JP2012179368A - 医療用栓体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 輸液の漏洩や注射針の抜けのない医療用キャップを提供する。
【解決手段】 前記金型における下金型が円形のステージ上に複数設けられており、当該ステージを回転させながら、前記ステージ上の異なる位置で、それぞれの下金型表面上に、押し出し機から押し出して切り出された形状で原材料であるエラストマー樹脂を供給する工程と、前記下金型と上金型が、両金型の接近によって該金型内で前記原材料へ直に圧力を与え、前記原材料を圧潰しながら前記金型内に充填して、上記下金型と上金型とで構成される当該金型内に充填された前記原材料をコンプレッション成形し続いて上記金型を分離する工程と、成形された栓体を冷却する工程と、冷却された成形品である栓体を金型から取り出す工程とを順次行う。
【選択図】 図3
【解決手段】 前記金型における下金型が円形のステージ上に複数設けられており、当該ステージを回転させながら、前記ステージ上の異なる位置で、それぞれの下金型表面上に、押し出し機から押し出して切り出された形状で原材料であるエラストマー樹脂を供給する工程と、前記下金型と上金型が、両金型の接近によって該金型内で前記原材料へ直に圧力を与え、前記原材料を圧潰しながら前記金型内に充填して、上記下金型と上金型とで構成される当該金型内に充填された前記原材料をコンプレッション成形し続いて上記金型を分離する工程と、成形された栓体を冷却する工程と、冷却された成形品である栓体を金型から取り出す工程とを順次行う。
【選択図】 図3
Description
本発明は、医療用輸液容器に取り付けられる医療用栓体及び医療用キャップに関する。
従来、医療用輸液容器に用いられる医療用キャップは、エラストマー樹脂の栓体と外枠体を有し、栓体が外枠体内に嵌入されている。インサート成形や溶着などの方法により、外枠体が輸液容器に取り付けられる。使用時には栓体に注射針を突き刺し、キャップ部を下にして、容器内の輸液を取り出す。
しかし、かかる医療用栓体は、射出成形により成形されることが多い。この場合、溶解したエラストマー樹脂は、金型内を流れ、該金型内に充填される。そのため、溶解したエラストマー樹脂の流れによって規則性が生じたり、内部応力により歪みが生じたりする。また、一方向に変形が容易となることがある。その結果、栓体と注射針との間に間隙から容器内部の輸液が漏洩したり、注射針が抜けたりするおそれがあった。
また、注射針を抜いた後も注射針の貫通痕が閉塞せず、該貫通痕より輸液の漏洩が起こることもあった。さらには、栓体及び/又は外枠体の内部応力による歪みにより、栓体と外枠体との間に空隙が生じ、該空隙からも輸液が漏洩する可能性もあった。
本発明の目的は、栓体及び/又は外枠体の成形において、原材料を流し込まずに金型内に充填することにより、規則性や内部応力の発生を抑え、輸液の漏洩や注射針の抜けのおそれがない医療用キャップ及びその製造方法を提供するところにある。
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明は、エラストマー樹脂の原材料を圧潰しながら成形して得られた医療用栓体を採用した。また、エラストマー樹脂原材料をコンプレッション成形により成形されたことを特徴とする医療用栓体を採用した。
エラストマー樹脂を圧潰しながら成形することにより(コンプレッション成形)、エラストマー樹脂が流動することなく金型内に充填され、成形される。その結果、樹脂の流れによる規則性はなく、内部応力による歪みも抑えられる。したがって、輸液の漏洩が生じることもなく、注射針が抜けるおそれもない。
本発明に係る医療用栓体は、エラストマー樹脂原材料を下金型に供給し、前記下金型と上金型とを接近させ、前記エラストマー樹脂を圧潰しながら成形する医療用栓体の成形方法により、製造することができる。
すなわち、下金型と上金型とにより、エラストマー樹脂原材料が圧潰され、該金型内に充填され成形される(コンプレッション成形)。その結果、エラストマー樹脂が流れることなく、規則性が生じず、内部応力の発生もなく、栓体が歪むこともない。
さらには、エラストマー樹脂の栓体と外枠体とを有する医療用キャップの成形方法において、
外枠体原材料を第1の下金型に供給し、前記第1の下金型と第1の上金型とを接近させ、前記外枠体原材料を圧潰しながら前記金型内に充填し、外枠体を成形し、
該外枠体を第1の下金型から取り出し、第2の下金型に供給し、
更に、エラストマー樹脂を前記第2の下金型に供給し、前記第2の下金型と第2の上金型を接近させ、前記エラストマー樹脂を圧潰しながら前記金型内に充填し、エラストマー樹脂の栓体を成形すると共に、前記エラストマー樹脂の栓体と前記外枠体とを合着する医療用キャップの成形方法や、
