JP2012183516A - 液滴吐出ヘッドのアライメント方法およびアライメント装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッドのアライメント方法およびアライメント装置 Download PDF

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Abstract

【課題】各吐出ノズルにおける着弾位置のズレを抑制することができる。
【解決手段】機能液滴吐出ヘッド3の着弾検査により得られた2以上の吐出ノズル22の実着弾位置情報を、機能液滴吐出ヘッド3のID番号に付して取得する着弾情報取得工程と、機能液滴吐出ヘッド3と同一ID番号の機能液滴吐出ヘッド3の、ヘッドプレート2に対する設計上の位置である設計位置情報を取得する設計位置情報取得工程と、取得した設計位置情報に、着弾位置情報を加味して、機能液滴吐出ヘッド3のアライメント位置情報を生成するアライメント位置情報生成工程と、生成したアライメント位置情報に基づいて、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート2にアライメントするアライメント工程と、を備えた。
【選択図】図7

Description

本発明は、複数の吐出ノズルを有した液滴吐出ヘッドを、当該液滴吐出ヘッドが取り付けられるヘッドプレートにアライメントする液滴吐出ヘッドのアライメント方法およびアライメント装置に関するものである。
従来、この種のアライメント方法として、アライメントマスクの基準マークを画像認識して、当該基準マークに基づくユニットプレート(ヘッドプレート)の基準位置データおよび液滴吐出ヘッドの基準位置データを記憶し、この基準位置データに基づいてユニットプレートおよび液滴吐出ヘッドの位置補正を行うものが知られている(特許文献1参照)。
特開2008−843号公報
ところで、各吐出ノズルが精度良くアライメントされたとしても、飛行曲がり等の影響で、着弾位置にズレが生じてしまう場合がある(飛行曲がりの原因は多岐にわたり、不明なものが多い)。そのため、上記のアライメント方法のように、画像認識して得られたユニットプレートおよび液滴吐出ヘッドの基準位置データに基づいて、液滴吐出ヘッドの位置補正を行っても、実描画において着弾位置にズレが生じてしまうという問題があった。よって、液滴吐出ヘッドによる描画処理を精度良く行うことができない。
本発明は、各吐出ノズルにおける着弾位置のズレを抑制することができる液滴吐出ヘッドのアライメント方法およびアライメント装置を提供することを課題としている。
本発明の液滴吐出ヘッドのアライメント方法は、複数の吐出ノズルを列設したノズル列を有する液滴吐出ヘッドを、当該液滴吐出ヘッドが取り付けられるヘッドプレートにアライメントする液滴吐出ヘッドのアライメント方法であって、液滴吐出ヘッドの着弾検査により得られた2以上の吐出ノズルの実着弾位置情報を、液滴吐出ヘッドのID番号に付して取得する着弾情報取得工程と、液滴吐出ヘッドと同一ID番号の液滴吐出ヘッドの、ヘッドプレートに対する設計上の位置である設計位置情報を取得する設計位置情報取得工程と、取得した設計位置情報に、実着弾位置情報を加味して、液滴吐出ヘッドのアライメント位置情報を生成するアライメント位置情報生成工程と、生成したアライメント位置情報に基づいて、液滴吐出ヘッドをヘッドプレートにアライメントするアライメント工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の液滴吐出ヘッドのアライメント装置は、複数の吐出ノズルを列設したノズル列を有する液滴吐出ヘッドを、当該液滴吐出ヘッドが取り付けられるヘッドプレートにアライメントする液滴吐出ヘッドのアライメント装置であって、液滴吐出ヘッドの着弾検査により得られた2以上の吐出ノズルの実着弾位置情報を、液滴吐出ヘッドのID番号に付して取得する着弾情報取得手段と、液滴吐出ヘッドと同一ID番号の液滴吐出ヘッドの、ヘッドプレートに対する設計上の位置である設計位置情報を取得する設計位置情報取得手段と、取得した設計位置情報に、実着弾位置情報を加味して、液滴吐出ヘッドのアライメント位置情報を生成するアライメント位置情報生成手段と、生成したアライメント位置情報に基づいて、液滴吐出ヘッドをヘッドプレートにアライメントするアライメント手段と、を備えたことを特徴とする。
