JP2012175607A - 光ファイバ伝送路設計方法 - Google Patents

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Toshiya Matsuda
俊哉 松田
Fukutaro Hamaoka
福太郎 濱岡
Tsuyoshi Seki
剛志 関
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Abstract

【課題】超高速光伝送システムにおいて、PDLによる信号劣化を解消するための光ファイバ伝送路の設計方法を提供する。
【解決手段】それぞれ一定のPDL値k1〜kmを有するm個(mは2以上の整数)の定PDLデバイスと、PDL値が確率分布して平均PDL値<K1>〜<Kn>を有するn個(nは1以上の整数)の分布PDLデバイスとを縦列接続して構成される光ファイバ伝送路の全体の平均PDL値<Ktotal>を
Figure 2012175607

と見積もる。
【選択図】図1

Description

本発明は、超高速光伝送システムにおける光ファイバ伝送路の偏波パラメータを設計する光ファイバ伝送路設計方法に関する。
伝送速度が40Gbit/s 以上の光伝送システムにおいて、光ファイバ伝送路の偏波モード分散(PMD:Polarization mode dispersion)が主要な伝送制限要因として、光ファイバ伝送路のPMD設計に考慮されるようになってきた(非特許文献1参照)。光ファイバ伝送路のPMD設計を行う際に、光ファイバ伝送路全体でのPMD値(平均DGD(Differential Group Delay)値)を見積もる場合、PMD測定器の性能限界や、フィールド測定の稼働の関係により、各光ファイバ区間およびデバイスの平均DGD値<Di> (i=1,…,n)の測定を行い、各測定値から2乗和平方根を計算する以下の式(1) に従い光ファイバ伝送路全体の平均DGD値を見積もっていた(非特許文献2参照)。
Figure 2012175607
一方、近年研究開発が盛んな伝送速度 100Gbit/s の超高速光伝送システムにおいて、偏波多重信号を用いたデジタルコヒーレント受信方式が主流となっている(非特許文献3参照)。この方式ではデジタル信号処理によって強力なPMD補償が可能となり、10Gbit/s システムと同様、PMDによる制限は実質的にほとんどなくなる。しかしながら、偏波依存性損失(PDL:Polarization Dependent Loss )については、デジタル信号処理の不安定性(非特許文献4参照)が知られており、更にPDLによる光信号雑音比(OSNR:Optical Signal-to-Noise Ratio )の劣化についてはデジタル信号処理によって補償できないため、伝送設計におけるPDLの見積もりが必要となる。
また、光ファイバ、光増幅中継器、光フィルタ、光Add/Drop装置等の光合分波器、光コネクタ等の複数のPDLデバイスを縦列接続した場合、全体の平均PDL値は、PMD値(平均DGD値)を見積もる場合と同様に、各PDLデバイスの平均PDL値<Ki> (i=1,…,n)の測定を行い、各測定値の2乗和平方根を計算する以下の式(2) により見積もることが可能であることが知られている(非特許文献5、6参照)。
Figure 2012175607
松田 他、「RZ−DGPSK変復調方式のPMD耐力と高PMDファイバを用いた検証実験」、OCS 信学技報2007-17 、2007. M. Brodsky et al.,"Field PMD Measurements through a Commercial, Raman-Amplified ULH Transmission System", LEOS2003, MB3.3, 2003. X. Zhou et al.,"Cascaded two-modulus algorithm for blind polarization demultiplexing of 114-Gb/s PDM-8-QAM optical signals" ,OFC/NFOEC2009, OWG3, 2009. L. Liu et al.,"Initial Tap Setup of Constant Modulus Algorithm for Polarization De-multiplexing in Optical