JP2012177974A - フリーアドレスオフィス利用支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 席の固定化を抑止し、目的に応じて、フリーアドレスオフィス環境のメリットを十分に享受できる座席提案システムを提供する。
【解決手段】 相関値の大きいユーザ同士を近接させるか、相関値の小さいユーザ同士を近接させるかを含む優先度情報を取得する優先度取得部12aと、対象ユーザの認証を行うユーザ認証部12bと、空席を対象ユーザの候補席とする候補席取得部12cと、対象ユーザと既に着席した固定ユーザ夫々の間の1または複数の指標値を用いて、2人のユーザの間の関連性の度合いを示す相関値を算出する相関値算出部12dと、優先度情報及び相関値に基づいて、固定ユーザの中から近接させる基準ユーザを選択し、基準ユーザの席に近接する候補席を対象ユーザの席として決定する座席決定部12eと、を備え、コンピュータのデータ処理によりユーザの座席位置を提案する。
【選択図】 図2
【解決手段】 相関値の大きいユーザ同士を近接させるか、相関値の小さいユーザ同士を近接させるかを含む優先度情報を取得する優先度取得部12aと、対象ユーザの認証を行うユーザ認証部12bと、空席を対象ユーザの候補席とする候補席取得部12cと、対象ユーザと既に着席した固定ユーザ夫々の間の1または複数の指標値を用いて、2人のユーザの間の関連性の度合いを示す相関値を算出する相関値算出部12dと、優先度情報及び相関値に基づいて、固定ユーザの中から近接させる基準ユーザを選択し、基準ユーザの席に近接する候補席を対象ユーザの席として決定する座席決定部12eと、を備え、コンピュータのデータ処理によりユーザの座席位置を提案する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複数のユーザが個々に使用する席が固定されていないフリーアドレスオフィス環境において、ユーザに対し座席位置を提案する在席提案システムに関する。
フリーアドレスオフィス環境では、例えば、企業内全体で社員(ユーザ)が自由に席を選択できるようにすれば、部署を超えた社員の人的ネットワークの拡大化が期待できる。また、プロジェクト毎に、業務の繋がりが強い社員同士が近接した席を選択することで業務の効率化を図ることが期待できる。
しかしながら、フリーアドレスオフィス環境の運用期間が長くなると、ある程度席が固定化され、上述した人的ネットワークの拡大化や業務の効率化等のメリットが十分に活かされない状況になる可能性がある。
フリーアドレスオフィス環境において、席の固定化を防止するための技術としては、例えば、空席の中からユーザにランダムに席を割り当てるフリーアドレスオフィス支援システムがある(例えば、特許文献1参照)。
上述した特許文献1では、ランダムに席が決定されるので席の固定化は防止できるが、例えば、業務の繋がりが強い社員同士が近接した席を選択することで業務の効率化を図ることは困難になり、フリーアドレスオフィス環境の様々なメリットを十分に活かすことはできなかった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、席の固定化を抑止し、目的に応じて、フリーアドレスオフィス環境のメリットを十分に享受できる座席提案システムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る座席提案システムは、複数のユーザが個々に使用する席が固定されていないフリーアドレスオフィス環境において、前記ユーザに対し座席位置を提案する在席提案システムであって、2人の前記ユーザの間の関連性の度合いを示す相関値を算出するための1または複数の指標の夫々における指標値を記憶する指標値DBと、前記席の位置関係を記憶する座席配置DBと、前記席別に、空席であることを示す空席情報または着席した前記ユーザを示す利用情報を記憶する席情報DBと、を備える記憶手段と、コンピュータのデータ処理により前記ユーザの座席位置を提案する演算処理手段と、を備え、前記演算処理手段が、前記ユーザの認証を行うユーザ認証部と、前記座席配置DBに記憶された前記席の内、前記席情報DBに前記空席情報が記憶されている前記席を、候補席として設定する候補席取得部と、前記席情報DBの前記利用情報に基づいて既に着席している固定ユーザを特定し、前記ユーザ認証部が認証した対象ユーザと前記固定ユーザ夫々の指標値を前記指標値DBから取得し、前記指標値を用いて前記相関値を算出する相関値算出部と、前記相関値の大きい前記ユーザ同士を近接させるか、前記相関値の小さい前記ユーザ同士を近接させるかの少なくとも何れか一方を含む優先度情報及び前記相関値算出部が算出した前記相関値に基づいて、前記固定ユーザの中から近接させる基準ユーザを選択し、前記候補席取得部が設定した前記候補席の内、前記基準ユーザの前記席に近接する前記候補席を、前記対象ユーザの前記席として決定する座席決定部と、を備えることを特徴とする。