これらの構成によれば、設計位置情報に実着弾位置情報を加味した位置情報(アライメント位置情報)に基づいて、液滴吐出ヘッドをアライメントするため、着弾位置のズレを考慮した適切なアライメントを行うことができる。ゆえに、各吐出ノズルによる着弾位置のズレを抑制することができ、液滴吐出ヘッドによる描画処理を抑制することができる。なお、ここにいう「2以上の吐出ノズル」は、ノズル列を構成する全ての吐出ノズルであっても良いし、一部の吐出ノズル(例えば、ノズル列両端の2個の吐出ノズル)であっても良い。ひいては、「2以上の吐出ノズル」は、ノズル列を構成する吐出ノズルのうち、描画処理に用いない不吐出ノズル(無効吐出ノズル)を除く全ての吐出ノズル(有効吐出ノズル)であっても良い。
上記の液滴吐出ヘッドのアライメント方法において、2以上の吐出ノズルが、ノズル列を構成する全ての吐出ノズルであることが好ましい。
この構成によれば、ノズル列を構成する全ての吐出ノズルの実着弾位置情報を加味して、アライメント位置情報を生成するため、着弾位置のズレを考慮したアライメントをより精度良く行うことができる。特に、着弾位置のズレに一定の傾向が有る場合に、有用である。
また、アライメント位置情報生成工程は、2以上の吐出ノズルにおける理想上の着弾位置である理想着弾位置情報と実着弾位置情報とのズレ量を、ノズル列方向であるX軸方向およびこれに直交するY軸方向について、それぞれ抽出する抽出工程と、抽出した2以上の吐出ノズルにおけるそれぞれのX軸方向のズレ量およびY軸方向のズレ量を、平均化してノズル列における着弾位置のX軸方向の平均ズレ量およびY軸方向の平均ズレ量を算出する算出工程と、算出したX軸方向の平均ズレ量およびY軸方向の平均ズレ量に基づいて、設計位置情報を補正しアライメント位置情報を生成する補正工程と、を有していることが好ましい。
この構成によれば、X軸方向のズレ量の平均値(X軸方向の平均ズレ量)と、Y軸方向のズレ量の平均値(Y軸方向の平均ズレ量)とに基づいて、設計位置情報を補正するため、X軸方向およびY軸方向における着弾位置のズレを考慮したアライメントを行うことができる。
この場合、液滴吐出ヘッドは、ノズル列をn(nは2以上の整数)個有しており、2以上の吐出ノズルは、n個のノズル列のうちの任意の1個のノズル列に属し、補正工程では、X軸方向の平均ズレ量の1/nをX軸補正量とし、Y軸方向の平均ズレ量の1/nをY軸補正量として、設計位置情報を補正することが好ましい。
この構成によれば、n個のノズル列のうち、任意の1個のノズル列でのアライメント位置情報を取得し、これに基づいて、液滴吐出ヘッド全体をアライメントするため、全てのノズル列でのアライメント位置情報を取得するのに比して、補正工程を簡易化することができる。また、平均ズレ量の1/nを補正量とすることにより、液滴吐出ヘッド全体の着弾位置の最大平均ズレ量を確実に小さくすることができる。例えば、取得した平均ズレ量をそのまま補正量とすると、任意の1個のノズル列の着弾位置にズレが有り、一方、他のノズル列の着弾位置にズレが無い場合に、補正によって、他のノズル列の着弾位置がずれてしまい、結局、液滴吐出ヘッド全体の最大平均ズレ量は変わらない。これに対し、平均ズレ量の1/nを補正量とすれば、任意のノズル列の着弾位置のズレ量は緩和され、一方、他のノズル列の着弾位置のズレ量は大きくなるものの、元の任意のノズル列の着弾位置のズレ量に比べれば小さいものとなる。このように、液滴吐出ヘッド全体の着弾位置の最大平均ズレ量を確実に小さくすることができる。
一方、設計位置情報取得工程における設計位置情報は、ヘッドプレートの基準位置と液滴吐出ヘッドの基準位置とをマーキングした、アライメントマスクの画像認識により取得されたものであること好ましい。
この構成によれば、アライメントマスクを画像認識して設計位置情報を取得するため、精度の高い設計位置情報を取得することができる。