Coherent Receivers", OFC/NFOEC2009, OMT2, 2009. P. Lu et al.,"Statistical Distribution of Polarization-Dependent Loss in the Presence of Polarization-Mode Dispersion in Single-Mode Fibers", IEEE Photon. Technol. Lett., Vol.13, No.5, pp.451-453, 2001. Y. Fukada et al.,"Probability Density Function of Polarization Dependent Loss (PDL) in Optical Transmission System Composed of Passive Devices and Connecting Fibers",J. Lightwave Technol. Vol.20, No.6, pp.953-964, 2002.
光増幅中継を行う光ファイバ伝送路の場合、伝送路を構成するデバイスとして光増幅中継器や光フィルタのようにある一定のPDL値となるものが多く存在する。このような一定のPDL値を有するデバイスのPDL値は確率的に分布するものではないため、このようなデバイスを多段に接続したときの全体の平均PDL値については、2乗和平方根で見積もることができなかった。
本発明は、一定のPDL値を有する定PDLデバイスと、平均PDL値を有する分布PDLデバイスが混在する光ファイバ伝送路の全体の平均PDL値を求めることができる光ファイバ伝送路設計方法を提供することを目的とする。
本発明の光ファイバ伝送路設計方法は、それぞれ一定のPDL値k1 〜km を有するm個(mは2以上の整数)の定PDLデバイスと、PDL値が確率分布して平均PDL値 <K1>〜<Kn> を有するn個(nは1以上の整数)の分布PDLデバイスとを縦列接続して構成される光ファイバ伝送路の全体の平均PDL値<Ktotal> を
Figure 2012175607
と見積もることを特徴とする。
本発明の光ファイバ伝送路設計方法では、一定のPDL値を有する定PDLデバイスを縦列接続したときの全体PDL値の確率分布が平均PDL値を持つMaxwell 分布で表されることを利用し、一定のPDL値を有する定PDLデバイスと、平均PDL値を有する分布PDLデバイスが混在する光ファイバ伝送路の全体の平均PDL値を求めることができる。
本発明が適用される光ファイバ伝送路の構成例を示す図である。 定PDLデバイスの縦列接続時の全体PDL発生頻度を示す図である。 定PDLデバイスの縦列接続構成を示す図である。 定PDLデバイスの縦列接続構成を示す図である。 定PDLデバイスの縦列接続構成を示す図である。 本発明が適用される光ファイバ伝送路の実施例構成を示す図である。
図1は、本発明が適用される光ファイバ伝送路の構成例を示す。
図1において、光ファイバ伝送路は、光合分波器や光増幅中継器のようにそれぞれ一定のPDL値k1 〜km を有する定PDLデバイス11−1〜11−m(mは2以上の整数)と、光ファイバのようにPDL値が確率分布して平均PDL値 <K1>〜<Kn> を有する分布PDLデバイス12−1〜12−n(nは1以上の整数)とを縦列接続した構成である。本発明は、このような光ファイバ伝送路の全体の平均PDL値<Ktotal> を算出する方法を示すものであり、以下に詳細に説明する。
まず、一定のPDL値k0 を持つm個の定PDLデバイスを縦列接続した場合を考える。このときの全体PDL値Kの確率密度関数P(K) は、次の式(3) で表されることが報告されている(非特許文献6参照)。
Figure 2012175607
ここで、k0 =0.1dB の場合、m=4,8,12,16における全体PDL値Kの頻度を式(3) より求め、図2に示す。
式(3) について、Maxwell 分布を用いて表すと式(4) となる。
Figure 2012175607
ここで、μは、式(5) で表される全体PDL値Kの平均値とする。
Figure 2012175607
