JP2012177353A - 多段圧縮式ロータリコンプレッサ及び圧縮式ロータリコンプレッサ - Google Patents
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Abstract
【課題】圧入作業を行うことなく、ばね室を閉鎖させることができるシリンダを備えた、多段圧縮式ロータリコンプレッサを提供する。
【解決手段】密閉容器内の駆動要素2にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素3,4を備え、この第1及び第2の回転圧縮要素3,4は、シリンダ31,41と、シリンダ31,41内で偏心回転するローラ33,43と、ローラ33,43に当接してシリンダ31,41内を低圧室と高圧室とに区画するベーン34,44とを備え、第1の回転圧縮要素3及び第2の回転圧縮要素4で高圧に圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、第2の回転圧縮要素4の一部であるシリンダ41に設けたスプリング46を収容するばね室は外周面と交わるシリンダ41の上下両面を貫通して開口されているとともに、このばね室はスプリング46が挿入されても圧縮状態を常時確保可能な長さとなるように形成してある。
【選択図】図1
【解決手段】密閉容器内の駆動要素2にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素3,4を備え、この第1及び第2の回転圧縮要素3,4は、シリンダ31,41と、シリンダ31,41内で偏心回転するローラ33,43と、ローラ33,43に当接してシリンダ31,41内を低圧室と高圧室とに区画するベーン34,44とを備え、第1の回転圧縮要素3及び第2の回転圧縮要素4で高圧に圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、第2の回転圧縮要素4の一部であるシリンダ41に設けたスプリング46を収容するばね室は外周面と交わるシリンダ41の上下両面を貫通して開口されているとともに、このばね室はスプリング46が挿入されても圧縮状態を常時確保可能な長さとなるように形成してある。
【選択図】図1
Description
本発明は、密閉容器内に駆動要素とこの駆動要素にて駆動される単一又は複数段の回転圧縮要素とを備え、冷媒を回転圧縮要素にて圧縮するロータリコンプレッサに係り、特に、回転圧縮要素を多段に備えた圧縮式ロータリコンプレッサ及び単一の回転圧縮要素を備えた圧縮式ロータリコンプレッサ関するものである。
従来、圧縮式ロータリコンプレッサにあっては、各種タイプのものが提案され開発されているが、その一つとして、回転圧縮要素を多段に備えた圧縮式ロータリコンプレッサ、例えば2段式の圧縮式ロータリコンプレッサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このロータリコンプレッサ100は、図7及び図8に示すように、内部中間圧構造であって、第1の回転圧縮要素101の吸込ポート103から冷媒ガスが下シリンダ102の低圧室側に吸入され、ローラ104とベーン105の動作により圧縮されて中間圧となり、下シリンダ102の高圧室側より図示外の吐出ポートを経て吐出消音室130Aに吐出される。このようにして、中間圧となり、下シリンダ102の高圧室側より図示外の吐出ポート及び下支持部材130の消音室130Aを経て、ロータリコンプレッサ100の密閉容器内に吐出される。換言すれば、1段目の圧縮動作が行われることで、密閉容器内は中間圧となる。この密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスは、密閉容器内で熱を奪われて冷却される。そして、この中間圧状態の冷媒ガスは、上支持部材140に形成された図示しない吸込通路を経由して、第2の回転圧縮要素111の上シリンダ113の図示外の吸込ポートからシリンダ室119の低圧室側に吸入され、ローラ114とベーン115の動作により2段目の圧縮動作が行われる。これにより、冷媒ガスは、高圧高温の状態となり、高圧室側から図示外の吐出ポートを通り、上支持部材140に形成された吐出消音室140Aを経て図示しない冷媒吐出管により密閉容器の外部配管(冷媒回路)に吐出される。
このようなロータリコンプレッサ100に取り付けられたベーン105,115は、シリンダ102,113の半径方向に設けられた溝内に設置されており、且つ、シリンダ102,113の半径方向に移動自在に挿入されている。そして、シリンダ102,113には、ベーン105,115の後側(密閉容器側)に、シリンダ102,113の外側(密閉容器側)に開口する収納部(以下、「ばね室」とよぶ)107A,117Aが形成されている。また、このばね室107A,117Aには、ベーン105,115をそれぞれ常時ローラ104,114側に付勢するバネ部材107,117を挿入した後、プラグ(抜け止め)108,118を圧入することで閉塞してバネ部材107,117の飛び出しを防いでいる。なお、図8には下シリンダ102のばね室107A及びプラグ108などを示す。
