜力を示す図である。
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明が対象としている樹脂射出成形品であり、その主要部を示した斜視図である。円筒部1を有し、その円筒先端部に当該円筒部の他の部分より外形が大きい膨出部2を設けている。
この成形品は、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、POM(ポリオキシメチレン)、PA6(ポリアミド6)、PA66(ポリアミド66)、PA12(ポリアミド12)、PA46(ポリアミド46)、PPA(ポリフタルアミド)、PA6T(ポリアミド6T)、PA9T(ポリアミド9T)などの樹脂の射出成形により成形される。樹脂には、ガラス繊維等の充填材が適宜配合される。
成形後の離型は、円筒部内周面を成形する金型(コア型)を取り除いた後、膨出部2を含む外面を成形する金型(キャビティ型)から成形品を無理抜きする。
本発明の実施の形態は、上記において、膨出部2の内周面を、円筒軸に対して垂直な面である径方向断面が凹凸を繰り返す鋸歯形状3としている。鋸歯形状3は凹凸を繰り返す形状であり、円筒軸方向に向う側である凸部と円筒軸方向から遠ざかる側である凹部とから構成される。図1、図2(図2は、円筒先端部を円筒軸に対して垂直な断面で見た図である)に、内周面に鋸歯形状3を示す。内周面の鋸歯形状3は、凸部先端の半径R1が0.2mm以下であることが必要であり、凸部の高さに対するピッチの比が、12以下である。そして、鋸歯形状3のピッチは2.5mm〜12mmの範囲内であるのが好ましく、鋸歯形状3の高さは1mm以下の範囲内であるのが好ましい。また、前記凹部の半径R2は1.2mm〜6.9mmの範囲内であるのが好ましい。
<実施例1>
本実施例は、図1、2を参照して説明した上記実施の形態に相当するものであり、計算機シミュレーションによるものである。解析は構造解析ソフトMARC(エムエスシーソフトウェア株式会社)を用いた3D接触変形解析により実施した。
本解析では、塑性変形を考慮した大変形解析手法を用いた。解析要素は3Dソリッド要素とした。境界条件として、変形体(樹脂射出成形品)の根元部を完全固定した状態で、剛体(金型内壁面)を0.5mm/secで並進移動させることで、成形後の無理抜きを再現した。樹脂はガラス繊維を30%含有するPA9T(G1300)とし、樹脂温度は150℃とした。解析に必要な各物性値は表1および図3に示す。樹脂射出成形品の形状は、円筒先端部に当該円筒部の他の部分より外形が大きい膨出部2とを有するアンダーカット形状とした。円筒部1は外径φ22mm、内径φ18mmとし、膨出部2は外径φ24mm、内径φ18mm、先端部は外径φ20mm、内径φ18mmとした。
図2における先端肉厚部の断面積を一定として、円筒部1の内周形状が鏡面のケースと内周形状が円筒軸に対して垂直な面である径方向断面において凹凸を繰り返す鋸歯形状を付与したケースの比較を実施した。解析上、前記凸部先端の半径R1は0mm、前記凹部の半径R2は1.2mm、鋸歯形状のピッチは2.5mm、鋸歯形状の高さは1.0mmとした。先端肉厚部における前記凹部とエッジ部の最短距離は0.20mmである。樹脂射出成形品引抜時の金型内壁面との摩擦は同等とした。
図4は鋸歯形状の有無における引抜経過時間に対する引抜力である。本図における引抜経過時間とは、解析上の時間である。図4より、内周形状が円筒軸に対して垂直な面である径方向断面において凹凸を繰り返す鋸歯形状を付与したケースでは、無理抜き時に要する引抜力が低減した。内周形状を鋸歯形状とすることにより、樹脂射出成形品がすぼまりやすくなったものと理解できる。
<実施例2>
実施例1における内周形状が、円筒軸に対して垂直な面である径方向断面において凹凸を繰り返す鋸歯(波形)形状の各形状効果の検討を実施した。解析条件は実施例1と同様であり、鋸歯(波形)形状は図5に示す4つの形状で検討した。鋸歯形状のピッチ、鋸歯形状の高さは一定とした。鋸歯形状(a)は前記凸部と凹部の両方に半径1.0mmの丸みを付与した形状、鋸歯形状(b)は前記凹部のみに半径1.0mmの丸みを付与した形状、鋸歯形状(c)は前記凸部のみに半径1.5mmの丸みを付与した形状、鋸歯形状(d)は前記凸部と凹部の両方に半径Rの丸みを付与しない形状である。鋸歯形状(a)は特許文献1の波形形状に相当する技術に対応する。