実施形態に係るヘッドユニットを示した平面模式図である。 機能液滴吐出ヘッドを示した外観斜視図である。 ヘッド組立システムを示したシステム構成図である。 ヘッド検査装置を示した平面模式図である。 組立装置を示した側面模式図である。 アライメント動作を示したフローチャートである。 アライメント方法を示した説明図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る液滴吐出ヘッドのアライメント方法について説明する。このアライメント方法において、機能液滴吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)は、機能液滴吐出ヘッドがヘッドプレートに取り付けられるヘッドユニットを組立対象としたヘッド組立システム(アライメント装置)によってアライメントされる。そこでまず、ヘッドユニットについて説明し、その後、ヘッド組立システムおよびアライメント方法について説明する。なお、この機能液滴吐出ヘッドは、例えば、基板の配線パターンの描画や、カラーフィルターの画素の描画等を行う描画装置(液滴吐出装置)に搭載されて使用されるものである。
図1は、ヘッドユニット1を示した平面模式図である。なお、図1は、ヘッドユニット1の裏面を上とした平面図となっている。図1に示すように、ヘッドユニット1は、ヘッドプレート2と、ヘッドプレート2に位置固定した12個の機能液滴吐出ヘッド3と、を備えている。12個の機能液滴吐出ヘッド3は、ヘッドプレート2に対して、6個ずつ左右(副走査方向)に2分され、2分された各ヘッド群の6個の機能液滴吐出ヘッド3は、副走査方向に互いに位置ズレして階段状に配設されている。また、各機能液滴吐出ヘッド3は、それぞれ副走査方向に平行に配設されている。なお、ヘッドプレート2に対し12個の機能液滴吐出ヘッド3は、ヘッド組立システム30によってアライメント(位置決め)された状態で組み付けられる。また、図1に示す配列パターンは一例であり、機能液滴吐出ヘッド3の個数や列数、さらに配列パターンは任意である。
図2に示すように、機能液滴吐出ヘッド3は、いわゆる2連のインクジェットヘッドであり、2連の接続針11を有する機能液導入部12と、機能液導入部12の側方に連なる2連のヘッド基板13と、機能液導入部12に連なる2連のポンプ部14と、ポンプ部14に連なるノズルプレート15と、を備えている。また、ポンプ部14とノズルプレート15とにより、ヘッドプレート2の裏面側に突出する方形のヘッド本体16が構成されている。機能液滴吐出ヘッド3を吐出駆動すると、圧電素子によるポンプ作用により、吐出ノズル22から機能液滴が吐出される。
ノズルプレート15のノズル面21には、複数の吐出ノズル22を副走査方向に列設した2個のノズル列23、23(第1ノズル列23aおよび第2ノズル列23b)が相互に平行に形成されている。そして、2個のノズル列23、23同士は、相互に半ノズルピッチ分位置ずれしている。また、12個の機能液滴吐出ヘッド3は、副走査方向であるノズル列23方向に位置ずれして配設されているため、12個の機能液滴吐出ヘッド3の全吐出ノズル22が副走査方向において連続するようになっている。機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート2にアライメントするためのヘッド基準位置(液滴吐出ヘッドの基準位置)Mとして、第1ノズル列23aの最外端に位置する2つの吐出ノズル22を用いるようにしている。すなわち、機能液滴吐出ヘッド3は、左右一対のヘッド基準位置M、Mを有している。なお、吐出ノズル22とは別に、ノズルプレート15に基準位置となる特段のマークを設けるようにしても良い。
図1に示すように、ヘッドプレート2は、一部が切り欠かれた略方形のプレートであると共にステンレス等の厚板で構成されたプレート本体26と、プレート本体26上に開口し、12個の機能液滴吐出ヘッド3を取り付けるための12個の装着開口27と、アライメント時の位置決め基準となる左右一対の基準ピン28、28と、を有している。一対の基準ピン28、28は、ヘッドプレート2をアライメントするための基準位置であり、ヘッドプレート2の裏面側に突出するように取り付けられている。
ここで図3ないし図5を参照して、ヘッド組立システム30について説明する。図3に示すように、ヘッド組立システム30は、機能液滴吐出ヘッド3のヘッド単体検査を行うヘッド検査装置(着弾位置取得手段)31と、検査後の12個の機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート2に位置固定してヘッドユニット1を組み立てる組立装置61と、を備えている。