ところで、このプラグをシリンダのばね室に圧入する構成のものにあっては、その圧入作業の際にシリンダが変形を起こす虞があり、この変形に伴って所定の公差を上回る誤差を発生する場合には、所要の機能を充分に発揮できない場合もある。
また、このようなロータリコンプレッサにあっては、シリンダ内のベーンをローラ側に確実に付勢させるために、シリンダ内の高圧の冷媒ガスの一部をばね室へ送り込んでベーンを背後から押圧させるような構成のものも知られている。このような構成の場合には、圧入部分のプラグとばね室との間に僅かでも隙間を生じていると、高圧の冷媒やオイルがその隙間を通り、中圧のコンプレッサ内部へ漏出する。このように、隙間から冷媒やオイルが洩れを生じると、所要の機能を充分に発揮できなくなる虞もある。
さらに、圧入作業を行う場合には、作業工数の増大等に伴い、製造コストの増大をもたらす虞もある。
そこで、本発明は、上記した事情に鑑み、圧入作業を行うことなく、ばね室を閉鎖させることができるシリンダを備えた、多段圧縮式ロータリコンプレッサ及び圧縮式ロータリコンプレッサを提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る多段圧縮式ロータリコンプレッサは、密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素にて駆動される多段式の回転圧縮要素を備え、前記各段の回転圧縮要素は、略円盤状のシリンダと、前記駆動要素の回転軸側に一体に取付けられて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、該ローラに当接して前記シリンダ内を低圧室と高圧室とに区画するベーンとを備え、前記各段の回転圧縮要素で圧縮され前記密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを、最終段の回転圧縮要素に吸引し、高圧に圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、
前記各段の回転圧縮要素の前記シリンダに設けた、ベーン室の前記ベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室のうち、少なくとも最終段の回転圧縮要素のばね室は、シリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有し、
前記スプリングは、圧縮コイルばねであって、前記ばね室の少なくとも一面に開口された部分から挿入させてあるとともに、前記ばね室内で最大に伸長したときでも前記ベーンを押圧させる弾性力を有する長さを有している、ことを特徴とする。
前記各段の回転圧縮要素の前記シリンダに設けた、ベーン室の前記ベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室のうち、少なくとも最終段の回転圧縮要素のばね室は、シリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有し、
前記スプリングは、圧縮コイルばねであって、前記ばね室の少なくとも一面に開口された部分から挿入させてあるとともに、前記ばね室内で最大に伸長したときでも前記ベーンを押圧させる弾性力を有する長さを有している、ことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、各段の回転圧縮要素の一部である各シリンダのうち、シリンダ内部の方が密閉容器の内部空間の圧力よりも圧力が低いか若しくは略同じである構成のシリンダについては、該シリンダの少なくともいずれか一面に開口されたばね室から外周面に連通する溝が一部貫通状態で刻設されている、ことを特徴とする。
また、本発明の請求項3の多段圧縮式ロータリコンプレッサは、密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、前記第1及び第2の回転圧縮要素は、略円盤状のシリンダと、前記駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、該ローラに当接して前記シリンダ内を低圧室と高圧室とに区画するベーンとを備え、前記第1の回転圧縮要素で圧縮され前記密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを、前記第2の回転圧縮要素に吸引し、高圧に圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、
前記第1及び第2の回転圧縮要素の前記各シリンダに設けた、ベーン室の前記ベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室は、該シリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有し、
前記スプリングは、圧縮コイルばねであって、前記ばね室の少なくとも一面に開口された部分から挿入させてあるとともに、前記ばね室内で最大に伸長したときでも前記ベーンを押圧させる弾性力を有する長さを有している、ことを特徴とする。
前記第1及び第2の回転圧縮要素の前記各シリンダに設けた、ベーン室の前記ベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室は、該シリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有し、