外枠体原材料を第1の下金型に供給し、前記第1の下金型と第1の上金型とを接近させ、前記外枠体原材料を圧潰しながら前記金型内に充填し、外枠体を成形し、
更に、エラストマー樹脂を前記第1の下金型に供給し、前記第1の下金型と第2の上金型を接近させ、前記エラストマー樹脂を圧潰しながら前記金型内に充填し、エラストマー樹脂の栓体を成形すると共に、前記エラストマー樹脂の栓体と前記外枠体とを合着する医療用キャップの成形方法をも採用することができる。
外枠体原材料を第1の下金型に供給し、前記第1の下金型と第1の上金型とを接近させ、前記外枠体原材料を圧潰しながら前記金型内に充填し、外枠体を成形し、
該外枠体を第1の下金型から取り出し、第2の下金型に供給し、
更に、エラストマー樹脂を前記第2の下金型に供給し、前記第2の下金型と第2の上金型を接近させ、前記エラストマー樹脂を圧潰しながら前記金型内に充填し、エラストマー樹脂の栓体を成形すると共に、前記エラストマー樹脂の栓体と前記外枠体とを合着する医療用キャップの成形方法や、
外枠体原材料を第1の下金型に供給し、前記第1の下金型と第1の上金型とを接近させ、前記外枠体原材料を圧潰しながら前記金型内に充填し、外枠体を成形し、
更に、エラストマー樹脂を前記第1の下金型に供給し、前記第1の下金型と第2の上金型を接近させ、前記エラストマー樹脂を圧潰しながら前記金型内に充填し、エラストマー樹脂の栓体を成形すると共に、前記エラストマー樹脂の栓体と前記外枠体とを合着する医療用キャップの成形方法をも採用することができる。
本発明に係る医療用キャップの外枠体もコンプレッション成形により成形することができる。栓体と同様に、流れによる原材料の規則性をなくし、内部応力の発生を抑え、歪みのない外枠体を成形することができる。しかも、外枠体を成形した後、該外枠内にエラストマー樹脂を供給し、前述の方法で栓体を成形することができる。この場合、外枠体と栓体とを良好に合着することができる。
請求項3に記載の成形方法によりエラストマー樹脂の栓体及び外枠体を成形し、前記外枠体に前記エラストマー樹脂の栓体を嵌入する医療用キャップの成形方法も採用できる。
すなわち、前述の方法によらず、外枠体及び栓体を別個に製造し、前記外枠体に前記エラストマー樹脂の栓体を嵌入することにより医療用キャップの成形することもできる。
すなわち、前述の方法によらず、外枠体及び栓体を別個に製造し、前記外枠体に前記エラストマー樹脂の栓体を嵌入することにより医療用キャップの成形することもできる。
本発明において、外枠体原材料として合成樹脂である。すなわち、合成樹脂であれば、特に限定されず、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどが好適である。また、栓体の原材料であるエラストマー樹脂も特に限定されないが、オレフィン系、スチレン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニール系、ポリブタジエン系などのエラストマー樹脂が好適に使用される。
本発明の医療用キャップは、栓体及び/又は外枠体がコンプレッション成形により成形されているので、原材料の流れによる規則性がなく、内部応力による歪みもない。その結果、栓体と注射針との間に間隙から容器内部の輸液が漏洩したり、注射針が抜けたりせず、また、注射針を抜いた後も注射針の貫通痕が良好に閉塞し、該貫通痕より輸液の漏洩が起こることはない。栓体及び/又は外枠体との合着が良好であるため、栓体と外枠体との間に空隙が生じず、輸液が漏洩することもない。
図1は本発明に係る方法により略円柱状栓体を成形する工程を示す概略断面図である。図1において、1は栓体原材料、2は下金型、3は上金型である。図1(a)において、栓体原材料1は、エラストマー樹脂であり、下金型2内に供給されている。図1(b)に示すように、下金型2と上金型3とは接近する。更に、下金型2と上金型3とが接近すると、図1(c)に示すように、栓体原材料1が下金型2と上金型3とに挟まれ、圧潰されながら、金型内に充填される。そして、図1(d)に示すように、金型内への充填が完了し、栓体4が成形される、最後に、図1(e)に示すように、下金型2と上金型3とが分離され、栓体4が冷却される。なお、金型の分離の際、上金型3により、栓体4を吸引しておけば、容易に栓体4を取り出すことができる。
