JP2012176791A - ラベル付きカップ容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 インサート射出成形により合成樹脂製のカップ容器をインモールドラベルで外装したラベル付きカップ容器において、ラベルは、基材層の内側に接着層を積層し、上端縁に沿って接着層にさらに帯状に第2接着層を積層した層構成を有し、また、ラベルの第2接着層を含む上端部が、カップ容器の側周壁から側周壁とフランジの境界部分である角部を経てフランジの基端部と外周縁の間の所定位置に至る領域を外装するものとし、第2接着層の接着強度を、フランジとインモールドラベルの層間剥離が、ラベルの端面に位置する第2接着層の先端を起点として第2接着層に沿うように進行可能に調整する。
【選択図】 図1
Description
インモールドラベル(以下、単にラベルと記載する場合がある。)は、このインモールドラベルをインサート材として金型内にセットして実施するインサート射出成形により、カップ容器の成形と同時にカップ容器の側周壁に巻回状に貼着される。(たとえば特許文献1参照)
また、射出成形時に高温、高圧状態で充填される溶融樹脂を利用して、ラベルと容器との接着強度を高くすることができる。
また、側周壁102の下端縁から上端縁に至る全高さ範囲に亘ってラベル111により外装している。さらに、フランジ104近傍を詳細に見ると、ラベル111はその上端部で、側周壁102とフランジ104の境界部分である角部103で水平方向に屈曲し、フランジ104の一部にまで延設されている。
特に、内容物充填ラインの容器の供給装置への容器の供給動作時には、装置の支持爪片から、図9中、黒矢印で示した方向に力が、しかも衝撃的な力が作用するので、ラベル111の端面111eを起点として亀裂がフランジ104本体に進行し、フランジ104が破損する恐れがある。
インサート射出成形により合成樹脂製のカップ容器をインモールドラベルで外装したラベル付きカップ容器において、
カップ容器は筒状の側周壁の上端に周設される外鍔状のフランジを有し、
インモールドラベルは、基材層の内側に、カップ容器に接着する接着層を積層し、上端縁に沿って接着層にさらに帯状に第2接着層を積層した層構成を有し、
また、インモールドラベルの第2接着層を含む上端部が、カップ容器の側周壁から側周壁とフランジの境界部分である角部を経てフランジの基端部と外周縁の間の所定位置に至る領域を外装するものとし、
第2接着層の接着強度を、フランジとインモールドラベルの層間剥離が、インモールドラベルの端面に位置する第2接着層の先端を起点として第2接着層に沿うように進行可能に調整したことを特徴とする、と云うものである。
上記構成によれば、フランジの先端に片持ち状の力が作用した際、ラベルの端面を起点として亀裂が発生すると共に、ラベルの端面に位置する第2接着層の先端を起点として第2接着層に沿うように、フランジとラベルの層間剥離が進行し、この層間剥離により衝撃力を分散、緩和できると共に、亀裂のフランジ本体への進行を効果的に抑制することができ、容器の損傷を第2接着層に沿った部分的な層間剥離の程度、すなわち以降の使用に差し支えのない、あるいは外観状目立たない程度の損傷に留めることができる。
なお、上記構成あるいは以降説明ではラベルの積層構造を記載するため、便宜上たとえば「基材層の内側」と云うように「内側」という用語を使用するが、この「内側」はラベルのカップ容器と接着する側を示すものとする。
また、第2接着層の積層幅、すなわちラベルの上端縁からどの程度の高さ幅に亘って第2接着層を積層するかについては、外力の分散あるいは緩和効果と、層間剥離が発生した場合の外観的な損傷の許容範囲を考慮して適宜設定することができるが、少なくとも、ラベルの上端縁を含む上端縁近傍に第2接着層を積層することにより衝撃力を分散、緩和して亀裂のフランジ本体への進行を抑制することが可能であり、さらに上端縁から側周壁とフランジの境界部分である角部までの範囲に第2接着層を積層することにより、この抑制効果を十分に発揮させることができる。