更に、上記特徴の座席提案システムは、前記指標が、メールの送信数、電話をかけた回数、スケジュール情報の共有数、プロジェクトの共有数、及び、近接した前記席に着席した回数の少なくとも何れか1つを含むように構成されていても良い。
更に好ましくは、上記特徴の座席提案システムは、前記相関値算出部が、前記指標が複数の場合に、前記指標別に設定された重み付け係数を用い、全ての前記指標についての加重合計または加重平均を前記相関値として求めるように構成する。
更に好ましくは、上記特徴の座席提案システムは、近接する前記席同士が1つのグループとなるように、前記席が複数の前記グループの何れかに割り当てられている場合に、前記相関値算出部が、前記グループ別に、前記対象ユーザと前記グループ内の前記固定ユーザ夫々との前記相関値を算出し、前記相関値の平均値をグループ別相関値として算出し、前記座席決定部が、前記優先度情報及び前記相関値算出部が算出した前記グループ別相関値に基づいて、前記対象ユーザの前記グループを設定し、前記グループ内の前記候補席から前記対象ユーザの前記席を決定する。
更に好ましくは、上記特徴の座席提案システムは、前記座席決定部が、前記固定ユーザが所定数より少ない場合に、前記候補席取得部が設定した前記候補席から、ランダムに前記ユーザの前記席を決定する。
更に好ましくは、上記特徴の座席提案システムは、前記優先度情報を取得する優先度取得部を備える。
上記特徴の座席提案システムによれば、2人のユーザの間の関連性の度合いを示す相関値を求め、当該相関値に基づいて各ユーザの座席を提案する構成にしたので、例えば、メールの送信数や電話をかけた回数、スケジュール情報の共有数、プロジェクトの共有数等、日々変化する指標を用いて相関値を算出することにより、席の固定化を効果的に防止可能になる。
更に、上記特徴の座席提案システムにおいて、指標が複数の場合に、重み付け係数を設定するように構成すれば、例えば、相関関係が同程度の場合、メールの送信数や電話をかけた回数の方が、スケジュール情報の共有数やプロジェクトの共有数より大きくなることが予想でき、このような場合に、スケジュール情報の共有数やプロジェクトの共有数の重み付け係数を、メールの送信数や電話をかけた回数の重み付け係数より大きな値にすれば、複数の指標を同時に適切に用いることが可能になる。また、フリーアドレスオフィス環境において重要視するメリットに関連する指標の重み付け係数を大きくすれば、当該メリットをより活かすことが可能になる。尚、指標が複数の場合に、一部の指標について重み付け係数に0を設定することにより、当該指標を考慮しないように構成することが可能になり、必要な指標のみを選択して用いることが可能になる。
尚、フリーアドレスオフィス環境においては、実際には、個々の席がばらばらにではなく、複数の席でグループを形成している場合が考えられることから、上記特徴の座席提案システムにおいて、グループ別相関値を算出して対象ユーザのグループを設定することにより、より実際のフリーアドレスオフィス環境に適した席の提案が可能になる。
また、上記特徴の座席提案システムは、既に着席している固定ユーザとの相関値を求めて座席を提案するものであり、座席位置の決定にはある程度の固定ユーザが必要となることから、座席決定部を、固定ユーザが所定数より少ない場合にランダムに席を決定するように構成することで、より適切な座席提案を行うことが可能になる。
尚、上記特徴の座席提案システムにおいて、相関値の小さいユーザ同士を近接させるように優先度情報を設定すれば、人的ネットワークの拡大化を図ることが可能になり、スケジュール情報の共有数やプロジェクトの共有数を指標値として、相関値の大きいユーザ同士を近接させるように設定すれば、業務の効率化を図ることが可能になる。上記特徴の座席提案システムにおいて、優先度取得部により優先度情報を適宜設定可能に構成することにより、ユーザは、享受したいメリットに応じた座席提案を得られる。
以下、本発明に係る座席提案システム(以下、適宜「本発明システム」と称する)の実施形態を図面に基づいて説明する。
〈第1実施形態〉