前記スプリングは、圧縮コイルばねであって、前記ばね室の少なくとも一面に開口された部分から挿入させてあるとともに、前記ばね室内で最大に伸長したときでも前記ベーンを押圧させる弾性力を有する長さを有している、ことを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、第1の回転圧縮要素のシリンダは、このシリンダの内部の方が密閉容器の内部空間の圧力よりも圧力が低いか若しくは略同じである構成であって、該シリンダの少なくともいずれか一面に開口されたばね室から外周面に連通する溝が一部貫通状態で刻設されている、ことを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る圧縮式ロータリコンプレッサは、密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素にて駆動される単一の回転圧縮要素を備え、前記回転圧縮要素は、略円盤状のシリンダと、前記駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、該ローラに当接して前記シリンダ内を低圧室と高圧室とに区画するベーンとを備え、冷媒ガスを高圧に圧縮して吐出する圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、
前記回転圧縮要素の一部である前記シリンダに設けた、ベーン室の前記ベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室は、外周面と交わるシリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有し、
前記スプリングは、圧縮コイルばねであって、前記ばね室の少なくとも一面に開口された部分から挿入させてあるとともに、前記ばね室内で最大に伸長したときでも前記ベーンを押圧させる弾性力を有する長さを有している、ことを特徴とする。
前記回転圧縮要素の一部である前記シリンダに設けた、ベーン室の前記ベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室は、外周面と交わるシリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有し、
前記スプリングは、圧縮コイルばねであって、前記ばね室の少なくとも一面に開口された部分から挿入させてあるとともに、前記ばね室内で最大に伸長したときでも前記ベーンを押圧させる弾性力を有する長さを有している、ことを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記シリンダは、このシリンダの内部の方が密閉容器の内部空間の圧力よりも圧力が低いか若しくは略同じ状態にある構成のものであって、前記シリンダの少なくともいずれか一面に開口されたばね室から外周面に連通する溝が一部貫通状態で刻設されている、ことを特徴とする。
本発明の請求項1に係る多段圧縮式ロータリコンプレッサによれば、少なくとも最終段の回転圧縮要素のシリンダに設けたばね室は、シリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有している構成であって、シリンダの外周にプラグを圧入させる孔を開口させてない。即ち、従来のようなシリンダの外面に開口した孔からその内部であるばね室にスプリングを挿入後にプラグを圧入して孔の閉鎖を行う代わりに、シリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面に開口された部分からばね室にスプリングを挿入させるだけの構成となっている。これにより、プラグ圧入作業が不要となる。その結果、これに伴うシリンダ各部の変形の虞がなくなるとともに、プラグとばね室との間に隙間が生じているときその隙間から冷媒やオイルが洩れを生じる不都合も回避できる。さらに、圧入による作業工数の増大等に伴い製造コストが増大する、といったトラブルも回避できる。
さらに、請求項2に係る多段圧縮式ロータリコンプレッサによれば、各段の回転圧縮要素の一部である略円盤状の各シリンダに設けたばね室のうち、特にシリンダの外面に溝を刻設させてあるばね室にあっては、シリンダ内部よりも圧力が高い密閉容器の内部空間内の高圧力の冷媒ガスを、外周面に一部貫通状態で刻設されている溝を通してばね室に印加させることができる。従って、シリンダ内部の加圧された冷媒ガスを、シリンダに上又は下から密着状態で当接する支持固定部材や中間仕切板の内部に形成した所要のバイパス路などを介して導入し、背圧として利用する構成が不要となり、その分、シリンダの内部構造が簡易になる。