図4に示すように、ヘッド検査装置31は、単一の機能液滴吐出ヘッド3を工具レスでセットするセットホルダー32と、着弾検査を行うための画像認識カメラ33と、セットホルダー32および画像認識カメラ33を、機台42の上方でXY方向に移動させるXY移動機構34と、チューブを介して機能液滴吐出ヘッド3に機能液を供給する機能液供給ユニット35と、機能液滴吐出ヘッド3を機能維持・回復するメンテナンスユニット36と、吐出された機能液滴の飛行曲がりや飛行速度を検査する飛行検査ユニット37と、吐出された機能液滴の吐出重量を測定する吐出量測定ユニット38と、着弾検査用の検査シート39を載置する液滴着弾ユニット40と、各部を制御する制御ユニット41(図3参照)と、を備えている。メンテナンスユニット36、飛行検査ユニット37、吐出量測定ユニット38および液滴着弾ユニット40は、XY移動機構34によりX軸方向に移動する機能液滴吐出ヘッド3の移動軌跡の下方に面するよう、機台42上にそれぞれ並べて配設されている。
XY移動機構34は、機台42上に立設した一対の支柱51と、一対の支柱51に架け渡されたX軸テーブル52と、X軸テーブル52上に配設されると共に、セットホルダー32を垂設した第1Y軸テーブル53と、X軸テーブル52上に配設されると共に、画像認識カメラ33を下向きに垂設した第2Y軸テーブル54と、を備えている。セットホルダー32は、機能液滴吐出ヘッド3を、下向きに(ノズル面21が下を向くように)セットする。
機能液滴吐出ヘッド3のヘッド単体検査を行う場合には、機能液供給ユニット35により機能液滴吐出ヘッド3に機能液を供給しつつ、XY移動機構34により機能液滴吐出ヘッド3をX軸方向およびY軸方向に移動させて、飛行検査ユニット37、吐出量測定ユニット38および液滴着弾ユニット40にそれぞれ対面させ、順次各検査を行う。
ここでヘッド単体検査の1つである着弾検査(着弾位置取得工程)について説明する。着弾検査は、検査シート39に機能液滴を着弾し、この着弾結果を画像認識カメラ33によって画像認識し、さらにこれを画像処理することで行われる。具体的には、まず、制御ユニット41は、XY移動機構34により、機能液滴吐出ヘッド3を液滴着弾ユニット40の検査シート39に対面させる。その後、機能液滴吐出ヘッド3を吐出駆動して、検査シート39に機能液滴を着弾させる。かかる際、機能液滴吐出ヘッド3の全ての吐出ノズル22から、機能液滴を吐出し、着弾させる。なお、1吐出ノズル当り複数回の吐出着弾を行うことが好ましい。
次に、XY移動機構34により、画像認識カメラ33を液滴着弾ユニット40の検査シート39に対面させる。その後、画像認識カメラ33により、検査シート39上の各着弾液滴(着弾結果)を画像認識する。そして、制御ユニット41は、着弾結果を画像処理(画像解析)して、各吐出ノズル22の吐出量を算出し、各吐出ノズル22の吐出量を検査する。また、制御ユニット41は、ここで得られた着弾結果を画像処理して、第1ノズル列23aの全ての吐出ノズル22の実着弾位置情報を取得する。具体的には、第1ノズル列23aの全ての吐出ノズル22の着弾液滴における中心位置を求めて、当該中心位置を実着弾位置情報とする。さらに、実着弾位置情報に各吐出ノズル22の理想上の着弾位置である理想着弾位置情報を付与すると共に、機能液滴吐出ヘッド3のID番号を付して、組立装置61に送信する。送信された実着弾位置情報は、組立装置61のデータベース91(後述する)に記憶される(図3参照)。なお、実着弾位置情報を、記録媒体を介して、データベース91に記憶する構成であっても良い。
次に図3および図5を参照して、ヘッドユニット1の組立装置61について説明する。図5に示すように、組立装置61は、ヘッドプレート2に機能液滴吐出ヘッド3を仮装着したヘッドユニット1を組立対象とし、ヘッドプレート2に各機能液滴吐出ヘッド3を精度良く位置決めして固定するものである。
組立装置61は、ヘッドユニット1もしくはアライメントマスク(図示省略)をセットし、これをXY方向で移動させるユニット移動装置62と、各機能液滴吐出ヘッド3をアライメント(位置決め補正)するヘッド補正装置63と、ヘッドプレート2に各機能液滴吐出ヘッド3を接着固定(仮固定)する仮固定装置64と、ヘッドプレート2および各機能液滴吐出ヘッド3を位置認識する認識装置65と、これら各部を制御する制御装置66(図3参照)と、を備えている。
