JP2012183158A - 酸素濃縮器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気取入部、空気圧縮部、PSA部、酸素貯留部、酸素供給部、及び酸素濃度検出部を備えた呼吸同調式の酸素濃縮器において、酸素供給部から高濃度酸素が放出されていない期間に、PSA部における高濃度酸素の生成を一時的に停止させ、酸素貯留部における圧力を一定に保持する(PSA制御部)。そして、PSA制御部により酸素貯留部の圧力が一定に保持されているときに、酸素濃度検出部が高濃度酸素の濃度を検出する。
【選択図】図7
Description
図1は、一般的なPSA式の酸素濃縮器の概略構成を示す図である。図1に示すように、PSA式の酸素濃縮器1は、空気取入部10、空気圧縮部20、PSA部30、酸素貯留部40、及び酸素供給部50を備えている。
PSA部30は、酸素より窒素を早く吸着する性質を有するゼオライト等の吸着剤が充填された2本のシーブベッド(吸着塔)33A、33Bを有している。シーブベッド33A、33Bに圧縮空気が送り込まれて加圧状態になると、窒素及び水分が吸着されて酸素だけが通過し、高濃度酸素が生成される。一方、窒素を吸着したシーブベッド33A、33Bが減圧状態(例えば大気圧)に戻されると、吸着していた窒素が脱離して放出され、シーブベッド33A、33Bの吸着能力が再生される。つまり、PSA部30において、2本のシーブベッド33A、33Bで交互に加圧減圧を繰り返すことにより、連続して高濃度酸素を生成することができる。
前記空気取入部を介して導入された前記原料空気から圧縮空気を生成する空気圧縮部と、
前記空気圧縮部で生成された前記圧縮空気から窒素を分離して高濃度酸素を生成するPSA部と、
前記PSA部により生成された前記高濃度酸素を貯留する酸素貯留部と、
前記酸素貯留部に貯留されている前記高濃度酸素を、使用者の呼吸に同調して酸素出口から放出する酸素供給部と、
前記酸素貯留部における前記高濃度酸素の濃度を検出する酸素濃度検出部と、を備えた呼吸同調式の酸素濃縮器であって、
前記酸素供給部から前記高濃度酸素が放出されていない期間に、前記PSA部における高濃度酸素の生成を一時的に停止させ、前記酸素貯留部における圧力を一定に保持するPSA制御部を備え、
前記PSA制御部により前記酸素貯留部の圧力が一定に保持されているときに、前記酸素濃度検出部が前記高濃度酸素の濃度を検出することを特徴とする。
図3は、本発明の一実施の形態に係る酸素濃縮器の配管系統の概略構成を示す図である。図3に示す酸素濃縮器1は、空気取入部10、空気圧縮部20、PSA部30、酸素貯留部40、酸素供給部50を備えたPSA式の酸素濃縮器である。
空気圧縮部20で生成された圧縮空気は、冷却パイプ21において冷却され、PSA部30に送出される。
なお、空気圧縮部20の上流(ヘパフィルタ12の下流)には、空気圧縮部20の動作音に対して消音効果を発揮する膨張型消音器(サイレンサ)を配設するのが望ましい。
切替弁SV1の上流側には冷却パイプ21からの配管が接続され、下流側にはシーブベッド33Aへの配管が接続される。同様に、切替弁SV3の上流側には冷却パイプ21からの配管が接続され、下流側にはシーブベッド33Bへの配管が接続される。
また、切替弁SV2の上流側には切替弁SV1又はシーブベッド33Aからの配管が接続され、下流側には排気サイレンサ32への配管が接続される。同様に、切替弁SV4の上流側には切替弁SV3又はシーブベッド33Bからの配管が接続され、下流側には排気サイレンサ32への配管が接続される。
また、切替弁SV1〜SV4が上記と逆の状態となっている場合は、空気圧縮部20で生成された圧縮空気がシーブベッド33Bに送出され、シーブベッド33Aからは窒素富化空気が放出されて排気サイレンサ32を介して排気されることとなる(図4参照)。切替弁SV1〜SV4の開閉状態は、例えば10秒間隔で切り替えられる。
シーブベッド33A、33Bで生成される高濃度酸素の濃度は、例えば90%程度に調整される。また、ゼオライトは窒素のみならず水分をも吸着するので、シーブベッド33A、33Bで生成される高濃度酸素は極めて乾燥した状態となる(例えば湿度0.1〜0.2%)。
測定対象となる高濃度酸素の圧力が変動していると正確な測定が困難となるため、従来は、圧力調整部42の下流に流量制限オリフィス45を介して酸素センサ43が接続されていた(図2参照)。これに対して、本実施の形態の酸素濃縮器1では、製品タンク41の圧力が変動しない期間を設け、このタイミングで酸素濃度を測定するため、圧力調整部を省略することができる。