本発明の請求項3に係る多段圧縮式ロータリコンプレッサによれば、第1及び第2の回転圧縮要素の一部である各シリンダに設けた、ベーン室の前記ベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室のうち、少なくともいずれか一方のシリンダのばね室は、シリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された部分からスプリングを挿入させてあるだけの構成であって、シリンダの外周にプラグを圧入させる孔を開口させてない。従って、従来のシリンダの外面に開口した孔からその内部のばね室にスプリングを挿入後にプラグを圧入して孔の閉鎖を行うことが必要ない。つまり、請求項1の発明のものの効果と同様、プラグ圧入作業が不要となる。これにより、圧入に伴うシリンダ各部の変形をもたらす虞がなくなるとともに、プラグとばね室との間に隙間が生じているときその隙間から冷媒やオイルが洩れを生じる不都合も回避できる。さらに、圧入による作業工数の増大等に伴い製造コストが増大する、といったトラブルも回避できる。
さらに、請求項4に係る多段圧縮式ロータリコンプレッサによれば、請求項2の発明のものと同様、第1及び第2の回転圧縮要素の一部である略円盤状の各シリンダに設けたばね室のうち、特にシリンダの外面に一部貫通状態で溝を刻設させてあるばね室にあっては、シリンダ内部よりも圧力が高い密閉容器の内部空間内の中圧力の冷媒ガスを、その溝を通してばね室内のスプリングに印加させることができる。このため、従来のような、シリンダに上又は下から密着状態で当接する支持固定部材や中間仕切板の内部に形成した所要のバイパス路を介して導入し、シリンダ内部の加圧された冷媒をばね室へ導入させて背圧として利用する構成が不要となり、その分、シリンダの内部構造、さらにはそれに密接する固定支持部材の構造などが簡易になる。
本発明の請求項5に係る圧縮式ロータリコンプレッサによれば、請求項1の発明のものの効果と同様、従来のシリンダの外面に開口した孔からその内部のばね室にスプリングを挿入後にプラグを圧入して孔の閉鎖を行う代わりに、シリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された部分からスプリングを挿入させるだけの構成である。従って、プラグ圧入作業が不要となるので、これに伴うシリンダ各部の変形の虞がなくなるとともに、プラグとばね室との間に隙間が生じているときその隙間から冷媒やオイルが洩れを生じる不都合も回避できる。さらに、圧入による作業工数の増大等に伴い製造コストが増大する、といったトラブルも回避できる。
本発明の請求項6に係る圧縮式ロータリコンプレッサによれば、請求項2又は4と同様、従来のようなシリンダ内部の加圧された冷媒を、シリンダに密着状態で当接する支持固定部材や中間仕切板の内部に形成した所要のバイパス路を介して導入し、ばね室へ導入させて背圧として利用する構成が不要となり、その分、シリンダの内部構造が簡易になる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る多段圧縮式ロータリコンプレッサ1を示すものであり、この多段圧縮式ロータリコンプレッサ1は、密閉容器1A内に、ロータ22及びステータ23からなり駆動要素を構成する電動要素2と、電動要素2にて駆動される第1の回転圧縮要素3及び第2の回転要素4と、中間仕切板5と、を備えている。
図1は、本発明の一実施形態に係る多段圧縮式ロータリコンプレッサ1を示すものであり、この多段圧縮式ロータリコンプレッサ1は、密閉容器1A内に、ロータ22及びステータ23からなり駆動要素を構成する電動要素2と、電動要素2にて駆動される第1の回転圧縮要素3及び第2の回転要素4と、中間仕切板5と、を備えている。
第1及び第2の回転圧縮要素3,4は、図2に示すように、扁平な略円盤状のシリンダ31,41と、電動要素2の回転軸21に偏心状態で形成された偏心部32,42に嵌合されてシリンダ31,41内部で偏心回転するローラ33,43と、このローラ33,43に当接してシリンダ31,41内を低圧室と高圧室とに区画するベーン34,44と、支持固定部材35,45とをそれぞれ備えている。
また、第1の回転圧縮要素の一部を構成するシリンダ(以下、これを「下シリンダ」とよぶ)31には、図3及び図4に示すように、ローラ33が偏心回転するスペースである略真円形状の空間からなるシリンダ室310と、ベーン34を収容する細幅溝形状のベーン室311と、ベーン室311内部のベーン34を背面から押圧するスプリング36を収容するためにベーン室311よりも幅広空間からなるばね室312とを備える他に、ばね室312と外周面との間を連通するように溝313を刻設している。
本実施形態では、シリンダ室310、ベーン室311、及びばね室312は、図5に示すように、略円盤状を呈する下シリンダ31の上下両面31A,31Bまで貫通して形成されている。このように、上述の各室は上下貫通する状態で開口されているが、各室に各部材を挿入後、上下両面は中間仕切板5及び支持固定部材35で密着状態に挟持されるので、脱落することがない。なお、本発明では、特にこのような構成のものに限定されるものではなく、これらの室は、いずれも下シリンダ31の上下両面31A,31Bのうちのいずれか一方面のみを開口させるように、換言すれば、下シリンダ31の他方面まで開口させずに厚さ方向に抉るような構成としてもよい。
ばね室312は、スプリング36の基端部を安定した状態で保持させるようにするため、基部面312A(図4参照)が平坦な面形状となるように開口されている。なお、このばね室312には、基端部を平坦面形状に加工させる都合上、工具の逃げる分の半月孔が基端部の左右に併設されているが、特にこれは必須のものではない。