ユニット移動装置62は、ヘッドユニット1を反転状態(ヘッドプレート2の裏面を上にした状態)でセットすると共に、アライメントマスクをセットするセットテーブル71と、セットテーブル71を下側から支持するθテーブル72と、θテーブル72を下側から支持するX・Yテーブル73と、を備えている。また、ヘッドユニット1は、機能液滴吐出ヘッド3の主走査方向に相当する方向がX軸方向となり、副走査方向(ノズル列方向)がX軸方向に直交するY軸方向となるようにセットされる。
ヘッド補正装置63は、補正用X・Yテーブル76および補正用θテーブル77に支持されたアームユニット78を備えており、各機能液滴吐出ヘッド3をX軸、Y軸およびθ軸方向に微小移動させて、機能液滴吐出ヘッド3の位置決めを行うものである。アームユニット78は、機能液滴吐出ヘッド3を微小移動してそのアライメントを行うと共に、アライメント後の機能液滴吐出ヘッド3を、ヘッドプレート2に押し付けるようにして不動に保持する。
仮固定装置64は、接着剤注入ノズル81を装着したシリンジ型のディスペンサーを有しており、接着剤を注入して、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート2に接着固定する。これによって、ヘッド補正装置63によって不動に保持したアライメント後の機能液滴吐出ヘッド3を仮固定する。なお、仮固定された機能液滴吐出ヘッド3は、別工程で本固定される。
認識装置65は、認識対象となるヘッドユニット1およびアライメントマスクに対し、固定的に設けられた固定カメラ82を有している。アライメントマスクは、一対の基準ピン28、28の位置(ヘッドプレート2の基準位置)にマーキングされた一対のプレート基準マークと、各機能液滴吐出ヘッド3の一対のヘッド基準位置M、Mにマーキングされた各組のヘッド基準マークとを有している。そのため、固定カメラ82は、セットされたアライメントマスクに対面し、一対のプレート基準マークおよび各組のヘッド基準マークを画像認識(撮像)する。また、固定カメラ82は、セットされたヘッドユニット1に対面し、ヘッドユニット1の一対の基準ピン28、28および各組のヘッド基準位置M、Mを画像認識(撮像)する。
ここで、図3を参照して制御装置66について説明する。図3に示すように、制御装置66は、データベース91と、設計位置情報取得部92と、現在位置情報取得部93と、アライメント位置情報生成部(アライメント位置情報生成手段)94と、ヘッド補正制御部95と、を備えている。
データベース91は、ヘッドユニット1に搭載された12個の機能液滴吐出ヘッド3毎のID番号と、ID番号毎の実着弾位置情報と、各実着弾位置情報に付与されたID番号毎の理想着弾位置情報と、を記憶している。なお、上記したように、実着弾位置情報は、ヘッド検査装置31の着弾検査によって得られたデータである。
設計位置情報取得部92は、認識装置65による画像認識結果に基づいて、12個の機能液滴吐出ヘッド3の、ヘッドプレート2に対する設計上の位置である設計位置情報を取得する。現在位置情報取得部93は、認識装置65による画像認識結果に基づいて、12個の機能液滴吐出ヘッド3の、ヘッドプレート2に対する現在の位置である現在位置情報を取得する。アライメント位置情報生成部94は、取得した設計位置情報に、実着弾位置情報を加味して、機能液滴吐出ヘッド3のアライメント位置情報を生成する。ヘッド補正制御部95は、現在位置情報およびアライメント位置情報に基づいて、ヘッド補正装置63を制御し、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート2にアライメントする。なお、請求項にいう「設計位置情報取得手段」は、認識装置65および設計位置情報取得部92により、構成されている。また、請求項にいう「アライメント手段」は、ヘッド補正装置63およびヘッド補正制御部95により、構成されている。