かかる成形方法によれば、栓体原材料1は、金型内を流動するのではなく、圧潰されながら充填されるので、エラストマー樹脂の流れによる規則性が生じることはない。したがって、栓体4は、一方向に容易に変形する方向性がないため、栓体と注射針との間に間隙から容器内部の輸液が漏洩したり、注射針が抜けたりすることはない。また、注射針を抜いた後も注射針の貫通痕が良好に閉塞し、該貫通痕より輸液の漏洩が起こることもない。
次に、外枠体を成形し、該外枠体内に栓体を成形することにより、医療用キャップを成形する方法を説明する。図2は本発明に係る方法により略円筒状栓体を成形する工程を示す概略断面図である。図2において、5は外枠体原材料、12は下金型、13は上金型である。図2(a)において、外枠体原材料5は、下金型12内に供給されている。図2(b)に示すように、下金型12と上金型13とは接近する。更に、下金型12と上金型13とが接近すると、図2(c)に示すように、外枠体原材料5が下金型12と上金型13とに挟まれ、圧潰されながら、金型内に充填される。そして、図2(d)に示すように、金型内への充填が完了し、外枠体6が成形される、最後に、図2(e)に示すように、下金型12と上金型13とが分離され、外枠体6が冷却される。なお、金型の分離の際、上金型13によりエアブローすれば、外枠体6を下金型12に残すことができる。
前述したように、かかる成形方法(コンプレッション成形)によれば、外枠体原材料5が圧潰されながら、金型内に充填され成形されるので、原材料が流れることなく、流れによる規則性が生じることはない。その結果、内部応力を抑えることができ、歪みのない外枠体6を成形することができる。
更に、外枠体内に栓体を成形する方法を説明する。図3は本発明に係る方法により既に成形された外枠体内に略円中状栓体を成形する工程を示す概略断面図である。図3において、6は外枠体、22は下金型、23は上金型である。図3(a)において、外枠体6は、前述の方法により成形されたものであり、下金型22内に供給され、外枠体6の内側に栓体原材料1が供給されている。下金型22は、図2における下金型12と同一であっても異なる金型であってもよい。すなわち、成形後、外枠体6を下金型12に残してもよく。また成形後、外枠体6を下金型12より取り出し、別の下金型22に供給してもよい。
図3(b)に示すように、下金型22と上金型23とは接近する。更に、下金型22と上金型23とが接近すると、図3(c)に示すように、栓体原材料1が下金型22と上金型23とに挟まれ、圧潰されながら、金型内及び外枠体6内に充填される。そして、図3(d)に示すように、金型内への充填が完了し、栓体14が成形される。金型22と上金型23とが分離され、栓体4が冷却される。なお、金型の分離の際、上金型23によりエアブローすれば、栓体14を下金型22に残すことができる。このようにして、最後に、図3(e)に示すように、医療用キャップ30が成形される。
前述したように、栓体14は、成形時の流れによる規則性を有しないので、輸液の漏洩を抑えることができ、内部応力による歪みもない。栓体14を外枠体6に良好に合着することができるので、外枠体6と栓体14との間からの輸液の漏洩の心配もない。
もちろん、図2に示した方法で成形した外枠体の内側に、図1に示した方法で成形した栓体を嵌入することにより、医療用キャップを成形することも可能である。
なお、栓体及び外枠体の原材料の形状は、特に限定されないが、塊状、押し出し機から押し出された細長い線状、あるいは、押し出し機から押し出され略円柱状に切り出した形状等が好ましい。また、外枠体の成形においては、図4に示すように、外枠体原材料5の形状を略リング状とすることができる。(各工程は図2に示した工程と同じである。)すなわち、図4(a)に示すように、下金型12に、中金型33を配し、下金型12と中金型33との間に略リング状の外枠体原材料5と供給する。そして、上金型33により、下金型12と中金型33との間隙に原材料5を圧潰しながら、充填することにより、外枠体6を成形する(図4(b)〜(d))。この場合、成形時に外枠体6の中空部にできるバリをなくす、もしくはバリを小さくすることができる。もちろん、図2に示した下金型12、上金型13によっても、原材料5の形状をリング状とすることができる。
また、本発明に係る成形方法によれば、複数の金型を用いることにより、より効率的に医療用キャップの成形が可能となる。図5は、連続的に医療用キャップを成形する方法を模式的に示す図である。ステージ40、ステージ41に複数の金型を取り付け、ステージ40、41を回転させ、順次工程を進める方法である。
すなわち、40aにおいて、第1の下金型に原材料が供給される(図2(a)に相当)。40bにおいて、外枠体のコンプレッション成形が行われる(図2(b)〜(d)に相当)。40cにおいて、上金型に吸着され、外枠体が冷却される。40dにおいて、金型が離される(図2(e)に相当)。40eにおいて、外枠体が取り出され、40fにおいて、第2の下金型に供給される。