一方、溝313については、図5に示すように、下シリンダ31の上面31Aから所要の深さdまで穿設されており、下面31Bまでは貫通しないようになっている。即ち、密閉容器1A内部の冷媒ガスの圧力を、ローラ33に対するベーン34の押圧力の一部として利用可能であるといった点に着目し、溝313を介して密閉容器1A内部の中間圧である冷媒を導入させるために、外周面31Cとばね室312との間を連通させている。即ち、これは、ベーン室311及びばね室312を介して連通するシリンダ室310には、密閉容器1A内部の圧力よりも高く加圧されることのない、つまり第1の回転圧縮要素3では中間圧を形成させる構成のものである。従って、後述する上シリンダ41の構成とは異なり、シリンダ室310内部の高圧状態の冷媒ガスを導入して背圧として利用するためのバイパス路などを支持固定部材35の内部に設ける必要がない。
また、下シリンダ31には、ロータリコンプレッサ1と外部接続した所要の冷媒回路を経由してロータリコンプレッサ1の密閉容器1A内部へ還流されてきた低圧状態の冷媒ガスを、シリンダ室310へ取り込ませるための吸入孔314と、このシリンダ室310で加圧され中間圧状態となった冷媒をシリンダ室310から取出して第2の回転圧縮要素4へ送り込ませるための吐出孔315とが、シリンダ室310の内周面に開口されている。
吸入孔314及び吐出孔315は、それぞれ、図4に示すように、吸入ポート314A及び吐出ポート315Aに連通している。吸入ポート314Aは、図示外の吸込通路を経由してロータリコンプレッサ1外部の図示しない冷媒回路と接続されている。吐出ポート315Aは、ロータリコンプレッサ1の密閉容器1A内部と連通している。
ローラ33は、下シリンダ31のシリンダ室310内部で偏心しながらほぼ1回転程度、正確には角度ω(図4(A)参照)だけ回転することで、シリンダ室310内部に吸引した冷媒を吸入当初の低圧状態から吐出時の中圧状態まで圧縮動作を行わせるものである。本実施形態のローラ33は、外形形状が真円形状となっているが、回転軸21に偏心状態で設けた偏心部32に固設されており、シリンダ室310内部を偏心状態で回転する。
ベーン34は、縦断面略矩形状を有し縦方向に起立した薄板形状のもので構成されており、基端面がスプリング36の先端によって押圧されているとともに、先端面がスプリング36の弾性力でローラ33の外周に常時密接状態で当接している。
本実施形態の支持固定部材(以下、「下支持固定部材」とよぶ)35は、下側から下シリンダ31を支持するとともに、下シリンダ31の上側に密着状態で配置の中間仕切板5との間で下シリンダ31を密着状態に挟持する。この下支持固定部材35は、シリンダ室310から吐出されてくる中間圧の冷媒を取り込んで消音させる下消音室35A等が形成されている。
スプリング36は、本実施形態では圧縮コイルばねを用いており、ばね室312に収容させた状態であっても圧縮された状態を常時保持するようになっている。このため、スプリング36の自然長がばね室312の長手方向の長さ寸法Sよりも長いものを用いている。これにより、スプリング36は、ばね室312に収容されて最大に伸長したときであっても、ベーン34を押圧させる弾性力を付勢可能とする状態が得られる。
一方、図6に示すように、第2の回転圧縮要素の一部を構成するシリンダ(以下、これを「上シリンダ」とよぶ)41には、第1の回転圧縮要素のローラ33の下シリンダ31と同様に、ローラ43が偏心回転する略真円形状の空間からなるシリンダ室410と、ベーン44を収容する細幅溝形状のベーン室411と、ベーン室411内部のベーン44を背面から押圧するスプリング46を収容するためにベーン室411よりも幅広空間からなるばね室412と、第1の回転圧縮要素3で圧縮された中間圧状態の冷媒をシリンダ室410へ取り込ませるための吸入孔414と、このシリンダ室410で加圧され高圧状態となった冷媒ガスをシリンダ室410から取出し、図示外の冷媒吐出管からロータリコンプレッサ1の外部に吐出されるための吐出孔415と、が設けられている。
なお、この図6に示す第2の回転圧縮要素4の上シリンダ41には、第1の回転圧縮要素3の下シリンダ31とは異なり、ばね室412と外周面との間に溝313を刻設させてない。即ち、これは、図2に示す上シリンダ41のシリンダ室410内に偏心可能な状態で設けられたローラ43に対してスプリング46の弾性力で押圧するベーン44には、シリンダ室410内で高圧に圧縮された冷媒ガスの一部を後述するバイパス路45Bを介してばね室412に導入し、この高圧冷媒ガスをベーン44の背面にさらに印加させることで、ローラ43に対するベーン44の押圧力をさらに高めるため、ばね室412は密閉容器1A内に対して気密状態を保持したい、といった事情があるからである。
このように、本実施形態の上シリンダ41にも、上下両面41A,41Bを貫通する状態で、シリンダ室410と、ベーン室411と、ばね室412と、を設けているが、下シリンダ31の場合と同様、これら各室は、いずれも上シリンダ41の上下両面41A,41Bのうちのいずれか一方面のみを開口させるように、換言すれば、上シリンダ41の他方面まで開口させずに厚さ方向に抉るような構成としてもよい。特に、バネ室412にあっては、上下両面のうち少なくともいずれか一面のみを開口させる構成とすることで、従来のような外周面からシリンダ内部にばね室となる孔をトンネル状に形成する構成のものとは異なり、トンネル状の孔内にスプリングを挿入後に外周面に形成された孔の入口を、プラグを圧入して閉鎖させる、といった圧入作業が不要となっている。