例えば、同調弁52が開いたとき、ポートP1とポートP2を結ぶ流路(第1流路)が開通され、高濃度酸素が酸素出口55から放出される。一方、同調弁52が閉じたとき、ポートP2とポートP3を結ぶ流路(第2流路)が開通され、使用者の呼吸に伴う圧力変動が圧力センサ53によって検出可能となる。
なお、使用者の呼吸に伴う微少な圧力変動を確実に検出するため、圧力センサ53としては、測定レンジが±4kPaのものが好適である。
なお、高濃度酸素は極めて乾燥した状態となっているので、酸素出口55の上流に、高濃度酸素を加湿するための加湿部を配設してもよい。
図5に示すように、制御部60は、CPU(Central Processing Unit)61、RAM(Random Access Memory)62、ROM(Read Only Memory)63等を備えている。CPU61は、処理内容に応じたプログラムをROM63から読み出してRAM62に展開し、展開したプログラムと協働して酸素濃縮器1の各ブロックの動作を制御する。
そして、制御部60は、これらの入力信号に基づいて、例えば空気圧縮部20や冷却ブロワ70の駆動モータの回転数を制御したり、流路切替部31の切替弁SV1〜SV4や同調弁52の開閉状態や開度を制御したりする。このような制御により、酸素濃縮器1から設定流量で高濃度酸素が供給される。
図示を省略するが、酸素濃縮器1に無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の通信ネットワークに接続可能なインターフェースを設け、外部機器との間で各種データを送受信できるようにしてもよい。
そこで、本実施の形態では、酸素供給部50から高濃度酸素が放出されていない期間に、シーブベッド33A、33Bから高濃度酸素が流入するのを一時的に停止させ、このタイミングで酸素センサ43からの検出信号に基づいて酸素濃度を測定する。この処理は、具体的には図6に示すフローチャートに従って行われる。
なお、呼吸間隔の1分間の移動平均と直前2回の平均は、圧力センサ53による呼吸検出に基づいて、例えばRAM62に呼吸間隔を逐一記憶しておくことにより、容易に算出することができる。
また、同調弁52が“開”から“閉”に切り替えられた直後は、酸素供給部50から高濃度酸素が放出されていないので、製品タンク41に貯留された高濃度酸素の圧力は、変動することなく一定に保持されることになる。
なお、圧力センサ53によって次の吸気が検出されると、高濃度酸素の供給が開始されるために製品タンク41に貯留された高濃度酸素の圧力が変動する。そこで、酸素濃度の測定は、高濃度酸素の供給が開始されるまでに行う必要がある。1回の呼吸が3秒(20回/分)で、吸気時間と呼気時間の比率が1:2であるとすると、同調弁52が“閉”とされた後、2秒以内に酸素濃度が測定されればよいことになる。
また、酸素供給部(50)から高濃度酸素が放出されていない期間に、PSA部(30)における高濃度酸素の生成を一時的に停止させ、酸素貯留部(40)における圧力を一定に保持するPSA制御部(制御部60、図6のフローチャート)を備えている。そして、PSA制御部(制御部60)により酸素貯留部(40)の圧力が一定に保持されているときに、酸素濃度検出部(酸素センサ43)が高濃度酸素の濃度を検出する。
これにより、酸素貯留部40における高濃度酸素の圧力が確実に一定となる(使用者の呼吸によって変動しない)タイミングで酸素濃度が測定されるので、酸素濃度を正確に測定することができる。
これにより、PSA部30が本来有している流路切替部31の切替弁SV1〜SV4を制御するだけで、PSA部30における高濃度酸素の生成を容易に停止させることができる。すなわち、実施の形態に係る酸素濃縮器1を実現するに際し、新たに部品を追加する必要はない。
図7に示すように、シーブベッド33A、33Bで行われている吸着/再生工程を一旦停止させ、酸素濃度を測定した後に再開させると、吸着/再生効率が少なからず低下する。そのため、吸着/再生工程の本来の切替タイミングを考慮して、流路切替部31の切替弁SV1〜SV4を制御するのが望ましい。
図8に示すように、切替弁SV1、SV4が“開”、切替弁SV2、SV3が“閉”となっており、シーブベッド33Aが吸着工程、シーブベッド33Bが再生工程にある場合、切替弁SV1、SV4の開閉状態は保持され、切替弁SV2、SV3は“閉”から“開”に切り替えられる。製品タンク41に貯留された高濃度酸素の圧力が一定となるので、この期間に酸素センサ43からの検出信号に基づいて酸素濃度を測定する。