式(4) による全体PDL値Kの頻度を式(3) の場合と同様に図2に実線で示す。式(3) と式(4) の結果はよく一致しており、式(3) が式(4) で近似できることが分かる。また非特許文献6によれば、モンテカルロ法によるシミュレーションにより求められる全体PDL値Kの分布は、mが十分大きければ式(3) に一致することが示されている。これは、一定のPDL値k0 を持つ十分に多数のm個のデバイスを縦列接続したときの全体PDL値Kの確率分布が、式(5) の平均PDL値を持つMaxwell 分布で表されることを示している。
次に、それぞれ一定のPDL値k1 〜km を持つm個の定PDLデバイスを縦列接続した場合の全体の平均PDL値<Kconst> を考える。
図3は、定PDLデバイスの縦列接続構成を示す。ここでは、定PDLデバイス11−1〜11−mがそれぞれx個ずつ定PDLデバイスを縦列接続した構成の光ファイバ伝送路を示す。この光ファイバ伝送路の平均PDL値を<Kconst(x)>と表す。式(5) より、xが十分に大きければ各x個ずつの定PDLデバイス11−i(i=1〜m)の合計PDL値は、式(6) の平均PDL値<Ki(x)>を持つ分布PDLデバイス12−iと見なせる。
Figure 2012175607
したがって、式(2) および式(6) より、平均PDL値<Kconst(x)>は、
Figure 2012175607
となる。
ここで、図4に示すように、十分に大きな整数M≫1に対して、定PDLデバイス11−1〜11−mがそれぞれ(M+1)個ずつ定PDLデバイスを縦列接続した光ファイバ伝送路を想定する。次に、図4に示す各定PDLデバイスの接続順について、図5に示すように、PDL値k1 〜km の定PDLデバイス11−1〜11−mがそれぞれM個ずつの組と、1つずつの組に並べ替える。M個ずつの定PDLデバイスの組は、図3に示すように分布PDLデバイス12−1〜12−mと見なすことができる。
このとき、光ファイバ伝送路は、分布PDLデバイス12−1〜12−mの平均PDL値<Kconst(M)>と、PDL値k1 〜km の定PDLデバイスの平均PDL値<Kconst>の2つの分布PDLデバイスが接続したものと見なすことができる。
したがって、式(2) より、
Figure 2012175607
が成り立ち、平均PDL値<Kconst> は、
Figure 2012175607
となる。
一方、平均PDL値<Ki> (i=1〜n)で確率分布するn個の分布PDLデバイスが縦列接続した場合の全体の平均PDL値 <Kdist> は、式(2) より、
Figure 2012175607
となる。
以上より、図1に示すように、一定のPDL値k1 〜km を持つm個の定PDLデバイス11−1〜11−mと、平均PDL値 <K1>〜<Km> で確率分布するn個の分布PDLデバイス12−1〜12−nが縦列接続した場合の全体の平均PDL値<Ktotal> は、式(2) 、式(9) 、式(10)より、
Figure 2012175607
で見積もることができる。ここで、mは2以上の整数、nは1以上の整数である。
図6は、本発明が適用される光ファイバ伝送路の実施例構成を示す。
図6において、光送信器61と光受信器62を接続する光ファイバ伝送路は、光合分波器63−1〜63−2、光増幅中継器64−1〜64−4、光ファイバ65−1〜65−3で構成される。合分波器63−1〜63−2はそれぞれ定PDL=0.5dB 、各光増幅中継器64−1〜64−4は定PDL=0.15dB、各光ファイバは平均PDL=0.1dB の分布PDLを持つとする。
この光ファイバ伝送路の平均PDL値<Ktotal> は、式(11)より、
Figure 2012175607
と見積もることができる。
11 定PDLデバイス
12 分布PDLデバイス
61 光送信器
62 光受信器
63 光合分波器(定PDLデバイス)
64 光増幅中継器(定PDLデバイス)
65 光ファイバ(分布PDLデバイス)

Claims (1)

  1. それぞれ一定のPDL値k1 〜km を有するm個(mは2以上の整数)の定PDLデバイスと、PDL値が確率分布して平均PDL値 <K1>〜<Kn> を有するn個(nは1以上の整数)の分布PDLデバイスとを縦列接続して構成される光ファイバ伝送路の全体の平均PDL値<Ktotal> を
    Figure 2012175607
    と見積もる
    ことを特徴とする光ファイバ伝送路設計方法。
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