本実施形態の支持固定部材(以下、「上固定支持部材」とよぶ)45は、上シリンダ41の上面側にその上から密接状態で当接しており、上シリンダ41の下側に設けた中間仕切板5との間で、上シリンダ41を挟持する。この上支持固定部材45には、シリンダ室410から吐出されてくる高圧の冷媒を取り込んで消音させる上消音室45A等の他に、図2に示すように、高圧状態に圧縮され上消音室45Aに吐出された冷媒ガスの一部を上シリンダ41のばね室412へ導入させベーンの背圧として印加させるためトンネル状のバイパス路45Bがばね室412に連通するような状態で内部に形成されている。
次に、本実施形態の多段圧縮式ロータリコンプレッサ1における基本動作である、2段階段での圧縮動作について、主に図1及び図2などを参照しながら説明する。
図示されない配線を介して圧縮機1の電動要素2のステータ23側の図示外のコイルが通電されると、電動要素2が起動してロータ22が回転する。この回転により回転軸21と一体に固設された上、下偏心部32,42に嵌合する上、下ローラ33,43が上、下シリンダ31,41のシリンダ室310,410内を偏心回転する。
図示されない配線を介して圧縮機1の電動要素2のステータ23側の図示外のコイルが通電されると、電動要素2が起動してロータ22が回転する。この回転により回転軸21と一体に固設された上、下偏心部32,42に嵌合する上、下ローラ33,43が上、下シリンダ31,41のシリンダ室310,410内を偏心回転する。
これにより、図示外の冷媒導入管および下支持固定部材35に形成された図示外の吸込通路を経由して下シリンダ31の吸込ポート314A(図3,4参照)からシリンダ室310の低圧室(図3では右空間)側に吸入された低圧の冷媒ガスは、ローラ33とベーン34の動作により圧縮されて中間圧となり、下シリンダ31の高圧室側より吐出ポート315Aを経て密閉容器1A内に吐出される。これによって、1段目の圧縮動作が行われ、密閉容器1A内は中間圧となる。
この密閉容器1A内に吐出された冷媒ガスは、密閉容器1A内で熱を奪われて冷却される。
そして、この中間圧状態の冷媒ガスは、上支持固定部材45に形成された図示しない吸込通路を経由して、図6に示す第2の回転圧縮要素4の上シリンダ41の吸込ポート414Aからシリンダ室410の低圧室側に吸入され、ローラ43とベーン44(いずれも図1,2参照)の動作により2段目の圧縮動作が行われる。これにより、冷媒ガスは、高圧高温の状態となり、高圧室側から吐出ポート415Aを通り、上支持固定部材45に形成された吐出消音室45Aを経て図示しない冷媒吐出管により密閉容器1Aの外部に吐出される。
次に、本発明に係る上、下シリンダ31,41において、主に、ばね室312,412及びこれらに導入する冷媒ガスなどの作用について説明する。
第1の回転圧縮要素3の下シリンダ31のシリンダ室310では、1段目の圧縮動作のため偏心回転するローラ33により、図3(A)に示す低圧状態の冷媒ガスを低圧室へ吸入する初期状態から、冷吐出させる終期状態までの間、同図(B)に示すその室内(この低圧室が最終的には高圧室となる)で中間圧まで冷媒ガスを圧縮させる。この1サイクルの間、冷媒ガスを導入するシリンダ室310の内部に冷媒ガスを密閉状態で保持するために、換言すれば、低圧室と高圧室とを分離して区画させるために、シリンダ室310内のローラ33にベーン34の先端を確りと当接させることが重要となっている。
第1の回転圧縮要素3の下シリンダ31のシリンダ室310では、1段目の圧縮動作のため偏心回転するローラ33により、図3(A)に示す低圧状態の冷媒ガスを低圧室へ吸入する初期状態から、冷吐出させる終期状態までの間、同図(B)に示すその室内(この低圧室が最終的には高圧室となる)で中間圧まで冷媒ガスを圧縮させる。この1サイクルの間、冷媒ガスを導入するシリンダ室310の内部に冷媒ガスを密閉状態で保持するために、換言すれば、低圧室と高圧室とを分離して区画させるために、シリンダ室310内のローラ33にベーン34の先端を確りと当接させることが重要となっている。
そこで、ベーン34をローラ33の外周面に圧接させるために、ばね室312の内部に収容させるスプリング36をベーン34の背面から押圧させ、その弾性力でベーン34をローラ33の外周面に圧接させている。ところが、この第1の回転圧縮要素3の下シリンダ31では、1段目の圧縮動作により冷媒ガスを中間圧の状態まで圧縮させる構成であるので、ベーン34への押圧力は第2の回転圧縮要素4でのベーンに作用させるのに必要な押圧力程には大きな力を必要とはしない。換言すれば、第2の回転圧縮要素4での2段目の圧縮動作のような高圧圧縮まで行うものではないので、ロータリコンプレッサ1の密閉容器1A内に充満している中間圧の冷媒ガスを、ばね室312と密閉容器1との間を連通させる溝313を介して、ばね室312に取り込んでそのガス圧を追加的にベーン34に印加すれば充分である。なお、ロータリコンプレッサ1の密閉容器1A内に充満する冷媒ガスは、第1の回転圧縮要素4での中間圧が一旦密閉容器1A内に導入される構成となっているものである。