次に、ヘッド組立システム30によるアライメント方法について説明する。このアライメント方法は、組立装置61によるアライメント動作と、本動作の前工程のヘッド検査装置31による上記着弾検査(着弾位置取得工程)と、によって実施される。そこで、12個の機能液滴吐出ヘッド3に対し、上記着弾検査が実施されたものとし、アライメント動作について説明する。
図6は、組立装置61によるアライメント動作を示したフローチャートである。図6に示すように、アライメント動作は、実行順に、設計位置情報取得工程(S1〜S3)と、現在位置情報取得工程(S4〜S8)と、アライメント位置情報生成工程(S4〜S11)と、アライメント工程(S12)と、を有している。
図6に示すように、まず、アライメントマスクがセットテーブル71に導入された状態で、設計位置情報取得工程(S1〜S3)を実施する。設計位置情報取得工程では、機能液滴吐出ヘッド3のID番号毎の設計位置情報を取得する。具体的には、まず、制御装置66は、ユニット移動装置62により、アライメントマスクを固定カメラ82に対面させ(S1)、その後、固定カメラ82を駆動して、プレート基準マークおよび各組のヘッド基準マークを画像認識する(S2)。プレート基準マークおよび各組のヘッド基準マークを画像認識したら、設計位置情報取得部92により、この画像認識結果を画像処理(画像分析)して、各組のヘッド基準マークの中心位置を求める。そして、当該各中心位置を、各機能液滴吐出ヘッド3の設計上の設計位置情報とし、機能液滴吐出ヘッド3のID番号を付して取得する(S3)。
次に、作業者によってアライメントマスクに替えてヘッドユニット1がセットテーブル71に導入された後、現在位置情報取得工程(S4〜S7)を実施する。現在位置情報取得工程では、機能液滴吐出ヘッド3のID番号毎の現在位置情報を取得する。具体的には、まず、ユニット移動装置62により、ヘッドユニット1を固定カメラ82に対面させ(S4)、その後、固定カメラ82を駆動して、一対の基準ピン28、28を画像認識する(S5)。基準ピン28を画像認識したら、ユニット移動装置62により、当該画像認識結果に基づいて、ヘッドプレート2の基準ピン28の位置が、前工程(S2)で画像認識したプレート基準マークの位置に合致するように、ヘッドユニット1を移動する(S6)。これによって、ヘッドプレート2が位置決めされるので、この状態で各機能液滴吐出ヘッド3のヘッド基準位置M、Mを画像認識する(S7)。各組のヘッド基準位置M、Mを画像認識したら、現在位置情報取得部93により、画像認識結果を画像処理して、各組のヘッド基準位置M、Mの中心位置を求める。そして、当該各組の中心位置を、各機能液滴吐出ヘッド3の現在位置情報とし、機能液滴吐出ヘッド3のID番号を付して取得する(S8)。
その後、アライメント位置情報生成工程(S9〜S11)を実施する。アライメント位置情報生成工程では、ID番号毎の設計位置情報と、データベース91から抽出した12個の機能液滴吐出ヘッド3のID番号毎の実着弾位置情報と、に基づいて、ID番号毎のアライメント位置情報を生成する。具体的には、まず、アライメント位置情報生成部94により、各吐出ノズル22において理想着弾位置情報と実着弾位置情報とのズレ量を、X軸方向およびY軸方向について、それぞれ抽出する(抽出工程)(S9:図7(a)参照)。次に、抽出した各吐出ノズル22におけるそれぞれのX軸方向のズレ量およびY軸方向のズレ量を、平均化して第1ノズル列23aにおける着弾位置のX軸方向の平均ズレ量およびY軸方向の平均ズレ量を算出する(算出工程)(S10:図7(b)参照)。さらに、算出したX軸方向の平均ズレ量およびY軸方向の平均ズレ量に基づいて、設計位置情報を補正しアライメント位置情報を生成する(補正工程)(S11:図7(c)参照)。具体的には、X軸方向の平均ズレ量の1/2をX軸補正量とし、Y軸方向の平均ズレ量の1/2をY軸補正量として、設計位置情報を補正する(例えば、Y軸方向の平均ズレ量をΔYとし、Y軸方向の設計位置情報をA、Y軸方向のアライメント位置情報をBとすると、B=A−ΔY/2とする。)。これらをID番号毎に実施することで、ID番号毎のアライメント位置情報を生成する。