本発明システムの第1実施形態について、図1〜図8を基に説明する。
本発明システムの第1実施形態について、図1〜図8を基に説明する。
先ず、本発明システム1とその周辺装置の構成について、図1を基に説明する。
本発明システム1は、複数のユーザが個々に使用する席が固定されていないフリーアドレスオフィス環境において、ユーザに対し座席位置を提案するシステムであり、図1に示すように、LANを介して、ユーザの出退社を管理する勤怠管理サーバ2、ノートPC6に貼付されたICタグ6aの情報を読み取るICタグリーダ5、ユーザの利用するノートPC6、ユーザのスケジュール情報を管理するスケジューラサーバ7、メールの送受信を制御するメールサーバ8、プロジェクト情報を管理するプロジェクト管理サーバ9、ユーザの利用する携帯電話機の送話履歴を記憶する送話履歴DB10aを備えた通信管理サーバ10等に接続されている。
尚、本実施形態において、本発明システム1は、ユーザの出社時に操作し易い場所、例えば、オフィスの入り口等に固定的に設置されており、各ユーザは、出社後、着席前に本発明システム1にアクセスして、座席の提案を受け付ける。
勤怠管理サーバ2は、ユーザが常時携帯しているIDカード4からユーザに各別に割り当てられたユーザIDを読み取るためのRFIDリーダを備えて構成されており、各ユーザ別に出勤か退社かを示す勤怠情報を記憶し勤怠管理を行う。尚、本実施形態では、本発明システム1が既存の勤怠管理サーバ2を利用する場合について説明するが、本発明システム1が勤怠管理を行うように構成しても良い。勤怠管理サーバ2は、ユーザIDが入力されると、本発明システム1に対し、更新された勤怠情報を送信する。
ICタグリーダ5は、各席に1台設置されており、ユーザが利用するコンピュータ端末、ここでは、ノートPC6に貼付されたICタグ6aの情報を読み取り、本発明システム1にICタグ6aの情報を送信するように構成されている。ICタグ6aには、ノートPC6に各別に割り当てられ、ノートPC6を識別するための端末識別情報が記憶されている。本発明システム1は、ICタグリーダ5から端末識別情報を受け付けると、端末識別情報によって特定されるノートPC6を利用するユーザを特定して当該ユーザのユーザIDを取得し、席情報DB11cにおいて、端末識別情報を送信したICタグリーダ5が設置されている席の利用情報として、特定したユーザのユーザIDを記憶する。
スケジューラサーバ7は、ユーザ別にスケジュール情報を記憶するスケジュールDB7aを備えており、ノートPC6等の端末から、スケジュール情報として、ユーザID、作業内容、作業場所、開始予定時刻、終了予定時刻等を備えてなるデータを受け付け、スケジュールDB7aに登録し、スケジュール情報の取得要求に応じて、スケジュール情報の取得要求先にスケジュール情報を出力する。
メールサーバ8は、ユーザ別にメールの送信履歴を記憶するメール送信履歴DB8aを備えており、メールの送信履歴の取得要求に応じて、メールの送信履歴の取得要求先にメールの送信履歴を送信する。メールの送信履歴には、少なくとも、送信者とToまたはCc別の宛先が含まれている。尚、図示しないが、メールサーバ8には、メール送信履歴DB8aの他、メールの受信履歴を記憶するメール受信履歴DB等の他のDBを備えている。
プロジェクト管理サーバ9は、プロジェクト毎にプロジェクトの開始日及び終了日、プロジェクトの内容及び参加ユーザを示すプロジェクト情報を記憶するプロジェクトDB9aを備えており、プロジェクト情報の取得要求に応じて、プロジェクト情報の取得要求先にプロジェクト情報を送信する。
次に、本発明システム1の構成について、図2を基に説明する。
本発明システム1は、図2に示すように、各種DBが構築されたハードディスク等の不揮発性記憶装置、及び、演算処理手段における演算結果を一時的に記憶するRAM等で構成された記憶手段と、コンピュータのデータ処理により対象ユーザに座席位置を提案する座席提案サーバ12(演算処理手段)と、提案する席の情報を表示する表示手段13を備えている。
記憶手段は、2人のユーザの間の関連性の度合いを示す相関値を算出するための1または複数の指標の夫々における指標値を記憶する指標値DB11aと、席の位置関係を記憶する座席配置DB11bと、席別に、空席であることを示す空席情報または着席したユーザを示す利用情報を記憶する席情報DB11cと、を備える情報管理DB11を備えて構成されている。