例えば、酸素供給部50からの高濃度酸素の放出が終了した後に即座に次の吸気が開始される可能性は低いので、図6のステップS102の処理を省略してもよい。
また、酸素濃度の測定間隔(実施の形態では20分)は任意に設定することができる。また、酸素濃縮器1の電源をオフするときに、切替弁SV1〜SV4を“開”として酸素濃度を測定してもよい。このとき、空気圧縮部20はオフ状態とし、冷却ブロワ70はオン状態のままとする。そして、測定した酸素濃度に異常があった場合、アラームを出力する。
また、実施の形態では、流路切替部31に二方弁からなる4つの切替弁を配設しているが、三方弁からなる2つの切替弁を配設するようにしてもよい。この場合、2つの切替弁をともに“閉”とすることで、シーブベッド33A、33Bにおける高濃度酸素の生成を停止させることができる。
さらに、酸素センサ43は、製品タンク41に直接ではなく、製品タンク41から同調弁52までの配管に配設してもよい。
10 空気取入部
11 吸気フィルタ
12 ヘパフィルタ
13 空気取入口
20 空気圧縮部
21 冷却パイプ
30 PSA部
31 流路切替部
32 排気サイレンサ
33A、33B シーブベッド
34 パージオリフィス
35 均圧弁
36 逆止弁
40 酸素貯留部
41 製品タンク
42 圧力調整部
43 酸素センサ
44 圧力センサ
45 流量制限オリフィス
50 酸素供給部
51 バクテリアフィルタ
52 同調弁
53 圧力センサ
54 流量制限オリフィス
55 酸素出口
60 制御部(PSA制御部)
61 CPU
62 RAM
63 ROM
70 冷却ブロワ
71 温度センサ
81 操作部
82 表示部
83 スピーカ
SV1〜SV4 切替弁
Claims (5)
- 原料空気を導入する空気取入部と、
前記空気取入部を介して導入された前記原料空気から圧縮空気を生成する空気圧縮部と、
前記空気圧縮部で生成された前記圧縮空気から窒素を分離して高濃度酸素を生成するPSA部と、
前記PSA部により生成された前記高濃度酸素を貯留する酸素貯留部と、
前記酸素貯留部に貯留されている前記高濃度酸素を、使用者の呼吸に同調して酸素出口から放出する酸素供給部と、
前記酸素貯留部における前記高濃度酸素の濃度を検出する酸素濃度検出部と、を備えた呼吸同調式の酸素濃縮器であって、
前記酸素供給部から前記高濃度酸素が放出されていない期間に、前記PSA部における高濃度酸素の生成を一時的に停止させ、前記酸素貯留部における圧力を一定に保持するPSA制御部を備え、
前記PSA制御部により前記酸素貯留部の圧力が一定に保持されているときに、前記酸素濃度検出部が前記高濃度酸素の濃度を検出することを特徴とする酸素濃縮器。 - 前記PSA制御部が、前記酸素供給部からの前記高濃度酸素の放出が終了した直後に、前記PSA部における高濃度酸素の生成を所定時間停止させることを特徴とする請求項1に記載の酸素濃縮器。
- 前記PSA制御部が、前記酸素供給部において検出された使用者の呼吸間隔が安定しており、かつ、前記酸素供給部からの前記高濃度酸素の放出が終了した直後に、前記PSA部における高濃度酸素の生成を所定時間停止させることを特徴とする請求項2に記載の酸素濃縮器。
- 前記PSA部が、前記原料空気から窒素を吸着して高濃度酸素を生成する吸着工程と吸着した窒素を脱離して窒素富化空気を排出する再生工程とが交互に切り替えられる2つのシーブベッドと、
前記圧縮空気を一方の前記シーブベッドに送出するとともに、他方の前記シーブベッドからの窒素富化空気を排出する流路切替部と、を有し、
前記酸素供給部から前記高濃度酸素が放出されていない期間に、2つの前記シーブベッドに前記圧縮空気が供給されないように、前記PSA制御部が前記流路切替部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の酸素濃縮器。 - 前記流路切替部が、一方の前記シーブベッドへの前記圧縮空気の供給流路を開閉する第1切替弁と、
この一方のシーブベッドからの窒素富化空気の排気流路を開閉する第2切替弁と、
他方の前記シーブベッドへの前記圧縮空気の供給流路を開閉する第3切替弁と、
この他方のシーブベッドからの窒素富化空気の排気流路を開閉する第4切替弁と、を有し、
前記酸素供給部から前記高濃度酸素が放出されていない期間に、前記PSA制御部が前記第1〜第4切替弁をすべて開状態とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の酸素濃縮器。
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