一方、第2の回転圧縮要素4の上シリンダ41のシリンダ室410でも、図3(A)及び(B)と同様のプロセスを経ることで2段目の圧縮動作が行われ、中間圧状態の冷媒ガスが高圧状態に圧縮される。このため、高圧の圧縮状態に対応するべく、ベーン44を押圧するスプリング46による弾性力の他に、ばね室412内部で高圧の冷媒ガスの圧力を利用するようになっている。即ち、シリンダ室410から高圧状態に圧縮された冷媒ガスが吐出される上消音室45Aからばね室412まで連通するような状態で、上固定支持部材45内部に形成されているバイパス路45Bを経由して、高圧の冷媒ガスの一部をばね室412へ導入させることで、これをベーン44の背圧として印加させている。このような事情から、第2の回転圧縮要素4の上シリンダ41のばね室412には、第1の回転圧縮要素3の上シリンダ31のばね室312に外周面まで連通して溝313を設けるといった構成のものとは異なり、ばね室412内部はできるだけ気密状態を確保して内部気圧を高めるように構成されているわけである。
従って、本実施形態によれば、第2の回転圧縮要素4の上シリンダ41は、上支持固定部材45と中間仕切板5との間に密着状態で挟持させることで、圧入作業を行うことなくばね室412を閉鎖させることができるように構成されている。従って、圧入作業の際にシリンダが変形を起こすといった虞がなくなり、その分、精度の高い回転圧縮要素4が形成できるので、所要の機能を確実に発揮させることができる。
しかも、本実施形態によれば、圧入作業を行わないので圧入部分でプラグとばね室との間に隙間を生じてことがなく、高圧の冷媒やオイルがその隙間を通りシリンダの内外に差圧を発生してその隙間から冷媒やオイルが洩れを生じる虞もなくなる。
さらに、圧入作業を行わないで済むので、作業工数の増大等によって製造コストの増大をもたらす虞もなくなる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の要旨を逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
即ち、本実施形態では、上下2段の回転圧縮要素からなる多段圧縮式ロータリコンプレッサで構成したが、3段以上の回転圧縮要素からなる多段圧縮式ロータリコンプレッサであってもよい。その場合には、少なくとも、最終段の回転圧縮要素のシリンダに形成するばね室は、外周面と交わるシリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有し、スプリングは、そのばね室に開口された少なくとも一面から挿入させてあって、かつ、スプリングは、圧縮コイルばねであり、ばね室に収容されて最大に伸長したときでもベーンを押圧させる弾性力を付勢する状態にある長さを有するもので構成している。
さらに、本発明では、単一の回転圧縮要素を備えた構成のものであってもよい。この場合には、回転圧縮要素の一部であるシリンダに設けた、ベーン室のベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室は、外周面と交わるシリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有する構成としている。
1 多段圧縮式ロータリコンプレッサ
1A 密閉容器
21 回転軸
22 ロータ
23 ステータ
2 駆動要素(電動要素)
3 第1の回転圧縮要素
31,41 シリンダ
32,42 偏心部
33,43 ローラ
34,44 ベーン
35,45 支持固定部材
36,46 スプリング
310,410 シリンダ室
311,411 ベーン室
312,412 ばね室
313 溝
314,414 吸入孔
314A 吸入ポート
315,415 吐出孔
315A 吐出ポート
4 第2の回転要素
45B バイパス路
5 中間仕切板
1A 密閉容器
21 回転軸
22 ロータ
23 ステータ
2 駆動要素(電動要素)
3 第1の回転圧縮要素
31,41 シリンダ
32,42 偏心部
33,43 ローラ
34,44 ベーン
35,45 支持固定部材
36,46 スプリング
310,410 シリンダ室
311,411 ベーン室
312,412 ばね室
313 溝
314,414 吸入孔
314A 吸入ポート
315,415 吐出孔
315A 吐出ポート
4 第2の回転要素
45B バイパス路
5 中間仕切板
Claims (6)
- 密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素にて駆動される多段式の回転圧縮要素を備え、前記各段の回転圧縮要素は、略円盤状のシリンダと、前記駆動要素の回転軸側に一体に取付けられて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、該ローラに当接して前記シリンダ内を低圧室と高圧室とに区画するベーンとを備え、前記各段の回転圧縮要素で圧縮され前記密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを、最終段の回転圧縮要素に吸引し、高圧に圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、