次に、41aにおいて、栓体原材料が供給される(図3(a)に相当)。41bにおいて、栓体のコンプレッション成形が行われる(図3(b)、(c)に相当)。41cにおいて、上金型に吸着され、栓体が冷却される。41dにおいて、金型が離される(図3(d)に相当)。41eにおいて、外枠体が取り出され(図3(e)に相当)、41fにおいて、検査工程など後の工程に引き継がれる。
あるいは、ステージ40と41を分離し、外枠体と栓体を個別に成形し、該栓体を該外枠体に嵌入し、医療用キャップを成形することもできる。
連続成形は、一つのステージで行うこともできる。図6は、1つのステージで連続的に医療用キャップを成形する方法を模式的に示す図である。42a〜42dは、40a〜40dに相当する工程で、外枠体が成形される。42e〜42jは41a〜41fに相当する工程で、栓体が外枠体の内側に成形される。
1 栓体原材料
2、12、22 下金型
3、13、23、33 上金型
4、14 栓体
5 外枠体原材料
6 外枠体
30 医療用キャップ
34 中金型
40、41、42 ステージ
2、12、22 下金型
3、13、23、33 上金型
4、14 栓体
5 外枠体原材料
6 外枠体
30 医療用キャップ
34 中金型
40、41、42 ステージ
Claims (2)
- 輸液容器に取り付けるための外枠体と合着し、前記輸液容器から輸液を取り出すために注射針を突き刺すエラストマー樹脂のみからなる単体の輸液用栓体を、原材料であるエラストマー樹脂を金型内に充填してコンプレッション成形する輸液用栓体の製造方法であって、
前記金型における下金型が円形のステージ上に複数設けられており、当該ステージを回転させながら、前記ステージ上の異なる位置で、
それぞれの下金型表面上に、押し出し機から押し出して切り出された形状で原材料であるエラストマー樹脂を供給する工程と、
前記下金型と上金型が、両金型の接近によって該金型内で前記原材料へ直に圧力を与え、前記原材料を圧潰しながら前記金型内に充填して、上記下金型と上金型とで構成される当該金型内に充填された前記原材料をコンプレッション成形し続いて上記金型を分離する工程と、
成形された栓体を冷却する工程と、
冷却された成形品である栓体を金型から取り出す工程と
を順次行うことを特徴とする輸液用栓体の製造方法。 - 前記外枠体は、前記栓体に対応する形状の中空部を有しており、当該中空部内に前記栓体がコンプレッション成形されるとともに、冷却された成形品である栓体が前記外枠体とともに金型から取り外されることを特徴とする請求項1に記載の輸液用栓体の製造方法。
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JP2008025198A Division JP5035988B2 (ja) | 2008-02-05 | 2008-02-05 | 医療用栓体 |
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Citations (2)
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JPH07276394A (ja) * | 1994-04-11 | 1995-10-24 | Japan Crown Cork Co Ltd | 合成樹脂製容器蓋製造装置 |
JP2001187110A (ja) * | 1999-10-20 | 2001-07-10 | Otsuka Pharmaceut Factory Inc | キャップおよびそれを用いた薬剤容器 |
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- 2012-04-06 JP JP2012087471A patent/JP2012179368A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH07276394A (ja) * | 1994-04-11 | 1995-10-24 | Japan Crown Cork Co Ltd | 合成樹脂製容器蓋製造装置 |
JP2001187110A (ja) * | 1999-10-20 | 2001-07-10 | Otsuka Pharmaceut Factory Inc | キャップおよびそれを用いた薬剤容器 |
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