指標値DB11aは、本実施形態では、スケジュール情報の共有数、メールの送信数、及び、プロジェクトの共有数の3つの指標の指標値を記憶している。ここで、図3は、指標値の一例を示しており、相関値の算出対象として、前日(1日前)から3日前迄のデータを用いる場合について示している。
本発明システム1は、1日の業務の終了後、次の業務開始前迄の間に、スケジューラサーバ7に対して過去3日分のスケジュール情報の取得要求を行い、取得した過去3日分のスケジュール情報に基づいて、図3に示す過去3日分のスケジュール情報の共有数のデータを作成して指標値DB11aに記憶する。同様に、本発明システム1は、1日の業務の終了後、次の業務開始前迄の間に、メールサーバ8に対し過去3日分のメール送信履歴の取得要求を行い、取得した過去3日分のメール送信履歴に基づいて、図3に示すメール送信数のデータを作成して指標値DB11aに記憶する。更に、プロジェクト管理サーバ9に対し過去3日分のプロジェクト情報の取得要求を行い、取得した過去3日分のプロジェクト情報に基づいて、図3に示すプロジェクト共有数のデータを作成して指標値DB11aに記憶する。尚、メールの送信数は、To及びCcで指定したメールの数とするが、Bccを含むように構成しても良いし、Ccを含まない構成にしても良い。
座席配置DB11bは、各席の席ID及び位置(フロア入り口からの方角及び距離)を記憶している。具体的には、本実施形態では、近接する席同士が1つのグループとなるように、席が複数のグループの何れかに割り当てられている場合を想定しており、座席配置DB11bは、座席の位置として、グループ内における各席の配置、向き、2つの席の間の距離、フロア内における各グループの配置、及び、グループ間の物理的距離等を記憶している。更に、座席配置DB11bは、席ID及び位置に加え、フロア名及びグループ名を記憶している。
ここで、図4は、所定フロアにおける座席の配置例を示している。図4では、4つの席で構成されたグループG11〜G15、G21〜25、G31〜G35が1つのフロア内に設置されており、グループG11〜G15は、フロア北側列に西側から東側にこの順に配置され、グループG21〜G25は、フロア中央列に西側から東側にこの順に配置され、グループG31〜G35は、フロア南側に西側から東側にこの順に配置されている。
席情報DB11cは、本実施形態では、利用情報としてユーザIDを記憶するように構成されており、ユーザIDが記憶されていない場合(データがNULLの場合)に、空席情報が記憶されていると判断する。ここで、図5(a)は、席情報DB11cの一例を示している。尚、本発明システム1の記憶手段には、図5(b)に示すように、ユーザIDと利用者の氏名を対応付けて記憶されている。本発明システム1は、勤怠管理サーバ2から勤怠情報を受け付けると、勤怠情報に出社を示す情報が含まれる場合は、勤怠情報から特定されるユーザに対する座席提案を行うための処理(座席提案処理)を行い、退社を示す情報を含む場合は、席情報DB11cに対し、勤怠情報から特定されるユーザのユーザID(利用情報)を削除する処理を行う。
演算処理手段は、図2に示すように、相関値の大きいユーザ同士を近接させるか、相関値の小さいユーザ同士を近接させるかを含む優先度情報を取得する優先度取得部12aと、ユーザの認証を行うユーザ認証部12bと、座席配置DB11bに記憶された席の内、席情報DB11cに空席情報が記憶されている席を、候補席として設定する候補席取得部12cと、席情報DB11cの利用情報に基づいて既に着席している固定ユーザを特定し、ユーザ認証部12bが認証した対象ユーザと固定ユーザ夫々の指標値を指標値DB11aから取得し、指標値を用いて相関値を算出する相関値算出部12dと、優先度取得部12aが取得した優先度情報及び相関値算出部12dが算出した相関値に基づいて、固定ユーザの中から近接させる基準ユーザを選択し、候補席取得部12cが設定した候補席の内、基準ユーザの席に近接する候補席を、対象ユーザの席として決定する座席決定部12eと、座席決定部12eが決定した座席の情報を表示手段13上で対象ユーザに提示するための表示データを作成する表示部12fを備えて構成されている。
尚、本発明システム1において、優先度情報は、1日毎に変更可能であり、前日迄に当日の優先度情報を設定しておくように構成されている。
次に、本発明システム1の処理動作について、図6〜図8を基に説明する。ここで、図6は、本発明システム1における座席提案処理の一例を示すフローチャートである。
優先度取得部12aは、図6に示すように、1日の始めに、優先度情報を取得する(ステップ#1)。尚、本実施形態では、相関値の大きいユーザ同士を近接させる優先度情報を取得した場合について説明する。