前記各段の回転圧縮要素の前記シリンダに設けた、ベーン室の前記ベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室のうち、少なくとも最終段の回転圧縮要素のばね室は、シリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有し、
前記スプリングは、圧縮コイルばねであって、前記ばね室の少なくとも一面に開口された部分から挿入させてあるとともに、前記ばね室内で最大に伸長したときでも前記ベーンを押圧させる弾性力を有する長さを有している、
ことを特徴とする多段圧縮式ロータリコンプレッサ。 - 各段の回転圧縮要素の一部である各シリンダのうち、シリンダ内部の方が密閉容器の内部空間の圧力よりも圧力が低いか若しくは略同じである構成のシリンダについては、該シリンダの少なくともいずれか一面に開口されたばね室から外周面に連通する溝が一部貫通状態で刻設されている、
ことを特徴とする多段圧縮式ロータリコンプレッサ。 - 密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、前記第1及び第2の回転圧縮要素は、略円盤状のシリンダと、前記駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、該ローラに当接して前記シリンダ内を低圧室と高圧室とに区画するベーンとを備え、前記第1の回転圧縮要素で圧縮され前記密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを、前記第2の回転圧縮要素に吸引し、高圧に圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、
前記第1及び第2の回転圧縮要素の前記各シリンダに設けた、ベーン室の前記ベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室は、該シリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有し、
前記スプリングは、圧縮コイルばねであって、前記ばね室の少なくとも一面に開口された部分から挿入させてあるとともに、前記ばね室内で最大に伸長したときでも前記ベーンを押圧させる弾性力を有する長さを有している、
ことを特徴とする多段圧縮式ロータリコンプレッサ。 - 第1の回転圧縮要素のシリンダは、このシリンダの内部の方が密閉容器の内部空間の圧力よりも圧力が低いか若しくは略同じである構成であって、該シリンダの少なくともいずれか一面に開口されたばね室から外周面に連通する溝が一部貫通状態で刻設されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の多段圧縮式ロータリコンプレッサ。 - 密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素にて駆動される単一の回転圧縮要素を備え、前記回転圧縮要素は、略円盤状のシリンダと、前記駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、該ローラに当接して前記シリンダ内を低圧室と高圧室とに区画するベーンとを備え、冷媒ガスを高圧に圧縮して吐出する圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、
前記回転圧縮要素の一部である前記シリンダに設けた、ベーン室の前記ベーンを背面から押圧するスプリングを収容するばね室は、外周面と交わるシリンダの両面のうちの少なくともいずれか一面が開口された形状を有し、
前記スプリングは、圧縮コイルばねであって、前記ばね室の少なくとも一面に開口された部分から挿入させてあるとともに、前記ばね室内で最大に伸長したときでも前記ベーンを押圧させる弾性力を有する長さを有している、
ことを特徴とする圧縮式ロータリコンプレッサ。 - 前記シリンダは、このシリンダの内部の方が密閉容器の内部空間の圧力よりも圧力が低いか若しくは略同じ状態にある構成のものであって、前記シリンダの少なくともいずれか一面に開口されたばね室から外周面に連通する溝が一部貫通状態で刻設されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の圧縮式ロータリコンプレッサ。
Priority Applications (2)
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JP2011041778A JP2012177353A (ja) | 2011-02-28 | 2011-02-28 | 多段圧縮式ロータリコンプレッサ及び圧縮式ロータリコンプレッサ |
CN201110391257.0A CN102650291B (zh) | 2011-02-28 | 2011-11-30 | 多级压缩式旋转压缩机及压缩式旋转压缩机 |
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