アライメント位置情報を生成したら、アライメント工程(S12)を実施する。アライメント工程では、生成したID番号毎のアライメント位置情報に基づいて、各ID番号の機能液滴吐出ヘッド3を、ヘッドプレート2にアライメントする(S12:図7(d)参照)。具体的には、ヘッド補正制御部95により、ヘッド補正装置63を制御して、アライメント位置情報と現在位置情報との差分だけ、X軸方向およびY軸方向に機能液滴吐出ヘッド3を移動する。設計位置情報、アライメント位置情報および現在位置情報はいずれも第1ノズル列23aを基準としているため、第1ノズル列23a基準で、アライメントが実施される。これをID番号毎に実施することで、全ての機能液滴吐出ヘッド3をアライメントする。これによってアライメント動作を終了する。
以上のような構成によれば、設計位置情報に実着弾位置情報を加味した位置情報(アライメント位置情報)に基づいて、機能液滴吐出ヘッド3をアライメントするため、着弾位置のズレを考慮した適切なアライメントを行うことができる。ゆえに、各吐出ノズル22による着弾位置のズレを抑制することができ、機能液滴吐出ヘッド3による描画処理を抑制することができる。
また、第1ノズル列23aを構成する全ての吐出ノズル22の実着弾位置情報を加味して、アライメント位置情報を取得するため、着弾位置のズレを考慮したアライメントをより精度良く行うことができる。
さらに、X軸方向のズレ量の平均値(X軸方向の平均ズレ量)と、Y軸方向のズレ量の平均値(Y軸方向の平均ズレ量)とに基づいて、設計位置情報を補正するため、X軸方向およびY軸方向における着弾位置のズレを考慮したアライメントを行うことができる。
またさらに、2個のノズル列23、23のうち、任意の1個のノズル列23(第1ノズル列23a)でのアライメント位置情報を取得し、これに基づいて、機能液滴吐出ヘッド3全体をアライメントするため、全てのノズル列23でのアライメント位置情報を取得するのに比して、補正工程を簡易化することができる。また、平均ズレ量の1/2を補正量とすることにより、機能液滴吐出ヘッド3全体の着弾位置の最大平均ズレ量を確実に小さくすることができる。なお、ノズル列23の数がn(2以上の整数)個であり、平均ズレ量の1/nを補正量とするものであれば、n=2個に限るではなく、例えば、4個のノズル列23を有した機能液滴吐出ヘッド3に本発明を適用しても良い。
また、アライメントマスクを画像認識して設計位置情報を取得するため、精度の高い設計位置情報を取得することができる。
なお、上記実施形態においてはθ方向のアライメントについて説明を省略したが、現在位置情報取得工程(S4〜S7)の前に、現在位置情報と設計位置情報を取得し、そのθ方向の差分だけ、機能液滴吐出ヘッド3をθ方向に移動して、θ方向のアライメントを行う構成であっても良いし、アライメント位置情報生成工程(S9〜S11)において、抽出した吐出ノズル22におけるそれぞれのX軸方向のズレ量およびY軸方向のズレ量に基づいて、θ方向の補正量を求め、設計位置情報をθ方向の補正量で補正して、アライメント位置情報に組み込む構成であっても良い。
また、本実施形態においては、第1ノズル列23a基準で、アライメントを実施したが、第1ノズル列23aおよび第2ノズル列23bの両ノズル列23を基準として、アライメントを実施する構成であっても良い。かかる場合、両ノズル列23に属する吐出ノズル22の実着弾位置情報を取得し、アライメントに用いる。
さらに、本実施形態においては、ノズル列23に属する全ての吐出ノズル22の実着弾位置情報を取得したが、2以上の吐出ノズル22であればこれに限るものではなく、例えば、機能液滴吐出ヘッド3のヘッド基準位置M、Mと同様、第1ノズル列23aの最外端の2個の吐出ノズル22の実着弾位置情報を取得し、アライメントに用いる構成であっても良い。かかる場合、ズレ量の平均化(算出工程:S10)を省略することができる。
またさらに、本実施形態においては、2以上のノズル列23を有した機能液滴吐出ヘッド3に、本発明を適用したが、単一のノズル列23を有した機能液滴吐出ヘッド3に、本発明を適用しても良い。かかる場合、平均ズレ量をそのまま補正量とする。
1:ヘッドユニット、 2:ヘッドプレート、 3:機能液滴吐出ヘッド、 22:吐出ノズル、 23:ノズル列、 30:ヘッド組立システム、 31:ヘッド検査装置、 63:ヘッド補正装置、 65:認識装置、 92:設計位置情報取得部、 94:アライメント位置情報生成部、 95:ヘッド補正制御部、 M:ヘッド基準位置

Claims (6)