本発明システム1のユーザ認証部12bは、勤怠管理サーバ2からユーザのユーザIDを受け付けると、ユーザIDが示すユーザを、座席提案を行う対象ユーザとして認証する(ステップ#2)。対象ユーザが認証されると、候補席取得部12cが、座席配置DB11bに記憶された席の内、席情報DB11cに空席情報が記憶されている席を、候補席として設定する(ステップ#3)。
引き続き、本発明システム1の座席決定部12eは、席情報DB11cから、利用情報が記憶されている席の数、即ち、固定ユーザの数をカウントする(ステップ#4)。
固定ユーザ数が所定数より少ない場合(ステップ#5で「YES」分岐)、本発明システム1の座席決定部12eは、候補席取得部12cが設定した候補席からランダムにユーザの席を決定する。ここで、所定数は、全体の座席数や座席の配置を考慮して設定する。
固定ユーザ数が所定数より多い場合(ステップ#5で「NO」分岐)、本発明システム1の相関値算出部12dは、指標値DB11aから、対象ユーザと固定ユーザ夫々の間の指標値を取得する(ステップ#7)。
引き続き、相関値算出部12dは、指標別に設定された重み付け係数を用い、全ての指標についての加重合計を相関値として求める(ステップ#8)。ここで、本実施形態では、スケジュール情報の共有数の重み付け係数として5が設定され、メール送信数の重み付け係数として1が設定され、プロジェクトの共有数の重み付け係数として1が設定されている。
具体的には、図5において、例えば、対象ユーザのユーザIDが「0000001」、固定ユーザのユーザIDが「0000002」とすると、スケジュール情報の共有数(3+3+5)×5+メール送信数(33+28+30)×1+プロジェクトの共有数(2+2+2)×1=152が相関値として求められる。同様に、対象ユーザのユーザIDが「0000001」、固定ユーザのユーザIDが「0000003」とすると、スケジュール情報の共有数(1+0+2)×5+メール送信数(3+8+5)×1+プロジェクトの共有数(0+0+0)×1=31が相関値として求められる。同様にして、全ての固定ユーザについて相関値を求める。
ここで、本実施形態では、近接する席同士が1つのグループとなるように、席が複数のグループの何れかに割り当てられていることから、相関値算出部12dは、グループ別に、対象ユーザとグループ内の固定ユーザ夫々との相関値を算出し、相関値の平均値をグループ別相関値として算出する。尚、本実施形態では、候補席が無いグループについては、グループ別相関値の算出対象から除外する。
図7は、一部のグループ、G11及びG12における利用情報と空席情報の関係を示している。具体的には、図7では、図5(a)で示したように、グループG11の席1にユーザID「0000002」の固定ユーザが、席2にユーザID「0000003」の固定ユーザが、席4に「0000004」の固定ユーザが夫々着席し、グループG12の席5にユーザID「0000005」の固定ユーザが、席6にユーザID「0000006」の固定ユーザが夫々着席している場合を例示している。グループG11のグループ別相関値として、(ユーザID「0000001」の対象ユーザとユーザID「0000002」の固定ユーザとの相関値+ユーザID「0000001」の対象ユーザとユーザID「0000003」の固定ユーザとの相関値+ユーザID「0000001」の対象ユーザとユーザID「0000004」の固定ユーザとの相関値)/3を算出する。同様にして、グループG12のグループ別相関値として、(ユーザID「0000001」の対象ユーザとユーザID「0000005」の固定ユーザとの相関値+ユーザID「0000001」の対象ユーザとユーザID「0000006」の固定ユーザとの相関値)/2を算出する。
引き続き、座席決定部12eは、優先度取得部12aが取得した優先度情報及び相関値算出部12dが算出したグループ別相関値に基づいて、対象ユーザのグループを設定し、グループ内の候補席から対象ユーザの席を決定する(ステップ#9)。
具体的には、本実施形態では、座席決定部12eは、優先度情報において相関値の大きいユーザ同士を近接させることが設定されているので、ステップ#8で算出したグループ別相関値が最も大きいグループを、対象ユーザのグループとして設定する。例えば、グループG11とグループG12にのみ固定ユーザが有り、グループG12のグループ別相関値が、グループG11のグループ別相関値より大きい場合は、グループG12を対象ユーザのグループとして設定する。