接着層をポリオレフィン樹脂製のヒートシール層とし、
第2接着層を、無機フィラーを分散したアクリル樹脂あるいは無機フィラーを分散したウレタン樹脂製のコーティング層とする、と云うものである。
すなわち、本発明の主たる構成を有するものにあっては、
フランジの先端部を上方に押上げるような片持ち状の力が作用した際、ラベルの端面を起点として亀裂が発生し、さらにその亀裂がフランジ本体に進行してフランジが破損する恐れがあるが、ラベルの端面に位置する第2接着層の先端を起点として第2接着層に沿うようにフランジとラベルの層間剥離が進行し、この層間剥離により衝撃力を分散、緩和できると共に、亀裂のフランジへの進行を効果的に抑制することができ、容器の損傷をフランジとラベルの層間剥離の程度、すなわち以降の使用に差し支えのない、あるいは外観状目立たない程度の損傷に留めることができる。
図1〜図5は本発明のラベル付きカップ容器の一実施例を説明するためのものであり、図1はカップ容器の半縦断正面図、図2はフランジ4の近傍を要部拡大して示す縦断面図、図3はラベル11を内側からみた展開図、図4は図3中のA−A線に沿って示すラベルの層構成を示す断面図、そして図5はフランジ4近傍の変形態様を縦断面で示す概略説明図である。
なお図6中、ラベル11をキャビティ金型31の金型面に吸着状にセットするためのスリット等の図示は省略している。
第2接着層15は、ラベル11の上端縁に沿って細帯状に接着層14に積層されており、図5に示されるようにラベル11の端面11eから略角部3に至る範囲に位置するように、その高さ幅Wh(図3参照)を調整している。
この供給装置41は、上下の位置に、それぞれ4ケの支持爪片42(42a、42b)が等中心角度に配設されており(図中ではこのうちの2ケを図示している。)これら上下の支持爪片42a、42bの前進あるいは後退動作により、スタックされた多数のカップ容器1中、最下位のカップ容器1から順次、1ケずつ充填ラインに供給すると云う機能を有するものである。
次に、図7(b)は、下の支持爪片42bを後退させて、最下位のカップ容器1を吸引治具43で下方に引き抜く過程を示している。
また、図7(c)は、下の支持爪片42bを前進させ、上の支持爪片42aを後退させて、今度は図7(a)中、下から2番目に位置したカップ容器1のフランジ4に下の支持爪片42bに係止した状態を示している。
そして、このように図7(a)、(b)、(c)に示される工程を繰り返すことにより、スタックした多数のカップ容器1から、順次、1ケずつ充填ラインに供給することができる。
図8は、上下の支持爪片42a、42bをいずれも前進させて、最下位と2番目のカップ容器1のフランジ4に係止させた状態で、スタック体を供給する例であるが、この例では、2番目のカップ容器1のフランジ4にフランジ4の先端部を上方に押上げるような片持ち状の力、しかも衝撃的な力が作用する。
ここで、図中、黒矢印で示した方向に衝撃的な力がフランジ4に作用した際には、通常、角部3に応力が集中しこの角部3から亀裂が発生、進行するが、本実施例の容器では、角部3を越えてフランジ4の一部にまでラベル11による外装を延設することにより、ラベル11による補強効果が発揮され角部3での応力集中を分散させることができ、角部3を起点とした容器の割れを効果的に防ぐことができる。
上記のように、図中、黒矢印で示した方向に衝撃的な力がフランジ4に作用した際には、まずラベル11の端面11eを起点として亀裂C1が発生するが、この亀裂C1の発生に伴って、フランジ4とラベル11の第2接着層15との層間、ラベル11の各層間、さらにはラベル11の各層内に水平方向に層間剥離が発生するような方向に力が作用する。
このため、ラベル11の端面11eに位置する第2接着層15の先端15pを起点として、第2接着層15とフランジ4との層間剥離を伴って亀裂C2が水平方向に第2接着層15に沿って進行する。