図6は各鋸歯(波形)形状における引抜経過時間に対する引抜力である。図6より、内周形状が円筒軸に対して垂直な面である径方向断面において凹凸を繰り返す各鋸歯形状の中で、前記凹部のみに半径1.0mmの丸みを付与した鋸歯形状(b)において、無理抜き時に必要な引抜力が最も低減されることがわかる。
引抜力の大きさには、無理抜き時に発生する円周方向の応力が大きく寄与していると予測される。無理抜き時に樹脂射出成形品が最も大きくすぼまるのは、膨出部2が円筒部1が成形された位置に到達する時点であり、この時点における各鋸歯形状の樹脂射出成形品先端部断面における円周方向の応力の比較を検討した。
図7は、各鋸歯(波形)形状の樹脂射出成形品先端部断面における円周方向の応力分布である。本図において、正の値は引張応力、負の値は圧縮応力を示す。図7より、前記凹部では圧縮応力が大きく、凸部では圧縮応力が小さい、あるいは引張応力が発生していることがわかる。凸部の存在は成形品のすぼまりを抑制しており、凸部を可能な限り狭小に設計することで樹脂射出成形品を円筒半径時方向にすぼまりやすくすることが可能と理解される。
<実施例3>
実施例2における鋸歯形状(b)について、無理抜き時により低い引抜力が期待されるパラメータ範囲の規定を実施した。解析条件は実施例1と同様であり、パラメータとして鋸歯形状のピッチに注目した。鋸歯形状ピッチは前記凹部の半径R2と連動して変化するため、これらは一括りとした。表2は前記凹部の鋸歯形状のピッチと半径R2の対応を示す。
図8は鋸歯形状のピッチに対する最大引抜力である。図8より、前記凹部の鋸歯形状のピッチが大きいほど、無理抜きに要する引抜力は小さくなるが、ピッチが12mmを超えた領域では引抜力が増大することがわかる。ピッチが小さい場合、前記凸部の数が増大することにより樹脂射出成形品が円筒半径方向にすぼまりにくくなると理解される。ピッチが12mmを超えた領域では、圧縮応力が大きい前記凹部の数が減少し、内周面が鏡面に近づくことにより樹脂射出成形品が円筒半径方向にすぼまりにくくなると理解される。
実施例2における波形形状(a)より、特許文献1の技術を用いた際に要する引抜力は1353Nであることから、鋸歯形状(b)のピッチが2.5mm〜12mmの範囲内において、無理抜きに要する引抜力を低減可能であることがわかる。
<実施例4>
実施例2における鋸歯形状(b)について、無理抜き時により低い引抜力が期待されるパラメータ範囲の規定を実施した。解析条件は実施例1と同様であり、パラメータとして鋸歯形状の高さに注目した。鋸歯形状の凹部半径R2は0.50mmとした。
図9は鋸歯形状の高さに対する最大引抜力である。図9より、鋸歯形状の高さが低いほど、無理抜きに要する引抜力は低減されることがわかる。鋸歯形状の高さが低いほど、成形品の肉厚が薄くなるため、円周方向の圧縮応力が低減されていると理解される。実施例3より得られたパラメータ範囲とあわせると、鋸歯形状の高さは1.0mm以下であることが望ましい。

Claims (4)

  1. 円筒部と、その先端に当該円筒部の他部分より外径が大きい山状の膨出部とを有する樹脂射出成形品であって、少なくとも前記膨出部に対応する内周形状が、円筒軸に対して垂直な面である径方向断面において凹凸を繰り返す鋸歯形状であって、前記鋸歯形状の凸部先端の半径R1が0.2mm以下であり、前記鋸歯形状の高さに対するピッチの比が、12以下であることを特徴とする樹脂射出成形品。
  2. 前記鋸歯形状のピッチが2.5mm〜12mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂射出成形品。
  3. 前記鋸歯形状の凹部の半径R2が1.2mm〜6.9mmの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂射出成形品。
  4. 前記鋸歯形状の高さが1.0mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂射出成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021111833A1 (ja) * 2019-12-06 2021-06-10 株式会社エンプラス 樹脂成形品及び金型

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