尚、本実施形態では、候補席が無いグループをグループ別相関値の算出対象から除外したが、これに限るものではなく、候補席が無いグループについてもグループ別相関値を算出し、候補席が無いグループのグループ別相関値が最も大きい場合は、当該グループに隣接するグループを対象ユーザのグループとして設定しても良い。更に、ステップ#8で算出したグループ別相関値が最も大きいグループが複数ある場合は、当該グループを候補グループとし、候補グループの中からランダムに選択しても良いし、候補席数が最も多い候補グループ或いは候補席数が最も少ない候補グループを選択する構成としても良いし、候補グループ内の固定ユーザの内、相関値が最も大きい固定ユーザが属する候補グループを対象ユーザのグループとして設定しても良い。
更に、座席決定部12eは、対象ユーザのグループとして設定されたグループ内に、複数の候補席がある場合、本実施形態では、優先度情報において相関値の大きいユーザ同士を近接させることが設定されているので、より相関値の大きい固定ユーザを基準ユーザとし、当該基準ユーザに近接して対象ユーザを配置する。例えば、候補席が2つのグループG12において、ユーザID「0000005」の固定ユーザとの相関値が、ユーザID「0000006」の固定ユーザとの相関値より大きい場合、ユーザID「0000005」の固定ユーザの隣、席8を対象ユーザの席として決定する。
尚、ここでは、グループ内に複数の候補席がある場合に、相関値のより大きい固定ユーザに隣接配置する構成としたが、ランダムに選択するようにしても良いし、席IDの数値の若い順に配置する等、他の構成であっても良い。
座席決定部12eにより対象ユーザの席が決定すると、表示部12fは、座席決定部12eが決定した座を表示手段13上で対象ユーザに提示するための表示データを作成する(ステップ#10)。ここで、図8は、表示手段13上に表示される表示画面の一例を示している。表示画面上には、フロア全体における各グループの配置、入り口や方角等の情報、及び、対象ユーザのグループとして設定されたグループの拡大図が図示され、フロア名、フロアのある階、座ID及び対象ユーザ名が表示されている。
〈別実施形態〉
〈1〉上記第1実施形態では、指標として、メールの送信数、スケジュール情報の共有数、及び、プロジェクトの共有数を用いる場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、電話をかけた回数や近接した席に着席した回数等、他の指標を加えても良いし、メールの送信数、スケジュール情報の共有数、プロジェクトの共有数、電話をかけた回数及び近接した席に着席した回数の内少なくとも1つを用いることが好適である。
〈1〉上記第1実施形態では、指標として、メールの送信数、スケジュール情報の共有数、及び、プロジェクトの共有数を用いる場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、電話をかけた回数や近接した席に着席した回数等、他の指標を加えても良いし、メールの送信数、スケジュール情報の共有数、プロジェクトの共有数、電話をかけた回数及び近接した席に着席した回数の内少なくとも1つを用いることが好適である。
電話をかけた回数を指標として用いる場合、例えば、本発明システム1は、1日の業務の終了後、次の業務開始前迄の間に、通信管理サーバ10に対して過去3日分の送話履歴の取得要求を行い、取得した過去3日分の送話履歴に基づいて、過去3日分の送話履歴数のデータを作成する。近接した席に着席した回数を指標として用いる場合、本発明システム1は、利用情報と利用開始時間及び利用終了時間を対応付けて情報管理DB11に記憶しておき、過去3日分の利用情報と利用開始時間及び利用終了時間の情報から、過去3日間における近接した席に着席した回数のデータを作成する。
〈2〉上記第1実施形態では、指標値のデータとして、過去3日分のデータを用いているが、これに限るものではない。また、指標毎に、利用するデータの量を変更しても良い。
〈3〉上記第1実施形態では、重み付け係数として、スケジュール情報の共有数の重み付け係数として5が設定され、メール送信数の重み付け係数として1が設定され、プロジェクトの共有数の重み付け係数として1が設定されている場合について説明したが、これに限るものではない。重み付け係数は、利用するデータの量や、ユーザの仕事内容、座席配置における目的(業務の繋がりの強い人物同士が近接する日、日頃の繋がりの弱い人物同士が近接する日等)等に応じて適切に設定する。