  1. 複数の吐出ノズルを列設したノズル列を有する液滴吐出ヘッドを、当該液滴吐出ヘッドが取り付けられるヘッドプレートにアライメントする液滴吐出ヘッドのアライメント方法であって、
    前記液滴吐出ヘッドの着弾検査により得られた2以上の吐出ノズルの実着弾位置情報を、前記液滴吐出ヘッドのID番号に付して取得する着弾情報取得工程と、
    前記液滴吐出ヘッドと同一ID番号の液滴吐出ヘッドの、前記ヘッドプレートに対する設計上の位置である設計位置情報を取得する設計位置情報取得工程と、
    取得した前記設計位置情報に、前記実着弾位置情報を加味して、前記液滴吐出ヘッドのアライメント位置情報を生成するアライメント位置情報生成工程と、
    生成した前記アライメント位置情報に基づいて、前記液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートにアライメントするアライメント工程と、を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッドのアライメント方法。
  2. 前記2以上の吐出ノズルが、前記ノズル列を構成する全ての吐出ノズルであることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドのアライメント方法。
  3. 前記アライメント位置情報生成工程は、
    前記2以上の吐出ノズルにおける理想上の着弾位置である理想着弾位置情報と前記実着弾位置情報とのズレ量を、前記ノズル列方向であるX軸方向およびこれに直交するY軸方向について、それぞれ抽出する抽出工程と、
    抽出した前記2以上の吐出ノズルにおけるそれぞれのX軸方向のズレ量およびY軸方向のズレ量を、平均化して前記ノズル列における着弾位置のX軸方向の平均ズレ量およびY軸方向の平均ズレ量を算出する算出工程と、
    算出したX軸方向の平均ズレ量およびY軸方向の平均ズレ量に基づいて、前記設計位置情報を補正し前記アライメント位置情報を生成する補正工程と、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドのアライメント方法。
  4. 前記液滴吐出ヘッドは、前記ノズル列をn(nは2以上の整数)個有しており、
    前記2以上の吐出ノズルが、前記n個のノズル列のうちの任意の1個のノズル列に属し、
    前記補正工程では、X軸方向の平均ズレ量の1/nをX軸補正量とし、Y軸方向の平均ズレ量の1/nをY軸補正量として、前記設計位置情報を補正することを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出ヘッドのアライメント方法。
  5. 前記設計位置情報取得工程における前記設計位置情報は、前記ヘッドプレートの基準位置と前記液滴吐出ヘッドの基準位置とをマーキングした、アライメントマスクの画像認識により取得されたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドのアライメント方法。
  6. 複数の吐出ノズルを列設したノズル列を有する液滴吐出ヘッドを、当該液滴吐出ヘッドが取り付けられるヘッドプレートにアライメントする液滴吐出ヘッドのアライメント装置であって、
    前記液滴吐出ヘッドの着弾検査により得られた2以上の吐出ノズルの実着弾位置情報を、前記液滴吐出ヘッドのID番号に付して取得する着弾情報取得手段と、
    前記液滴吐出ヘッドと同一ID番号の液滴吐出ヘッドの、前記ヘッドプレートに対する設計上の位置である設計位置情報を取得する設計位置情報取得手段と、
    取得した前記設計位置情報に、前記実着弾位置情報を加味して、前記液滴吐出ヘッドのアライメント位置情報を生成するアライメント位置情報生成手段と、
    生成した前記アライメント位置情報に基づいて、前記液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートにアライメントするアライメント手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッドのアライメント装置。
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