そして、本実施例のカップ容器についての、図7、8に示される供給装置41を配設した充填ラインでの試験結果では、フランジ4本体への亀裂の進行は見られなかった。
一方、第2接着層15が積層されていない、PP樹脂製のカップ容器1の側周壁2を含む大部分の領域では、ポリオレフィン樹脂製の接着層14により、インサート成形法による作用効果も相俟って、ラベル11は強固に接着固定されている。
上記実施例ではカップ容器1をPP樹脂製としたが、勿論、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等、他の合成樹脂製とすることができる。
ラベル11については、カップ容器1に使用する合成樹脂に合せて接着力を考慮して接着層14に使用する樹脂を適宜選択することができ、
また、ラベル11の層構成は、基材層13/接着層14/第2接着層15、とう云う基本的な積層構造の範疇の中で、上記実施例で加飾のための印刷層16と保護層12を積層したように、必要に応じて他の層を積層することができる。
また、ラベルにアルミ箔、アルミ蒸着PETフィルム、シリカ蒸着PETフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂製フィルム、ナイロンフィルム等のガスバリア性の高い層を積層することにより、ラベル付きカップ容器のガスバリア性を高くすることもできる。
なお、上記実施例はフランジと第2接着層との層間剥離性を利用したものであるが、この他にも第2接着層自体の凝集破壊する凝集剥離、第2接着層15と接着層14の層間剥離、あるいはこれらの剥離が混在した層間剥離を利用することができる。
2、102;側周壁
3、103;角部
4、104;フランジ
5 ;底部
7 ;突片
11、111;インモールドラベル
11e、111e;端面
12;保護層
13;基材層
14;接着層
15;第2接着層
15p;先端
16;印刷層
31;キャビティ金型
32;コア金型
33;底金型
34;ゲート
41;供給装置
42(42a、42b);支持爪片
43;吸引治具
C1、C2;亀裂
Claims (4)
- インサート射出成形により合成樹脂製のカップ容器(1)をインモールドラベル(11)で外装したラベル付きカップ容器であって、前記カップ容器(1)は筒状の側周壁(2)の上端に周設される外鍔状のフランジ(4)を有し、前記インモールドラベル(11)は、基材層(13)の内側に前記カップ容器(1)に接着する接着層(14)を積層し、上端縁に沿って前記接着層(14)にさらに帯状に第2接着層(15)を積層した層構成を有し、また、前記インモールドラベル(11)の第2接着層(15)を含む上端部が、前記カップ容器(1)の側周壁(2)から該側周壁(2)とフランジ(4)の境界部分である角部(3)を経てフランジ(4)の基端部と外周縁の間の所定位置に至る領域を外装するものとし、
前記第2接着層(15)の接着強度を、フランジ(4)とインモールドラベルの層間剥離が、該インモールドラベル(11)の端面(11e)に位置する第2接着層(15)の先端(15p)を起点として該第2接着層(15)に沿うように進行可能に調整したことを特徴とするラベル付きカップ容器。 - 第2接着層(15)の接着強度を、外力による端面(11e)を起点としたフランジ(4)の破断を抑制可能に調整した請求項1記載のラベル付きカップ容器。
- 接着層(14)に第2接着層(15)をコーティング状に積層した請求項1または2記載のラベル付きカップ容器。
- カップ容器(1)をポリプロピレン樹脂製とし、基材層(13)を延伸ポリプロピレン樹脂フィルム製とし、接着層(14)をポリオレフィン樹脂製のヒートシール層とし、第2接着層(15)を、無機フィラーを分散したアクリル樹脂あるいは無機フィラーを分散したウレタン樹脂製のコーティング層とした請求項3記載のラベル付きカップ容器。
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