また、同じ指標であっても、例えば、経過時間の長いデータほど小さく経過時間の短いデータほど大きな値となるように、時間経過を考慮して重み付け係数を複数設定しても良い。
更に、上記第1実施形態では、重み付け係数が予め固定的に設定されている場合について説明したが、重み付け係数を任意に変更可能に構成しても良いし、優先度情報毎に、異なる重み付け係数の設定を用いるように構成しても良い。
〈4〉上記第1実施形態では、相関値の大きいユーザ同士を近接させる優先度情報を取得した場合について説明したが、相関値の小さいユーザ同士を近接させる優先度情報を取得した場合には、ステップ#9において、ステップ#8で算出したグループ別相関値が最も小さいグループを、対象ユーザのグループとして設定する。
尚、全席が空席のグループが複数ある場合等、グループ別相関値が最も小さいグループが複数ある場合には、対象ユーザのグループをランダムに設定しても良いし、全席が空席でないグループの内のグループ別相関値が最も小さいグループを対象ユーザのグループとして設定しても良い。
また、グループ内に複数の候補席(空席)がある場合、相関値のより小さい固定ユーザに隣接配置する構成としても良いし、ランダムに選択するようにしても良いし、席IDの数値の若い順に配置しても良い。
〈5〉上記第1実施形態では、優先度情報として、「相関値の大きいユーザ同士を近接配置」及び「相関値の小さいユーザ同士を近接配置」が設定可能に構成されている場合について説明したが、「ランダムに配置」等、他の優先度情報を設定可能に構成しても良い。
また、優先度情報を、予め入力するように構成したが、これに限るものではなく、「相関値の大きいユーザ同士を近接配置」、「相関値の小さいユーザ同士を近接配置」、「ランダムに配置」等を、ランダムに設定するように構成しても良い。また、優先度取得部12aを備えず、優先度情報が固定的に設定されていても良い。
更に、上記第1実施形態では、優先度情報は、1日毎に変更可能であり、前日迄に当日の優先度情報を設定しておくように構成されている場合について説明したが、これに限るものではなく、1週間毎等、任意の期間毎に設定するように構成しても良い。
また、上記第1実施形態では、1つの優先度情報が設定されている場合について説明したが、例えば、フロア別、部署別、特定のエリア別、年齢や性別等のユーザの属性別等に、異なる優先度情報を設定するように構成しても良い。
〈6〉上記第1実施形態では、1つの候補席を提案する構成としたが、複数の候補席を提案する構成にしても良い。例えば、対象ユーザのグループのみを設定し、グループ内の全固定ユーザを基準ユーザとして選択し、当該基準ユーザの席に近接する候補席、即ち、グループ内の全候補席を対象ユーザの席として提示するように構成しても良い。
〈7〉上記第1実施形態では、本発明システム1が表示手段13を備える構成としたが、これに限るものではなく、他の装置の表示手段を利用する構成としても良い。
〈8〉上記第1実施形態では、相関値算出部が、指標別に設定された重み付け係数を用い、全ての指標についての加重合計を相関値として求めるように構成したが、加重平均を求めるように構成しても良い。
1 本発明に係る座席提案システム
2 勤怠管理サーバ
3 RFIDカードリーダ
4 IDカード
5 ICタグリーダ
6 ノートPC
6a ICタグ
7 スケジューラサーバ
7a スケジュールDB
8 メールサーバ
8a メール送信履歴DB
9 プロジェクト管理サーバ
9a プロジェクトDB
10 通信管理サーバ
10a 送話履歴DB
11 情報管理DB(記憶手段)
11a 指標値DB
11b 座席配置DB
11c 席情報DB
12 座席提案サーバ
12a 優先度取得部
12b ユーザ認証部
12c 候補座席取得部
12d 相関値算出部
12e 座席決定部
12f 表示部
13 表示手段
2 勤怠管理サーバ
3 RFIDカードリーダ
4 IDカード
5 ICタグリーダ
6 ノートPC
6a ICタグ
7 スケジューラサーバ
7a スケジュールDB
8 メールサーバ
8a メール送信履歴DB
9 プロジェクト管理サーバ
9a プロジェクトDB
10 通信管理サーバ
10a 送話履歴DB
11 情報管理DB(記憶手段)
11a 指標値DB
11b 座席配置DB
11c 席情報DB
12 座席提案サーバ
12a 優先度取得部
12b ユーザ認証部
12c 候補座席取得部
12d 相関値算出部
12e 座席決定部
12f 表示部
13 表示手段
Claims (6)
- 複数のユーザが個々に使用する席が固定されていないフリーアドレスオフィス環境において、前記ユーザに対し座席位置を提案する在席提案システムであって、
2人の前記ユーザの間の関連性の度合いを示す相関値を算出するための1または複数の指標の夫々における指標値を記憶する指標値DBと、
前記席の位置関係を記憶する座席配置DBと、
前記席別に、空席であることを示す空席情報または着席した前記ユーザを示す利用情報を記憶する席情報DBと、
を備える記憶手段と、
コンピュータのデータ処理により前記ユーザの座席位置を提案する演算処理手段と、を備え、
前記演算処理手段が、
前記ユーザの認証を行うユーザ認証部と、
前記座席配置DBに記憶された前記席の内、前記席情報DBに前記空席情報が記憶されている前記席を、候補席として設定する候補席取得部と、
前記席情報DBの前記利用情報に基づいて既に着席している固定ユーザを特定し、前記ユーザ認証部が認証した対象ユーザと前記固定ユーザ夫々の指標値を前記指標値DBから取得し、前記指標値を用いて前記相関値を算出する相関値算出部と、
前記相関値の大きい前記ユーザ同士を近接させるか、前記相関値の小さい前記ユーザ同士を近接させるかの少なくとも何れか一方を含む優先度情報及び前記相関値算出部が算出した前記相関値に基づいて、前記固定ユーザの中から近接させる基準ユーザを選択し、前記候補席取得部が設定した前記候補席の内、前記基準ユーザの前記席に近接する前記候補席を、前記対象ユーザの前記席として決定する座席決定部と、を備えることを特徴とする座席提案システム。 - 前記指標は、メールの送信数、電話をかけた回数、スケジュール情報の共有数、プロジェクトの共有数、及び、近接した前記席に着席した回数の少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の座席提案システム。
- 前記相関値算出部は、前記指標が複数の場合に、前記指標別に設定された重み付け係数を用い、全ての前記指標についての加重合計または加重平均を前記相関値として求めることを特徴とする請求項1に記載の座席提案システム。
- 近接する前記席同士が1つのグループとなるように、前記席が複数の前記グループの何れかに割り当てられており、
前記相関値算出部は、前記グループ別に、前記対象ユーザと前記グループ内の前記固定ユーザ夫々との前記相関値を算出し、前記相関値の平均値をグループ別相関値として算出し、
前記座席決定部は、前記優先度情報及び前記相関値算出部が算出した前記グループ別相関値に基づいて、前記対象ユーザの前記グループを設定し、前記グループ内の前記候補席から前記対象ユーザの前記席を決定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の座席提案システム。 - 前記座席決定部は、前記固定ユーザが所定数より少ない場合に、前記候補席取得部が設定した前記候補席から、ランダムに前記ユーザの前記席を決定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の座席提案システム。
- 前記優先度情報を取得する優先度取得部を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の座席提案システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011039408A JP2012177974A (ja) | 2011-02-25 | 2011-02-25 | フリーアドレスオフィス利用支援システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012177974A true JP2012177974A (ja) | 2012-09-13 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011039408A Withdrawn JP2012177974A (ja) | 2011-02-25 | 2011-02-25 | フリーアドレスオフィス利用支援システム |
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- 2011-02-25 JP JP2011039408A patent/JP2012177974A/ja not_active Withdrawn
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